たま駅長に敬礼! 猫がいる風景[十一]
ファン「世界中でショック」
和歌山電鉄は25日朝、地方鉄道の活性化に貢献した三毛猫「たま駅長」の死を悼み、生まれ育った貴志駅(和歌山県紀の川市)の駅長室前に献花台を設けた。駆けつけたファンは、たまの写真に手を合わせ、花を手向ける人もいた。(朝日新聞デジタル)
【雑感】以前は貴志駅に行くのが年中行事だった。車で貴志川線の伊太祁曾駅まで行く。伊太祁曾は和歌山から数えて九番目の駅だ。ここに駐車場があるので車を止め、目当ての電車が来るまで近くの伊太祁曾神社に参拝して暇をつぶす。
貴志川線には特注改装した車両が3種類ある。おもちゃ電車とイチゴ電車とたま電車だ。おもちゃ電車にはまだ乗ったことが無いが、イチゴは車体に赤いイチゴの塗装、たまは駅長たまのイラストが塗装されている。内装は木造調で天然木で化粧した座席や、小中学生向けの書籍を置いた本棚などがある。ちょっとした癒し空間だ。
伊太祁曾から貴志までの間に地元では桜の名所となっている大池遊園がある。桜シーズンになると単線列車の周囲を包み込むように桜が満開になるので、カメラマンたちの撮影スポットになっている。
貴志駅は私が通っていた頃はまだ旧駅舎の時代で、ハッキリ言ってうら寂れた無人駅といった感じだ。駅舎の隣には売店があって、雑貨・駄菓子・パン・清涼飲料水などを売る駅前の平凡な売店だった。終着駅というのに周辺には商店街は無く、喫茶店などが数件点在しているのみ。しかしそういった雰囲気が好きだった。

2007年頃の駅長たま。当時すでに10歳近い成猫だった。晴雨堂ミカエル撮影。
当時はガラス張りの「駅長室」はまだ無かったように思う。今よりも牧歌的雰囲気があって、抱かせてもらえた。それでも休日なので20人以上の見物客が集まっていた。たまは周囲が騒ごうが突かれようが怒って威嚇したり逃げ出したりはしなかった。印象としてはツチノコみたいにドテッと太っていて終始ねむたそうで動きが緩慢。毛並みは柔らかで艶々。

2007年頃の駅長たま。晴雨堂ミカエル撮影。
この界隈はイチゴ狩りで有名なので、帽子の記章も苺だ。
首の名札はまだ「駅長」である。
当時はまだ駅長帽の治まりが悪く、観光客が集まってきたときのみ写真撮影用に帽子を被らせているみたいだった。この上記の正面写真は額に入れ我が家の招き猫として玄関に飾っている。
現実に駅長たまは和歌山電鉄だけでなく、沿線周辺にとっても招き猫だった。たま駅長がいなければ廃線になっていたかもしれない路線である。やがて、うら寂れた駅舎は猫を模した御洒落な駅舎に建て替えられ、たまの肩書もどんどん立派になっていき、最終役職は沿線の駅すべてを代表する「ウルトラ駅長」になり、正式に和歌山電鐵社長代理(取締役は株主総会の承認が必要なので、執行役員の可能性がある)になった。
あの頃は帰り道に必ず地ビールメーカー野半の里の商業施設へ寄った。地ビールレストランのほか温泉施設や和食レストランや土産物屋などが揃った江戸時代の造り酒屋のような店舗が立ち並ぶテーマパークのような場所で、私のお気に入りだった。
雑貨や土産物売り場を漁り、時おり創業者一族が保有している文化的価値のあるお宝の美術工藝品の展示会もあったのでダラダラと見学し、温泉を楽しみ、地ビールを味わった。野半の里は上面醗酵のアルトが美味かった。
ところが、家計が苦しくなったのと仕事が忙しくなったのと子育てで遠出する余裕が無く、猫型屋根の貴志駅をまだ見ていない。息子が動物に興味を持ち始めているので、そろそろ貴志駅に行ってみようと思っていたのだが・・。
地ビール野半の里も倒産したようだ。寂しい。



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積雪の野良猫。 猫がいる風景[十]

【雑感】積雪といっても、大阪ではせいぜいチョークの粉を撒いたような程度だ。除雪に追われる北国からすれば羨ましい風景かもしれない。
この厳しい冬、野良猫たちはどのように過ごしているのだろうか? 体力の弱い老猫などはやはり淘汰されてしまっているかもしれない。
会社から帰って駐輪場にチャリンコを置こうとしたら、近くのベランダから肉付きの良い猫が地面に降り立ち、上記写真のようにベンチの影に入った。ベランダからやってきたとはいえ、飼い猫ではなかったはずだ。猫を無償で支援する「猫おばさん」の保護を受けていると思われる。毛並みが良くてまるまるする体型は日頃の生活水準の高さの表れだ。
春から秋にかけて団地の公園には複数匹の猫が闊歩しているが、今朝のような霙の曇天下ではこの猫しか見かけなかった。あまり支援を受けられない野良猫は、体力を温存するため、どこか植え込みの中とか床下などに侵入して雨風をしのいでジッとしているだろう。

この猫、しばらくベンチの下で雨宿りしていたのに、突然飛び出して狩りの態勢にはいった。首周り・脇腹・背中が丸々としていて面白い。視線の先には雀が着地していた。
このさきの展開を眺めていたら、猫が飛び掛る前に雀は危険を察知してさっさと飛びだって行き、数秒ほどこの猫は狩人態勢を維持したまま呆気にとられた様に雀を眺めた後、我に返って再びベンチ下に潜り込んだ。
なんかドン臭い野良猫だ。飼い猫だったら、今ごろはコタツの中だろうが。
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帰って来た猫ストーカー 浅生ハルミン



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コンビニの猫 猫がいる風景[九]
【雑感】友人とわかれた後、通りかかったコンビニの駐車場で若い男性がパンを千切って猫にやっていた。
私も猫に何かやりたくなって、コンビニにクロワッサンを買った。表に出ると猫の姿がない。もういずこかへ去っていったのかと思い、猫のために買ったクロワッサンを食べようと袋をやぶいたとたん、さっきの猫が音を聞きつけて物陰から姿を現した。左の焦げ茶色の猫が「飯くれ!」と叫んでいるかのように声を出す。

よく見ると、この2匹の猫、毛並みは良いし丸々と太っている。どうやら客にねだるために駐車場のどこかで店を出る客を見張っていたようだ。
もともとクロワッサンは猫のために買ったので気前よく千切って与えた。全部やるつもりだったのだが、2匹の猫は別のターゲットに照準を変えた。
ちょうど、20代後半くらいのスラリとした女性がホットドックを片手に通りかかったのだ。2匹は女性を取り囲みギャーギャーなきだす。
「きゃぁ! なにこの猫、こわい!」カルーセル麻紀氏のようなハスキーボイスで女性は驚く。焦げ茶色の猫は牙を見せて大声を上げる。
「わかった、わかった」女性は食べかけのホットドックを千切って与え始めた。2匹はむさぼり喰う。

こいつら、より美味そうな食べ物を持っている人に乗り換えよったな。しかも相手が女性だから強く出たに違いない。女性の亭主らしき若い男が遅れてコンビニから出てきて、「なにしとんねん」と笑いながら声をかけてきた。女性は猫を指差して「この茶色いの、こわい」と愚痴っていた。
このコンビニの敷地内で主のように居座り、店から出てくる客を観察しているんだろうな。カモになりそうな奴はいないかと。
写真では目立たないが、この2匹はかなりの肥満だ。



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加藤一二三 猫がいる風景
「給餌続けたい」
東京都三鷹市の集合住宅の住民17人と管理組合が、同じ集合住宅に住む将棋の元名人・加藤一二三(ひふみ)九段(70)を相手取り、野良猫への餌やりの差し止めなどを求めた地裁立川支部の民事訴訟。13日の判決は「(敷地内で)猫に餌を与えてはならない」と、管理組合の動物飼育禁止条項などを根拠に原告に軍配を上げ、加藤九段に慰謝料計204万円を支払うよう言い渡した。控訴の意向を示した加藤九段は、「敷地外ではいい、ということだ。これからも猫の命がある限り、給餌を続けたい」などと述べた。(読売新聞)
【雑感】まだまだもめるな。双方が折衷案を見出さない限りは和解は無い。当たり前の話だが。
実は私の近所でも似たような話があった。以前はよく早朝散歩をやっていて、そこで出会う野良猫の写真を撮り、当ブログで「猫がいる風景」と題して連載物語にしようかと思っていた。ところが些かきな臭い話になってきたので企画を中断したのだ。
というのも、その近所の団地でいわゆる「猫オバサン・猫オジサン」と「猫嫌いオバサン・猫嫌いオジサン」の対立が険悪化して、その最中に誰が行ったかは定かではないが側溝に猫の毒殺屍骸が数体発見される事件が発生したのだ。
知人の話によれば、自治会側は仲介に入って「野良猫には餌をやらないように。やるなら責任を持って飼うように」と本来はペットは禁止なのだが事態収拾の特例処置としたらしい。そして野良猫の毒殺については「動物愛護法によって禁止されている。小動物の虐待は凶悪犯罪の前兆なので今度みかけたら警察へ通報する」と警告した。
自治会側は公平に対処したつもりらしいが、猫嫌い派にとっては「猫オバサン・猫オジサン」を擁護していると映ったようで、役員たちにクレームが多数寄せられたようである。
自分の家の近所ということでもあり、迂闊にブログにアップすると騒動に巻き込まれる恐れがあるので企画を中断したのだ。あれから月日も経っているし、自治会の顔触れも何度か変わっているので、今回の事件を機会にアップすることにした。
白猫様もニャジャラも今はみかけない。しかし、まだ殺人事件へと発展しなかっただけマシかもしれない。ところによっては深刻な事件になってしまった。
また、ある自治会では「野良猫」ではなく「地域猫」として自治会が給餌場と便所を定めて役員が交代で世話をする方法をとった。それによって猫クレー激減を達成させている。
この話を聞いたとき上手い手だ思ったが、これも弱点はある。猫ならまだ手間も経費も安いが、猫を認めると他の野良小動物も公平に給餌する責任が生じてしまう。中型犬以上の大きな動物であれば、あるいは蛇などの爬虫類となれば、しかも数が増えれば、自治会予算を圧迫する事になるし、結局は保健所に依頼して捕獲殺処分という選択肢に頼ることになるだろう。



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駅長たま 猫がいる風景

2008年2月22日晴雨堂撮影。今回の「昇進」で帽子の金線が2本になる。
和歌山電鉄(和歌山市)は3日、貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)の駅長を務める10歳の雌猫「たま」を執行役員に任命、辞令を交付した。同社によると、猫が鉄道会社の役員に就くのは「世界初」。駅長は執行役員と兼務でそのまま続ける。(毎日新聞)
【雑感】猫1匹のおかげで、赤字ローカル線が一躍観光名所になったのだから、たま様様だ。いっそ、貴志駅周辺を猫の町にしてしまってはどうだろう。駅前に喫茶店をオープン、店名は宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」に登場する「山猫亭」だ。ウケると思うが。



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「私は猫ストーカー」 猫がいる風景

(C) 2009 浅生ハルミン
『私は猫ストーカー』製作委員会
【雑感】監督は「中学生日記」などの脚本家としても活躍する鈴木卓爾氏、主演は「3年B組金八先生」の星野真里氏、原作はイラストレーターの浅生ハルミン氏。
残念ながら、物語としては賛否あるようだが、可愛い猫が多勢登場する。猫を追いかけまわして写真を撮ったり、猫が鎮座する書斎が好きな人にとっては、この作中の空閑は癒される。
上映劇場は今のところ少ない。関西での上映は以下の通り。
神戸アートビレッジセンター
京都みなみ会館
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私は猫ストーカー 浅生ハルミン


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猫の楽園 宮城県田代島
宮城・田代島のいま
つぶらな瞳で魚を見つめ、獲物をくわえて悠々と歩み去る。早朝の漁港、ファインダー越しの姿がほほえましい。
宮城県石巻市の田代島は、同市中心部の南東約15キロ、石巻湾に浮かぶ面積3・14平方キロの島。人口70人ほど。一方、島に暮らすネコは約100匹にのぼる。(産経新聞)
【雑感】和歌山の貴志川線も猫の駅長たまで活気を取り戻した。たま駅長がいる貴志駅は賑やかになり、失礼ながら昔は寂れた駅前だったのが、お洒落なカレー屋やギャラリーがたち、お洒落になりつつある。
田代島も、猫で十分島おこしができると思う。猫神社があるなら、廃校になった小学校や中学校も猫をシンボルにして復興させるのも夢ではない。
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「にゃんこ THE MOVIE」のシリーズに、宮城県田代島が登場する。
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GO!GO!猫の島―たしろじま たれ耳ジャックと仲間たち sallycat
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