晴雨堂の耕晴雨読な映画処方箋
 晴雨堂ミカエルの飄々とした耕晴雨読な映画処方箋。  体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。

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↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 映画好き・猫好き・ドイツビール好きです。よく晴れた爽やかな日はマウンテンバイクでサイクリングをしながら風景や野良猫を撮影します。
 リタイア後は田舎に帰り、晴天は畑仕事や庭いじり、雨天は読書や映画鑑賞の文字通り耕晴雨読の日々をおくるのが夢です。
 お金があれば郷里に「晴雨堂オタク記念館」を設立して地元の文化交流の発信基地にしたい、連れ合いは怒るだろうが。館長に任命してやるといったら言下に断られた。
 
 ブログを始めたのは2007年5月から、本格的に参考書に目を通しながら運営を始めたのは同年11月から、操作方法で度々ミスがあると思いますがご容赦のほど願います。
 現在、少しずつですがブログを観やすいよう整理を行なっています。


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2007年10月29日設置

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晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
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「村の写真集」-
【2008/02/20 19:27】 映画・・郷愁を体感して止揚しよう
テーマは良いのだが・・。
 
 

 
 監督は良いテーマに着手された。上海国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞したのもうなづける。言い方は悪いが、日本特有の渓谷や山村の生活描写と、藤竜也氏扮する背広にリュック姿の写真屋も味がある。それらが審査員にウケたかもしれない。(余談1)
 
 ただ、いまどきこんなまとめ方で済ませて良かったのだろうか? というのも、舞台となった徳島といえばダム問題で揺れた木頭村がある。ダム建設をすれば村全体がダム湖に沈む、木頭村は長らく建設反対派村長をたてて国と県を相手に闘ってきた。木頭村には私の知人がいる。そして私の身内には土建屋もいる。つまり、私は開発する側とされる側の気持ちを知っている人間(余談2)なので、こんな牧歌的描写だけで勝負されると、なんだか浮世離れしているような印象を持ってしまう。(余談3)
 もっとも、日本映画界の現状や徳島県との絡み、そして監督の地位を考えたら、ドロドロとした利害関係は割愛し、無難に美しい山村描写と家族の確執と結束に焦点を絞らざるを得ないだろう。とすれば、2時間弱では長すぎる。90分程度にまとめられたのではないか。
 
 三原光尋監督作品で私が印象に残っているのは、1990年頃に発表した栄養成分表示である。大阪の藤井寺あたりを舞台に女子高生を主人公にした初々しい物語だった。残念ながらヤフー映画サイトのデーターには載っていない。
 
(余談1)映画の舞台となった山村の風景は、私の郷里にそっくりである。映画の舞台は徳島だが、私のところは高知の物部川流域なので文化的にも近い。 藤竜也氏のキャラも昔気質の写真館のオヤジという感じが出て良い。あそこまでステレオタイプに昔気質を演出するのなら、背負うリュックも大型のキスリング(昔の登山家やカニ族が背負う横幅の広い帆布のリュック)にすればインパクトがあった。
 
(余談2)話せば長くなるが、ダム建設は必ずしも治水や発電の「必要に迫られて」つくるわけではない。むしろ第一の目的は土建屋を食わすためである。土建業界には様々な関連業者が裾野広く結びついているので、単なる一業者の利権ではなく地域経済にとって死活問題でもある。だから土建屋と建設推進の政治家は必死である。そのためまず建設ありきだから、ダムによる治水効果や発電などの見積もりは数字合わせのデタラメが多い。
 しかし食うために村一つ潰すことを今後も続けていけるほど国土は広くない。それにダムの耐用年数は半世紀から一世紀、泥がたまるので決壊すれば被害が倍増される欠点もある。村や山河を潰してまで建設する魅力は年々褪色している。
 事は「環境保護VS経済と生活」=「綺麗事VS現実」という単純な図式ではない。
 
(余談3)ダム建設に反対する村民と建設推進の土建業者と県と対立、各々の生活をかけたぶつかり合い、綺麗事の口先だけの現場を知らない推進派の中央官僚と反対派の都会の環境保護運動家、これらの素材をまとめたら確実に欧米で絶賛される映画になる。
 井筒監督がやったら面白いだろう。持ち前のアクの強さと独裁体制で在日コリアンという日本映画界でタブーの素材に挑戦できたのだから、これにも挑戦してほしいなぁ。
 


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「レッド・バロン」-
【2008/02/16 20:23】 映画・・郷愁を体感して止揚しよう
「赤い彗星」のモデル
 
 

 
 どちらかというと、第二次大戦モノの方が大量に製作されていて、第一次大戦モノはその影に隠れてしまっている印象を受ける。やはり19世紀的な時代劇雰囲気を色濃く残しているので、第二次大戦のほうが現代史に直結していて馴染みがあり、軍服やメカなども現代戦の基本形なのか格好良く感じるのだろうか? ゼロ戦やスピットファイヤーのファンは大勢いるが、ソッピースキャメルのファンは周囲には居ない。(余談1)
 
 しかし意外なところで、現代の日本アニメに影響を与えている。第一次大戦時のドイツ軍エースパイロット、レッド・バロンだ。直訳すると「赤い男爵」となる。本名のマンフレッド=フォン=リヒトホーフェンが示すように貴族を示す「フォン」が付いている。(余談2)彼が搭乗する戦闘機には全面赤い塗装がほどこされているので、付いた呼び名が「レッド・バロン」だ。ここまで話すと、「ガンダム」に登場する赤い彗星シャアのモデルであるのが判るだろう。(余談3)
  
 レッド・バロンを演じたジョン=フィリップ=ロー氏も面長で白面の上品な顔立ちをしており、真面目で騎士道精神溢れる空の貴公子になりきっていた。これが若き日の野卑なゲーリング(余談4)と対照的で、作品として良い構図となった。
 既に負け戦を自覚して保身に走る軍上層部との対立、育ちの良さと若さから闘い方に理想を追求しようとするレッド・バロン
 基本的な戦術は未だナポレオン時代と変わらないスローな展開、これは空中戦でも同じで、それも巧く表現されていた。アメリカ映画だがアメリカ臭さは感じられず、アメリカにおけるレッド・バロンの思い入れが伝わる作品だ。

 ただ、出演時のフィリップ=ロー氏は33歳頃。実際のレッド・バロンは24歳である。地上にいると若々しくても、戦闘機に乗って飛行帽をかぶると側面の肉が前に移動して些か不細工な顔に見えた。
 ドイツでは年齢の近い俳優がレッド・バロンを演じる映画が最近公開されているようだ。日本でも上映してほしいものである。(余談5)
  
(余談1)ソッピースキャメルはイギリス軍の戦闘機。この時代の戦闘機は複葉機。レッド・バロンの愛機フォッカーは三葉機。
 初めて知ったのは、子供のころよく読んだ英語日本語併記の漫画「スヌーピー」。「スヌーピーの撃墜王」で主人公スヌーピーが自分の犬小屋の屋根の上をコクピットに見立てて第一次大戦の撃墜王になり切る。レッド・バロンの名を知ったのもこの漫画から。
 
(余談2)「平民」も将校を長年務めれば「フォン」を付けることがあるそうだ。93年の「スターリングラード」でドイツ軍の青年将校を演じたクレッチマン氏の役名も「フォン」が付いていたが、代々将校を務めた家系で爵位は無いかもしれない。レッド・バロンは男爵の爵位をもっている。
 
(余談3)アニメのシャア大佐は弱冠二十歳の若造なので、「大佐」がどれだけ偉い地位か知っている人は「ありえねー」と思うだろう。ところがモデルとなったレッド・バロンは二十歳代前半で大尉の大隊長だった。シャアも初登場は少佐、ガンダムの製作者はかなり意識していたか。
 実際のレッド・バロンの顔は、「Uボート最後の決断」の艦長役・「キングアーサー」のサクソン人王子役のティル=シュヴァイガー氏に感じが似ている。
 
(余談4)後のナチスドイツの国家元帥でドイツ空軍最高司令官。地味なファッションを貫いた菜食主義のヒトラーと違い、でっぷりと太った身体を華美な空軍元帥用の軍服で包み美食と道楽に励んだイメージがある。映画でも野卑なキャラで描かれることが多い。
 第一次大戦時は戦闘機パイロット。作中でもレッド・バロンと対立する。
 
(余談5)よく映画化されたものだ。マンフレッドの3歳歳下の従弟はヒトラー政権下で空軍参謀としてスペイン内戦に参加、ピカソの絵で有名なゲルニカの空襲を指導した。第二次大戦時ではなんと40代で元帥に昇格しているところから、ナチ政権への貢献ぶりがうかがわれる。つまり、輝かしい空の英雄を輩出したリヒトホーフェン家にはマイナスイメージもあるのだ。
 
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撃墜王 リヒトホーフェン
 
 

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「ウンタマギルー」-郷愁を体感して止揚しよう 3
【2008/02/06 12:33】 映画・・郷愁を体感して止揚しよう
沖縄現代民話
 
 
 (未DVD化)
 
 全編ウチナグチ(沖縄方言)台詞で「日本語字幕」付、サンシン(沖縄三味線)の調べ、白い砂浜や深い亜熱帯の森、「沖縄」に強くこだわった異色冒険活劇だ。監督の高嶺剛氏は沖縄出身である。公開当時、ちょっとした沖縄ブームが盛り上がった。(余談1)
  
 本土返還前の今から40年近く前の沖縄が舞台。元ネタは民話から。だから「日本昔話」風にタイトルを言い換えると「うんたま森の義留」が適当か。森の妖怪や豚の化身が登場したり、水木しげる氏の漫画ほどあからさまではないが、現代沖縄に奇怪で飄々とした空間が広がる。(余談2)
 
 小林薫氏扮する主人公ギルーは、ある過ちをおかしてはみ出しものになる。妖怪の娘を救って超能力を得る。そして親米派や「親日派」の金持ちから金を奪う義賊になる。
 警官隊に追い詰められたとき、ギルーは叫ぶ。「俺たちはアメリカンでもヤマトでもない!」そこへ相棒がすかさず呑気な語調で「あ、政治的発言をした」と突っ込む。
 
 南の島の悲壮感が感じられないユッタリとした現代の御伽噺だが、その背景は重い。
 
(余談1)本土の言葉を「ヤマトグチ」
 全編「ウチナグチ」台詞だが、「ヤマトグチ」の怒鳴り声が響く場面がある。野外で豚肉を煮ながらサンシン弾き泡盛を呑んでささやかな宴会をしているときに、トラックに乗り付けてきたならず者風の男たちが「日本語」で「百姓どもが、昼間から肉鍋か!」と怒鳴りながら鍋を引っくり返すなど狼藉をはたらく。沖縄返還ムードに乗って土地買収にやってきたヤクザ者か。似たような場面は韓国や中国の映画にもある。
 
 日本一周して思ったのは、日本の風景は青森から鹿児島まで同じだが、北海道と沖縄は異なる。北海道の人達は私を「内地の人」と呼び、沖縄では「ヤマトの人」「ヤマトンチュ」と呼ぶ。北海道と沖縄は江戸時代から明治時代にかけて日本に併合されてきた歴史を持つ。
 
(余談2)沖縄の友人の話によると、沖縄民謡は伝統的なリズムにさえ乗せれば民謡になるそうだ。戦後作られた民謡が多く、大戦中の悲哀や反戦歌が殆どだ。
 喜納昌吉氏の「ハイサイおじさん」や「花〜すべての人の心に花を〜」やビギンの「涙そうそう」なども沖縄民謡に入れる場合もある。
 
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おきなわの夢―ウンタマギルー物語
 

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「ゲバラ!」-郷愁を体感して止揚しよう 2
【2007/12/04 07:42】 映画・・郷愁を体感して止揚しよう
オマー=シャリフ氏のゲバラ
 
 

 
 「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバコ」「うたかたの恋」などハリウッド史上で大作・名作に類する作品に出演し国際的名声を得たアラブの名優がオマー=シャリフ氏である。60年代の映画をよく観てきた方々には懐かしい俳優ではないだろうか。
 
 彼はジンギスカン役もやったことがあるが、あまりに似合わなかった。ジンギスカンはアジア人だからといって非ヨーロッパ系のシャリフ氏をあてるハリウッドのいい加減さに呆れたものである。
 
 が、このゲバラ役はハマっていた。顔が似ている訳ではないのだが、キューバに上陸して行軍しているうちに髭や髪が伸びて、あの有名な髭面長髪に星印ベレー帽を被った顔になった時、ゲバラの雰囲気をよく再現していた。特にカストロに笑いかける表情は、本当にゲバラではないかと思うくらいだった。
 
 この映画キューバ革命の立役者ゲバラの後半生をドキュメンタリー形式(でもドキュメントではない)で描写している。ゲバラの側近たちがインタビューを受けてゲバラが生きた当時を証言するという演出だ。証言者たちも俳優が演じているのでドキュメントではない。
 
 これも意外によく出来た映画だった。また予算もTVドラマ規模ではないかと思う。作品としてよくまとまっていた。それにしても、アメリカという国は本当に面白い国で、いわゆる敵国の元首に次ぐ地位の人間で、しかも世界中にゲリラ戦を展開して革命を起こそうとした男をヒーローとして映画にする。ブッシュ大統領らアメリカ保守層から見ればゲバラも立派なテロリストになるのだろうが。
 なかなかDVD化されないマニアックな映画とみられていたが、「モーターサイクル・ダイアリーズ」などでゲバラ人気が湧き起こったせいで2007年に発売されるようになった。

 余談だが、カストロ役をジャック=バランスが演じている。演技全般には特に憤懣はないのだが、この時はもう50歳になっていて、とても若々しいあの頃の青年カストロには見えない。(映画公開時でも実際のカストロ氏はまだ40歳代前半)しかも声がしわがらえて腹に力が入っていない。
 
 実際のカストロ氏は、張りがあって良くとおる声で、滑らかに機関銃のように言葉が出てくる。またスペイン語独特のイントネーションも加わって人に耳を傾けさす説得力がある。たしか法学生時代は弁論大会で優勝したと思うし、この才能は歳をとっても衰えず、数年前の国連総会では拍手喝采だった。悪い表現を使えば口が巧い。政治家は口の巧さが最低限の必須条件である。特にカストロ氏は32歳で政権をとってから現在に至るまでトップの地位にいるほどの政治家である。
 
 しかし、ジャック=バランスはただでさえ英語台詞で臨場感が無くなっているのに、拍子抜けの演説しかできていなかった。気の毒である。適切な例えではないかもしれないが、小泉純一郎氏の役を鈴木清純監督が担当するくらいの隔たりがある。
 
 原題の「Che!」はゲバラのファーストネームである。もともとはスペイン語のアルゼンチン方言で、日本語で人を呼び止めるときに言う「ちょっと」に相当する。キューバ人からみればゲバラが「チェ」と言い過ぎるのでニックネームになり、やがて正式な名前になってしまった。彼が国立銀行総裁に就任したときは、筆記体で「Che」とサインされている紙幣が通貨になった。
 ゲバラの本当の名前はエルネストである。もし、ゲバラが日本出身者だったら「チョット=ゲバラ」「オイ=ゲバラ」になっていたかもしれない。
 
1969年 アメリカ映画 97分
監督 リチャード・フライシャー
原作 マイケル・ウィルソン 、サイ・バートレット
音楽 ラロ・シフリン
脚本 サイ・バートレット 、マイケル・ウィルソン
オマー・シャリフ(チェ=ゲバラ
ジャック・パランス(フィデル=カストロ)
チェザーレ・ダノーヴァ(−)
ウディ・ストロード(−)
ロバート・ロジア(−)
アルバート・ポールセン(−)
リンダ・マーシュ(−)
ポール・ピサーニ(−)
トム・トゥループ(−)
 
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ゲバラ日記―新訳 (中公文庫 ケ 3-1)
チェ・ゲバラ
モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)
 

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「ボビー」-郷愁を体感して止揚しよう 1
【2007/11/13 10:04】 映画・・郷愁を体感して止揚しよう
アメリカの青春の残像。
 
 


 むかし見た写真に、群衆の歓呼に包まれ(?)感極まって泣いているような一人の男性の光景があった。
 街頭演説なのか脚立か何かの上に立っているだけのようで、群衆は男と密着できるくらいの距離で囲んでいた。群衆の頭上から上半身飛び出して立っているその男性は歳の頃40歳代くらい、暑いのか腕まくりしたワイシャツ・ネクタイ姿、俯きかげんに右手で頭を抑えていた。
 
 写真の注釈にはロバート=ケネディ書いていた。顔は右手で見えなかったが、頭の形がケネディ大統領に似ているような気がした。大統領選のボビーだった。後の運命を考えると、なんだか最期の輝きのような感がする。
 
 この映画は、あの写真に映った世界をそのまま映画にしたようなものかもしれない。ケネディ一族に対するアメリカ人の感情は、イギリス人が王族に向ける感情に似ていると言われているが、この映画を観たあとではその認識を改めなければならないだろう。
 
 こじつけかもしれないが、稀代の英雄には必ず英雄よりややカリスマ性に劣るが実務能力には長けていて英雄の仕事を代行できる戦友が登場する。西郷隆盛には大久保利通、毛沢東には周恩来、レーニンにはトロツキー。ケネディーにはこの実弟ボビーだ。
 
 西郷・大久保ともに明治維新の新しい風は去り、中国革命の青春が終わるとともに毛・周も倒れ、ロシア革命の理想はレーニン・トロツキーが鬼籍に入るとともに終わった。そして、アメリカの青春もケネディー兄弟が銃弾に倒れて終わったのかもしれない。
 
 この映画の登場人物たちが聞いていたボビーの演説はアメリカの爽やかな青春のような風の残像のような感がする。ボビーの演説をBGMにアメリカ市民が生きた空間を淡々と描いたのは成功だった。また、そんな描き方ができるほど、アメリカ人はあの時代を俯瞰で観れるようになったのだろう。良い意味でも悪い意味でも。
 
2006年 アメリカ映画 120分
監督 エミリオ・エステヴェス
製作総指揮 ダニエル・グロドニック 、アンソニー・ホプキンス 、ゲイリー・マイケル・ウォルターズ 原作 −
音楽 マーク・アイシャム 脚本 エミリオ・エステヴェス
アンソニー・ホプキンス(ジョン・ケイシー)
デミ・ムーア(ヴァージニア・ファロン)
シャロン・ストーン(ミリアム・エバース)
ハリー・ベラフォンテ(ネルソン)
ジョイ・ブライアント(パトリシア)
ニック・キャノン(ドウェイン)
エミリオ・エステヴェス(ティム・ファロン)
ローレンス・フィッシュバーン(エドワード・ロビンソン)
ブライアン・ジェラティ(ジミー)
ヘザー・グレアム(アンジェラ)
ヘレン・ハント(サマンサ)
ジョシュア・ジャクソン(ウェイド・バックリー)
デヴィッド・クラムホルツ(フィル)
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