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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「芳華」 青春回帰〔52〕

「芳華」 70年代中国の青春。

芳華

【原題】芳华
【英題】Youth
【公開年】2017年  【制作国】中華人民共和国  
【時間】136分
【監督】馮小剛
【制作】中国人民解放軍八一電影制片廠 他
【原作】嚴歌苓
【音楽】
【脚本】嚴歌苓
【言語】中国語 
【出演】黃軒(劉峰)  苗苗(何小萍)  

【成分】パニック 悲しい かっこいい 勇敢 スペクタクル 戦争映画 1970年 中越戦争

【特徴】2017年の中国映画大ヒット作である。

 中国の軍隊には人民への宣撫を目的とした藝術部門が存在する。本作の撮影に関わっている八一電影制片廠も中国軍の映画撮影所であるし、軍人の肩書で俳優や舞踏家のキャリアを出発させる芸能人も少なくない。
 上記掲載のタイトルイメージはヒロインの美脚、片方はバレエシューズ、もう片方の緑の運動靴は当時解放軍兵士が履いていた軍靴、解放軍藝術団に所属する若者たちの立場を象徴している。
 物語は、解放軍兵士として藝術団で舞台稽古に励む若者たちの恋愛と哀しみとを描いたノスタルジックな青春劇だ。

 なお、主役の黃軒氏は日中合作映画「KU-KAI」で空海の親友白楽天に扮した事で日本でも名を知られている。

【効能】青春の淡いトキメキがよみがえる。中国の近現代文化に興味を持つ。緑色の人民服でコスプレしたくなる。中国の男優・女優の清純さとセクシーさを両立させたイメージに萌え。
 中越紛争の闇を垣間見る。

【副作用】軍隊映画というより少女漫画の学園モノようでガッカリ。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
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「キネマ純情」 青春回帰〔51〕

「キネマ純情」 
井口昇が放つB級の王道青春百合映画。


キネマ純情

【原題】 
【公開年】2016年  【制作国】日本国  【時間】131分  
【監督】井口昇
【制作】
【原作】
【音楽】福田裕彦
【脚本】井口昇   
【言語】日本語
【出演】荒川実里(アカリ)  洪潤梨(ヨシエ)  上埜すみれ(ケイコ)  柳杏奈(アキ)  中村朝佳(ナオミ)  山本愛莉(アヤノ)  晴野未子(モエ)  大部彩夏(カズコ)  川合空(中野チャコ)      

【成分】かわいい コミカル ファンタジー 不気味 切ない 楽しい 笑える

【特徴】井口昇監督が放つB級青春映画。基本、男性不在の女性メインの世界である。男優はナオミと同じゼミの学生役で数名登場するのみ、他は全員女性でキャスティングされている。
 井口監督によると、出演者オーディションを行うにあたって出した絶対条件に「女性同士でキスができる人」を挙げた。それくらい女優同士のキスが多い映画だ。

【効能】青春が甦る。心が若返る。

【副作用】時間と金銭の喪失感に襲われる。

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「1999年の夏休み」 青春回帰〔50〕

1999年の夏休み」 
深津絵里15歳頃のお宝作品。




【英題】
【公開年】1988年  【制作国】日本国  【時間】90分  
【監督】金子修介
【原案】萩尾望都
【音楽】中村由利子
【脚本】岸田理生
【言語】日本語
【出演】宮島依里(植村悠 / 藤原薫)  大寶智子(島田和彦)  中野みゆき(直人)  水原里絵(則夫)
水原里絵氏は本作の後に芸名を本名の深津絵里に戻す。

なお、本作役名に相当する原作の登場人物を以下に列挙。
植村悠(トーマ・ヴェルナー) 藤原薫(エーリク・フリューリンク)  
島田和彦(ユリスモール・バイハン)
直人(オスカー・ライザー)
則夫(アンテ・ローエ)    

【成分】ファンタジー 不思議 切ない 悲しい 知的 男子校 思春期 青春 寄宿学校 1999年
     
【特徴】萩尾望都氏の漫画「トーマの心臓」が原作といわれているが、実際は「トーマの心臓」をベースにしているものの全く異なる物語なので原作者クレジットに萩尾望都氏の名は無い。なお金子監督は制作にあたり萩尾望都氏に「翻案」としての許可を得ている。
 全キャストを「トーマの心臓」登場人物とほぼ同い歳の14歳から16歳の女優を起用して少年を演じさせた事が当時大評判だった。

 「トーマの心臓」では男子校の寄宿舎でのドロドロとした少年社会の描写があるが、本作では思春期の内面描写を重視している。当時は人類滅亡の日と噂されていた近未来の1999年夏に時代設定し、夏休みに世間から隔絶された寄宿舎に居残る4人に焦点をあてる事で危うい思春期を際正せた作品。
 
【効能】ほろ苦い思春期の頃を思い出す。
深津絵里ら女優たちがまだ10代半ばで短髪にしている姿が萌え。
少年愛もしくは同性愛にめざめる?
 
【副作用】少女たちが少年を演じている事に違和感。命を粗末にする事を美化しているような危うさがある。
少年愛もしくは同性愛にめざめる?
 
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「ガッチャマン」 青春回帰〔49〕

「ガッチャマン」 
今風でエエんとちゃう。



 
【英題】GATCHAMAN
【公開年】2013年  【制作国】日本国  【時間】113分  
【監督】佐藤東弥
【原作】タツノコプロ
【音楽】ニマ・ファクララ
【脚本】渡辺雄介
【言語】日本語
【出演】松坂桃李(健)  綾野剛(ジョー)  剛力彩芽(ジュン)  濱田龍臣(甚平)  鈴木亮平(竜)  初音映莉子(ナオミ/ベルクカッツェ)  光石研(カークランド博士)  中村獅童(イリヤ)  岸谷五朗(南部博士)  新上博巳(ギルマン)  グレゴリー・ペーカー(アンダーソン長官)  菜葉菜(ISO職員)  吉田翔(少年時代の竜)  馬場典子(女性アナウンサー)  滝口順平(ドクロベエ)
  
【成分】ファンタジー 不思議 パニック 不気味 勇敢 特撮 実写化リメイク
     
【特徴】不朽の名作アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の実写映画化。70年代初頭を象徴する原色華やかな世界から「今風」にしたのか全体に薄暗いイメージに変えている。
 また、アニメ版では若干の対立はあるものの大鷲の健の統率力でテキパキ任務をこなしていたが、本作ではかなりウジウジ悩む場面が多い。

 なお、ベルク・カッツェに命令する総裁Xは登場しない。
 
【効能】自分の存在や将来の展望に悩んでいた思春期を思い出す。
 
【副作用】原作アニメの良さがことごとく潰されて激怒。
 
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「コクリコ坂から」 青春回帰〔48〕

コクリコ坂から」 
宮崎吾朗監督作第2弾。




【原題】
【公開年】2011年  【制作国】日本国  【時間】95分  
【監督】宮崎吾朗
【原作】高橋千鶴 佐山哲郎
【音楽】武部聡志
【脚本】宮崎駿 丹羽圭子
【言語】日本語       
【出演】長澤まさみ(松崎海)  岡田准一(風間俊)  竹下景子(松崎花)  石田ゆり子(北斗美樹)  風吹ジュン(松崎良子)  内藤剛志(小野寺善雄)  風間俊介(水沼史郎)  大森南朋(風間明雄)  香川照之(徳丸理事長)

【成分】泣ける ロマンチック 切ない 1963年 日本 横浜

【特徴】「ゲド戦記」以来の宮崎吾朗監督作品。ファンタジー路線だったジブリ作品には珍しく現実舞台の青春ドラマ、高度経済成長期の昭和30年代後半、横浜を舞台に高校生の淡い恋愛と友情を描く。

 原作は1980年発表の少女漫画、当時の少女漫画界の流行を反映してか、コクリコ(ひなげし)やメル(フランス語の海をあらわすラ・メールから)など、おフランス用語が並ぶ? 因みに本作で登場するカルチャラタンの本来の意味はパリの学生街。
 原作漫画では主に1970年代後半が舞台となっているようだが、本作では時代設定を10年以上前にずらしている。また原作は制服廃止運動が軸になっているが、本作は学内施設カルチェラタンの保存運動へとすり替わっている。 

【効能】青春時代の淡いトキメキガ甦る。

【副作用】現実離れした青春物語に違和感。上を向いて歩く気になれない。

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「卒業」 青春回帰〔47〕

卒業」 
サイモンとガーファンクルの楽曲が美しい、
思春期のための恋愛物語。




【原題】THE GRADUATE
【公開年】1967年  【制作国】亜米利加  【時間】107分  
【監督】マイク・ニコルズ
【原作】チャールズ・ウェッブ
【音楽】ポール・サイモン デイヴ・グルーシン
【脚本】バック・ヘンリー カルダー・ウィリンガム
【言語】イングランド語
【出演】ダスティン・ホフマン(ベン・ブラドック)  キャサリン・ロス(エレイン・ロビンソン)  アン・バンクロフト(ミセス・ロビンソン)  マーレイ・ハミルトン(ミスター・ロビンソン)  ウィリアム・ダニエルズ(ミスター・ブラドック)  エリザベス・ウィルソン(ミセス・ブラドック)  バック・ヘンリー(-)  エドラ・ゲイル(-)  ウォルター・ブルック(-)  ノーマン・フェル(-)  アリス・ゴーストリー(-)  ブライアン・エイヴリー(-)  マリオン・ローン(-)  リチャード・ドレイファス(-)  マイク・ファレル(-)  エリザベス・フレイザー(-)  ベン・マーフィ(-)  ケヴィン・タイ(-)  ハリー・ホルカム(-)  ドナルド・F・グラット(-)

【成分】パニック 切ない セクシー かわいい 愛憎劇 60年代末

【特徴】ダスティン・ホフマン氏の出世作。当時30歳のホフマン氏が20歳そこそこの多感な青年を演じる。
 最初は両親の知人の人妻と関係を持ち、その後で人妻の娘であるヒロインと恋に落ちる。人妻との関係がばれてヒロインは主人公を拒絶、主人公がストーカーまがいの行為をする場面で流れるサイモンとガーファンクルの名曲「スカボローフェアー」は恋に押し潰されそうな未練たらしい男性の行動と巧くマッチしている。
 またラストで他の男と結婚するヒロインに主人公が教会に乱入し吠えるように名前を連呼し、強奪するようにヒロインを連れて逃亡する場面は後々語り継がれる名場面で、後世の作品でもしばしばオマージュもしくはパロディにされている。

【効能】思春期の鑑賞者は恋愛に夢を持つ。大人は思春期の情熱がよみがえる。

【副作用】思春期の鑑賞者は恋愛に幻想を持つ。大人の鑑賞者はかつての過ちを反省する。恋煩いの大人には鎮静効果がある?

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「龍馬伝」 青春回帰〔46〕

龍馬伝」 
時代劇ブランド大河ドラマらしからぬ青春群像

 

 
【原題】
【公開年】2010年  【制作国】日本国  【時間】2193分  
【演出】大友啓史
【原作】福田靖
【音楽】佐藤直紀
【脚本】福田靖
【出演】福山雅治坂本龍馬)  香川照之岩崎弥太郎)  真木よう子楢崎龍)  寺島しのぶ(坂本乙女)  大森南朋(武市半平太)  大泉洋(近藤長次郎)  要潤(沢村惣之丞)  平岡祐太(陸奥陽之助)  桂小五郎(谷原章介)  伊勢谷友介(高杉晋作)  高橋克実(西郷吉之助)  貫地谷しほり(千葉佐那)  蒼井優(元)  
   
【成分】笑える 泣ける 勇敢 パニック 知的 絶望的 かっこいい 悲しい ロマンチック コミカル 幕末 1830年代~1867年 土佐弁
                         
【特徴】従来の時代劇ではなく、現代劇に近い雰囲気で坂本龍馬を時代と格闘する一青年として描く。その時代に生きた青年の体臭を感じさせるよう、できるだけ従来の時代劇用カツラは使用せず、自毛の生え際を活かしたメイクを主要出演者にほどこしている。主演の福山雅治氏自身も撮影のために髪を伸ばし自毛で結った。プログレッシブカメラを採用したおかげか、スタジオ撮影臭はなく、ナチュラルな映像になっている。
 一見するとリアル龍馬を描いているようだが、あからさまな脚色で史実から逸脱している部分が多々あり、歴史ファンの中には不快感を抱く者がいる。特に岩崎弥太郎を狂言回し的に描いている部分は、現在も記憶を鮮明にする弥太郎とその関係者の近い子孫もいることから、異議を唱える者もいた。

 物語は明治に入って三菱の社長として財界に君臨する岩崎弥太郎に、高知の新聞記者が坂本龍馬について取材するところから始まる。
    
【効能】青春の活力が甦る。土佐弁を若干マスターできる。
 
【副作用】NHK大河的脚色に不快感。高知県民の中には福山氏らの土佐弁が耳障り。
 
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