いよいよ政権交代か?(13) 近頃の現象[百五十九]
城内実ブログが炎上
総選挙に出馬する城内実氏(44)の後援会ポスターに写真を勝手に使われたと、タレントの眞鍋かをりさん(28)が訴えて話題になっている。これに対し、城内氏は、掲載許可を得たと自らのブログで主張している。真相はどうなのか。(J-CASTニュース)
【雑感】双方とも嘘をついているようには聞こえないのが難儀だな。城内サイドとしては無断で他人の肖像を選挙で使ったところでイメージが悪くなるだけでメリットは無い。眞鍋サイドにとっても言い分が事実なら特に支持していない候補者のために芸能活動を自粛せざるを得なくなるので損害だ。実際、昨年は衆院解散の可能性からミュージシャンのDAIGO氏が竹下元首相の孫であることを危惧して紅白歌合戦候補から落ちたという噂がある。
もし双方の主張が正しいとすれば、本人ではなくその下のスタッフのミスという事になる。双方のスタッフが、あるいは一方のスタッフが、人の話を希望的拡大解釈してしまったということになるか。
口約束だったのかな? こういう事は文書で確認しないと。あるいは衆目の前で本人同士が友好関係をアピールする場を設けておくべきだった。
城内実氏はたしか郵政民営化問題では造反組に加わったために小泉内閣の郵政解散で公認を外され、小泉氏ら執行部が送り込んだいわゆる刺客候補の片山さつき氏に敗れた。
問題の国会時、当時幹事長代理だった安倍晋三氏に制止されていたのを振り切って造反したのが印象に残っている。(記憶違いだったらごめん)
勇んで飛び出したものの、今や自民党からの支援が途絶えた浪人生活は窮乏していたと聞く。以前、造反組その後を取材したニュース特集では、まるで野党候補のような節約生活、妻は若く子供も幼い。多少は同情したものだ。
今回の事で城内氏のブログは炎上しているそうだ。メディアでの影響力は残念ながら眞鍋かをり氏のほうが上、政治不信によって政治家というのはただでさえ胡散臭く見られる。彼にとっては泣きっ面に蜂だ。


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「光州5・18」 絶望から脱出しよう〔28〕
光州事件を商業映画としては
初めて正面から捉えた問題作
【原題】華麗한 休暇
【公開年】2007年 【制作国】大韓民国 【時間】121分 【監督】金志勳
【脚本】ナ・ヒョン
【言語】韓国語
【出演】安聖基(パク・フンス) 金相慶(カン・ミヌ) 李瑶媛(パク・シネ) 李準基(カン・ジヌ) 宋在鎬(神父)
【成分】泣ける 悲しい スペクタクル パニック 勇敢 絶望的 切ない かっこいい 内戦 1980年 韓国
【特徴】1980年、民主化を叫ぶ光州市民と戒厳軍との衝突が勃発、一時内戦状態になった光州事件を正面から捉えて映画化。名優安聖基氏が市民義勇軍を指揮するリーダーに扮する。
前半は韓流恋愛ドラマ風に爽やかでほのぼのとしたテンポで進むが、市民側から見れば突如国軍が光州市制圧にやってくる。道庁政府の仲介と撤収宣言も無視され、国軍は市民に対して水平斉射を行い多数の市民が殺された。弟を殺された主人公は、恋人を守るため恋人の父でもある上司とともに市街戦に参加して抵抗する。
平凡な市民の視点で事件を描写した感動巨編である。
【効能】重い結末に涙が止まらなくなる。韓国人がなぜ日本人以上に反権力志向が強いのか、なぜ反米色が強いのかが理解できる。
【副作用】以前から事件を正面から捉え支援してきた人には、脚色臭エンタメ臭が不快感になる。
内乱は現代日本人の感性には違和感がある。特に嫌韓派には奇麗事の羅列に見えて不快感。
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表現の自由とは? (8) 近頃の現象[百五十八]
第1巻など作者サイトで無料公開
佐藤秀峰さんが、「ブラックジャックによろしく」第1巻など計500ページの漫画をWebサイトで無料公開した。(ITmedia)
【雑感】これは凄い。けっこう大変なことだぞ。
自分のホームページで「ブラックジャックによろしく」など漫画作品約500ページ分を無料公開、有料の漫画配信も8月中旬から行う予定か。出版業界タジタジだな。
「二十四の瞳」 家族と一緒に感動しよう〔11〕
【公開年】1954年 【制作国】日本国 【時間】156分
【監督】木下恵介
【原作】壺井栄
【音楽】木下忠司
【脚本】木下恵介
【出演】高峰秀子(大石久子) 天本英世(大石久子の夫) 夏川静江(久子の母) 笠智衆(分教場の男先生) 浦辺粂子(男先生の奥さん) 明石潮(校長先生) 高橋豊子(小林先生) 小林十九二(松江の父) 草香田鶴子(松江の母) 清川虹子(よろずやのおかみ) 高原駿雄(加部小ツルの父) 浪花千栄子(飯屋のかみさん) 田村高廣(岡田磯吉) 三浦礼(竹下竹一) 渡辺四郎(竹下竹一・本校時代) 戸井田康国(徳田吉次) 大槻義一(森岡正) 清水龍雄(相沢仁太) 月丘夢路(香川マスノ) 篠原都代子(西口ミサ子) 井川邦子(川本松江) 小林トシ子(山石早苗) 永井美子(片桐コトエ)
【成分】笑える 楽しい 悲しい 切ない かわいい 昭和初期~第二次大戦後
【特徴】高峰秀子氏(デコちゃん)の代表作。児童文学の壺井栄氏の原作を元に2時間半に渡って、小豆島の分校で出会った女性教師と12人の児童の触れ合いを描いた不朽の名作。戦闘場面を出さずに反戦を訴える作品としても優れている。
洋服姿の若い「おなご先生」時代の初々しさと、戦争を経て戦後の壮年時代の老け具合が巧い。男先生を笠智衆氏、失明しながらも生き残った教え子磯吉には若き田村高廣氏が扮する。キャスティングが良いので、本当に12人の子供たちが成長し大人になっていくように見える。
舞台となった小豆島の分校は現在観光地になっている。
【効能】教師と児童の絆に癒され感涙する。戦争時の銃後の厳しさを学べる。
【副作用】長い映画なので疲れて退屈する人が出てくる。
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宮坂絵美里 近頃の現象[百五十七]
「下品だ」「売春婦のようだ」
ミス・ユニバース日本代表の宮坂絵美里さん(25)が世界大会で着る衣装について、「下品だ」「売春婦のようだ」といった批判が殺到している。衣装制作に関わった老舗呉服屋や織元も怒りを隠さない。一方で、「海外うけする」と見る専門家もいる。(J-CASTニュース)
【雑感】最初に見た印象は、ロックコンサートでボーカルが着たら面白いな、と思った程度だった。悪い印象も無かったが、ありきたりのデザインだとも思ったので、可も無く不可も無くだ。
以前、丈を膝あたり、あるいは膝上15センチから20センチまで短くしてお尻が見えそうな浴衣が女の子の間で流行った。今年は肩や胸元を大きく魅せて西洋のイブニングドレス風に着るのが流行らしい。それに比べたら、よっぽどマシだけどなぁ。マシというのを別の言い方でいえば、インパクトが無くてつまらん。
「下品」「売春婦みたい」というのは言い過ぎでないか? 逆にあの程度で「売春婦」みたいに見えるというのが下品でいやらしいのではないか。あれが下品なら、女子フィギアやビーチバレーも猥褻だ。戦前のフィギアはロングスカートだったし、ビーチバレーなんかも紫外線の下で無理に水着風ウェアーでなくても体操服でええやないか。
着物とフィギアやビーチバレーの衣装とは意味が違う、という意見が出てきそうだが、そんなこと海外では判らんし解らん。日本人だけだ。
和装と考えるのではなく、和服もどきの海外仕様現代ファッションと捉えたらいいだろう。西洋もギリシアローマ時代のやや露出度のある衣装を参考にイブニングドレスをつくる事があるし。
問題の衣装、日本ではケッタイだが、海外の舞台ではまったく問題は無いのでOKだ。どうしてもアカンのなら、正統派花魁の衣装にすればいい。花魁装束なら豪華で上品で露出度も少なく海外ウケばっちりだ。
花魁衣装にすると、意外に「売春婦みたい」という批判が少なかったりして。
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18歳成人制度 近頃の現象[百五十六]
賛否両論
「まだ子供、絶対反対」「大人を自覚、賛成」

(読売新聞から)
法制審議会が成人年齢を「18歳に引き下げるのが適当」としたことについて、若者の生活習慣や文化に詳しい識者の意見は、「自立が促される」「機運が高まっていない」と賛否が分かれた。当の若者たちの反応も「早く選挙に参加したい」「大人の自覚生まれる」「関心がない」とさまざまだ。(毎日新聞)
【雑感】諸外国は18歳を成人年齢にしている事が多い。それに右へ倣えというのは安易過ぎる。それどころか、平均寿命が長くなった分、成人年齢を引き上げるべきではないかとさえ思っているぐらいだ。
読売新聞発表の上記の表、成人になると馬券が買えるとなっているが、正確には「成人した社会人」だ。成人しても学生は買えなかったはずだ。
「カルメン故郷に帰る」 寂しさをまぎらわす時に〔15〕
【公開年】1951年 【制作国】日本国 【時間】86分 【監督】木下恵介
【音楽】木下忠司
【脚本】木下恵介
【出演】高峰秀子(おきん/リリイ・カルメン) 小林トシ子(マヤ朱実) 坂本武(青山正一) 磯野秋雄(青山一郎) 佐野周二(田口春雄) 井川邦子(田口光子) 城澤勇夫(田口清) 小沢栄(丸野十造) 三井弘次(岡信平) 笠智衆(校長先生) 佐田啓二(小川先生) 山路義人(村の青年)
【成分】笑える 楽しい ゴージャス セクシー かわいい コミカル ストリップ コメディ 農村 50年代
【特徴】国産カラーフィルムによる初カラー邦画であると同時に、戦後復興が一通り達成し来たる高度経済成長の前夜を象徴するコメディでもある。
終戦後まもない長野県の農村が舞台。緑の農村に突然赤系のド派手な美女2人がやってくる。高度経済成長前夜に相応しく、2人のヒロインは暗い時代から明るい時代への移り変わりを象徴するかのように爽やかな新風のようにやってきて去っていく。シリアスさは殆ど無く、全編に渡って夏の明るさと天真爛漫な笑いに満ちている。デコちゃんこと高峰秀子氏の天然ボケキャラは巧い。
最初のカラー作品らしく、カラーフィルムの特性や当時の性能を十分考慮した映像づくりがなされている。男性目線になってしまうが、浅間山麓の草原で2人のヒロインが下着姿で踊りの練習をする場面は萌え。
【効能】デコちゃんの演技に寂しさや悩みが吹き飛ぶかもしれない。
【副作用】一部フェミニストには男性中心社会の弊害を描写した悲劇・もしくは社会批判映画に見えるかもしれない。
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「鬼の棲む館」 萌えたい時に〔15〕
【公開年】1969年 【制作国】日本国 【時間】76分 【監督】三隅研次
【原作】谷崎潤一郎
【音楽】伊福部昭
【脚本】新藤兼人
【言語】日本語
【出演】勝新太郎(無明の太郎) 高峰秀子(楓) 新珠三千代(愛染) 佐藤慶(高野の上人) 五味龍太郎(武将) 木村元(中将)
【成分】笑える 勇敢 知的 切ない セクシー 時代劇 チャンバラ 南北朝時代
【特徴】勝新・デコちゃん・三千代の奇妙な三角関係を描いた異色作。生真面目に生きようとする者と、唯我独尊の姿勢で煩悩に正直たらんとする者との身体をはった戦いが見もの。三千代扮する天真爛漫で欲望に正直な愛染がなかなか現代的で魅力ある。煩悩を捨て悟を開いたはずの上人様が愛染に論破され欲望を放出する様が小気味良い。まさに享楽主義と羞恥心との戦い。
愛染が全裸で仁王立ちになって高笑いする様が迫力ある。
【効能】人間としてどの生き方が正しいのか、考えさせられる。
【副作用】一部、作風から浮いている特殊効果があり、観ている者まで恥ずかしくなる。
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アイヌ民族 近頃の現象[百五十五]
政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治さとう・こうじ京大名誉教授)は29日、報告書を決定した。アイヌ民族を「北海道の先住民族」と位置付けた上で、国に「文化復興に配慮する責任がある」と明記。産業の振興、生活向上策など支援策に取り組むため包括的な新法制定の検討を求めた。(中国新聞)
【雑感】もし私が中国政府の役人だったら、ウイグルやチベットの問題で中国を非難する日本人に向かって以下のように言い返すだろう。
「我が国の国会では、各民族ごとに議席を用意している。日本ではアイヌ民族のための議席なんか無いではないか。我が国では、不十分かもしれないが少数民族のための自治区・自治州・自治県を設置しているが、日本でアイヌ民族のための自治県・自治市があるなんて聞いた事がない。我が国では不十分ではあるが、民族固有の言語・文字でも教育している。日本の公立学校でアイヌ語授業があるなんて聞いた事がない。
そもそも日本人はいまだに単一民族と思い込んでいるで、アイヌ民族を民族と認めていない、存在すら知らない日本人がいるではないか。自国の少数民族に対して無知無神経な日本人に非難されたくはないなぁ」
もっとも、制度こそ民族権利を認める形ではあるが、大昔に出会ったウイグル人労働者によれば「日帝の満州国より露骨で酷い」らしい。
日本もやっと重い腰をあげそうなそぶりを見せているが、前途はまだまだ多難だ。アイヌ民族の文化はかなり蹂躙され破壊つくされている。
集中豪雨(2) 近頃の現象[百五十四]
麻生太郎首相は29日、豪雨被害を受けた山口県防府市を視察するため同県入りした。首相は山口宇部空港で二井関成山口県知事と面会。被災者支援と財政支援を要望した知事に対し、首相は「地元の声や要望を直接聞かせていただき、この目で見て、どのようなことができるのか迅速に対応したい」と応じた。(毎日新聞)
【雑感】遅い。やむを得ぬ事情があると思うが、衆院選に気をとられて遅滞したというイメージは払拭できない。
お役所との調整で大変かもしれないが、首相ならイの一番に被災地視察だろう。業界団体を10も20も回る時間を作る調整はできているのだ。結局は気合の問題だ。
衆院解散時の両院集会で自民党代議士たちを前に麻生首相は、「私の望みは皆さんが全員この場に戻ってきてほしい」という趣旨の発言を目を潤ませながらした。誠に悲壮感あふれる感動的な場面だった。
だが、世の中には突然社員食堂に集合させられて、社長から解雇を告げられた派遣労働者が大勢いる。社長や工場長が「挨拶」するのはまだ良心的だ。多くは派遣先の会社から派遣会社の担当者に契約打ち切りを伝え、派遣会社の担当者が個別に労働者へ連絡して終りだ。本来派遣会社なら次の派遣先や就職先を紹介するのが筋だが、この不景気下でそれは殆ど無い。
残念だが、麻生首相以下自民党の面々は、国家や国民の事を考えているようには見えない。落選しても議員年金があるから生活の心配は無いので同情しない。
「迅速に対応したい」と言われても、既に視察の段階で遅滞だ。本人は被災地を優先したかったかもしれないが、結果として業界団体の挨拶回りという選挙活動の後に回された事実を前に、何の説得力があるのか?
行かんよりは遅滞でも行った方がマシだが。



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「黒の奔流」 人生の教訓に〔1〕
【公開年】1972年 【制作国】日本国 【時間】90分 【監督】渡辺祐介
【原作】松本清張
【音楽】渡辺宙明
【脚本】弘威雄 渡辺祐介
【出演】山崎努(矢野武弁護士) 岡田茉莉子(貝塚藤江) 松坂慶子(若宮朋子) 佐藤慶(倉石検察官) 松村達雄(若宮正道) 中村伸郎(北川大造)
【成分】パニック 不気味 知的 セクシー 愛憎劇
【特徴】野心家の若手弁護士は、厳しい法廷闘争である女性容疑者の無罪を勝ち取り、正義の弁護士として著名になるが・・。
知的で有能な男性の下半身の悲劇と、女の武器で男性を引き摺り下ろす薄幸の女性の対立が面白い。30代後半の岡田茉莉子氏がねちっこく好演する。対して若き松坂慶子氏の爽やかさは令嬢そのもの。
原作は松本清張氏なのだが、展開が米映画「陽のあたる場所」に酷似している。
【効能】だらしない色恋沙汰を好む男女への警鐘となる。女性の場合は、男性の下半身の欲望の弱さを知る。
【副作用】男性の場合、女性恐怖症になるかもしれない。
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残飯量世界一の日本 近頃の現象[百五十三]
公正取引委員会が、コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンに対し、販売期限が近づいた食品を値下げする「見切り販売」の制限に排除措置命令を出したことを受けて、読売新聞は主要コンビニ11社に緊急アンケートを実施した。(読売新聞)
【雑感】18歳の頃だったか、コンビニでバイトをしたことがある。賞味期限切れで廃棄する弁当やサンドイッチについて、コンビニの社員や上役と少し真面目な議論をした。既に当時から日本の食糧自給率の低さと残飯の多さは問題になっていた。私が18の頃は80年代の前半だ。
会社側の答えは明快だった。「売れ残らないように発注する、売れ残らないように売り切る、商いをする人間の責任と腕だ。売れ残りを出してしまった君の責任なんやで」
たしかにそれは正論だ。しかし・・。
現実問題としてそんな事を完遂できている商売人は何人いるのか。どんなに腕の良い商売人でも毎日売切れにできるなんてことスーパーマンだ。必ず売れ残りはある。さらに企業論理ではより売り上げを伸ばすことをテーマにしているから、売り切れるように少な目に発注ばかりするわけにもいかない。会社側の言い分は正論に見えるが、実は長期的には物理的にありえない理想論を述べているに過ぎない。
ある程度の成長をしたら地域経済との循環やバランスを考えておかなければならない。地球は有限だ。
コンビニ会社側が示したのは、彼らの利害が反映した一部分の事実を元にした見解でしかない。視点を変えれば、日本は消費される食糧の約6割を輸入に頼っていながら残飯量は世界一らしい。これでは世界中から非難の集中砲火を受けるのは目に見えている。日本が経済的に強ければ、そんな批判を跳ね返す事もできただろうが、経済的にも政治的にも弱っているこの期に及んでは、諸外国から様々な要求が繰り出されるだろう。相変わらずの残飯量が続いては、捕鯨船をつけ狙うシーシェパードに戦いの大義名分を与えるだけだ。
既に、近い将来マグロが漁獲高制限で食えなくなると言われている。マグロの養殖も始まっているが、産卵からの養殖ではなく幼魚であるヨコワを育てているのが一般的だ。幼魚を捕獲して育てているので、一からマグロを生産しているのではない。ヨコワが少なくなればそれも規制される。日本の遠洋漁業は次第に肩身が狭くなっているのだ。
そんな事がいくつも重なれば、銭を出しても食糧が確保できなくなる。
私がコンビニでバイトしていた80年代ではまだ経済成長が永遠に続く幻想が生きていた。しかし今は私の疑問や意見が「若造の理想論」ではなく、60億人民大衆の大常識であり大リアルであり、その存在の前にコンビニ会社ごときの論理は吹けば飛ぶ醜い塵の存在でしかない。
日本はアメリカの良くない所をマネしすぎた。方向転換をはからないと大変なことになる。目先の利益に気を取られすぎると、諸外国から玉とられるぞ。
ある程度、成長すれば循環を考えるべきだ。江戸時代を見習え。



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「トレマーズ」 寂しさをまぎらわす時に〔14〕
完成度の高いモンスターパニック。
【原題】TREMORS
【公開年】1989年 【制作国】亜米利加 【時間】96分 【監督】ロン・アンダーウッド
【原作】 S・S・ウィルソン ブレント・マドック ロン・アンダーウッド
【音楽】アーネスト・トルースト
【脚本】S・S・ウィルソン ブレント・マドック
【出演】ケヴィン・ベーコン(ヴァル/ヴァレンタイン・マッキー) フレッド・ウォード(アール・バセット) フィン・カーター(ロンダ・ルベック) マイケル・グロス(バート・ガマー) レバ・マッケンタイア(ヘザー・ガマー) ボビー・ジャコビー(メルヴィン・プラグ) ヴィクター・ウォン(ウォルター・チャン) ビビ・ベッシュ(メーガン) アリアナ・リチャーズ(ミンディ・スターングッド) シャーロット・スチュワート(ナンシー・スターングッド) トニー・ジェナロ(ミゲル) リチャード・マーカス(ネストール)
【成分】笑える 楽しい 不思議 パニック 不気味 恐怖 勇敢 絶望的 かっこいい コミカル 怪獣 ホラー
【特徴】陸のジョーズと呼ばれる低予算の傑作。アメリカのド田舎の集落を舞台に、地下に巣食う謎の生物との格闘を描く。
振動で地上の動物を察知し捕食する蛭のような地下生物、堅い岩山以外は全て危険、地平線が見えるような広々とした平原の集落なのに、家屋の屋上や屋根上に追い詰められ閉鎖された空間を演出しているところが巧い。登場人物はけっこう多いが個性的で覚えやすい、悲壮感ただよう「ジョーズ」と違い陽気で明るい雰囲気で物語が進行する点も魅力だ。アメリカの田舎の良さが出ている。
【効能】恐怖だけと明るくて楽天的で賑やか。寂しさが吹っ飛ぶ。
【副作用】怪獣の造型がやや稚拙、ヒロインが美人でないのでガッカリしてしまう。
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ウイグル族(4) 近頃の現象[百五十二]
田母神俊雄 近頃の現象[百五十一]
「ランボー 最後の戦場」 ストレス解消活劇〔51〕
【原題】RAMBO
【公開年】2008年 【制作国】亜米利加 【時間】90分
【監督】シルヴェスター・スタローン
【音楽】ブライアン・タイラー
【脚本】シルヴェスター・スタローン アート・モンテラステリ
【出演】シルヴェスター・スタローン(ジョン・ランボー) ジュリー・ベンツ(サラ・ミラー) ポール・シュルツ(マイケル・バーネット医師) マシュー・マースデン(スクール・ボーイ) グレアム・マクタヴィッシュ(ルイス) レイ・ガイエゴス(ディアス) ティム・カン(エン・ジョー) ジェイク・ラ・ボッツ(リース) ケン・ハワード(アーサー・マーシュ)
【成分】悲しい スペクタクル パニック 恐怖 勇敢 絶望的 切ない 熱帯 戦争映画 ビルマ ミャンマー
【特徴】「ランボー」シリーズ最終章として制作された。主演のスタローン氏自ら監督・脚本も担当し、亡命ビルマ人を俳優・エキストラに起用し、リアルな戦闘描写、臭ってくるような遺体の描写など、気合の入った作風である。映画の主題が亡命ビルマ人達への政治的支援なので、ランボーは控えめに主役を演じている。
奇しくも公開年にミャンマーがハリケーンに晒され多くの人々が被害を受け、ミャンマー政府の対応に諸外国が疑問を持つ。そのため、映画で描写された光景に説得力をもたせる結果となった。取材中の報道カメラマン長井健司氏がミャンマー軍によって射殺された事件も記憶に残る。
【効能】ランボーの戦闘術に溜飲が下がる。リアルな戦場描写に戦争疑似体験ができる。
【副作用】リアルな戦場描写に気分が悪くなる。シリーズの中ではランボーは控えめなので物足りなさを感じる。
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「デジレ」 ゴージャス気分を楽しむ時に〔1〕
【原題】DESIREE
【公開年】1954年 【制作国】亜米利加 【時間】110分
【監督】ヘンリー・コスター
【原作】アンネマリー・セリンコ
【音楽】アレックス・ノース
【脚本】ダニエル・タラダッシュ
【出演】マーロン・ブランド(ナポレオン・ボナパルト) ジーン・シモンズ(デジレ) マイケル・レニー(ベルナドット将軍/スウェーデン国王) マール・オベロン(ジョセフィーヌ) キャメロン・ミッチェル(ジョセフ・ボナパルト) エリザベス・セラーズ(ジュリエ) ジョン・ホイト(タレイラン公)
【成分】スペクタクル ゴージャス 不思議 勇敢 切ない かわいい 恋愛 戦争映画 ナポレオン 18世紀末~19世紀初頭 フランス
【特徴】革命の戦火に燃えるヨーロッパを舞台に、世紀のすれ違い恋を演じたデジレとナポレオンの物語。ダヴィッドの有名な絵画「ナポレオンの戴冠式」を忠実に再現した場面が評判だった。
マーロン・ブランド氏のナポレオンは日本の漫画トリオ横山ノック氏に影響を与え、ジーン・シモンズ氏のデジレは当時女学生だった池田理代子氏らに強い印象を与えた。池田氏の代表作「エロイカ」には本作の影響が随処にある。
【効能】最初から最後まで思い続けながら、一向に2人の距離は縮まらず、かといって離れもしない関係に、実際のもどかしい自分の恋と照らし合わされて共感する?
おフランスのゴージャスさが目の保養。
【副作用】庶民とかけ離れた恋のすれ違いに白ける。
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いよいよ政権交代か?(12) 近頃の現象[百五十]
民主マニフェストで麻生首相
麻生太郎首相は27日夜、民主党のマニフェスト(政権公約)に盛り込まれた子ども手当の支給や公立高校の無償化などについて「財源(の裏付け)が無責任で、極めてあいまいだ」と批判した。また、インド洋で給油活動を続ける海上自衛隊の撤収を同党が主張していたにもかかわらず、マニフェストに明記しなかったことに関しても「『ぶれた』と言われることになる」と指摘した。首相官邸で記者団の質問に答えた。(時事通信)
【雑感】麻生太郎首相の指摘は正しい。私も民主党マニフェストの概略を見ていると懐疑的にならざるをえない。
しかし、麻生氏の批判はあまり説得力を感じない。そもそも社会保険庁による年金杜撰管理は自民党政権下で行われてきたものだ。その他の官僚の怠慢と不正もだ。散々負の実績を積み重ね、財源を探すのを難しくしてしまったのは自民党政権である。
インド洋で給油活動を行っている海上自衛隊艦艇についても、仮に政権が変わったからといってすぐ撤収というのも諸外国に対して無責任だろう。
かつて社会党の村山富市政権が党是を破って自衛隊を容認したとき、古くからの社会党支持者や市民派を名乗る国民たちが社会党批判を繰り出したが、現実問題として武装した巨大組織を解体する事を簡単に論じている事のほうが私は恐ろしい。20万もの人間の首を一度に切る事がどれほど恐ろしいか、余った20万の受け入れ組織をつくる事がどれだけ大変か。自衛隊容認だけが原因ではないが、社会党は支持者が離れ組織がもたず分裂して現在のコンパクトな社民党になった。
そういう前例に比べれば、まだ民主党は幅が広くて柔軟だろう。



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小倉優子 近頃の現象[百四十九]
「封印しません。いけるところまで頑張る」
タレントの小倉優子が27日、都内で行われた『旅の指さし会話帳』のシリーズ累計300万部突破記念イベントに出席。先月、別イベントに登場した際、“こりん星”のネタ枯れをぼやき、その限界をほのめかしていた小倉だが、この日同作の“こりん星語バージョン”がお披露目されると「嬉しい! (こりん星ネタは)全然封印しない。いけるところまでこりん星で頑張りたい」と語り、さらなる意欲をうかがわせた。(オリコン)
【雑感】自宅からチャリンコで1時間ほど走った国道26号線沿いに、なんと「焼肉小倉優子」が建っている。ゆうこりんの度アップ写真が看板、大きく毛筆体で「焼肉小倉優子」、なかなか素晴らしいインパクトだ。思わず入りたい気持ちになってしまう。
「小倉優子」はすでに独立したキャラクターだ。美少女系アイドルとしてデビューした女優の中には脱皮するために脱いで少女系から卒業する者もいる。小倉優子氏は脱皮しない魅力で売った方が面白い気がする。つまり、プリンセス天功のように年齢不詳的キャラでいく。
ゆうこりんが40になっても60になっても殆ど容姿が変わらず“こりん星”で勝負していたら、けっこう格好良いかもしれない。若い頃の由美かおる氏よりも50歳の由美かおる氏のほうが魅力的だ。ぜひ小倉優子氏もそれを目指してほしい。下手にスタイルを大幅に変えるのではなく、基本形は頑なに変えずに強かに生き残ってほしい。
晴雨堂関連作品案内
真・女立喰師列伝 スタンダード・エディション [DVD] 押井守
ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ [DVD] 特撮(映像)
晴雨堂関連書籍案内
焼肉屋は食べ放題なのになぜ儲かるのか~小倉優子と学ぶ会計学~ 小倉優子
晴雨堂関連業者案内
焼肉小倉優子ホームページ



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「伝説になった英雄」 感動からエナジーを得よう〔8〕
ゲバラの側近たちが語る裏事情
【原題】EL CHE
【公開年】1997年 【制作国】仏蘭西 【時間】96分
【監督】モーリス・ダゴソン
【出演】チェ・ゲバラ(本人) フィデル・カストロ(本人)
【言語】スペイン語
【成分】悲しい 勇敢 知的 切ない かっこいい ドキュメント 一部白黒
【特徴】革命家チェ・ゲバラの生涯を追ったドキュメント。本作制作当時、ゲバラの遺骨が発見され没後30年を経てキューバに帰還した事が話題になった。カストロは「苦境のキューバを支援しに戻ってくれた事に感謝する」という趣旨の演説をした。
本作ではゲバラの側近のインタビューも多く、キューバ政府内での孤立や、要職を辞してキューバを離れる時のカストロとのすれ違いや思惑の相違なども紹介されている。
【効能】ストイックに夢と理想を目指すゲバラの姿に感動。妥協を重ねていく内に失ったモノを再認識させる。
【副作用】保守的な人の中には、単なるテロリストの美化にしか見えず不快感。
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いよいよ政権交代か?(11) 近頃の現象[百四十八]
兄孝太郎氏ほど気配り上手ではないのかな?
【雑感】兄孝太郎氏は気配り上手と聞く。以前に昼帯のバラエティ番組でアシスタントをやっているのを観たが、終始腰が低くて朗らかなお兄さんという体だった。なかなか賢い奴だ。
進次郎氏は兄上と違ってポーカーフェイスのクールで売るのかなと思った程度で、私はさほど気にも留めていなかった。世襲議員問題にしても、私はむしろ肯定的に考えているので悪い印象はもっていない。
しかし、これではあかんな。選挙参謀はもっと指導したらな。票を考えたら、ここは高校生プロゴルファーの石川遼クンみたいな爽やかなスポーツマン笑顔で対立候補と握手だろ。
野党候補として下積みを経験したら、若くてイケメンだから魅力ある人材になると思うが。



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集中豪雨 近頃の現象[百四十七]
福岡県大野城市乙金では26日午前11時過ぎ、九州自動車道福岡-太宰府インターチェンジ間で、道路わきの斜面が崩れ通行中の車両が土砂に埋まった。県警などが掘り起こして車を発見。1人が乗っているとみられ救出に当たっている。同区間の上下線が通行止めとなった。(毎日新聞)
【雑感】私は九州の人間ではないが、ニュース映像を観た時はショックだったな。九州自動車道は文字通り九州の大動脈だ。
若い頃、チャリンコ旅行で福岡から大野城市・大宰府・鳥栖市へと南下して熊本へ行くルートを走ったことがあるが、非常に開けていて都会だ。関西でいえば大阪・神戸近郊の中国自動車道に相当する。被災現場も関西では神戸JCT付近に土砂崩れが起きたようなものだ。そんな交通の要衝にコンクリで固めた壁ごと土砂崩れが起きて片道二車線の太い道路を塞いでしまう。この豪雨は尋常ではない。
なんで麻生太郎氏は一国の総理としてさっさと被災地視察に行かんのや? もう時機を逸したぞ。
「氷壁」 カップルで泣きたい時に〔23〕

(未ソフト化)
【公開年】1958年 【制作国】日本国 【時間】97分 【監督】増村保造
【原作】井上靖
【音楽】伊福部昭
【脚色】新藤兼人
【言語】日本語
【出演】山本富士子(八代美那子) 菅原謙二(魚津恭太) 野添ひとみ(小坂かおる) 川崎敬三(小坂乙彦) 山茶花究(常盤大作) 金田一敦子(八代の秘書) 浦辺粂子(小坂の母) 上原謙(八代教之助)
【成分】ファンタジー ロマンチック 知的 切ない 山岳 50年代 白黒映画
【特徴】正統派美女とよばれる山本富士子氏がヒロイン。彼女のキャラらしく日本髪に和服姿で登場。野添ひとみ氏は対立するキャラとしてブラウスにスカート、明るく発展的なキャラで描かれている。山岳を舞台にした恋愛ドラマ。
山岳映画の古典、ところどころ現代登山の常識からするとトンデモ場面がある。1960年前後の集合住宅での生活風景があり、ノスタルジーを感じる。
公開当時は全国に登山ブームを起こした。
【効能】古き良き日本の都市風景と山の風景に郷愁を感じる。
【副作用】他愛のない恋愛ドラマにガッカリ。ナイロンザイルは絶対に切れない、という常識に馬鹿馬鹿しさを感じる。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
「選挙」上映中 晴雨堂推薦映画
社会派監督想田和弘作「選挙」上映中!
【雑感】タイムリーな上映だ。想田和弘監督が市議選に出馬した友人の選挙活動に密着し選挙の楽屋裏を写したドキュメントである。撮影・編集を1人でこなした傑作。
選挙活動に参加した事の無い人間にとっては、面白い場面・奇異な場面の連続。選挙スタッフを務めた事のある人間にとっては身につまされる場面の連続である。
これを機会に、日本型民主主義や日本型選挙の不条理を知り、そんな選挙を支えてしまっている最大の功労者は普段投票に行かない浮動票の皆さんであることを御理解いただきたい。
晴雨堂映画館案内
第七藝術劇場 今月末日まで上映。
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F TEL:06-6302-2073 FAX:06-6302-8820
簡単に言うと、近所のシネコンでは上映しないような、地域経済に直接は結びつかない名作を主に上映する映画館。
初めて行かれる方、特に女の子は街の雰囲気にビックリするかもしれない。華やかな色街の一角にある居酒屋・割烹料理などが入っているビルディングの6階にある。
ライズX 8月7日まで上映。
東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル TEL:03-3464-0051
残念ながら、私は大阪の人間なので周辺地理はようわからん。
晴雨堂関連処方箋案内
社会を冷笑したい時に 2 「選挙」

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いよいよ政権交代か?(10) 近頃の現象[百四十六]
遊び覚えても遅い-首相発言
麻生太郎首相は25日午前、横浜市内で開かれた日本青年会議所(JC)の会合であいさつし、「日本は高齢者、65歳以上の人たちが元気。介護を必要としない人は8割を超えている」とした上で、「この人たちは働くことしか才能がない」と述べた。高齢者の活力を引き出す重要性を強調する中での発言だが、高齢者をやゆする意味も含まれるだけに波紋を呼ぶ可能性がある。(時事通信)
【雑感】政権を捨てる気なのかな? 日本の戦後復興や高度経済成長を支えてきた功労者諸氏に対して、それもこの世代は自民党支持者の中心世代でもあるはず、なんちゅうこと言うのか? 他に言いようがあるけどなぁ。
どうせ無神経になるのなら、選挙を放り出して山口や福岡の集中豪雨被災地で陣頭指揮を執る振りでもしてれば、少しは票になるかもしれなかった。もちろん、自民党の選対スタッフや被災地の警察・自衛隊・消防団にとっては超迷惑だろうが。
しかし、衆院を解散したとはいえ、麻生太郎氏はまだ一国の首相だ。国民の公僕第一人者である。いつもは御洒落にダブルカフスのワイシャツを涼しげに着こなした麻生太郎氏が、歳の割には体力のある身体を活かし泥だらけになりながら救助活動を手伝えば、いつもは世の中を斜めに見る私でも多分感動してしまうかもしれない。



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「蟲師」 孤独を楽しむ時に〔36〕
湿潤な日本の原風景にこだわった作品。
蟲師-ブルーレイ・エディション- [Blu-ray]
蟲師 大友克洋完全監修 蟲箱 [DVD]
蟲師 (通常版) [DVD]
【公開年】2006年 【制作国】日本国 【時間】131分
【監督】大友克洋
【原作】漆原友紀
【音楽】配島邦明
【脚色】大友克洋 村井さだゆき
【言語】日本語
【出演】オダギリジョー(ギンコ) 江角マキコ(ぬい) 大森南朋(虹郎) 蒼井優(淡幽) りりィ(庄屋夫人) 李麗仙(たま) クノ真季子(真火の母) 守山玲愛(真火) 稲田英幸(ヨキ)
【成分】ファンタジー 不思議 不気味 知的 切ない 湿潤 20世紀初頭 日本
【特徴】百年前の湿潤な日本の原風景を神秘的に再現する事を第一のテーマのようだ。緑濃き森林と湿っぽい日本家屋の雰囲気を壊さないようVFX映像を入れているところが巧い。
【効能】森林浴効果がある。民俗学に興味がわく。
【副作用】退屈に感じるかもしれない。
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鈴木早智子 近頃の現象[百四十五]
活動休止中の女性デュオ「Wink」の鈴木早智子(40)が、芸能人専門のAVレーベル「MUTEKI」から映像作品をリリースする。同レーベルの公式ホームページでは「第10弾芸能人 イニシャルS」として8月3日に情報解禁すると告知していた。(スポニチアネックス)
【雑感】これは、けっこう興味深いニュースだ。近年はお色気を意識した仕事が多いと思ったらとうとう。でも、どうせソフトポルノだろう。いわゆる「本番」はやらないと思うが。
鈴木早智子氏の暗いイメージが気になる。
私は以前から公言しているように、文化を差別しない人間である。書斎の本棚にはヒトラーの「我が闘争」のとなりに毛沢東の「毛沢東語録」があり、さらにその隣には後藤久美子氏の「ゴクミ語録」がある。アイドル水着写真集やヘアヌード写真集の隣には石川文洋氏の「ベトナム写真集」やマグリットの画集や韓国式キムチの百科事典がなどを置いてある。
アダルトビデオも立派なサブカルチャーである。大多数の人民大衆から強い支持を得ながら日陰の存在に甘んじているジャンルである。これはジャンルに対する偏見と差別だ。
2001年のカンヌ国際映画祭・審査員特別グランプリを受賞したポルノチックな映画、ミヒャエル・ハネケ監督「ピアニスト」を観たとき、日本のポルノ映画・アダルトビデオの水準が如何に高いかを実感した。「ピアニスト」のテーマや物語は日本ポルノが得意とする分野ではないか。「ピアニスト」がカンヌで高評価されるのであれば、日本ポルノはキラ星のごとく名作がある。
「おくりびと」の滝田洋二郎監督も「それでもボクはやってない」の周防正行監督も「パッチギ!」の井筒和幸監督らはポルノ映画出身だ。ポルノは有能な監督や俳優たちの人材プールの役割もある。
そういう意味で一世を風靡したメジャー芸能人がアダルトビデオやポルノ映画に出演する事は、アダルトビデオからマルチタレントへ活動の巾を広げて成功した飯島愛氏と同じく、AVというジャンルの社会的地位を上げる良いきっかけになると思っている。
ただ、気がかりな点がある。Winkの同僚である相田翔子氏はTVで活躍する現役芸能人の表街道の人というイメージがあるのに対して、鈴木早智子氏は相田氏に比べてTVでの活躍が少なく、近年では睡眠剤の多用で救急搬送される騒動を起こすなど、暗いイメージがある。だから、芸能界で落ちぶれてAV出演と見なされては、AV業界地位向上にマイナスだ。
宮沢りえ氏のように人気絶頂のハイティーン時代にヘアヌード写真集を出した事で一気にヌード写真が市民権を得たように、AVもそこそこ人気がある女優や男優が出演する必要がある。
晴雨堂関連作品案内
鈴木早智子 NATURAL Respect my life [DVD] 山谷亨
鈴木早智子 voice [DVD]
勝手にしやがれ!! 成金計画 [DVD] 黒沢清
ロマンティックマニア [DVD] サトウトシキ
逆鱗組七人衆 [DVD] 市川徹
零~re-generation~ ミュージック 鈴木早智子
La Gioconda ミュージック 鈴木早智子
Brunch-ブランチ- ミュージック WINK
Overture! ミュージック WINK
ピアニスト [DVD] ミヒャエル・ハネケ
晴雨堂関連書籍案内
Voice―鈴木早智子写真集 野村誠一
trentaine―鈴木早智子写真集 山内順仁
メルシー―鈴木早智子写真集 武藤義



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表現の自由とは?(7) 近頃の現象[百四十四]
「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」 ストレス解消活劇
長澤まさみ氏の眼力光る
【公開年】2008年 【制作国】日本国 【時間】118分 【監督】樋口真嗣
【音楽】佐藤直紀
【脚本】中島かずき
【言語】日本語
【出演】松本潤(武蔵) 長澤まさみ(雪姫) 椎名桔平(鷹山刑部) 宮川大輔(新八) 甲本雅裕(佐川出兵衛) 古田新太(人買い) 生瀬勝久(バクチ打ち) ピエール瀧(軍資金堀の侍) 黒瀬真奈美(みつ) 坂野友香(六郎太の妹さよ) KREVA(刑部付きの侍) 上川隆也(宿場襲撃隊・隊長) 國村隼(長倉和泉) 高嶋政宏(本庄久之進) 阿部寛(真壁六郎太)
【成分】スペクタクル パニック 不気味 勇敢 知的 切ない かっこいい コミカル 時代劇 戦国時代 16世紀 日本
【特徴】黒澤明監督「隠し砦の三悪人」のリメイクというよりは、ジョージ・ルーカス監督「スター・ウォーズ」のリメイクといった方が良い雰囲気に仕上がっている。
前作では上原美佐氏が素人の魅力でヒロイン雪姫を演じていたが、今回は演技力に定評のあるプロの長澤まさみ氏が雪姫を力強く演じている。
【効能】時代劇とは思えない冒険活劇にストレス解消。
【副作用】黒澤作品への冒涜、重度のストレスを感じ気分が悪くなる。
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千葉団地殺人事件 近頃の現象[百四十三]
千葉連れ去り、夫婦装いホテル転々
千葉市花見川区の花見川団地で洋服店員豊田愛子さん(61)が殺害され、次女の智美さん(22)が連れ去られた事件で、殺人と逮捕監禁の疑いで逮捕された住所不定、職業不詳仲田敬行(ひろゆき)容疑者(28)が、潜伏先の沖縄県内で智美さんとの夫婦を装ってホテルなどを転々としていたことが24日、捜査関係者への取材でわかった。(読売新聞)
【雑感】捜査関係者は連れ去った次女と無理心中をはかる最悪の結末も覚悟していたらしいが、ともあれ助かって良かった。
裁判員制度対象の事件になるだろう。これもかなり揉める。まず、仲田敬行容疑者が一連の犯行を行ったかのように報道されているので、強い先入観を植え付けられている。もう一つは、私が仲田容疑者の弁護士なら、監禁拘束されていた訳でないのに逃げなかった次女の行動を突く。
強い恐怖を与えられると精神的に拘束状態になって逃げ出そうという意思も発想もできなくなる、というのは聞いたことがある。連合赤軍による仲間内での虐殺事件でも、恐怖が支配して反論異論が言えず思考停止に陥り、進んで犠牲になったり殺したりした。
それからストックホルム症候群というのもある。命の危険を回避するため、本能的に犯人を慕うような行動をとってしまう。
この心理状態をどこまで認められるか、かなり議論が紛糾するかもしれない。
晴雨堂関連作品案内
狼たちの午後 [DVD] シドニー・ルメット



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