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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

把瑠都凱斗 近頃の現象[三百七十八]

大関把瑠都が誕生 
エストニアから初-大相撲

 
 日本相撲協会は31日、大阪府立体育会館で夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と理事会を開き、関脇把瑠都(25)=本名カイド・ホーベルソンエストニア出身、尾上部屋=の大関昇進を正式に決めた。(時事通信)
 
【雑感】朝青龍が去った大相撲としては、看板力士としてうってつけだろう。大関昇進は必然だ。
 
 エストニアで初、ヨーロッパ出身者としては2人目。大関ともなれば引退後の親方業や部屋も視野に入ってくる。白鵬や琴欧洲は日本人女性と結婚して、引退後の帰化と親方業を考えているふしがあるが、
 
(執筆中)
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「カムイ外伝」 孤独を楽しむ時に

カムイ外伝」 
大後寿々花が光っている。

 

 
【原題】
【公開年】2009年  【制作国】日本  【時間】120分  【監督】崔洋一
【原作】白土三平
【音楽】岩代太郎
【脚本】宮藤官九郎 崔洋一
【出演】松山ケンイチカムイ)  小雪(スガル(お鹿))  伊藤英明(不動)  大後寿々花(サヤカ)  イーキン・チェン(大頭)  金井勇太(吉人)  芦名星(ミクモ)  土屋アンナ(アユ)  イ・ハソン(カムイ(少年時代))  山本浩司(-)  PANTA(絵師)  佐藤浩市(水谷軍兵衛)  小林薫(半兵衛)
        
【成分】悲しい パニック 勇敢 知的 絶望的 かっこいい 忍者 17世紀 
   
【特徴】
  
【効能】
 
【副作用】
 
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「古代少女ドグちゃん」 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二十六] 

古代少女ドグちゃんまつり!
 
 アイドリング!!!のメンバー・谷澤恵里香(19)が24日、東京・品川区の大森貝塚で初主演映画「古代少女ドグちゃんまつり!」(公開中)のPRを行った。現代に出現した妖怪を退治する土偶の神様・ドグちゃん役の谷澤は、劇中と同じ“土偶ビキニ”姿で登場し、必殺技“ドキドキウエーブ”のポーズを披露。88センチGカップバスト維持の秘けつを「バナナと豆乳をミキサーにかけて飲むと張りが持てます」と明かした。また、年齢が同じ女子フィギュアSP2位の浅田真央には「プレッシャーに負けず頑張って欲しい」と逆転金メダルへエールを送った。(デイリースポーツ)
 
【雑感】で、その作品が大阪の老舗映画館「テアトル梅田」で3月27日から上映されている。4月2日までと些か短い期間だけだが。
 
 関西圏では深夜番組で放送されていた。一度だけ見た事があるのだが、話の内容は殆ど憶えていない。ただ、土偶をモチーフにした面妖なビキニが谷澤恵里香氏の豊満な体型を強調していたのと、どこか無理のある陽気なテンション、これだけが印象に残っている。近頃、谷澤恵里香氏は夏のセーラー服に土偶ブーツを履いてキャンペーンをやっているが、やはり同じ印象だ。セーラー服が豊満な身体を強調する形で似合っていない。キャピキャピのテンションがどこか痛々しい。
 
 本人には大変失礼なのだが、まだ19歳だったのかぁ。真央ちゃんと同い歳だったのかぁ。もっとも、真央ちゃんは姉の舞ちゃんの19歳の頃と比べれば一目瞭然で、歳の割りには幼さがある、いわゆる美少女キャラ。谷澤恵里香氏はその逆路線。
 否定的ニュアンスで谷澤氏への感想を述べてしまったが、しかしJKファッションの美少女アイドル全盛の時代で別路線で果敢に挑戦する志は応援したい。
 
 残念ながら私は梅田まで出張れそうにない。キタの方々、覗いてみては如何か。
 

 
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「火天の城」 突っ込みどころを楽しもう

火天の城」 
椎名桔平、信長を熱演。

 

 
【原題】
【公開年】2009年  【制作国】日本  【時間】139分  【監督】田中光敏
【原作】山本兼一
【音楽】岩代太郎
【脚本】横田与志
【出演】西田敏行(岡部又右衛門)  福田沙紀(岡部凛)  椎名桔平(織田信長)  大竹しのぶ(岡部田鶴)  寺島進(平次)  山本太郎(熊蔵)  石田卓也(市造)  上田耕一(弥吉)  ペ・ジョンミョン(太助)  福本清三(-)  前田健(留吉)  熊谷真実(ふさ)  水野美紀(うね)  西岡徳馬(丹羽長秀)  渡辺いっけい(木村次郎左衛門)  河本準一(羽柴秀吉)  遠藤章造(堺の豪商)  田口浩正(中川左内)  内田朝陽(中井孫太夫)  石橋蓮司(池上五郎右衛門)  笹野高史(木曾義昌)  夏八木勲(戸波清兵衛)  緒形直人(大庄屋甚兵衛)
        
【成分】スペクタクル 知的 かっこいい 近江 安土桃山時代 16世紀 
   
【特徴】
  
【効能】
 
【副作用】
 
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浅田真央(16) フィギュアスケート[四十二]

浅田真央、世界フィギュア制す!
 
 フィギュアスケートの世界選手権最終日は27日、イタリアのトリノで女子フリーを行い、バンクーバー冬季五輪銀メダリストの浅田真央(中京大)が2年ぶりの優勝を飾った。男子では高橋大輔が優勝しており、初の日本人アベック優勝となった。(サンケイスポーツ)
 
【雑感】経験の差が現れた戦い、今大会はその典型例となった。
 
 長洲未来選手はフリーで崩れ、金妍兒選手と安藤美姫選手は態勢を立て直すことに成功、浅田真央選手とラウラ・レピスト選手は安定した演技を魅せた、ということか。
 
 やはり凄いのは妍兒ちゃんだ。真央ちゃんはバンクーバーからの帰国後、徹底して練習に励んだ。トリノ・シフトで練習はトリノ時間に合わせ、昼下りと深夜に特訓する一ヶ月間だったそうだ。
 ところが妍兒ちゃんはやはりリズムを狂わされた。韓国の熱狂ぶりは日本の比ではない。練習に専念したくても、国家の英雄として様々な行事に参加したりで、やらせてもらえなかった。しかしショートで崩れてもフリーで立て直しフリー演技だけなら真央ちゃんのフリーを上回るのは地力に勝っている証拠だ。
 たぶん、真央ちゃんは金メダルをとって素直に喜んではいるだろうが、決して妍兒ちゃんに雪辱を果たしたとは思っていないだろう。地力の差は現場の人間が一番よく判っている。妍兒ちゃんを一番理解しているのは真央ちゃんであるのは間違いないのだから。
 
 今回の長洲選手は経験の浅さからメンタル面で失速してショートのような演技ができなかったようだが、今後は真央ちゃんを脅かす存在になるだろう。これまで妍兒と真央は孤高の存在だったが、そうではなくなる時代が到来する。
 
 それにしても、女子フィギュアの充実振りは素晴らしい。それに引き換え男子は情けない。
 
 最後に余談だが、ミキティモロゾフ、師弟というより対等な男女のパートナーのように見えてしまう。実際にモロゾフ氏はインタビューでそれを明かしていたのかな? ミキティは日本語では中高生のような幼い話し方だが、英語でモロゾフ氏と談笑するところは三十路のような貫禄ある話し方、何だか彼女のほうが主導権を握っている雰囲気だ。
 気のせいなのか、近頃のモロゾフ氏は少し肥えて、ミキティと一緒にいるときはお笑い芸人の出川哲郎氏に似てきたような・・。
 メダルこそ取れなかったが、フリーで立て直せたので2人は安堵だろう。
 

 
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浅田真央(15) フィギュアスケート[四十一]

浅田真央2位 トップは長洲未来 
世界選手権女子SP

 
 フィギュアスケートの世界選手権第4日は26日、イタリアのトリノで女子ショートプログラム(SP)を行った。バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した浅田真央(中京大)は68.08点の2位スタート。同五輪を制した金妍児(韓国)は60.30点の7位と出遅れた。トップは70.40点の長洲未来(米国)。安藤美姫(トヨタ自動車)は55.78点で11位、鈴木明子(邦和スポーツランド)は48.36点の20位だった。(毎日新聞)
 
【雑感】バンクーバー五輪の金メダル選手ライサチェクと銀メダルプルシェンコが出場していない男子世界選手権よりは、この女子世界選手権のほうがよほど見応えがある。なにしろカナダのロシェット選手以外はバンクーバー選手が概ね出場している。ロシェット選手とて、身内に不幸がなければ出場していた可能性はあっただろう。女性陣は非常に充実している。
 なにより、バンクーバーで神業ともいえる完璧な演技をした後で、まだ心身切り替われていないであろうコンディションで出場する金妍兒選手には敬意を抱く。それに引き換え高橋大輔選手以外の男子は軟弱だ。ライサチェクよ、貴様はどこへ行った? プリシェンコよ、すねるな。信成君よ、お前は具合でも悪いのか?
 
 さて、いくら難しいコンディションであるとはいえ、今回の金妍兒選手のSPはボロボロ、転倒さえしなかったものの、少し前のスランプ真央ちゃんのように精彩が無い。ここまで乱れたのは予想外だ。妍兒ちゃん本人も信じられない様子だった。コーチは「まっ、しかたがないか」とでも言っているかのような苦笑い。
 そして真央ちゃんはほぼノーミスでSPをこなしているのに2位にとどまっている。第1報を聞いたとき、真央ちゃんに若干のミスがあったのかと思ったが、最初のトリプルアクセルを回転不足と判定されダブルアクセルでカウントされただけ。では何で長洲未来選手が1位になったのか?

 録画中継を観て納得した。たしかに長洲選手のほうが勢いがありスピードもある。ビールマンスピンは真央ちゃんや妍兒ちゃんのほうが美しいが、長洲選手のほうが難易度が高そうでしかも高速回転で迫力がある。
 ついこないだまでは格下選手だったのに、いつのまにやら世界のトップ選手に躍り出た。しかも彼女はまだ伸び代が多そうな16歳だ。
 
 真央と妍兒の双璧時代が終わろうとしているのか。少なくとも2人の孤高の戦いでは無くなる。他選手も追いつき始めたと見るべきだろう。
 

 
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キャバクラ嬢の労組 近頃の現象[三百七十七]

キャバクラ労組が待遇改善訴えてデモ 
東京・歌舞伎町

 
 キャバクラで働く女性らによる労働組合「キャバクラユニオン」(桜井凜代表)が26日、不当な罰金や突然の解雇などが多発している現状の改善を求め、東京・歌舞伎町を約2キロにわたってデモ行進した。ドレスや着物姿で歩くデモ隊は「給料をちゃんと払えー」と訴えた。(毎日新聞)
 
【雑感】そういえば、水商売の経験がある漫画家の青木雄二氏が著作で述べていたなぁ。

 労働組合がある職場は幸せや、水商売なんかあらへん。労組いうたら良くないイメージもあるけど、マルクスが残した大事な遺産や。
 
 そんな趣旨の言葉だったように記憶している。労組の組織率が年々低下していっている事に危惧しての発言だった。キャバクラの業界で労組があるとは、素晴らしいこと。若者を中心に労組の組織率が減少している一方で、問題を抱えている業界では労組の存在を再評価されている。派遣労働者のユニオンもあるし。
 
 意外に知られていない事だが、労働組合は従業員が2人いれば結成できる。労働組合とは大手メーカーなど規模の大きな会社でないとできないなどと勝手に思っている人をよく見かけるが、社員4人の零細企業でも2つの労組ができる。これは国家の法律によって認められた労働者の権利である。ユニオンの加盟なら単身でもOKだ。
 権利というものは使わないと損だ。ただ、昨今のモンスターペアレントやモンスタークランケのように権利の誤用悪用を頻繁にやってしまうと、国家権力はそれらを口実に法を改悪してせっかくの権利を潰してしまう習性があることは肝に銘じなければならない。伝家の宝刀はたまに抜くから威力があるのであって、頻繁に抜くと刃こぼれをきたす。
 
 それともう1つ、職業に貴賎は無いというが、世間は厳然と職業に差別を行っている。水商売や風俗業やポルノがそれに晒されている。特に保守右翼とフェミニストの差別意識が酷い。保守右翼は自分たちが「中道」と思い込んでいるし、フェミニストは自分たちが「正義」と思い込んでいる。だから自分たちが差別をしていることに気付かない。これもよくある発想だが、日陰の職業と見なすと否定的に扱う。あるいは本気で否定しにかかる。
 私は逆に満天下を歩く職業へと地位向上したほうが、待遇も治安も改善されると思っている。地下に潜られるより日向に置いて監督するほうが合理的だ。
 

 
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「はだかの女王」 カップルで考えよう〔3〕

はだかの女王」 
ジャン・ギャバンとジョセフィンの共演。

 
はだかの女王
 
【原題】ZOUZOU
【公開年】1934年  【制作国】仏蘭西  【時間】85分  【監督】マルク・アレグレ
【原作】G・アバチノ
【音楽】ヴィンセント・スコット ジョルジュ・ヴァン・パリス
【脚本】カルロ・リム
【出演】ジョセフィン・ベイカー(ズーズー)  ジャン・ギャバン(ジャン)  ピエール・ラルケイ(-)  イヴェット・ルボン(-)  イラ・メルリー(-)
        
【成分】楽しい 切ない セクシー かわいい コミカル レビュー 1930年代 
   
【特徴】ジャン・ギャバンとフランスが誇る伝説の大女優ジョセフィン・ベイカーとの共演。
  
【効能】
 
【副作用】
 
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伊丹空港 近頃の現象[三百七十六]

兵庫県議会、伊丹空港存続を決議… 
「廃港」の大阪に先手

 
 兵庫県議会(定数92、欠員3)は23日、定例県議会最終日の本会議で、大阪(伊丹)空港の存続と、関西、神戸を含めた関西3空港の有効活用を求める決議案を賛成多数で可決した。「廃港決議案」を24日に可決する見通しの大阪府議会に対抗、存廃で対立する兵庫、大阪両府県の知事を両府県議会がそれぞれ“援護射撃”する構図となり、国土交通省成長戦略会議が6月に示す予定の3空港抜本改善策にも影響を与えそうだ。(読売新聞)
 
【雑感】大阪府議会は「廃港方針」を決議した。橋下知事の誇らしげな表情がニュースに出ていた。
 
 橋下知事の政策には嫌悪を感じるものも多々あるが、この伊丹廃港は支持している。もともと関空ができたら伊丹は廃港の約束と聞いていた。また神戸沖に空港ができたときは、それなら最初から関空を神戸沖につくれや、と不快感と情けなさを感じたものだ。狭い大阪湾に3つも空港を造りやがって、馬鹿者が。
 

 
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「望郷」 人生をふり返ろう〔9〕

望郷」 ジャン・ギャバン出世作。
 

 
【原題】PEPE-LE-MOKO
【公開年】1937年  【制作国】仏蘭西  【時間】94分  
【監督】ジュリアン・デュヴィヴィエ
【原作】ロジェ・ダシェルベ
【音楽】ヴィンセント・スコット
【脚本】アンリ・ジャンソン ロジェ・ダシェルベ
【出演】ジャン・ギャバン(ぺぺ)  ミレーユ・バラン(ギャビー)  リーヌ・ノロ(イネス)  リュカ・クリドゥ(スリマン)  ルネ・カール(-)  マルセル・ダリオ(-)
        
【成分】ゴージャス ロマンチック 知的 切ない かっこいい ギャング物 1930年代 アルジェリア アルジェ カスバ 白黒映画 
   
【特徴】ジャン・ギャバンがスター俳優の地位を不動にした作品。当時フランス領だったアルジェリアの首都アルジェに潜伏するギャングの若きボスと若いパリジェンヌの束の間の恋。
 ギャング物のラブストーリーとしては金字塔扱いされる作品で、後の作品でしばしば模倣される。日本でも昭和14年に大ヒット。
  
【効能】青年から中年への節目を実感。異国情緒の中での恋を疑似体験。
 
【副作用】古い白黒映画なので映像が暗い。主人公の詰めの甘さにイラっ。
 
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「また君に恋してる」 優れた短編映画テレビCM

坂本冬美21年ぶりオリコントップ10
 
 演歌歌手・坂本冬美(42)のシングル「また君に恋してる/アジアの海賊」が3月29日付オリコン・シングルランキングで前週の17位から上昇し、登場49週目で9位となり、初のトップ10入りを果たしたことが22日、分かった。(デイリースポーツ)
 
【雑感】的場浩二氏単独主演の「いいちこ」のテレビCM。ビリー・バンバンの昼下りの穏やかな陽光をイメージするフォーク調も良いが、インパクトでは坂本冬美氏の迫力演歌のほうがある。1作目の的場浩二氏の存在も素晴らしい。演歌調の「また君に恋してる」とのマッチングは抜群だ。
 出演者は的場浩二氏ただ一人、しかも和室の大広間の真ん中で時代劇の柳生十兵衛か拝一刀のような焦げ茶袴姿で姿勢よく胡坐をかき瞑想をしている。彼の目の前には見事な日本庭園が広がる。カメラが的場氏の背面から前面へとゆっくり移動し正面を捉えたときに目を開けるのが格好いい。眼がまっことギラリと光る。そこへすかさず的場氏肉声による商品紹介。
 いたってシンプルでなおかつ視聴者の心を捉える、CMの見本のような佳作だ。
 

 
 個人的には、走っているバージョンはあまり好きではない。ただ、「やっと会えたな」という台詞が私のイマイチ感を消している。
 
 因みに、残念ながら「いいちこ」はあまり好きではない。日本酒は郷里の酒「土佐鶴」だし、焼酎は鹿児島の芋焼酎をもっぱら飲んでいる。しかもビール党なので飲酒の9割がドイツ型ビールで占め、焼酎はごく僅かだ。
 しかしCMは気に入っている。
 

 
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表現の自由とは(13) 近頃の現象[三百七十五]

日弁連が「単純所持」禁止…規制で方針転換

児童買春・児童ポルノ禁止法の改正をめぐり、日弁連は児童ポルノ画像を個人で見るためだけに所有する「単純所持」を禁止すべきだとの意見書をまとめた。捜査機関の権力乱用を防ぐ観点から規制強化に慎重な立場だったが、インターネット上などで児童の性的虐待画像がはんらんしている現状を憂慮し、姿勢を転換した。意見書は23日、関係省庁や各政党などに提出する。(毎日新聞)
 
【雑感】国家権力を法的にチェックする役割も担っていた日弁連が、権力にお墨付きを与えたか。
 
 私も昨今の児童虐待のニュースを聞くたびに、このままではいけないと思っている。児童ポルノ問題もここに至ってはやむを得ないだろう。問題なのは規制の仕方だ。
 
 中学生だった頃、学校でサイクリング車禁止令というものがあった。これは私の学校だけでなく全国的傾向で、当時のチャリンコ関係の月刊誌「サイクルスポーツ」の読者欄でもしばしば問題に上がっていた。
 「生徒はサイクリング車に乗ってはいけない」、当時の教頭先生が朝礼で「あの自転車は遠い距離を走るためのもので、皆さんには必要ない」などと、もっともらしく理屈をつけて禁止の理由を説明していた。まことに笑止。
 中学生が煙草を吸ったり、シンナー遊びしたり、バイク盗んだり、授業をエスケープしたり、校舎の窓を割るほうが遥かに深刻だし、そちらをまずどうにかすべきだ。サイクリング車に乗って健康的かつ爽やかに走る堅気の少年少女を規制するなど筋違いのバチ当たりも甚だしい。当然の事ながら私は納得しなかったし禁止には従わなかった。

 高校時代だったか、禁止令の追い風となる事件も起こった。ドロップハンドルのサイクリング車に乗った少年が転倒してハンドルが胸に刺さり死亡した事件だ。これによってドロップハンドルの安全性がマスコミ各社で問われた。一部、世間では子供がサイクリング車に乗ってはいけない、といった風潮まで生まれた。チャリンコの構造を理解していない馬鹿げた与太話だ。
 不幸な少年は転倒の仕方が不運だっただけ。サイクリング車は100年近く形が変わっていない、ということはそれだけ安定した安全性と性能を誇っていることだ。
 そんなことより、自動車のほうがより危険だ。年間、何人の人間が轢殺されているのか!
 
 児童ポルノ規制の問題についても、チャリンコ規制と同じ臭いがする。昨年では宮沢りえ氏の写真集が「児童ポルノ」か否かが議論された。児童を虐待から守るはずの法律ではなかったのか? 宮沢りえ氏は「児童」か? プロの女優が所属プロダクションの反対を押し切って発表した作品だ。彼女は虐待されて裸になったわけではない。当時は18歳ごろの少女だったが少なくとも児童ではない。それに現行の法律でも女性は16歳で結婚できるのだ。結婚には前提として子づくりがある。
 
 この論議から明らかなように、規制推進派の姿勢は「推定有罪、疑わしきモノは潰す」である。子供を守るためという正義の御旗を掲げているから歯止めがききにくい。
 下手をすればこんな事も起きるかもしれない。保育園や幼稚園の中には、子供の健康のために冬場あえて上半身裸になって乾布摩擦をやったり園庭を走らせたりするところがある。もし園の方針に不満を持ったモンスターペアレントが児童ポルノ規制を悪用して、「子供を無理やり裸にして、寒空のもと公然の場で強制的に走らせた。これは児童虐待・強制猥褻だ」と訴えられたら。
 法律の改正によっては立件の可能性も出でくる。仮に裁判で潔白が証明されても、立件された事実は残り失われた名誉はなかなか回復できない。
 
 ただでさえ、法律というのはどこかを弄るとどこかで歪が生じる。必ず弊害が出てくる。弊害を最小限にするために議論を尽くすのだが、この手の問題は十把一絡げに切り捨てられることが多い。サイクリング車はなんとなく危ない、事故もあった。では全面禁止だ。という安易な結論。前後左右上下の相関関係はあまり考慮されない。
 
 「児童」の法的概念を見直したり、未成年に関連する法律の洗い直し、様々な作業が必要だ。これを怠ると児童を救うはずの法律が逆の結果にもなりかねない。
 悪法との評判高い「治安維持法」とて、法律の題目自体は別におかしくはない。ところが言論弾圧に応用された。大日本帝国憲法の天皇統帥権も、もともとは幕府政治から解放された直後の明治で政治家が勝手に軍を掌握して下部政府(幕府)をつくらせない予防線の意味があったし、天皇の裁可には帝国議会の協賛が必要であったから独裁的に軍を動かせるシステムではなかった。ところが統帥権干犯を持ち出して軍が暴走、第二次大戦へと突き進んだ。
 良かれと思ったことが、想像以上の悲劇を生む一例だ。いずれも「正義の御旗」を掲げているのが特徴である。
 
 児童ポルノ規制の声は日に日に高まってきているので、むしろ日弁連はバランスをとる意味で従来の立場のまま規制方法の問題点抽出を行っていくほうが良かったのではないかと思う。
 繰り返し述べる。規制推進派の姿勢は「推定有罪、疑わしきモノは潰す」である。日弁連がこれに加担する形になったのは政治的に拙いし極めて遺憾である。
 

 
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黄沙 近頃の現象[三百七十四]

爆弾低気圧」が原因か、列島襲撃・春の嵐

 春の嵐」は、20日に続いて21日も東日本を中心に吹き荒れ、各地でけが人を出すなど猛威をふるった。(読売新聞)
 
【雑感】風も凄かったが、それよりも黄沙だ。昨日の朝、外がやたら曇っていたので、雨か霧かと思ったら風がきついので不思議に思った。やや黄ばんだような霧なので、季節柄、黄沙だろうと勝手に納得。そのうち朝のニュースでも黄沙襲来を伝えだした。
 
 自宅から2・3キロ離れた隣町の高層建築が見えるのだが、その日は影すら視認できなかった。余程の大雨でないかぎり、こんな状態は珍しい。視界2キロといったところか。報道でも大阪は2キロとか3キロといっていた。
 
 大阪でさえもこんな有様、韓国のソウルや中国の北京ではもっとヒドイだろう。昼でも街灯をつけなければ暗い状態、漂う砂でゴーグルやマスク無しでは表を歩けない、そんな状態になっているはずだ。
 
 私が子供のころ、黄沙と言われてもピンとこなかった。雲がうっすらと黄ばんで見えると学校の先生がいうのだか、私には判別できなかった。しかし今はレベルが違う。
 日本に飛来する砂が増えているということか。砂の量が増えるということは、それだけ中国では砂漠化が進んでいるということになる。報道番組で黄河周辺の緑化計画をとりあげ成果が報告されているが、それ以上に開発による砂漠化が勢いを増しているのではないか。
 

 
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「人形霊」 不安と恐怖を楽しむ時に〔19〕

人形霊」 韓流人形ホラー
 
 

【原題】人形帥
【英題】THE DOLL MASTER
【公開年】2004年  【制作国】大韓民国  【時間】89分  【監督】鄭勇基
【原作】
【音楽】朴ジウン
【脚本】鄭勇基
【言語】韓国語
【出演】任恩敬(ミナ)  金有美(ヘミ)  玉智英(ヨンハ)  イム・ヒョンジュン(ホン・ジョンギ)  沈亨倬(キム・テスン)  千虎珍(チェ・ジファン(館長))  金寶英[女優](ジェウォン(人形師))  南明烈(独房の男)  李佳英(イ・ソニョン)
        
【成分】ゴージャス 不思議 パニック 不気味 知的 かわいい 人形 ホラー 
   
【特徴】人形モノのホラー。雰囲気は日本の少女漫画のオカルトに出てきそうなネタ。
  
【効能】深夜に独りで見ると人形が怖くなる。
 
【副作用】ホラーを見慣れている人にはギャグに見えてしまう箇所がある。
 
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シー・シェパード(3) 近頃の現象[三百七十三]

ブーツにナイフ携帯 
逮捕のシー・シェパード元船長

 
 環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」メンバーによる調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」への不法侵入事件で、艦船侵入容疑で逮捕されたSSの抗議船「アディ・ギル号」の元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン容疑者(44)が、第2昭南丸内での拘束中、ブーツの中にナイフ1本を隠し持っていたことが19日、捜査関係者の話で分かった。乗組員とのトラブルに備え、護身用に携帯していたとみられる。東京海上保安部などはナイフを押収し、銃刀法違反(所持)にあたる可能性もあるとみて調べている。(産経新聞)
 
【雑感】私は昔から朝日新聞を購読していて、産経新聞はあまり好きではない。しかしこの記事の表現は好感を持っている。シー・シェパードを「環境保護団体」と表現せず「環境保護を標榜する米団体」としているのは極めて正確な客観的事実である。
 我々がシー・シェパードを「環境保護団体」と呼んでは、彼らが環境保護をやっている事を認めてしまう事になる。あくまで環境保護を標榜しているのであって、まこと環境保護に値する活動をやっているかどうかは不明だ。さらにローマ字の略称「SS」と書くところがニクイ。たしかにシー・シェパードを略せば「SS」になる。多くの人々が暴力的な集団SSと聞いたら、ナチスドイツの武装親衛隊(SS)を連想してしまうが、産経はそれを考慮しているのかな。
 
 さて、ピーター・ジェームス・ベスーン容疑者、第2昭南丸船長を「逮捕する」ために侵入したとか、さらにシー・シェパード第2昭南丸船長を豪州で告訴したり、なかなか愉快なことをやってくれている。
 そういえば、15年前の今時分だったか、オウム真理教の地下鉄サリン事件があった。「ポア(救済)」と称して人殺しを重ねていた。サリン製造工場から流れ出た有害物質によって風下の民家が被害を受けると、オウム側は被害者である民家からサリンが流れてきて教団が被害を受けたなどと無茶を並べたり。
 オウムの幹部たちが国政選挙に出馬したときも、世間の評価は「泡沫候補」、どう考えても落選は必然なのに、選挙に不正があるなどと騒いでいた。
 
 自分たちの自業自得的加害責任を被害者に擦り付ける所業、オウムの場合は確信犯的なところがあったようだが、シー・シェパードは本気で自分たちが正義だと思い込んでいる節があるから怖い。
 
 我々「良識人」は、自分が100%正しいなどと自惚れてはいない。物事には必ず効能と副作用、長所と短所がある事を知っている。正しいと思っている事も、それはあくまで自分の利益(金銭的利益だけとは限らない)と合致しているから正しいと感じているのであって、対立する立場の人間にとっては悪事となるかもしれない、そんな相関関係も心得ている。
 様々な主義主張があるが、それぞれに敬意を持って接するが深入りはしない。それぞれの良い所を倣い灰色を楽しむのが「良識人」のあるべき姿だ。そして日本は適度に民主主義・適度に封建主義・適度に資本主義・適度に社会主義であることで社会の安定を維持してきた国家だ。世界に誇るべき体制と思う。特定の主義主張に固執すれば、その先は動乱や粛清の悲劇が待っている。
 クロマグロの禁輸否決を、シー・シェパードは「強欲の勝利」と批難したがクロマグロ需要を「強欲」の一言で片付ける姿勢が恐ろしい。人間の営みに対する認識と理解が幼稚なくらい雑い。

 もし私がシー・シェパードのリーダーなら、日本を政治的に追い詰め日本人を精神的に打ちのめすに、鯨問題は捨て置くだろう。それよりも食糧自給率40%未満なのに世界有数の残飯排出国である点を突く。反捕鯨運動を展開するよりも、大量に水揚げされるマグロなどの魚と回転寿司屋で大量に遺棄される賞味期限きれのマグロ寿司を映すことで日本を批難する。そんな国に捕鯨を認めたら鯨は絶滅すると連想させるように仕向ける。
 この切り込み方のほうが痛い。この手法を使わない時点で、シー・シェパードたちが本気で環境保護を考えていない動かぬ証拠だ。
 

 
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黒鮪 近頃の現象[三百七十二]

禁輸案否決に失望=欧州委
 
 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は18日、ワシントン条約締約国会議の第1委員会で大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止案が否決されたことについて、「失望した」とする声明を発表した。
 声明は「大西洋・地中海産クロマグロの資源量回復を確実なものとするには、強制的な対策が必要だと引き続き確信している」と強調。「行動が取られなければ、絶滅という極めて深刻な危険が生じる」と警告している。(時事通信)

 
【雑感】私も現状のシステムのままで資源管理は些か怪しい、クロマグロ取引禁止の要あり、と思うのだが、禁止を推進する勢力にはどこか捕鯨禁止と同じ臭いを感じてしまう。
 
 資源量回復のためと言うが、そもそも鯨も資源量回復のために商業捕鯨を禁止したはずなのに、いつの間にか鯨に「人権」があるがごとくの姿勢。後に食用するために今は禁止ではなく、鯨の「人権」を未来永劫守るために摩り替わってしまった感がある。今回のクロマグロも果たして「資源量回復」のためなのか疑わしい。
 
 漁に反対する国々は、魚を食べる人間の立場として禁止処置を考えていたのか? 考えていなかったからこそ欧米や近頃の環境保護団体の行いに反発する国々が日本を支持するようになったのではないか。
 

 
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龍馬伝(3) TVドラマ評[六]

龍馬伝』サントラ第2弾が5月に発売!
 
 大ヒット放送中のNHK大河ドラマ『龍馬伝』。作曲家・佐藤直紀によるオリジナル・サウンドトラック第2弾が5月26日に発売決定! さらに、若手ピアニストの急先鋒、清塚信也が演奏する「龍馬伝紀行II」が『龍馬伝紀行』(4月4日~)のテーマ曲としてオンエアされます!(CDジャーナル)
 
【雑感】私にとっては興味深いことなのだが、時代劇が大嫌いな連れ合いは「龍馬伝」を毎週欠かさず観ている。私が中村吉衛門氏の「鬼平犯科帳」などを観ようとすると大声で抗議するのに。
 福山雅治効果か? いや、それだけでない。連れ合いは「たそがれ清兵衛」も喜々として観ていた。連れ合いが嫌っているのは歌舞伎由来の型にはまったメイクや台詞でチャンバラする時代劇が嫌いなのだ。これは理解できる。
 
 前の記事でも指摘したが、通常の大河ドラマとは一線を画している点が随所に見られる。カツラやメイク、画質、正確な土佐ことば、リアル龍馬風(実際はどうだったかは疑問だが)、総じて体臭が漂いそうなリアル幕末を描写しようと心がけている。
 
 それに加えてテーマ曲も凝っている。これまでの大河ドラマは、勇ましい曲調が大半を占める。それは舞台となる時代が源平合戦・戦国時代・赤穂浪士といったように「戦(いくさ)」がメインの物語が圧倒的に多いという事情があった。
 今回の幕末明治維新も日本の内乱期なので、勇壮な曲となってもいいのだが敢えてその型はとらず、どこか悩める青少年を連想するような調子としている。そして主人公龍馬も福山雅治氏が演じている事もあって、従来の野太く楽天的な龍馬ではなく、時代に翻弄され悩める田舎の若者といった趣だ。

 これまでの常識やヒエラルキーが崩れていく予感、今まで経験したことが無い混迷の時代、これらを前にして未だ漠然としながらも何かを志向しようと悩みもがく、まさに時代と格闘する若者の姿に今の日本人は自身の置かれている不安定な境遇とすり合わせ、ある人は共感し、ある人は龍馬のようにありたいと思うのかもしれない。
 
 邦夫氏の一件は、ご本人には極めて失礼だが、私は新手の不愉快なギャグにしか聞こえなかった。
 

 
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沢尻エリカ(5) 近頃の現象[三百七十一]

反省の言葉なし…
エリカ様「想定外」会見でアクシデント

 
 「別に…」発言がきっかけで日本の芸能界から距離を置いていた女優、沢尻エリカ(23)が16日、東京・新橋のホテル「コンラッド東京」で、たかの友梨ビューティクリニックの新CM発表会見に出席。2年半ぶりにマスコミの前に姿を見せた。
(中略)
 アクシデントがあったのは終了時。会見は出席者からの質問は一切認めないスタイルだったが、去ろうとする沢尻に、リポーター陣から「反省してるのか」「(沢尻サイドに不都合な取材を一切行わないと誓約させる)6箇条は撤回するのか」と矢継ぎ早に質問が投げかけられた。すると、沢尻は整然とした口調で「(撤回)するつもりはありません」「今回のことはスタッフが考慮したうえでしたこと。騒動に発展したのは想定外でした」と答え、マスコミへの反省の言葉はなかった。(夕刊フジ)

 
【雑感】マスコミは「反省の言葉は無かった」と口を揃えるが、沢尻エリカ氏に何を反省させたいのか? よくわからない。「別に」発言についての陳謝は2年前に済ませているし、今回の復帰で何か不祥事でも起こした訳でもない。
 
 ビューティクリニックのCMに三段腹や腋毛ボーで臨んでいたら「やる気あんのか!」だが、以前にもまして磨きぬかれた美しい身体を披露している。この日本の芸能界から遠ざかっていた2年間、ずっとこのプロポーションを維持していたかもしれないが、普通は若干の変動や線の崩れがあったかもしれない。しかしCMに合わせてベストのプロポーションに整えている。ちゃんと仕事をしているではないか。
 
 六箇条についても、最新の人権感覚に照らし合わせれば「常識」の範疇であり、「不都合な取材を一切行わないと誓約」はマスコミが主観にまかせた勝手な解釈に過ぎない。沢尻氏らの本音がマスコミが指摘したとおりであったとしても、あの六箇条は不当な要求とは思えない。むしろ人権上正当な権利要求だ。マスコミに対して何を反省せよと言うのか?

 そこまでエリカ様の姿勢が気に入らなければ、六箇条に抗議して新CM発表会見を閑古鳥にすればよい。しかし結局は満員御礼のような会見場となり、エリカ様の白いスーツを大量フラッシュで光り輝かせている。23歳の小娘の存在感を大きく際立たせてしまっているではないか。
 かつて佐藤栄作首相が会見場でキレて「新聞記者の諸君とは話さないことにしてるんだ」「出てってください。構わないですよ」と憤然、記者たちも売り言葉に買い言葉で「じゃあ出ましょうか! 出よう出よう!」と佐藤首相を1人残して出て行った有名な退陣表明記者会見がある。そんな矜持はどこへやら。
 
 反省するのはエリカ様のほうではなく、マスコミの節操のほうだと思うが。
 

 
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「ノウイング」 不安と恐怖を楽しむ時に〔18〕

ノウイング」 
宇宙人と神様が同居するアメリカ。

 

 
【原題】KNOWING
【公開年】2009年  【制作国】亜米利加  【時間】122分  
【監督】アレックス・プロヤス
【原作】
【音楽】マルコ・ベルトラミ
【脚本】 ライン・ダグラス・ピアソン 、ジュリエット・スノードン 、スタイルズ・ホワイト
【言語】イングランド語
【出演】ニコラス・ケイジ(ジョン・ケストラー)  ローズ・バーン(ダイアナ・ウェイランド)  チャンドラー・カンタベリー(ケイレブ・ケストラー)  ララ・ロビンソン(ルシンダ・エンブリー/アビー・ウェイランド)  ベン・メンデルソーン(フィル・ベックマン)  ナディア・タウンゼンド(グレース・ケストラー)  アラン・ホップグッド(-)  エイドリアン・ピカリング(-)  タマラ・ドネラン(-)  トラヴィス・ウェイト(-)
        
【成分】悲しい ファンタジー スペクタクル 不思議 パニック 不気味 知的 絶望的 終末モノ 
   
【特徴】典型的なアメリカの終末モノ。
  
【効能】超自然現象や都市伝説などにハマッた少年少女時代を思い出す。真夏の深夜に鑑賞すると効果増大。
 
【副作用】夜、寝るのが怖くなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

鳩山邦夫(2) 近頃の現象[三百七十]

鳩山邦夫氏離党 
与謝野氏、舛添氏との連携視野に
来月にも新党

 
 自民党の鳩山邦夫元総務相(61)は15日、自民党執行部に離党届を提出した。同日都内で会見し、与謝野馨元財務相(71)、舛添要一元厚労相(61)らとの連携も視野に、4月末からの連休前に新党結成を目指す意向を表明した。政界再編を誘発する「爆弾」が投下されたが、ジャーナリストの上杉隆氏は「自民党への影響はさほど大きくない。むしろ、邦夫氏が去って大喜びかも」と分析した。
 邦夫氏がついに自民党を離党、「鳩山新党」結成に動き出すことを表明した。

 
【雑感】鳩山邦夫氏ご本人には確固たる信念があり、多くの賛同者を背景にして行動に出られたと思うが・・。
 
 ただ、あまりにもコロコロ所属政党を変えすぎる感がある。新自由クラブ→自由民主党→改革の会→自由改革連合→新進党→民主党→自由民主党といった具合だ。
 旗色が回復しない自民党を再び見限って出て行くのか? いわば渡り政治家では、リーダーとして担ぎ甲斐があるかどうか、私は疑問だ。自民党内の改革者として、二大政党の一方の雄になるよう気張ったほうが心象が良いのは確かだ。

 そういえば邦夫氏は自分を坂本龍馬になぞらえ、薩長同盟の架け橋となったように与謝野・舛添両氏らの接着剤になりたいと要ったそうだが、それを知った国交相の前原誠司氏が「私は坂本龍馬が好きなので不愉快です」「薩長同盟のように与謝野さんと舛添さんを・・はぁ?」といったコメントをされた。
 残念ながら、私も前原氏と全く同じ気持ちである。同様の印象を持った人は多いだろう。

 

 
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表現の自由とは(12) 近頃の現象[三百六十九]

東京都の2次元児童ポルノ規制、
ちばてつやらが反対の記者会見

 
 子供の性行為を描く漫画など「2次元児童ポルノ」規制のため、東京都が今定例議会に提出した青少年健全育成条例の改正案で、改正案に反対する漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが15日、都庁で記者会見を開いた。(産経新聞)
 
【雑感】児童ポルノ撲滅を正義と信じ込んでいる人には理解しがたいことかもしれないが、この2次元児童ポルノは極めて危険な副作用がある。
 
 どうやら児童の絵に見えた時点でレッドカードのようだが、そもそも同じ20歳前後の生身の人間でも、中高生のように見える者もいれば、30過ぎの大人に見える人もいる。私の連れ合いも歳は6つしか離れていないが、見ようによっては一回り以上離れているように見えて、結婚したての頃は「ロリータ」と私は冷やかされた。
 生身の人間でもこの有様だから、特に精密な画像というわけではない漫画では判別は困難というより無理だ。同じ二次元の写真でもライティングを変えたりフィルターを変えたりカラーを白黒にすることで30歳の人間を高校生くらいに見せることができる。映画やドラマなどではよく使われる技法だ。
 
 ということは、漫画は幾らでもインネンをつけてでっち上げる事が十二分に可能というわけになる。しかも当局担当者の主観でどうにでもなる。
 漫画家は団結して抵抗しなければ、あとあとまずい事になる。漫画家だけでない、一般の市民運動家やNPOも他人事ではない。主観でどうにでもなる法律を許せば、さらに同様の法律ができる。快く思わない国家権力や勢力あるいは対立する団体が標的である団体の印刷物や書類に猥褻部分をでっち上げて検挙したり社会的信頼を失墜させることも可能だ。
 一例をあげれば、森永製菓の天使のキャラクターを2次元児童ポルノと見なして会社全体を猥褻集団として検挙することも不可能ではない。それぐらい、危険な応用が利く条例である。
 
 どんなものにも必ず副作用がある。その副作用は推進する当事者には判り難い。副作用を吟味するには反対者の意見を聞くことが一番有効だ。あとになって自分自身の首を絞めることが無いよう、十分な議論をしなければならない。事が起こってから後悔しても、後戻りできない場合も多々ある。
 派遣労働者や医療制度に関する法律を「良い事だ」と思ってちょっと弄っただけで、今やトンデモない事態になっているではないか。
 

 
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熊田曜子 近頃の現象[三百六十八]

熊田曜子 セクシービキニで観客魅了
 
 タレントの熊田曜子(27)が27日、神戸市中央区のワールド記念ホールで行われたファッションショー「神戸コレクション2010 S/S」に出演した。
 熊田はブルーのビキニに黒の革ジャンを羽織った姿でステージに登場。ゆっくりと歩いた後、革ジャンを一気に脱ぎ捨て、アドリブで考えたという“女豹”を意識したポージングで、B92・W56・H84のダイナマイトボディーを惜しげもなく披露した。会場を埋め尽くした1万1千人余りの観衆からは、ため息とともに大歓声がわき上がった。
 2度目の登場では、一転してキュートなカジュアルファッションで魅了。「神戸コレクションは初めてなので緊張しました。また出たいです!」と興奮気味にコメントした。この模様は3月26日深夜0・30からMBSテレビで放送される。(デイリースポーツ)

 
【雑感】すぐにいなくなってしまうグラビア・アイドルと思っていたが、なかなかのプロフェッショナル。身体の線を維持する努力は素晴らしいし、グラビア仲間の同世代アイドルたちとバラエティ番組対策を練り、一定の存在感を維持していくなど賢明だ。
 巨乳キャラはマリリン・モンロー氏の例があるように、官能的でちょっと頭が悪いキャラとみなされがちであるし、それを売りにする事も多い。熊田曜子氏の場合は、妙に微妙なポジションだ。おバカキャラではないし、かといって知的キャラではないし、巨乳だけかといえば他にも才能がありそうに見える。彼女ならではの存在感がある。
 
 さて、今回の神戸コレクションでの映像、ニュースで観たが素晴らしい肉体だ。(こんな表現を使うとドすけべ中年発言と見なされてしまうが)
 驚いたのは、バストが大きいのに身体全体の体脂肪は少ないのだ。顔つきや胸の大きさからポッチャリタイプを連想するがスレンダーなのである。数年前に週刊誌のグラビアなどで観たときはソコソコ丸みのある体型だったのに、今は筋肉線が美しい。革ジャンを脱ぎ捨てたときに魅せた腋の下、広背筋と大胸筋と三角筋がよく発達している。ウエストや腹筋も、ほのかに筋肉線が見えるていどに引き締まっている。明らかに単なる食事制限だけのダイエットではなく、筋力トレーニングもやっているようだ。さすが、美容関係の本を出しているだけはある。
 
 女豹ポーズで思ったが、黒いレザーのビキニ姿で重そうなクレイモア(スコットランドの長剣)を振り回す女戦士か、あるいは素肌の上に直接黒いレザーの袴と肩衣を着た姿で薙刀を振り回す娯楽時代劇に出演してほしい。(おっと、また助平中年発言と批難される)
 
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「デイ・オブ・ザ・デッド」 不安と恐怖を楽しみたい時に〔17〕

デイ・オブ・ザ・デッド」 
キュートで強いヒロイン。

 

 
【原題】DAY OF THE DEAD
【公開年】2008年  【制作国】亜米利加  【時間】85分  
【監督】スティーヴ・マイナー
【原作】
【音楽】タイラー・ベイツ
【脚本】ジェフリー・レディック
【言語】イングランド語
【出演】ミーナ・スヴァーリ(サラ伍長)  ヴィング・レイムス(ローズ大尉)  ニック・キャノン(サラザール)  マイケル・ウェルチ(トレヴァー)  スターク・サンズ(バッド・クレイン)  アナリン・マコード(ニーナ)  クリスタ・キャンベル(ライトナー夫人)  マット・リッピー(Dr.ローガン)  パット・キルベイン(Dr.エンゲル)
        
【成分】パニック 不気味 恐怖 勇敢 絶望的 セクシー かっこいい ゾンビ ホラー 
   
【特徴】本作の設定は軍の細菌兵器によるゾンビ感染。今回のゾンビ設定は、生前以上の超人的な運動神経を獲得する他に、知能や性格がゾンビになってからも影響する。
 童顔の可愛らしい女性伍長が生存者を率いて奮闘する様が美しい。頼りになりそうな男性たちが早々にゾンビの餌食になったり、あるいは中途で行方不明になり、女性たちが逞しく活路を開いていく所がしびれる。
  
【効能】奮闘するヒロインたちから元気をもらえる。
 
【副作用】ゾンビの設定が不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。

朝鮮学校‐チョソン・ハッキョ(2) 近頃の現象[三百六十七]

朝鮮学校、来月無償化見送り 
第三者機関で審査-政府方針

 
 政府は12日、高校授業料の実質無償化で焦点となっている朝鮮学校の扱いについて、4月に予定される制度開始当初の段階では対象から除外する方針を固めた。朝鮮学校を含む外国人学校に関しては、無償化法案の成立後、文部科学省に有識者による第三者機関を設置して、教育内容が日本の高校に準じているかどうかを審査した上で、除外の適否を判断することとした。(時事通信)
 
【雑感】大阪には高校にあたる高級学校は東大阪市に1校ある。大学校は関東に1校しかないので、東大阪の朝鮮高級学校が大阪の「最高学府」になる。

 友人に誘われて公開授業を見学したのが10年ほど前。当時の印象だが、多少老朽化が目立ってきているもののお洒落な高校に見えた。ただ、学校教育法一条校ではないハンデなのか、運動場は一般の高校に比べ狭い感じがしたしプール施設は無い。この狭い運動場で関西有数のサッカー強豪校になっているというのは凄いことだ。

 制服は、男子はブレザーにネクタイ、女子は朝鮮学校の象徴でもある黒のチマチョゴリ。「北」の拉致問題発覚時では女子生徒への迫害を警戒して、通学時に限っては今どきのブレザーにスカートのJKファッションにして、校門をくぐればチマチョゴリに着替えるという。そんな手間暇かけてまでチマチョゴリにこだわる執念は凄い。
 男子生徒は普通の日本の高校生と変わらない服装なのに女子にだけ「民族」の象徴を背負わしている、とのフェミニストから突込みが入りそうなのだが、不思議とそんな批判はあまり聞かない。
 
 さて、橋下徹知事が朝高を視察、学校(ハッキョ)側も笑顔で歓迎し、生徒たちは花束を贈呈したり民族舞踊などでもてなしたようだ。さらに橋下知事が最低限の条件として主に「朝鮮総聯とは一線を画す」「金日成・金正日親子の肖像画撤去」の2項目をあげ、ハッキョ側も検討すると答えたらしい。対決姿勢はとらず、無償化獲得を優先して友好ムードの微笑交渉を展開といったところか。

 橋下知事の要求に対して、「簡単で大甘な条件」と思われる者も多いと思うが、実はこの程度でもハッキョ側にとっては朝鮮人をやめろと言われたに等しい厳しい条件である。ハッキョ側が即座に応戦せず、検討すると受け止めた事は、多少なりとハッキョ関係者と議論した事のある私には意外に見えた。
 
 実は私もむかしオモニ・アボジ(「母親・父親」のこと、ハッキョでは保護者や父兄の代わりに使う単語)たちに同じような事を言ったら、憤然と説教された。たぶん、私や橋下知事と同じように考えている日本人は多いと思うが、「北」の指導者の肖像画を各教室で飾るのは、戦前や戦中の全体主義で痛い経験のある日本人感情として気味悪く感じるのだ。しかしオモニ・アボジたちは「ハッキョが日本政府の弾圧を受けて苦しいときに、金日成主席は在日同胞を見捨てず国家予算を組んでハッキョを助けてくれた。大恩がある」という。
 また在日コリアンの差別が厳しく、ただでさえ就職難であるうえに、かつて朝鮮学校の学歴では法的社会的に「学校へ行っていない」と見なされた。その結果、ハッキョOBの多くは朝鮮総聯関連の団体や企業に就職することが多かった。
 したがって、肖像画を外す事と朝鮮総聯との関係を絶つ事は大いなる屈辱と死活問題なのである。

 ところが、今回は「検討する」と反応した。考えられる理由は2つある。1つは、私の希望的見方だが、いよいよハッキョは「外国人学校」という政治的不安定な地位から日本の朝鮮民族として民族教育を展開していく方向へ舵をきったのか?
 2つ目は、たぶんこれが事実に近いと思うが、「祖国」から「許可」が下りたのか? 「祖国」から無償化獲得を優先するよう指示があったかもしれない。
 戦後まもない頃のハッキョは、祖国へ帰っても言葉に不自由しないよう設立された「国語」寺子屋のようなものだった。それが、二世・三世・四世と経て、祖国帰還から民族の文化と誇りを見失わないためのものとなり、かつては朝鮮籍の学生(ハクセン)ばかりだったが今では韓国籍・日本籍のコリアンも多い。朝鮮民族の血縁者であれば、親が日本人でも受け入れる。
 しかしあくまで、北朝鮮の海外同胞のための教育期間である原則は崩していない。祖国の指示もしくは支持がなければ、ハッキョ側が検討するなどと応えるはずはない。「馬鹿をいうな!」と橋下知事を突っぱねただろう。
  

 
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村主章枝 フィギュアスケート[四十]

村主章枝
スポンサー付かなければ引退の可能性も


 バンクーバー五輪への出場を逃し、進退が注目されているフィギュアスケート女子の村主章枝(29)が11日、東京都内で会見し、現役続行の意向を表明した。だが、条件として活動継続へのスポンサー獲得を挙げ、今月中に見つからない場合は「(現役)続行は無理だと思う」と引退の可能性もにおわせた。(サンケイスポーツ)
 
【雑感】村主章枝選手の優雅な演技はけっこう好きだった。
 
 「優雅」という形容が相応しいフィギュア選手はやはり村主章枝選手だろう。浅田真央選手は朗らかで溌剌として「可愛い」、安藤美姫選手は「優雅」というよりは「逞しい」、中野友加里選手は日本的「艶やかさ」。優雅さにおいては村主選手が第一人者だろう。まだ優雅さで勝負できる選手が出てきていないので、引退してほしくない。 

 個人的には次ぎのソチまで頑張ってほしいものだが、現役として活躍するには台頭する後進の存在があまりにも大きすぎる。かといって、後進の指導をするには29歳は若く力が有り余っている。
 次世代の選手でポスト村主を担える選手はいるだろうか?
 

 
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「ザ・コーヴ」(2) 近頃の現象[三百六十六]

ザ・コーヴ」は
太地町民への名誉毀損の疑いあり


 ルイ・シホヨス監督はナショナル・ジオグラフィックの元写真家。映画は、1960年代の人気テレビドラマ「わんぱくフリッパー」で活躍し、イルカ保護活動家となったリチャード・オバリー氏が、和歌山県太地町のイルカの追い込み漁に潜入し録画。入り江に追い込んだイルカの群れが漁師たちに殺され、海面が血で染まる様子を映像化し、イルカ漁の残酷さを表現している。 
 この映画がアカデミー賞を受賞したことについて、太地町の三軒一高町長は「科学的な根拠がない虚偽の事実が伝えられたことを遺憾に思う。漁は和歌山県の許可を得て行っている。その国の習慣や実情に基づく長年の伝統や文化を重んじ、お互いに尊重することが大切だ」と述べている。
 このニュースは海外でも報じられており、米ABCニュースは「『ザ・コーヴ』は話題になった映画だが、憂慮すべきテーマのため、興行的に見ると米国の人々には不人気だった」と伝えている。
 また米エンターテインメント紙「ハリウッド・リポーター」は「映画は世界に影響を与えることができる。『ザ・コーヴ』は人々の意識を変える武器だ」という同監督のメッセージを伝えた。(サーチナ)

 
【雑感】映画の内容が明らかになるにつれ、私は制作者たちへの怒りがこみ上げてきた。映画の友人が内容を精細に伝えてきた。
 
 前にも言ったが、和歌山県南部の人間にとってイルカ肉は昔からありふれた食材であり、近所の魚屋で並べられているものである。私自身が少年時代を太地町と文化的によく似ている和歌山県新宮市で過ごしていたのでよく判る。
 
 ところが、映画ではまるで太地町民がイルカの密漁でもしているかのように編集・演出されており、ナレーションも「この小さな町には重大な秘密がある」などと誤解を煽っている。
 何度も言うが、イルカ漁は昔から行われてきており、イルカ肉は魚屋で売られている平凡な食材だ。秘密でもなんでもない。制作者たちが主観にまかせて勝手に「秘密」であるとでっち上げているだけだ。
 
 また町民たちは撮影クルーたちに「イルカ漁に反対しにきたのか」との質問に対し「違うよ」と答える。秘密にしているのは町民ではなく制作クルーの側だ。
 そしてイルカ漁の場面では、まるでスパイ映画のようなBGMが流れ、まるで太地町民を悪の秘密結社のように演出されていたそうだ。これではヤコペッティよりヒドイ手法ではないか。
 
 またイルカ肉の水銀含有率を引き合いに出して日本人の健康被害を警告しているが、イルカ漁を見て涙を流す白人女性クルーは「水銀汚染に晒されている太地町民」のために泣いてはいない事は明白だ。そもそも太地町民の健康を気遣ってのエコロジー映画なら、太地町民の名誉を著しく毀損する挙には出ない。人の命よりもイルカが大事なのだろう。
 
 欧米人の偽善、単なる偽善に留まっていれば良いのだが、過去の歴史を見れば判るように、その偽善が大量虐殺を生んでいる。
 なぜイルカの命が大事なのか? 昔からグリーンピースなどもイルカ問題を取り上げていたが、必ず出る理由に「イルカは賢いから」がある。では、牛や豚は馬鹿だから殺しても良いという事になる。そもそも、平然とアメリカ先住民を虐殺し土地を奪うことができたのも、つい最近までハリウッド映画ではアメリカ先住民を野蛮で好戦的な悪人として良心の呵責なく描くことができたのも「未開」で「異教徒」だったからだ。
 
 「映画は世界に影響を与えることができる。『ザ・コーヴ』は人々の意識を変える武器だ」という監督のコメント、たしかに映画はそんな性質を持っているから政治工作によく使われてきた。しかし、それ以上に身の毛がよだつ悪寒を感じる。
 同じように欧米人は聖書を人々の意識を変える武器にして名実ともに世界侵略を行ってきた歴史があるからだ。おかげで南米の民族文化は壊滅的打撃を受けた。
 
 異教徒を躊躇なく殺す、あるいは殺すまではいかなくても民族の文化を否定してしまう。初詣客に向かって偶像崇拝を悪いことだと決め付けキリストへの帰依を勧めるキリスト教徒たち。
 ローマ帝国がまだキリスト教に支配される前の時代のローマ皇帝マルクス・アウレリウスは、キリスト教徒たちを「頑なな人たち」と評した。私は欧米人のもともとの気質よりもキリスト教の性質が影響していると考えている。
 
 いずれにせよ、「ザ・コーヴ」は映画としては面白いかもしれないが、太地町の名誉を著しく傷つけている。ドキュメント作品として当然一方の当事者の反論をいれなければならないが、それもない。ジャーナリズムとして致命的な手抜きだ。そして世界で最も有名な映画賞の「ドキュメント部門」で賞を獲得したため、頑なで狡猾な制作者たちの独りよがりな主観にまかせた映像が、「事実」として全世界へ流布されていくことになる。
 
 太地町民は日本上映にあたっては顔にモザイク処理を施し、反論字幕を掲載するよう要求しているようだが、手ぬるい。内容を十分精査し、可能であれば名誉毀損で訴え、大々的に反論を展開するべきだろう。
 漁協を「ジャパニーズマフィア」と呼び、「漁協は隠蔽(いんぺい)するためにイルカの肉を鯨肉として販売している」など事実に反するものがある以上、十分名誉毀損で訴えることができると思うが。

 アカデミー賞をとってしまった以上、太地町も泣き寝入りをしては、さらに彼ら彼女たちは攻勢を強める。闘うべきだ。
 

 
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「ザ・コーヴ」 近頃の現象[三百六十五]

ザ・コーヴ」 
果たして本当に“ドキュメント”かどうかを
確認する必要がある。

 
 撮影の際に古式捕鯨発祥の地、和歌山県太地町でイルカ漁を隠し撮りし波紋を呼んだ米映画「ザ・コーヴ」(ルイ・シホヨス監督)が第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を7日(日本時間8日)、受賞した。映画の配給元は、今夏の日本上映に向け、立ち入り禁止地域での盗撮など一方的な表現部分を修正するよう製作会社に要請していることが分かった。東京都、大阪府、和歌山県など約20~30館での公開を予定しているというが、太地町では反発の声が広がっている。(スポーツ報知) 

【雑感】私は和歌山に住んでいた時期があり、鯨・海豚漁に違和感はない。鯨肉はよく食べたし、海豚は鯨肉と変わりはない。

 作品の完成度については観ていないので論評できないが、民族や地域文化を名指しで否定する目的で映画づくりをする姿勢には激しい嫌悪と軽蔑を感じる。
 また、このような映画にアカデミー賞を与える姿勢には、現在もなお自分達の価値観が全宇宙の正義と信じこみ、過去千数百年に渡って「異民族・異教徒」を虐殺蹂躙したキリスト教的傲慢を感じる。
 

 
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沢尻エリカ 近頃の現象[三百六十四]

エリカ様「不都合なこと書くな」 
受け入れて署名するマスコミあるのか


 女優の沢尻エリカさん(23)が芸能界に復帰することになり、マスコミに突きつけた要求が波紋を呼んでいる。都合の悪い記事を書かないことへ署名を求め、違反すれば、高額賠償例もあるスペインで訴訟を起こすというのだ。(J-CASTニュース)
 
【雑感】どんな「非常識な」要求かと楽しみにしていたのだが、内容は以下の通りらしい。
 
・沢尻の情報や声明を伝える場合、歪曲や誤解を招く事を避ける。
・情報を公開する前に、その信憑性を十分確認し、根拠のない噂話は一切公開しない。
・一方的か屈辱的な表現や侮辱的表現を、沢尻やその家族(先祖・子孫や配偶者を含む)に使わず、彼らの名誉を棄損するようなコメントはしない。
・プライバシーを許可なく公開しない。
・不明確あるいは有害な記事は訂正する。
・本人や家族の私生活を撮影したものを入手したり許可なく記事にしたりしない。
 
 内容自体は至極「常識的」「当たり前」「現代の人権感覚に合致した内容」であって、マスコミが騒ぐ「仰天内容」ではない。これを仰天内容というマスコミのほうが非常識で異常だ。しかも今ところこれら要求に応じるマスコミはいないという。もっともこれらマスコミの反応自体が「沢尻の情報や声明を伝える場合、歪曲や誤解を招く事を避ける」に抵触してしまっているわけだが。
 
 政治家と芸能人は「公人」でプライバシーは有って無いようなもの、という考え方もできる。下手したら芸能人に人権は無い、沢尻エリカ氏は復帰するよりも、そんな日本社会に逆らう事が目的か?
 
 できれば、ヨーロッパやアメリカの映画界で脚光を浴びて、日本へ凱旋するという形がとれたら、マスコミは平伏すると思うし、沢尻ファンの私としてはそうあってほしいと思っている。力で日本の芸能界や芸能ジャーナリズムを屈服させて欲しいなぁ。
 

 
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敬宮愛子内親王 近頃の現象[三百六十三]

愛子さまが「乱暴」で学校お休みに

 宮内庁の野村一成東宮大夫は5日の定例会見で、学習院初等科2年生の敬宮愛子さまが、同学年の児童たちから「乱暴」を受けていることを理由に、今週学校を続けて欠席されたことを明らかにした。乱暴の具体的な内容については言及を避けた。(産経新聞)
 
【雑感】普通の子供ならニュースにならない些細なことでも、これが皇族となれば、祖父は今上陛下、父は皇太子殿下となれば、立派な政治経済の問題になる。
 
 それにしても、宮内庁からこんな話が出るのも異例だが、学習院からそんな話が出るのも異例だ。これが一般の子供であれば、巷でよく発生している「学級崩壊」「いじめ」「不登校」として片付けられ、いちいちニュースにならない。
 
 具体的な説明を避けているのでどういう状況かは判らないが、少なくとも宮内庁と学習院が対立していることは確かだ。
 

 
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朝鮮学校‐チョソン・ハッキョ 近頃の現象[三百六十二]

鳩山首相、朝鮮学校生徒との面会検討へ 
高校無償化法案

 
 鳩山由紀夫首相は2日の衆院予算委員会で、高校無償化法案の対象に朝鮮学校を含めるかどうかに関連し、朝鮮学校の生徒との面会を検討する考えを示した。社民党の阿部知子政審会長の質問に答えた。(毎日新聞)
 
【雑感】高校無料化法案、朝鮮学校(以下「ハッキョ」)に通っていた友人知人がいる関係から私も気になっていた。必ず問題となり議論は紛糾してなかなか落とし所が見えない事態になるだろう。
 鳩山首相はこないだ拉致問題との絡みから対象にしない旨の発言をした。当然、ハッキョ関係者は反発するし、ハッキョと友好的な関係にある社民党も真意を質しにくる。

 保守市民やハッキョと全く無関係の市民からすれば、我が日本と対立する国の国旗を掲げている学校にまで無料化するのは間違っているし公平で無いと思うだろう。歴史教育では「反日教育」を公然と行っている。仮に認めるにしても、ハッキョの後ろにある朝鮮総聯が拉致被害者救出のため「祖国」に対しアクションを起こすのが筋だ。私もその通りだと思う。
 また法的には各種学校、そんな扱いが嫌ならちゃんと学校教育法に則ったハッキョにすればええやないか、と考える。現に関西では韓国系の金剛学園が学校基本法を遵守した「一条校」すなわち普通の小中高大学および高専や盲学校・聾学校・養護学校と同じ資格で運営しており、日韓両国から支援を受けている。
 
 一方、ハッキョ側にも言い分がある。金剛学園は教育基本法や学校教育法を遵守しているので、文部科学省が定める制約でカリキュラムを実施しなければならない。民族教育に力を入れているものの、ベースは日本語の授業であり、韓国語は事実上第一外国語扱いだ。
 ハッキョでは校門をくぐれば日本語使用は禁止、朝鮮語(ウリマル)しか使用してはいけない。これは他のインターナショナル・スクールでも同じで、アメリカン・スクールでは英語、中華学校では中国語を使う。民族文化の根幹は言語であり、「母国語」としてマスターするには現行の「一条校」では不十分なのである。
 
 また、両国の争いの狭間で子供を犠牲にするべきではない。在日コリアンが民族教育を受けるのは正当な権利、という主張も誤りではない。実際、朝鮮民族の授業を実施している学校は日本には殆ど無く、受け皿としての質と大きさでは北朝鮮の国旗を掲げているハッキョ以外に無いのが現状だ。これに賛同すると大甘の綺麗事と批難する保守系市民が多い。
 しかし日本は国家として世界人権宣言を支持し、国際人権規約を批准しており、子供の権利条約や人種差別撤廃条約も締約している。そして条約に関連した国連の各種機関から在日コリアン児童の民族教育について「対応不十分」と再三にわたって勧告を受けている。
 
 もし私がハッキョ関係者だったら、国際世論に訴え国連を巻き込んで日本を糾弾するだろう。このような事態になったら、けっこうややこしい事になる。
 橋下徹知事はこの問題についても怪気炎をあげているようだが、今回は門真の保育園の芋畑を潰したのとはわけが違う。暴力団を例えにしたのは拙い。

 
 個人的には、ハッキョに通っていた友人知人がいたので、学校教育法が定める一条校なみの扱いにしてほしいと思っている。ハッキョは幼稚園から大学までありながら各種学校の扱い、そのため補助金や学割などの減免で行政サービス的に不利である。また資格や学位習得でも、以上の事情から朝鮮大学校では医学部などのライセンスが絡む学部は無い。
 保守市民の中には拉致問題をきっかけに朝鮮学校に通う人が少なくなったと主張しているようだが、学校(ハッキョ)は各種学校の扱いという事情から学費が高く教職員の給与は低く、以前なら朝高まで進学したら家が破産するとまで言われていた。そのため昔から在日コリアン就学対象者の2割程度しかハッキョに通っておらず、現在もその水準だ。加えて少子化の波で休校になるハッキョもある。私の地元でもこの10年間に2校減った。ハッキョに通うのは、生徒も親御も教師も大変なのだ。
 逆に、そんな苦しく不利な環境でも2割の人たちが通っている。知人の中にも「北の体制は嫌いだが、民族教育はハッキョしかないから」と日本籍・韓国籍でありながら子供をハッキョに通わせている。

 冷徹に在日コリアンへの「同情」抜きで分析してみよう。日本の学校で不登校や学級崩壊が発生しているのとは対照的で、ハッキョに通う生徒や教師および支援する保護者は覚悟を決め必死の思いでハッキョを支えている。大阪の朝高がスポーツ大会で強いのも、有名大学への進学率が高いのもその為だ。しかも国際法はハッキョ側に有利だ。そして日本は国際法に従う事を約束した国だ。
 下手にこじらせると、厄介なことになるのは目に見えている。地域社会の安定を考えれば、ハッキョを無料化から外すのは得策ではない。

 
 これからさらに世代を経れば、民族学校のあり方も変わってくる。すでにアメリカン・スクールや中華学校では文科省の教育に不満と不安を抱いた一部日本人が通いだして久しい。ハッキョ側は未だ親族にコリアンがいなければ入学を許可しない(日本人のサッカー少年が強豪朝高への入学を希望したが断られた)ようだが、少子化と韓流定着の事情からいずれは政治的問題から離れて変わっていかざるを得ないと思う。
 多民族国家であれば国籍と民族は別物が常識だ。日本も変わらざるを得ないし、在日コリアンも変わって行かざるを得ない。「朝鮮族の日本国民」という形が最も安定してすっきりする。「永住外国人」という身分は政治的に捏ね繰り回されて不安定だ。
 日本も「北」が嫌なら学校基本法を改正して、朝鮮学校に頼らずに民族教育を満足に受けられるよう体制をいまからとっておくべきだろう。仮に「北」の政体が倒れたら、難民が大挙して南下してくるは必定、日本が無関係でいられるのは100%不可能だ。そのとき難民児童の教育を担えるのは、今のところ朝鮮学校しか無い。

 

 
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