「スタートレック・コンティニューズ」 トレッキー諸君、注目!
【雑感】まず上記のYouTube動画を観てもらいたい。
USSエンタープライズ号ブリッジでカーク船長不在時に船長席でふざけるミスター加藤とチェコフとウラの3人。そこへカーク船長がブリッジに戻ってきて慌てて持ち場に戻る3人。
あれ? 全体の雰囲気はあの60年代のカーク船長版そのものなのだが、演じている俳優たちがどっか違う。ミスター加藤は日系人俳優がやってそうだが顔のつくりは全然違う。(しゃべり方はよく似ていたが)チェコフもやや野暮ったい。ウラに至っては知的でシャープなイメージだったニシェル・ニコルズ氏とは全くタイプが違う、ぽっちゃりオバチャンになってる。日本の女優に例えたら、小野みゆき氏から堀ちえみ氏に交代したような感じ。
そして最後にやってきたカーク船長、背格好はウイリアム・シャトナーなのだが顔が全く違う。だけと一目でカーク船長と認識してしまう奇妙な感覚。
もしかしたら、「スタートレック」の制作者ジーン・ロッテンベリ氏は、制作当時ウイリアム・シャトナー版以外にも全く配役を変えた試作ドラマを作っていたのか?
実はこれ、アメリカの著名な声優で熱烈なトレッキーとしても知られているヴィック・ミニョーナ氏らが最近になって制作した動画である。エンタープライズ号の船内セットからクルーの制服まで、オリジナル版のフィルムから丹念に分析して再現して撮影された。現在、短編作品多数、TV版と同じ50分尺の作品が4エピソードが制作されていて、内容は高水準である。よくもまあ、当時の世界観を再現させたものだ。ミニョーナ氏らのこだわりは凄まじい。
ミニョーナ氏らが放つ一連のエピソードは「スタートレック コンティニューズ」と称している。直訳すれば「スタートレック続行」、意訳すれば「スタートレック、その後」あたりか。
オリジナルでは5年間の調査飛行にとびだったものの、当時の稚拙な視聴率調査によって不人気の烙印を捺され最終回を迎えることなく3年で放送中止となった。ミニョーナ氏らの制作趣旨は、オリジナルで描写できなかった残りの2年間のエピソードを実写化することらしい。著作権については「本家」との話し合いはついているらしく、ネタを使う代わりに非営利で制作する条件のようだ。そのため我々も無償で観る事ができる。
ミニョーナ氏は少年時代からカーク船長のファンで、作品に対する思い入れは人一倍あり、エグゼクティブ・プロデューサー(この場合は最高制作責任者だろう)と監督と脚本と主役を兼任している。これは彼の独裁体制ではないか。さらに驚くべき事がある。下記に動画を貼り付けるのでご覧いただこう。
転送装置を操作する技術主任チャーリー(原版はスコット)、顔つきがジェームズ・ドーハンに似ている上に声がそっくりなのだ。よく雰囲気に近い役者を見つけてきたなと思っていたら、俳優の名がクリス・ドーハン、なんと実の息子さんがかつてお父さんが扮していたチャーリーを演じているのだ。
私は一昨年にコンティニューズの存在を偶然YouTubeで知った。コンティニューズは自前のホームページの他にYouTubeでもチャンネル開設して観る事ができる。観ているうちに次第に感激で涙が出た。今でも目頭が熱くなる時がある。英語が不得手なのだが、なぜか内容がすんなりと入っていく。あとで字幕を表示してみたら特に逸脱はない。トレッキーならどこの国・民族であっても通じるのだ。
今はミニョーナ版「宇宙大作戦」のファンになってしまった。
50分尺のエピソードについては今後おいおいレビューを書いていこうと思う。
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