FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳」 ストレス解消活劇〔24〕 

フィスト・オブ・レジェンド
ジェット・リーの「怒りの鉄拳

 

 
【原題】精武英雄
【公開年】1994年  【制作国】英領香港  【時間】98分  【監督】陳嘉上
【音楽】顧嘉輝
【脚本】陳嘉上
【言語】中国語 一部日本語
【出演】李連杰(陳真)  中山忍(光子)  銭小豪(廷恩)  周比利(藤田参謀)  倉田保昭(船越先生)
          
【成分】楽しい ロマンチック 勇敢 切ない かわいい かっこいい カンフーアクション 日中戦争 第二次大戦前 中国
      
【特徴】ブルース・リー氏の不朽の名作「ドラゴン怒りの鉄拳」リメイク。陰のある二枚目ブルース・リー氏と違って、李連杰氏は爽やかなスポーツマンとして悪と対決していく。角刈に学生服がよく似合う。倉田保昭氏が良心的日本人武術家として登場。
 前作と違って本作は袴を前後逆に履いている俳優はいない、しかし戦前の京都帝国大学のはずなのに何故か男女共学。中山忍氏は李連杰氏の恋人兼同級生として振袖袴姿で登場。
 
【効能】スカッと爽やかカンフーアクション。身体の奥から活力と希望が湧き起こる。
 
【副作用】日本人役の中国人俳優に違和感。中山忍氏は生の発声なのに中国人声優による吹替ぽいのが気になる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
李連杰氏のキャラを活かした「怒りの鉄拳
 
 カンフー映画史上孤高の傑作ともいえるブルース・リー氏主演の「ドラゴン・怒りの鉄拳」(余談1)のリメイク。主演は李連杰氏(ジェット・リー)である。ブルース・リー氏の「怒りの鉄拳」と異なり大幅に日本側へ配慮した内容になっていて、香港映画界にパイプがある倉田保昭氏をはじめ日本人俳優たちが良心的日本人役として複数名登場している。悪玉日本人役を中国系俳優が担当しているのが興味深い。ヒロイン・苗可秀氏(ノラ・ミャオ)のポジションには中山忍氏が担当、李連杰氏も冒頭からラスト近くまで日本の学生服姿を通していたのが象徴的である。(余談2)
 
 基本的な物語展開は前作と変わりは無い。師匠の訃報を聞いて道場に戻った主人公は仇である日本の武術家たちと闘い勝利するが、官憲に銃殺される。ただ、李連杰氏のキャラに似合った雰囲気で物語が進む。
 ブルース・リー氏は渋くて格好が良いので物語全体に悲壮感で満ちており、リー氏の寂しげな笑みと怒りの顔、悲壮美あふれるテーマ曲に目頭が熱くなり、最後の小銃を構えた官憲に向かって怒りの飛び蹴りを行おうとする場面は、日本人が悪者になっている映画なのに感動で涙した日本人は多いだろう。
 対して当時の李連杰氏はどう観ても童顔で坊主頭が良く似合う明るそうな青年だった。拳法もブルース・リー氏は場数を踏んだ実践向きだが、李連杰氏は実践というよりは試合型の拳法(余談3)で、素早さと美しさが持ち味だった。それゆえに「ジェット」という名前がついたといわれている。
 ブルース・リー氏の悲劇のヒーロー路線は似合わない事は、制作者側も本人もそう思っていたのか、テーマ曲は快活なスポコン調であり、ブルース・リー氏のように上半身を脱いで筋肉美を見せることなく、動きにくそうな学生服姿でアクションを行い続けた。最後は良心的日本人の計らいで表向きは処刑された事にして命を助けられ、日本軍に苦しめられている同胞を救うべく戦場へと赴いていく。
 学生服姿の李連杰氏と振袖袴の女学生姿の中山忍氏のツーショットは似合いのカップルだ。
 
 最後に、日本側が制作した予告編は素晴らしいデキである。必見だろう。
 
(余談1)物語の構成や演出など突っ込みどころがあまりに多く、本来は凡作なのだが、ブルース・リー氏の存在だけで不朽の名作に押し上げている。
 
(余談2)精武門は実在する伝説的武術集団で、よく映画やドラマになる。奇しくも、作中で毒殺されている創設者役にも李連杰氏は「SPIRIT スピリット」で扮している。
 
 前作では、日本人スタッフがいくら袴のはき方を注意しても言うことを聞かず前後逆にはいていたが、今回は正しく和服を着ていた。
 
 主人公の日本留学先は京都大学か。しかし戦前の大学なのに何故か男女共学だった。学生服の襟がやや低く、羽織の襟がやや高いのが気になった。
 冒頭の大学の講義室場面で日本の右翼が乱入し李連杰氏を追い出そうとするが、間に入った教授や男子学生が暴力をふるわれていても助けず、恋人の中山忍氏が叩かれそうになると素早く得意の足技で狼藉者全員なぎ倒す姿が微笑ましい。露骨なえこひいきは人間臭くて共感する。
 
 日本軍将校の中には、兵卒用の軍服を着ているものがいた。
 
(余談3)後に倉田保昭氏はインタビューで李連杰氏の腰がやや及び腰であったことを指摘し、実戦(試合ではない)の場数は踏んでいないのではと感想を述べた。実際にある雑誌でやや及び腰の李連杰氏と殺陣を組む倉田保昭氏の写真が載っていた。
 

 残念ながら、これは日本側が制作した予告編ではない。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 
晴雨堂関連作品案内
ドラゴン怒りの鉄拳 デジタル・リマスター版 [DVD] ロー・ウェイ ブルース・リー主演作
SPIRIT(スピリット) 特別版 [DVD] ロニー・ユー ここでは師匠の役を李連杰が演じる。
 

 

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



ありがとうございます!
これも、おとといようやくツタヤで見つけたんですよー!!
週末みるぞ~! 

動画、拝見しました。さわやかなスポーツ青年って感じですね(^_^)んー、素人から見ると、腰が引けてるようには見えないけど・・・しかし、やはり倉田先生は、スゴイです。
[ 2009/07/25 07:17 ] [ 編集 ]
「フィスト・オブ・レジェンド」見ました!
アクション満載で、すごく堪能できました。
中山忍との道行きが、かわいそうなはずなのに、なぜかさらっとしていて、しかも微笑ましくかわいいですね(^_^)

倉田さんは、おとぼけじいさんみたいでしたが、空手の方は本当にすごい!
倉田さんとジェット・リーの戦いは、すばらしかったです!!
教えていただいて、ありがとうございました(^_^)
[ 2009/07/27 06:02 ] [ 編集 ]
 悲壮感のカッコ良さブルース・リーとはまた違った魅力でしょう。ブルース・リーのラストの飛び蹴りの場面は泣きそうになったものですが、李連杰はスポ根ドラマを見終わったような爽やかさです。学生服がよく似合っています。
 テーマ曲も、気分が明るくなっていくでしょう。
 
 倉田さんは香港で悪役もやりますが、今回は良心的日本人役で、悪の日本人を中国系のビリー・周がやっていたのが小憎らしい「配慮」です。

> 「フィスト・オブ・レジェンド」見ました!
> アクション満載で、すごく堪能できました。
> 中山忍との道行きが、かわいそうなはずなのに、なぜかさらっとしていて、しかも微笑ましくかわいいですね(^_^)
>
> 倉田さんは、おとぼけじいさんみたいでしたが、空手の方は本当にすごい!
> 倉田さんとジェット・リーの戦いは、すばらしかったです!!
> 教えていただいて、ありがとうございました(^_^)
[ 2009/07/30 22:05 ] [ 編集 ]
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
15位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
5位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク