「決算!忠臣蔵」 家族と一緒に愉快になろう〔13〕
久しぶりの忠臣蔵映画

【原題】
【英題】
【公開年】2019年 【制作国】日本国
【時間】125分
【監督】中村義洋
【制作】
【原作】山本博文
【音楽】髙見優
【脚本】中村義洋
【言語】日本語(上方言葉)
【出演】堤真一(大石内蔵助) 岡村隆史(矢頭長助) 濱田岳(大高源五) 横山裕(不破数右衛門) 荒川良々(堀部安兵衛) 妻夫木聡(菅谷半之丞) 鈴木福(大石松之丞) 竹内結子(りく) 石原さとみ(瑤泉院) 荻野由佳(おきん)
【成分】楽しい 勇敢 かっこいい コミカル 赤穂 江戸 忠臣蔵 時代劇 実話
【特徴】1703年に江戸市中で起こった赤穂浪士による実際のテロ事件を映画化。
このテロ事件は日頃の綱吉の政策に不満を持つ庶民たちに好意的に受け取られ、事件から約40年後の1748年に大坂で活躍する浄瑠璃作者竹田出雲・三好松洛・並木千柳たちによって舞台を室町時代初期の足利尊氏・直義の時代にすり替え江戸の幕府への反骨を込めて「仮名手本忠臣蔵」を発表、歌舞伎や人形浄瑠璃の人気作品となり、類似作も大量に制作される。
20世紀にはいると映画やTVドラマが毎年のように制作され、日本人にとって吉良はパワハラ上司、浅野はイジメられる可哀相な人という定着は揺るぎなくなる。
が、21世紀に入ってからは時代劇そのものが急速に廃れ、若者を中心に忘れ去られる兆しが出てきているところに本作の発表。久しぶりの時代劇といった感がある。
本作の特徴は経済の側面からリアルに吉良邸討入というテロ事件を追っているところにある。これまでの忠臣蔵は経済的側面の描写は無いに等しく、雌伏の期間はどのように過ごしていたのかが不明であったし気にも留められていなかった。とはいえ、事件の主犯である大石内蔵助は金銭の流れについて詳細な書類を作成しており、学術的には不明でも謎でもなかった。
本作はテロ血行に至るまでの金銭的経緯を現代の物価に置き換えてリアルに現代人に魅せているのが画期的だ。なお、完全に赤穂目線で展開しているので、悪役の登場は割愛されている。
【効能】政治運動や市民運動に従事する人にとっては共感部分あり。蕎麦を食べたくなる。
【副作用】漫画的表現があって不快感。相変わらず吉良を悪役にしていて不快感。
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「タイタンの逆襲」 家族と一緒に愉快になろう〔12〕
ブレイク前のジュリアーノ・ジェンマ。
【原題】ARRIVANO I TITANI
【英題】SONS OF THUNDER
【公開年】1962年 【制作国】伊太利 仏蘭西 【時間】104分
【監督】ドゥッチオ・テッサリ
【原作】
【音楽】カルロ・ルスティケリ
【脚本】エンニオ・デ・コンチーニ ドゥッチオ・テッサリ
【言語】
【出演】ペドロ・アルメンダリス(暴君カドマス) ジャクリーヌ・ササール(アンタイオーペ姫) アントネラ・ルアルディ(ハーマイオーニ妃) ジュリアーノ・ジェンマ(クリオス) ジェラール・セティ(Hippolytos) Serge Nubret(ラトル) タニヤ・ロペール(Licina) イングリッド・シェラー(Emerate)
【成分】ファンタジー かっこいい かわいい コミカル 笑える ギリシア神話
【特徴】サム・ワーシントン主演のアメリカ映画と同じ邦題になってしまっているが、これはその約半世紀前にイタリアで制作されたジュリアーノ・ジェンマ主演のコメディタッチ作品である。当然、物語の内容は全く異なる。
ジェンマがマカロニウエスタンでブレイクする直前の映画で、30年ほど前までは頻繁にTVの再放送枠や番組改編時の穴埋めに放送されていたが、現在は忘れさられたような感がある。
ブレイク前のジェンマなので非常に若くてツルツル顔だ。
全くシリアス度の無いお笑いドタバタファンタジーなので、幼児や小学校低学年の鑑賞にも耐えうる。
【効能】ストレス解消、鬱屈した気分を快活へ転換させるに適している。
【副作用】殆ど内容が無く時間の喪失感を抱く。暴力を肯定しているように見える。
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「県庁おもてなし課」 家族と一緒に愉快になろう〔11〕
錦戸・堀北の故郷興しラブコメ。
【原題】
【公開年】2013年 【制作国】日本国 【時間】123分
【監督】三宅喜重
【原作】有川浩
【音楽】吉俣良
【脚本】岡田惠和
【言語】日本語(土佐言葉)
【出演】錦戸亮(掛水史貴) 堀北真希(明神多紀) 関めぐみ(清遠佐和) 甲本雅裕(下元邦宏) 松尾諭(近森圭介) 高良健吾(吉門喬介) 船越英一郎(清遠和政) 生田智子(-) 田辺愛美(-) 松山メアリ(-) 鈴木アキノフ(-) 志賀廣太郎(-) 大島蓉子(-) 石井正則(-) 相島一之(-) 小日向文世(-)
【成分】笑える 楽しい 切ない かわいい コミカル ラブコメ 町興し村興し映画 高知県
【特徴】高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に手探りで観光振興に奔走する若い職員たちのラブコメディ。
錦戸亮氏が県庁の主査掛水史貴を、堀北真希氏が臨時職員明神多紀を好演。船越英一郎氏が伝説の元県庁職員清遠和政を怪演。出演者たちが話す高知弁は、地元の人間にも概ね違和感なく受け入れられた模様。
高知県のバックアップの下、県庁をはじめ高知県各地でロケーションが行われた。典型的な町興し村興し故郷興し映画であり、興行的に成功といえる。
【効能】高知県に行きたくなる。高知に住みたくなる。
【副作用】平板なストーリーで拍子抜けする。
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「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」 家族と一緒に愉快になろう〔10〕
「『聖書』を子供向けファンタジーに改造?」
【原題】THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE
【公開年】2005年 【制作国】亜米利加 【時間】140分
【監督】アンドリュー・アダムソン
【原作】C・S・ルイス
【音楽】ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
【脚本】アンドリュー・アダムソン クリストファー・マルクス スティーヴン・マクフィーリー アン・ピーコック
【出演】リーアム・ニーソン(アスラン) ウィリアム・モーズリー(ピーター・ペベンシー) アナ・ポップルウェル(スーザン・ペベンシー) スキャンダー・ケインズ(エドマンド・ペベンシー) ジョージー・ヘンリー(ルーシー・ペベンシー) ティルダ・スウィントン(白い魔女) ジェームズ・マカヴォイ(タムナスさん) ジム・ブロードベント(カーク教授) ルパート・エヴェレット(キツネ)
【成分】スペクタクル 不思議 不気味 勇敢 切ない かわいい かっこいい ファンタジー 聖書 中世ヨーロッパ 妖精 1940年代前半
【特徴】聖書や神話やヨーロッパ史のエピソードを原型が判らないくらいに子供向きに加工し、子供が憧れ夢見る妖精や話す獣や中世の騎士など盛り沢山に登場させたC・S・ルイスのファンタジー巨編の実写映画化。
アンチ・ハリウッドのピーター・ジャクソン監督「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」の大ヒットに続くように発表されたディズニーの映画だが、原作もいわくつきだ。「指輪物語」の原作者トールキンは、ルイスの「ナルニア国物語」を酷評した事でも知られる。したがって映画も因縁の制作かもしれない。
日本語吹替版では判らないが、ライオンのアスラン王にはリーアム・ニーソン氏が、キツネにはルパート・エヴェレット氏が声を担当している。
【効能】幻想世界に暫し浮世を忘れ、ワクワクする冒険世界へトリップ。子役の名演技に癒される。
【副作用】次男にムカつく。「ロード・オブ・ザ・リング」の亜流に見える。サンタクロースなんかが登場して噴飯。
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「うる星やつら 怒れシャーベット」 家族と一緒に愉快になろう〔9〕
「うる星」OVA作品
【公開年】1988年 【制作国】日本国 【時間】97分 【監督】四分一節子
【原作】高橋留美子
【音楽】
【脚本】
【言語】日本語
【出演】平野文(ラム) 古川登志夫(諸星あたる) 神谷明(面堂終太郎) 小宮和枝(ラン)
【成分】楽しい かわいい コミカル アニメ
【特徴】「うる星やつら」連載・放送終了後に製作された作品。原作に沿ったギャグが連発。ラムとランの掛け合い漫才が楽しい。
【効能】明るい色調に明るいギャグに世界が楽しくなる。
【副作用】ギャグのテンポに古さがあり楽しめない。
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「チャーリーとチョコレート工場」 家族と一緒に愉快になろう〔8〕
白塗りジョニー・デップの怪演が光る
【原題】Charlie and the Chocolate Factory
【公開年】2005年 【制作国】亜米利加 【時間】115分
【監督】ティム・バートン
【原作】ロアルド・ダール
【音楽】ダニー・エルフマン
【言語】イングランド語
【出演】ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ) フレディ・ハイモア(チャーリー・バケット) デヴィッド・ケリー(ジョーじいちゃん) ヘレナ・ボナム=カーター(バケット夫人) ノア・テイラー(バケット氏) ミッシー・パイル(ボーレガード夫人) ジェームズ・フォックス(ソルト氏) ディープ・ロイ(ウンパ・ルンパ) クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ) アダム・ゴドリー(ティービー氏) アンナソフィア・ロブ(バイオレット・ボーレガード) ジュリア・ウィンター(ベルーカ・ソルト) ジョーダン・フライ(マイク・ティービー) フィリップ・ウィーグラッツ(オーガスタス・グループ) リズ・スミス(ジョージナおばあちゃん) アイリーン・エッセル(ジョゼフィーンおばあちゃん) デヴィッド・モリス(ジョージおじいちゃん)
【成分】楽しい ファンタジー ゴージャス 不思議 パニック かわいい コミカル ミステリー 童話
【特徴】色彩豊かでファンタジックでどこか不気味なチョコレート工場に招待された子ども達の物語。ホストのジョニー・デップ氏がどこか妖怪のような妖気を漂わせているが、実はただの天才変わり者。家族団欒で少し緊張しながら観ると良いだろう。
それにしてもジョニーは「シザー・ハンズ」をはじめ白塗り役が多い。
【効能】知的好奇心をくすぐられる。
【副作用】ウィリー・ウォンカが意外にまともな人間だったのでガッカリ。
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「飛びだす冒険映画 赤影」 家族と一緒に愉快になろう〔7〕
【公開年】1969年 【制作国】日本国 【時間】52分 【監督】倉田準二
【原作】横山光輝
【音楽】小川寛興
【脚本】伊上勝 倉田準二
【出演】坂口徹(赤影) 金子吉延(青影) 牧冬吉(白影) 里見浩太郎(竹中半兵衛) 大辻伺郎(木下藤吉郎) 天津敏(甲賀幻妖斉) 芦田鉄雄(鬼念坊) 近江雄二郎(蟇法師) 大城泰(悪童子) 阿波地大輔(朧一貫) 恵とも子(-)
【成分】楽しい ファンタジー 勇敢 かっこいい コミカル 時代劇 特撮 16世紀半ば 日本
【特徴】人気TV時代劇「赤影」の映画化、一部特撮部分に3D処理がされ、冒頭で赤影本人が青と赤のメガネをかけてみるよう説明する場面がある。
子供たちにとって、赤影は頭が良くて強くて格好良くて気品があって優しいお兄さんだった。坂口徹氏(坂口祐三郎)が演じた赤影は、横山光輝氏の原作漫画やそれをアニメ化した作品を完璧に凌駕した。
ただ、残念ながら坂口氏本人にとっては赤影が足枷になって不遇の人生をおくった。本人の著作によると「仮面をつけていたので素顔を売ることができなかった」というのも要因らしいが、あれほどの伝説キャラを演じた俳優がなんで? と思う。特撮出身の俳優が続々とスターに定着している現在を考えると誠に気の毒だ。
そういえば、時代劇俳優の重鎮にして水戸黄門を演じている里見浩太郎氏が若き竹中半兵衛を演じていた。
【効能】愉快になる。忍者に興味を持つ。
【副作用】日本史に対して誤った認識を持つ。
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