ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

広瀬すず 「海街diary」(2015年) 

たぶん、数年後に低迷期がある。 
再ブレイク時の輝きが楽しみ。


広瀬すず
日本タレント名鑑参照

【雑感】いま大ブレイク中の広瀬すず氏だが、私は10年後の彼女に興味がある。

 10代で大ブレイクを果たしてしまうと、必ず20歳代前半に低迷期を迎える。私の世代で美少女女優といえば、思い浮かべるのは後藤久美子、宮沢りえ、広末涼子、沢口靖子、杉田かおる、薬師丸ひろ子、原田知世。
 子役が直面する障壁とほぼ同じで、ファンが10代の少年少女のイメージを期待して自身の成長による実像との乖離が著しい。地味に固定ファンを増やして芸能界のポジションを確立できれば傷口は小さくて済むし、えなりかずき氏のように成長とともに変化してくれる10年単位の長編ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」に採用されたおかげで、視聴者からは気が付いたら大人になっていたケースもある。
 しかし最初に爆発的ブレイクをやってしまうと、子役や美少女キャラのイメージを支持する大勢のファンを抱え込んでからの出発になるので、子役や美少年・清純派美少女からの脱皮時にファンの要望が足かせになって伸び悩む。かといって無理に少年少女のままを維持しようとすれば、気楽なファンは「成長が無い」と酷評するし、例えは悪いが女子校生モノのAVに出演する男優と女優みたいになってしまう。

 また芸能プロダクションは配下の芸能人を売り出すのに少なからず初期投資を行っている。大ブレイクすればその初期投資分の回収も考えなければならないし、低く抑えていた芸能人本人への還元も考えなければならないので売り込みを積極的に行う。
 そのためTVのどのチャンネルを回しても出演している、話題の映画にも出まくっている、本屋に行けば写真集もある。さらに30年前は歌唱力の有無に関わらずレコードを発表させられたので、後藤久美子氏は歌が下手である事を自覚しているにも関わらずレコードを発表させられた。原田知世氏はあくまで私の周辺の都市伝説だが、レコーディングで声をコンピューター修正しているとの噂があった。
 ともかく今の広瀬すず氏の時期は、本来の実力以上の大きな虚構の自分が作られやすい。

 ブレイク熱はやがて冷却する。新陳代謝が激しい芸能界は絶えず新しい世代からヒロインやヒーローが輩出されていく。10代で爆ブレイクを果たした俳優にとって20代という年齢はちょうどブレイク熱が治まる頃と少年少女の鮮度が無くなり大人へ脱皮する時期に重なる。芸能プロも新たな新人の発掘と育成売出に力を注ぐので、自分へのフォローの仕方も変わってくる。
 その時期に演技派の特色、コメディの特色などを獲得し、目玉キャラに巡り合えるかどうかが勝負になる。

 後藤久美子氏は20歳代に俳優としての能力に限界を感じたのかどうかは判らない(余談1)が芸能活動を大幅に縮小してF1レーサーの妻となった。、宮沢りえ氏も広末涼子氏も10代前半でブレイクして20代で急降下し、いずれも30代から演技派女優の評価を獲得した。
 杉田かおる氏や沢口靖子氏は30代後半からコメディの要素や猛女の要素を前面に出して成功した。特に杉田かおる氏は30代前半になると殺され役Aを演じるまでの下降からバラエティで再浮上、沢口靖子氏は科捜研の榊マリコという代表キャラを獲得。

 ある意味、二十歳代の低迷期は脱皮に必要なのかもしれない。この低迷期に芸能界をドロップアウトする者も少なくないが、浮上すればかつての「清純派美少女」「美少年」だった頃を知らない新たなファンが付く。脱皮のためのリセット機能が期待できる。
 私の世代では杉田かおる氏は今でも美少女のイメージが強い、金八時代の悩める思春期少女のイメージが強い。しかし今の人は少し太り気味の中年猛女のイメージしか思い浮かばないはずだ。こないだの2時間ドラマ「捜査指揮官 水城さや」でも叩き上げの口の悪い巡査部長の役をやっていた。

 だから、私は30歳を迎える広瀬すずが楽しみだ。「海街diary」て魅せた大きな存在感は、彼女に特別な演技力があるというよりは、新人の勢いと、是枝裕和監督の采配と、先輩共演者たちが「姉」として引き立ててくれた事も大きいような気がする。

(余談1)私にはハッキリ言って発声が良くなくいつも棒読み調に聞こえた。もともと子役モデルなので決めポーズは優れているが、動画になると魅力が無くなる。結果論だが、今のところゴクミの判断は正しい。


 
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[ 2015/06/22 18:34 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

シャーロット・ケイト・フォックス 「マッサン」(2014・2015) 

シャーロット、日本での女優業成功に自信!
骨を埋める決意


 NHK連続テレビ小説「マッサン」で夫婦役を演じたシャーロット・ケイト・フォックス(29)と俳優・玉山鉄二(34)が26日、東京・渋谷の同局で、次回作「まれ」(30日スタート)のヒロイン・土屋太鳳(20)とのバトンタッチセレモニーに出席した。(スポーツ報知)

【雑感】シャーロット・ケイト・フォックス氏の頑張りが強く印象に残ったTVドラマだった。

 おそらくオーディションに参加した欧米系女優たちの中には、日本に長く住み日本語に堪能な方も多かったのではないかと思う。ところが、アメリカ在住のシャーロット・ケイト・フォックス氏に決まった。

 シャーロットに決めた要因はいろいろあるだろうが、私はまず日本在住の日本語堪能な欧米系女優を敢えて外した点を評価したい。身一つで遠い夫の国へ移住したエリーは現代日本以上の抵抗感があったと思う。
 シャーロットは元々親日感情が特別ある訳ではない。大学で日本文化や日本語を専門に学んできた訳ではなく、モデルのダコタ・ローズ氏のように日本のサブカルやアニメに興味を持ち日本語をネイティブ並に話せる特技がある訳でもななかった。当然のことながら日本語会話能力はゼロに等しい。
 ゼロから役作りに奮闘するシャーロットの姿と、日本へ嫁いで奮闘するヒロイン亀山エリーとそのモデルである竹鶴リタがダブる、制作者の巧い趣向だ。

 さて、シャーロットは今後も日本で活動していく意欲を示された。それは日本のファンや視聴者たちへのリップサービスなのか、話の流れや勢いで発した言葉なのかは判らない。
 そんなシャーロットに外国人女優の日本での成功例が少ないことを指摘されると、「じゃあ(私が)変える!」と宣言したようだ。ジンクスを破ってほしい。

 ではどうして成功例が少ないのか? 一時期フランス系のジュリー・ドレフュス氏が映画やドラマやバラエティやCMに引っ張りだこだったが、近頃は露出度が少ない。近々で印象に残っているのはタランティーノ監督「キル・ビル」で暴力団の外国人女組長の日本語通訳に扮していたぐらいだ。どうやら日本に置いていた軸足をカナダにも置くようになったらしい。

 日本ではどうしても役柄の幅が限定されてしまう。どんな名優であっても日本語が達者であっても「ガイジン」だから、ガイジンの役しか空いていない。
 おなじ「ガイジン」でも韓国人や中国人あるいは日系人であれば、日本語さえ達者だとマイケル富岡氏のようにありふれた日本人から時代劇の武将など様々な役ができる。しかしシャーロットはどこから見ても欧米人であり、欧米人が例えば警視庁の刑事とか京都の老舗の和菓子職人とか演じるには必ずインターポール(国際刑事警察機構)から派遣されてきたとか、日本文化に興味を持つ奇特なアメリカ人といった設定を加えなければならない。時代劇の出演はもっと難しい。大河で明智光秀の役を務めたマイケル富岡氏のようにシャーロットは細川ガラシャなんて無理だ。どうしても宣教に来た修道女かオランダ商館の館長婦人になる。
 朝ドラの神通力が続いている間は、制作者たちは視聴率のためにシャーロット用に出演ポストを作ってくれるかもしれないが、朝ドラの熱が冷めた後はシャーロットを出演させるために企画を立てる手間はかけられない。

 これからが本当の大変が始まるな。ただ、日本で存在感が定着して不動の「日本女優」になる策は無くもない。それは特撮ヒーロー物にレギュラー出演する事によって若年層からコアなオタク層の胸に焼き付ける事である。
 もともとウルトラマンやゴレンジャーや仮面ライダーといった物語は日本的特撮ヒーローではあるが世界観は無国籍である。「ウルトラマンティガ」に登場するGUTSのイルマ隊長をシャーロットが演じても違和感は無い。「特捜戦隊デカレンジャー」の白鳥スワンをシャーロットがやってもおかしくない。

 シャーロットよ、日本でさらなる成功を収め、不動のファンを得るには特撮ヒーローにレギュラー出演する事である。


 
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[ 2015/03/27 18:33 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

剛力彩芽 「ガッチャマン」(2013) 

ガッチャマン」 貧乏くじを引いたか。

剛力彩芽
日本タレント名鑑参照。

【雑感】実写映画「ガッチャマン」が大コケだそうである。制作費や宣伝費に投下した資本が果たして回収できるか? 不朽の名作の実写化と旬の俳優を揃え、そこそこコケてもそれなりの興行成績と思いきや最悪予想を下回る事態にもなりかねん状況らしい。
 私は最初から期待していなかったので作品レビューでは突き放して「今風でエエんとちゃう」とコメントした。

 さて、その大コケの戦犯としてネット上に名前が急浮上いるのが剛力彩芽氏である。批難が集中している事に私は怪訝に思っている。単純にミスキャストであって責任は俳優ではなく制作陣にある。
 あるレビュアー仲間は「剛力彩芽は甚平を演じるべきだった」と言っていたが同感だ。彼女はかつての相原勇氏のように長髪から短髪にイメージチェンジをしてボーイッシュを前面に強調したことでブレイクした。その少年的容姿の彼女が日米混血のスレンダーかつ巨乳の少女ジュンを演じるのはキャラに合わない。(余談1)
 
 もちろん、俳優は与えられた役柄をこなすのが仕事である。ハリウッドのスタローン氏は役柄によって体格まで変えたし、デ・ニーロ氏は加えてイタリア語を完璧にマスターしたり頭髪を抜いて禿をつくったりした。そういう意味では努力が足らないという批判もありだろうが、それを言ってしまったら他の4人にも五十歩百歩で当てはまるので剛力彩芽氏だけに責任はない。
 紅一点という目立つ存在ゆえに敗戦の責任を負わそうという世間の不当な空気を感じる。演技力の酷評が飛び交っているが、あれを基準にしてしまったら、デビュー当時の沢口靖子氏やブレイク全盛期の後藤久美子氏などは台詞棒読みの世界だ。演技派との評価を得ている薬師丸ひろ子氏や宮沢りえ氏とてデビュー当時の演技力はイマイチである。
 
 剛力彩芽氏よりも、監督をはじめ制作陣の責任が重大だ。近年で実写映画化の成功作は非常に少なく、そういう意味で不朽の名作「科学忍者隊ガッチャマン」の実写化に挑戦するということは最初からハードルが高く、その点は同情すべき点だろう。
 ただでさえ映画化となれば原作ファンからの酷評は必ずある。ましてやガッチャマンとなれば熱心な原版アニメ至上主義者が存在するだろう。かといってカラフルな70年代初頭ファッションの原作そのままのイメージで実写化しては40年経過した現在の世情には浮き過ぎる懸念がある。
 
 実写映画化で成功した近年の作品といえば、「三丁目の夕日」「ヤッターマン」をあげる。この二作品、共通する成功の要因を述べよう。
 
 「三丁目の夕日」と「ヤッターマン」に共通するのは、作品にたいする表現者としての野心の強さだ。実写映画だからこそ原作ではできなかった表現に挑戦する気概、「三丁目の夕日」は昭和三十年代初頭の東京の風景と当時の生活臭の完璧な再現、「ヤッターマン」放映当時小中学生だったファンが中年のスケベ親父になっていると見越しての踏み込んだお色気表現を積極的に実施、しかも清純派キャラの若い女優にそれをこなさせる、これらが功を奏した。
 ところが「ガッチャマン」はアニメが不朽の名作だったために、制作陣は良く言えば「無難な形」に収めようとした。悪く言えば挑戦の気概が欠けていた。カラフルな衣装を現代の不景気な空気に合わせて灰色のイメージにし、アニメの科学忍者隊5人から定番臭さを抜いた。(70年代の漫画アニメによくある、ハンサム・チョイ悪・紅一点・巨漢のチーム構成)
 
 それだけなら良いが、CGで自由自在にイメージ再現できる環境にありながら、作品の矮小化が目立つ。「ガッチャマン」では二千万円もかけて科学忍者隊のスーツを制作した事が評判だったが、鳥をイメージした忍者隊のイメージが消えている。三角関係あり、無傷の東京あり、人類存亡を前にして自分の存在意義にウジウジ悩む主人公たち。
 今風の内向きにしただけで、原作のスケールの大きさに代わる面白さや迫力を出せなかった、というより出さずに中途半端にしたのが大コケの原因だ。
 
 私は剛力彩芽氏を高く評価するつもりはない。ただ、前後左右上下の相関を考えながらレビューに努める。万人の人間が閲覧するネット上で徒に脊髄反射の酷評は、単なる悪口・憂さ晴らしでは済まなくなるリスク(例えば名誉棄損や人権救済の対象)もあるからだ。
 
(余談1)白鳥のジュンに合う女優といえば、私が思いつくのは「Santa Fe」を発表した頃の宮沢りえ氏だ。日蘭混血の欧米人的ガッシリ骨格、スレンダーなのに豊かな美乳、日本人的な顔だが色白で大きな瞳、設定の背格好に合致している。
 また宮沢りえ氏はシンクロを舞台にしたスポ根ドラマ「スワンの涙」にも主演しているので、白鳥のジュンに適役だったと思う。
 今は誰がいるか? 半分冗談だが春香クリスティーン氏かな。


 
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[ 2014/06/27 06:07 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

ゾーイ・サルダナ 「スター・トレック イントゥ・ダークネス」 (2013) 

スター・トレック イントゥ・ダークネス」 
スタートレック筆頭ヒロインに定着。


 アバターでヒロインを演じた俳優というのがあまりに有名なのだが、アバターは演技する彼女の姿をベースにCGで絵を付けているので彼女の生々しい美しさは封じられている。やはり「スター・トレック」のウフーラ大尉役を推したい。

 60年代後半にTV放送された「宇宙大作戦(スタートレック)」に登場するウフーラ大尉、初期の頃はマスコット的わき役だったが、シリーズを重ねるごとに存在感を増してきた。(余談1)本作では完全にヒロインである。
 60年代のTV放映時の頃であれば、謎の金髪美女の技術士官役のアリス・イヴ氏がヒロインになっただろうが、完全に端役である。露出度と台詞の多さからいってヒロインはウフーラ役のゾーイ・サルダナ氏である。

 2人の主人公スポックとカークの間に入ってのヒロインである。カーク船長時代の「スター・トレック」ではキャプテン・カークとミスター・スポックとドクター・マッコイの3人が主役であり、この3人の掛け合い漫才が物語展開の軸であり面白さだった。
 ところが本作ではTVシリーズのマッコイのポジションにウフーラが明らかに居座っている。なにしろ切羽詰まった作戦行動をとっているのに、スポックとウフーラの痴話喧嘩にカークが巻き込まれるのだから。
 逆にTVシリーズでは毎回のエピソードでスポックとマッコイは対立していたのだが、J・J・エイブラムス監督シリーズでは殆どといって無い。

 カークとスポックとウフーラの3人を軸にするのも良いだろう。ただ、スポックとウフーラの痴話喧嘩では、工夫しないとTVシリーズのような目の鱗が落ちるような科学的オチは難しい。そして痴話喧嘩だけでは旧来のファンは離れていくし、それなりに笑える掛け合い漫才にしなければ新しいファンもつかなくなるかもしれない。

 あと個人的な願いだが、もっとゾーイ・サルダナ氏のスレンダーな美しさを愛でられる場面が欲しい。

(余談1)日本語版ではウラ少尉。名前を「ウラ」としたのは吹替する声優が発声しやすくするため。大尉を少尉としたのは、現代でもよくある誤訳である。
 「Lieutenant」は少尉を意味することで知られているが、それは陸軍少尉の事で海軍では大尉である。スタートレックの舞台は宇宙船だから海軍式の役職を使っている。
 Lieutenantのもう一つの意味は隊長を助ける「副官」である。隊長であるCaptainを助けるのがLieutenantだ。陸軍でCaptainとは大尉の事であるが海軍では大佐であり軍艦の最高責任者である艦長をさす。Lieutenantは艦長を補佐して一部署の指揮を執る役職だ。

 つまり、ウフーラは相当に偉い人なのであるが、初期の頃はドラマ上では歌が上手い単なる通信オペレーターの扱いだった。現実世界で黒人士官が殆どいないアメリカ軍だった時代に、黒人の若い女性が大尉役としてレギュラー陣に加わっていること自体が画期的だった、それが60年代の社会事情だった。
 しかし、台詞も他のレギュラー出演者に比べると少なめだった。ウフーラの存在感が増してきたのはシリーズ後半に入ってからだった。アニメ版に入ると艦長をはじめ上級士官不在に陥った時に艦の指揮を執るようになる。

 私の持論だが、スター・トレックは制作時より四半世紀未来のアメリカ社会を映す。60年代ではウフーラを主要幹部に抜擢したものの実質のポジションは台詞の少ない脇役だった。ヒロインは金髪の船長秘書や看護長が務めるか、金髪のゲストスターが担った。即ちアフリカ系俳優へ建前の配慮をした段階である。それが今では欠かす事ができないレギュラーのヒロインだ。
 ウフーラの扱いの変化はアメリカのいじらしい歴史でもある。


 
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[ 2014/06/11 00:50 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

宮沢りえ 「おのれナポレオン」 近頃の現象[九百二十一]  

宮沢りえの代役舞台、当日券に長蛇の列 
わずか1時間半で予定数をオーバー

 
 女優・天海祐希が軽度の心筋梗塞のため降板し、宮沢りえが代役を務めることになった舞台「おのれナポレオン」の当日券に長蛇の列ができている。11日には、朝10時30分時点で昼・夜公演ともに、販売予定枚数を大幅にオーバーするほどの人数が並んだといい、会場の東京芸術劇場がツイッターで「今からお並びいただいても、当日券をお求めになれる可能性は一切ございません」と異例のアナウンスを発する事態に至った。(シネマトゥデイ)
 
【雑感】天海祐希氏は舞台が中止にならず安堵したと同時に、作品が完全に宮沢りえ氏のモノになってしまい無念だったたろう。三谷幸喜氏は天海氏をヒロインに想定して脚本を書いたのだから。
 あんな若々しい天海氏が心筋梗塞とは驚きだったが、しかし働き盛りの45歳であれば罹患しても不思議ではない。若そうに見えても生理機能は確実に老いていく。
 宮沢りえ氏が代役を務めたことで、舞台は一転して盛況となった。つくづく宮沢りえ氏はプロの女優になったと実感する。他にも舞台出演を抱えているにも関わらず、たった2日の稽古で本番に入り観客の心を掴む。

 宮沢りえ氏が10歳くらいのとき、後藤久美子氏と一緒にキットカットのCMに出演している頃から注目していた。(こんな事をいうとまた連れ合いから「ロリコン親父」と言われるな)当時はどちらかといえば後藤久美子氏のほうが可愛かった。ほどなくゴクミはブレイクしてキットカットのCMから卒業、しばらくはりえちゃん独りでCM出演を続けていた。
 
 この頃、CMタレントの情報誌「CM NOW」で彼女の顔が表紙になってインタビュー記事が掲載、ゴクミは女優として大ブレイクだったがりえちゃんはまだCMモデルの立場だった。インタビューでかつての「同僚」であるゴクミの活躍について聞かれ、「素晴らしい事ですけど、でもこの歳で経験するはずだった事が(芸能活動で)経験できないのは気の毒」といった趣旨の話をされた。けっこう歳のわりにしっかりした事をいう人だな、との印象を持った。

 それからまもなく、宮沢りえ氏は「ぼくらの七日間戦争」で大ブレイクする。最初の頃はゴクミと似たような路線で売っていたが、誰の方針かは知らぬが色白美肌の脚長のプロポーションを強調する戦術をとり、やがてハイティーンの人気絶頂のときにプロダクションの反対を押し切ってヘアヌード写真集を発表して度肝を抜く。
 ところが、20代前半になって様々なスキャンダルで迷走する。奇しくもゴクミも同じ頃は「女優」としての評価は芳しくなく頭打ちのような印象を持った。キットカットの美少女2人が同じようにブレイクして同じように壁にぶつかり、ゴクミはジャン・アレジ氏と結婚して日本の芸能界から距離を置く道を選んだのに対し、りえちゃんは本格の女優業開花。
 
 私の勝手な気持ちなのだが、感慨深いものがある。そんな事をいうと連れ合いから「一応いうとくけど、あんたが彼女を発掘した訳やないで。ただのオタクの親父のくせに」と突っ込まれ、また「ロリコン親父」と叩かれた。しかし、宮沢りえ氏と連れ合いは1つしか歳離れていないので、ロリコンは不当批判だ。
 

 
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[ 2013/05/12 08:22 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

満島ひかり 「クヒオ大佐」 (2009) 

クヒオ大佐」 
クヒオに心の隙間を覗かれる少女


満島ひかり。
日本タレント名鑑参照。

 堺雅人氏はコメディを意識して若干オーバーアクション気味にクヒオ大佐を演じていたが、これにリアリティを強化する役割を担っていたのが3人の女優である。
 1人は弁当屋社長に扮する薄幸女性の名手である松雪泰子氏、次に海千山千の高級ホステスに巧く化けた中村優子氏、そして大学出て間もないくらいの学芸員に扮した満島ひかり氏だ。(余談1)
 
 満島ひかり氏に対して特に強い印象はもっていなかった。薬師丸ひろ子氏の鼻筋を少し通らせて美人顔を強調したような、その程度のイメージだった。ところが「愛のむきだし」で、けっこう演技派ではないかと認識を改めた。今回も恋人と不仲になってナーバス気味の普通の若い女性を巧く演じているので、親近感がわいてしまう。実際、友人にそんな女性がいたからだ。

 本作での位置づけは松雪泰子氏とほぼ同格のヒロインだ。冒頭の小学生を対象にした野外授業で彼女はややぶっきらぼうに講師を務めているところを少し離れた所から眺めていた冬服の海軍大佐姿のクヒオが一言つつく場面から始まる。
 クヒオとの出会いから物語の本筋が始まり、松雪泰子氏との物語と同時進行で次第にクヒオに惹かれ関係をもってしまう学芸員ハルさんの物語が進行する。いわば物語の起承転結はハルさんとクヒオの線を基軸にして、弁当屋しのぶ社長の悲劇が巧く重なり、それらに厚みを与えるエピソードにホステス未知子が加わる。(余談2)
 
 彼女の最大の魅せ場、多くのファンにとってはクヒオとのラブシーンで緊張気味にベッドに入る場面だろうが、私はクヒオの正体を偶然知ってしまって桟橋に呼び出し詰問してもみあった拍子に海に落ちる場面だ。もしかしたらスタントを使っているかもしれないが、私の目には本人が実際に海に落ちて海上に浮かび上がる場面を演じているように見えた。海からあがった彼女が咳き込んでヨダレ混じりの水を吐き出すところがリアルだった。
 私は今後の彼女の活躍を注目する。

(余談1)沖縄出身でクォーターか。日本芸能界に於ける沖縄勢は強い。
 それから近年注目されているのは浅野忠信氏や香椎由宇氏のように祖父母が外国人のクォーターか、もしくは宮沢りえ氏や沢尻エリカ氏のようにハーフでも日本人的風貌が優っている俳優だ。
 
(余談2)作中でのクヒオ大佐は、ある種の人格障害をおこしている。単なる結婚詐欺というのではなく、架空の人格であるアメリカ海軍士官ジョナサン・エリザベス・クヒオでないと恋愛できない体質になってしまったのだろう。
 実際のクヒオは嘘が破綻する前にワザと破局にもっていったり、あるいは転属を理由に関係を「清算」していた。残念ながら本作では、被害者の弟に見破られて逆に恐喝されたり、逃げようとした時点で包囲網が布かれて御用となってしまうが。
 
 作中で満島ひかり氏が「なんで金もっていない私を選んだんや!」と詰問する場面がある。結婚詐欺のカモとするなら、もっと金を持っていそうな人物を狙うだろう。学芸員ハルはどうみても大学を出たばかりの新規採用された学芸員といった感じで、給料は少なそうだし貯金もまだまだ貯まっていなさそう。
 クヒオは「クヒオ大佐」でないと女性に話しかける事ができないし、結婚詐欺という手段でないと女性と恋愛できないのだ。
 
 ラストに及んでも、護送車の中で隣に座る婦人警官にクヒオ節を並べる主人公、笑いとともに哀しさが込み上げる。
 

 
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[ 2010/04/19 12:27 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

中村優子 クヒオ大佐 (2009) 

クヒオ大佐」 
クヒオにほのかな友情を感じる美女。


 堺雅人氏はコメディを意識して若干オーバーアクション気味にクヒオ大佐を演じていたが、これにリアリティを強化する役割を担っていたのが3人の女優である。
 1人は弁当屋社長に扮する薄幸女性の名手である松雪泰子氏、次に若い学芸員に扮した満島ひかり氏、そして海千山千の高級ホステスを好演した中村優子氏だ。
 
 中村優子氏は間違いなく演技派と呼ばれる俳優だろう。「火垂」のストリッパー役や「血と骨」の愛人役など、アンニュイな陰が興味深い。本作でもそのキャラを活かして男に貢がせる高級ホステス役だ。
 予告編では松雪泰子氏と満島ひかり氏と並んでクヒオ大佐に騙されるヒロインの1人であるかのようだが、本作を観てみるとヒロインというよりは、クヒオの正体を見破って逆に恐喝を仕掛ける弁当屋の弟と似たような助演者のポジションだ。
 
 弁当屋の弟はあからさまにクヒオの弱みにつけこんで金をむしり取る算段なのだが、中村優子氏演じるミチコはもっと狡猾だ。初対面の段階ではまだ通りすがりの、ちょっと気になる男程度の認識なのだろうが、クヒオが初来店の段階では偽者というのは見破っていたはずだ。(余談1)それにクヒオの格好が面白い。外套を着てもおかしくない肌寒い季節なのに、白馬の王子を演出したいのか白い立襟夏服を着ている。
 
 クヒオはれいによって陰のある女性に目をつけアタックした訳だが、今回はハードルが高かった。家業一筋に疲れて結婚を夢見るようになった弁当屋の社長でもなければ、まだ純情な若い学芸員でもない。巧妙に男をその気にさせて、しかし軽々しく身体を許すようなヘマはしない、教養も度胸もある海千山千のホステスだ。それに金を持っていそうな彼女に目を付けた動機も、正体を見破り恐喝を仕掛けてきた弁当屋の弟から「金持の女から銭を回してこい!」とケツを突っつかれての行動なので、今までとはリズムが違う。
 
 彼女との最大の魅せ場、「貢がせる」を得意とするホステスと結婚詐欺師との、ゴージャスな雰囲気でにこやかに繰り広げられる腹の探り合い駆け引きだろう。弁当屋社長や学芸員相手では完全にクヒオが会話のイニシアチブを握っていたが、ここでは互角か、ややホステスに押され気味だった。
 彼女はホステスとして合法的に貢がせる名手であるのに対して、クヒオは全て嘘とハッタリに固めての勝負だ。クヒオには初めから余裕が無い、しかも恐喝する弁当屋の弟の存在がある。No1ホステスのミチコVS結婚詐欺師クヒオ大佐の緊張感ある会話は、弁当屋の弟との掛け合い漫才のようなやり取りと並ぶ本作の魅せ場だ。
 
 おそらく、ミチコも相手に貢がせるという共通項でクヒオに親近感を抱いていたのだろう。あるいは自分を口説こうと貢ぐ男たちと違って、対等な駆け引きができるクヒオに友情のようなものを抱いたかもしれない。
 もちろん、弁当屋の弟と同じくクヒオを使って銭儲けの算段をしていたのは間違いなさそうだが、刑事が職質に来店した時にクヒオが慌てて逃げていく姿を哀しそうに見送る顔は切ない。もし刑事がこなかったら、たぶん自分の手は汚さず、峰不二子的にクヒオの陰で暗躍したかもしれない、そんな空想をすると楽しくなる。

(余談1)彼女は実際に東京外大のイタリア語学科を出ているので、英語と伊語が話せる。作中でもその特技を披露してほしかった。彼女が別の客と流暢に英語で会話しているのを自称アメリカ人のクヒオが冷や汗流しながら聞いている様を期待していたのだが、ちと残念。


 
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[ 2010/04/18 23:47 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)
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