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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

由美かおる(2) 近頃の現象[三百八十三] 

由美かおる
涙浮かべ『水戸黄門』レギュラー“卒業”会見


 女優の由美かおる(59)が5日、東京・赤坂のTBSで緊急会見を行い、同局系時代劇ドラマ『水戸黄門 第41部』(4月12日 後8:00スタート)をもって、同ドラマの“レギュラー出演”を卒業することを正式に発表した。昭和61年以来、湯気が立つ“入浴シーン”で色気を振りまいてきた由美だが、今年11月の還暦を前に打ち止めとなる。由美は「これからは近くの銭湯でノビノビと泳いでみたい」とはじめこそ、笑いを交えながら話したが、途中では目に涙を浮かべて言葉を詰まらせる一幕も。会見には民放各局の報道陣も駆けつけるなど、長きにわたって愛され続ける同ドラマの影響力を見せつけた。(オリコン)
 
【雑感】由美かおるよ、水戸黄門という体制権力のくの一よりも、反体制の究極の女性ヒーローに挑戦してみては如何か。
 
 その究極の女性ヒーローは、永井豪氏原作の「けっこう仮面」だ。由美かおる氏ほど適役はいない。
 
 アイディアはこうだ。平素は教師を定年退職して「スパルタ学園」で嘱託教諭として務める老教師。白髪混じりの頭に老眼鏡にオバサン臭いレディーススーツ。ところが生徒の高橋真由美が危機に陥ったとき、けっこう仮面として参上。
 スパルタ学園側は見事なプロポーションから容疑者を20代から30代の女性に絞り、若い女教師や、はては女生徒にも疑いをかけるが、由美かおる教師にはノーマーク。これはウケること間違いなし。
 
 由美かおる氏はバレエと合気道の達人、時代劇の殺陣もプロ。ヌンチャク技もすぐにマスターできる、いや既に得意かもしれない。今までにないアクションができる実写版けっこう仮面が誕生できる。
 
 由美かおるよ、貴女しかいない!
 

 
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[ 2010/04/06 07:39 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)

由美かおる 近頃の現象[三百八十二] 

由美かおる水戸黄門を引退!
 
【雑感】朝のTVニュースで少し驚いた。いずれはそんな日がやってくるだろう。
 
 私は大権威大権力者の「水戸黄門」は好きではないので見ていないが、お銀はもう少し活躍してほしかったかなと思っていた。レギュラー俳優が一新されても彼女のお銀だけは残留したところを見ると、視聴者はお銀が目当てなのだろう。
 
 実は、由美かおる氏のヌード写真集を数冊持っている。30歳ごろに撮影した写真集と、50歳を過ぎて撮影した写真集を見比べると神々しさを感じてしまう。
 見た目だけなら若々しい人は大勢いる。しかし彼女は30の頃も50の頃も全く同じ裸体なのだ。若干、目尻の部分にシワができたくらいで他は変わっていない。
 

 
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[ 2010/04/05 07:31 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)

女優評 オードリー・ヘプバーン 「ロビンとマリアン」 (1976)  

ロビンとマリアン
育児休暇から復帰第1作。


 オードリー・ヘプバーン氏の代表作といえば「ローマの休日」や「マイ・フェア・レディ」「ティファニーで朝食を」思い浮かべる人が多いだろう。この頃のオードリーは天真爛漫の少女といったおもむきだ。(余談1)

 しかし、この「ロビンとマリアン」でのマリアン役のオードリーはもはや少女ではない。50歳を目前にした女優で少女的な面影もない。役柄であるマリアンももはや「姫」ではなく、壮年の修道院長だ。ただ、代官の手の者から守るため修道院からマリアンを連れ出そうとするロビンに文句を言うあたりは、若い頃のマリアンとオードリーがダブって見える演出は、さすがレスター監督だ。

 ロビン・フッドの物語は世界中に知られている。欧米なら日本の桃太郎と同じくらいポピュラーだ。だからこの作品でロビンやマリアンの若い頃の解説をする必要もない。そして、ショーン=コネリー氏もこのロビンではドン臭い役だが「007」のナイスガイであることは多くの観客が知っている。オードリーも、輝くような笑顔をした活動的な女の子キャラだった事も知っている。たぶん、監督はこのオーバーラップ効果を狙ったのではないかと思う。

 そしてもう一つ、オードリーは子育てを理由に映画出演のオファーを60年代後半から断り続けてきた。(余談2)いわば「ロビンとマリアン」は10年のブランクを経ての出演である。ローマのオテンバ王女だったオードリーも、二度の離婚と育児に追われ、すっかり壮年の女性になった。彼女にとってもマリアン役はタイムリーだと自覚していたのではないだろうか。

(余談1)アメリカでは金髪でグラマーな女優がメジャーだ。オードリーと同時代に活躍した女優で最も脚光を浴びたのはマリリン・モンロー氏だ。金髪でグラマーでセクシー。もっとも、彼女が映画デビューする前のモデル時代の写真を見た事があるが、髪は栗毛色で健康的に日焼けした女の子だった。商売とはいえ、髪の色を抜き身体を白くするとは、辛いものがある。本当は向学心旺盛で演技派女優を目指していたのに馬鹿な振りをしなければならないのも切ない。
 そういう意味では、まだオードリーは我を張れた方かもしれない。周囲の映画人の理解も比較的あったようだ。

 さて、アメリカ人にウケるために自分を作りかえたモンローだが、日本での人気はイマイチだ。アメリカの象徴としてモンローは称揚されたが、親しみではオードリーが断然上だ。ほぼ黒に近い髪に童顔、華奢な身体つきに親近感を抱かせた。オードリーのスタイルは当時の日本の女優にも強い影響を与えたのではないか。

(余談2)子育てだけが理由ではない、と勘ぐるファンや映画関係者も少なくない。
 

 
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[ 2010/04/05 00:16 ] 映画・・女優評 | TB(0) | CM(0)

男優評 トム・クルーズ 「ワルキューレ」(2008) 

ワルキューレ
ラスト、もうひと工夫あれば・・。


 アイドルスター俳優と思われがちの俳優だが、トム・クルーズ氏はけっこう様々な役に挑戦している。88年の「カクテル」くらいまでは青春スターといった感じだったが、89年「7月4日に生まれて」では頭髪が薄くなりかけた老け役に挑戦し、その後は痩せこけたバンパイア・鎧兜のサムライ・無表情の殺し屋など、普段は髭の無いナイスガイを演じつつ、時折これら個性的キャラをこなしてきた。

 そして今回はドイツ人である。ヴュルテンベルク王国(余談1)から続く伯爵家の当主にしてドイツ国防軍の大佐、ヒトラーに反旗を翻すグループの実戦リーダー、保守的なカトリックで騎士道精神の持ち主、ドイツでは特別な人物であり遺族も健在であるから、カルト信者のアメリカ人が扮する事に強いアレルギー反応を示す。公開に漕ぎ着くまでには何度もトラブルに見舞われたいわくつき映画である。
 例えて言うなら、中国人俳優が有名日本軍将校を演じるようなものだろう。やはり所作が中国人なのである。要所要所の特徴はよく捉えているが、前髪が長い陸軍兵士がいたり、剣舞が中国拳法みたいだったり。
 
 だからトム・クルーズ氏もヤンキー臭さが出てしまうとアウトである。軍服を着る役は既に何度もこなしているが、今回の役柄は単なる将校ではなく故郷へ帰れば伯爵様だ。アメリカ青春スターのような軽くてヤンチャな雰囲気は殺さなければならない。加えて史実の大佐は30代後半の若さだから若々しくなければならない。
 トム・クルーズ氏も安っぽく見られないよう貫禄ある動きに徹すよう注意していたみたいだ。物語の大半は威厳のある姿勢で慌てず堂々と歩く場面ばかり続く。作品レビューでも述べたが、歩き方の練習をけっこうしたように見える。

 史実を御存知の方なら説明の必要はないが、ヒトラーは数々の幸運(余談2)が重なって難を逃れた。観客の多くも結末を知っているので、作品の成功は演技力にかかっているといっても良い。
 今回は大袈裟な演技やアクションで誤魔化せない。佳境では殆どを司令官席に座って指示を飛ばしたり、忙しそうに電話をかけたりする場面ばかりを演じる事になる。皆を動揺させないため常に堂々と振舞わなければならないので、今まで演じてきたヒーローのように泣いたりわめいたり焦ったりはできない。名誉あるドイツ将校なので、襟を開けたり上着を脱いでシャツ姿で腕まくり、といった表現もできない。さらに黒い眼帯で片目を隠しているので、表情の半分くらいが消える。せいぜい顔を汗でテカらせる事しか小細工ができない。魅せ辛い役柄だったろう。

 ただ、ラストの処刑の場面では、もう少し弱った大佐を演じても良かったのではないかと思った。実際の大佐は左腕に銃弾を受けて出血、手当てされなかったので血は流れ放題。そのため意識が朦朧としていたらしい。作中でも袖から血が流れているのを構わず直立不動の姿勢でいる大佐を演じているが、朦朧とした感じには見えなかった。
 腕から流れる血をもう少し強く強調し、血色の悪いメイクをほどこして処刑寸前に「聖なるドイツ万歳!」と叫ぶ方がよりインパクトがあったような気がする。

 最後に、トム・クルーズ氏の顔立ちは張りがあり実年齢よりは若く見えるし、角度によっては意外にも実際のシュタウフェンベルク大佐の面影がある。それだけに英語台詞は残念。
 真田広之氏はシェークスピア劇で17世紀の英語台詞をマスターし、「プロミス」では中国語台詞で通した。世界中から俳優たちは英語をマスターしてハリウッドで仕事をする。ならば、トム・クルーズ氏もドイツ語をマスターしてほしかった。

(余談1)ドイツ帝国を構成する王国。ドイツ南部バイエルン王国の隣にあった。1918年のドイツ革命で王政は廃止、ワイマール共和国の一州になる。現在もドイツ連邦共和国を構成する一つの州だ。
 この地方はどちらかといえばワインの生産地で有名。ローマ帝国の対ゲルマン最前線に位置しており、ローマ人が葡萄栽培と醸造技術を持ち込んだ。

(余談2)様々な幸運が重なってヒトラーは殆ど無傷で助かった。
 原因は、夏の暑い日だったので窓を開けていた。7月下旬にもなればドイツでも暑い。このため爆風が外へ逃げて威力が激減した。
 ムッソリーニとの会談などが予定に入ったので会議の時間が早まり、2つ用意した爆弾のうち1つしか起爆装置をオンできなかった。
 さらに大佐が目的の場所に鞄を置いたが、大佐が退避してから別の幕僚が鞄を移動させた。それがたまたまテーブルの太い脚の陰だったため、爆風がヒトラーを反れた。

 これらは戦史に詳しい方々にとっては超有名なエピソードで、映画でもほぼ忠実に再現されていた。
 

 
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[ 2010/04/04 07:08 ] 映画・・男優評 | TB(0) | CM(0)

「TAJOMARU」 社会を冷笑したい時に 

TAJOMARU」 
時代劇俳優小栗旬

 

 
【原題】
【公開年】2009年  【制作国】日本  【時間】131分  【監督】中野裕之
【原作】
【音楽】大坪直樹
【脚本】市川森一 水島力也
【出演】小栗旬(畠山直光/新多襄丸)  柴本幸(阿古)  田中圭(桜丸)  やべきょうすけ(道兼)  池内博之(畠山信綱)  本田博太郎(栗山秀隆)  松方弘樹(旧多襄丸)  近藤正臣(景時)  萩原健一(足利義政)  山口祥行(-)  綾野剛(-)  須賀貴匡(-)
        
【成分】パニック 勇敢 時代劇 室町時代後期 15世紀 
   
【特徴】
  
【効能】
 
【副作用】
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。

「しごと館」 近頃の現象[三百八十一] 

しごと館」を宇宙ミュージアムに 
松本零士さんが首相に要望

 
 漫画家の松本零士さんは2日、首相官邸で鳩山由紀夫首相に会い、3月に閉鎖した雇用・能力開発機構の職業体験施設「私のしごと館」(京都府精華町、同府木津川市)をマンガやアニメの展示施設を持つ「国際航空・宇宙科学ミュージアム」として再利用するよう要望した。松本さんによると、首相は前向きな姿勢を示したという。(時事通信)
 
【雑感】「首相は前向きな姿勢」か・・。あの方は誰にでも良い顔するからなぁ・・。
 
 「しごと館」は巨大施設のわりに中途半端な内容だった。体験施設なのか博物館なのかよく判らない。意味の無い人形もたくさん置いてあったし。
 何より、全国の労働者から掻き集めた失業保険で建てたそうではないか! 年々、保険はもらい難くなってるんや! 労働者が失業した時に備えて国家に預けた血と汗の結晶を無駄遣いしよってからに。私には悪魔の施設に見えた。

 思い切って遊園地にして、一歩中に入れば子供たちのための子供たちによる「町」になり、子供たちが興味ある職業が体験できるというより、成りきれる世界をテーマにすれば、ウケたと思う。実際、調べてみればアメリカではそんな遊園地があって、子供たちはその擬似空間で一日希望する職業、商店の店員やTVディレクターや消防士や警官に扮して過ごせるという。銃などは危険なので持たせないが、制服や機材や商品はできるだけ本物を使い、その「町」だけに流通する通貨で生活する。
 アメリカには既にあったんや。しかもかなり盛況らしい。
 
 私のしごと館」は、ハッキリ言ってお役人が考えたような中途半端な定番施設だった。あれでは客は来ない。松本零士氏の提案は悪くないと思う。京都には漫画の最高学府京都精華大学(私は80年代前半に受験して落っこちた)があるし、漫画のミュージアムもあったと思うし、伝統と最新科学と文化が同居する憧れの街だ。そこに松本氏が構想する施設ができれば、と思うとワクワクする。
 しかし行政が主導でデザイン・運用する限り、同じことの繰り返しになる恐れがあるな。
 
 企業の買い手がつかなければ、このまま廃墟になるという。なんでも商業地には転用できない土地らしいので、放置されるのはほぼ確実といわれている。
 
 思い切って、そのまま放置して荒れるに任せて、巨大廃墟を売りにした観光スポットにすれば、かえってウケるのではないか。プチ軍艦島にして観光誘致と映画撮影などに使えば、建設からの元は取れないにしても、廃墟になってからを起点にしたら儲けになるかもしれん。
 

 
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[ 2010/04/03 07:04 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)

宅八郎(2) 近頃の現象[三百八十] 

ミクシィに「ブッ殺します」宅八郎氏、
起訴猶予

 
 インターネットの交流サイト・ミクシィに、音楽評論家の男性(51)(神戸市)の名前を挙げ、「ブッ殺します」などと書き込んだとして、兵庫県警が脅迫容疑で書類送検した評論家の宅八郎氏(47)について、神戸区検は3月31日付で不起訴(起訴猶予)とした。(読売新聞)
 
【雑感】区検はバランスを考えたな。
 
 法律というのは条文を厳格に守り過ぎたり、拡大解釈が過ぎると、他の関連との整合性が乱れ窮屈な社会を作り出してしまうので、ケースバイケースで考えないといけない。
 これを立件・起訴してしまうと、例えばモンスター・ルーキーが出勤時常にボイスレコーダーを隠し持ち、上司や先輩の指導や注意や説教を記録、パワハラやセクハラや脅迫傷害をでっち上げるのも可能になる。下手をすれば管理職には誰もなりたがらなくなってしまうだろう。もう既に一部ではなっている。
 
 それと宅氏の過去の言動が区検の「信頼」を得たことも考えられる。宅氏はマイナスイメージが多いが、けっして常識を知らない人間ではない。常に冷静に対処し、慎重に一線を越える事を避け、言論戦に徹している事が、昨今の凶悪犯人との差別化に成功した。
 
 宅氏はキモワルオタクを演じているが、「噂の眞相」では本多勝一氏と意気投合して握手をしているほどの人物、本質は自制心のある知能的左翼だ。
 

 
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[ 2010/04/02 09:57 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)

「ザ・コーヴ」(3) 近頃の現象[三百七十九] 

シー・シェパード上映「ザ・コーヴ」 
引き裂く日豪の絆

 
 かつて真珠貝採取の日本人潜水士でにぎわい、人口の過半が日本人だったこともあるオーストラリア北西部の町ブルーム。
 日豪交流史の象徴ともいえるこの小さな町が、日本の姉妹都市、和歌山県太地町のイルカ漁を描いた米映画「ザ・コーヴ入り江)」をめぐり、揺れている。姉妹都市提携解消や住民同士の人種対立にも発展し、わだかまりは当分解けそうにない。(読売新聞)

 
【雑感】シー・シェパードが太地町と姉妹都市関係にあるこの町に目をつけ政治的問題に発展させるべく行った上映だ。イルカ漁を否定するイギリス系市民とイルカ漁に理解を示すアジア系市民の対立が激化している。
 シー・シェパードは環境問題に取り組むというより、むしろ白人と非白人、キリスト教信徒と非キリスト教市民との対立を煽っているようだな。
 

 そういえば、サホイヨス監督は日本向けスピーチを発表したようだ。これについて一つ一つ反論してみよう。

「日本での上映は昨年の東京国際映画祭の2回のみ。映画を批判している人たちの多くはまだ映画を観ていないのでは? 単純に、まずはこの映画を観てから判断していただきたい」
 映画についての評価は全くその通りだ。私は「入り江」についてのレビューはまだ書いていない。作品として優れているかどうかは別に判断する。
 かつて似非ヒューマニズムの「キリングフィールド」なる映画があった。私は作品の完成度は高く評価したが、内容については糞味噌にけなした。欧米人のアジア人に対する「上から目線」が露骨だったからだ。
 「入り江」も完成度が高ければそれは評価するつもりである。ただ、イルカ問題については昨日今日始まった訳ではなく、既に70年代頃から環境保護を標榜する犯罪者からチョッカイをかけられている。左翼的ジャーナリスト本多勝一氏がこの問題について環境保護を標榜する欧米人活動家にインタビューを行い、彼らの欺瞞と差別思想を指摘し批判した。
 無駄だと思うが、逆にサホイヨス監督は何故バッシングを受けるのか、映画の問題ではないことを考えてほしいものだ。
 
「地球存続には海洋保護が重要だと思っており、それには大きな情熱を持っている。仲間たちと『ザ・コーヴ』の制作を決めたのも、海からのメッセージを伝えるため。映画というメディアを使うことにしたのは、それが世界で最も力を持つ『創造力の武器』だと考えたから」
 たしかにその通りだ。だから国家権力もプロパガンダに映画をよく使う。民族対立を煽る結果になっては、海洋保護どころではなくなるな。
 
「イルカを殺すという伝統は、どのレベルで考えても必要だとは思えない。一番シンプルなレベルで考えたとしても、人々の健康を危険にさらす伝統にしかなり得ない」
 なんやて? イルカを殺す? ハムやソーセージは牛や豚を殺して作っているんだよ。「漁」という言葉を使わず「殺す」という言い回しをしている時点で偽善は明白。イルカは可愛くて賢いから人権があるとでも言いたいのか?
 
 もし本気で環境保護を訴えるのなら、完全ベジタリアンになって草食を勧めるほうが理に適っている。肉を生産する時にかかる飼料費や人件費は莫大。飼料を作る耕地を獲得するため多くの森林が伐採されている。本当に環境保護家ならこちらのほうを深刻に考えるべきだ。草食になれば世界の森林破壊を食い止めるだけでなく60億の人間を食べさせる余裕が出てくる。

 水銀汚染を問題にしているようだが、既に70年代から魚介類全般の汚染が指摘されている。食物連鎖の上位にある海洋生物はイルカに限らず全て晒されているのだ。そういう意味ではマグロのほうが問題ありだろう。
 いや、世界的流通量が圧倒的に少ないイルカよりも、圧倒的に多いマグロがより深刻であり、人体の影響が映画の主題ならイルカよりも先にマグロ問題を中心に取り上げるべきだった。

 私が監督なら、食物自給率40%程度の日本が世界有数の残飯大国である点を追及する。大量に水揚げされるマグロが回転寿司屋で大量に生ゴミとなる絵を意図的演出して撮るだろう。堅気の回転寿司屋なら単なる残飯ではなく飼料肥料として再利用するだろううが、それはカットして如何に日本が食物を無駄遣いしているかを強調すると、イルカ問題と違って日本市民からも映画の賛同者が出る。こないだのワシントン条約会議も日本の巻き返しを防げたかもしれない。
 シー・シェパードは「貪欲(どんよく)な私利私欲のグループ、違法な魚の取り扱い業者、政治利権の力などが存在」などと偉そうに日本をはじめとする漁業国を批難しているが、お前らがイルカ・鯨に気をとられたからの敗北だ。

 本当に環境保護と健康被害が映画の主題ならば、自然環境の破壊が深刻でない太地町や絶滅が危惧されず流通量の低いイルカなど後回しにするはず。監督は嘘をついている。さもなくば勉強不足の怠慢だ。あるいは自分が反日の自覚がなくイルカに人権があるなどと妄想を抱いているか、だ。
 
「もし招かれれば、喜んで討論に参加する。そして何にも増して日本人にこの映画を観てほしいし、彼ら自身によって考え、判断してほしいと熱望している。そういったことができる人たちに、ただそうしてほしい。日本の方々はそうできるはずだ」
 監督たちこそ自分たちの行動がまことに環境保護なのかどうかを考え判断してほしい。聖書を片手に全世界を侵略しアジア・アフリカ・アメリカ・オセアニアなどの非白人や「異教徒」を蹂躙してきた歴史を反省し、今回も聖書が環境保護に摩り替っただけではないかどかを自問してもらいたい。
 環境保護の熱心さを白人社会にアピールするだけで環境保護に貢献しているなどと思い上がりも甚だしい。
 

 
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[ 2010/04/02 07:03 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
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