ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

晴雨堂の2016年公開映画 残念ながら晴雨堂が劇場で観たのは「キネマ純情」と「帰ってきたヒトラー」の2作のみ。  

残念ながら 
昨年は映画館で観た作品は僅か二作。


 さて、今回も昨年1年間の公開映画を振り返る行事がやってきた。
 「日本で2016年に劇場初公開された新作」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、昨年に引き続き映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになる。
 かつては毎週末に映画館へ行ったものだ。なにしろ近所には歩いて10分以内の所に映画館があるのだ。映画好きにとって誠に素晴らしい居住環境、しかも私が観る映画の多くはメジャーではないため観客は下手をすれば私一人のときもあり貸切状態、まさにマイシアター状態なのだ。
 しかし子供が幼いとき、例えごくたまにとはいえ映画館へ行こうものなら、親戚縁者から吊るし上げにあう。ただでさえ仕事の関係で育児は連れ合いに任せっきりの状態ゆえたまの休みは子供の相手をするのは責務、映画館へ行くなど言語道断。

 それでも身内の批難を覚悟の上で観に行った映画があった。昨年5月に大阪第七藝術劇場で上映された「キネマ純情」と6月に日本初公開された「Er ist wieder da(帰ってきたヒトラー)」である。
 残念ながら劇場で観た映画は以上の2作のみである。




 
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井口昇監督作「キネマ純情」、ついに5月21日の第七藝術劇場(大阪十三)にて公開! ノーメイクスの舞台挨拶あり! 

井口昇の青春百合映画『キネマ純情』、
キス寸前シーン多数の予告編も


 映画『キネマ純情』が、3月12日から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。

 同作は、ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』や映画『片腕マシンガール』などの井口昇が監督を務めた作品。自主映画に出演することになった演劇部の女子高生たちが、サディスティックな監督のナオミに精神的に追い詰められ、やがて彼女たちの関係にひずみが生じていく、というあらすじだ。女性同士のキスシーンが数多く登場する「青春百合映画」になっているという。(CINRA Net)


【雑感】CINRA Netの記事にあるように、東京では既に3月から上映が始まっている。また主演を務めるアイドル女優ユニット「ノーメイクス」も積極的に都内各地でライブを展開している。
 私はたまたま1年ほど前にノーメイクスのメンバーの洪潤梨氏(ホン・ユニ)のTweetを見かけノーメイクスの存在を知った。井口昇監督の作品はB級映画ファンゆえに以前からよく観ていたし、洪氏が大阪出身という親近感もあり、注目し続けていた。ノーメイクスの面々を見ていると、各々が際立った得意分野を持っていて個性が強い。井口監督がプロデュースなので、最初から垢抜けして全員同じ顔に見えてしまうようなアイドルユニットなんかつくるはずがない。
 大手の映画会社や出版社やテレビ局などが提携して映画作りをするのとは違い、これこそB級の醍醐味と思える経緯が面白い。

 映画ファンの諸兄の中には作品が全てで、完成するまでの経緯は知ったことではないと嘯く者もいるしそれは否定しない。だが、映画は作品以外からも価値を求める事が可能な分野なのだ。でなければ最低映画監督エド・ウッドが脚光を浴び、ジョニー・デップ氏が主演の伝記映画まで作られる現象をどう説明する?
 工業製品は製品にしか価値が求められないが、藝術というのは作品以外のところからも楽しめ、作品から幾つも物語が派生して楽しむ事ができるから面白いのである。

 作中の舞台も自主映画だ。もしかしたら、高校時代に関わった自主映画を思い出させる要素もあるかもしれないので、観る前からワクワクしている。



 大阪での上映は関西圏の映画マニアの本山の一つといえる第七藝術劇場で行われる。大阪十三の歓楽街の中にある映画館だ。風俗関係の店も立っているので、初めて行く若い婦女子には抵抗があるかもしれない。
 第七藝術劇場はポルノ映画の古典から政治的映画まで幅広く上映する気骨の映画館、そこで井口監督作・ノーメイクス主演の「キネマ純情」が封切られるのは当然の成り行きかもしれない。

 5月21日(土)20時30分から。井口監督とノーメイクスの面々による舞台挨拶とサイン会が行われる予定!

詳しくは下記のサイトへ

第七藝術劇場ホームページ


 
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『帰ってきたヒトラー』公開&来日決定! 今年6月からTOHOシネマ系全国公開とな。 

最も危険な独裁者が 
“モノマネ芸人”としてブレイク!? 
帰ってきたヒトラー』公開&来日決定


 あの世界一有名な独裁者ヒトラーが現代に甦り、“モノマネ芸人”と誤解されてテレビの世界で大スターになる…という大胆不敵なベストセラー小説を原作にした映画『帰ってきたヒトラー』が、6月より全国公開されることが決定。ドイツではディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』を抑えて第1位を獲得した本作からポスタービジュアルも解禁となり、まさに“そっくり”な主演俳優オリヴァー・マスッチが来日することも明らかとなった。(cinemacafe.net)

【雑感】この日を待っていた! こないだの年末年始にドイツへ行かせてもらったのだが、既に上映期間が過ぎていたのか、映画館は日本と同じくデズニーやハリウッド映画の看板ばかりだった。
 もちろんドイツでは昨年10月に封切られているので、探せば上映している映画館はあるはずだが、不慣れな外国の地でドイツ語も殆ど会話できない状態では、義従姪やその彼氏の負担を増やすばかり、なので図太く「映画館に案内してくれ」という勇気が無かった。

 果たして日本公開なるかどうかが問題だったが、ドイツでは大評判であるうえに原作本の邦訳が2014年に刊行されている。遠からず日本公開は実現するだろうと思ってはいたが、TOHOシネマズで上映するとは、かなりメジャーな扱いだ。てっきりミニシアター系での全国上映かと思っていた。
 さらにヒトラーに扮した主演俳優オリヴァー・マスッチ氏の来日付きだ。6月が待ち遠しい。



晴雨堂関連記事案内
秀逸の風刺小説「帰ってきたヒトラー」ドイツで映画化、日本上映なるか? 晴雨堂推薦新作映画[三十二]

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映画「帰ってきたヒトラー」ホームページ ついに日本語のホームページが誕生した!


 
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第2085回「最近見た、オススメの映画はありますか?」 晴雨堂のオススメは「帰ってきたヒトラー」 と「キネマ純情」である。 

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の山口です。今日のテーマは「最近見た、オススメの映画はありますか?」です。映画館に映画を見に行きたい衝動に駆られてます近くの映画館の上映作品一覧を見てどれが良いんだろ~とニヤニヤしている日々ですお家でも見たいので評判の良い作品をレンタルしに行こうかな~と考えております。あまり映画を見ない自分ですがたまに衝動的に見たくなってしまいますみなさんの、最近見た、オ...
FC2 トラックバックテーマ:「最近見た、オススメの映画はありますか?」



【雑感】残念ながら無い。映画鑑賞の機会自体がここ数年激減しているので、私のメガネに適う作品が制作されていたかもしれないが私は観ていない。

 なので、「最近見た」という条件ではなく、どうしても観たい未観作品なら答えられる。
 それは「帰ってきたヒトラー(ER IST WIEDER DA)」だ。

 原作者は私とほぼ同世代のドイツ人ジャーナリスト、既に日本語訳が刊行されており、もちろん既に読んでいる。ネット上の書評の中には「翻訳が良くない」とか「読みづらい」という文言を見かけたが、たぶんその御仁はヒトラーの著作にしてナチスのバイブル「我が闘争」の日本語訳を読んでいないのだろう。
 私のドイツ語会話能力は初級ドイツ語テキストの1ページ目程度なので原文を読んでも訳が解らない。が、独特の言い回しは原文に沿ったものという話を聞いた事がある。今回の「帰ってきたヒトラー」の日本語訳も「我が闘争」の日本語訳を参考にしたのではないかと思っている。

 タイムスリップ物には慣れているつもりだったが、この作品は新しい感動の連続だった。第二次世界大戦末期、総統官邸の地下壕で自殺をしたはずのヒトラーが目覚めたら2011年のベルリン市街の空き地だった、という場面から物語が始まる。
 奇しくもほぼ同じ展開で話が進む作品が日本にもある。黒江S介氏原作「サムライせんせい」、錦戸亮氏を主演にドラマ化されており、昨秋深夜枠で放送された。これは幕末の勤皇の志士武市半平太が切腹したとき、気が付けば切腹装束の浅黄裃姿のまま現代日本にタイムスリップしていた話である。
 出だしは両作品ともほぼ同じ。現代社会に戸惑うコミカルな展開もほぼ同じ。違うのは、両主人公とも頑なに持論を曲げないが、武市は現代日本に馴染めずひたすら元の時代に戻ることとを願っているのに対して、ヒトラーの方は早々と自分の置かれている状況を理解してヒトラー生態模写のお笑い芸人として成功し現代ドイツでの政界に復帰する事を画策する。

 奇しくも「サムライせんせい」放送開始とほぼ時を同じくしてドイツでも映画化作品が封切られ大盛況だったそうである。Trailer映像を見た事があるが非常に面白そうだった。



 ケルンに行ったとき、義従姪の彼氏に評判のほどを聞いた。「ああ・・それはとても良い映画です。私は観ていませんが」と些か拍子抜けする反応だった。
 彼は日本語を流暢に操る人である。将来は翻訳家になる事を目指し、大学では永井荷風を研究している程の人間である。私がたどたどしく「Oh ... es ist ein sehr guter Film. Aber ich gucke nicht.」と言うのとは意味が異なってくるだろう。私の場合は少ない語彙を並べてなんとか必要最低限の意思を伝達するのが精一杯なのに対して、彼はネイティブ並みに日本語が達者なのである。

 「私は観ていませんが」という言葉は素直に言葉通りなのか? それともメルケル首相支持の彼は個人的には良いとは思えないという意味なのか?
 それとも特に映画観賞に興味が無く、世間の評判を素直に言っただけなのか?

 なので余計に気になって観たいという欲求が強くなる。日本では今年(2016年)公開されるとギャガがHP上で発表しているが、詳細は判らない。
 この手の作品、たぶん近所のシネコンではやらないだろう。


 それからもう一つ、これを推薦しておく。井口昇監督作「キネマ純情」、主演はデビューして間もない女優アイドルユニット「ノーメイクス
 企画から資金集めとユニット結成と展開は、B級映画ファンの私にはたまらない感動の経緯である。昨年の5月からノーメイクスたちのフォロワーになった。メンバーそれぞれアイドルらしからぬ曲者ぞろいスペシャリストぞろいで面白い。当初はまるで友達のようなノリで場末の末席ファンである私にも返事をくれたが、忙しくなると物理的にできなくなるだろう。
 無事に完成して今年(2016年)3月12日から全国順次上映予定だ。大阪でも社会派・文藝作(想田和弘監督「選挙」も上映された)からポルノまで幅広くマニアックな映画を上映する事で知られる大阪十三第七藝術劇場で公開が決定した。詳しい日程は未定のようだが、私は観に行く。



 いずれも、観たい映画は近所のシネコンでは上映しそうにないものばかりだ。


 
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晴雨堂の2015年公開映画 

 さて、今回も1年間の公開映画を振り返る行事がやってきた。
 「日本で2015年に劇場初公開された作品」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、ここ数年は映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになろう。
 当ブログで今年一年間にアップした数少ない映画レビューも2015年劇場公開したものはない。

 だが、未観ではあるが是非みたい映画、仮に観たとしても忘れずに思い出に残り、DVDコレクションの一つにするであろう作品がある。
 それは今年10月にドイツで上映された「Er ist wieder da帰ってきたヒトラー)」である。残念ながら日本ではまだ上映していない。

 なお、この記事は12月25日執筆のもので、予約投稿である。

【追記】帰ってきたヒトラー」の日本公開が決まったようである。2016年中には映画館で拝めそうだ。(2016.01.29)


 
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秀逸の風刺小説「帰ってきたヒトラー」ドイツで映画化、日本上映なるか? 晴雨堂推薦新作映画[三十二] 

帰ってきたヒトラー」(ER IST WIEDER DA)



【雑感】映画レビュー友達から紹介されるまで知らなかった。

 アマゾンで検索すると原作本の日本語訳が流通している。早速購読した。非常に面白い。いや、我が意を得たりと言うべき内容だった。

 いま関ジャニの錦戸亮氏がドラマ「サムライせんせい」で現代日本にタイムスリップした幕末勤皇の志士武市半平太を演じているが、この「帰ってきたヒトラー」も同様のコンセプトだ。
 武市が藩命で切腹した直後にタイムスリップ、意識を取り戻すと浅黄の裃姿のまま現代日本のアスファルトの道路の上で仰向けに横になっていて、脇差の刃を腹に突き刺したはずなのに身体は無傷。
 本作も発端シチュエーションは同じで、第二次世界大戦末期、ソ連軍に包囲されたベルリンの総統官邸で拳銃自殺したはずなのに少し頭に痛みを感じる程度で無傷、空き地の落ち葉の上に仰向け。何故か着ているコートがガソリン臭い。(自殺した後、ゲッペルスら側近たちが官邸の庭に遺体を運びガソリンをかけて焼却した)

 そして「サムライせんせい」と似たようにヒトラーも慣れない現代ドイツの環境に戸惑い悪戦苦闘していく。この世界では総統でもないのに70年前と同じ主張を大真面目に語るのだが周囲から浮いてしまう。

 ただ、物語の展開は似ているがテーマは決定的に違う。「サムライせんせい」の武市は幕末と現代日本との違いを渋々理解しながらも頑なな態度で幕末当時の侍階級の日本人の価値観を押し通そうとする。
 そのため周囲から浮いた存在になり、コミカルな笑いを誘いながら現代日本人が忘れてしまった大切な倫理観や価値観を呼び起こそうとする試みがあるのだが、この「帰ってきたヒトラー」は違う。

 同じくヒトラーもコミカルな笑いを誘ってしまう。周囲は本気にせず、ヒトラーの生態模写を芸にするお笑い芸人だと勘違いして接する。勘違いと幸運が絡み合い、かつてホームレス青年から国家元首にまで成り上がったバイタリティを発揮して、一躍ヒトラーは芸能界の寵児になり自分の冠番組を持つ芸能人に出世してしまう。
 彼の場合は、武市のように現代を拒絶せず、理解し許容しながら芸能界の地位を足掛かりに政界復帰を試み、国家社会主義運動を復活させようと企むのだ。

 そんなヒトラーを、錦戸氏が演じる武市と同じく面倒な人だが憎めない真っ直ぐな人間に見え、次第にヒトラーという人間が好きになっていく。

 実はこの点がミソなのである。何度か映画レビューで指摘した事があるが、ヒトラーのような人物、ユダヤ人をはじめとする被害者たちにとっては血に飢えた化け物、精神や人格に異常をきたした人物でないと得心できないのだ。少しでも人間的に描こうとしたら「美化」しているように見えて強烈な不快感を抱く。ブルーノ・ガンツ氏がヒトラーを演じた「ヒトラー 最期の12日間」で監督たちは美化にならないよう細心の注意を払ってヒトラーを描いたのだが、やはりユダヤ人団体からクレームが発生した。

 しかし、被害者の意向に従って血に飢えた異常者に描いてしまうと、逆にヒトラーの恐ろしさを隠してしまうのではないかと思うのだ。何故なら、映画や漫画で登場するようなヒトラーが現実に目の前にいたら、ふざけた野郎にしか思えず、支持する気になれないはずだ。

 ナチ党が反対勢力を弾圧粛清したからとか言論統制をしたとか言われているが、その強権が使えるポジションに辿り着くには多くの支持者が必要となる。単なるふざけた野郎だけの存在なら泡沫候補で終わるはずだ。しかも当時は世界で高水準の人権尊重法規を備えたワイマール体制下だ。ヒトラーは一度武力闘争でバイエルン州の政権を奪取しようとはかったが敢え無く失敗している。
 結局、ヒトラーは合法的に政権をとって民主政治を終わらせた。彼にそこまでの力を与えたのはドイツ国民だ。しかも、同じ全体主義のムッソリーニは殺されて逆さ吊りに遺体を晒されたのに対し、ヒトラーは最期まで国民の支持を得たままだった。

 何か人間的な魅力があるはずだ。それをこの本作で表そうとしている。本当の危険人物は、危険に見える人間ではない。魅力ある良い人に見えるから怖いのだ。
 被害者の意向に迎合したら、真に怖い危険人物の台頭に気づけない。

 映画レビュー友達の話によると、今年10月にドイツで映画が公開され大ヒットしたらしい。日本での公開は未定だ。是非とも「アイアンスカイ」のように日本でも劇場公開とディスク化をしてほしいものだ。

【追記】ケルンの友人に聞いた話だと、メルケル支持者の彼は「非常に大評判です。良い映画ですよ。僕は観ていないけど」と笑顔で語った。言葉通りに受け取るべきなのか、深読みすべきなのか・・。(2016.01.29)

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帰ってきたヒトラー 合本版 ティムール・ヴェルメシュ 著
著者は私とほぼ同世代のジャーナリスト。ドイツで活躍。


 
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晴雨堂の2014年公開映画1選 私は福本清三先生のファンなので・・。 

晴雨堂の2014年公開映画1選
 
 さて、今回も1年間の公開映画を振り返る行事がやってきた。
 「日本で2014年に劇場初公開された作品」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作選んだ。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、なぜ2014年は1作しか選ばなかったのかというと、私と直接付き合いのある友人たちはご存知と思うが、家庭の事情で映画館へ行く機会が激減した状態が依然として続いているのである。息子の育児と連れ合いへの気がねで映画鑑賞する本数自体が減った。
 こないだも親戚の集まりでポロリと「映画館へ行った」事を話したら、5歳年上の姉から糞味噌に貶され説教された。非常に極たまの映画館だったのに、「子供が小学校にあがるまでは育児に努めなあかん!なに考えてんねん!」とまるで育児放棄者呼ばわりである。
 どうも私は身内や親友・幼馴染といった付き合いの長い人たちからは実像より過少に評価される傾向がむご過ぎる。

 という訳で、たとえ300も400も観たとしても、これは記憶に焼き付き二度と忘れない作品として1つあげよう。
 
1「太秦ライムライト」日本映画

 選んだ理由はただ一つ、子供の頃から福本清三氏のファンだからである。川谷拓三氏らと同じ大部屋俳優、世間ではエキストラ扱い、時代劇ファンならご存じだろう。
 主人公が悪代官の屋敷に踏み込んだ時に、迎え討つ家来衆の中で比較的よく目立つ立ち位置にいてよく目立つ馬面と眼光鋭そうなメイク、何度も執拗に斬りかかった末に主人公に討たれて大袈裟に痙攣しながら背中を反らして倒れる。日本で一番有名な斬られ役である。

 子供の頃は時代劇を観る度にその他大勢の斬られ役の中に福本さんがいないか探すのが習慣だった。
 そんな福本さんも斬られ役からレギュラー俳優に「出世」した時期がある。千葉真一主演のテレビ版「柳生一族の陰謀」だ。千葉真一扮する柳生十兵衛が主に統括している忍者集団裏柳生衆、なんと福本さんはその裏柳生衆の一員としてレギュラーなのである。斬られ役の時は「ギャー」とか「ウワ」ぐらいの台詞しかなかったが、この役ではときどき脚本に明記されてそうな台詞もある。(余談1)
 最終回で十兵衛は幕府に反抗したしたため身内からも命を狙われることになり、裏柳生衆の長フチカリ(余談2)が自ら片目を潰して十兵衛の身代わりになる。フチカリたちが柳生藩の一党に討たれた事を知った十兵衛は遺棄されたフチカリたちの遺体に駆け寄る。その時、各々の生前の姿が挿入されるのだが、福本さん演じるキタノの時は子犬を抱いて微笑む姿だった。今まで般若のような形相しか観た事が無かったので貴重映像である。

 福本さんはこのまま川谷拓三氏(余談3)と同じくメジャーな俳優へと出世していくとばかり思っていたら、やや台詞が増えたものの相変わらずの斬られ役ばかり。次第に時代劇の本数が減ってきたが、それでも相変わらずチンピラや暴力的な巡査や悪の怪人など悪役の端役ばかりを演じ続ける。
 福本さんほどの知名度とキャリアなら、主役を張っていてもおかしくないのになぜ「斬られ役」のままなのか? 彼は敢えて主役を拒絶しているのではないのか、と思うようになった。

 おそらく制作サイドも福本さんの扱いに苦慮しているのではないかと思う。2007年に放送された内藤剛志主演NHK木曜時代劇「新・はんなり菊太郎~京・公事宿事件帳~」ではいつもの素浪人姿の殺し屋役で登場するのだが、ちゃんと三嶋源内という役名があり、竹林で長尺の殺陣を続けた末、内藤剛志演じる主人公から「お前ほどの人が・・殺すには惜しい」と命助けられる。これは制作者や俳優たちの福本さんへの率直な気持ちが反映されたのではないか。

 こういった経緯があっての、福本清三初主演映画「太秦ライムライト」封切なのである。ファンとして映画館で観ないわけにはいくまい。普段は買わないパンフレットも買った。当然の事ながら、晴雨堂は2014年のイチオシ映画に選ぶ。

 それでは皆さん、2015年も良き映画にめぐり合えますように。

(余談1)今や国際的に活躍する真田広之氏が、シリーズ後半に末席の若輩忍者左助として裏柳生衆に加わる。なんと裏柳生衆で福本さんのキタノは先輩忍者なのである。
 激戦から辛くも生き延びたキタノが後輩の左助に顛末を語る場面や、十兵衛の身代わりとなって死地に向かうフチカリのお供をするキタノが、「自分も」と追いかけようとする左助に向かって石を投げながら「お前は来るな!」と怒鳴る場面などがある。
 この共演が縁だと思うが、後に真田広之氏が出演したトム・クルーズ氏の「ラストサムライ」で福本さんはハリウッドデビューする。

(余談2)千葉真一氏の実弟矢吹二朗が扮する。藤岡弘氏の仮面ライダーを観ていた人ならお馴染みのアクション俳優である。このフチカリ役以降は何故かレギュラー出演が減り、同和教育映画の出演や刑事ドラマの犯人役などが目立ち、80年代前半ごろからテレビや映画からは姿を消してしまわれた。

(余談3)川谷拓三氏も福本清三氏と同じ大部屋俳優出身である。時代劇ではすぐ斬られるチンピラ役、現代劇では拷問の末殺されるヤクザの役が多い印象を受けたが、「ニッカ・ウヰスキー」や「どん兵衛」のCMで広く知られるようになり、大河ドラマ「黄金の日々」の杉谷善住坊役で完全ブレイク。
 

 
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