ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。
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「話の通じない人たち、SNSを利用して思う、議論に向かないメディアだ」〔1〕  晴雨堂の晴耕雨読な日常[二五九] 

SNSは、やはり議論に向かない。

2017.02.09Twitter画面
2017.02.09Twitter画面。
ユーザーの名前はイングリッシュ系、欧米のアニメファンによる作画か?
 
【雑感】こんな事をいうと、古くからの友人たちから「いやいや、ミカエルの方からあちこち喧嘩うってるんちゃうんか」と突っ込まれるが、そうだとしてもその「喧嘩」すら成り立たない奇妙な世界がネット社会の特徴かもしれない。

 まず、ネット上の議論は相手の顔が見えていないので、表情の無い活字による文面のみでやり取りする。直接相対しての議論なら、真面目に真剣に論を展開しているのか、怒っているのか、あるいは相手を小馬鹿にして戯言を並べているのかが相手の表情や語調などから読み取れる情報で推察できるのだが、活字は単なる記号でしかない。
 この表情の無い記号の並びが曲者である。

 よく軽んじられるのが言論界のルールである。これを知ってて無視しているのか、知らないで無視しているのか、よく判らないがあまりにも多い。
 例えば、私は相手の言に対して反論するとき、相手の言を抜粋する事も多々あるのだが、その場合はカギカッコ括りにして相手の発言を一字一句違わずに抜粋する。あるいはネット社会の場合は引用符「<」を抜粋文各行に冠する事もある。これは「自分ルール」ではなく言論界のルールである。
 それは相手の発言に対する反論を述べている事を正確に表す意図がある。相手に「お前の発言はこうだが俺はこう考える」を明確にするためで、口頭の議論と違い相手の発言が記録に残る利点を活かし念のためさらに強調する意味合いがあるのだが、それでも相手から「前後の文脈を考えろ」との批難を受ける事が多々ある。

 ところがネットではそんなルール無視なのである。
 相手が的外れの反論をされるので、「どういうつもりや」と問いただしたら相手は「貴方は○○と言った」というのだが、もはや私の元の発言とは似ても似つかない文面なのである。無茶苦茶だ。
 同じ日本語でも、住んでる地域や生まれた世代によって意味が微妙に異なる。だから通常の会話でも自分の発言が意図しない方向へ解釈されたり誤解されてしまう事が多々ある。しかし文章による議論は発言が「文」という記録に残るから、誤解を防げる利点があるのだ。
 しかし残念な事に多くの方々は口頭の世間話と全く同じ感覚で、他人の発言を自分勝手な解釈で捉えて反論する。下手をすれば、私が言ってもいない架空の発言に対して反論を試みるので、私にしてはもはや話にならないのだ。
 その上ネットでは相手が私への反感と悪意で作り上げた架空の発言が晴雨堂ミカエルの発言として拡散するので非常に迷惑千万である。下手をすれば名誉棄損の疑いすらある。

 ネットの無い時代であれば、市井の口頭の議論はある意味適当いい加減で、突っ込まれても「俺はそんな事いってない」「忘れた」でしらをきれた。
 雑誌や新聞紙上の議論では文章という記録に残る。議会や裁判では書記が発言を速記にて正確に記録するし、録音でも記録にとる。なので発言者は慎重に発言する。最悪、名誉棄損に抵触して紛争になる場合もあるからだ。
 ネット社会に於ける議論とは、市井の居酒屋の議論と違い、新聞や雑誌上の議論と同様の重さがある。場合によってはそれ以上だ。下手をすれば世界70億の人間へと拡散される可能性もゼロではない。
 なのに、SNSはコミュニケーションの道具以上の存在でもある事を意識しない人たちが殆どだ。市井の居酒屋での世間話と同じ調子でやりおる。

 もちろん、居酒屋での世間話と同じ調子で全く面識のないアカの他人と意見交換できるのがネットの良さであることを認めているし、私自身もかたぐるしい挨拶抜きで話しかけたりもする。(余談1)
 気をつけなければならないのは、自分の発言はネット上に残るという事である。居酒屋での無礼講と同じように会話ができるが、酒の上での行き違いでは済まない怖さがある事を私自身も含めて肝に銘じようではないか。

(余談1)その点をこないだTwitter上で「はるかぜちゃん」つながりで某氏から「注意」された。一言「横コメ失礼」とことわったうえで割り込んだので現代の感覚では無礼に当たらないと思う。一言無しでズカズカ割り込む人が圧倒的だからだ。
 ところが私の言動が遠慮のない無礼に見えたようである。それ自体は反論も否定もしない。相手も穏便に注意したつもりだと思うし、私も穏便に返答したつもりだが、相手はそうはとらなかったようだ。次第に喧嘩腰のやり取りになり某氏はブロックした模様。

 私は「博愛精神」なので基本ブロックしない。別段、多様性社会や世界平和云々を声高に主張している訳ではなく、趣味の延長でTwitterやっているだけなのでブロック機能を乱用する権利はあるし相手も正当な処置をしたと思っている。しかし私はブロックはしない。
 逆に多様性社会や世界平和を主張する左派系市民運動家関係の御仁にブロック機能を使う権利は無いと思う。多様性社会と世界平和を主張した時点でその権利は放棄したものと心得るべきだ。


 
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「MISHIMA ――11月25日・快晴」 不安と恐怖を楽しむ時に〔26〕 

MISHIMA ――11月25日・快晴」 
ハリウッドが描く三島由紀夫




【原題】Mishima: A Life In Four Chapters 
【公開年】1985年  【制作国】亜米利加 日本国  【時間】120分  
【監督】ポール・シュレイダー
【制作総指揮】フランシス・フォード・コッポラ ジョージ・ルーカス
【原作】三島由紀夫
【音楽】フィリップ・グラス
【脚本】ポール・シュレイダー レナード・シュレイダー チエコ・シュレイダー   
【言語】日本語 一部イングランド語
【出演】緒形拳(三島由紀夫)  塩野谷正幸(森田必勝 楯の会学生長)  立原繁人(古賀浩靖 楯の会隊員)  三上博史(小賀正義 同左)  Junya Fukuda(小川正洋 同左)  大谷直子(倭文重 三島の母)  加藤治子(なつ 三島の祖母)  織本順吉(自衛隊益田総監)    

【成分】悲しい 切ない 知的 絶望的

【特徴】ハリウッド映画人が描く三島由紀夫伝記映画。ハリウッド制作の日本語映画としては先駆けといえる作品である。

 若松孝二監督作「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」は現代日本が抱える社会問題をも意識しながら三島の割腹事件を考察しているのに対し、本作の場合は三島由紀夫個人の内面から事件を掘り下げている。
 劇作家でもあった三島を意識しているのか、原題にある「Four Chapters」が示すように四幕で構成されている。冒頭は事件当日の朝、三島がいつもと変わらず起床し身支度を始めるところを淡々と描写、幼年時代からの回想を交えながら三島の代表作である「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」の実写化を舞台劇風に魅せていく。

【効能】右翼思想に目覚める。三島由紀夫の内面を覗いたような感覚になる。

【副作用】右翼思想に目覚める。アメリカ的藝術描写に違和感。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」 社会問題を考えたい時に〔28〕 

11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」 
若松監督昭和三部作




【英題】11:25 The Day He Chose His Own Fate 
【公開年】2011年  【制作国】日本国  【時間】79分  
【監督】若松孝二
【制作】若松孝二
【原作】
【音楽】板橋文夫
【脚本】若松孝二 掛川正幸   
【言語】日本語
【出演】井浦新(三島由紀夫)  満島真之介(森田必勝 楯の会2代目学生長)  渋川清彦(持丸博 楯の会初代学生長)  岩間天嗣(古賀浩靖 楯の会隊員)  永岡佑(小賀正義 同左)  鈴之助(小川正洋 同左)  タモト清嵐(山口二矢 日本社会党委員長浅沼稲次郎を刺殺した少年)  寺島しのぶ(平岡瑤子 三島の妻)  大西信満(倉持清 楯の会隊員)  中泉英雄(田中健一 同左)  平野勇樹(鶴岡友昭 同左)  笠松伴助(中辻和彦 同左)  鈴木信二(関河真克 同左 龍笛奏者)  橋本一郎(斎藤英俊 日本学生同盟会員)  落合モトキ(遠藤秀明 同左 森田と一緒に貝殻島上陸をはかる)  粕谷佳五(楯の会A)  礒部泰宏(楯の会B)  小橋和之(楯の会C)  小林優斗(上田茂 森田の幼なじみ)  韓英恵(上田牧子 同左 茂の姉)  篠原勝之(碇井陸将 陸上自衛隊富士学校校長)  地曵豪(福岡喬 富士学校教官)  辻本一樹(富士学校教官A)  山岡一(富士学校教官B)  安藤岳史(自衛官M)  小橋和之(楯の会C)  小林優斗(上田茂)  韓英恵(上田牧子)  篠原勝之(碇井陸将)  地曵豪(福岡喬)  辻本一樹(富士学校教官A)  山岡一(富士学校教官B)  水上竜士(山本舜勝一佐 陸上自衛隊調査学校情報教育課長)  吉澤健(益田兼利陸将 陸上自衛隊東部方面総監部総監)  増田俊樹(幕僚A)  よこやまよしひろ(幕僚B)  中沢青六(幕僚C)  岡部尚(全共闘学生A)  森岡龍(全共闘学生B)  寺井文孝(全共闘学生C)  安田暁(全共闘学生D)  藤井由紀(全共闘学生E)  安部智凛(全共闘学生F)  小林三四郎(舩坂弘 元軍人 三島に日本刀・“関孫六”を譲渡した人物)  小倉一郎(田中必勝の父)  長谷川公彦(徳岡孝夫記者)  

【成分】悲しい 切ない 知的 絶望的

【特徴】若松孝二監督昭和三部作最終章。

 日本を代表する小説家三島由紀夫が憂国の情に突き動かされて民兵組織「楯の会」結成し市ヶ谷駐屯地で占拠事件を起こした末に割腹自殺を遂げるまでを描く。
 決して駄作ではないが、前作の連合赤軍に焦点を置いた「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」や反戦をテーマにした「キャタピラ」ほどに思い入れを感じない。
 思うに、監督自身は左翼ではないと公言しているもののやはり左にシンパシーを感じていたのではないか、そして左系内容の映画制作が続いたのでバランスをとるために右側の三島由紀夫を撮ったのではないかと私は勘繰っている。

 とはいえ、俳優たちの熱演は素晴らしい。

【効能】右翼思想に目覚める。反日勢力の間接侵略に危惧を抱く。

【副作用】右翼思想に目覚める。反日勢力の間接侵略に危惧を抱く。

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晴雨堂の2016年公開映画 残念ながら晴雨堂が劇場で観たのは「キネマ純情」と「帰ってきたヒトラー」の2作のみ。  

残念ながら 
昨年は映画館で観た作品は僅か二作。


 さて、今回も昨年1年間の公開映画を振り返る行事がやってきた。
 「日本で2016年に劇場初公開された新作」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、昨年に引き続き映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになる。
 かつては毎週末に映画館へ行ったものだ。なにしろ近所には歩いて10分以内の所に映画館があるのだ。映画好きにとって誠に素晴らしい居住環境、しかも私が観る映画の多くはメジャーではないため観客は下手をすれば私一人のときもあり貸切状態、まさにマイシアター状態なのだ。
 しかし子供が幼いとき、例えごくたまにとはいえ映画館へ行こうものなら、親戚縁者から吊るし上げにあう。ただでさえ仕事の関係で育児は連れ合いに任せっきりの状態ゆえたまの休みは子供の相手をするのは責務、映画館へ行くなど言語道断。

 それでも身内の批難を覚悟の上で観に行った映画があった。昨年5月に大阪第七藝術劇場で上映された「キネマ純情」と6月に日本初公開された「Er ist wieder da(帰ってきたヒトラー)」である。
 残念ながら劇場で観た映画は以上の2作のみである。




 
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チバレイ、左翼になったと思ったら一気に右翼へリバウンドか。 近頃の現象[一二六八] 

千葉麗子さんの「くたばれパヨク」サイン会 
抗議電話で「開催せず」 
有田芳生参院議員「常識的な判断」 
千葉さん「言論弾圧だ」

 元女優で実業家の千葉麗子さん(42)が今月12日に行われる予定だったサイン会が抗議の電話やFAXがあったとして、中止されたことが分かった。千葉さんは今月5日、自身のツイッターに「サイン会ですが東京堂書店さんに『わかってやっているのか?』と店員さんに恐怖心を与えるような電話が相次いでかかってきたため、書店側が万が一を考慮して中止になりました。楽しみにしていた皆様にお詫び申し上げると共に、このような言論弾圧には憤りを感じます」と投稿。この後、9日までに、賛成、反対の立場から著名人がツイッターに投稿した。(産経新聞)

【雑感】「恐竜戦隊ジュウレンジャー」を観ていた時、実業家になるまでは予想していたけど、まさか左翼とつるんで反原発運動するとは思わなかったし、それから程なくリバウンドで旭日旗を振り回すとは思わなかった。

(鋭意執筆中)

 




 
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[ 2017/01/10 15:15 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(3)

第2212回「おもちはどうやって食べるのが好きですか?」 晴雨堂はやはりお雑煮か。 

こんにちは!トラックバックテーマ担当の一之瀬です。今日のテーマは「おもちはどうやって食べるのが好きですか?」です。醤油やマヨネーズ、おぞうににしてみたりとお餅は色々な食べ方がありますよね私はみたらしとずんだ餅にして食べるのが好きですみなさんはおもちをどうやって食べるのが好きですかたくさんの回答、お待ちしておりますトラックバックテーマで使っている絵文字はFC2アイコン ( icon.fc2.com ...
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【雑感】普段はシンプルに焼餅にして醤油をかけて食べるのが好きだが、お正月なのでやはりお雑煮だろう。

2017年の雑煮

 大阪は白味噌仕立てで具材も餅以外にいろいろ入って賑やかなのだが、我が家の雑煮は澄まし汁に餅と菜っ葉が少し入っているだけのシンプルなもの。
 郷里高知伝統の雑煮かと思ったが、少し違う。たしかに澄まし汁は同じだが、餅は高知では切り餅、ウチは丸餅、というより切り餅でも丸餅でもどちらでもいいような感じだ。家にある餅をとにかく使う。
 たぶん、大昔は切り餅だったかもしれないが、大晦日に餅をつくようになって出来立ての餅では切り餅に成形しづらいので丸餅が手っ取り早くて定着したのではなかろうかと思う。

 ただ、連れ合いにはイマイチ我が家伝統の雑煮は不評みたいだ。連れ合いの実家はやはり白味噌で具材は盛沢山、そういえば母も徳島出身で高知の雑煮はイマイチのような印象を持っていた。徳島は地理的に大阪文化の影響が強く大阪と同じく白味噌で具材たっぷりだから、我が家の雑煮は貧相に見えた事だろう。

 母は高知の山村の家の伝統に渋々従っているが、連れ合いは澄まし汁に妥協したものの具材は年々増えていく。餅も我が家では煮るのだが、連れ合いはまず焼いて柔らかくした餅を椀に入れて汁をかける。たしかに、煮ると餅が溶けて汁がドロドロになるし後の食器洗いなどが面倒だ。
 ということで、上記写真の形に落ち着きつつある。


 
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「学歴」で分断される日本のリアル 晴雨堂はもろにそのリアルを体験している。格差を縮めるにはまず視野を広げる事、その手っ取り早い手段は映画鑑賞である。 近頃の現象[一二六七] 

「学歴」で分断される日本のリアル

「学歴」という最大の分断 大卒と高卒で違う日本が見えている
日本は学歴で分断される社会になっている。さまざまな「格差」の根にあるのも学歴だ。学歴分断から共生へ、舵をきれるのか?日本社会が抱える最大のリスクに迫る。【BuzzFeed Japan / 石戸諭】(BuzzFeed Japan)

【雑感】私は20代後半から30代後半までの10年余りを友達の義理で左翼系の市民運動に関わった。そこに集まる人々はどちらかといえば高学歴で政治や福祉を勉強しているような学生や、そういった大学を卒業して優良企業や公務員におさまっている紳士淑女で概ね占められていた。
 私はというと、大卒ではあったが学部は藝術学部、政治や福祉などは学んだ事はない。仕事は工場の労働者で背広を着て働くような職種ではなかった。

 彼ら彼女らの話を聞いていると、とにかく政府批判・日本文化批判が目立つ。加えて小難しい単語や外来語がやたらと多い。最初の印象としては、人の悪口を難解な表現で並べまくっている人々の憤懣の吐け口だった。

 彼ら彼女らはやたら社会の危機を主張するのだが、その危機というのがよく解らない。
 ある若そうな主婦は「生活が厳しい」と言ったが、家計を伺うと当時の私の手取りより沢山もらっている。(2016年現在の私の手取りはあの頃よりも減っているうえに妻子持ちになった)薄給の私よりは楽勝の日常ではないか。
 あるサラリーマンらしき人は「組合は企業の補完組織と化している」というが、私にしてみれば組合があるだけマシやないかとしか思えない。
 フェミニズムにかぶれたある若い女学生は「水商売は撲滅しなければならない」と主張して仰天する。なんでと尋ねると、「お前は馬鹿か」と言わんばかりの表情で「水商売は売春だ」と言い切った。温厚な私はやや声を荒げて「あなたは水商売の意味わかって言うてるんか」と詰問した。

 世間との乖離が凄まじい。

 私の父は土建屋で自民党員、母は戦後の革新系の風にやや影響されてはいるが、同世代の女性で最も出世した美智子皇后を素直に讃える主婦である。左翼風に言えば、私の出身階級は保守中流である。
 小学生時代からの幼馴染はいずれも育った家庭環境もほぼ同じ、有名大学を出て有名企業に勤める。どちらかといえば裕福な保守系の市民である。
 高校・大学から友人たちは似たような家庭環境で育ったものの漫画アニメのオタクが多い。やや世間に対して斜に構えた視点を持ち権威や常識には否定的になる事もあるが左翼に対してもかなり距離を置いている。学歴は高卒・専門学校卒から大卒まで。
 職場の同僚たちは、現在もそうだが「飲む打つ買う」の世界。解らない人のために解説すると、「飲む」とは酒のこと、「打つ」は博打・ギャンブル、「買う」は女を買う、売春や風俗である。学歴は中卒から高卒が多い。
 そして市民運動、顔ぶれは前述の通り。ただし、労働運動の現場などは中卒や高卒も少なくないし、在日コリアンや性的少数者など多種多様。

 20代後半から30代後半までの10年余、「家」と「職場」と「運動」とを行き来していたが、同じ日本とは思えぬ価値観の隔たり、違う国を往来しているような感覚に襲われたものだ。
 なにせ同じ日本語でも意味するところが違うのだ。「左翼新聞」というと保守は朝日や毎日を指すが、市民運動の現場では朝日も毎日も左翼ではなくもはや保守に迎合したメディア、赤旗ですら疑念を持ち、韓国のハンギョレ新聞に憧れ新しい新聞創刊を願いつつ週刊金曜日や世界を読んでいるような状況だ。

 ただ、この国々には二つだけ共通項があった。いずれも自分たちが「まとも」であると思い込み、異なる価値観や常識がある世界がある事を知らないかもしくは拒絶する。
 私のように渡り歩くような事は誰もしない。だから簡単に他者を否定してしまえる。

 視野を広げ寛容の精神を養うのは至難の業だ。私でも癇に障る嫌な上司の顔は見るのもおぞましい。外へ出て様々な価値観と対峙するのは気合がいる。
 手っ取り早く外の世界を覗き見る手段は無い事はない。それは映画を観る事だ。一応、当ブログのテーマは映画なので映画鑑賞を推薦する。
 但し、映画といってもジャニーズ系俳優が出演するようなメジャー映画や流行りの絵柄でアクションやお色気が並ぶアニメばかり観てもあまり視野は広がらない。世界各国の映画、あらゆるジャンルの映画を観る事だ。


 
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[ 2016/12/30 12:06 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
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