【2008/02/26 00:21】 日誌・・近頃の現象
私が中高生だった頃、人民中国はモラルの高い国と教えられた。毛沢東の三大規律八項注意(余談1)が行き届き、町は隅々まで清掃され、人民は質素ながらも貧富の差はなく健康で文化的な生活を営んでいる。 高校生のとき、府の主催で日中友好の高校生親善使節団に参加した。出発の際に受けた注意の中に、「中国人はモノを大切にするので、要らなくなった下着をホテルで捨てたら、忘れ物と判断されて次の宿泊地に届けられるから、捨てずに持って行くように」というのがあった。なんと高潔な精神だろうか。私は素直に感動した。 また、一応国賓だったので、三度の食事はどれも素晴らしく、いわゆるジャンクフード的なものはなかった。食べ飽きない朝のシンプルな中華粥と漬物、昼のボリュームある軽食。そして夕方の高級宴会料理、いくら食べても次から次へと料理がはこばれる。しかも全て日本ではお目にかからないご馳走ばかりだ。 そんな贅沢な中国の旅だったが、印象に残っている料理は、上海から南京までの特急列車で食べたシンプルなサンドイッチだった。厚切りの茶色がかった食パンにハムや野菜をふんだんに挟んだ食べごたえのあるサンドイッチ弁当だった。 当時、学校では有吉佐和子氏の「複合汚染」を教材に食品添加物や農薬の毒性について学んでいた。真っ白い食パンは漂白されている、そんなイメージから中国の薄茶色食パンはナチュラルに見えたし、実際に麦の香ばしさを強く感じだ。 ある観光地を見学したときは、全員にアイスクリームが配られた。形状が細長い延べ板のようで、ちょうど書道に使う墨のと同じ大きさだった。クリーム色のボール紙の箱には赤い宋朝体で○○碑と書かれていた。 アイスクリームは黄色っぽく、味は麦の香ばしさがあった。食べた時は、これこそ漂白剤・安定剤・増粘剤を使っていないナチュラルなアイスクリームだ、と感動したものだ。今から考えると、たんにバニラ抜きアイスだったようだ。 あれから四半世紀が過ぎた。ここ10年の中国は「社会主義」と「共産党」の看板は掲げ続けてはいるが、タチの悪い資本主義のように見えてしまう。貧富の差はヘタすれば日本以上に拡がり、街にはゴミが溢れ、その一部は東シナ 海を渡って九州沿岸に漂着している。 大勢の市民が健康的にチャリンコ通勤する清々しい風景からマナーの悪い運転の自動車に排気ガスで溢れ、近年では偏西風に乗って日本で光化学スモッグを起すようになったと指摘する学者がいる。光化学スモッグなど、私が小学生の頃は頻繁にあったが、ここ20年はなりを潜めていたのに。 そして、中国産の餃子や中華饅頭から農薬が検出されて、体調を壊す方が現われるとは。かつて一緒に中国へ行った知人たちも、あの頃の思い出が遠い昔話のように思っている頃だろう。 (余談1)「三大規律・八項注意」とは、毛沢東らが人民の支持を得るために紅軍兵士に課したルールである。後のキューバ革命ではゲバラが同様の規律を厳格に兵士たちを縛ったことでも有名だ。 「三大規律」とは以下のとおり。 ・命令には服従 ・民衆のものは針一本糸一筋もとらぬ ・敵や地主からとったものは公のものにする 「八項注意」とは以下のとおり。 ・言葉はていねいに ・買い物は公正に ・借りたら返す ・壊したら弁償する ・人に暴力を行使しない ・農作物を荒らさない ・婦人をからかわず乱暴しない ・捕虜をいじめない
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