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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

皆さん、明けましておめでとうございます。

皆さん、
明けましておめでとうございます。 
今年も一年、生き残りましょう。


 残念ながら 旧年も映画館で観た作品は僅か。
 かつて年末年始は毎回、旧年1年間の劇場公開新作映画を振り返る行事を続けてきたが、それが成り立たない事態になって久しい。

 「日本で2019年に劇場初公開された新作」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになる。

 今からちょうど一年前、同じく恒例の新年の挨拶で述べた作品をイチオシに推挙する。


ちいさな独裁者【シュバルツヴァイス完全版】 [DVD]
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 ちいさな独裁者 Der Hauptmann

 である。

 

 毎回同様の批判を受けるので、今年も同じ言い訳を言う。もはや映画レビュアーとして失格ではないか? なんて御批判があった。しかしレビューは映画を鑑賞する人全員分け隔てなく持っている資格と権利である。これは民主主義社会の鉄の掟である。

 それと、当ブログ「ミカエル晴雨堂の作法」でも謳っているように、私はAVも含め分け隔てなく「映画」として扱う人間なのだ。AVならよく観ていて高く評価している作品が多々あるのだが、残念ながらFC2の規約で当ブログでは世間でAVと呼ばれている低予算映画はレビューアップできないのである。


 それでは改めて、またこの一年も生き残りましょうぞ!




 
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新「007」はアフリカ系女性が「就任」。添え物のボンドガールではなく、主役として007は新装開店。

新「007」は黒人女性に 来年公開の最新作

 来年公開の『007』シリーズ第25弾『BOND 25(仮題)』で、黒人女優のラシャーナ・リンチが新“007”を演じると、英 Daily Mail Online が報じた。

 『007』といえば“007”のコードネームを持つイギリスの敏腕諜報(ちょうほう)員、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた人気スパイ・アクションシリーズ。最新作では、現役を退き、ジャマイカで穏やかな日々を送っていたボンド(ダニエル・クレイグ)が、新たなミッションのために呼び戻されることになる。

 報道によると、『キャプテン・マーベル』のマリア役で知られるラシャーナがふんするのは“新ボンド”というわけではなく、彼が英国諜報部・MI6を去ったあと、そのコードネームを引き継ぐことになる新キャラクター。本作の冒頭にはレイフ・ファインズ演じるMが「007、入りなさい」と言って、ラシャーナが出てくるシーンがあるという。
 女性の権利や人種の多様性を主張する声が高まってきた昨今。今作には女性脚本家のフィービー・ウォーラー=ブリッジが参加しており、その影響も大きいよう。同サイトは、黒人女優であるラシャーナ演じる新たな“007”の登場は「ポップコーンを落としてしまう(くらい衝撃の)瞬間」だと伝えている。(シネマトゥデイ)


【雑感】様々な思惑が窺える。

ラシャーナ・リンチ
ラシャーナ・リンチ Wikipedia参照


 シネマトゥデイの記事には「多様性」の問題に留めているが、もう少し踏み込むと「ボンドガール」に象徴される妖艶なヒロインたちの存在は昨今のグリッドガール(キャンペーンガール・レースクイーン等)への批判やMeToo運動などに象徴される勢力から見れば不快感を抱かれるのは火を見るより明らか。
 実際、過去のシリーズ作品を観ていると、これは現代の感覚だと私でも不快感かな、と思うような箇所が多々ある。だからといって否定はしない。昔はこれでワクワクしていたんだなと懐かしく思うとともに、人の価値観はずいぶん変わってきたと自覚する。

 以前からの当ブログの読者ならお解りと思うが、私は戦うヒロインが好きである。なのでもしこの晴雨堂が制作者兼監督兼脚本であれば、今回と同様の作品を企画する。
 ジェームズ・ボンドは引退か現場を離れて後方支援に回り、新たに女性エージェントが007に就任する。そして女性エージェントは従来の妖艶な金髪美女ではなく、スレンダーで筋肉質なアフリカ系女性を充てる。今後の007はジェームズ・ボンドから引き継いで新たな物語へと発展させる。
 なので私にとってはあまり衝撃なニュースではなく、想像できる範疇である。

 ファンの中には、全く新しい作品にすればええやないか、と思う人もいるだろう。ただ、昨今のメジャー映画の傾向を見ればやむを得ないのである。メジャー映画となれば様々な業者が参入し過ぎ動かす予算規模も大きくて下手に転ぶ訳にはいかない。転んだ場合に備えての保険料も莫大だ。だから近頃のメジャー映画の新作を見渡せば、必ずそこそこ当たりそうなシリーズやリメイクやスピンオフや続編ばかりではないか。特に娯楽に徹した作品であればあるほど転べない。
 今作品の場合は、007シリーズという名跡は残したまま、昨今のジェンダーや多様性対策で色男ボンドやそのボンドに絡むボンドガールには退場していただき、ヒロインが戦う新シリーズとする。但し、いきなり新シリーズでは観客もついてこれないのでジェイムズ・ボンドには暫く引き継ぎで出演してもらう。そういう事だろう。

 私は楽しみである。ラシャーナ・リンチ氏の活躍に期待。彼女はまだ31歳、大幅な若返り、当たれば10年以上は007で奮闘してくれると面白い。


 
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皆さん、明けましておめでとうございます。

皆さん、明けましておめでとうございます。 
今年も一年、生き残りましょう。


 残念ながら 昨年も映画館で観た作品は僅か二作、「空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎」と「ボヘミアン・ラプソディ」だけ。
 かつて年末年始は毎回、旧年1年間の劇場公開新作映画を振り返る行事を続けてきたが、それが成り立たない事態になって久しい。

 「日本で2018年に劇場初公開された新作」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになる。

 ただロックバンドQueenの映画というよりはフレディ・マーキュリーの伝記映画と言っても良い「ボヘミアン・ラプソディ」は世間的にも名作と思うし、私個人にとっても中学生のころからQueenは好きで青春の歌だったので強烈に思い出に残る映画だ。

 付き合いが長い友人知人の中には私をビートルズ・オンリーなどと勘違いしている人も多いだろうが、実は一通りポップスは聞いているのだ。アバも好きだし、シカゴやポリスやリマールやバングルスやベルリンやU2やヒューマンリーグやスパンダーバレーなどもよく聞いていた。
 特にQueenの「バイシクルレース」はまことにタイムリーな曲だった。何しろ流行った当時中学生だった私はサイクリングを本格的にやり始めた時期であり、自分の中ではサイクリングのテーマソングだった。歌詞はまるで私の心情を理解しているのではないかと思わせる内容だったし、大学生の頃に観た全裸美女たちによる自転車レースのMVは私が描いたイメージを監督が熟知して寸分違わぬ内容で制作したのではないかと思ったほどだ。

 またフレディは後に伝説のSF特撮映画「メトロポリス」のフィルムを使ったMVを発表、「ラジオ・ガ・ガ」と「Love Kills」である。当時、映画好きの学生ではあったがまだメトロポリスは映画史の本でしか見たことが無い作品で、実際にフィルムを魅せてくれた「恩人」がフレディと言えるかもしれない。
 元々戦前の映画やその風俗に興味があった私は、ますますフレディに興味を持ってしまった。

 「ボヘミアン・・」を観てからは、思春期の余韻にずっと浸りたくて「バイシクルレース」や「Love Kills」のMVばかり観ている。

 昨年に続いて今年も同様の批判を受けたので、今年も同じ言い訳を言う。もはや映画レビュアーとして失格ではないか? なんて御批判があった。しかしレビューは映画を鑑賞する人全員分け隔てなく持っている資格と権利である。これは民主主義社会の鉄の掟である。

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 それでは改めて、またこの一年も生き残りましょうぞ!

 最後に2019年上映予定のイチオシ映画を紹介する。昨秋何度か紹介したドイツ映画の「ちいさな独裁者」だ。今年2月8日から全国のミニシアターで上映予定。大阪では梅田スカイビルにあるシネ・リーブル梅田だ。


 
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「ちいさな独裁者(DER HAUPTMANN)」日本語版予告編拡散!

「DER HAUPTMANN」日本語版予告編



【雑感】待望の「ちいさな独裁者 DER HAUPTMANN」日本語版予告編が11月中旬頃から拡散され始めた。日本語版ホームページも設置されたようである。

 日本語版を観るとドイツ語版との感性の違いが多少でている。
 前回の記事で紹介したTrailerを参照していただければ判るように、ドイツ語版では将校服を着た脱走兵が無邪気に歌ったり演説したりと独り芝居を楽しむ場面に時間を割いたり、兵卒たちが次々と自分に敬礼することに最初は戸惑うものの次第に将校らしい立ち振る舞いが板について権力を振るいまくり、 大量虐殺を命じるほどエスカレート、最後は「部下たち」と街の遊女と酒池肉林の乱痴気騒ぎがスタンダードタイプである。英語版もドイツ語版を踏襲した作りだ。

 ところが日本語版では、いつバレるだろうか、バレるかもしれない、という空軍大尉に成り済ました脱走上等兵のヒヤヒヤ感を強調した作りになっている。それどころか、ドイツ語版・英語版のTrailerでは必ずと言っていいほど紹介されている収容所の脱走容疑兵をクリークに集めて機関銃で虐殺する場面は割愛されている。この大量虐殺は戸惑う収容所幹部に主人公ヘロルトが強固に出した命令だ。他にも「容疑者」を裸にして街頭で処刑したり、従順な従卒に射殺を命じたりと他の大量虐殺場面の大半を割愛しているのが大きな特徴だ。
 日本語版はかなりマイルドな内容に編集されている。

晴雨堂関連記事案内
ドイツ映画「ちいさな独裁者」2019年2月8日日本公開!


 
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ドイツ映画「ちいさな独裁者」2019年2月8日日本公開! 

ちいさな独裁者
いよいよ来春2月8日日本公開!


 「きみがぼくを見つけた日」などで名高いロベルト・シュヴェンケ監督が放つ問題作。
 実際に終戦間際に起こった事件がベースになっているらしいが、今のところ私はその事件を確認できていない。御存知の方がいらっしゃったら史実の詳細を教えてほしい。(追記参照)

 舞台は1945年4月というから、記事には大戦末期と書かれていることが多いがむしろ敗戦前夜か敗戦直前と表現した方がいいだろう。
 主人公はヘロルトという20歳くらいの若い脱走兵、劣悪な環境にいたのか軍靴は靴底が剥がれかけていて軍服は汚く衛生状態も悪そう。襟には白っぽい四角のベース(モノクロ映像なので白く見えるが、カラーだと金をイメージした黄色)に羽を広げた鳥をイメージした階級章、左の袖章にはVの字の徽章があることから空軍上等兵であることがわかる。左胸にも空軍白兵戦章や従軍章をつけているので若いといっても古参の部類の兵卒だ。
 彼は必死に逃げる。それを陸軍大尉と思われる将校が乗る車に追い掛け回される。逃げるヘロルトに向けて何度も射撃するが当たらない、おそらくわざと外して弄んでいるのだろう。ところが将校が遊んでいるおかげで辛くも追っ手をまき逃げ切る。

 厳寒の森林をあてもなく逃げていくと、爆撃にあったのかゲリラに襲撃されたのか一台の遺棄された自動車を見つける。中を物色すると後部座席にトランクがあり開けてみると真新しい空軍将校の制服があった。襟と肩の階級章は大尉。
 最初は寒さから将校用コートを羽織るだけだったが、けっきょく制服をはじめシャツやブーツも拝借してまう。サイドミラーに映るし空軍将校姿の自分に見とれたり将校になった気分で原野に向かって台詞を吐いたりと独り遊びをする。

 そこへ自分の親ほどの歳が離れていそうな空軍の古参兵がやってきてヘロルトを空軍大尉と思い込み敬礼する。

 ここからヘロルトの大芝居が展開していく。最初に出会った古参兵を自分の忠実な従卒に仕立て、行く先々でで出会った兵士たちを自分の兵士に仕立て、収容所のナチス幹部までも部下として取り込む。
 彼の行動は次第にエスカレートし、ヒトラーを彷彿させる弁舌で親衛隊のような自警団の指揮官として虐殺を行っていく。

 という物語である。邦題は意訳の「ちいさな独裁者」、原題は「DER HAUPTMANN」、日本語で「大尉」である。英題も直訳の「The Captain」。ヘロルトが成り済ました空軍大尉からタイトルがつけられている。

 兵卒の脱走兵に過ぎない若者が偶然手に入れた権威で暴走、このパターンは過去にも多く制作されている。私のお気に入り映画ではアンリ・ヴェルヌイユ監督「サンセバスチャンの攻防」、ならず者の主人公が神父と間違わられ、神父の権威で村人を率いて来襲する盗賊やアメリカ先住民と戦う物語。同じドイツ語圏の映画ではヴォルフガング・ムルンベルガ監督の「ミケランジェロの暗号」、主人公のユダヤ人画商がナチス親衛隊大尉に成り済まして危機を脱出する場面がある。
 しかし本作では泥にまみれた脱走兵が清潔そうな空軍大尉に化ける展開は似ているが、その権威を虐殺や贅沢三昧に使ってしまう。

 現代社会に照らし合わせて考えると、私は昨今のSNSで繰り広げられている険悪な言葉の投げ合いに同様の現象がみられるような気がする。
 明らかに右翼思想でない者が右翼を名乗り左翼とみられる人に噛みつく、ところが右翼なのに今上陛下にまで噛みつく。逆に反差別思想でない者が護憲や反差別を名乗り、長年反差別運動を展開してきた人にまで言葉の攻撃を繰り出す。
 なにかに成り済まして他者を攻撃する様、似ているような気がする。そして言葉尻だけは双方ともに特有言語を話しているので、古参の運動家も批判せずに仲間扱いする。



【追記】2018年11月10日
 Wikipediaにけっこう詳細記事が載っていた。こないだ調べた時は載っていなかった。最終更新日を見たら2018年10月29日となっていたので日本公開が決まってから日本語版が執筆されたのだろう。本記事を書く際にもう一度調べるべきだったか。

 本作の主人公のモデルとなった人物はWilli Herold、1925年生まれだから映画の舞台となったころは若干20歳という若さである。まだ子供といってもいいのによく大尉なんて偉いさんを演じられたものだ。しかしアメリカでもデカプリオ主演「キャッチミーイフユーキャン」がある。実際に起きた詐欺事件で、デカプリオ扮する詐欺師は18歳なのに28歳の大人を演じ、FBI捜査官まで騙していた。
 また、ヘロルトと同時代の青年で同じ空軍の制服を着ている正真正銘の撃墜王エーリッヒ・ハルトマンはヘロルトより三つだけ歳上で少佐だった。なので20歳の若造が大尉を名乗っても有りうることなので疑われなかったのかもしれない。

 それと、アメリカの戦争ドラマ「Combat!」や手塚治虫氏「アドルフに告ぐ」、近年では「ヒトラー 最期の12日間」などでも紹介されているように、大戦末期では脱走兵が続出し、自警団や親衛隊の脱走兵狩りが横行していた。
 進んで主人公ヘロルトの指揮下に入った古参兵たちはもしかしたら脱走兵で若造ヘロルトが偽大尉であることも何となく気が付いていたかもしれないが、大尉の服を着ている子供に従っていれば少なくとも自分たちは脱走兵ではないと言い訳できる、そんな「大人の事情」も見て取れるかもしれない。

 さて、下記の肖像写真が実際のヘロルトである。

実際のヘロルト。

 おそらく空軍に入隊したときの写真だろうから、まだ18か19歳の顔だ。なかなかの美少年である。
 邦画では、実在よりもイケメンの俳優が演じることが多いのだが、失礼ながら本作の場合は史実の方が麗しき人物に見える。ヘロルトを演じる俳優はスイスのベルン出身のマックス・フーバッヒャー、撮影時は24歳くらいだ。



 
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晴雨堂の2016年公開映画 残念ながら晴雨堂が劇場で観たのは「キネマ純情」と「帰ってきたヒトラー」の2作のみ。 

残念ながら 
昨年は映画館で観た作品は僅か二作。


 さて、今回も昨年1年間の公開映画を振り返る行事がやってきた。
 「日本で2016年に劇場初公開された新作」という条件に絞って晴雨堂が独断と偏見で優秀作品を1作ぐらいは選ぼうと考えた。
 具体的な評価基準は、劇場で1800円支払って鑑賞してなおかつDVDが発売されたら購入して本棚のコレクションに加えたい映画である。

 で、昨年に引き続き映画館へ行く機会がめっきり減った上に心に残る映画も思い浮かばない。リメイクやらシリーズものやら、たしかにそれなりに面白いかもしれないが、思い出に残る事はたぶん無い。季節が過ぎれば、数多くある映画の一つとして記憶の沼の底へ沈むことになる。
 かつては毎週末に映画館へ行ったものだ。なにしろ近所には歩いて10分以内の所に映画館があるのだ。映画好きにとって誠に素晴らしい居住環境、しかも私が観る映画の多くはメジャーではないため観客は下手をすれば私一人のときもあり貸切状態、まさにマイシアター状態なのだ。
 しかし子供が幼いとき、例えごくたまにとはいえ映画館へ行こうものなら、親戚縁者から吊るし上げにあう。ただでさえ仕事の関係で育児は連れ合いに任せっきりの状態ゆえたまの休みは子供の相手をするのは責務、映画館へ行くなど言語道断。

 それでも身内の批難を覚悟の上で観に行った映画があった。昨年5月に大阪第七藝術劇場で上映された「キネマ純情」と6月に日本初公開された「Er ist wieder da(帰ってきたヒトラー)」である。
 残念ながら劇場で観た映画は以上の2作のみである。




 
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井口昇監督作「キネマ純情」、ついに5月21日の第七藝術劇場(大阪十三)にて公開! ノーメイクスの舞台挨拶あり!

井口昇の青春百合映画『キネマ純情』、
キス寸前シーン多数の予告編も


 映画『キネマ純情』が、3月12日から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。

 同作は、ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』や映画『片腕マシンガール』などの井口昇が監督を務めた作品。自主映画に出演することになった演劇部の女子高生たちが、サディスティックな監督のナオミに精神的に追い詰められ、やがて彼女たちの関係にひずみが生じていく、というあらすじだ。女性同士のキスシーンが数多く登場する「青春百合映画」になっているという。(CINRA Net)


【雑感】CINRA Netの記事にあるように、東京では既に3月から上映が始まっている。また主演を務めるアイドル女優ユニット「ノーメイクス」も積極的に都内各地でライブを展開している。
 私はたまたま1年ほど前にノーメイクスのメンバーの洪潤梨氏(ホン・ユニ)のTweetを見かけノーメイクスの存在を知った。井口昇監督の作品はB級映画ファンゆえに以前からよく観ていたし、洪氏が大阪出身という親近感もあり、注目し続けていた。ノーメイクスの面々を見ていると、各々が際立った得意分野を持っていて個性が強い。井口監督がプロデュースなので、最初から垢抜けして全員同じ顔に見えてしまうようなアイドルユニットなんかつくるはずがない。
 大手の映画会社や出版社やテレビ局などが提携して映画作りをするのとは違い、これこそB級の醍醐味と思える経緯が面白い。

 映画ファンの諸兄の中には作品が全てで、完成するまでの経緯は知ったことではないと嘯く者もいるしそれは否定しない。だが、映画は作品以外からも価値を求める事が可能な分野なのだ。でなければ最低映画監督エド・ウッドが脚光を浴び、ジョニー・デップ氏が主演の伝記映画まで作られる現象をどう説明する?
 工業製品は製品にしか価値が求められないが、藝術というのは作品以外のところからも楽しめ、作品から幾つも物語が派生して楽しむ事ができるから面白いのである。

 作中の舞台も自主映画だ。もしかしたら、高校時代に関わった自主映画を思い出させる要素もあるかもしれないので、観る前からワクワクしている。



 大阪での上映は関西圏の映画マニアの本山の一つといえる第七藝術劇場で行われる。大阪十三の歓楽街の中にある映画館だ。風俗関係の店も立っているので、初めて行く若い婦女子には抵抗があるかもしれない。
 第七藝術劇場はポルノ映画の古典から政治的映画まで幅広く上映する気骨の映画館、そこで井口監督作・ノーメイクス主演の「キネマ純情」が封切られるのは当然の成り行きかもしれない。

 5月21日(土)20時30分から。井口監督とノーメイクスの面々による舞台挨拶とサイン会が行われる予定!

詳しくは下記のサイトへ

第七藝術劇場ホームページ


 
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