ベッキー・クルーエル 近頃の現象[二百八十二]
英・ベッキーがアキバに降臨
インターネット動画投稿サイトで爆発的な人気を呼び、リア・ディゾンを超えたと評判のイギリス・マン島在住の美少女、ベッキー・クルーエル(14)が25日、東京・秋葉原UDXで世界初単独ステージを行い、約600人の美少女ヲタクを熱狂させた。
白いキャミソールとチェックのミニスカで登場したベッキーは、「ミンナ、ドウモ、アリガトウ!」と日本語であいさつしながら、11月4日発売のコンピレーションアルバム「の、アッパー祭り。」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)に収録されている話題曲「男女」を熱唱。また12月9日発売のデビューDVD「ディス・イズ・ベッキー・クルーエル」収録の「NOAH」のメロディーに合わせて、長い手足を伸び伸びと動かすキレのいいダンスでも魅せファンを悩殺した。(サンスポ)
【雑感】リア・ディゾン氏よりは、ジャンル的にむしろカナダのHIMEKA氏だろう。アニメソングにハマって日本にやってくるとは素晴らしい。これは応援しなくてはなるまい。
チェックのミニスカートに白いキャミソールというのが巧い。このスカートは日本の女子中高生やアキバ系の記号みたいなものになっているし、キャミソールの白は清楚さと可愛らしさの象徴、綺麗な腋を魅せるのは男心をくすぐるテクニック。アイドル水着写真でも、腕をあげて腋をみせる写真のほうが売れるという統計結果が出ている。萌えを求める日本の青少年の胸をときめかすに十二分すぎるインパクトだ。
日本語はまだまだ不得手なようだが、ボキャブラリーが少ない割りに日本語の発声は比較的正確だ。訛りが少ない。日本のアニメが好きなことがここでもうかがわれる。日本で活躍するようになったら、一気にペラペラになるだろう。
日本に思い入れの強い人は発音も違う。例えばプロ野球の助っ人外人選手は何年も日本でプレーしているのに殆ど話せない人は少なくないのだが、大相撲の外国人力士は非常に流暢だ。語彙が少なくても発音は綺麗である。
彼女の顔つきは、まだ14歳ということもあるが凹凸の多い外人顔というよりは、日本人にとっても親しみのもてそうな丸みのある顔だ。
ちょうど似ている日本の芸能人がいる。「ハンサム★スーツ」に出演していた秋田出身の佐々木希氏だ。ロッテのガムだったかな「Fit's」のCMで「噛むんとにゃんにゃん♪」と歌いながら変な踊りをする女の子、彼女に雰囲気がよく似ている。2人並んだら姉妹か親戚といっても不自然ではないだろう。
やっぱり佐々木希に似ているなぁ。2人並んで踊ったらインパクトがあると思うのだが。


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女優評 上原美佐 「隠し砦の三悪人 (1958)」
伝説の美女
黒澤明監督作「隠し砦の三悪人」(1958年)で当時短大生だった上原美佐氏はヒロイン雪姫役で鮮烈デビューし、現代の私たちから見ても端正で凛々しい顔立ちと抜群のプロポーションでスターになるが、わずか2年程度で芸能界から足を洗った。本人いわく「才能が無いから」。
確かに演技力には疑問符がつく。台詞回しがぎこちなく素人ぽさが目立っていたように感じた。それに雪姫は作中通じてツンとした無表情であることが多く、あとは怒るか泣くか笑うか、微妙な感情表現は皆無だ。
たぶん、黒澤監督は演技力を評価してのヒロイン抜擢ではなく、雪姫というキャラクターと上原美佐氏の容姿がマッチングしたから採用したのだろう。
山野に切り開かれた採掘現場のような砂山の頂上に雪姫は姿を現す。まるで童か雲助人足が着るような袖無しの丈の短い着物にショートパンツのような袴をはいて仁王立ち。長い髪は後ろで括り、ミスタースポックみたいにつり上がった眉に大きな瞳で主人公の太平と又七を睨みつけるように見下ろす。人足のような粗末な衣装から伸びる美脚と端正な顔立ちは、ボロをまとっても姫であることは隠せない演出。(余談1)
そこに居るだけで圧倒的な存在感はなかなかのモノ、三船敏郎氏ら共演者の足を引っぱっていない。もし彼女が30年遅く生まれてCMモデルとしてデビューしていたら、きっと2年で芸能界から身を引くことはせず、そこそこの女優として定着したかもしれない。(余談2)
(余談1)言うまでも無いかもしれないが、この雪姫は後にアメリカSF版リメイクともいえる「スターウォーズ」のヒロイン・レーア姫の原型となる。
ルーカス監督は日本語版作成の際に、姫様らしからぬ男っぽく強い語調にこだわったそうだ。なるほど雪姫が元キャラならそうなるだろう。
「スターウォーズ」がTV放映されたとき、レーア姫を大場久美子氏が担当し台詞は上品なお姫様調になっていたが、レーア姫に似合わない弱々しさを感じた。ついでに言うと、ダースベイダーが単なるゴロツキ親分にされていた。「スターウォーズ」の性格やルーカス監督の趣旨を理解せずTV局の解釈で吹き返られた結果だ。
(余談2)同姓同名の83年生まれの女優がいるが、間違えないように。
2008年公開のリメイクでは長澤まさみ氏が雪姫に扮する。当然、今の長澤氏は当時の上原氏よりもキャリアを積んだ女優で一定の評価も得ている。どんな雪姫を演じるのか、それだけが楽しみで樋口監督作「隠し砦の三悪人」を観た。
予想通り、女優としてのキャリアは歴然としている。上原美佐氏はアイメイクに頼っていたが、長澤まさみ氏ならナチュラルメイクでも十分雪姫だった。ノーメイクでも十分演じられる。


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女優評 長澤まさみ 「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS (2008)」
「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」
瞳の演技が印象的。
率直に言って、黒澤明監督作の上原美佐氏よりもはるかに演技は巧い。当然だ、上原美佐氏は素人でヒロインを務めていたが、長澤まさみ氏は既にキャリアがあり高く評価されてきたプロ俳優だ。今回のリメイクは黒澤映画の信奉者たちから酷評の嵐を受けるのは必定だが、前作より優れている点をあげるとすれば、雪姫を演じた俳優のレベルだろう。
まず、発声が違う。真壁六郎太らを怒鳴りつける上原氏はかなり無理をしたぎこちない声の出し方だったように思うが、長澤氏の場合は怒鳴り慣れている雰囲気が出ていた。これが歳若い白面の端正な顔立ちとのギャップ効果があって良い。実際の長澤氏は清純派女優のイメージが強いどちらかといえばポッチャリとした可愛らしい顔立ちなのだが、作中では精悍さがでていて小気味良かった。男装のボロ着姿での立ち振る舞いも様になっていて、まさに戦国の世に生きる男勝りの勝気なお姫様だ。
次に素晴らしいのは、目の演技だ。上原氏は眉を吊り上げるアイメイクに頼って鋭さを演出していた(余談1)が、長澤氏はメイク無しでも十分演じられていた。監督らもそれを評価したのか、物語が進展するとともに薄めのメイクがますますスッピン調になっていったように思う。
前半の闘志に溢れた鋭い眼光、中盤で民の困窮に胸を痛める哀しそうな目、ラストでは山名家の捕虜となり小袖に打ち掛けに着替えさせられスッカリ精彩の無くなった目になるが、山名の侍大将を見る瞳は再び姫武将のような眼光に戻る。
ただ、私には残念に思う点もある。例えば敵の斥候を馬で追いかけ馬上から矢で射ようとする場面、なかなか迫力があり前作と違って雪姫が仕留めるのかと思ったら、斥候の騎馬武者の哀れな表情に躊躇してしまう。これは止めてほしかった。雪姫の優しさを表現したかったのだろうが、戦国時代の領主の娘は生首を見慣れて(余談2)おり、雪姫のように勝気で武道も手練の設定なら、血を見るのには慣れているはずだ。むしろ敵武者を夢中で討取った後、自分が殺した武者の遺体を見て少し表情を曇らせる方が設定と矛盾しない。
ラスト近くで松本潤氏扮する武蔵が敵方の武者に殺されそうになったところを助け太刀で一突きして倒すが、ぎこちない刀の持ち方や血が伝って手が赤く染まったことに動揺するのは、キャラ設定からして矛盾している。ありえない。
つまり、中盤以降は不用意に雪姫の純情さやか弱さを出しすぎているので、私には気に入らなかった。これは監督の指示なのだろうか? それとも長澤氏の勝手な解釈なのだろうか?
ラストのオチは予想通りの綺麗な終わり方だったので安堵した。松本潤氏が主役なので、よもや本格的な恋愛感情を持つ事にするのではなかろうかと警戒したが、さすがにそれはしなかった。武蔵への想いは恋愛感情とまではいかず好意に近い信頼関係で終わり、再び気を取り直して君主の道へ進む雪姫、この点に留めたのは正解である。
(余談1)「スタートレック」のバルカン人ミスター・スポックのようだった。
(余談2)取った首を洗って化粧して首実検(誰の首なのか、身分の高い武者の首なのかを確認する)に出すのは女性の役割である。もちろん侍女たちが行うのだが、大将や部将たちの妻も加わることもある。
ヨーロッパの主婦たちが屠殺した牛や豚をテキパキと解体し内臓を洗う場面を記録映像で見た事があるが、そんな感じに近いのではないか。
隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS スペシャル・エディション(3枚組) [DVD] 樋口真嗣


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派遣労働者 近頃の現象[二百八十一]
通常国会に-鳩山首相
鳩山由紀夫首相は29日の衆院代表質問で、労働者派遣法改正案について「3党連立合意に製造業派遣の原則禁止などが盛り込まれている。これらを踏まえ通常国会への法案提出を目指し、厚生労働省審議会で検討をスタートした」と述べ、規制強化に向け通常国会に提出する考えを示した。(時事通信)
【雑感】志は立派で歓迎なのだが、一度緩和したものを再び引き締めるのは抵抗が強い。今回の不況で打撃を受けた派遣業者は改正によってさらにパンチを受けてしまう事になる。
また、労働者にとっても暫くは寒い時期を過ごさねばならない。なぜなら、いまの社会で企業が正社員を大幅増員するとは思えないからだ。仮に増員したとしても新卒者か20代の人材で間に合わす。現在、派遣切りにあって職を探している人々に日があたることは多くない。
特に30代・40代にとっては正社員のハードルは高い。30代になってくると即戦力が求められる。同じ素人で20代と40代を比べて、私が中小企業の採用担当者なら20代をとる。やはり学習能力がまったく違うからだ。
もし私が大企業の役員なら、日本の生産拠点を維持する奇麗事は捨てて人件費の安い海外へ移すことを決断する。資本主義の世の中で経営維持とコスト削減による競争力確保を考えれば、どうしても必要なことなのだ。
介護や農業が受け皿になることが期待されたが残念ながら状況は厳しい。低賃金で過酷な労働環境、選り好みしなければまだ仕事はあるとは言うが、自分に全く合わない仕事をやって身体を痛めたりしたら、ますます仕事の選択肢が狭くなってくる。選り好みはしたくないが、続けられる仕事は選びたいのが人情だ。
企業にとっても労働者にとっても、アルバイトでは心もとないが、かといって正社員を雇う金がない、アルバイトよりは安定している、そんな緩衝地帯が無くなるのは厳しいのだ。
気がかりなのは、殆どの政治家は有名大学を出て有名企業や官僚などを経て政治家になっている。彼ら彼女たちの中で、工場で下働きをやったり水商売で神経すり減らした経験のある人は何人いるだろうか? 製造業派遣禁止に熱心な福島瑞穂氏はどこまで低所得労働者の気持ちを肌で感じているのだろうか?
かつて私が市民運動というものに参加したとき、運動にもよるだろうが、低所得労働者で毎日長時間作業服で働いている人間は私一人だけだった。他は私から見れば高学歴・高所得のホワイトカラーかその妻だった。
ふと思い出したことがある。製造業派遣が小泉政権によって緩和される以前から実は製造業派遣が行われていた。私が大学在学中(80年代末)にある派遣会社と契約して堺の工場へ「出向」という形で働いたことがあるのだが、これの法的位置づけはどうなっていたのだろうか?


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「オーストラリア」 ゴージャス気分を楽しむ時に〔4〕
「風と共に去りぬ」の20世紀豪州版
【原題】AUSTRALIA
【公開年】2008年 【制作国】濠太剌利 【時間】165分
【監督】バズ・ラーマン
【原作】
【音楽】デヴィッド・ハーシュフェルダー
【脚本】バズ・ラーマン スチュアート・ビーティー ロナルド・ハーウッド リチャード・フラナガン
【言語】イングランド語
【出演】ニコール・キッドマン(レディ・サラ・シュレイ) ヒュー・ジャックマン(ドローヴァー) デヴィッド・ウェンハム(ニール・フレッチャー) ブライアン・ブラウン(キング・カーニー) ジャック・トンプソン(キプリング・フリン) デヴィッド・ガルピリル(キング・ジョージ) ブランドン・ウォルターズ(ナラ) デヴィッド・ングームブージャラ(-) アンガス・ピラクイ(-) リリアン・クロンビー(-) ユン・ワー(-)
【成分】スペクタクル ロマンチック パニック 勇敢 かっこいい アボリジニ 第二次大戦 1940年代 オーストラリア
【特徴】イングランド貴族の夫人が夫を心配してオーストラリアの所領を訪れるところから話が展開する。ロンドンの上流階級育ちの夫人が雄大なオーストラリアの大自然と逞しいカウボーイに触発されて野生に目覚めていく過程を描写。「風と共に去りぬ」の豪州20世紀版といったところか。
日本軍の描写について批判あり。豪州では大ヒット作。
【効能】雄大なオーストラリアの描写とヒロインの変化に触発されて心が解放される。ニコール・キッドマンの中年の美しさに萌える男性あり。
【副作用】日本軍を史実より残虐性を過度に描写しているため、激怒する日本人観客あり。アボリジニの描写が豪州人の偽善的気罪滅ぼし臭くて嫌悪感をもよおす。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
マイケル・ジャクソン(4) 近頃の現象[二百八十]
ハロウィンが近づき、アメリカでは死者に関する特集がさまざまなメディアで企画されているが、世界有数の経済誌であるフォーブス誌がこのほど、2009年度の死亡後に稼いだ有名人ランキングを発表し、マイケル・ジャクソンさんは亡くなってから9,000万ドル(約81億円)を稼ぎ、エルビス・プレスリーを抜いて第3位になった。(シネマトゥデイ)
【雑感】同じこと思っている人は大勢いると思うが、生前は幼児虐待の少年趣味のショタコンのレイプ魔などと変態あつかいしていたのに、亡くなられると突然神様になってしまうか。げんきんなものだ。生前からマイケルを支持したれや。


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浅田真央(7) フィギュアスケート[十]
「浅田真央の問題はコーチ」
フィギュアスケートのGPシリーズ2戦に出場し、フランス杯2位、ロシア杯5位と、不振に終わった浅田真央選手。GPファイナルへの進出は難しいと見られ、五輪代表が懸かる12月の全日本選手権へ向けて復調が期待される。
米国の元フィギュアスケート選手で、世界ジュニアフィギュアスケート権優勝、四大陸フィギュアスケート選手権優勝など、トップ選手として活躍したJennifer Kirk氏は、浅田の不振についてブログで語っている。「浅田は常に好調な選手というわけではないが、現在の状態は浅田のレベルの平均以下である」とし、「原因の一端は、タラソワ・コーチにあると言っていいだろう」と述べている。
タラソワ・コーチについて「とても優秀なコーチであり、多くのトップ選手を輩出しているが、技術面よりも振り付けのコーチとして有名である」と説明。「タラソワ・コーチは浅田のトリプルアクセルに賭けているようだが、成功率が低くリスクが高すぎる」と指摘している。
さらに「浅田はスケート界の歴史において最も才能ある選手の一人であり、最近の不振は残念だ。タラソワが優秀なコーチであったとしても、浅田とは相性が良くないのかもしれない。コーチ陣について、真剣に考え直す必要があるだろう」と綴っている。(サーチナ)
【雑感】ジェニファ・カーク氏を覚えている人はまだまだ多いと思う。アメリカのフィギュア選手で村主章枝氏や荒川静香氏と同世代、全盛期は2000年前後、2000年の世界ジュニアフィギュアスケート選手権と2002年の四大陸フィギュアスケート選手権で金をとるが、表彰台にあがるのが当たり前のように思われている真央ちゃんと違って5位や6位に終わることも多かった。選手生活最後のシーズンでは四大陸選手権で銅メダルをとるも、他は10位とか17位に低迷、2005年9月に引退する。
表彰台に上がり続けることがいかに困難かを知っている選手といえよう。そして常に世界のトップクラスにたち続けてきた真央ちゃんの高い技量とストレスを肌で感じられる選手でもある。それだけにこのコメントは重みがある。
ただ、同じ人間でもその時の雰囲気や皮膚感覚で相性というものは刻一刻と変わっていく。かつてミキティ不振の原因と批判されていたニコライ・モロゾフ氏は今では挽回している。真央ちゃんが現在のタチアナ・タラソワ・コーチと組んだのは昨年。
ここ数年はアメリカへ拠点を移したり日本へ戻ったりと真央ちゃんの居場所が落ち着いているとはいえない。コーチをころころ代えるのもどうだろうか? 安定した練習環境を維持することのほうが大事ではないかと思うが。


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護衛艦「くらま」 近頃の現象[二百七十九]
衝突前、韓国船に伝達
28日に記者会見した北沢俊美防衛相の説明などによると、「くらま」は海峡通過にあたり、乗組員全員が見張りなどにつく「総員配置」の態勢を取り、甲板上にも隊員を置いた。艦長は見張りの隊員らからコンテナ船接近の報告を受けた。海上交通センターからも「近接している船があるが大丈夫か」と連絡が入ったという。艦長は「衝突回避のため急減速の措置をとったが間に合わなかった」と聞き取り調査に説明したという。
7管は同日、両船を業務上過失往来危険の疑いで現場検証して事故原因の究明に着手し、両船の航海日誌などを押収した。レーダー機器の記録などから詳しい航跡などを分析する方針だ。 (朝日新聞)
【雑感】事故直後、多くのマスコミは「すわ!自衛隊がまた不祥事か!」とでも言わんばかりの論調だったが、次第に事故原因は護衛艦「くらま」よりも、韓国の貨物船「カリナスター」と海峡の交通を監督していた海上保安庁にある可能性が出てきた。
「カリナスター」の船長は前方の船を追い越す際に海上保安庁へ「右から追い越したい」と打診したところ「左へ舵をきれ」と指示されたのできったら護衛艦と正面衝突した、と主張している。
海上保安庁は、「追い越したいのなら左から」と助言したが、あくまで最終判断と責任は船長にある、と主張している。
昔から万国法は右に舵をきるとなっていて、貨物船船長も当初は右から追い越そうとしていたようだが、右だと九州側の陸地に座礁する危険があり、海保は「どうしても追い越したいなら左へ」と意見したとのこと。
護衛艦「くらま」は狭く交通量の多い海峡ゆえ総員で警戒していたが「カリナスター」との衝突は避けられなかったとしている。
事実として平時の運行で艦を破損させてしまった件での艦長柏原正俊一等海佐の責任は存在するが、「くらま」自体は被害者だろう。素人考えからしても、なんでよりによってわざわざ狭い海域で「カリナスター」は追い越しをせなあかんのか、なんで海保はそれを思い留まるよう意見しなかったのか、不思議に思う。
「カリナスター」と海保は海難審判で対立するだろう。延々もめることを覚悟しなければならない。「くらま」の損害はどこが賠償してくれるのだろうか? 道路交通なら「カリナスター」側が主に支払うだろうが。
派手な衝突と火災の割りに死者が出なかったのは不幸中の幸いだ。
そして自衛隊の事故と聞くや反射的に自衛隊を非難してしまうマスコミ。ジャーナリズムの使命は権力の監視であり、軍・警察は権力の暴力装置ゆえに厳しい見方をしなければならないのは解るが、事実関係が明白でないうちから「くらま」を下手人扱いするかのような論調はいかがなものか?


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「卍(まんじ)」 萌えたい時に〔17〕
岸田今日子と若尾文子の魅力全開
【公開年】1964年 【制作国】日本国 【時間】90分 【監督】増村保造
【原作】谷崎潤一郎
【音楽】山内正
【脚本】新藤兼人
【言語】日本語
【出演】若尾文子(徳光光子) 岸田今日子(姉内園子) 川津祐介(綿貫栄次郎) 船越英二(姉内孝太郎) 山茶花究(校長) 村田扶実子(梅子) 南雲鏡子(清子) 響令子(春子) 三津田健(先生)
【成分】笑える ゴージャス 知的 セクシー コミカル 耽美 レズビアン
【特徴】谷崎潤一郎の官能小説を映画化。この「卍」は本作以降も何度かリメイクされ、樋口可南子氏らの83年版・坂上華織氏らの98年版・不二子氏らの2006年版がある人気作品だ。
名士の夫人が若い女性と同性愛の関係となり、夫や間男を巻き込んで愛憎劇を繰り広げる。後のリメイク作に比べると時代的制約もあるのかセックス描写は極めて地味だが、それが逆に若尾文子氏と岸田今日子氏との品格ある耽美を醸し出している。
【効能】ゴージャスなレズ場面に萌え。若尾文子の美しさと強かな魅力に女性も憧れる。
【副作用】ラストが納得できず釈然としない。パッケージの妖しさに対して内容が地味なのにがっかりする。
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浅田真央(6) フィギュアスケート[九]
「金メダルの目標変えない」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ2戦を終えた浅田真央(中京大)が27日、帰国。成田市内で会見し、フランス杯2位、ロシア杯5位の不振にも、「冷静になってみるとできないことは何もない。五輪で金メダルを取る目標を変えずに頑張りたい」と“復活”を期した。(産経新聞)
【雑感】プログラムを若干手直ししてミスを誘発させにくいものにしたとか。堅実な対策だ。
妍兒ちゃんも一時期は真央ちゃんに対抗して難易度の高いジャンプ技に取り組んでいたようだが、腰を痛めてからは表現力にシフトしたようだし。自分にとって最も相性の合うプログラムで最大限の力を引き出す戦術は正しい。
ただ、逞しさのあるミキティと違って、上品なしなやかさのある真央ちゃんなので、妖艶さを増してきた妍兒ちゃんとは違った清廉な妖精のようなプログラムを編み出してほしい気がする。
今回の不振で橋本聖子会長と面談するようだが、何を話すのだろうか? 選手一人呼び付けてアドバイスしても仕方が無いし、今後の戦術を練るのであればコーチやスタッフも同席して話し合うのが筋だろうが、そんなことをするとコーチと選手の間に「現場を知らないお偉方」が介入するような悪いイメージをもたれかねない。
不振といっても、ミキティの18・19歳の頃は入賞すらできず肩に脱臼癖をつけて引退まで考えたスランプ、これに比べればまだ軽度だ。たまに表彰台に立てなかったからといって、妍兒ちゃんに差をつけられたからといって、本人は慌てる必要は無いだろうし、外野も深刻に考える必要は無い。


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「砂の女」 孤独を楽しみたい時に〔41〕
【公開年】1964年 【制作国】日本国 【時間】147分 【監督】勅使河原宏
【原作】安部公房
【音楽】武満徹
【脚本】安部公房
【言語】日本語
【出演】岡田英次(仁木順平) 三井弘次(村の老人) 岸田今日子(砂の女) 伊藤弘子(-) 矢野宣(村人) 関口銀三(村人) 市原清彦(村人)
【成分】ファンタジー 不思議 セクシー 耽美 白黒映画
【特徴】安部公房の名作「砂の女」の実写映画化。本作映画はカンヌ審査員特別賞を受賞しているほか、アカデミー外国語映画賞や監督賞にもノミネートされている。
1人の中年紳士が昆虫採集中に立ち寄った風変わりな民家には若い女性が1人で住んでいた。彼はその家から出られなくなる。
白い単調な砂丘の風景と、砂の竪穴に建てられた小さな民家、そして白黒映像がよくマッチしている。
【効能】深夜に鑑賞すると夜の静けさを楽しめる。官能的妄想を楽しめる。岸田今日子に精力を吸い取られそうな錯覚に陥る。
【副作用】ラストが納得できず釈然としない。
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大河ドラマ「龍馬伝」 近頃の現象[二百七十八]
高知県への経済効果は234億円
日銀高知支店発表
日本銀行高知支店は27日、歌手で俳優の福山雅治が主演を務める2010年の大河ドラマ『龍馬伝』放送による高知県経済への波及効果は234億円になると発表した。同店は県外からの観光客は2008年に比べると37万人増加し、消費額についても74億円増になると予測している。(オリコン)
【雑感】私も高知出身なので、来年はお祭り騒ぎになるだろうと思う。何しろ高知空港を「高知龍馬空港」と名づけるほど、高知県にとって坂本龍馬は突出したヒーローである。悪く言えば龍馬に依存しているともいえるが。
土産物には龍馬のブロマイドをはじめ様々なグッズを売っている。因みに私の書斎にも椅子に腰をかけた龍馬の全身写真を壁に貼ってある。これらグッズに福山雅治氏の龍馬装束ブロマイドが加わったらどうなるか。
龍馬ゆかりの観光地や博物館も点在している。いつぞやの「功名が辻」でさえもブームになった、「龍馬伝」でブームにならないはずは無い。
NHK大河ドラマは地方にとってありがたい存在である。通常の時代劇であれば江戸(東京)ばかりが舞台になる。ところが大河ドラマなら偉人縁の土地が観光地として脚光を浴びるのである。しかも放送期間は1年もあり、町興し村興しにとって必要不可欠なメディアなのだ。
しかし、古代史が好きな私としては、もう少し古代日本も取り上げて奈良に活気を与える事もやってほしいものである。来年は平城京遷都1300年だから、てっきり女帝元明天皇をやると思っていた。


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「GAMA 月桃の花」 社会問題を考えたい時に〔16〕

(未ソフト化)
【公開年】1996年 【制作国】日本国 【時間】110分 【監督】大澤豊
【原案】嶋津与志
【音楽】海勢頭豊
【脚本】嶋津与志
【言語】日本語 一部イングランド語
【出演】朝霧舞(宮里房) 川平慈英(ジョージ) 玉木初枝(現在の宮里房) 新里奈津子(糸数文子) 沖田浩之(鳥羽軍曹) 平良トミ(カミおばあ) 中里友豪(現在の平良勝男) 知花章(宮里真助) 島袋匠造(平良勝男) 島袋利造(宮里真吉) ウエチ雄大(山城武吉) 當間武三(知念盛昌) 川満聡(比屋定亀助) 島袋也子(真壁ウメ) 國村隼(兵士) 吉田妙子(神谷ウタ)
【成分】泣ける 悲しい パニック 絶望的 切ない 第二次大戦 戦争映画 沖縄戦 1945年・1994年 沖縄
【特徴】沖縄戦終結50周年記念作品。政治的論議をよんでいる集団自決問題を扱った作品である。
日本人を母にもつアメリカ人青年ジョージは母の故郷沖縄を訪れ、祖母から沖縄戦の悲劇を聞くことになる、という形で話が展開されていく。洞窟に非難した沖縄島民は上陸侵攻するアメリカ軍と島民を守るはずの日本軍に「挟撃」させ惨い結末を迎えた。
主に反戦平和運動を展開する護憲派市民有志によって全国自主上映された作品。劇場公演は少なかった。
【効能】戦争に対する楽観的感覚を諌める効果がある。
【副作用】国家や軍隊に対して過度の不信感を与える。
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セント・ルイス風ハンバーガー 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[三十七]
セント・ルイス風ハンバーガー

【調理者】晴雨堂ミカエル
【食材】昨夜の残りのハンバーグ(鶏と牛と豚のミンチ、比率は鶏2・牛1・豚1 玉葱2個 卵2個 パン粉適量 ナツメグ適量 黒胡椒適当) 水菜
【作り方】昨夜のハンバーグ残りを同様に大蒜とオリーブ油で焼き、焼き色をつけたトーストにのせ、上から水菜とガーリックフライをのせる。仕上げはケチャップとマヨネーズ。
昨夜のハンバーグは1cm以上の厚さにしたが、今日のはパンにのせることを考慮して半分くらいに薄く伸ばした。

【雑感】少し古風なハンバーガーにしてみた。本来はレタスをのせるべきだが、きらしていたので水菜で代用する。
1904年のセント・ルイスで開かれた万博で、殺到する客に料理を手早く提供するためにハンバーグをパンに挟んでサンドイッチにした。これを「ハンバーガー」と称したらしい。もちろん、ハンバーガー誕生には他にも説があるようだが。少なくともアメリカで生まれたことは間違いない。
チンギス・ハーンのモンゴル騎兵が食べた野戦食がロシアで香草入りの「タルタルステーキ」になり、ドイツに伝わってソーセージのように焼いて食べる料理に変化、ドイツ移民とともにアメリカへ伝わり、現在のハンバーグ・ステーキが完成された。それが1860年代の南北戦争時代らしい。つまり「若草物語」の食卓にひょっとしたらハンバーグステーキがあったかもしれないのだ。
そういった事に想いを馳せながら食すと、またハンバーガーの香ばしさはひとしおである。
晴雨堂お薦めビール
ハンバーガーはアメリカ生まれの料理だが、ハンバーグの部分はドイツから伝わってきたものだ。また、アメリカのビールは今でこそヨーロッパ型とは似ても似つかぬ薄味清涼飲料水感覚だが、多くはドイツ型ビールが元となっている。20世紀初頭のアメリカのビールも、たぶん今よりは濃いビールだったと思う。
ベックスはドイツで最も世界で愛飲されている有名ブランドである。ブレーメンのビールで、ドイツ海軍に親しまれてきた。映画「Uボート」で、死地を乗り越えた祝いに乗組員1人1本ずつビールを振舞う場面があるが、そこにもハッキリとベックスのラベルが確認できる。
ハンバーガーにベックスはよくあう。


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自分に喝を入れたい時に 「ディファイアンス」
ダニエル・クレイグの殺気だった表情が魅力
【原題】DEFIANCE
【公開年】2008年 【制作国】米 【時間】136分 【監督】エドワード・ズウィック
【原作】ネハマ・テク
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【脚本】クレイトン・フローマン エドワード・ズウィック
【出演】ダニエル・クレイグ(トゥヴィア・ビエルスキ) リーヴ・シュレイバー(ズシュ・ビエルスキ) ジェイミー・ベル(アザエル・ビエルスキ) アレクサ・ダヴァロス(リルカ) アラン・コーデュナー(ハレッツ) マーク・フォイアスタイン(イザック) トマス・アラナ(ベン・ジオン) ジョディ・メイ(タマラ) ケイト・フェイ(ロヴァ) イド・ゴールドバーグ(イザック・シュルマン) イーベン・ヤイレ(ベラ) マーティン・ハンコック(ペレツ) ラヴィル・イシアノフ(ヴィクトル・パンチェンコ) ジャセック・コーマン(コスチュク) ジョージ・マッケイ(アーロン・ビエルスキ) ジョンジョ・オニール(ラザール) サム・スプルエル(アルカディ) ミア・ワシコウスカ(ハイア)
【成分】スペクタクル 勇敢 かっこいい 戦争映画 パルチザン 第二次大戦 1940年代 ポーランド ベラルーシ
【特徴】第二次大戦中、東欧の森深くに解放区をつくりユダヤ難民を受け入れドイツ軍と戦い続けたビエルスキ・パルチザンの実話を映画化。まるで20世紀に誕生したロビン・フッドのシャーウッドの森か中国の梁山泊のようである。ただし、時代劇の勧善懲悪活劇ではなく、リアルな山賊集団に描いている。
ダニエル・クレイグ氏の殺気だった演技に迫力がある。
【効能】絶望・意気消沈した心に愛の鞭で叩かれ熱くなる。
【副作用】倫理的に不快感をもよおす。パレスチナに対するイスラエルの仕業に嫌悪する者は本作に胡散臭さを感じる。
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浅田真央(5) フィギュアスケート[八]
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦ロシア杯に出場した日本選手団の記者会見が25日、当地で行われ、5位に終わった浅田真央(中京大)は、この先もショートプログラム(SP)、自由ともにプログラムの曲を変更しない意向を示した。SPで1度、自由では2度入れている3回転半ジャンプの回数も現行通りとする。試合後にタラソワ・コーチと話し合って確認したという。(時事通信)
【雑感】態勢の立て直しに躍起、といったところか。ロシア杯での大敗は深刻な影を落としているようである。バンクーバー・オリンピック出場権獲得を優先し、場合によっては今期グランプリ・ファイナルは捨てる算段ともとれる。かなり深刻な表情が画面に映っていた。
グランプリ・シリーズは6大会、そのうち原則として2大会にエントリーし、順位ごとに点数がもらえるシステムだ。2大会とも優勝もしくはそれに準ずる成績なら楽勝でファイナル進出なのだが、5位はきつい。せめてロシア杯で3位につけていたら、なんとか辛うじてなのだが。自力進出の道は殆ど閉ざされたと見るべきだろう。
ただ、このロシア杯で優勝したミキティ、完全に復調して元の輝きを取り戻した訳ではないと思っている。彼女は元々ダイナミックにジャンプ技を披露する選手であったし、最近まで続いたスランプがひど過ぎた。点数にしても、今フランス杯2位の真央ちゃんと同程度だ。
ビールマンスパイラルというのか、片脚を後ろへ上げて前からスケート靴のエッジを掴む技、真央ちゃんや妍兒ちゃんの方がしなやかで美しい。ミキティは身体が硬いように見えてしまう。
やはり真央ちゃんは素材としての価値は素晴らしいものだと思う。振り付けを工夫すれば、妍兒ちゃんに匹敵する美しさになるのは間違いない。
何がいけないのか? 韓国の中央日報では真央ちゃんが妍兒ちゃんに対して敗北と実力の差を認める発言をしたことを紹介した。日韓共通して、表現力の金妍兒・ジャンプの浅田真央のイメージが定着している。そして表現力の指導はコーチの責任、ゆえに日本では一部でコーチ交代の世論が起きつつある事を伝えた。
たしかに真央ちゃんの低迷とタラソワ氏コーチ就任の時期が合っているから、そんな声があがってしまうのはやむを得ない。日本スケート連盟の橋本聖子会長は「必要ならば、いい方向に持っていける人間を周りにつけないといけない」とコメント、このコメントは何を意味するのか?
ニコライ・モロゾフ氏の発言が気になるところだ。一時は安藤不振の原因とも批判されたが、今年初めの世界選手権でミキティが銅メダルを取った時に「(日本スケート連盟が)俺の邪魔をしなかったから成功したのだ」とモロに連盟批判をした。今回はフランス杯の信成君とロシア杯のミキティという具合に教え子2人が優勝した。発言力が大きくなる。


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連れ合いの誕生日 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[三十六]

【調理者】晴雨堂ミカエル
【食材】ハンバーグステーキ・・鶏と牛と豚のミンチ、比率は鶏2・牛1・豚1 玉葱2個 卵2個 パン粉適量 ナツメグ適量 黒胡椒適当 オリーブ油 大蒜
ハンバーグの付け合せ・・大根おろし 柚子ポン酢 エリンギ
味噌汁・・豆腐 椎茸 若布 愛農の味噌 鰹出汁
【作り方】玉葱を飴色になるまでオリーブ油で炒める。ボールに鶏・牛・豚ミンチ・卵・パン粉・ナツメグ・黒胡椒をあけてよくかき混ぜ、冷ました炒め玉葱を入れてさらにかき混ぜる。
フライパンにオリーブ油をひき、大蒜スライスを入れてよく香りをつけてから、ハンバーグを焼く。

ハンバーグは両面を強火で焦げ目をつけてから弱火で中まで火を通す。火の通り具合は肉の弾力で確かめる。
ハンバーグが焼けると、フライパンに残った肉汁と油でエリンギと大蒜を炒め、付けあわせを作る。

【雑感】連れ合いの誕生日10月25日の晩は私がハンバーグを作ることが毎年の恒例になっている。私にハンバーグを作らせたいのか、彼女はいつも私が作ったハンバーグが美味しいと言う。
たしかに、他の人がつくるハンバーグとは少し違う。ウチは鶏肉主体だ。カレーも肉ジャガもシチューも麻婆豆腐もチキンを使う。ビーフやポークは基本的に使わない。ホントはハンバーグも鶏だけにしたいのだが、誕生日なので牛と豚を混ぜて変化をつけた。
また、私は肉の臭いが嫌いなので、香辛料をよく使う。ハンバーグに香草やナツメグは欠かせない。混ぜる段階で生肉臭が消えて爽やかな香りがたたないと気がすまない。
焼くときも香り高いオリーブ油で焼き、さらに黒胡椒をかける。
ソースは大根おろしにポン酢であっさりと食べる。平素は肉を食さないし、せいぜいベーコンを少量使う程度だから、今晩のような「本格的肉料理」は大変な御馳走になる。ご飯も通常は玄米だが、今晩は朝日新聞購読の景品でもらったコシヒカリだ。たまに食べる銀シャリも美味い。
食糧自給率が低いくせに世界一残飯が多い日本、普段は一汁一菜の野菜中心生活にし、たまにハンバーグを御馳走として食べる事に意義がある。

むかしは所謂バースディケーキを買うか、あるいは連れ合いが作っていたのだが、近年は健康のためショートケーキで済ますようになった。
近くのケーキ屋でショートケーキを4種類買って、紅茶で食べた。私はモンブランが好物である。



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マエキタミヤコ 近頃の現象[二百七十七]
サステナ代表マエキタミヤコ
【雑感】朝日新聞の土曜版「be」(青)の一面に市民運動のための「広告会社」というべきサステナとその代表マエキタミヤコ氏の記事が大きく掲載されていた。
マエキタ氏は大学卒業後、大手広告会社電通へ入社し様々な商品の広告を手がけてきた。ある日、環境保護運動関係の人々知り合ったことがきっかけで、日ごろ商業主義の楽屋裏を目の当たりにし仕事のあり方を自問自答していた彼女は次第に環境NGOやNPOの広告を手がけるようになり、2002年に「サステナ」を設立する。
記事によると、問題意識が強い活動家・活動団体は社会へのアピールに無頓着であるそうだ。これは私も同感である。
藝大に通っていた頃、サヨク学生が配るチラシに唖然とした経験があった。わら半紙に墨一色刷り、字体・文体は70年安保闘争の頃のまま。「虐殺」「弾圧」「粉砕」「米帝国主義」といった漢字が並ぶ勇ましい文言を70年当時に使われたままの字体で書かれていた。
当時は80年代前半、既に漫画同人誌業界では自費出版漫画本を宣伝するのに、わら半紙ではなくピンクや水色の色上紙を使い、ワープロのある人はワープロ活字で、手書きでもレタリングを工夫して読み易いレイアウトにし、漫画同人誌なので当然イラストや漫画に紙面を割いている。広告媒体としての能力は遥かに漫画同人誌の人々のほうがレベル高である。しかも、驚くべきことに、そのチラシが配られていたのは早稲田や慶応ではなく藝術を専門とする藝大であり、配っているサヨク学生は一応藝大生である。
サヨク学生へのイメージが悪くなったのは当然である。
第一に、藝術を専門とする最高学府で、藝大生らしい工夫をせず旧態依然のやりかたを踏襲するだけの神経に絶望した。
というのも、広告媒体について素人であればいざ知らず、仮にも藝大生ならばその道のプロもしくはプロになろうとするアマチュアであるはずだ。それが全くできていない。何のための藝大だ。
できていない、ということは人民大衆に対して自分の主張を理解していただく意欲に欠けている動かぬ証拠である。
第二に、ちょっと反論を並べただけで、彼らは怒るか嘲笑いながら応えてくる態度が気に入らない。何のために運動をしているのか? 人民大衆の殆どがサヨクならば、学生ごときが運動するまでもなく心ある大勢の市民が動いているし、そもそも自民党長期政権なんてありえないのだ。多くの日本人が保守かあるいはサヨク思想の正当性を「知らない」から学生ごときが運動をしているのだろう。そのポジションが理解できていない。
なぜそれを理解できないのか? なぜ人民大衆に理解していただくように気を配らないのか? けっきょく心の底で人民大衆を馬鹿にし、自分たちは人民より上位の人間と思いたいのではないか、そういういかがわしい魂胆を疑うのである。
チラシ一つで大袈裟な勘繰りと思うだろうが、運動に対して謙虚になり、真に危機意識を持ち、真に世間への理解を求めているのであれば、人民大衆が関心を持つ最初の取っ掛かりであるチラシのデザインに心を配るはずだ。それができないということは、眉唾物と疑われても仕方がない。
中には日本人は馬鹿だと世情を非難する活動家もいるが、日本人は悪くない、悪いのは活動家である。
運動にお祭り・イベントとして「売り」出しTVなどを活用する広告宣伝の才に長けた辻元清美という人材が1人加わっただけで、サヨク護憲派のイメージは変わった。石坂啓氏ら漫画家が加わっただけでとっつきやすくなった。
そして電通からマエキタ氏が加わっただけで、環境NGOのイメージも変わった。
大声を上げるだけでは人の心は動かない。また大声を上げていればいずれ判ってくれることを期待するのは人の心が判っていない証拠だ。人民大衆のため、地球環境のために運動しているのではなく、運動している自分が好き、という自己愛でしかない。大衆は馬鹿ではなく、大衆に心根を見抜かれているのだ。
少し活動家を厳しく言ったのでちょっとだけフォローしよう。
私も運動経験があったので若干は判るが、非常に大変なのだ。仕事でヘトヘトになった後で、運動のためにチラシを作成したり配布書類を作ったり、運動員や協力者に連絡を入れたり、逆に運動員や協力者から相談を持ち掛けられたり、もう「身なり」に構っている余裕が無くなるのだ。いつしか考え方も硬直化してしまう。
活動家の多くも、判ってはいるが着手するだけの気力体力がない場合が多いと思う。


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「ROOTS/ルーツ」 家族と一緒に考えよう〔21〕
「スタートレック」と「ルーツ」の関係。
【原題】ROOTS
【公開年】1977年 【制作国】亜米利加 【時間】565分
【監督】デヴィッド・グリーン
【原作】アレックス・ヘイリー
【音楽】ジェラルド・フリード
【脚本】アーネスト・キノイ ジェームズ・リー
【言語】イングランド語
【出演】レヴァー・バートン(青年時代のクンタ・キンテ) ジョン・エイモス(壮年以降のクンタ・キンテ) タルマス・ラスラーラ(オモロ・キンテ) エドワード・アズナー(-) ルイス・ゴセット・Jr(フィドラー) ヴィク・モロー(エームズ) ローン・グリーン(-) マッジ・シンクレア(ベル) ロバート・リード(-) レスリー・アガムズ(キジー) チャック・コナーズ(モーア) リチャード・ラウンドトゥリー(-) ベン・ヴェリーン(チキン・ジョージ) オリヴィア・コール(マチルダ) ジョーグ・スタンフォード・ブラウン(-) ヒリー・ヒックス(ルイス) リン・ムーディ(アイリーン) ロイド・ブリッジス(-) リンダ・デイ・ジョージ(-) キャロリン・ジョーンズ(-) シシリー・タイソン(クンタ・キンテの母) ブラッド・デイヴィス(-) ブライオン・ジェームズ(-) マヤ・アンジェロウ(-) モーゼス・ガン(-) レン・ウッズ(-) O・J・シンプソン(戦士) ラルフ・ウェイト(-) ポール・シェナー(-) ゲイリー・コリンズ(-) リー・デ・ブロー(-) ターニャ・ボイド(-) セイヤー・デヴィッド(-) レイモン・サン・ジャック(-) ローレンス・ヒルトン=ジェイコブス(-) ジョン・シャック(-) マクドナルド・ケリー(-) スキャットマン・クローザース(-) ジョージ・ハミルトン(-) イアン・マクシェーン(-) ウォーリー・テイラー(-) ダグ・マクルーア(-) オースティン・ストーカー(-) バール・アイヴス(-) ジョン・クエイド(-) チャールズ・サイファーズ(-) トッド・ブリッジス(-) パット・コーリイ(-) ジョー・ドーシー(-) リチャード・ファーンズワース(-) スタン・ヘイズ(-) ヤフェット・コットー(-) メイコン・マッカルマン(-)
【成分】悲しい パニック 勇敢 絶望的 切ない 奴隷制度 民族差別 18世紀~19世紀 アメリカ
【特徴】アメリカのTV局が制作した小説家アレックス・ヘイリー氏の祖先たちが主人公の大河ドラマ。18世紀、アフリカのクンタ・キンテ青年が奴隷狩りにあいアメリカへ拉致されてから4世代に渡る苦難の歴史を描写。
本作には続編があり、4代目から現代のアレックス・ヘイリー氏自身のエピソードまで描写。
【効能】アフリカ系アメリカ人の苦難の歴史を学べる。人種差別について考えるきっかけになる。
【副作用】白人の描写がぬるい事に不快。
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浅田真央(4) フィギュアスケート[七]
フィギュア・ロシア杯
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第2戦ロシア杯が25日、モスクワで女子フリーが行われ、ショートプログラムで3位の安藤美姫(トヨタ自動車)が逆転で優勝した。SPで6位と出遅れた浅田真央(中京大)は5位に終わった。(産経新聞)
【雑感】真央ちゃん、フリーで挽回して表彰台にあがると思ったが、あまり伸びなかったか。こないだまでミキティが体験していた暗いトンネルに入ってしまったか?
ミキティは復活したと評価してもいいだろう。コーチのモロゾフ氏も鼻高々だな。教え子の織田信成君に続いて、ミキティも優勝なのだから。
いつぞやは日本フィギュアスケート界を非難していたが、その正しさを実証した格好となった。


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押尾学と高相祐一(2) 法廷スタイルについて 近頃の現象[二百七十六]
東京地裁には21日に行われた酒井法子被告の夫・高相祐一被告の傍聴希望者を上回る2232人が殺到。一般に割り当てられた座席は20で、倍率は111.6倍となった。(10月23日オリコン)
【雑感】どちらがTPOを心得ているか、だんぜん押尾被告の方だろう。
高相被告は一応ダークな背広ネクタイ姿で髪も整えていたが、着慣れていないのかぎこちなく見える。さらに法廷でペットボトルのお茶を片手に持っていて裁判官から注意されたり、検察の質問に「そうすね」とまるで中高生の子供のような返答。今までどんな社会生活をしてきたのか、本当に店を経営してきた経験があるのか?疑ってしまう所作に見える。
極めつけは、この期に及んで自分の職業を相変わらず「プロサーファ」と称したことだ。親に依存し、高相法子被告に依存し、虚構の肩書きにしがみつく、そんなどうしようもない男に見える。マスコミもそれを意識しているのか、やたらディスコで顔を歪めて舌を出しているだらしない表情の高相被告の画像を紹介することが多くなった。
対して押尾被告、同じくダークスーツに身を包んでいるが、高相被告より着慣れている雰囲気だった。髪も短髪で白髪を見せている。いかにも愁傷な態度に見えた。法廷内での態度も無難、何より裁判官から職業を聞かれると「無職」と答えた。これは潔い。プロダクションを解雇されているとはいえ、俳優やミュージシャンといった自由業は本人が廃業を宣言しない限り別に自称しても嘘にはならない。過去に活躍した実績がある限り、世間も認めてくれる職業だ。それを「無職」とは良き心構えだ。
しかし、高相被告は1人の女性芸能人のブランドを潰しただけだが、押尾被告の場合は1人の女性の人生を永久に潰してしまった疑いがかけられている。死者がでているのだ。
また、単に有名女優の夫になったということで有名になった素人さんの高相被告と違い、押尾被告はそれなりに俳優としての実力を認められた玄人である。
どんなに、所作を取り繕っても、遺族が投げかける疑念は払拭できない。


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浅田真央(3) フィギュアスケート[六]
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦ロシア杯(モスクワ)は23日開幕し、女子ショートプログラム(SP)が行われ、今季初戦の安藤美姫(21)=トヨタ自動車=は57.18点で3位スタートとなった。シリーズ初戦のフランス杯で2位だった浅田真央(19)=中京大=は51.94点で6位と出遅れた。(サンケイスポーツ)
【雑感】これは予想を上回る出遅れだな。点数も真央選手にしてはあまり良くない。フリー演技で挽回することを考えたら、3位くらいにつけておきたいところだ。
まだスタミナがきれる歳ではあるまい。リズムが良くない感じがする。逆に安藤美姫選手は無難な滑り出し、不調からようやく脱出したか。
ミキティ担当コーチのモロゾフ氏が以前に日本フィギアスケート界を非難していた。真央ちゃんの不調を日本の業界体質に問題があると言っていたのだが。


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町興し村興し「軍艦島」 近頃の現象[二百七十五]
“解禁”から半年、上陸3万人超 /長崎
長崎市沖合に浮かぶ端島(はしま)(通称・軍艦島)への上陸“解禁”から22日で半年。有名人を巻き込んだPR活動、世界遺産登録に向けた盛り上がりなどで、予想を上回る観光客が押し寄せている。市は新たな観光拠点にしようともくろむが……。(毎日新聞)
【雑感】廃墟の老朽化がかなり進んでいるので、見学できる地域はごく限られている。また、軍艦島を訪れる観光客は軍艦島だけが目当てだ。
軍艦島の対岸に関連の土産物屋や雑貨店やレストランなどをどう巧くプロデュースできるか。廃墟をイメージした観光地と昭和30年代40年代をイメージした観光地づくり、これらを平行して始めるのが良いと思う。


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「トレッキーズ スター・トレック万歳!」 知的興奮を楽しもう〔7〕
オタク讃歌
【原題】TREKKIES
【公開年】1997年 【制作国】亜米利加 【時間】87分
【監督】ロジャー・ナイガード
【原作】
【音楽】ウォルター・ワーゾワ
【脚本】
【言語】イングランド語
【出演】レナード・ニモイ(本人) ウィリアム・シャトナー(本人) デニース・クロスビー(本人) メイジェル・バレット・ロッデンベリー(本人) デフォレスト・ケリー(本人) ウォルター・コーニッグ(本人) ニシェル・ニコルス(本人) ジョージ・タケイ(本人) レヴァー・バートン(本人) マイケル・ドーン(本人) テリー・ファレル(本人) ジョナサン・フレイクス(本人) チェイス・マスターソン(-) グレイス・リー・ホイットニー(-) ケイト・マルグレー(-) ロバート・オライリー(-) イーサン・フィリップス(-) ブレント・スピナー(-) ウィル・ウィートン(-) ブラノン・ブラーガ(-) ジェリ・テイラー(-) ゲイリー・ロックウッド(-) ジェフリー・マンデル(-) ロクサン・ドーソン(-) ロバート・マクニール(-) ロバート・ピカード(-) ティム・ラス(-)
【成分】笑える 楽しい 知的 トレッキー ドキュメント
【特徴】「スタートレック」の熱烈なファンを指す「トレッキー」と呼ばれる人々を取材したドキュメント。
カーク船長、ミスター・スポック、ドクター・マッコイらエンタープライズクルーもインタビュー出演、貴重映像である。
【効能】アメリカのオタクに同志的感情を抱く。オタクであることに引け目を感じている人はオタクであることの誇りを持つ。とにかく愉快になる。
【副作用】オタクに偏見を持っている人には気味悪い作品。
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宅八郎 近頃の現象[二百七十四]
兵庫県警東灘署は23日、インターネットの交流サイト・ミクシィで知人を殺すなどと書き込んだとして、評論家の宅八郎氏(47)を脅迫容疑で書類送検する。(読売新聞)
【雑感】久しぶりに「宅八郎」の名を聞いた。彼は「噂の眞相」で執筆したり、本多勝一氏と握手したりと、けっこうサヨクの護憲派だ。批判スタイルも「反論」「異論」といった形が通用しないと判断すれば「復讐」に討って出る実利的な考えを持っている。
というのも、危害を加えられた場合、特に加害者が加害行為をしたことに気付かない時は怒って意思表示をしてやらなければならない。外国でナンパされたとき、嫌なら怒り顔で「NO!」と怒鳴ってやらなければならない、苦笑いで「Please」なんて言ったら相手は狂喜してしまう。それに近い。
「反論」や「注意」では相手は判らない、「復讐」してやってはじめて虎の尾を踏んだことに気付いてくれる。
問題の「被害者」は宅八郎氏をアニメやアイドルタレントに傾倒する「アキバ系」と評したようだが、上記の理由で私はそのような柔らかいイメージは持てない。
宅八郎方式は一理あるのだが、近頃のネット社会は神経質だ。ついに引っ掛かったか、という感じだ。「ブッ殺す」と書く前に「訴訟だ」は駄目なんだろうか?(これもつらいが)
巷では論争掲示板でも、感極まって罵詈雑言を言ったために、名誉毀損だとか人権侵害だとか訴訟になる噂をよく聞く。私自身、実際に法権力をちらつかせてきた人を何人か見たことがある。
文章では表情が見えない。活字という記号が並べられるだけなので、慣用句として解釈されずストレートに受け取ってしまうことが多々ある。それだけならまだいいが、昨年の秋葉原無差別殺傷事件のようにホントに有言実行してしまう者がいるのだ。
窮屈な世の中になってきた。


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日韓フィギアスケート論争 フィギュアスケート[五]
フィギュアスケートグランプリシリーズが始まって間もなく、日韓フィギュアファンの舌戦は早くも第二ラウンドに突入したようだ。キム・ヨナ選手のファンから始まった「ひまわりテロ」の論争が静まっていないまま、今度は「浅田真央にレーザーテロ」と主張する動画がYouTubeに掲載され、余波が続いている。Yahoo!のリアルタイム人気急上昇ワードに「浅田真央 レーザーテロ」が登場した。(サーチナ)
【雑感】問題の画像は観ていないし、観る気も無い。
姸兒選手が滑れば種がバラけるように向日葵の花束を投げ込んで妨害工作をしたとか、真央選手が滑ればレーザー光線で妨害工作をしたとか。
浅田真央選手と金姸兒選手を巡って日韓フィギアファン、あるいは真央ファンと姸兒ファンとの間で「論争」が巻き起こっている、これはある程度は仕方が無いだろう。
2人とも同じ1990年9月生まれ、わずか20日しか違わない同い歳、背格好もほぼ同じ、国際大会での成績も今回は姸兒選手が水をあけて優勢だが過去の実績はほぼ互角だ。同じ国の選手であっても双方のファンが舌戦を繰り広げるだろう、ましてや日本の第一人者と韓国の第一人者の競い合いである。
しかし当事者外の人間がガヤガヤ騒いでも仕方がないことだし、ファンであればむしろ落ち着いて練習できる環境をつくるよう協力してあげるべきだ。
またファンで無い人も、2人が正々堂々と切磋琢磨している状況が長く続けば続くほど、「商品価値」が長持ちし、フィギアやスポーツ界の発展だけでなくお互いの国益、引いては東アジア経済にプラス効果が出てくるのだ。
敢えて語弊のある言い方をすれば、この不景気に於いて2人は金のなる木である。どちらか片方が欠けると商品価値は無い。金閣と銀閣・飛車と角行のような状態でないと効果が無い。
一番悪い例がアメリカのケリガン・ハーディング事件だ。直接の影響は無いだろうが、あの事件以降のアメリカ・フィギアスケート界はサッパリではないか。


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南田洋子 近頃の現象[二百七十三]
俳優の長門裕之が21日午後7時より、出演舞台を終えた東京・明治座で会見に応じ、同日午前10時56分、くも膜下出血のため都内の病院で死去した妻で女優の南田洋子さんについて「最後(17日)、彼女が指をきつく握ってくれた“痛さ”はいい思い出になります」と涙をこらえながら語った。(オリコン)
【雑感】昨日、逝去されたか。一昨日の夫長門裕之氏の会見では、「もう洋子ではありません。(死期を)待っている状態」と沈痛な表情で語った。その時点ですでにどうしようもない状態だったのだ。
私は「クイズダービー」で珍解答するレギュラーとして印象に残っている。オカッパ頭のような独特の髪型のイメージが強いが、映画ではいろんな髪型になっていた。特に若いころは少女漫画のヒロインのようだった。
告別式は長門裕之氏の舞台公演が終わってから、との話で思い出した映画がある。「太陽の季節」だった。
2人の馴れ初めの映画であり、2人で主役を務めた代表作であり、主人公の友人役としてチョイ出演した石原裕次郎氏のデビュー作でもあり、石原慎太郎氏が芥川賞作家へと「出世」した記念碑のようなものでもある。
「太陽の季節」のラストは奇しくもヒロインの葬式の場面だ。遺影には20代前半の南田洋子氏の写真が飾られ、サザンの桑田佳祐氏そっくりの風貌の長門裕之氏が学生服姿で弔問に訪れ、まるで織田信長のように遺影に向かってお香を投げ付けるという狼藉をはたらく。騒然となった式場で遺族に向かって「あんたたちには解らないんだ!」と捨て台詞を残し、ツカツカと去っていく。
当時、南田洋子氏はトップスターであり、長門裕之氏は子役から下積みで俳優をやっている若手だった。長門氏のギャラは南田氏の十分の一だったそうである。
南田氏は「太陽の季節」を読んで感動し、映画化を発案し、相手役に長門裕之氏を選んだそうだ。長門裕之氏にとってビジネスパートナーとしてもかけがえの無い存在だった。
あれから半世紀以上が経ってから、再び「ヒロイン」の葬式に望まなければならないとは、切ない因縁である。
晴雨堂関連作品案内
太陽の季節 [DVD] 古川卓巳
晴雨堂関連書籍案内
太陽の季節 (新潮文庫) 石原慎太郎


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「鉄道員」 家族と一緒に考えよう〔20〕
【原題】IL FERROVIERE
【公開年】1956年 【制作国】伊太利 【時間】115分
【監督】ピエトロ・ジェルミ
【原作】
【音楽】カルロ・ルスティケリ
【脚本】 アルフレード・ジャンネッティ ピエトロ・ジェルミ ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
【言語】イタリア語
【出演】ピエトロ・ジェルミ(アンドレア・マルコッチ) エドアルド・ネヴォラ(サンドロ) ルイザ・デラ・ノーチェ(サーラ) シルヴァ・コシナ(ジュリア) サロ・ウルツィ(リヴェラーニ) カルロ・ジュフレ(レナート) レナート・スペツィアリ(マルチェロ)
【成分】泣ける 切ない かわいい ホームドラマ 鉄道 1950年代 イタリア 白黒映画
【特徴】イタリア映画の古典的名作。平凡で頑固な鉄道マンの親父とその家族の物語。優しい母親、反抗的な長男と勝手に妊娠する長女、そして父親を英雄視する末っ子。戦後まもないイタリアの典型的な庶民の姿を描いた作品だが、いつの時代・どこの国でも通用する普遍的なホームドラマ佳作である。
ギターの音色を中心とした暗い調子のテーマ曲は、映画音楽の名曲としてたびたび取り上げられる。
【効能】平凡な家族のありがたさを実感する。
【副作用】内容がやや暗いので気分が落ち込む。
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「チェ 39歳 別れの手紙」 自分に喝を入れたい時に〔29〕
【原題】CHE: PART TWO
【公開年】2008年 【制作国】仏蘭西 西班牙 亜米利加 【時間】133分
【監督】スティーヴン・ソダーバーグ
【原作】
【音楽】アルベルト・イグレシアス
【脚本】ピーター・バックマン
【言語】スペイン語 一部イングランド語 フランス語
【出演】ベニチオ・デル・トロ(エルネスト・チェ・ゲバラ) ヨアキム・デ・アルメイダ(バリエントス大統領) デミアン・ビチル(フィデル・カストロ) カルロス・バルデム(モイセス・ゲバラ) エルビラ・ミンゲス(セリア・サンチェス) フランカ・ポテンテ(タニア) カタリーナ・サンディノ・モレノ(アレイダ・マルチ) ロドリゴ・サントロ(ラウル・カストロ) ルー・ダイアモンド・フィリップス(マリオ・モンヘ) マット・デイモン(-) カリル・メンデス(-) ホルヘ・ペルゴリア(-) ルーベン・オチャンディアーノ(-) エドゥアルド・フェルナンデス(-) アントニオ・デ・ラ・トレ(-)
【成分】泣ける 悲しい スペクタクル パニック 勇敢 知的 絶望的 切ない かっこいい 革命 戦争映画 ボリビア 1966年~1967年
【特徴】ソダーバーグ監督チェ2部作の後編にあたる。前編は軍医としてキューバ革命軍に参加したチェが次第に革命の中枢リーダーとなり、コマンダンテ(司令官)として要衝サンタ・クララを制圧するまでを、まるで監督自身がゲバラの軍に従軍しながら撮ったかのように描いた。
本作はゲバラが思いつめてキューバを出国し、ボリビアに南米全体を「解放」するための拠点をつくるべく解放軍を組織し山中を彷徨する様を描く。前編では一種のサクセスストーリーだが、後編では転落の日々である。次第に追い詰められていく様が痛い。
【効能】ゲバラの信念に勇気付けられる。日ごろ悩んでいた事が軽く見える。
【副作用】冒険活劇が好きな人、ハッピーエンドでないと納得しない人には不向きな作品、盛り下がって暗い気分になる。
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浅田真央(2) フィギュアスケート[四]
開幕いきなりSP曲変更へ!
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦・フランス杯で2位に終わった浅田真央(19)=中京大=が、今季のショートプログラム(SP)を変更する可能性が出てきた。音楽を「仮面舞踏会」からエキシビションで使用している「24のカプリース(ニコロ・パガニーニ作曲)」に変更するというもの。早ければGP第2戦・ロシア杯(22~25日)後にも新プログラムに移行することになりそうだ。浅田は20日、ロシア杯に向け、非公開で練習を行った。(スポーツ報知)
【雑感】ここへきて急にプログラム変更とは、やはり大差で金妍兒選手に敗れたのが相当ショックだったか。
このプログラム変更は悪くないと思う。妍兒ちゃんとの個性の違いはもはや明白、15歳当時はどちらかといえば妍兒ちゃんのほうが若干やぼったさがあったが、今は垢抜けした妖艶さで様々な演技をこなしている。
体型もモデル並みの引き締まったスレンダーなプロポーション、特に腕が長くバレエのような上品でしなやかな演技は世界第一人者ではないか。妍兒ちゃんの演技を見た後では、他の選手はラジオ体操のように腕を振り回しているようにしか見えない。
対して真央ちゃんは、失礼なことを敢えて言えば幼女体型のまま大きくなってしまったというか、ともなく妖艶なキャラや演技は全く似合わないのだ。そしてそれが実は真央ちゃんの魅力でもある。となれば、無理に大人の女性という要素を前に出すよりも、溌剌として元気な美少女系キャラとして、スピーディーにダイナミックに難易度の高い技を当たり前のように軽々とこなしていく、そんなイメージで攻めていったほうが良いのではないかと思う。
3回転ジャンプをするにしても、他の選手ではドッシリと重たく感じてしまう。妍兒ちゃんでさえも腰に響きそうなストレスを感じるが、真央ちゃんがうまく決めたジャンプは体重を感じさせない。だから氷上を駆け抜ける清純な青い妖精のイメージで勝負をかけたほうが効果がある。


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