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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「地下鉄のザジ」 カップルで愉快になろう〔8〕 

地下鉄のザジ」 
けっこう日本にも影響を与えたかもしれない
巨匠ルイ・マル監督の喜劇。

 


【原題】ZAZIE DANS LE METRO
【公開年】1960年  【制作国】仏蘭西  【時間】93分  
【監督】ルイ・マル
【原作】レイモン・クノー
【音楽】フィオレンツォ・カルピ
【脚本】ルイ・マル ジャン=ポール・ラプノー
【言語】フランス語
【出演】カトリーヌ・ドモンジョ(ザジ)  フィリップ・ノワレ(ガブリエルおじさん)  カルラ・マルリエ(-)  ユベール・デシャン(-)  ヴィットリオ・カプリオーリ(-)
    
【成分】楽しい ファンタジー パニック かわいい コミカル ドタバタ喜劇 1960年 フランス パリ
         
【特徴】大都会パリを舞台に、小学生くらいのオカッパ頭の少女が繰り広げるドタバタ喜劇。
 巨匠ルイ・マル監督が描いた名作で固定ファンも多く、日本でも必ずどこかの映画館で上映される。
  
【効能】賑やかな展開に心が明るくなる。一癖も二癖もある大人たちの間隙を巧くすり抜ける少女に世渡りの妙を見る。天真爛漫な少女の笑顔に癒される。
 
【副作用】仏語が判らない人には、ただドタバタしている映像にしか見えない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
オカッパ頭のドモンジョ。
 
カトリーヌ・ドモンジョ 2.jpg
 
 「ヤッターマン」の実写映画化は賛否あるようだが興行的には大成功のようだ。この実写映画「ヤッターマン」で深田恭子氏が演じているドロンジョ、たぶんドロボー(泥棒)をおフランスなキャラに似合うよう変形したものだと思うが、実際に名前が良く似ている女優がフランスにいる。カトリーヌ・ドモンジョ氏だ。(余談1)
 「ヤッターマン」のドロンジョは大人のフェロモンを放つ女性で少し間抜けな女王様キャラだが、「地下鉄のザジ」のカトリーヌ・ドモンジョ氏はオカッパ頭の女の子、小学校4年生か5年生くらいの歳頃だ。(余談2)
 このドモンジョ氏が演じるザジは強烈なキャラクターで、後の映画人たちに影響を与えている。ひょっとしたらザジの影響を受けているのでは?と思うモノに、オドレイ=トトゥ氏の「アメリ」、それからクレラップのCMに登場するオカッパ頭の女の子。いずれも世間とは少しズレた感覚で天真爛漫、周囲の大人たちを翻弄する点で共通している。

 この「地下鉄のザジ」、巨匠ルイ・マル監督作で有名なコメディなのだが、正直にいうと私にはイマイチ物語の面白さが解らなかった。たぶん、フランス語を解していたら爆笑できるのかもしれないが。
 母親に連れられてパリに上京する少女ザジ、子供らしからぬ少し下ネタ言葉を発する少女はどうやら鉄道が大好きなようで、田舎には無い地下鉄に乗るのが楽しみのようだ。母親は大人の用事でザジを叔父夫妻さんにあずけて何処へか行ってしまう。(余談3)
 ザジは地下鉄を見物に行こうとするがあいにくスト中でクローズされている。目的を失ったザジは大都会パリを舞台に叔父さんをはじめ周囲の大人たちを巻き込んでドタバタ劇を展開する。
 
フィリップ・ノワレとカトリーヌ・ドモンジョ
フィリップ・ノワレと。
 
 その大人たちが一癖も二癖もあるキワモノ揃い。ザジに近寄りザジの叔母さんを口説こうとする怪しい紳士、怪しい卑猥好きお婆さん、さらにギャングが絡む。私は頭悪いのか、話の筋がなんのこっちゃ解らない。ただ、いかがわしそうな大人たちが右往左往する間をザジは巧くすり抜け、叔父の助けもあって無事に母のもとに帰る。
 ラスト、ストが解除された地下鉄に乗る事ができたが、ザジは疲れて寝入ってしまう。母と田舎へ帰る時、「地下鉄に乗れた?」という問いにザジはクールに「乗ってない。歳をとっちゃった」と答える。変な大人たちと付き合って疲れたとでも言いたげに。

 このドタバタ劇の描写が、どことなくサイレント時代のチャップリン喜劇のような動きに似ていた。舞台は現代のパリ(といっても60年前後のパリだが)でカラー作品なので、ドタバタする大人たちを笑顔ですり抜け続ける紅いTシャツ姿のザジがよく目立ち可愛らしい。
 大人たちを翻弄するザジだが、美人の叔母には大人しい子供で接するのが興味深い。

(余談1)ドロンジョは「悲しみよこんにちは」「アイドルを探せ」のミレーヌ・ドモンジョ氏を意識しての名前かもしれない。ドロンジョの声優を務めている小原乃梨子氏はミレーヌの吹き替えもやっているから。ミレーヌの最近の出演作は黒木瞳氏主演の「東京タワー」だ。けっこう日本が好きみたいだ。
 しかし、ドモンジョと聞いて私が頭に浮かぶのはザジを演じたカトリーヌちゃんのほうだ。

(余談2)カトリーヌ・ドモンジョ氏はいまどうしているのか判らない。彼女の代表作は「地下鉄のザジ」くらいで、その後の女優生活がどうなっているのか不明だ。本作では愛らしい女の子だが、この映画は私が生まれる数年前に制作された。当然のことながら一回り以上歳上だ。だから今頃はオバサンになっているかもしれない。下手をすれば孫もいるかもしれない。

(余談3)ザジの世話をやく少しドジな叔父さんは、後に「ニューシネマ・パラダイス」で老映写技師を演じる。

  

 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作



 
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ご存知かと思いますが、死刑台のエレベーターが緒方明によってリメイクされますね。リアルタイムで観ていた人には特に嫌な予感があるかと思いますが、緒方明は一般的にキネ旬と映画芸術くらいにしか評価されてない、明らかに過小評価されている作家で、いまだに秀作しか作っていない日本映画界では杞憂な監督ですね!周知のように、天才石井聰互の弟分でありながら、本人が言及するように逆を行くような製作所風を意識した安定した「かつての邦画らしい邦画」を作れる人ですよね。のんちゃんのり弁も実に腰の座った作風でしたね。ハードルは高いですが、邦画のレベルを世界に知らしめる一撃を期待しています!
あとご紹介されてる作品は先頃リバイバル上映されてましたね。

[ 2009/11/29 18:42 ] [ 編集 ]
タニ氏へ
 
 「死刑台のエレベーター」はハードル高いですよ。大丈夫かな?と思っています。
 
 「死刑台のエレベーター」と聞くと、ついサッコ・バンゼッティ事件の「死刑台のメロディ」を連想してしまいます。こちらのほうはサスペンスの「・・エレベーター」と違って民族差別を扱った社会派ですが。

> ご存知かと思いますが、死刑台のエレベーターが緒方明によってリメイクされますね。リアルタイムで観ていた人には特に嫌な予感があるかと思いますが、緒方明は一般的にキネ旬と映画芸術くらいにしか評価されてない、明らかに過小評価されている作家で、いまだに秀作しか作っていない日本映画界では杞憂な監督ですね!周知のように、天才石井聰互の弟分でありながら、本人が言及するように逆を行くような製作所風を意識した安定した「かつての邦画らしい邦画」を作れる人ですよね。のんちゃんのり弁も実に腰の座った作風でしたね。ハードルは高いですが、邦画のレベルを世界に知らしめる一撃を期待しています!
> あとご紹介されてる作品は先頃リバイバル上映されてましたね。
[ 2009/12/02 10:10 ] [ 編集 ]
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