晴雨堂の2009年公開映画10選。
今年も残すところ後1日足らず、この1年も粒揃いの映画があった。以下、晴雨堂が映画館で鑑賞した今年日本公開の映画の中から、イチオシ順に列挙する。選考基準は、また劇場公開したら1800円を払っても観たいと思った作品、DVD化されたらアリ金はたいてでも手にいれたいと思った作品、この2点である。
但し、あくまでも晴雨堂の好みや趣味などの主観によって選んだものなので、読者の皆さんの趣向に合うとは限らない。
1「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」
2「劔岳 点の記」
3「ヤッターマン」
4「愛を読むひと」
5「フロスト×ニクソン」
6「鴨川ホルモー」
7「ディア・ドクター」
8「クヒオ大佐」
9「ウォーロード/男たちの誓い」
10「ハゲタカ」
番外「劔岳 撮影の記 標高3000メートル、激闘の873日」
この結果を見て、中年スケベ根性まるだしの「ヤッターマン」が「愛を読むひと」「フロスト×ニクソン」を差し置いて上位にある事を怪訝に思ったり、奇異に思ったり、不快に思ったりする人が少なくないと思う。
あくまで、わたくし晴雨堂の主観である。制作陣が作りたいと考えている目的とテーマと予算がつりあった完成度の高さを考慮している。
それでは皆さん、来年も良き映画にめぐりあえることを祈り、年を越しましょう。



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小沢一郎 近頃の現象[三百二十八]
小沢一郎氏が社民、国民新に
民主、社民、国民新3党の幹事長、国対委員長は29日夜、都内の日本料理店で会談した。民主党の小沢一郎幹事長は「来年の盆や暮れにもこういう会合をやろう」と述べ、来年夏の参院選で同党が勝利し、単独過半数を獲得した場合でも、現在の3党連立の枠組みを維持する意向を伝えた。(時事通信)
【雑感】ほんまかいな! まぁ、「君らとの付き合いは参院選勝利まで」とは言えんだろうけど。
もっとも、民主党から連立解消を切り出すことはしないだろう。切るときは、あくまで民主党は連立維持に苦慮する姿勢をとりながら、社民・国民から出て行くように仕向ける。



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「ウォーロード/男たちの誓い」 孤独を楽しむ時に
金城武の辮髪が観れるかもしれない。
【原題】投名状
【英題】THE WARLORDS
【公開年】2008年 【制作国】中 香 【時間】113分 【監督】陳可辛 葉偉民
【原作】
【音楽】金培達 陳光栄
【脚本】須蘭 秦天南 林愛華
【出演】李連杰(龐青雲) 劉徳華(趙ニ虎) 金城武(姜午陽) 徐静蕾(蓮生) 魏宗万(陳大臣) 王奎栄(姜大臣) 顧宝明(狄大臣) 周波(陸大山) 郭暁冬(黄文金) 石兆叙ャ(何魁)
【成分】悲しい スペクタクル 勇敢 切ない かっこいい 清王朝 太平天国 1860年代前半 中国
【特徴】香港や中国の映画賞を独占した超大作。太平天国の乱で揺れる清朝末期が舞台。官軍の落ち武者龐将軍と盗賊団を率いる趙姜兄弟が三国志のように義兄弟の誓いを立て、清朝に反旗を翻したキリスト教信徒ら太平天国軍と戦う。
迫力ある合戦シーンと、3人の義兄弟たちの思惑や性格の対立が物語の核となる。金城武氏は他の仕事の関係から他の2人のように辮髪メイクのための坊主頭にはできず、全編殆どで帽子を被っている。ただ特殊メイクで辮髪姿はHPで披露していた。
【効能】。
【副作用】。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
男優評 サム・ワーシントン ターミネーター4 (2009)
なぜマーカスを単独主人公にしないのか?
作品レビューで述べた通り、マーカスは新シリーズT4からT6を通じて主人公であるべきキャラクターだ。
鑑賞する前はジョン・コナーがどのような経緯で人類軍の最高司令官になっていくのか、父親となるカイル・リースとどこで出会い、どんな顔をして話しかけるのか、これが最大の関心だった。
ところが、本作の冒頭場面はシリーズ初登場のマーカス・ライトだった。しかも処刑直前の囚人の姿だ。最初からかなりインパクトがある。そこへ額が大きく丸い女性が面会にやってくる。どうやらガン治療で頭髪が抜けている頭をスカーフで隠しているようだが、逆に広すぎる額を強調している。
彼女はマーカスに献体を勧めている。ああ、なるほど。さてはスカイネットのサイバーダイン社か。案の定だ。マーカスは手錠をかけられた手でペンを持ち承諾のサインをする。処刑台に乗せられたマーカスは薬殺処刑となる。(余談1)
やがて、十数年後に全く歳をとらず若いまま全裸の状態で地上に放り出されるようにマーカスは出現する。ここが何処なのか、世界がどういう状態なのかわかっていないようだ。殺人ロボットT-600を人間と間違えて声をかけてしまったり、カイルから今が2018年と聞いて釈然としなかったり。
だが、カイルに銃口を向けられた時、T2のシュワちゃんと同じ要領でいとも簡単に銃を奪い取ったり、やたらメカに詳しく簡単にクレーン車を修理して走らせる。さらに人間技とは思えない運動神経、飛んでいる飛行機から谷底へ落下しても無傷で生き延びるなど、T-800試作品を思わせる活躍が続く。
しかしこれでは、カイル・リースが崇拝するようになるのはジョン・コナーではなくマーカス・ライトになってしまうではないか。
明らかにマーカスが主人公だ。人類軍の総司令官となる事が約束されているジョン・コナーとジョンの忠実な部下となり過去へタイムスリップしてサラ・コナーと契る運命のカイル・リース、この2人に比べてマーカスはいかようにも膨らませ新しい物語をつくる事ができる。
ジョンとカイルの設定はシリーズの根幹であり、改編する事は偉大なT1とT2を否定する事になる。この2作を否定するだけの胆力が現スタッフにあるとは思えない。同時にそれはジョンとカイルを主人公とする限り、T1とT2の範囲内で作品を作らざるを得ない。だが、マーカスなら「もう1つのターミネーター」を創作できる。
そしてジョンとカイルに無い魅力が、人間と機械の中間、人間の心を持ったターミネーターだ。この「ハーフ」という設定は人間の葛藤を描くのに適しているので、古来より主人公として定番だが、それだけに飽きがこない普遍的な魅力である。T1とT2が否定できない以上、当面の「将来」が約束されているジョンとカイルよりも断然惹きつける魅力がある。
マーカスが新シリーズ通じての単独主人公とするべきだった。いや、物語の組み立て方からいって、マーカスが主人公でないと不自然だ。(余談2)
(余談1)アメリカの処刑は電気椅子を連想するが、近年は薬殺が増えてきているようだ。これは「ゴルゴ13」のエピソードでかなり詳しく判り易く薬殺方法が描写されている。
受刑者を寝台に寝かせ固定した後、腕の静脈に注射針をさす。薬剤は機械操作で自動的に行われる。最初は睡眠薬で眠らせ、次に毒薬を注入する。受刑者自身は心理面は別にして肉体的苦痛は伴わない。
本作を観た時、あっ「ゴルゴ13」にあった通りのやり方だと妙に感心した。
(余談2)友人から聞いた話によると、もともと主演のクリスチャン・ベイル氏はマーカスを演じるはずだった。ところが彼がジョン・コナー役を強く希望したため、脚本を差し替えたという。
もしかしたら、原案は私がイメージしたマーカス主人公版に近い内容だったかもしれない。



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桜井幸子 近頃の現象[三百二十七]
芸能活動から突然の引退を発表

日本タレント名鑑から
女優の桜井幸子が28日付の公式ホームページで、2009年をもって芸能活動から引退することを発表した。桜井は突然の引退理由について「十数回海外の仕事を頂き、また、数回の海外留学の経験をさせて頂きました。これらの経験が契機となり、数年間考えた末に今回の決断に到りました」と綴っている。所属事務所によると現段階では引退後の去就は未定であり、会見等も行わない予定だという。(オリコン)
【雑感】彼女はたしか36歳ぐらいか。娘役から老役まで幅広いキャラを演じられる歳頃なのに、女優業としてはもったいない。
多くの人は「高校教師」や「人間・失格」のヒロインを連想するだろうが、私はもう少し古い役が印象に残っている。「おにぎり持って未来へ行こう」の台詞から始まる島津製作所のCMが好きだった。当時15・6歳くらいか。運動靴の靴紐を結んで、カメラに向かって見据える真正面のどアップが凛々しく可愛い。私は眉毛が太くて額の広い女性がタイプなので、当時の桜井幸子氏はツボにはまっていた。設定としては、軌道エレベーターならぬ軌道階段を登ってハイキングに出かけるかのように空へ行くという。どこまでも青空が広がる御伽噺の宇宙だ。
それから同時期に出演したドラマで「たったひとりの卒業式」がお気に入りだった。熊本の高校が舞台で、彼女は難病を患い長期入院を余儀なくされた女子校生を演じていた。演技はまだ特別巧いという訳ではなく、肥後言葉の発音もイマイチだった。学生時代の友人に熊本出身者が複数名いたから、桜井氏の熊本弁のたどたどしさが丸見えだったのだが、それが初々しくて逆に良かった。
物語は担任の教師が病室に通って励まし独断で病室内授業を行う。これが周囲の誤解を生み、教師とヒロインの間に特別な感情があるのではなどと勘繰られたりもしたが、ラストは大団円に終わる。
紆余曲折を経て、病室での授業が単位として認められ卒業できることになる。ヒロインは病院から外出許可を得て車椅子に乗って母親と一緒に学校へ赴く。既にクラスメイトたちは卒業して春休みになっていた。職員室か校長室で卒業証書を渡されるのかと思ったら体育館に呼ばれ、なんと演台には校長先生が略式礼服を着て現れ、クラスメイトが全員制服を着てヒロインを取り囲む。ヒロインは感極まって泣き出したのはいうまでもない。
卒業式が終わった後、ヒロインは難しい手術を受けに東京へ行く。「頑張れよ」という担任教諭に笑顔で「肥後の女だから」と熊本のイントネーションで応えるところで物語は終わる。
それ以降、「高校教師」や「人間・失格」が大評判となり、多忙を極めたのか顔つきが変わっていた。明らかに睡眠不足と食生活の乱れからくる変化だった。それから、せっかくの美眉をやや細くされてしまった。
晴雨堂関連作品案内
高校教師 DVD BOX 真田広之 桜井幸子



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浅田真央(13) フィギュアスケート[二十五]
全日本フィギュア
フィギュアスケートの全日本選手権最終日は27日、バンクーバー五輪代表最終選考会を兼ねて大阪・なみはやドームで行われ、五輪出場枠「3」のうち残っていた2枠を争った女子で浅田真央(中京大)が4年連続4度目の優勝を遂げ、選考基準を満たして初の五輪代表に確定した。(時事通信)
【雑感】久々の200点超え、真央ファンにとっても安堵の瞬間だろう。いよいよ、来年は金妍兒選手と対決だ。
今日のフリーを観て思ったのだが、やはり大仰なクラシックのBGMで重厚な演技よりも、SPのように軽やかに妖精のような演技が似合っている。
それにしても鈴木明子選手の復調はめざましい。表情の演技もなかなか良い。紅い衣装と彼女の大きな瞳は舞台映えする。一方、中野友加里選手はSPの大きく背中を魅せた衣装に続いて、全身タイツ型の火の鳥をイメージした衣装、彼女は身体の線の美しさで勝負する傾向がある。一時、普通のスカート型のフィギュア衣装でドーナツスピンをやったが、私はフリーの衣装のほうが迫力あるスピンに見える。
中野友加里選手は気の毒というか運が無いというか、195点台なら普通は大差で優勝できるほどの得点なのだが、今大会はレベルが高い。オリンピックを狙うのは今大会で最後と発言しているらしいが、たしかにまた4年頑張るのは辛いかもしれない。できれば、2年後ぐらいに突然踵を返すように「オリンピックに挑戦する」とぶちあげるのを密かに期待しているのだが。
ハイティーンの中高生選手も育ってきている。かつての渡部絵美選手や伊藤みどり選手の時代はトップは孤高の存在だった。今では選手層が厚い。(余談1)
それから諸先輩方には失礼だが体型も様変わりした。むかし、欧米のフィギュア選手を見て技術もさることながらスレンダーで腕脚の長い体型の美しさでも差を感じ、欧米人に比べて胴長短足の日本人体型では金メダルを取るのは難しい、欧米人の審査員たちで評価されるフィギュアは所詮ヨーロッパの競技だと子供のころは思った。
が、今は違う。真央ちゃんのビールマンスピンは欧米人選手よりも美しい。真央ちゃんの「後輩たち」のビールマンスピンやスパイラルもなかなかのしなやかさだ。
一方、フィギュア大国といわれていたアメリカでも、近年は日系や中国系の選手が台頭している。フィギュアの勢力図は確実に変わった。
バンクーバーオリンピックまで日が無いのでルール改定は無いとは思うが、欧米勢力がいまの現状を快く観ている、あるいは容認するとは思えない。
陸上競技はアフリカ系で占めるのが当たり前になったのと同じように、フィギュアも東アジア系で占めるのを当たり前と思う空気になってきているとは、まだ思えない。
(余談1)藤澤亮子選手のサロメは少し無理があった。14歳で、しかも体型はまだ幼い。サロメは金妍兒選手でないとダメだろう。



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「ハゲタカ」 社会を冷笑したい時に〔32〕
資本主義を嗤うエンターテイメント。
【原題】
【公開年】2009年 【制作国】日本国 【時間】134分 【監督】大友啓史
【原作】真山仁
【音楽】佐藤直紀
【脚本】林宏司
【言語】日本語 一部中国語 イングランド語
【出演】大森南朋(鷲津政彦) 玉山鉄二(劉一華) 栗山千明(三島由香) 高良健吾(守山翔) 遠藤憲一(古谷隆史) 松田龍平(西野治) 中尾彬(飯島亮介) 柴田恭兵(芝野健夫) 嶋田久作(-) 志賀廣太郎(-) 小市慢太郎(-) グレゴリー・ペーカー(-) 脇崎智史(-)
【成分】ゴージャス パニック 知的 切ない かっこいい 経済
【特徴】NHKの人気ドラマ、企業買収をテーマにした「ハゲタカ」の映画化である。今回は中国政府が後ろ盾になっているファンドが日本の基幹産業である自動車業界に戦を仕掛ける舞台設定。
TVドラマではアクの強いキャラだった主人公の鷲津政彦は本作では善玉にまわるのでやや味が薄くなっている。代わりに新しいキャラ中国系ファンドの若き司令官劉一華が魅力的な悪役として描かれている。劉一華役の玉山鉄二氏は綺麗な発音の中国語を話す。
【効能】資本主義の無情を学べる。
【副作用】毒気の無い鷲津政彦に不快感。
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「ターミネーター4」 ストレス解消活劇〔71〕
ターミネーター新シリーズ第1弾。
【原題】TERMINATOR SALVATION
【公開年】2009年 【制作国】亜米利加 【時間】114分
【監督】マックG
【原作】
【音楽】ダニー・エルフマン
【脚本】ジョン・ブランカトー マイケル・フェリス
【言語】イングランド語
【出演】クリスチャン・ベイル(ジョン・コナー) サム・ワーシントン(マーカス・ライト) アントン・イェルチン(カイル・リース) ムーン・ブラッドグッド(ブレア・ウィリアムズ) コモン(バーンズ) ブライス・ダラス・ハワード(ケイト・コナー) ジェーン・アレクサンダー(ヴァージニア) ジェイダグレイス(スター) ヘレナ・ボナム=カーター(セレナ・コーガン) マイケル・アイアンサイド(アシュダウン) イヴァン・グヴェラ(-) クリス・ブラウニング(-) ドリアン・ヌコノ(-) ベス・ベイリー(-) ヴィクター・ホー(-) バスター・リーヴス(-) ケヴィン・ウィギンズ(-) グレッグ・セラーノ(-) ブルース・マッキントッシュ(-) トレヴァ・エチエンヌ(-) ディラン・ケニン(-) マイケル・パパジョン(-) クリス・アシュワース(-) テリー・クルーズ(-) ローランド・キッキンジャー(T-800の首から下) アーノルド・シュワルツェネッガー(T-800の首から上) アンジャル・ニガム(-)
【成分】スペクタクル 勇敢 絶望的 切ない かっこいい 近未来 2018年 SF ターミネーター
【特徴】「T3」の続編。ジョン・コナーは人類軍の一部隊を率いる指揮官として活躍しているが、まだ最高司令官ではなく前シリーズでほのめかされたカリスマ性はまだ全開ではない。ジョン・コナーの父親となる運命のカイル・リースもまだ少年だ。ここでは人間の生きた筋肉や皮膚をまとったターミネーター誕生秘話を語る重要なキャラクターとしてマーカス・ライトが登場し、ジョン・コナーを差し置いて事実上主人公となっているのが特徴。マーカスを演じたオーストラリア人俳優サム・ワーシントン氏にとって本格的なハリウッド進出作となるが、彼にとっても主役のクリスチャン・ベイルを差し置いて事実上の主役といえる。
ケイト・コナーをはじめ女性の登場人物が印象深く登場はするが、事実上「男の友情物語」に仕上がっているのが新鮮。シリーズの中では最も女性キャラガおとなしい作品でもある。
佳境でツルツルの若いシュワちゃんが登場する。さすがCGは素晴らしい。
【効能】爽やかな男臭さに女子は萌え。懐かしさと新鮮さに物語世界に感激する。マーカス・ライトのアクションにストレス解消。
【副作用】マーカス・ライトの扱いに不満。
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浅田真央(12) フィギュアスケート[二十四]
全日本選手権
バンクーバー冬季五輪代表の最終選考会を兼ねるフィギュアスケートの全日本選手権第2日が26日、大阪なみはやドームで、残り2枚の五輪切符を争う注目の女子ショートプログラム(SP)を実施。大会4連覇と初の五輪代表を目指す浅田真央(21)=中京大=が69.12点でトップに立った。(サンケイスポーツ)
【雑感】よく見たらサンケイスポーツの記事に誤りがある。真央ちゃんはまだ19歳だ。ミキティと間違えたな。
久しぶりに観た真央ちゃんの満面笑顔、ノーミスの演技、番組の途中で挿入される真央主演のシャンプーCM、金妍兒選手と競り合っていた頃に戻ったようだ。いつもながら彼女の細くてしなやかな身体がつくるビールマンスパイラルが美しい。ステップも軽やかで喜びのダンスをしているようだ。
やはり妖艶な金妍兒選手に対して浅田真央選手は妖精が元気に飛び跳ね踊っているかのようなイメージがよく似合う。
あのグランプリ・ファイナル落ちのロシア大会以降、真央ちゃん出演のCMが流れなくなったが、最近になって歯ブラシのCMで復活、コーチ陣ら真央サイドの自信の表れか。
日本の女子フィギュアは世界のトップレベルになった事を痛感する。全日本選手権は当然の事ながら日本国内の大会なのだが、1位の真央ちゃんから5位の村上佳菜子選手まで国際大会で表彰台を狙える成績だ。これは凄い。伊藤みどり選手の頃まではトップ選手は孤高の存在だったが、今ではこれだけのライバルがひしめき競うのだ。
中野友加里選手は日本的な美しさが光り、鈴木明子選手は摂食障害だったとは思えないほど溌剌として場慣れした演技、村上佳菜子選手は今後の活躍が楽しみであり、今の安藤美姫選手は安定感がある。オリンピックの席が3つしかないのが残念だ。



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百貨店高島屋 近頃の現象[三百二十六]
節約志向が直撃
百貨店大手の高島屋が25日発表した2009年3~11月期連結決算は、営業利益が前年同期比66・3%減の68億円、最終利益が同63・2%減の40億円と大幅な減益となった。雇用や賃金の悪化や先行き不安による節約志向が、価格帯の高い百貨店を直撃した。
【雑感】高島屋も大丸やそごうと同じく呉服関係から発展した関西発祥の百貨店だ。創業は1830年代の天保年間、萬屋錦之助氏の「破れ傘刀舟」の時代だ。
百貨店というのは、阪急・阪神や西武などの鉄道系でなければ呉服・古着屋から発展した店が多いような気がする。しかも呉服関係は18世紀から19世紀前期の江戸時代から続く老舗だ。鉄道会社が百貨店を建てるというのは解る。駅は必然的に街のメインになり人が集まりやすい。小さな駅では商店街が開け大きな街の駅なら百貨店、鉄道会社が潤沢な資本で百貨店を建てるのは解る。
高島屋や大丸のような上方の呉服店が百貨店へと変貌を遂げるというのはどういうことだろう。高島屋の本店は南海電鉄の難波駅とタイアップした形で建っていたので、子供のころはてっきり南海が親会社だと思い込んでいた。南海の難波駅の隣は大阪球場(現ナンバパークス)があり南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)の拠点だった。だから高島屋も南海の系列だと信じて疑わなかった。
ところが、実は京都の古着商が始まりだと知ったときは強烈なミントで鼻づまりを吹き飛ばしたような新鮮な感覚になった。現代のような巨大産業がなかった江戸時代、呉服屋というのは巨大カンパニーが生まれやすい業種だったのだろうか? 興味深い現象だ。
さて、泉州や南河内の大阪南部に住む人間にとって百貨店といえば高島屋だ。自宅からでは堺市泉が丘の高島屋が一番近い。近くには大きな市立図書館があり、たまに本を探しに図書館に行ったり、高島屋にある紀伊国屋書店を徘徊する事がある。
今時分の歳末ともなれば、正月用のご馳走を買い漁りに高島屋へ行ったものだ。今年も身内で集まって忘年会や新年会をするために食材を百貨店の食品売り場から調達する予定である。
本格的な専門店が少ない大都市郊外の人間にとっては、百貨店はけっこう重宝する。お歳暮お中元を買うにしても、ささやかな贈り物にしても、買う店を積極的に差別する事になるがスーパーで買うより百貨店で買って百貨店の包装紙でパッケージされたほうが豪華な気分になるし先方も喜ぶ。だから近所の百貨店は潰れてほしくない。
また、来年の3月に派遣切りが流行るそうだが、一労働者の感覚で診るとなぜ懲りずに今年と同じ事を来年も繰り返すのか理解できない。経営者は馬鹿なのか? そんな事を繰り返せば社民党の福島瑞穂氏が鼻息荒く派遣労働は断固禁止の法案を通させ、正社員より安価な派遣労働者を雇えなくなるぞ。企業努力が足らん。資本主義の発展のためには社会の安定も必要だ。金儲けのためにも社会不安を煽らない責任が企業にある。社会的責務を負いたくないのなら、上場もやめ個人商店に成り下がれ。



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鳩山由紀夫 近頃の現象[三百二十五]
と辞任否定 元秘書起訴で会見
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金問題で、東京地検特捜部が24日、政治資金規正法違反罪で懇話会の会計責任者だった芳賀大輔元政策秘書(55)を略式起訴した事件について、鳩山首相は午後6時から記者会見し、「責任を痛感している。深くお詫び申し上げます」と陳謝した。(産経新聞)
【雑感】政権発足100日目、クリスマスイブ、朝はTBS「はなまるマーケット」に首相夫人の鳩山幸氏が爽やかに出演、比較的注目を浴びやすい夕方帯の報道番組、一見すると誠実そうな姿勢の長い釈明会見、しかしカッコ悪い。
こういうシチュエーションは、たぶん本人も関係者も想定していただろうし、イメージダウンを最小限にするべく演出やシナリオを練っていたと思う。
強いていえば、業界団体からの献金を得て利益代弁に尽力する代議士と違って鳩山氏は主に身内からの贈与だからクリーンだろう。そんな見方もあるが、いずれにせよ「秘書がやった」「辞めずに職務を全うすることが責任のとりかた」の2点は、自民党の議員たちの常套句で、かつての鳩山氏はそれを厳しく糾弾していた。やはりカッコ悪い。
しかし私は自民党政権時代から政治資金の問題に関して寛容である。議員を1人を国会に送り出すのに、どんなにクリーンな選挙をやっても1千万はかかる。選挙活動に参加したことの無い人間にはピンとこないだろうが、恐ろしいほど銭がいる。



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鳩山政権(3) 近頃の現象[三百二十四]
政権発足100日で鳩山首相
鳩山由紀夫首相は24日午前、首相公邸前で記者団に対し、政権発足100日を迎えたことについて「国民の辛抱強さとじれったいな、という思いを感じる」と振り返った。2010年度予算編成作業については「国民の命を守る、そういう政権の道筋を付けていくことができた」と語った。
また、平野博文官房長官は同日の記者会見で、内閣支持率の低下に関し「鳩山政権に期待している部分で(政策決定過程などに)分かりにくい部分があったのかなと反省もしている」と述べた。首相の指導力不足が指摘されていることについては「首相自身のマネジメント
【雑感】こんなもんではないか。財源について、政治資金について、普天間について、連立3党間での対立、豪腕小沢一郎の存在、いずれも衆院選前から話題にされ予想されてきた事だ。国民は懸念を感じながらも民主党を選んだのだ。民主党政権になったら景気が急上昇し大幅減税になると本気で思っている馬鹿はいない。
私はもっとヒドイ状況を想像していたので、健闘しているやないか、といった印象だ。野党時代に綺麗言並べて政権を批判しながら、いざ政権をとって責任を負わされるとたちまちトーンダウン、これは今に始まったことではない。かつて社会党が自民党が連立を組んだときに自衛隊を容認したことで大勢の社会党支持者が離反した。
日本は長らく自民党が政権を担当してきた。55年体制というのは、自民党が議席の半数を安定して占有し続け、中国や旧ソ連と同じような一党独裁を事実上続ける、しかし中国や旧ソ連と違って残り半分は政権をとる意欲に疑問がある政府批判一辺倒の社会党ら野党に振り分けることで民主的な風通しを確保していた。野党は政権の詰問機関として長らく機能してきたのだ。
ところが自民党は大幅に議席を減らし野に下った。初めて日本は本格的に政権交代を経験した。国民も心しなければならない。今までなら詰問期間程度の存在で満足していたから、党も支持者も無茶な綺麗事を主張できた。いまは違う。
かつての社会党のように自衛隊を違憲の軍隊だと批難し続け、政権をとったら容認する羽目になるというのはカッコ悪いし、さらに社会党支持者たちはそれだけで離反するのもオトナ気ない。野党時代のようなファンタジーの世界で生きることは許されない、それが政権の重みである。
何事も順調に行くほど今の世の中は容易ではない。現状は最も副作用の少ない体制だと思う。



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サム・ワーシントン 近頃の現象(三百二十三)
興収100億視野に入る大ヒットスタート!

Yahoo!映画サイトから
「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督の最新作「アバター」が12月23日、全国831スクリーンで公開。初日だけで興行収入4億円を突破する推移を見せており、興収100億円も射程圏内に入る大ヒットスタートを切った。(eiga.com)
【雑感】「タイタニック」超えとは凄い話だ。サム・ワーシントン氏が「アバター」の主役に抜擢されたのはかなり以前からのようだ。私はてっきり「T4」で評判が良かったので「アバター」の主役と思ったが、たしかに時期的にそんな訳ないか。ジェームズ・キャメロン監督が発掘したオーストラリア人俳優に「T4」の制作陣も興味を示して主役級のポジションに据えたかもしれない。
期待の俳優だ。「T4」でも、ジョン・コナーよりマーカス・ライトを主人公にしてほしいと思ったくらい主役をくっていた。



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黒川智花 近頃の現象[三百二十二]
女優活動への影響は?

黒川智花オフィシャルサイトから参照
若手女優の黒川智花が1月に発売する写真集「風花」でセミヌード撮影に臨んでいたことが伝えられ、話題となっている。(サーチナ)
【雑感】20歳だろう、セミヌードだろう、問題ないやんけ。これで問題になったら日本は表現を著しく規制されたかつての「全体主義」「社会主義」だ。この程度で大袈裟な騒ぎだ。
エロさでいえば、俺はヘアヌード以上にマイクロビキニやランジェリーの方が強いと思っている。逆にスッポンポンで自然体でいる写真は特に何も感じない。仮にだ、アフリカや南米やニューギニアの裸族のドキュメント見て性的興奮するか? 俺はしない。
黒川智花氏ならさぞや綺麗なヌードを見せてくれるだろう。
清純派からの脱皮という報道のされ方をしているが、どんなヌードかが問題だな。例えば柏原芳恵氏も何度かヌードまがいの写真集を出している。いずれもヘアはおろか乳すら見せないヌード写真だが、雰囲気はかなりエロい。逆に菅野美穂氏のヘアーヌードはあまりエロさは感じなかった。宮沢りえ氏の有名な「Santa Fe」も綺麗とは思ったが、性的興奮はしなかった。
もちろん、これは私の感覚だ。私はあからさまなヌードよりも露出度の多い衣服を着てくれたほうが興奮するタイプだ。人によってはストッキングで興奮したり、生身の女性よりもアニメや漫画のキャラでないと興奮できない人もいる。十人十色だ。
黒川智花氏や写真集制作サイドは話題になってほしいだろうが、私はヌードぐらいではあまり騒がれないくらい日本社会が「成熟」してほしい。もともと日本人は歴史的に裸には抵抗が無かった民族だ。混浴は当たり前、蒸し暑い日は女性も縁側で諸肌脱ぎ団扇パタパタ。それが今では迂闊に人前で赤ちゃんに乳をやれない状況だ。



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「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」 社会を冷笑したい時に〔31〕
観客視点の社会派ゾンビ映画。
【原題】DIARY OF THE DEAD
【公開年】2007年 【制作国】亜米利加 【時間】95分
【監督】ジョージ・A・ロメロ
【原作】
【音楽】ノーマン・オレンスタイン
【脚本】ジョージ・A・ロメロ
【言語】イングランド語
【出演】ミシェル・モーガン(デブラ) ジョシュ・クローズ(ジェイソン) ショーン・ロバーツ(トニー) エイミー・ラロンド(トレーシー) ジョー・ディニコル(エリオット) スコット・ウェントワース(アンドリュー) フィリップ・リッチョ(リドリー) クリス・ヴァイオレット(ゴードー) タチアナ・マスラニー(メアリー) ジョージ・A・ロメロ(警察署長) ウェス・クレイヴン(ニュースの声) スティーヴン・キング(ニュースの声) サイモン・ペッグ(ニュースの声) ギレルモ・デル・トロ(ニュースの声) クエンティン・タランティーノ(ニュースの声)
【成分】パニック 不気味 勇敢 知的 切ない ジャーナリズム ゾンビ ホラー
【特徴】今回のパターンは、銃器になれたSWAT隊員ではなく、平凡なピッツバーグ大の学生たちによる映画サークルとその顧問の教授が主人公。ゾンビ映画を撮っていたら、本物のゾンビに取り囲まれ逃げ惑う。
作中で市中の混乱を伝えるニュース映像でアナウンサーの声をホラーやバイオレンス物を手がける著名な映画人がカメオ出演、ロメロ監督自身もゾンビ騒ぎを否定する胡散臭そうな警察署長役で出演している。
【効能】終末ロマンを空想していた青少年時代を思い出す。
【副作用】パターンがナンネリに見えてつまらない。
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鳩山政権(2) 近頃の現象[三百二十一]
暫定税率 事実上維持
来年度税制改正で最大の焦点となっていたガソリン税(揮発油税)の暫定税率は21日夜、仕組みを変えて税率を維持することで決着した。自動車業界では、政府の動きを牽制(けんせい)しようと同日に緊急声明を発表したが時すでに遅し。石油業界からは、看板の書き換えに過ぎない廃止に「裏切られた」との声が挙がった。(産経新聞)
【雑感】こうなるのは政権発足当初から覚悟していたことだ。国庫に金は無い、税収はさらに下がる、となれば国債を大量発行せざるを得ない。しかし、こないだ主要マスコミは国債発行について批判したばかりだ。
私たち国家主権者たる国民が心しなければならないのは、マスコミはげんきんな存在であるということだ。本来「げんきん」というものは、餌をやると態度をコロリと変える様をいうのだが、マスコミは政府批判では概ね一貫している。一応ジャーナリズムの使命は権力批判だから、それは仕方が無い。
しかし権力の一挙手一投足をあげつらって批判した結果、社会問題をトータルで判断する視点が疎かになる。ダム問題にしても、自民党政権ではダム建設推進に批判的だったではないか。それが今度はダム建設中止で憤りを感じる「地元民」の声ばかりを伝える。
大袈裟にいうと、前後左右上下の相関関係を無視して、とにかく批判するのがマスコミといっても私はいい過ぎでは無いと思う。
だから小沢一郎氏のイラついた調子で「国債発行額44兆円に抑えるのも公約、それを守るために(暫定税率維持と子供手当て年収制限を)申し入れした」という趣旨の発言をし、ときおり記者団に向かって小馬鹿にした語調で「わかる?」という気持ちは、私も記者には些かムッときた経験が多々あったので解る気がする。批判される側にしてみれば、考えもせずコロコロと批判の趣旨を変えやがって、となる。
とはいえ、このところの小沢一郎氏は開き直ったかのように豪腕キャラをさらけ出している。むしろ意識して悪役を担当しているように見える。
「子供手当て」と「暫定税率」、明らかに本命は「暫定税率」だ。「子供手当て」の年収制限案は年収2千万、これでは制限は有って無いようなものだ。私たちのような低所得者にとっては年収制限を500万くらいにして1人当たりの手当ての額を上げてもらいたいくらいだ。予算確保でいえば暫定税率のほうが大きい。
小沢幹事長は鳩山首相に暫定税率維持を決断しやすいように「子供手当て」を抱き合わせたと思う。小沢幹事長らの「要望」を丸呑みせず、子供手当ての方は断りましたという格好ができる。
今回の鳩山首相の決断は、単なる暫定税率の維持ではなく、「暫定」という建て前を取って別の看板を付け替える事を述べているから、恒久的に続く税率になる可能性が出てきた。石油業界は怒るだろう。
国際価格が一定水準を越えたら「暫定税率」が凍結されるシステムにしないと、今のままでは票が減る。



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「天使と悪魔」 知的興奮を楽しもう
【原題】ANGELS & DEMONS
【公開年】2009年 【制作国】米 【時間】138分 【監督】ロン・ハワード
【原作】ダン・ブラウン
【音楽】ハンス・ジマー
【脚本】デヴィッド・コープ アキヴァ・ゴールズマン
【出演】トム・ハンクス(ロバート・ラングドン) アイェレット・ゾラー(ヴィットリア・ヴェトラ) ユアン・マクレガー(カメルレンゴ) ステラン・スカルスガルド(リヒター隊長) ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(オリヴェッティ刑事) ニコライ・リー・コス(暗殺者) アーミン・ミューラー=スタール(シュトラウス枢機卿) トゥーレ・リントハート(-) デヴィッド・パスクエジ(-) コジモ・ファスコ(-) マーク・フィオリーニ(-)
【成分】ゴージャス パニック 知的 キリスト教 ローマ バチカン
【特徴】。
【効能】。
【副作用】。
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ブリタニー・マーフィ 近頃の現象[三百二十]

Yahoo!映画から
女優のブリタニー・マーフィが心臓発作で亡くなったとアメリカの複数のメディアが報じた。32歳だった。(シネマトゥデイ)
【雑感】一瞬、同姓同名の老女優が亡くなられたと思ったが、32歳とあるのであの「シン・シティ」や西田敏行氏と共演した「ラーメンガール」のブリタニー・マーフィ氏のようだ。
何でもシャワーを浴びている途中で倒れ、母親が見つけた時は心停止の状態だったという。オーバーワーク気味だったのだろうか?
マイケル・ジャクソン氏、大原麗子氏、臼井儀人氏、亀山房代氏、今年は最後の最後まで、余命がまだまだあるはずの、死ぬはずがない著名人の訃報が多い。怖いなぁ。

Yahoo!映画から
「ラーメンガール」をキッカケに日本映画界にも積極的に出演してほしかった。
晴雨堂関連作品案内



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片山右京(2) 近頃の現象[三百十九]
富士山を登山中に遭難し救助された元F1レーサーで登山家の片山右京さん(46)が、最低1年間はメディアへの露出を自粛する方針であることが19日、分かった。精神的なダメージと周囲の反応を考慮しての措置。行方不明となっていた宇佐美栄一さん(43)と、堀川俊男さん(34)が遺体で発見され、御殿場署で対面した片山さんは、その後の会見で号泣。心の傷の大きさをうかがわせた。(デイリースポーツ)
【雑感】哀しい場面だった。私も貰い泣きしそうな光景だった。
御遺族たちのコメントがまた泣かせる。宇佐美氏側も堀川氏側も、片山右京氏を批難せず、美しい富士山で仲間の傍で最期を迎えたことがせめてもの幸い、そんなニュアンスのコメントである。右京氏は頭を垂れて感極まり号泣したそうな。
右京氏も言い訳がましい事は言わず、周囲に支えてもらわなければ立てないほど憔悴しきった様子で「全ての責任は私にあります」と語った。
ふと思い出したことがある。晩年の植村直己氏は苦い冒険つづきだった。アラスカ・マッキンレーで遭難して以後行方不明であるのは有名、その前の南極冒険はフォークランド紛争によってサポートする予定だったアルゼンチンの協力が得られなくなり断念、そしてその前のチョモランマ(エベレスト)登山では死亡者を1名出して撤退。
チョモランマ登山で2度目の登頂を目指した植村氏は自ら隊長としてパーティを編成して挑戦するも、当時まだ学生か20歳代の若者だったと思う隊員の1人が事故で亡くなった。植村氏は誠実かつ律儀な人柄で有名である。遺族の父親は後にマッキンレーで植村氏自身が遭難してしまったときに「植村さんの遭難の原因の一つである私の愚息」と、御自分の息子の死が植村氏の判断や体調に影響を与えてしまったと責任を感じられたそうである。
片山右京氏が仕事を休止するのは当然だろう。もし、憔悴した身体で仕事を続けてミスでもすれば、あるいは交通事故にでもあって最悪の事にでもなれば、富士登山の遺族たちが責任を感じてしまうかもしれない。
ただ、これから時間が経ち、冷静に状況を振り返るようになったとき、あるいは民事での責任を追求される恐れはある。登山パーティで誰が責任者なのか? 亡くなられた2人は片山右京氏の事務所社員である。右京氏が主張している通り、事務所代表で2人の上司である右京氏が責任者である。
しかし、今回の場合は今年夏の大雪山遭難と違って正味の仲間内パーティであり、2人は右京氏よりも経験があって装備は十分、仮に右京氏がリーダーだったとしても責任は集中しないのではないかと思う。かつて和泉雅子氏が北極冒険をしたときも名目上は和泉氏が隊長だったがアウトドアは全くの素人なので、プロの冒険家が実質の指揮を執っていた。右京氏の登山キャリアはまだ数年と浅く、事務所では一応上司と部下の関係があっても、山ではさほど上下関係は強くなかったのではないかと思いたい。
しばらく2人に付き添い、意識が無くなったためため単身下山して助けを求めた行為も、やむを得ないかなと思う。付き添い続けたとしても助かるとは限らないし、経験の浅い右京氏が助けを求めて1人下山するというのも決死の行動に近い。
あまりもめないでほしい事故だ。
登山計画書を出さなかったのは拙かったな。今回の場合、法的には問題なさそうだが、冬の富士山だし天候が12月にしては珍しく真冬の荒れ方というのは予報で想定できたはずだ。何かあったとき、必ず不備が追及される。
ビンソンマシフはまだ無理だ。



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「12人の怒れる男」 社会問題を考えたい時に〔21〕
【原題】12
【公開年】2007年 【制作国】露西亜 【時間】160分
【監督】ニキータ・ミハルコフ
【原作】
【音楽】エドゥアルド・アルテミエフ
【脚本】ニキータ・ミハルコフ ヴラディミル・モイセイェンコ アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラソフ
【言語】ロシア語 一部チェチェン語
【出演】セルゲイ・マコヴェツキー(陪審員1) ニキータ・ミハルコフ(陪審員2) セルゲイ・ガルマッシュ(陪審員3) ヴァレンティン・ガフト(陪審員4) アレクセイ・ペトレンコ(陪審員5) ユーリ・ストヤノフ(陪審員6) セルゲイ・ガザロフ(陪審員7) ミハイル・イェフレモフ(陪審員8) アレクセイ・ゴルブノフ(陪審員9) セルゲイ・アルツィバシェフ(陪審員10) ヴィクトル・ヴェルズビツキー(陪審員11) ロマン・マディアノフ(陪審員12) アレクサンドル・アダバシャン(廷吏) アプティ・マガマイェフ(ウマル)
【成分】知的 切ない むさ苦しい 内戦 ロシア チェチェン
【特徴】シドニー・ルメット監督の名作討論劇のリメイク。白いワイシャツが似合う明るく爽やかなアメリカの夏といった前作と違って、本作は薄暗く寒くてどんよりといった感じだ。出演者の平均年齢も前作より高そう。
討論劇としては本作のほうが私語や無駄口が多くてリアル。前作ではアメリカ社会が抱えるヒスパニック系のスラム問題をほのかに匂わす程度だが、本作では露骨にチェチェンとロシアとの紛争状態が背景にあることをストレートに描写している。
【効能】ディスカッションの難しさを体感できる。ロシア人の「善意」がどのようなものかが判る。
【副作用】チェチェン側の人間にとっては不愉快な内容。全体に暗いイメージで気が滅入る。
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「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」を観た。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二十一]
相変わらず男社会だなぁ。
【雑感】レイトショーで観た。22時から未明0時半頃までの時間帯だ。土曜日なのでなんと未明1時から3時半までやっている。これは凄い、いっそオールナイトしたら良いのに。
まず思ったのは、ヤマトは相変わらず男社会だなぁ、ということだ。古代雪(森雪)をはじめ、登場する女性キャラはマスコットの域を出ていない。ヒロインたちは男性ヒーローの添え物だ。
少しネタばれになってしまうが、古代雪が第一次移民船団の団長という設定らしいから、さぞや敵襲に対して獅子奮迅テキパキと戦闘指揮を執っている姿があるだろうと期待していたのだが、そんな場面は無かった。ヤマトの雰囲気はいつの時代の話か?と思うくらい男社会だった。
「ガンダム」や「スタートレック」などは当初からヒロインをマスコット的には扱わないよう努めていたし、時代とともに物語の世界も男女機会均等が進んでいった。しかるに「ヤマト」は頑なだ。
原案が石原慎太郎氏で、監督が西崎義展氏だから仕方が無いけどね。



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シモーナ・アレ 近頃の現象[三百十八]
【雑感】なんか、ネット上で急に話題になっている。テニスの試合ではあまり目立たない。それもそのはず、まだ世界ランキング200位台の選手だ。
ルーマニア出身、まだ18歳。本来、日本でのカタカナ表記は「シモーナ・ハレプ」とならなければならないのだが、何故か「シモーナ・アレ」が通ってしまっている。これはフランス語読み由来だ。たしかHの発音をしないようなので、例えば英語圏によくある名前「ヘンリー」も「アンリ」になってしまうとか。
彼女が有名になったのは、テニスで快進撃をしたからではなく、テニスの邪魔になるからといって90㎝以上のバスとを小さく削る手術を受ける決断をしたからだ。男性ファンたちは反対署名を開始したとか。
女友達にも巨乳で悩んでいる人がいた。うんざりといった表情で「肩がこる」とぼやいていた。しかし、塞翁が馬で今は短所でも状況が変われば長所になる場合もある。テニスプレイヤーでいられる時期は長い人生の中でほんの一部だ。本人はその批判を意識してか「テニスをやっていなかったとしても縮小手術を受けた」と主張しているようだが。
私は巨乳貧乳はどうでもいい。ただ、身体にメスを入れるのは嫌だね。サラシでも巻いてテニスやればええんとちゃうと思うのだが、長丁場の試合になると身体を締めている環境はハンデになるか。
この手術によってランキングが2桁1桁になれば良いのだが、手術を受けなければ家族が路頭に迷うくらいの切羽詰った状況にならないかぎり、切ったり貼ったりはやらんほうが良いと思う。やらないに越した事はない。
ところで、このニュースは今年の夏に話題になったのであって、なんで今頃再燃しているのか? 俺はそっちのほうに興味があるが、原因が判らない。

たしかに、やりにくそう。



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鳩山政権 近頃の現象[三百十七]
目合わせず…暫定税率で
民主党の小沢幹事長が16日の来年度予算に関する民主党の要望の中で、ガソリン税などの暫定税率維持を求めたのに対し、維持すると明言しなかった鳩山首相の対応に不快感を示していたことがわかった。(読売新聞)
【雑感】どこまでがデキレースか解らんなぁ。
民主党が選挙前に公開したマニフェストが実現不可能であるのは選挙前から指摘され判っていたはずであるし、国家主権者たる我ら国民も100%実現するなどとハナから思っていない。赤字財政に加えて容易に好転しそうにない世界不況、税収はこれからも下がり続ける。どう突いても無茶な話、それよりも風通しの悪い自民党政権を倒して社会に新風を吹き込み気を改める事に意義があった。状況が変われば、自民党政権では見えなかったものや動かなかったものが、見えたり動けるようになる。事業仕分けは欠陥多々あるが、自民党政権時代ではありえなかった透明性である。
私はマニフェストの2割程度実現できたら御の字と思っている。今回の「修正」など私にとっては「予定通り」だ。ただ、友愛キャラである鳩山由紀夫氏が指導力を発揮してマニフェストを踏み倒したらイメージに傷が付く。
そこで首相の指導力が疑問視される副作用はあるが、小沢一郎幹事長が自分のキャラを利用して嫌われ役を務めているのではないかと私は思っているし、今でもそう観ている。
大訪中団を率いて中国国家主席(国家主席は「大統領」とも訳せる)から元首級の歓待を受けたり、中国の役職上はナンバー2である副主席(実際はナンバー2ではなく、もう少し下)を天皇陛下に合わせ抗議する宮内庁を恫喝とも思える発言をしたり、さらに連立友党の幹事長たちを従えて暫定税率の維持と子供手当て支給年収制限枠を強訴ともいえる迫力で「要望」したり。このところ波紋を呼ぶ行動が続きすぎている。小沢一郎氏とて余程の馬鹿でない限り自分がどのように世間で見られているかは承知しているはず、敢えてやっているとしか見えない。
鳩山・小沢間でどこまで話が進んでいるのか、ここが気になる。



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「スター・トレック」 寂しさをまぎらわす時に〔20〕
新たなスタートレックの歴史が始まる。
【原題】STAR TREK
【公開年】2009年 【制作国】亜米利加 【時間】126分
【監督】J・J・エイブラムス
【原作】ジーン・ロッデンベリー
【音楽】マイケル・ジアッキノ
【脚本】ロベルト・オーチー アレックス・カーツマン
【出演】クリス・パイン(ジェームズ・T・カーク) ザカリー・クイント(スポック) エリック・バナ(ネロ) ウィノナ・ライダー(アマンダ・グレイソン) ゾーイ・サルダナ(ウフーラ) カール・アーバン(レナード・“ボーンズ”・マッコイ) ブルース・グリーンウッド(クリストファー・パイク) ジョン・チョー(スールー) サイモン・ペッグ(スコッティ) アントン・イェルチン(パーヴェル・チェコフ) ベン・クロス(サレク) レナード・ニモイ(未来のスポック) クリス・ヘムズワース(ジョージ・カーク) ジェニファー・モリソン(ウィノナ・カーク) ジミー・ベネット(ジェームズ・T・カーク(少年期)) ヤコブ・コーガン(スポック(少年期)) ファラン・タヒール(-) レイチェル・ニコルズ(-) クリフトン・コリンズ・Jr(-) グレッグ・エリス(-) ケルヴィン・ユー(-) アマンダ・フォアマン(-)
【成分】楽しい スペクタクル パニック 勇敢 知的 かっこいい コミカル 宇宙船 SF
【特徴】かーく船長版の新装開店。エンタープライズ号船長ジェイムス・タイベリアス・カークの出生から船長就任までを描く。しかしながら、敵役のロミュラン人がタイムスリップしてカークの父親を殺してしまったため、初代エンタープライズ号の関係者たちは微妙に年齢や性格や相関関係が変化してしまうのが特徴。例えば品行方正でエリート街道まっしぐらの紳士だった主人公カークの性格がかなりやんちゃになっている。TVシリーズではチョイ役のレギュラーだったウフーラ大尉(ウラ中尉)がヒロインに昇格。しかしその中でもスポックの性格だけは基本変化無しなのが興味深い。
企画段階でカーク役で名をはせたウイリアム・シャトナー氏が出演陣に加えられなかったことに、本人が不快感を表明した経緯もあった。ただ「盟友」であるレナード・ニモイ氏はスポック役でカメオ出演している。若きスポック訳のザカリー・クイント氏とはまるで親子のようだ。
本作の新装開店版で新たなスタートレックがどんな展開をするのか見てみたい。
【効能】未来に向けての希望が湧き起こる。
【副作用】スタートレックへの冒涜に見える。スタートレックの魅力が激減。
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片山右京 近頃の現象[三百十六]
ビビアン・スー 近頃の現象[三百十五]
7年ぶり日本で活動再開 アニメ「くるねこ」主題歌で
歌手でタレントのビビアン・スーさん(34)が7年ぶりに日本での芸能活動を再開することが16日、分かった。ビビアンさんは7月から放送されているアニメ「くるねこ」(関西テレビ、東海テレビ)のテーマソング「Beautiful Day」を歌っていたことも明らかになった。ビビアンさんは「小さいころの幼なじみと会ったみたいな感じで、すごくうれしくて興奮しています! 会ってない間にどのぐらい成長したのか? そして、みなさんとすべての喜怒哀楽を分かち合いたいです」と日本での活動再開の喜びを語った。
ビビアンさんは90年代にバラエティー番組「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ系)に出演。お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の南原清隆さんと「キャイ~ン」の天野ひろゆきさんと音楽ユニット「ブラックビスケッツ」を結成し、「タイミング」が大ヒット。98年のNHK紅白歌合戦にも出場している。現在は出身地の台湾を中心に歌手、女優などの活動を行い、10年に行われる「中国2010上海万国博覧会」のテーマソングを担当することが決定している。日本での復帰後は、雑誌、映画、CMなどでの活動を予定しているという。(毎日新聞)
【雑感】もう7年になるのか。彼女が本格的に日本でデビューする前に、ヌード写真集が豪華装丁で売り出されていた。私が持っているのは「Angel―ビビアン・スー写真集」の方だったかな。写真集を買ってまもなく、たどたどしい日本語でTVに出るようになり、やがてアグネス・チャン程度の流暢な日本語でバラエティ・アイドルとなった。
彼女が日本から撤退して台湾に拠点を戻したり、今回また日本での活動を再開する事情はイマイチわからないが・・。
台湾で思い出したが、90年代末からレースクイーンの業界で一斉風靡した相馬茜ちゃん、数年前に活動拠点を台湾に移してからそのまま。彼女のホームページを見ると中国語だらけ、すっかり台湾の芸能人になってしまったような感じだ。



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「ラスト・ブラッド」 ストレス解消活劇〔70〕
仏の若手映画監督が
日本アニメを実写映画化。
【原題】BLOOD: THE LAST VAMPIRE
【公開年】2008年 【制作国】仏蘭西 中華人民共和国香港特別行政区
【時間】91分
【監督】クリス・ナオン
【原作】Production I.G
【音楽】クリント・マンセル
【脚本】クリス・チョウ
【言語】イングランド語 一部日本語
【出演】全智賢(サヤ) アリソン・ミラー(アリス) 小雪(オニゲン) リーアム・カニンガム(マイケル) JJ・フェイルド(ルーク) 倉田保昭(カトウ) コリン・サーモン(ミスター・パウエル) マイケル・バーン(-) マシエラ・ルーシャ(-) ラリー・ラム(-)
【成分】ファンタジー 不思議 パニック 不気味 勇敢 セクシー かっこいい 女子校生 セーラー服 バンパイア 在日米軍基地 1970年
【特徴】日本アニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を実写映画化。人間社会に潜伏する「オニ」と呼ばれるバンパイアたちの闘い。
70年代の日本の街並みが比較的正確に再現されている。セーラー服姿の全智賢氏と和装の小雪の、日本刀を振り回しての格闘競演が美しい。全智賢氏はけっこうセーラー服が似合っている。また小雪の室町時代風の和装がはまりすぎていて能面的魅力がある。制作陣のキャスティングは巧い。
ヨーロッパ人の日本オタク映画ぽい雰囲気がある。
【効能】美女たちの格闘にストレス解消。日本刀を振り回すセーラー服姿の全智賢氏に萌え。
【副作用】欧米人目線のB級日本オタク・テイストが鼻につく。原版のアニメ支持者は激怒する者多し。
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坂本龍馬 近頃の現象[三百十四]
寺田屋事件の報告書発見
坂本龍馬が京都の旅館で伏見奉行所に襲撃された「寺田屋事件」で、龍馬がけがをし逃走したことなどを記した京都所司代への報告文書が見つかり、高知県立坂本龍馬記念館が15日、発表した。京都所司代は幕府の西国支配の中枢を担った重要機関の長官で、同事件で幕府側の史料が見つかったのは初めてという。(産経新聞)
【雑感】学術的には、幕府側の資料としても龍馬右腕負傷の報告書が出てきたことで、龍馬側の資料との比較検討ができる。
発表によれば、左腕を負傷した龍馬が血を流しながら材木屋の納屋に逃げ込み血に染まった小物入れなどが残っていた、とある。なかなか具体的な描写。
高知出身の私としては、来年の大河ドラマ「龍馬伝」への追い風であり、伊予松山を舞台にした「坂の上の雲」とならんで四国観光の盛り上がりが期待でき経済的に結構なことである。
沖縄・北海道・九州・信州などと違って、四国観光というのはけっこうスルーされやすい。経済的にも本土4島の中では人口が少なく経済的に弱い。その分、独特の文化や自然もあるのだが。お遍路さんや幕末明治の偉人に頼って観光という度合いが強いのだ。
しかし、偉人たちの名前にあやかってというのは健全だと思う。四国には人口が少ない割りに人材があるとの証明でもあるし、下手な開発をせずとも日本の原風景で勝負でききる。私はこれらは四国の誇りだと考えている。



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「日本海大海戦」 アジア民族意識高揚作品〔2〕
特撮の巨匠円谷英二最後の作品。
【英題】BATTLE OF THE JAPAN SEA
【公開年】1969年 【制作国】日本国 【時間】128分
【監督】丸山誠治
【特技監督】円谷英二
【原作】
【音楽】佐藤勝
【脚本】須崎勝弥 丸山誠治
【言語】日本語(主に薩摩弁) 一部ロシア語
【協力】三笠保存会
【出演】三船敏郎(連合艦隊司令長官東郷平八郎大将) 加山雄三(広瀬武雄少佐) 仲代達矢(明石元二郎大佐) 平田昭彦(津野田是重参謀) 土屋嘉男(秋山真之参謀) 佐原健二(信濃丸副長丸橋彦三郎) アンドリュウ・ヒューズ(ロシア艦隊司令長官ロジェストウェンスキー中将) ピーター・ウィリアムス(ネボガトフ司令官) 藤田進(上村彦之丞海軍中将) 黒沢年男(前山三吉一等兵) 小鹿敦(杉野孫七兵曹) 東山敬司(藤本軍医中尉) 久保明(松井菊勇大尉) 佐藤允(森下兵曹長) 船戸順(山岡熊治参謀) 田島義文(伊地知彦次郎大佐) 小泉博(栗野慎一郎公使) 田崎潤(宮古島・橋口島司) 辰巳柳太郎(山本権兵衛海軍大臣) 草笛光子(東郷てつ) 笠智衆(乃木希典大将) 松本幸四郎[8代目](明治天皇)
【成分】勇敢 知的 かっこいい 日露戦争 日本海海戦 1905年
【特徴】日本海軍史上名高い栄光の勝ち戦である日本海海戦を実写映画化。日本特撮映画界の巨匠円谷英二監督が手がけた最後の作品でもある。
後の日本軍に見られる傲慢不遜慢心の傾向は無く、国際法に則った戦い方をしているのが特徴だ。欧米列強のアジア植民地化が進む中で幕末明治維新を闘った若者たちが本作の海戦で司令官として作戦を指導し、この日露戦争の勝利を経験した若者たちが第二次大戦を指揮していくことになる。明治の軍隊と昭和の軍隊の違いを比べてみると、気質の違いは現代日本を鑑みる上で大切だ。
【効能】晴れ晴れしい気持ちと自信がみなぎる。明治の日本人たちに畏敬の念がわく。
【副作用】戦争を美化し後の軍国主義を肯定する事につながる作品に見えて不快感。
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「パブリック・エネミーズ」を観た。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二十]
ハードボイルドなラブロマンス
【雑感】14日はTOHOシネマズの映画の日なのでチケットは1000円だった。さぞや客が多いだろうと思っていたら、あまり入っていない。どうやら「ワンピース」や「ヤマト」へ客が流れたか?
ジョニー・デップ氏は私のお気に入り映画俳優である。連れ合いも彼のファンだ。という訳で珍しく本作は2人で観に行った。私はどちらかといえば、ヴァンサン・カッセル氏の「ジャック・メスリーヌ」の方が見応えありそうだと思っていたのだが、連れ合いは全く興味が無い。彼女はもともと銃撃戦や殺人が盛り沢山のバイオレンス映画は観ない人だ。ジョニー・デップだから観に行く気になったようなものである。
久しぶりの渋いジョニー・デップだった。けっこう彼は様々な役をこなしているのだが、初期のヒット作「シザーハンズ」に始まり、近頃の「チャーリーとチョコレート工場」や「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」、さらに新作の「アリス・イン・ワンダーランド」で白塗り仮面の不気味男のイメージが私の中で定着しつつある。
本作ではダブルカフスのワイシャツに三つ揃いのスーツ、長めのコートに帽子にサッパリ清潔そうな刈上げ頭、なかなかカッコ良い。
物語の構成はほど良いバランスだったと思う。全体に史実どおり、銀行強盗や脱獄の手口、主要人物の性格も納得がいく。今でも主人公デリンジャーの墓には参拝者が絶えないので、下手な描写はできないのだろう。そこへリアルで迫力満点の銃撃戦。儚いラブロマンス、前半の伏線とラストの台詞、気の利いた恋愛劇にもなっている。
さて、私はある程度史実を知っているので、人物相関も結末も基本的なことは把握できる。しかしそれでも登場人物の顔を見分けるのは疲れた。ギャング側にも警察側にも似たような容姿が複数名いるからだ。顎が太いレスラータイプが3人ほど、下膨れのガキデカ風も3人程度、しかも多様な髪型がある現代と違って当時は全員刈上げ頭、同じ人間ばかりに見えてしまう。区別が付いたのは、主人公デリンジャー以外でフーバー長官とパーブィス捜査官ぐらいだ。
フーバーもパーブィスも知らない連れ合いは、「みな同じ人間ばかりで訳わからん」とぼやいていた。



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