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晴雨堂の耕晴雨読な映画処方箋
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晴雨堂ミカエルの飄々とした耕晴雨読な映画処方箋。
体調に見合った薬膳料理があるように、
料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。
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プロフィール
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↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。
Author:晴雨堂ミカエル
映画好き・猫好き・ドイツビール好きです。よく晴れた爽やかな日はマウンテンバイクでサイクリングをしながら風景や野良猫を撮影します。 リタイア後は田舎に帰り、晴天は畑仕事や庭いじり、雨天は読書や映画鑑賞の文字通り耕晴雨読の日々をおくるのが夢です。 お金があれば郷里に「晴雨堂オタク記念館」を設立して地元の文化交流の発信基地にしたい、連れ合いは怒るだろうが。館長に任命してやるといったら言下に断られた。 ブログを始めたのは2007年5月から、本格的に参考書に目を通しながら運営を始めたのは同年11月から、操作方法で度々ミスがあると思いますがご容赦のほど願います。 現在、少しずつですがブログを観やすいよう整理を行なっています。
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映画処方箋
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晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段5項目は晴雨堂の日常です。
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「海辺のポーリーヌ」-カップルで観に行こう 14
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【2008/02/11 23:16】 映画・・カップルで観に行こう
爽やかで初々しい青春ドラマ。 むかし、フランス映画には強い偏見があって、恋愛ドラマというと三角・四角関係あたりまえ、男と女が知り合えば必ず裸になってセックス、プラトニックラブなんて描写しないだろうと思っていた。 ヒロイン・ポリーヌ役のアマンダ=ラングレ氏は白いノースリーブの夏服がよく似合う童顔の女の子だったので、これから色恋沙汰に巻き込まれるのかと思うと、興味津々と気の重さが半々だった。物語はやはり気をもむ展開で進むが、ホッと安心のラストに流れた。(余談1) 日本と違って爽やかな暑さのノルマンディーが舞台。セックスを楽しむ「大人」の従姉と40過ぎの色男、それに巻き込まれるポリーヌたち初々しい10代のカップル、そこへ従姉の元彼?で生真面目なサーファーが話を難しく絡めてくる。(余談2) 日本が同じシチュエーションのドラマを創ったら、ほぼ必ず三つ巴の愛憎劇と喧嘩が繰り広げられるものだが、この作品は「意外」にも終始軽快なテンポで人間関係も深刻な打撃は受けずにハッピーエンドになる。 この映画を観たのは20歳の頃だが、中高生の頃に見たらポリーヌかその彼氏にマジで感情移入してヤキモキしただろう。30過ぎに観たら一種のラブコメディーに観えるだろうし、色男と同じ歳頃の今観たら微笑ましいギャグに見えるかも知れない。 あとで知ったことだが、監督のエリック=ロメール氏は恋愛の大家というか先生のような人で有名らしい。(余談3) (余談1)当時、役柄設定とそう変わらない年齢だったと思うので、公開当時は15・6か。私よりやや歳下の女優である。 Hシーンは主にポリーヌの従姉役アリエル=ドンバール氏が担当。奔放にセックスを楽しむが、一回り歳の離れた可愛い従妹に悪い虫がつかないか心配する役柄である。 (余談2)生真面目なサーファーを演じるのはパスカル=グレゴリー氏。現在の癖のある風貌のグレゴリー氏からはイマイチ想像できない役柄。髪はサーファーカットでリチャード=クレイダーマン風、歳の割りに純情で堅物で場の空気が読めないドジな青年を好演。 従姉と関係をもつ色男役はフェオドール=アトキン氏。加齢臭が気になる歳頃だが、30歳前後の従姉と関係もちながら、15歳のポリーヌにも手を出そうとする。
(余談3)監督は恋愛喜劇をよく描く。この作品のときは還暦を過ぎているのだが、高校生の女の子を主人公に映画を撮るとは・・。
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「アンナと王様」-カップルで観に行こう 13
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【2008/01/28 18:40】 映画・・カップルで観に行こう
予想外の佳作だが・・。
主演の周潤發氏(チョウ=ユンファ)は、私にはヤクザ映画のイメージが強かったので、タイ国王への化けぶりに興味があった。観てみるとさすが役者である。俳優として当たり前のことなのだが、日本のスター俳優はどの役やらしても同じという人が少なくない。中村獅童氏の芸達者が評判だが、海外ではそんなスター俳優はゴロゴロいるのである。(余談1) ユル=ブリンナー氏とデボラ=カー氏共演の名作「王様と私」の適切なリメイクである。「適切」と評価したのは、全く同じ色合いの作品にはできないからだ。「王様と私」は作品としてはデキは良いが、至るところにアジアへの蔑視や無知が散りばめられており、しかも明確にタイ国が舞台となっている。タイを知らない人間には面白くても、特にタイでは失笑と怒りをかう作品だ。(余談2) 当時の欧米に比べて若干はアジアへの認識が深まっている現在では、この期に及んで同じ作品は創れない。だが、東洋系コーカソイドのユル=ブリンナー氏よりは適切な俳優とはいえ、王様役はタイの俳優ではなく中国人だ。 元ネタが19世紀中ごろに英語教師として招かれた実在のイギリス女性の手記だが、当時のイギリス人は今以上に露骨なアジア蔑視があり、この人物も例外ではない。さらに20世紀中ごろに単なる英語教師でしかなかったアンナを脚色して面白おかしく「ラブコメディ」(余談3)ミュージカルにされた。 だから今回のリメイクでは、アジア蔑視につながる描写は削除しなければならないし、19世紀のタイ国をできる限り忠実に再現しなければならない。前作と同じような単純な構成ではなく、当時のタイ社会を反映するリアルなストーリーでなくてはならない。台詞も英語よりもタイ語の配分を増やさねばならない。しかし国王とアンナとのラブロマンスと葛藤と価値観の対立は物語の根幹であるため省くのは不可能だ。 そういう意味では、大変な努力の跡が見られる佳作だった。しかしタイは納得しないだろう。 (余談1)公開当時、映画雑誌などの評論では「周潤發はジョディ=フォスターと堂々とひけをとらない演技をした」という旨の文が載っていた。とんでもない文である。ジョディ=フォスター氏は確かに名優だが、だから何なんだ。周潤發氏も演技派の名優であり、「亜州影帝(アジア映画の帝王)」と呼ばれたほどの人物だ。 アメリカの雑誌がそんな表現するのなら解るが、なんで日本の雑誌がハリウッド中心で評価するのか? 日本映画界はハリウッドの植民地か?! 「王様と私」のデボラ=カー氏のアンナは、清楚で生真面目で可愛らしい役柄だった。ジョディ=フォスター氏のアンナは教師としての使命感に燃えるキャリアウーマン的役柄だ。 (余談2)たとえば極端な話、即位したばかりの明治天皇に白人美少女の英語教師がついて、「優れた」西洋文化を吹き込み朝廷改革をするよう唆し、2人揃って西洋の軍服を着て幕府に戦を仕掛ける内容だったら、宮内庁は正式に非難声明を出し、右翼はアメリカ大使館を襲撃するだろう。 さらに、「パールハーバー」以上に日本人の所作が無茶苦茶で衣装設定もデタラメだったら、喧嘩をうっているとしか思えない。 (余談3)ファンには申し訳ないが、私にはよくできたラブコメにしか見えない。 晴雨堂の関連作品案内
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「ウエスト・サイド物語」-カップルで観に行こう 12
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【2008/01/18 22:46】 映画・・カップルで観に行こう
「パッチギ!」の源流
いうまでもなくミュージカルの古典的傑作である。初めて見たのは小学生の頃だったか、今でもそうだが私はミュージカルというのが理解できない人間だ。なぜ急に踊りだすのか? なぜ歌いだすのか? その「不自然」な描写を当時の私は爆笑を誘うギャグと認識していた。5歳上の姉は「素直」に感動し、ミュージカルを理解せず笑い転げる私を軽蔑し、シャーク団リーダーを演じるジョージ=チャキリス氏に憧れていた。 しかし、そんな私でも印象に残る場面があった。シャーク団たちが警察の職務質問を受ける場面で、チャキリス氏扮するベルナルドは「スペイン語で話せよ」という趣旨の台詞だったと思うが、反抗的に言い返していた。 実は私が通っていた小学校では、韓国からの転校生だったのか?韓国語しか話せない3人兄弟(余談1)がやってきて周囲の児童との紛争が起こっていた。教師たちは「訳あって日本語が話せないが、あの子たちも日本人だから仲良くしろ」としか言わないので詳しい事情は知らない。チャキリスの態度や言動が、くだんの転校生の長兄によく似ていたので気になった。 学生の頃に「ウエスト・サイド物語」はシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の現代版パロディであることを知った。チャキリス氏率いるシャーク団はプエルト・リコ(余談2)からの移民であり、主人公らジェット団はイタリア系らしい。ただの不良グループの対立だと思っていたが、アメリカの民族問題を背景に絡めた作品だった。 チャキリス氏の所作や言動の意味が解ったような気分になり、こんなデリケートな問題をお洒落なミュージカルにして興行的に成功させアカデミー賞をかっさらうアメリカ映画界に畏怖を覚えたものだ。今の邦画でいう「パッチギ!」そのものである。「ウエスト・サイド物語」が先だから、「パッチギ!」が「日本版・ウエストサイド物語」だろう。 この作品を観ていると2つのことを思う。1つは、重たいテーマをストレートに出さずぼんやりとした背景で描写し、ありふれた「ロミオとジュリエット」ネタの青春群像に組み立ててお洒落に仕上げる制作者の腕に敬服する。 「ゲド戦記」レビューで触れたが、真面目くさった作品はむしろ簡単なのである。万人ウケする娯楽作の体を装いながら社会問題にも言及する作品、あるいは娯楽作にリアリティを持たせるスパイスに社会問題を加味する作品こそ高度な技術とセンスが要求されるのだ。 2つ目は「ウエスト・サイド物語」が日本でもお洒落な名作として受け入れられているのは、けっきょく他人事だからである。同種系統の作品「パッチギ!」では日本人に突きつけられた問題なので凄まじい拒絶反応が発生した。 アイルランド紛争を描いた「麦の穂をゆらす風」も日本ではバッシングはあまり起きなかったのは遠いアイルランドの話だからである。しかし出来事自体は日本の近所でも起こっていることである。 日本も決して無関係ではない。ほんの少し視線を変えただけで、実はすぐ隣で行われている恐い話なのである。 (余談1)中学年の長兄と低学年の弟・妹の3人だったと思う。 (余談2)スペイン移民が多いカリブ海のアメリカ自治州。アメリカ国民の身分だが大統領選挙権は無いので合衆国を構成する州より格下と見られている。もっとも大統領は選べないが連邦税納税義務は免ぜられているので、一応公平さはある。 州昇格派と独立派と現状維持派などに世論が分かれている。公用語はスペイン語と英語だが、英語は殆ど使われない。貧富の差が激しい。 晴雨堂の関連書籍案内 ウエスト・サイド物語 (スクリーンプレイ)
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