fc2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。
晴雨堂から、お知らせと呟き
諸君!また一年、生き残りましょうぞ!
晴雨堂ミカエルのX(旧Twitter)
最近、ようやくツイッターの使い方が解ってきた。

拙著「大日本エゾシマ大公国」電子書籍発刊中です。気力が続けば三部後編まで書くつもりです。 

拙著小説刊行情報

 人生の晩年になって小説を発表する事になりました。この頁では随時新作を刊行する毎に紹介してまいります。当blogの読者諸氏、宜しければ御笑覧いただけると幸いに存じます。

「大日本エゾシマ大公国」
 歴史上、「蝦夷共和国」として名高い幕府海軍提督の榎本武揚が戊辰戦争という旧幕府軍と薩長新政権と抗争した内戦の再末期に箱館で樹立した政権がもし国際法上の独立国として誕生したら、というIFの物語です。
 この世界では超大国フランスとロシアが史実より前のめりになって日本に内政干渉を試み、土方歳三は大公国の治安と国防の責任者として苦悩します。
 第二部前編では、主要な登場人物たちの抱えてきたモノが噴き出し、これまで謎めいていた大公妃オルタンスが本性を現し?牙を剥き始める?展開となっています。
 青字の「大日本エゾシマ大公国」をクリックするとキンデルの頁にジャンプします。

極東のナポレオンとジャンヌダルク
大日本エゾシマ大公国第三部後編


「元禄十五年冬、御所様は落胆する」
 短編三篇を収めた小説集です。表題は歴史や時代劇に詳しい方ならピンとくるでしょう、赤穂浪士討入を扱った作品で、従来なら圧倒的に赤穂浪士側の視点で描かれた作品が多く、稀に逆張りで討ち取られた側の吉良視点での作品もありましたが、拙著はさらに別視点で描きました。多少は史実よりは盛り付けていますので時代考証にこだわる方は気になるかもしれませんが、江戸時代の意外な一面を愉しんでいただけたらと思います。

元禄十五年冬、御所様は落胆する。

元禄十五年冬、御所様は落胆する


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
スポンサーサイト



[ 2023/10/02 05:53 ] 晴雨堂の書棚 | TB(0) | CM(0)

読者への返書「大日本エゾシマ大公国執筆余話2」 榎本武揚の箱館政権は共和政を目指していない。 

第一部前編
「Colonel-Général
HIZIKATA Toshizo」


大日本エゾシマ大公国第一部前編
大日本エゾシマ大公国第一部前編
御購読は上記青文字をクリック

【余話】なぜ「蝦夷共和国」ではなく「大日本エゾシマ大公国」なのか? という問いがありました。

 これは第一部前編の「あとがき」にも詳しく述べていますが、榎本武揚らの構想はあくまで後に徳川の血筋から高貴な人を元首に推戴しての建国であって、榎本自身は政府首班たる総裁になったのはあくまで暫定だったと思います。
 史実では明治元年十二月から翌明治二年五月まで半年ほど続いた箱館政権が「蝦夷共和国」と呼ばれたのは、榎本たちが当面の政権首班を決めるのに西洋流民主制のやり方を導入して日本史上初の「公職選挙」で決めた事に由来します。「共和国」と呼んだのは英国の外交官で、箱館政権が薩長軍に潰され消滅して5年経った1874年発行の自著で紹介し他の人々もそれに倣った。
 里見浩太朗氏が主演として榎本武揚を演じた1988年12月放送の年末時代劇「五稜郭」では「蝦夷共和国」とハッキリ言ってしまっていますが、史実では榎本が共和国を自称する事はありません。

 拙著小説では榎本武揚が構想する独立国が実現するとしたら、どんな形だろうかと空想した結果の作品です。西洋の政体に明るい榎本ですから、ヨーロッパ各地に点在する自治州や侯国・公国・大公国などを見て、おそらく立憲君主の下での民主制を考えたのではないかと思っています。

 これは微妙な話なのですが、小説を書き進めていくうちに箱館政権が存続するのは無茶苦茶難易度が高いと思いました。艦隊旗艦開陽が沈没しなかったとしても、宮古湾アボルダージュ作戦で甲鉄艦奪取に成功したとしても、押し寄せる薩長の大軍に持ち堪えるのは難しい。半年続いた政権が2・3か月程度伸びる程度ではないかと思いました。よほどの奇蹟的幸運が幾つも重ならない限り無理ではないか。
 大きな問題がやはり兵力を支える軍資金です。史実の箱館政権でも軍費調達に税率を高くしてしまったため地元民の怒りを買い、箱館湾での攻防戦では大砲をいじられ撃てなくさせる妨害を受けています。

 やはり、存続できる条件には欧米列強の中から局外中立を破って抜け駆け支援する国が必要があります。ほぼ時期を同じくして徳川慶喜の実弟昭武が日本を代表してパリ万博に出席していました。当時の昭武は親善大使のような立場で欧州各国を歴訪したあとパリで当面留学をする予定でしたが、日本では大政奉還に戊辰戦争と大混乱、昭武の立場は極めて不安定になります。結局、史実では慶応4年(1868年)に薩長政権からの帰国命令に従います。
 物語世界ではナポレオン三世が昭武に政治亡命を勧め、謎のフランス公女オルタンスが昭武に接近、という謀略めいた話へ展開します。掌中の玉をどうするかと思案するナポレオン三世に、榎本武揚が接近するわけです。

 第一部前編表題の「Colonel-Général HIZIKATA Toshizo」は日本語に訳すと「土方歳三陸軍大将」です。Colonel-Généralという階級名はナポレオン時代のフランス軍の階級です。


【追記】そもそも箱館に独立政権を樹立しようとした事自体が荒唐無稽ではないか?という指摘がありました。

 榎本武揚らが行おうとしたことは難易度は非常に高い試みですが、決して荒唐無稽ではありません。荒唐無稽に見えるのは多分に統一された日本国しか知らない現代人の感覚、あるいはその後の明治大正昭和の経緯を知っている現代人の捉え方でしょう。
 まず幕藩体制というモノを鑑みてください。藩というのは独立国家に近い存在です。基本的に藩の行政に幕府はおいそれと介入はしません。榎本が箱館政権を樹立した時は、まだ廃藩置県はおろか版籍奉還すら行われていない訳でしたから、各藩ごとに独自の行政組織や政策がありました。その延長線上に箱館政権を考えれば、当時の感覚としては特段荒唐無稽ではない事がお解りでしょう。
 それから大政奉還による旗本の失業問題があります。実際に大身旗本(武家官位は大名なみで、領地を持つ旗本)だったのが明治に入って低所得労働者の身の上になった例があります。薩長政権とて社会不安を抱えたまま政権運営はしたくはないだろう、という読みがありました。


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
[ 2024/05/21 06:33 ] 晴雨堂の書棚 | TB(0) | CM(0)

読者への返書「大日本エゾシマ大公国執筆余話1」 山本八重ひきいる狙撃組について。 

第三部後編
「極東のナポレオンとジャンヌダルク」

八重たちが使う銃について

極東のナポレオンとジャンヌダルク
大日本エゾシマ大公国第三部後編
御注文は青文字をクリック

【余話】今回のエピソードでは八重はスーパーマン的活躍をする狙撃兵になります。ある種、19世紀世界ではオーパーツ的な発想と技量で闘います。現代の狙撃兵的でもあるし19世紀の特徴を強く滲ませてもいます。

 史実に明るい人なら御存知のように、山本八重は戊辰戦争最大の山場であり会津藩の本城鶴ヶ城攻防戦で狙撃兵のような戦いもしました。使っていた銃はスペンサー・カービン銃です。(但し、専用弾丸は戦の初日で消費してしまったため、以後は銃口から弾を込めるパーカッション式小銃やフリントロック式ゲベールを使っていたらしい)
 物語世界の八重もスペンサー・カービン銃を愛用して、上司である土方歳三に強く意見し御所警護を任務とする會津娘子隊の制式銃にしてしまいます。

スペンサー・カービン
銃床が全長の半分近くまであるような形状。弾倉は銃床にある。
全長997㎜ 7連発レバーアクション 口径14㎜ 有効射程距離200m


 スペンサー銃とは1860年にアメリカで開発された小銃で、当時としては画期的な7連発レバーアクション銃。弾を撃ったら空薬莢が排出する、手動操作ではあるものの現代の銃とほぼ同じ動作です。リンカーン大統領が気に入り、連発ライフルとしては世界初の軍用制式小銃に採用。
 カービン銃とは騎兵用に銃身を短くした小銃の事で、スペンサー・カービンは全長1メートルもありません。それまでの小銃は概ね1メートル30センチくらいは有って、幕末時代劇では演じる俳優たちの身長が高いため違和感を抱きにくいですが、実は銃剣を付けると当時の日本人男性の身長よりも高くなります。作中で「短槍のように」とか「薙刀のように」と描写するのはそのためです。当時の女性はもっと小柄ですから、八重にとっては小柄な女性隊士も扱いやすいという点でカービン銃を強く求めます。

幕末の兵士
幕末の兵士の写真。御覧の通り、
着剣した小銃は兵士の背丈より高い。


 物語上の八重は実体験に基づき上司の土方に苦言を並べていきます。その結果、当時としてはオーパーツ的な戦術に辿り着くといった展開にしました。
 第一部前編で八重は唐突に土方歳三から将校に抜擢されてしまいます。御所警護役、解りやすく申せば「ベルばら」に登場する近衛連隊の女隊長オスカルみたいな立場にされてしまう。土方は内外に宣伝するためと、史実でも土方の勝負色である赤を軍服の色に採用しますが、八重は自ら狙撃兵として戦った経験から赤は目立って標的にされやすく嫌だと文句を垂れます。
 実は物語の土方歳三は人の意見を意外にもよく聞いていて、物語本文では詳しくは書きませんでしたが、これをヒントに雪の樺太では目立ち難くするため白合羽を用意します。しかも、陸軍のトップとして号令するのではなく、八重からの提案という形で採用させます。
 元々、八重の抜擢にしても、本来は自分より格上のはずだった尊敬する會津藩元家老佐川官兵衛の推挙という形を演出してまんまと女だけの軍隊を創ってしまいます。物語での土方は、このように人を当事者として巻き込みながら自分のペースで事を進めていく、八重はそんな土方のやり方に憤りの念を持ち続けます。

 話を元に戻しましょう。当時の小銃の主流は単発式で、八重が使っていたスペンサー・カービンのような連発銃はまだマニアックです。当時の世界各国の軍隊が連発に二の足を踏んだ大きな理由を2つ揚げるとしたら、レバーアクションよりボルトアクションの方が歩兵には相性が良いと現場の兵士が判断した事、上層部からしたら連発銃は弾丸の無駄遣いになる、という事で連発式レバーアクションが敬遠されました。
 小銃の機構でレバーアクションと並ぶ仕掛けにボルトアクションがあり、レバーアクションは引き金を囲う用心金が排莢と装填を操作するレバーになっているのに対して、ボルトアクションは戦争映画にもある様に突起を掴んで遊底と呼ばれるスライドを前後に動かして排莢・装填を行います。なので歩兵がよくとる姿勢、伏せ撃ちには都合がいい訳です。レバーアクションだとレバーを縦に動かすので伏せ撃ちでは地面につかえる。これは第一部前編に登場するフランスの武器商が指摘しています。
 弾丸の無駄遣いを嫌がる風潮も根強くありました。そのため連発のレバーアクションだけでなく、当時の手動式機関銃であるガトリング砲も敬遠されています。

ガトリング砲Gatling_gun_1865
毎分200発発射可能 有効射程距離1200m 人員4人

 史実の土方歳三は北から箱館に迫る薩長軍を山間部二股口で迎え討ち半日以上の戦闘で3万5千発の弾丸を撃つという銃撃戦を指揮します。そこには時代劇にあるチャンバラの土方歳三はいません。現代戦を指揮する陸軍司令官の土方歳三です。
 今回の物語世界の土方ならば資産を全部博打に投入するが如く躊躇なく物量で勝負するだろうと思いました。ガトリング砲を寄せ集め、分隊ごとにレバーアクション連発で対応。その一方で現代戦の始まりとも評されるアメリカ南北戦争を研究し、狙撃組構想を立てる。八重たち射撃に優れた者を集めてエリート集団たる狙撃組を構成する。
 そして八重は結果的に土方の期待に応えて、物量で遥かに勝る敵軍の司令部と砲兵陣地の狙撃を試みます。使用した銃はウィットワース銃。

ウィットワース銃
雷管式 前装式 射程距離1400m ヴィッカースの当時の光学スコープを装着

 この物語世界の舞台である1870年代では型の古い銃となっていますが、射撃精度と射程距離に優れていて、一説によると第二次世界大戦で使われたライフルよりも精度が高いとも言われています。
 装填方法は火縄銃やフリントロック式と同じ、銃口から火薬と弾丸を詰め込んで射撃する方法ですが、意外に射撃精度が良いのは銃の内腔や弾丸が六角柱を捩ったような形になっているからです。ライフリングを施したのと同様の効果が発揮できます。

 私が注意を払ったのは19世紀後半らしさ。その中で史実でも合理的判断で戦を展開した土方ならどう戦ったのか、八重ならどうしただろうかを空想しながらエンタメ戦争活劇として執筆しました。


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。

大日本エゾシマ大公国シリーズ、ひとまず「序章」完結です。一旦、止めといたします。 

大日本エゾシマ大公国第三部後編
5月13日にアップ!


極東のナポレオンとジャンヌダルク
大日本エゾシマ大公国第三部後編

【宣伝】昨年(2023年)の2月から書き始めた大日本エゾシマ大公国シリーズ、書き始め当初からSNSなどで申し上げてきました「体力気力続けば三部まで書く」この宣言通り、一旦この巻にて止めといたします。狙った訳ではありませんが、奇しくも史実の箱館政権が消滅したのは155年前の5月、今時分です。(と申し上げながら、実は第四部以降もかなり描いておりますけど。書くよりまとめるのが大変なのです)
 通常、kindleにアップすると最長で72時間の審査時間が設けられていて、審査を通過して市場に出るのに一日から二日はかかります。この「大日本エゾシマ大公国」シリーズも反映されるまで一日から二日はかかりましたが、なんとこの度は僅か2時間で承認されました。幸先の良い出発と思っておきましょう。

 このシリーズは、史実にあった「箱館政権」がもし存続していたら?という興味で書き始めました。戊辰戦争で最後まで薩長政権軍に抵抗した幕府海軍提督榎本武揚が、持ち前の外交手腕をフル活用して諸外国に「事実上の政権」である事を認めさせ、政権首長を決めるに日本で最初の選挙を行うなど画期的政策を展開、後世の歴史家から「蝦夷共和国」と呼ばれています。

 さて、もし「蝦夷共和国」が存続していたら、という仮定の下で書き始めましたが、書き始めて痛感したのが余程の幸運が重ならない限り存続は不可能だったな、という思いです。それについては第一部前編の「あとがき」で詳しく述べましたので、宜しければそちらも目を通してください。
 史実の箱館政権は約半年で消滅しましたが、物語の箱館政権は大日本帝国を構成する独立国として諸外国に承認させてしまいます。帝政フランスをはじめとする欧米列強の思惑で、パリ万博に参加した徳川昭武は亡命してフランスの大貴族の令嬢と婚姻、箱館政権の君主として推戴され「大日本エゾシマ大公国」として物語がスタート、土方歳三は治安と国防の責任者として奮戦する事になります。
 シリーズの第一部から第三部までは、いわば大公国興亡の歴史の序章エピソードにあたり、土方歳三が極東のナポレオン、女軍人として土方らの思惑に振り回されて活躍せざるを得なくなった山本八重は極東のジャンヌダルクとして讃えられるまでのエピソードです。
 第四部からはいよいよ骨肉相食む話へとなりますが、三部まではエンタメ的に清々しさを意識しました。果たして大公国は存続するか否か、自分で書きながら「存続、奇蹟的幸運が重なっても、めっちゃ難しいな」と思っています。


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
[ 2024/05/14 18:26 ] 晴雨堂の書棚 | TB(0) | CM(0)

「セクシー田中さん」少なくとも芦原妃名子氏とは内実は険悪な関係だったとしても、制作者にとっても脚本家にとっても、TV版の掛け替えのない制作仲間であり、掛け替えが無い人物が亡くなったから、いま大問題になった。 制作者も脚本家も揃って会見でも開いて誠意みせなあかん。もう遅いけど。 

セクシー田中さん』“改変”問題に
漫画協会理事長「里中満智子氏」が緊急提言 
「脅してくるような人にだまされないで」


 1月29日、人気漫画『セクシー田中さん』の作者で、漫画家の芦原妃名子(本名・松本律子)さん(50)が死去していたことが報じられた。自宅に遺書が残されていたとされ、自殺とみられている。亡くなる数日前、芦原さんはSNSに同作のドラマ化をめぐるトラブルを投稿していたこともあり、突然の訃報は多くの漫画家たちにショックを与えた。(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

【雑感】里中満智子氏は以下の様に仰せだった。プロデューサーの三上絵里子氏や脚本家の相沢友子氏側の人々から見れば、たぶんに原作者側寄りの意見に見えるとは思うが。

 著作権法で、原作者の権利はきちんと保障されています。何もないところから何かを作り出す人は強いんですよ。だから若い方々も誇りを持って、「私の希望はこうです、できないんだったら映像化はお断りします」と、堂々と言って頂きたい。ときには、「ここで逆らったら二度と描けないよ」って脅かしてくる、とんでもない人もいるかもしれない。でも、どうかだまされないで頂きたい。

 いろいろ双方の立場に分かれて論議がなされているし、各々の立場と言い分には各々の止む無き事情や正当性はあるだろう。
 ただ、少なくとも今いえる大事な要素がある。それは、TVドラマ「セクシー田中さん」を制作するにあたって、脚本家の相沢友子氏とチーフプロデューサー三上絵里子氏にとって「今回のTVドラマ制作」という括りにおいては原作者芦原妃名子氏は紛れもなく「制作の仲間」であり、たとえ噂でいわれているように内実は険悪な関係であったとしても、元ネタの原作を書いていた人物である以上は「かけがえのない仲間」であるのは間違いない。たとえわだかまりがある関係であったとしても、相沢・三上両氏とって「大切な制作仲間」であった、法理論的にも道義的にも。
 ところがこの二人から誠意が伝わってこないのだ。私がもしプロデューサー首座の立場であれば、脚本家と一緒に記者会見を行い、事の経緯を説明して慚愧に堪えない心情を申しあげた事だろう。コミュニケーションや打ち合わせで原作者と対立してしまったのは隠しようが無いので、素直に「言葉足らずで意思の疎通が行き届かなかった面があったかもしれない」と後悔の念を並べ、私なら憔悴した体で鼻水垂らして泣いたかもしれない。
 取り敢えず、人一人が自殺を選んだのだ。死亡者が出たのだ。二人が自分の正当性を維持でも主張して保身に走るのであれば、なおさら表に出て故人を悼む姿勢を強烈にアピールする必要があったのではないか。もう遅いけど。
 実際にやったのは、見ようによっては芦原ファンの神経を逆撫でする、下手をすれば喧嘩を売っているともとられかねない言動だった。

 しかし彼女らの言動は良い事もある。もし直ちに記者会見を開いて「芦原さん、ごめんなさい」と泣き崩れ憔悴しきった体を見せ、日テレスタッフに抱えられて退場なんて事をしたら、世間は逆に「芦原さんの我儘じゃないの?」と邪推され、事件の闇に蓋ができたかもしれない。しかしもはや蓋はできない。
 真相究明の扉を開けてくれた二人に感謝である。これは皮肉ではない。

 よく原作小説や漫画からの実写化は原作とは別作品と割り切るべきという意見があり、私も一理あるとは思う。そのため「実写作品制作従業員」たちが原作者を鬱陶しく思う瞬間があるのも理解はするが、アカンでこれは。残念な言動例


セクシー田中さん』ドラマ化と放送経緯などの
真相究明と、
不幸な事態の再発防止を求めます
(日本テレビ放送網、衆参総務委員会、総務省、
放送倫理・番組向上機構(BPO)、小学館など)

 問題解決のための署名活動が現在行われています。下記の青文字文言をクリックすれば署名ページにジャンプします。

このたびの事件についての真相究明を求める署名活動

比較的公平な視点で事件のあらましを開設している動画があるので紹介します。




 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
[ 2024/02/04 15:28 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)

「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」 カップルで考えよう[16] 

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」 
理系女子と男性型アンドロイドのラブコメ


恋人はアンドロイド


【原題】Ich bin dein Mensch
【公開年】2021年  【制作国】独逸   
【時間】105分
【監督】マリア・シュラーダー
【制作】リサ・ブルーメンベルク
【原作】エマ・ブラスラフスキー
【音楽】トビアス・ワグナー
【脚本】マリア・シュラーダー ヤン・ションバーグ
【言語】ドイツ語
【出演】マレン・エッゲルト(アルマ)  ダン・スティーヴンス(トム)  ザンドラ・ヒュラー(テラレカ社担当者)  ハンス・レーヴ(ユリアン)  ウォルフガング・ヒュプシュ(フェルザー)  アニカ・マイアー(コーラ)        

【成分】笑える 悲しい ファンタジー ゴージャス 不気味 知的 切ない かっこいい コミカル SF 近未来 少子高齢化社会  

【特徴】近未来のベルリンを舞台にしたイケメン男性型アンドロイドと学者先生の女性とのラブコメ。しかしながら物語後半はけっこうシリアスで、ドイツも日本も抱えている共通の難問である少子高齢化社会の厳しさを突く。
 日本では「ドラえもん」や「うる星やつら」など自宅に異質がいるパターンは馴染みがあり、本作の世界観にも抵抗なく入ってゆける。

 監督はマリア・シュラーダー氏、元々は女優・脚本家として活躍し2005年頃から監督業も手掛けるようになる。本作は彼女にとって3作目の長編映画。ドイツで興行成績好調、映画界での評価も高い。原作者はリアリズムで定評のあるエマ・ブラスラフスキー氏による同タイトルの短編小説。
 それにしても原題は生々しい。直訳すると「私は君の男です」やないか。

【効能】ラブコメディに楽しい気分になりながら、自分の足もとに迫る少子高齢化社会を実感する事ができる。

【副作用】使い古されたテーマに感じ中途半端感と退屈感をおぼえる。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

終わりなき夜に濡れる 滝川杏奴 晴雨堂の本棚 [十七] 

物語構成の教科書のような作品

終わりなき夜に濡れる

【著者】滝川杏奴
【発行】ジーウォーク

【雑感】実は今回のレビューは緊張している。というのも面識のある人の作品レビューを書くのは今回でまだ二度目だからだ。
 一度目はアニメ映画「オネアミスの翼」である。大学の友人が制作スタッフの一員だった。とはいえ先方とは卒業して間もなく音信を交わさなくなったし、そもそも私が晴雨堂ミカエルを名乗っているなんて知らない。だから気兼ねなく好き放題を言葉を並べた。だが、今回はTwitter相互フォローである上に面識がある。素人が糞生意気なことをと思われはすまいかビクビクする。

 ともかく当ブログ「ミカエル晴雨堂の作法」でも述べたとおり、制作者および作者は市場を相手に作品を発表しており、作者と読者の関係は対等であり、思ったことを素直に申し上げる。

 読み終えて思ったのは、伏線のばら撒き方とラストの収束がまるで教科書のように見事だった。小学校6年生の時に読んだ手塚治虫氏「マンガの描き方」には物語構成のコツなども解説されていて、手塚氏は一本の太い幹と多くの枝で描写していた。いくつか枝が分かれて木の頂点の辺りで再び幹に合流する。
 本作は前半にばら撒かれた伏線が後半を過ぎた起承転結の転に当たる辺りから眩く光りだしラスト近くで一気に収束していく。

 ここまで書いてふと思った。他の作者が書く作品も構成の基本形は同じではないか。でも教科書の如く見事と思ってしまったのは理由がある。一番の理由はバットエンドでない希望が見えるラストであることをTwitter上で漠然とした情報ながら得てしまった事で、自分ならどういう構成にするかを推理しながら読んでしまった事が大きい。


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
[ 2022/04/30 15:18 ] 晴雨堂の書棚 | TB(0) | CM(0)
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
157位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
86位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク