晴雨堂の耕晴雨読な映画処方箋
 晴雨堂ミカエルの飄々とした耕晴雨読な映画処方箋。  体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。

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↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 映画好き・猫好き・ドイツビール好きです。よく晴れた爽やかな日はマウンテンバイクでサイクリングをしながら風景や野良猫を撮影します。
 リタイア後は田舎に帰り、晴天は畑仕事や庭いじり、雨天は読書や映画鑑賞の文字通り耕晴雨読の日々をおくるのが夢です。
 お金があれば郷里に「晴雨堂オタク記念館」を設立して地元の文化交流の発信基地にしたい、連れ合いは怒るだろうが。館長に任命してやるといったら言下に断られた。
 
 ブログを始めたのは2007年5月から、本格的に参考書に目を通しながら運営を始めたのは同年11月から、操作方法で度々ミスがあると思いますがご容赦のほど願います。
 現在、少しずつですがブログを観やすいよう整理を行なっています。


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2007年10月29日設置

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晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
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「山猫」-美術・歴史の勉強に 1
【2008/01/13 13:27】 映画・・美術・歴史の勉強に
ヨーロッパ美術を体感する映画
 
 

 
 ある映画サイトのレビューでは、退屈とか緩慢とか伸ばしすぎる旨の批判が見受けられる。たぶん、それは原作を読まずに映画を観たのが原因だろう。
 
 原作者のランペドゥーサはイタリア文学で必ず紹介されるほどの作家である。公爵の家柄で、「山猫」を執筆したのは晩年、しかもそれが処女作である。自身の体験や一族の歴史などを元にしたフィクションだけに、まるで実際の日記のように淡々と没落していく貴族と台頭する市民との対比が描写されている。(余談1)
 19世紀中ごろのイタリアを楽しみたい人には面白いかもしれない。「ゴットファーザー」とは違うシチリアが観られる。私は歴史に興味があるので退屈はしなかった。
 
 ヴィスコンティ監督も元は伯爵の家柄、没落貴族や退廃世界を描かせたら右に出るものは居ない。「山猫」はヴィスコンティ監督のための素材といっても言い過ぎではないだろう。

 言うまでもないことだが、原作と映画は別物と見なさなければならない。この作品も例外ではなく、映画としてのメリハリをつけるため些か脚色が過ぎるきらいはある。ただ19世紀のイタリアの様子はよく再現されているし、特に有名な舞踏会の場面は圧巻である。監督の徹底したこだわりでライト照明なしで撮影した。(余談2)
 
 現在であれば、フィルム感度も良くなっているしデジタル補正も容易にできるので、正味の自然光だけでも撮れるかもしれない。しかし当時のフィルムでは蝋燭の灯りを大量追加して光度をあげざるを得ないので、演じている正装姿の俳優たちはさぞや蒸し暑かっただろう。作中にもそれが窺われる。
 
 没落公爵のファブリッツォ役にバート=ランカスター氏、散在しながらも積極的に時流に乗ろうと動き回る若き甥タンクレディにアラン=ドロン氏、台頭する市民階層の美女アンジェリカにクラウディア=カルディナーレ氏、適切なキャスティングである。
 
 語弊を恐れずにいえば、映画を楽しむというよりも、美術を楽しむ感覚で観たほうが良いだろう。それから、この作品の場合はイタリア史と原作を予習しておくべきかもしれない。
 
1963年 伊仏合作 161分
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
原作 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
音楽 ニーノ・ロータ
脚本 スーゾ・チェッキ・ダミーコ 、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ 、エンリコ・メディオーリ 、マッシモ・フランチオーザ 、ルキノ・ヴィスコンティ
バート・ランカスター(サリーナ公爵)
アラン・ドロン(タンクレディ)
クラウディア・カルディナーレ(アンジェリカ)
リナ・モレリ(−)
パオロ・ストッパ(−)
ジュリアーノ・ジェンマ(−)
オッタヴィア・ピッコロ(−)
ピエール・クレマンティ(−)
ロモロ・ヴァリ(−)
セルジュ・レジアニ(−)
イヴォ・ガラーニ(−)
アイダ・ガリ(−)
マリオ・ジロッティ(−)
 
(余談1)今はどうか知らないが、象徴する場面であるバート=ランカスター氏とクラウディア氏の2人が踊る1ショットが文庫本の表紙になっていた。

(余談2)最初観たのは英語版だった。ここまでこだわっておきながら何で英語なんや、と憤慨したが、イタリア語版が発売されている?そうだ。
 
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