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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

良心的だったはずの映画配給会社「アップリンク」の元従業員5人がパワハラ訴訟か‥。「志」の高い起業家ほど陥りやすいかもしれない。 近頃の現象[一二九六]

アップリンク代表 
従業員に「残るか去るか」退職迫る


映画の配給や出版、映画館やレストランの経営などを行う「アップリンク」の元従業員5人が、代表の浅井隆氏(65)からハラスメントを受けたとして16日、東京地裁に同氏と同社に対して損害賠償などを請求する訴訟を起こしたことを明らかにした。原告は同日、都内で開いた会見で、浅井氏から「議論する余地はない。会社に残るか去るか」などと高圧的な言い方で退職を迫られたと主張。また、他の社員が浅井氏に逆らうことが出来ないような労働環境だと強調した。(日刊スポーツ)

【雑感】一応は映画ブログを書いている関係上、これは注目せざるを得ないか‥。

 私自身の体験もあるが、良心的な起業家や上司ほど陥りやすい病理かもしれない。皆のため、公益のために火中の栗を拾う覚悟で嫌な嫌われ役を務めてきたのに心の底から悪者にされてしまうのだな、というのが浅井隆氏の気持ちではないか? 当たらずとも遠からずと思う。

 以前にも新進の居酒屋チェーンや美容エステの起業家たちを取り上げて、彼ら彼女らが陥りやすい錯誤を指摘してきた。大きな錯誤として二つある。

 ・ 雇用主と雇用者の関係を忘れて同志だと錯覚する。

 ・ 起業家たちはたぶん人一倍に働いてきたために他者が怠け者に見える。

 少なからず以上あげた二つの要素が絡んでいると思う。

 だけど雇用主と雇用者の関係、経営者と従業員の関係はわきまえなければならない。契約の範疇を超える労働を要求することはできないし、契約の範疇を超える労働に従事する義理は無いのだ。
 また経営者と従業員は会社のルールに従う服務規定はあるが、従わなければならないルールは社内の服務規定だけではない。自治体の条例もあれば、国家の法令もあれば、国際法やコンプライアンスもあり、そして最後に憲法がある。人権問題に明るいはずの会社風土であればなおさら、自分たちも含め先人達が苦難の闘いの末に勝ち得て制度化した「人権」に関するルールを蔑ろにするのは万死に値する。

 告発に参加した鄭優希氏の気持ちはよく解る。実は鄭優希氏と同じ年頃に同様の問題に関わった。人権問題に明るいはずの某出版社で似たような問題が発生し、その出版社を嬉々として応援してきた私は出版社の理念(綺麗事)を守りたかったがために告発しようとした元従業員を支援した。
 私は従業員ではなく、出版社の志に共鳴して出版社を応援するイベント等の実行責任者を務めた外野支援者だった。つまり部外者の立場の人間が出版社の理念に賛同し応援してきた責任から傍観者になってはいけないと思い、出版社の経営者に直談判したこともあった。(余談1)
 出版社には著名なジャーナリストたちも関わっており、支援者グループの代表という事で顔見知りにもなった経緯から、元従業員に肩入れする事はせっかく知遇を得たジャーナリストたちとの人脈を失うリスクがあったが、当時の私はそんな卑怯な保身をしたくなかった。

 だが、この行動は仲間内で不協和音を呼び、出版社の熱心な支援者たち(私から見れば腰巾着ども)から厳しい批判(私から見れば嘘と誤魔化しにまみれた誹謗中傷)を浴びて、虚しさを感じたものだ。
 鄭優希氏ら告発者は様々な葛藤を抱え断腸の思いで提訴に踏み切ったと思う。

 従業員を同志として扱い同志として無理を強いるのであれば、映画文化のためそれもよかろう。しかし、人というのは都合の良い時に仲間扱いして都合が悪くなると「君は従業員だろ」「あんた部外者だろ」といった類で冷たくあしらうものである。

 厳しい業界である事は判っている。だからこそブラックの烙印を押されるようなことはあってはならない。それはささやかな態度だけでも変えれば防げる。
 私は世間でいう目したの人間に「呼び捨て」や「君付け」はしたことが無い。全て「さん付け」で通し、自分に非があれば相手が年若い人でも深々と頭を下げる。たったこれだけでも現場の雰囲気は大きく変わるのだ。

(余談1)実際に友人から「お前が良いというからあの出版社から本を買ったが、この醜聞はなんや? 話が違うやんか」と批難された。

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「正義」のナチ化兆候に気を付けろ。俺もおまんも皆や。 近頃の現象[一二九五]

映画監督想田和弘氏が指摘する 
コロナ自警団」の特徴


コロナ自警団とやりとりをしてわかったこと。①彼らは「やって良いこと」と「悪いこと」を法律とは無関係に決定し、それを守らない人間を罰する権限と資格があるとなぜか信じている。②その行為は正義であると信じている。③「医療関係者」や「命」を盾に取る(これを言えば相手は黙ると思っている)。

あっ、もう一個あった。④「命」を盾に取る割りには、「おまえがコロナにかかっても病院行くなよ」などと命を粗末にするような発言をする(笑)。(Twitter 想田和弘)


【雑感】非常に興味深い話である。私は映画「選挙」の頃から想田監督の作品を観てきたので、コロナ自警団との虚しい堂々巡りの問答に辛抱強く付き合う監督の姿が目に浮かぶ。


 ここで想田監督が指摘した特徴をもう一度列挙してみよう。

①彼らは「やって良いこと」と「悪いこと」を法律とは無関係に決定し、それを守らない人間を罰する権限と資格があるとなぜか信じている。

②その行為は正義であると信じている。

③「医療関係者」や「命」を盾に取る(これを言えば相手は黙ると思っている)。

④「命」を盾に取る割りには、「おまえがコロナにかかっても病院行くなよ」などと命を粗末にするような発言をする。

 まるでヒトラーユーゲントかナチス突撃隊のような特徴である。彼等も隊のルールは守っていたかもしれないが当時のドイツの現行法は頻繁に無視していた。そして悪事とは思っておらず正義だと信じ、ドイツの主権とドイツ人の命を盾に取り、抗う者には同じドイツ人相手でも「ユダヤ人」や「共産主義」のレッテルを貼って迫害した。

 と、思ったところで「あれ?!」と引っかかった。前述は「医療関係者」を「ドイツの主権」に、「命」を「ドイツ人の命」に変えたら、ナチス突撃隊そっくりと思った訳だが、では「医療関係者」を「社会的弱者」に、「命」を「人権」に差し替えたらどうなる? そのまんま一部フェミニストたちが展開している表現規制や悪書追放運動と同じではないか?

 奇しくも、お笑い芸人の岡村隆史氏が深夜のラジオ番組に於いて発した暴論がバッシングを浴びている。内容を要約すれば、女性の貧困化が進む事と、それによって風俗業界にシフトする事を望んでいると解される発言である。
 批判や批難が起きてしまうのは当然であるし、岡村氏がそれに対して誠実に謝罪をするのも当然である。また謝罪の内容に納得がいかなければ、さらに追及するのも正当な行為だ。
 ただ、近頃フェミニスト的発言が多い石川優実氏が番組降板を署名運動まで行って要求する段になると、それは常軌を逸している。

 岡村発言は様々な問題をはらんではいるが、現行法の違反が確定されてはいない。現時点で法律違反者でない者を糾弾して職を奪うというのは法治社会・民主社会としてあるべき姿か? 法治から逸脱した行為を是としてしまえば、前述の「コロナ自警団」や「ナチス突撃隊」の特徴と違わないではないか。
 記憶にまだ新しいが、献血ポスター「宇崎ちゃん」問題も、R指定されていない一般作で作中には性的描写皆無のプラトニックなラブコメを勝手にゾーニング対象と決めつけ糾弾した勢力も同じ特徴を持っている。

 「コロナ事件団」を見て我が振りなおせ! 正義ナチ化する症例である。


 
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WHOの見解は「制御可能なパンデミック」か。しかし一昔前のリーマンショック規模の不景気になりそう。 近頃の現象[一二九三]

「制御可能なパンデミック」  
WHO、新型ウイルスで見解


 世界保健機関(WHO)は12日、新型コロナウイルスの感染拡大について、各国が対応策を強化すれば「制御可能なパンデミック(世界的な大流行)」だという見解を示した。
 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は前日11日、同ウイルスの世界的な感染拡大は今やパンデミックと考えられると表明していた。

 WHOの発表によると、ゲブレイェスス事務局長は12日、スイス・ジュネーブで外交官らに対し、同ウイルスの感染拡大をパンデミックと表現することにより、各国がさらなる感染拡大阻止の取り組みを諦めることにつながってはならないと指摘。
 同事務局長は「これは制御可能なパンデミック」であり、「一部の国々が、この脅威の制御に必要となる政治的関与のレベルでの対応に当たっていないことを、われわれは深く憂慮している」と述べたという。【AFP=時事】


【雑感】なんか、あれよあれよという間にコロナウイルスの主戦場がアジアからヨーロッパに移ってしまったような感がある。

 結果論になってしまうが、WHOはパンデミックのアラームを出すのが遅すぎた。警報というのは事が起こる前に出さないと意味が無い。事が起こってからの「追認」では警報ではないのだ。
 利害関係があるから難しいのは判る。経済が止まり不景気が世界規模で起こるからパンデミック判断を「慎重」にならざるを得ないのは判る。ただ、WHOは蔵相会議ではない。経済的影響に慎重態度をとるのではなく、疾病に注視するのが本分。警報を出して「なんや大したことなかったやんけ!」とクレームを言われるほうが警報した甲斐があるものでなければならない。

 このコロナ騒動で差し当たっての懸念が二つある。昨年暮れ以来、私は父母に会っていない。息子は正月に会ったが。父からは来るなと電話があった。父母は80過ぎで持病持ちゆえ、外出も極力控えているらしい。いつまでこの状態が続くのか‥。
 コロナ騒動のおかげで次第に不景気の闇が忍び寄ってきているのを感じる。私は過去に「全員解雇」を3回経験しているので、その臭いにはさすがに敏感になった。アメリカも欧州も「鎖国令」を言い出しているので、かつてのリーマンショックやレアメタルなみの不景気は避けられそうにないと覚悟している。

 幸いなのは、武漢で発生したウイルスがコロナであったこと、若い健常者であれば風邪程度で済む病気だ。もしエボラなみのウイルスだったらと思うとゾッとする。

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グレタ・トゥーンベリ氏の主張は若い頃の連れ合いそっくりで大筋得心するが、晴雨堂は支持できない。近頃の現象[一二九二]

グレタ・トゥーンベリさんを
世界2位の富豪が批判
「天変地異説に傾倒している」


 高級ブランド「LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・グループ」の会長兼最高経営責任者のベルナール・アルノー氏(70)が、16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんについて「若者の士気を低下させている」と批判した。ブルームバーグが9月26日に報じた。(ハフポスト日本版)

【雑感】世界第二位の大富豪が16歳の「小娘」の発言を無視できない、この事実はグレタの戦術的勝利といっても良いだろう。

 グレタ・トゥーンベリ氏(以下敬称略)の演説を聞くと、連れ合いの若い頃を思い出す。
 当ブログで何度か紹介した「環境保護運動家」の連れ合いもグレタとほぼ同じ主張を唱えていた。家庭の電力消費量のかなりの部分をエアコンが占めるからと言って真夏の炎天下でもエアコンなしの生活に付き合わされた。ベランダにゴーヤを植えて緑のカーテンを施すよう「指導」したのも連れ合いだった。
 しかし子供を授かってからは方針転換した。都会の古い集合住宅中層五階建て最上階は真夏になると強烈な太陽光が屋根を熱しダイレクトに天井に伝わる。天井を触ると熱いのだ。こんなサウナのような部屋で乳幼児は脱水するので置いとけない。連れ合いは母親の決断をしてエアコン導入に踏み切った。
 自動車も一時は手放そうとしたが、病院や保育園を回るにバスや電車では時間と金銭がかかり過ぎ不便なので維持することにした。

 グレタも環境保護のために飛行機を拒否しヨットで大西洋を横断したらしいが、その徹底した姿勢が批判者たちの粗探しを招き、様々な矛盾を突かれてしまった。私は批難しない。連れ合いも出産を機に現実に沿った妥協をしてこれまでの主張から方針転換した。勿論、今でも合成洗剤は使わないし米や味噌など日々の食糧の根幹はキリスト教系の消費者団体から購入した無農薬有機農法の食材を高い銭を出して購入している。
 グレタもいずれは若干の方針修正を迫られ実行せざるを得ない時がやってくるだろう。それは仕方のないことだ。だから批難はしない。主張と行動の矛盾や乖離をできるだけ小さくしようとする努力を続ける限りは大目に見る。人間、全く矛盾なく生きていくなんて事は不可能だからだ。

 グレタは16歳という年若さと裕福な出身家庭を批判されているようだが、連れ合いの主体性を疑わなかったように彼女の主体性も疑わない。むしろ若さゆえに人間界の利害関係を考慮に入れずストレートに主張する事は意義のある事だと思っている。私が同じ立場に立たされたら、あの公の場では身の危険を感じて表現をマイルドにするだろうが。
 ただプロパガンタの疑いは払拭しないので話半分に聞いて背後の利害関係を考察する。

 プロパガンタには3B法則がある。Beauty(美人)・Baby(赤ちゃん)・Beast(動物)を活用すること。湾岸戦争時に悲劇のヒロインとして登場した15歳の少女ナイラの証言によって世界がイラクへの軍事制裁へと動いたが、実は演技だったことが暴露されプロパガンタの恐ろしさをリアルタイムで見た。
 この3B法則は広告や販売促進の分野でも応用されている。日本製アニメや子供向け映画などはもろに3B法則に従って制作されている。ピカチューや妖怪ウォッチにセーラームーンはそれらの典型だ。
 映画では「Uボート」でハリウッド進出を果たしたペーターセン監督の「ネバーエンディングストーリー」が典型例として挙げられる。可愛いドラゴンに二人の少年と、少女のような女王の幼こころの君。この役を演じた子役は当時12歳のタミー・ストロナッハ氏、美少女と評判だった。

幼心の君
ネバーエンディングストーリーで女王を演じるタミー・ストロナッハ氏

 こうしてみると、グレタとダブる部分もある。グレタも16歳にしては丸みのある童顔だ。タミーは長い髪をきつくひっつめて結っていたが、グレタも長い髪をきつくまとめ一本の三つ編みにして左肩に垂らしていた。体型もグレタは12歳当時のタミーに似て華奢だ。異なるのはタミーは老成したような演技だったが、グレタは国際社会の大舞台で勇ましく演説。
 私が環境保護団体の代表だったら、彼女のような活動的な逸材を共同代表に据えてスポークスマン役を担わせる。50過ぎのオッサンがしゃべるより若者がしゃべった方が影響力がある。男の子よりも女の子。そしてグレタも自分の役割は存外割り切っているのではないかと思う。
 たとえば、私の知人筋から聞いた話に、若い女性が市議に当選して意気揚々と壇上に登ったもののヤジの嵐にあい泣き出した、という情けないエピソードがある。敢えてどこの自治体のどこの市議かは言わないが。また一時は友人関係だったある若いフェミニストは議論で劣勢になると泣き出して話をしばしば中断させた。
 しかしグレタは自分に向けられた誹謗中傷を「賛辞と受け取る」と言い切った。敵が怒れば怒るほど良い戦いをしている、というゲバラたち先人の革命家の言葉を彷彿させる言葉だ。大したものである。

グレタトゥーンベリ
環境保護運動家として国際会議に臨むグレタ

 今回のスピーチは先進諸国の関心を集めヒートアップさせた点で見事に大成功だった。私が「顧問」なら見事戦術目的達成。
 彼女の「プロデューサー」の気持ちが解るような気がするので、話半分に捉え鵜呑みにはしない。


 
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2019年堺市長選挙 晴雨堂が支持した野村友昭氏は落選。維新候補が勝ってしまった。近頃の現象[一二九一]

堺市の市長は維新候補に決まった。

2019年堺市長選挙

【雑感】私は野村友昭氏を支持したのだが、結果は維新候補の永藤英機氏に決まった。
 永藤氏は僅差での辛勝と朝日は報道しているし、維新の松井一郎氏も永藤氏も辛勝の点を強調して神妙な顔つきだが、私は大差の勝利と思っている。
 今回は三人が候補者として出馬しているが、事実上野村氏と永藤氏の一騎打ち、野村氏には維新以外の勢力が味方に付いてバックアップ、加えて維新出身の国会議員スキャンダル、私は野村氏が維新に辛勝すると踏んでいた。蓋を開ければ永藤氏の勝利だ。
 
 堺市は政令市なので行政区ごとの選挙区に分かれている。旧市街地である堺区こそ野村氏と永藤氏は拮抗してそれこそ一票差で勝敗が分かれそうな状況だが、南へ下るにつれて維新が強くなり、低所得者層が多い南区に至っては大差で永藤氏は引き離している。
 維新は低所得者層の支持を得ていることが判ろう。

 繰り返し言っている事だが、世間では維新の非常識言動やスキャンダルが報道されて顰蹙を買っているが、実は自民よりも勤勉なドブ板工作を地道に展開して、主権者に判りやすい形で成果をアピールしているのである。
 Twitterなどでは「維新を当選させる大阪人の見識を疑う」といった呟きが散見されるが、私から見れば呑気な上から目線妄言に聞こえる。そんだけ偉そうに言えるんやったら「お前、維新以上の事、やってみぃ!」と怒鳴りたくなる。

 前回の選挙でも、平素は市政を批判する共産党が現職市長を応援するという奇策で維新候補を辛うじて退けた。あれから維新の票田はますます盤石になったという事だ。既に昔でいう「革新勢力」は影も形も無いに等しいし、自民や公明は「少数野党」と成り下がり、公明は組織を挙げて維新と和解し、自民の大阪府連トップも地方議員たちの意向を無視して維新にすり寄る姿勢を示した。

 早晩、堺市も都構想に組み込まれるだろう。元々都構想には堺市をはじめとする大阪市周辺の自治体も含まれていた。いつぞやは大阪市だけで都構想の是非を問う住民投票を行ったが、それは前堺市長の竹山修身氏が阻止したからだ。


 堺市が美原町と合併して政令市に「昇格」しようとした2002年、友人が合併阻止の運動をやっていたので「14番目の政令市になるより2番目の都になったほうがええんちゃう」と言って友人と口喧嘩になった。
 むかしは私自身も都構想とよく似た考えを持っていた。周囲からは「荒唐無稽」と扱き下ろされた。それをあの橋下徹氏が大真面目で唱え実現まであと一歩まで迫ったものだから面白い。

 政令市による二重行政の弊害は古くから指摘されてきた。特に大阪では大阪府と大阪市の予算規模はほぼ同じ、大阪府の中にもう一つの大阪府があるようなものだ。自治体規模が大きくなればオンブス活動もし難いし自治体自身も財政を掌握しきれず、税金の無駄遣いと借金が増えることは以前から指摘されてきた。
 だから大きくなった自治体は再び人口20万程度に分割が良い、しかし「分割」して政令市から中核市以下へ降格のイメージがあるので、いっそ東京都のように大阪市と堺市は大阪府と合併して大阪都になり、南区や浪速区などは市と同格の議会を持った自治体になれば、話題になるし分割は市井に受け入れられやすい。

 ところが、維新の分割案を見て驚いた。分割が大雑把で中には中核市規模の巨大特別区がある。しかも議会は20人程度の町議会なみ。分割はむしろやらん方がマシではないか。細やかな行政サービスと言いながら、こんな内容ではむしろサービス後退ではないか?
 という事で都構想反対論者に変わった。

 いずれは堺市でも住民投票が行われることになるかもしれない。

【追記】2019年07月28日
 この堺市長選では完全に泡沫候補であった立花孝志氏は、後に参院選で当選し話題をさらった。そして自勢力拡大のため失脚しそうな議員たちに秋波を送っている。


 
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友人知人に元号否定論者が少なくないが、私は肯定派である。「一世一元」で改元するのではなく、「五十年一元」で天皇の在位に囚われず定期的に改元し、無形文化財としてのお祭りにする方が経済効果がある。近頃の現象[一二九〇]

新天皇陛下が即位「令和」に改元 
前陛下、退位し上皇に


 新天皇陛下が1日午前0時、皇太子から即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に改元。新陛下は59歳で、戦後生まれの初めての天皇になった。前天皇陛下は4月30日限りで退位し、上皇となった。(共同通信)

【雑感】ふと昭和から平成に変わった頃を思い出した。
 昭和天皇崩御をもって昭和が終わり平成が始まったわけなので、今回の大晦日カウントダウンのようなお祭り騒ぎの改元ではなかった。
 当時の私は工場の夜勤シフトに就いていた。大っぴらに仕事をしているところを外部に見せないよう全ての窓には暗幕を貼り、従業員全員が作業服の袖に喪章をつけて作業をした。TVはNHK教育以外は全チャンネル喪に服すかのように昭和天皇特集一色となった。

 あの当時を思えば上皇陛下は英断を下されたと思う。生前退位だからこそ新しい元号をカウントダウンのお祭り騒ぎで迎えられる。続けて新しい天皇陛下の即位のお祭り騒ぎも続けてできる。
 昭和の終わりの頃を思えば、経済効果は歴然だ。

 さて、私の友人知人には元号を否定論者が少なくない。特定の人達の都合で暦を変えなければならないなんて非常に面倒な上に迷惑。改元は日常生活の足を引っ張るし、万国に普及している西暦に統一する方が合理的ではないかという考えだ。加えて元号否定論者の多くは天皇制否定論者も兼ねている。先の陛下の退位も自由にならない極めて人権を制限された存在、崇め奉る形で人間扱いしないという人権侵害の差別制度であるという主張だ。

 友人たちが「天皇」と呼ぶのに対して私は「今上陛下」と呼ぶ。皆が西暦を有り難がるのに対して私は元号を許容する。平素の私は左翼的な言動をするので「パヨク」と思っている人たちには意外に思うかもしれないが、天皇制に反対しないし元号も存続支持だ。
 理由は簡単で、改憲派ではないので一条で規定されている象徴天皇制も支持する。また中華圏の制度であった元号は今や日本だけが続けている。ここから左派の友人たちは軽蔑を込めて「ガラパゴス」と呼ぶが、私は文化的希少価値を見出すし、それ以前に西暦が嫌いだからだ。

 元号否定論者たちは改元にともなう不都合以外に元号にまつわる闇の歴史を論じられるが、西暦も元号に勝るとも劣らず負の歴史を持っている。西暦は言い換えれば基督教暦、私は仏教徒であって基督を全面的に支持しているわけではないのに基督の暦に合わせさせられるのも元号と同様にキナ臭い。
 世界中で最も普及している暦だからと平然と主張する人がいるが、基督教暦が世界中に広がったのは言うまでもなくヨーロッパ人の世界侵略の結果であって、多くの民族が虐殺され民族文化が根絶やしにされた歴史の上に西暦の普及がある事も否定できない。元号のいかがわしさが気になる方々が西暦の血に塗れた歴史が気にならないのは不可思議奇怪である。
 だから私は元号を否定する気になれないのだ。

 改元で生じる不都合や不便さは確かに不合理である。ただ、かつての元号は天変地異や政変の度にゲン担ぎの意味でも頻繁に改元されたものだ。明治天皇の父君孝明天皇の在位中でも弘化・嘉永・安政・万延・文久・元治・慶応と元号が変わっている。明治になって「一世一元」すなわち天皇の在位中は改元しないことになったのは、孝明天皇以前のように頻繁に元号を変えていては文明開化という国家の近代化に甚だ不都合だからだ。
 既に明治維新で大幅に「伝統」というものを修正しているのだ。元号存続を目的とするなら、現代においてさらなる修正を行ってもバチは当たるまい。

 「一世一元」から「五十年一元」にしてはどうだろうか。改元によって生じる不都合は大幅に解消されるし、昭和の終わりと平成の終わりを比べれば明らかなように天皇の崩御をもって改元するよりも生前退位の方が素直にお祭り騒ぎが行え経済が回る。
 それなら天皇の在位に囚われずキリの良い二十五年あるいは五十年ごとに改元する事になれば、お祭り騒ぎの準備も容易になり、皇室や国家権力からやや距離を置いた無形文化財として残す道も開ける。


 
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大原直美氏の「セクハラ」訴訟、御本人や支援者たちは正しい事をやっているつもりだろうが、この理屈が罷り通ると体制権力に言論封殺の金棒を与えることになるのを覚悟してほしい。 近頃の現象[一二八九]

会田誠講座「セクハラ」訴訟に波紋 
焦点は「大学側の対応」に?


 京都造形芸術大学で開かれた公開講座に参加した女性が、講師の性的な発言に精神的苦痛を受けたとして、同大を運営する学校法人「瓜生山学園」を相手に提訴したと2019年2月27日、メディア各社が報じた。
 講師はエロ・グロや美少女などを題材に、刺激性のある作品を手掛ける美術家として知られる、会田誠さん。提訴をめぐり、ネット上では「事前に軽くネットで調べればどんな作風なのかも分かるのだから」と疑問視する声や、「大学の対応の問題が大きいと思った」と学校側を追及する声が上がっていた。(J-CASTニュース)


【雑感】「セクハラ」と聞いて、最初のイメージは講師の会田誠氏が大原直美氏に身体を触れたり耳元で猥談をささやかれたりでもしたのかな?と思った。ところが大原氏が訴えているのは大学に対してであって会田氏個人は訴外だ。
 これはどういう事だろうと記事を精査すると、どうやら会田誠講師に対しては講座の内容は問題があるものの具体的に直接自身にセクハラ行為を受けた訳ではないらしい。講座内容に精神的苦痛を受け、そんな講座を許す大学の責任を問うているようだ。

 大原氏御本人は自身の主張に大層な自信があるのか、勇敢にも素顔を晒して会見に臨まれた。多分、彼女の支援者も多い事だろう。ネットでも彼女の英断を支持する意見が散見される。

 ただ、それなら疑問が発生する。なぜ会田氏の講座を受けたのか? 彼の講座は必修ではない。必須であれば単位を取らなければ卒業できないので彼女の言い分も判らなくはないが、履修してもしなくてもいい講座だ。また問題作品で公共の場から撤去されたこともニュースになっていた会田氏が講師になるのだから、講座内容も大よそ予測はできたはず。さらに聞くところによれば、講義を始める際に一応の内容について事前注意があったそうである。
 なのになぜ履修した? 想像以上に気分の悪い内容だったとしても、それは選んだ彼女のミスであって会田講師も大学も悪くはない。居酒屋などで会田氏や大学への陰口を叩くのは許せるが、なぜ提訴まで踏み切った?

 現状だと、大原直美氏の行動は以下の通りになる。非常に的を得た指摘なので紹介する。

須賀原洋行氏 漫画家
エロティシズムを受けつけない人が芸術の世界に関わろうとするのは、血を見たら失神する人が外科医になろうとするようなものでは

柴田英里氏 現代美術 文筆業
ゾーニングされた世界にわざわざやって来てわざわざ苦痛を訴える、もはやお気持ちブルドーザーが傷つきの土砂災害を引き起こしているとしか……

ぬえ氏 Twitter利用者
激辛の看板掲げた店に入って看板もメニューも読まずに今日のオススメを注文し食べた後で「私が嫌いな辛い料理が出た、どうしてくれる」とテナント入ってる商業施設を訴えるような話では

 私も概ね上記挙げた三氏の見解と同じである。但し、三氏は自称人権派や自称フェミニストたちからしばしば「ネトウヨ」扱いされている御仁たちで、今回の一件も「またセクハラ男を擁護してる」で済まされるかもしれない。
 そこで以下に紹介するコメントは意外な方からの意外な見解である。反戦の立場で戦場を取材する志葉玲氏であり、左派系市民から一定の支持を得ているジャーナリストだ。フェミ関係のTwitter民の中には「大原さんに賛同すると思ったのになんで?」と思った人も少なくないのではないか。

志葉玲氏 報道写真家
ある程度耐性があるだろう(?)平和運動系の団体での講演か、中学高校での講演かでTPOわきまえて見せる写真や映像をチョイスするけども、基本的に戦争だから視覚的にエグイ。だから「これからお見せするのは、キツイですから苦手な人は下向いていて下さい」的なことは、自分もよく言う

戦争の話するのに、かわいらしい子ども達の笑顔の写真ばかりじゃないんだよ。ただ、事前にあらかじめショックのある映像・写真もあるよ、と断っておくことは大事だねー

芸術は極力自由であるべきだと思うし、訴訟で表現を潰そうとするのはどうかと思う。他方、女性からしたらキツイ作風だろうから難しいところでもあるな。せめてちゃんと注意喚起やゾーニング出来たら良かったのに、とは思う

 後に注意喚起はあったとの情報を得て、それが本当なら提訴はビミョー、と大原直美氏とは距離を開ける姿勢を示した。

 実は志葉玲氏が距離を置くのは至極当然なのである。
 私は学生時代に本多勝一氏や石原文洋氏のルポを読んできた人間で、本多氏らが中心になって創刊した週刊金曜日を応援したこともあるので、むしろ志葉玲氏の気持ちは比較的理解できると思う。

 反戦を論ずるにあたって最も雄弁なのは死体写真や悲惨な被害者の哀れな姿だ。ロバート・キャパは頭に敵弾を受けて倒れる寸前の兵士を撮って脚光を浴びた。(この写真には異論が存在するが) 沢田教一は戦火を逃れようと川に飛び込んでいる母子の姿で脚光を浴びた。ベトナム人報道カメラマン黃公崴氏は有名な火傷を負った全裸の少女の写真で世界を反戦へと動かした。
 しかしながら昨今のポリコレ感覚ではこれらの歴史に残る名作すら叩かれそうな勢いである。

 では、難民キャンプで笑顔で逞しく生きる子供の写真や、黙々と任務に従事する兵士の写真で良いのか? これでは戦争指導者たちのプロパガンタ報道と変わりはないではないか。

 大原直美氏の論理が罷り通ってしまうと、「精神的苦痛」が独り歩きして志葉玲氏の反戦活動にも支障が及ぶ。精神的苦痛が優先され過ぎると戦場写真は使えなくなるし、志葉玲氏の口を封じたい勢力から見れば、彼の個展や講座に一般客を装って入り込み、後で「グロい写真を見せられて苦痛だった」と提訴すれば封殺が成功する、まことに便利な「ビジネスモデル」が確立してしまう事になる。
 さすがは志葉玲氏は現場体験ならではの見解だ。

 それに引き換え、Twitter上で影響力を伸ばしているなうちゃん氏の見解。
会田氏を擁護する意見が意外と多いようですが、少なくとも「大学」を名乗る機関の講義ならば、最低限の「まともさ」は絶対に必要でしょう

 最低限の「まともさ」とは曖昧な主観表現だ。ベトナム戦争を勧めたニクソン大統領ならナパーム弾で全身火傷を負った全裸少女の写真を観たら「いたいけな少女の全裸写真を公開するとは、マスコミはまともではない」と怒る事だろう。
 自身の主観を社会基準と思い込む姿勢が哀しいし、大原氏の論理が罷り通った時の負の影響にはまるで眼中にない。この御仁は志葉玲氏と違って現場体験が無いのではないか?

 大原直美氏の主張を見る限りでは、大間抜けの逆切れカマトト人間ではないのなら、最初から会田誠氏のような人間を大学から排斥したい目的があったのではないかと勘繰ってしまう。彼女自身に大学とはこうあるべきだという理想のイメージがあって、それを実現するために敢えて「被害者」となり法権力を使ったのか? でないと辻褄が合わないのが現状だ。


 
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