「デンデラ」 突っ込みどころを楽しもう〔20〕
「楢山節考」の後日談?
ベテラン女優たち勢揃い!
【原題】
【公開年】2011年 【制作国】日本国 【時間】118分
【監督】天願大介
【原作】佐藤友哉
【音楽】めいなCo.
【脚本】天願大介
【出演】浅丘ルリ子(斎藤カユ) 倍賞美津子(椎名マサリ) 山本陽子(浅見ヒカリ) 草笛光子(三ツ星メイ) 山口果林(小渕イツル) 白川和子(石塚ホノ) 山口美也子(保科キュウ) 角替和枝(桂川マクラ) 田根楽子(福沢ハツ) 赤座美代子(黒井クラ)
【成分】泣ける 悲しい ファンタジー 不気味 勇敢 知的 絶望的 切ない 老婆 高齢化社会 復讐 時代劇 サバイバル 雪山 日本語
【特徴】姥捨て山に捨てられた老婆たちは、実は生存していて自分たちを捨てた村に復讐を始めたら・・、という設定の物語。有名な姥捨て山の物語「楢山節考」の後日談というふれこみで公開された。監督は「楢山節考」の今村昌平氏の子息天願大介氏というのも、楢山節を強烈に意識している。
6歳の天才子役の女の子がもてはやされたり、10代のアイドル集団ばかりがTVの脚光を浴びたり、20代30代の演技派女優たちが話題作を独占するもの良いが、還暦以上の女優たちがヒロインとして一堂に会する光景もまた壮観である。
【効能】人生の虚しさと大自然の偉大さを実感。熟女趣味の男性たちにとって萌え。
【副作用】制作者の姑息な意図を感じてイラつく。若者が殆ど出てこないので白ける。
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「ガールズ・ゾンビ」 突っ込みどころを楽しもう〔19〕
青山ローラ主演。
【原題】
【公開年】2011年 【制作国】日本国 【時間】70分
【監督】浅生マサヒロ
【原作】
【音楽】
【脚本】浅生マサヒロ
【出演】青山ローラ(-) 西興一朗(-) 南優(-) 高田健一(-) 大和屋ソセキ(-) 中野裕斗(-)
【成分】ファンタジー パニック 不気味 任侠 セクシー ゾンビ Vシネマ
【特徴】日本のB級以下ゾンビ映画。新進AV女優の青山ローラ氏が主役に起用。そのためか、一般作としては濡れ場が多く、AVとして観れば中途半端な濡れ場、といった感じの仕上がりになっている。
晴雨堂としては処方箋「萌えたい時に」とするべきかもしれないが、期待していたアクションが無かったり、稚拙な展開や絵柄への不満があって、「突っ込みどころを楽しもう」に入れてしまった。
青山ローサのファンなら、真面目な演技を見せているので面白いかもしれない。ただ、それだけに主演女優をもっと濡れ場以外に魅せ方があったのではないかと残念である。
【効能】主演女優に萌え。
【副作用】ゾンビ映画としては楽しめない。看板に偽りあり。
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「ザ・コーヴ(入り江)」 突っ込みどころを楽しもう〔18〕
ハリウッドで賞賛され、
日本で上映反対運動が起こった問題作。
【原題】THE COVE
【公開年】2009年 【制作国】亜米利加 【時間】91分
【監督】ルイ・シホヨス
【原作】
【音楽】J・ラルフ
【脚本】マーク・モンロー
【言語】イングランド語 日本語
【出演】リック・オバリー(本人) ルイ・シホヨス(本人)
【成分】パニック 不気味 イルカ問題 捕鯨問題 環境保護 似非エコロジスト エコテロリスト 太地町
【特徴】イルカ漁を野蛮で非人道的行為と決め付け、最初から否定する立場で撮影・編集した映像作品。
ドキュメントという事になっているが、ナレーションには事実関係から逸脱した内容があり、視聴者に面白おかしく魅せるためにドキュメント映画には不要とも思えるあからさまで大袈裟な演出が多々ある。そのためドキュメントとは言い難く、フィクションといっても良い。
制作者は明らかに偏見で目が眩み事実解釈に問題がある。事情を知らない?ハリウッドでは高く評価。おかげで全世界に「ドキュメント作品」として紹介、しかしその実体は良くできた運動の宣伝ビデオに過ぎない。
晴雨堂が選ぶ2010年度日本公開最低最悪映画に認定。
【効能】環境問題についての関心が高まる。環境保護運動の宣伝に効果あり。
【副作用】環境保護について否定的な偏見が生じる。環境保護運動にとって大きなマイナス。
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「火天の城」 突っ込みどころを楽しもう
椎名桔平、信長を熱演。
【原題】
【公開年】2009年 【制作国】日本 【時間】139分 【監督】田中光敏
【原作】山本兼一
【音楽】岩代太郎
【脚本】横田与志
【出演】西田敏行(岡部又右衛門) 福田沙紀(岡部凛) 椎名桔平(織田信長) 大竹しのぶ(岡部田鶴) 寺島進(平次) 山本太郎(熊蔵) 石田卓也(市造) 上田耕一(弥吉) ペ・ジョンミョン(太助) 福本清三(-) 前田健(留吉) 熊谷真実(ふさ) 水野美紀(うね) 西岡徳馬(丹羽長秀) 渡辺いっけい(木村次郎左衛門) 河本準一(羽柴秀吉) 遠藤章造(堺の豪商) 田口浩正(中川左内) 内田朝陽(中井孫太夫) 石橋蓮司(池上五郎右衛門) 笹野高史(木曾義昌) 夏八木勲(戸波清兵衛) 緒形直人(大庄屋甚兵衛)
【成分】スペクタクル 知的 かっこいい 近江 安土桃山時代 16世紀
【特徴】。
【効能】。
【副作用】。
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「チェ・ゲバラ -革命と戦いの日々-」 突っ込みどころを楽しもう〔16〕
アメリカ人の解釈が強く出た作品
【原題】CHE GUEVARA
【公開年】2005年 【制作国】亜米利加 【時間】111分
【監督】ジョシュ・エヴァンス
【原作】
【音楽】パトリック・キャシディ[音楽]
【脚本】ジョシュ・エヴァンス
【言語】イングランド語
【出演】エドゥアルド・ノリエガ(チェ・ゲバラ) エンリコ・ロー・ヴェルソ(フィデル・カストロ) ポーラ・ガーセス(アレイダ・マルチ) ソニア・ブラガ(-) ハヴィエ・ガルシア(-)
【成分】勇敢 知的 絶望的 切ない かっこいい キューバ革命 1950年代末~1967年 チェ・ゲバラ
【特徴】スペインの俳優エドゥアルド・ノリエガ氏がチェ・ゲバラを熱演。ポーラ・ガーセス氏が扮するゲバラの妻アレイダも革命戦士には見えないくらいスタイリッシュでモデルのような所作。
全体にチェ・ゲバラの特集番組に挿入する再現ドラマのような感じである。制作者は実際のゲバラやカストロやアレイダにとらわれず自由な解釈で構成。
【効能】エドゥアルド・ノリエガがカッコ良い、ポーラ・ガーセスがセクシー、萌えることができるかもしれない。
【副作用】あからさまに粗末な作品づくり、ゲバラ信奉者でなくても内容には激怒を通り越して呆れる。
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「犬神家の一族」 突っ込みどころを楽しもう〔15〕
ブームとなった1976年作のリメイク
【公開年】2006年 【制作国】日本国 【時間】135分 【監督】市川崑
【原作】横溝正史
【音楽】谷川賢作
【脚本】市川崑 日高真也 長田紀生
【言語】日本語
【出演】石坂浩二(金田一耕助) 松嶋菜々子(野々宮珠世) 尾上菊之助[5代目](犬神佐清) 富司純子(犬神松子) 松坂慶子(犬神竹子) 萬田久子(犬神梅子) 葛山信吾(犬神佐武) 池内万作(犬神佐智) 螢雪次朗(犬神幸吉) 永澤俊矢(猿蔵) 石倉三郎(藤崎鑑識課員) 尾藤イサオ(仙波刑事) 嶋田豪(若林久男) 三條美紀(お園) 松本美奈子(青沼菊乃) 林家木久蔵(柏屋の九平) 三谷幸喜(那須ホテルの主人) 深田恭子(はる) 奥菜恵(犬神小夜子) 岸部一徳(犬神寅之助) 大滝秀治(大山神官) 草笛光子(琴の師匠) 中村玉緒(柏屋の女房) 加藤武(等々力署長) 中村敦夫(古館弁護士) 仲代達矢(犬神佐兵衛)
【成分】ゴージャス 不気味 探偵モノ ミステリー 1940年代後半
【特徴】70年代後半、くたびれた帽子に色褪せた茶色の袴姿、まるで貧乏書生姿のような金田一探偵像を定着させた名作から30年後に撮られたリメイク。何故か人物設定や物語構成は前作とほとんど変わらず、画面が明るくなった分だけ前作の黴臭い良さが無くなっている。金田一役は前作と同じ石坂浩二氏。
しかし、前作の若い風来坊金田一よりも本作の年齢不詳の老金田一探偵の方が孤高の神秘性がある。
【効能】カストリ風のゴージャスな気分に気分にさせる。
【副作用】時代考証無茶苦茶、作品の突っ込みどころを探す方が面白い。
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「積木の箱」 突っ込みどころを楽しもう〔14〕
主人公の少年に立ち塞がる教諭、緒形拳
【公開年】1968年 【制作国】日本国 【時間】84分 【監督】増村保造
【原作】三浦綾子
【音楽】山内正
【脚本】池田一朗 増村保造
【出演】若尾文子(川上久代) 内田喜郎(佐々林一郎) 緒形拳(杉浦悠二教諭) 松尾嘉代(佐々林奈美恵) 梓英子(佐々林みどり) 南美川洋子(津島百合) 島田博(川上和夫) 荒木道子(佐々林トキ) 内田朝雄(佐々林豪一)
【成分】笑える パニック 知的 反抗期
【特徴】思春期の少年の危うい気持ちを、崩れ易い積木に例えて描写する事がテーマ。複雑な家庭に育った少年が、清楚な大人の女性に憧れると同時にイチモツが反り返る発情期の本能にも目覚める様が面白い。
若き日の緒形拳氏が主人公の少年を立ち直らせようと面倒をみる良心的な教師を貫禄たっぷりに演じる。武田鉄矢氏の金八先生は常に必死になって汗をかきながら教師を務めるのに対し、この緒形氏の杉浦先生は初期の金八と歳は変わらないはずなのに、余裕綽々の大きな「大人」。これがまた面白い。
【効能】若き若尾文子氏と松尾嘉代氏の姿に、主人公と同じく萌え。
【副作用】平均的な日本人家庭からは隔たっているので感情移入が難しい。登場人物たちのステレオタイプぶりに違和感。
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