街角のギャラリー 晴雨堂の晴耕雨読な日常[三十九]
「オペレーション・マインドクライム」

【雑感】「オペレーション・マインドクライム」、どこかハードロックかヘビメタに出てきそうなタイトル、悪魔か野獣のような扮装をしたヘビメタのミュージシャンがチャラチャラと身に着けていそうなオブジェに惹かれた。
上記の写真では、丼か臼のようなモノにかためて入れている様は何か蛇の骨のようにも見える。ギャラリーでは一つ一つ壁にかけられていて、単品だけを観れば風変わりなデザインのナイフに見える。
作者は渡辺紀明氏、ギャラリーに置かれていた名刺によると、大阪で造型の工業デザインを手がけている「試作王」という工房の関係者のようだ。仕事の合い間に造形美術をやっているのだろうか?
さて、個展が開かれているギャラリーは大阪キタの下町である中崎界隈にある。

中崎は地下鉄谷町線中崎町駅前に広がる古い街が残る地域で、上町筋や松屋町筋に広がる空堀商店街界隈と同じく築5・60年以上の「古民家」を利用したカフェやギャラリーが点在している。けっこう私は好きな空間だ。
このギャラリーは元は何に使っていたのだろうか? 物置か何かの店舗か? 中は3畳ほどの狭い空間、物置を日曜大工でギャラリーに改装したような雰囲気に見える。
どちらかといえば中崎町駅よりも毎日放送からの方が近いのだが、土地勘がないと道に迷うかもしれない。
私は有名絵画を展示する公立の美術館や百貨店や商業ビルのギャラリーよりも、こういった手作り感覚のギャラリーをまわるのが好きである。有名展覧会だと観客は多いし、ゆっくり鑑賞できないし、行列に並ばなければならない時もある。その点、この街角の小さなギャラリーなら気楽に訪問して時間が許す限り鑑賞して、運が良ければ作者と歓談する機会もある。
私も将来は郷里にそんなギャラリーをつくってみたい。
帰りは吉野家に寄って晩御飯を食べた。新商品の牛鍋丼280円である。

私は丹念に具材が赤くなるまで七味唐辛子を振りかけ、さらに紅生姜を敷き詰める習慣がある。子供の頃、肉が嫌いですき焼は嫌いな食べ物の上位だった。肉の獣臭を感じると吐き気がするので、いつしかそれを緩和させるため七味を用いるようになった。高校生の頃に流行ったアニメ「うる星やつら」のラムちゃんが唐辛子をやたらかける味覚で、作中で牛丼に唐辛子を鬼のように振り掛ける場面がある。それに影響されたかもしれない。
糸コンニャクと焼き豆腐を入れて牛肉の全体量を減らし、もっともらしく創業時の明治から続く伝統であるが如く「牛鍋丼」と称し低価格を実現か、なかなかの策だ。



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辻元清美(5) 近頃の現象[四百六十三]
国交委筆頭理事に
衆院会派の「民主党・無所属クラブ」は28日、8月に社民党を離党し、無所属となった辻元清美議員(大阪10区)の入会届を衆院事務局に提出した。
辻元氏は無所属のまま会派入りする。民主党は10月1日召集の臨時国会から、辻元氏を衆院国土交通委員会の筆頭理事とする方針。
辻元氏は離党表明の記者会見で、民主党との連携について「全くの白紙」としていたが、28日、「今回の決定は私の政治信条が変わったからではない。『ここをこう変えて、暮らしやすくしました』と示せる役割を目指したいと考えた」とするコメントを発表した。(28日読売新聞)
【雑感】与党の重役ポストに恋恋としている、社民党を裏切った、民主党に感化され深入りし過ぎ、といった類の批判は免れない。後援会も大きく割れるかもしれない。
そういえば、堺市議会でも昔あった。社民党などのスタンスに近い左派的な市民運動上がりの議員をもっぱら「市民派」と自称する事が多いが、その市民派として当選した若者が自民党に鞍替えし、後援会や支持者の怒りをかった。その影響も小さくは無かったろう、後の選挙では落選した。
自民党と違って民主党は菅直人代表をはじめ左派的市民運動あがりの人材も少なくなく、辻元氏の後援者たちの理解を得られるかもしれないが、古参社民党員には民主党嫌いの人間も少なくない。実際に90年代後半だったか社民党系の集会に顔を出したとき、少し民主党を好意的評価する発言をしただけで「民主党のスパイか!」などと怒鳴られたことがあった。現政権のやり方に反発する者も多い。
果たして辻元氏の後援会は次の選挙までもつだろうか?
ただ、運動を若干関わった経験のある者として言えば、辻元氏の気持ちは解るような気がする。市民運動なんて、贔屓目・楽観的に見ても100回闘って勝つのは1回あるかないか、殆ど負け戦だ。世の中はどんどん理想から遠ざかる一方、いつも保守に寄り切られるばかり。
デモ行進に参加するのが好き、反対集会を運営するのが好き、勇ましく辻立ちして政府批判するのが好き、という人のように手段が目的化して運動が趣味になれば全く気にならないだろうが、本気で何らかの成果を求めている人ほどしんどくなっていくし葛藤を抱えてしまう。
果たして、このまま運動を続けて・・何か社会のためになるんやろうか? このままでええのか? そういう悩みを抱くようになる。
特に辻元氏は並の運動家や左派政治家と違い、持ち前の外交手腕で人脈を巧みに利用し若くしてピースボートを成功させた。社民党入党時も若くして党中枢の幹部に抜擢され、「社民党を乗っ取る」と勇ましく支持者たちに公言し、実際に40代前半で党幹事長となり土井たか子氏の事実上の後継者となり党首の座も目の前だった。
有限実行を続けてきた人間にとって、秘書給与詐欺の容疑で失脚したり、昨年の連立でせっかく政権の準閣僚に入れたのに連立離脱で辞任するのは、けっこうしんどいだろう。
多くの市民運動は100回戦をして勝ち戦は1回あるかないか、国政はおろか地方自治体を動かすのも至難の業、やっと市政を動かせるポジションを確保しても保守の巻き返しで寄り切られる。国からの圧力で自治体の声が吹き飛ばされる。
そんな現場で運動を続けてきた人間にとって、やっと組織や政権を動かせるポジションに就けたのに、党の事情で離れるのは耐え難いかもしれない。文句を言うだけで満足する人ならまだしも。
今までの支持者に対しては残念ながらカッコ悪い。今のままでは民主党の支持率も不安なので次の衆院選で落選する可能性は高い。それまでにどれだけ実績を示せるかが課題だ。それも有権者の記憶に残る実績でないといけないから難しい。



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「愛の記念に」 カップルで考えよう〔6〕
サンドリーヌ・ボネールの出世作。
【原題】A NOS AMOURS
【公開年】1983年 【制作国】仏蘭西 【時間】100分 【監督】モーリス・ピアラ
【原作】
【音楽】ヘンリー・パーセル
【脚本】アルレット・ラングマン モーリス・ピアラ
【言語】フランス語
【出演】サンドリーヌ・ボネール(シュザンヌ) ドミニク・ベアネール(ロベルト)
【成分】パニック 知的 切ない かわいい 不安定 思春期 恋愛 フランス
【特徴】恋人が安定志向になると物足りなさを感じて他の男と寝てしまう情緒不安定な少女の物語。性愛の遍歴を重ねる思春期の女の子を当時まだ10代の初々しいサンドリーヌ・ボネール氏が好演、脚光を浴びる。
【効能】精神不安定なヒロインの姿を見る事で逆に精神の安定を得る。
【副作用】身勝手なヒロインの生活に激怒。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
武富士ダンス 優れた短編映画テレビCM
業界縮小は必至な情勢
武富士が過払い金問題を解決できず会社更生法の適用を申請する方針を固めたことは、消費者金融業界が立たされている苦境を改めて浮き彫りにした。過払い金問題はプロミスやアコム、アイフルなど他の大手も抱えている上、上限金利の引き下げなどを盛り込んだ6月の改正貸金業法の完全施行は、各社の経営を圧迫しつつある。業界は新たな収益源の確保など、抜本的な改革を求められており、業界全体の縮小は必至な情勢だ。(産経新聞)
【雑感】あの武富士が会社更生法を申請? 時代の変化を感じるニュースだった。多重債務などの問題を「解決」するべく改正貸金業法が施行、これが業界各社を圧迫し業界全体の再編を促すだろうという話を聞いたことがあるのだが。
「ナニワ金融道」の青木雄二氏が語っていたなぁ。銀行のATMで気軽に銭を下ろす感覚で自動窓口で金を借りるなんか愚かで、喜々として消費者金融の食い物にされているというニュアンスの話だった。
ところで、その消費者金融のCMが90年代後半頃に若手女性アイドルのブレイク登竜門になっていた。アイフルでは辰田さやか氏に安田美沙子氏、アコムでは小野真弓氏といった具合だ。これらCMでいわゆる借金蟻地獄のサラ金のイメージが緩和されソフトで清潔なイメージへの転換に効果はあったと思う。
消費者金融のCMが若手女性アイドルブレイクの登竜門的存在、そんな道を開いたのは武富士のCMに登場する武富士ガールズのダンスだった。武富士ガールズから有名芸能人を輩出したかどうかは知らないが、少なくとも無名もしくは無名に近い「女性タレント」や「女性ダンサー」を起用して企業イメージの改善と世間の注目を獲得することに成功した先駆だろう。
良い悪いは別にして、15秒・30秒の短編映画としてインパクトのある佳作だった。
ハイレグのレオタードが時代を感じさせる。90年代初頭のバブル景気の頃か? 当時、勤めていた会社の上司が「スタイルが良いけど、ブスばっかり」などとけなしていた。私はけっこうお気に入りだったりする。
申し訳程度に男性ダンサーを参加させての群舞。
赤コート姿で登場し、ダンスの途中から脱いでレオタードになるところが萌え。よく見ればまだ男性ダンサーが混じっている。カメラは男性目線で殆ど女性しか捉えていないが・・。
90年代後半頃だったと記憶している。ついに開き直って女性ダンサーのみ。武富士ガールズの完成形か。最も充実した武富士ガールズの艶姿だ。しかしながら、2003年頃に経営者の不祥事でCM自粛、さらに消費者金融の実像とCMがかけ離れ過ぎているとの批判も多々あり、テレビCMの表舞台から去ってしまった。
武富士ガールズをメインに据えたダンスDVDを発表したら売れると思うのに・・。



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浅田真央(17) 優れた短編映画テレビCM
【雑感】そういえば、今日で真央ちゃんは20歳になるのか・・。おっと、今日はまだ24日だ。明日で20歳か。
多くの有名姉妹は姉が美女タイプで妹が美少女タイプ、妹のほうが童顔パターンが多い。浅田姉妹はもろにこの法則に当てはまる。
姉の舞ちゃんは以前から容姿端麗と評判で、一時はフィギュアスケートから離れてファッションモデルも務めていた。10代の頃から失礼ながら成熟した女性の美しさなのだが、逆にそれがジャンプ技などでキレがなく重たく見えてしまう。
逆に真央ちゃんは童顔でスレンダー、一見すると中高生のような可愛らしいイメージ、ジャンプ技も軽やかでキレがある。彼女自身、体重が500グラム重くなるだけでもジャンプの感覚がズレてしまうそうなので、トレーニングをこなしながら体重と体型の維持に日々努力しているとの事。
さて、ロッテの新しいCM、すでに先月から放送されているこの作品、「浅田真央」のキャラを最大限に活かした佳作だ。真央ちゃんも作品の意図にしたがって期待通りの演技をしている。全体に溌剌とした元気な美少女というイメージながら、時おり垣間見せる「女性」の色気と、「大人の女性」であることの自信と戸惑い、上手く表現できている。
身体が細く見える黒の練習着からやや膨張色傾向のある金色(黄土色?)のヒラヒラ衣装に変化する演出もインパクトがある。



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尖閣諸島の報復か? 近頃の現象[四百六十二]
中国国営新華社通信は23日、河北省石家荘市の国家安全当局が、同省内の軍事管理区域に侵入し、不法に「軍事目標」をビデオ撮影していたとして、日本人4人を取り調べていることを報じた。(読売新聞)
【雑感】時期的に報復の可能性が強いな。尖閣諸島の件で拘留されている船長を釈放すれば準大手ゼネコンフジタの社員4名も釈放されるだろうと思う。
今や中国国内の日本人イメージは「悪役」となっている。以前、中国の大学へ留学した友人から中国TVドラマのビデオソフトを見せてくれた事があるが、そこで登場する日本人のイメージそのものだろう。
アメリカの戦争ドラマで一番有名なのはビッグ・モロー氏やリック・ジェイソン氏主演の「コンバット!」で、第二次世界大戦が終局になりつつある1944年ノルマンディー上陸以降のフランスを舞台に善玉アメリカ軍と悪玉ドイツ軍の死闘を描いた1話完結ドラマ。日本でも70年代前半にTV放送され当時の少年たちの間で人気を博した。
中国でも「コンバット!」のようなTVドラマは
新・ミナミの帝王 TVドラマ評[二十一]
【雑感】千原ジュニア氏、絶好調!といった感じか。アッキーナこと南明奈氏と共演している競艇のCMでは渋い報道カメラマンを演じていたし、着々と「俳優」のポジションも確かなものとなってきたようだ。今回は萬田久子氏と共演か。
漫画「ミナミの帝王」に登場する金貸し萬田銀次郎、1992年から始まった実写映画化では竹内力氏が扮していて、萬田銀次郎=竹内力氏と言われるほど代名詞的代表作となっている。
初期作品こそ原作漫画を意識したキャラだったが、長いシリーズ経て竹内力独自の萬田銀次郎へと昇華、オールバックにサングラスに派手なジャケット、イマイチ違和感のある独特の大阪弁は竹内銀次郎の型となっている。
原作路線のアニメ化も制作されたことがあったが、竹内銀次郎の前に埋もれてしまった感だ。ところがその竹内力版萬田銀次郎が制作打ち切りになったようである。
巨大な竹内銀次郎に「後継者」として挑戦したのが関西テレビ9月21日放送の「新・ミナミの帝王」、銀次郎訳はお笑い芸人の千原ジュニア氏である。竹内銀次郎と違い眼鏡をかけシックな黒系のジャケット、物腰は原作に近いかもしれない。竹内銀次郎のように最初から威圧的ではなく軽さがあるが、原作銀次郎のような知的で軽妙な大阪弁。
二作目を見てみたい気にさせてくれる。
一方、竹内力版だが再開してほしい気もする。



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社民党(2) 近頃の現象[四百六十一]
社民が再建計画案
社民党が年内の取りまとめを目指す「党再建計画」の素案が22日、分かった。民主党政権との関係について、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先見直しなどを条件に「閣外協力または政権復帰を早急に協議すべきだ」と言及している。30日にも党本部としての案をまとめ、地方組織に提示する。(時事通信)
【雑感】好意的に見れば、参院選に大敗した民主党政権への揺さぶり工作にとれなくもない。しかしカッコ良く見えないなぁ。
賛否は別にして、党の信念に従い沖縄世論を優先し普天間には妥協せず連立を離脱した。それからまだ日が浅いうちに連立復帰を早急になどと、軟弱に見える。民主党への牽制球と評価したいが、社民党もさきの参院選ではふるわなかったし、福島党首への求心力が弱まり、又市副党首が辞表を出したり、または撤回したり、党の顔でもあった辻元清美氏が離党表明したり、党内は弱体化している状況では、節操なく政権に恋恋とするがごとくに見えてしまうのだ。
外の人間である私よりも、中の人間のほうが「党再建計画素案」に反発をしているのではないか。かつて社会党が自民党と連立を組んだときも、世紀の裏切りとばかり多くの党員が辞めていき党勢が十分の一にまで激減した過去がある。自民党のように漠然と「保守」で固まっている党と違って社民党は理念優先、あまりコロコロ変わったら政権復帰の前に党員の気持ちがもたないのではないか。



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尖閣諸島 近頃の現象[四百六十]
政府関係者と面会後供述
漁船船長・尖閣沖衝突
沖縄県の尖閣諸島沖の日本領海で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、石垣海上保安部に公務執行妨害容疑で逮捕された漁船船長※(※=簷の竹かんむりを取る)其雄容疑者(41)が取り調べに対し、容疑否認の理由として「現場は中国の領海だ」と供述していることが22日、捜査関係者への取材で分かった。(時事通信)
【雑感】たしか、戦前は鰹節工場などがあって沖縄の漁師が住んでいたはずだったが。領有権が絡みやすい地域の島を無人島にするとライバルに既成事実をつくられるので厄介になる。
ただ、尖閣諸島の場合は第二次大戦や米軍統治時代があったから、止むを得ない事情もあった。
領土問題はあまり妥協はできない。竹島で争っている韓国の右翼は何と対馬の領有まで主張している。となれば、中国の右翼も沖縄の領有権を公然と主張する可能性がある。なにしろ、沖縄県の前身である琉球王国は明や清から冊封されているのだから。冊封を解り易く言えば属国、建前とはいえ琉球王家は中国皇帝の臣下として王を名乗っていたのだ。
お互いが妥協できる環境でない限り、日本側から折れるのは危険だと思う。戦後教育や戦後補償の問題で、中国は被害者で日本は侵略者というイメージで刷り込まれている人があまりに多いが、長い歴史を見れば中国が「弱小国」だった期間は短くて、むしろ「超大国」として周辺諸国を侵略したり属国にしていた期間のほうが長いのである。これも忘れてはならない歴史的事実だ。



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ネット社会の弊害 近頃の現象[四百五十九]
北海道警が捜査へ
札幌市で8月に発生した連続婦女暴行事件の容疑者の姓と社名の一部が偶然同じだった会社が、まるで事件とかかわりがあるかのようにインターネット掲示板に書き込まれる中傷被害に遭い、北海道警は21日までに信用棄損や業務妨害の疑いで捜査を始めた。(スポーツ報知)
【雑感】ネット社会の典型的な症例だろう。
従来なら、全国的に広がる情報は新聞や雑誌などのマスコミが握っていた。基本的に組織で情報を発信するので記事には何回もチェックが入り事実関係の確認が徹底される。かつての新聞では、現代の人権感覚からすればトンデモ記事も多かったが、今では訴訟リスクが高まってきているので厳格化している。少し前なら数十万程度の罰金や賠償額で済んでいたものが、次第にアメリカに倣って額も高くなる傾向があるので、新聞や雑誌社などは近年の部数低迷の危機意識もあって慎重になってきた。(もっとも、リスクを恐れて当たり障りの無い記事になる傾向となって面白みに欠けてきたが)
ところが訴訟リスクが高まってきているにも関わらず、匿名性を背景に誤った情報の流布がなされやすいメディアがある。それがインターネットだ。
個人でもホームページやブログサイトなどを立ち上げることによって、原則全世界の人間に向けての情報発信者になる。当サイトでも毎日60から200程度のアクセスがあるから、単純に考えて100部前後の読者がいることになる。さらにアクセスしてきた地域の言語を見れば、韓国語・中国語・英語・スペイン語・トルコ語・アラビア語など全世界に広がっている。おそらくその地域在住の日本人が大半だろうが。
個人が運営するサイトだから、やはりどちらかといえば新聞社や雑誌社よりもチェックは甘い。おそらくチェックせずに発信している人が圧倒的多数だろう。それが恐いのである。
当サイトに寄せられるコメントの多くが残念ながら見当違いのモノが多い。記事をよく読まず誤解・曲解にまかせて罵詈雑言をあびせてくる方や、内容・意味が解読できないコメントなど。
私のプロフィール欄でも注意しているが、私が読んで納得できないコメントは躊躇なく削除することにしている。
コメント程度なら「承認制」で対処できるが、渦中の外山不動産の外山美喜夫社長は自分の失態ではないのに信用が失墜して原状回復が難しいとなれば、かなり深刻である。
誰でも大きなメディアを持てるネット社会、私は学校の授業などで事実関係の掌握方法を学ばせることを必修にするべきだと思う。



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「おとうと」 人生をふり返ろう〔11〕
山田洋次監督、久々の現代劇。
【原題】
【公開年】2009年 【制作国】日本国 【時間】126分 【監督】山田洋次
【原作】
【音楽】冨田勲
【脚本】 山田洋次 平松恵美子
【言語】日本語(東京方言 大阪方言)
【出演】吉永小百合(高野吟子) 笑福亭鶴瓶(丹野鉄郎) 蒼井優(高野小春) 加瀬亮(長田亨) 小林稔侍(丹野庄平) 森本レオ(遠藤) 茅島成美(-) 田中壮太郎(-) キムラ緑子(-) 笹野高史(丸山) ラサール石井(-) 佐藤蛾次郎(-) 池乃めだか(-) 小日向文世(小宮山進) 横山あきお(-) 近藤公園(-) 石田ゆり子(小宮山千秋) 加藤治子(高野絹代)
【成分】泣ける 笑える 楽しい 知的 切ない かわいい コミカル
【特徴】山田洋次監督久々の現代劇。吉永小百合氏と笑福亭鶴瓶氏の異色共演で評判。蒼井優氏は娘役と語り部を担当する。
鶴瓶氏は自身のキャラから役作りしやすい大阪の大衆演劇の役者役、吉永小百合氏はその姉で嫁いで東京へ移住して30年という設定なのでこれも役作りしやすい。ときおり台詞に出る関西イントネーションの標準語が綺麗だ。
鶴瓶氏が病で次第に身体が衰弱していく様を熱演している。吉永小百合氏は実年齢より若い設定で演じているようだが、違和感が全く無い。
【効能】家族を省みるきっかけにできる。還暦過ぎとは思えない吉永小百合氏の若さに感動。
【副作用】ステレオタイプの人物描写に食傷。
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第1046回「一人旅、したことありますか?」 晴雨堂は一人旅が多い。
こんにちは!トラックバックテーマ担当の吉久です! 今日のテーマは「一人旅、したことありますか?」です。9月は連休、休日が多い月!せっかくの連休、旅行の計画などたてているでしょうか旅行といえば大人数となりがちですが、吉久は一人旅にもあこがれますそこで本日のトラックバックテーマ、皆さんは一人旅をしたことがありますか??吉久は一人旅してみたい!と思い描いているんですが、今まで一度もしたことがありません1...
FC2 トラックバックテーマ:「一人旅、したことありますか?」
【雑感】あるよ。
というか、殆んど独り旅。二人以上では周りのペースに合わせてやらなければいけないので、鬱陶しい。
私の旅行スタイルは気ままにチャリンコを転がしながら、絶景や雅を見つけると立ち止まって写真を撮る。二人以上の旅だとそれが制限されるのでストレスになるのだ。
今でも悔しい思い出として鮮明に憶えているのは、幼馴染と一緒に北海道を二人でサイクリングした時だった。今から24年前の夏、幼馴染の親戚が札幌に住んでいるのでそこで厄介になり、札幌から北海道を一周する計画を立て出発した。
時を同じくして、中年の白人女性が稚内から鹿児島まで日本列島をランニングで縦断するというニュースを聞いた。彼女の予定コースから判断して、北海道の日本海側232号線上の留萌から天塩間で擦れ違うと判断。出会ったら声援を送って記念写真を撮ろうと私は心積もりをした。(余談1)
ところがである。読み通り擦れ違ったのだが、最初は彼女とは気が付かなかった。彼女は歳のころ40代のスレンダー・ナイスボディでプラチナブロンドのショートヘアーが素敵な白人美女なのだが、やはり日本人女性と違って長身で肩のあたりの骨格がガッシリしているためか、視認した時は白髪の背の高い中年男性がジョギングしているように見えてしまったのだ。
通り過ぎてから、しまった!と思って後を追いかけようとしたのだが、幼馴染が面倒臭そうに止めた。「もうええやん、マラソンの邪魔したんなや」と言われてムッときたが、札幌では彼に随分御馳走になり、釧路では彼の叔母さん宅に泊めてもらう約束があり、それ以前に路銀の乏しい私に何かと援助してくれる奇特な友人なので、彼の機嫌を損ねると旅に支障が起きる。やむを得ず申し訳程度に彼女の後姿を200ミリの望遠で1枚だけ撮影した。
私の気持ちは身勝手であることは十分自覚している。以前にもこの思い出話を連れ合いに呟いたら「そらぁ、友達の言う通りやで」とたしなまれ、続けて「何であなたみたいな根性ワルに品行方正な友達が集まるんやろか」とイヤミを言われた。
しかし、二人以上の旅行は不自由だ。だから私は一人旅が多い。
(余談1)当時49歳のマリー・マーガレット・グッドウィン氏が北海道の宗谷岬から鹿児島の佐多岬まで1か月半ほどかけて走破した。



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押尾学(4) 近頃の現象[四百五十八]
合成麻薬MDMAを一緒に服用して容体が急変した女性を放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死など4罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の裁判員裁判で、東京地裁(山口裕之裁判長)は17日、懲役2年6月(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。(毎日新聞)
【雑感】やはり「致死」は認められなかったか。裁判員も裁判官たちも落とし所を判決としたような感じがする。
「致死」かどうかは詳しい死亡推定時刻が判らなければ断定できない。救急隊員が見たときは既に死後硬直と死斑がでていたという。もしまだ硬直が弱く死斑がまだ薄ければ、「致死」の動かぬ証拠となったのだが。
しかしながら、救急車をいの一番に呼ばなかった行為はさすがに保護責任者遺棄に問われなければ、モラルハザードが起きる。いくら蘇生処置をしたと言い張っても所詮は素人である。救急隊員のほうが知識も錬度も装備もあるので、押尾被告が施すより遥かに蘇生の確率が高いのは誰の目にも明らかだ。
奇跡の生還劇を果たした人のエピソードで共通するのは、救命処置をした人は絶対に諦めなかった事にある。たとえ、自分が蘇生処置をとるのが最優先と思っても、手に負えないと思ったら救急車を呼び、駄目モトで救急隊員が駆けつけるまで救命処置を行い続ける。さらに病院まで同行する。押尾被告は当たり前のことをしなかった。「やる気」が無いと判断されて当然であるし、それを無罪と主張するほうが非常識である。
世間一般で考えて冷静かつ妥当な判決だ。私が遺族だったら、2年余りの懲役は軽すぎる。裁判員制度なので、求刑通りか求刑以上の結果を期待しただろう。
ところで、あるスポーツ紙では押尾学濡れ衣説を掲載していた。証人たちがあまりにも押尾有罪を裏付ける証言ばかりをしている事に穿った見方をしているのだ。また、押尾被告と田中香織氏以外にもう1人謎の人物がいたかもしれないという、噂を紹介していた。
仮にそうだとしても、押尾被告はその人物を庇うにしては無茶な無罪主張だし中途半端だ。庇う気があれば、わざとらしく長髪を剃って坊主にし、保護責任者遺棄ぐらいは最初から認めて、俳優だった特技を活かして田中香織氏の名前を連呼しながら法廷で泣き崩れてたら、少しは騙されて同情票が発生しただろう。押尾被告の美意識には合致しないだろうが。



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織田信成(3) フィギュアスケート[四十七]
第1043回「自分ルールありますか?」
こんにちは!トラックバックテーマ担当の水谷です!今日のテーマは「自分ルールありますか?」です。みなさんは、自分だけのルールってありますか?水谷は、あまり人には言っていないのですが結構、自分ルールを持っています。みなさんもやったことがあると思いますが横断歩道の白線を踏まないように歩いたりとか・・・。あまり共感されないのですが、他の水谷の自分ルールでは街を歩いている時に、人や物にぶつからないように歩く...
FC2 トラックバックテーマ:「自分ルールありますか?」
【雑感】自分ルール・・・。
・オレオ・ビスケットの食べ方
2枚のビスケットでクリームをサンドしているタイプは、ほぼ必ず食べる前にクリームを挟む2枚を丁寧に分離させる。できる限り片方はクリーム無し、もう片方はクリームが付いているように分離させ、最初にクリーム無しを食べ、しかる後にクリームがたっぷり付いた片割れを賞味する。
この食べ方はコッペパンの中央に切れ込みを入れてバタークリームやジャムをサンドしたタイプの菓子パンにも行う。必ず切れ込みに沿って2つに割り、最初にクリームが付いていない方を食べ、後でたっぷり付いている方を賞味する。
・アポロチョコレートの食べ方
必ず何個はホワイトチョコと通常チョコの分離を試みる。
・シュークリームの食べ方
可能な限りシュークリームの皮の部分を食べ、最後にクリームたっぷりの状態にして賞味する。
残念ながら世間体を気にする家族や友人たちの弾圧によって、この食し方は1人のときしかやらない。
・カレーライスの食べ方
必ず、馬鈴薯と人参の塊を2・3粒残し、最後のひとすきいで一気に口の中に入れ、人参の瑞々しさと馬鈴薯の食感とほのかな甘みを堪能する。
社員食堂でカレーを食べるとき、無料の福神漬など漬物各種を誰よりも多めに取り、カレー一面を宝石のごとく大量に散りばめて食す。
・吉野家の牛丼の食べ方
「うる星」のラムちゃんの食べ方に倣い、タダで供せられているカウンターの七味唐辛子にて牛丼の肉を七味唐辛子色に染まるまで振り掛ける。一通りまぶしたら、肉を裏返して徹底的に振り掛ける。さらに、タダで供せられている紅生姜を大量に牛丼一面にかけてから食す。
ただし、この食べ方も家族と一緒だと連れ合いの弾圧を受けるのでできない場合がある。
・ビールの選び方
必ず麦芽100%のビールを購入する。無ければ麦芽100%のドイツ産ノンアルコールビールで我慢する。発泡酒は断固として買わない。
しかしながら、タダの景品であれば発泡酒であっても嬉々として貰い受ける。
・風呂場の石鹸
美容と健康のため、必ずシリア産もしくはパレスチナ産のオリーブ石鹸を使用する。



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「ニュースの天才」 人生の教訓に〔3〕
実際にあった虚名記者の栄光と転落。
ニュースの天才 [DVD]
【原題】SHATTERED GLASS
【公開年】2003年 【制作国】亜米利加 【時間】94分
【監督】ビリー・レイ
【原作】
【音楽】マイケル・ダナ
【脚本】ビリー・レイ
【言語】イングランド語
【出演】ヘイデン・クリステンセン(スティーブン・グラス) ピーター・サースガード(チャールズ“チャック”・レーン) クロエ・セヴィニー(ケイトリン・アヴィー) スティーヴ・ザーン(アダム・ペネンバーグ) ハンク・アザリア(マイケル・ケリー) メラニー・リンスキー(エミー・ブランド) ロザリオ・ドーソン(アンディ・フォックス) マーク・ブラム(ルイス・エストリッジ) チャド・ドネッラ(デヴィッド・バッチ) ルーク・カービー(-) テッド・コッチェフ(-) クリスチャン・テシエ(-) アンドリュー・エアリー(-) キャロライン・グッドオール(-) シモーヌ=エリース・ジラール(-) キャス・アンヴァー(-)
【成分】知的 絶望的 ジャーナリズム アメリカ 実話
【特徴】実際にあったアメリカの権威ある有名誌の若手エース記者による捏造事件を映画化。「スター・ウォーズ」シリーズで若きダース・ベイダーを演じたヘイデン・クリステンセン氏が一見草食系男子のフリをしながら大胆に真っ赤な嘘を記事にしていく虚名記者を上手く表現している。
原題を直訳すれば「粉々にされたガラス(ガラス)」、主人公の名前にかけたタイトルだが、私は邦題のほうが話の本質をよく突いているように思える。
【効能】人からの心服を得るテクニックを学べる。プレゼンの基本を学べる。虚名の虚しさを悟る。
【副作用】世間と人生を舐めてかかる。
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「龍馬伝」(11) TVドラマ評[二十]

龍馬が持っていた銃と同型のレプリカ。マルシン工業のHPから抜粋。
【雑感】ついに有名な寺田屋事件。この事件で龍馬とお龍は急速に接近し夫婦になる。
リアルなイメージを追求している(あくまで「リアルなイメージ」であって「リアルかつ忠実な史実」という意味ではない)「龍馬伝」では龍馬の負傷の度合いを比較的正確に描写しているのが特徴だ。
以前の大河ドラマで「新選組!」に登場する江口洋介版坂本龍馬での寺田屋事件では、あまりにも軽く描写されていた。龍馬はまるで怪傑ゾロのように笑いながら拳銃をぶっ放して颯爽と逃げていく、コメディ的要素を出している物語だけにぶっ飛び場面が多い。
「竜馬が行く」の萬屋錦之助版坂本龍馬では、錦之助独特の土佐弁で「行くぜよ」と言って幕吏に向かって発砲、さらに薩摩藩邸へ向かって走るお龍の援護射撃を二階の窓から行うほどの余裕。
「龍馬伝」では、不敵に笑う龍馬も余裕の龍馬もいない。必死こいてのおおだちまわりだ。手の負傷も時代劇では少し切り傷を負った程度の軽傷に描写されることがしばしばだったが、「龍馬伝」では史実どおりの重傷だ。
全体に好感が持てる描写だったが、1点だけ気になる事がある。寺田屋事件当時はまだ寒い季節、ところが撮影は夏に行われたのか「冬」には見えないのだ。福山龍馬が手を負傷して逃げる時、材木小屋に潜伏している時、お龍が着の身着のまま薩摩藩邸へ駆け込むとき、吐息が白くなっていれば寒さの臨場感があるのだが、これは仕方が無いか。
因みに龍馬が手にしていた拳銃は、アメリカの銃器トップメーカーであるスミス&ウェッソン社の創業間もない初期モデルである。S&W2型Armyと呼ばれている六連発拳銃だ。中折れで弾倉が外せるのが特徴。南北戦争時に兵士の間で普及した拳銃といわれている。だから龍馬の時代では比較的新しい拳銃だろう。
龍馬は寺田屋事件の後、お龍とともに薩摩へ脱出し傷を癒すため逗留する。日本で最初の新婚旅行とも言われている薩摩滞在で、友人の薩摩藩士の息子を伴って釣りや狩りを楽しんだらしい。龍馬の射撃は上手かったそうだ。この同行していた当時12歳の少年は吉井幸蔵、大正から昭和初期にかけて活躍した歌人吉井勇の父である。
吉井勇は父から聞いた話として当時の龍馬のことを精細に記録している。青白く顔色が悪かったとか、お龍は龍馬にいつもベタベタくっついていたとか、夫婦喧嘩をしたのかお龍は機嫌が悪くなり龍馬がなだめていたとか、そんな内容だったと思う。



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金曜カレー(4) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[五十九]

【雑感】カレーのルーは市販の「ハウス・ジャワカレー」にした。我家、というか、私は大辛好みなのでいつも辛いものを選ぶ。
具材は定番の人参・馬鈴薯・玉葱、そして我家では牛肉や豚肉は使わずいつも鶏肉にしている。9月になっても真夏日の日々にはカレーで少しアクセントをつけないと食欲が落ちて健康に良くない。
影が長くなって、夜は若干涼しくなってきた感がある。8月の猛暑日の連続を経験したら今の気候は秋めいた感じがするが、気温を見れば実は平年の8月中旬、本来の日本の夏の暑さになっただけの話。
馬鈴薯は足が速いので、早く消費するため少なめにつくった。いつもなら私は1週間ぐらいカレーをもたせるのだが。量が減れば野菜ジュースかトマトジュースを混ぜてマイルドにコクを出しながら水増し。しかしこないだの猛暑日でそれをやったら異臭を放ちだしたので今回はやめた。
さて、金曜カレーとはもともと海上自衛隊の風習である。シャバから離れた軍艦生活に耐える乗組員に曜日感覚を維持するための日常アクセントとか、一応公休日である土日のために材料を一旦始末するためにカレーにするとか、いろいろ説があるようだが、カレーは旧日本海軍が肉じゃがとともに献立に採用し土曜日に食べるようになった風習を海上自衛隊が引き継ぎ、現在の金曜カレーとなったと聞いている。
そういえば、昨年封切られた日本の戦争映画に「真夏のオリオン」というのがある。玉木宏氏が学生臭さを消そうとしない飄々とした海軍少佐を演じていた。彼は伊号潜水艦の艦長として頭脳的戦術で米駆逐艦を翻弄する、という話だったのだが、戦記に詳しい戦争映画ファンにはファンタジー色が強すぎて不評だった。私も首を傾げる場面の連続に見えた。
ただ、艦内セットの考証はかなり正確である。艦内の操作盤や計器盤、機関部などの描写は当時の潜水艦関係者から聞き取り調査をして再現したものだろうと思う。また艦内セットだけでなく、小道具も正確だった。三ツ矢サイダーの瓶は当時のデザインのモノを使っている事は、一般観客もすぐ判るだろう。一般観客に判り難いが当時のデザインの小道具かもう一つある。
物語の最初の頃にカレーを食べる場面がある。そのカレーを入れた食器は判りにくいだろうが海軍が実際に使用していたお碗と同じデザインのものを使っていた。


実はとある古道具屋で私は実物を見て知っているのだ。大きさは丼よりも一回り大きな深底のサラダボールのような形で、内側は白で外は水色で彩色され、外側の底には濃紺の錨マークがはいってなかなか御洒落。
「真夏のオリオン」は戦争映画にしてはファンタジーが過ぎるが、セットや小道具にはマニアックなほどに厳しい考証がなされているように見える。



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押尾学事件(3) 近頃の現象[四百五十七]
押尾被告側「40分以上」と食い違い。
昨年8月、合成麻薬MDMAを一緒に飲んで死亡した飲食店従業員・田中香織さん(当時30歳)を救命しなかったとして、保護責任者遺棄致死罪など4つの罪に問われている元俳優・押尾学被告(32)の第4回公判が9日、東京地裁で開かれた。現場に駆けつけた赤坂消防署の救急隊員ら5人が証人として出廷。同隊員は「東京23区内なら119番から30分以内で搬送可能」と証言。弁護側の「40分以上かかり、救命の可能性は低かった」という主張と食い違いを見せた。(スポーツ報知)
【雑感】「事実関係」と「法律」の特性を如実に現した現象だ。
双方とも嘘のデータを提示したわけではない。弁護側はたぶん救急搬送に要する時間の平均をあげたと思う。東京の事情はよく知らないが、少なくとも私が住んでいる地域で40分以上というのはかかり過ぎのような気がする。あくまで私が住んでいる地域での感覚で「40分」なら、交通渋滞や病院たらい回しの事例もデータに含まれて平均時間を長くしているだろう。もちろん、押尾側弁護人が採取したデータは東京六本木や麻布の辺りの精度の高いモノだろうが。
検察側証人のデータは、道が混んでいなくて、押尾学被告が地位も名誉も捨てて積極的かつ必死に田中香織氏の命を助けようとした場合のモノだろう。出動から現場到着までが2・3分、患者収容から病院搬送まで5分程度、押尾被告が進んで薬物使用を正確に説明すれば、緊急性最大レベルの扱いで救命処置と救急病院の搬送ができた。そして当日は救急隊員は出動できる状態であり、道路も空いていたという。
「保護責任者遺棄致死」の問題が争点となっている。そこで重要なのは田中香織氏が亡くなられたのが何時何分なのか。弁護側の主張どおりすぐに死亡なら保護責任者遺棄致死の致死には問えない。致死を実証するには田中香織氏の正確な死亡時刻が明らかにされないといけないのだが、救急隊員到着時にはすでに全身に死後硬直が広がっているなら弁護側の主張を否定する材料にはならない。
しかし「致死」には問えないにしても、押尾学被告が「無罪」を主張するのは違和感がある。
遺族の身になって裁判の成り行きを見れば、いや遺族でなくても、「死んでいようが死んでいまいがさっさと救急車呼ばんか!このクソガキャ!」だ。田中香織氏の肋骨が折れるほど心臓マッサージをやったらしいが、所詮は素人の蘇生術だ。救急隊員には技術と経験と装備がある。搬送中でも救急車の設備で救命処置が続けられる。
逆に言えば、いの一番に119番に通報し、救急隊員が到着するまで心臓マッサージをほどこし、搬送先の病院で1時間後か2時間後に死亡が確認されたという事例ならば、この件に限って押尾被告は「無罪」となっても飲み込められるが。
事実かどうかは判らないが、今までの検察側の証言を総合すれば、田中香織氏が全裸で沫噴いて気を失っている(あるいは死んでいる)のを前に、知人や元マネージャーたちに電話をかけまくり、マネージャーとはプランAとかプランBなどと議論している有様。残念ながら今のところサスペンスドラマに登場する悪役キャラになってしまっている。



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「バイオハザード IV アフターライフ」を観に行った。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[三十六]
先行ロードショーを観に行った。

【雑感】4日の深夜0時15分上映で観た。映画館は自宅からチャリンコで行ける距離なので苦にならない。ナイトショーにも関わらず、けっこう客が多かった。
私は戦うスレンダー美女が好きなので、内容のデキ如何に関わらずこの手の作品は好きである。
残念に思った点は幾つかある。今回は日本が舞台との前評判、冒頭の東京渋谷の交差点で中島美嘉氏がアンデット化して中年サラリーマンの首筋に噛み付く場面はまことにグッドだった。この後、繰り広げられるミラの殺陣を楽しみにしていた。予告編からの印象では、手裏剣に日本刀での二刀流で醜いアンデットたちやアンブレラ社の兵士たちをバッサバッサ斬って行く痛快場面が楽しみだった。しかもアリスたちの大軍がアンブレラを壊滅させるなんて、ぞくぞくする。
残念ながら、その場面は私にとっては不完全燃焼だった。日本での場面はそこそこに再び舞台はアメリカに戻ってしまう。
本公開はまだ先なので、内容については言及はこの程度にしておこう。クレア役のアリ・ラーター氏のアクション、なかなか色気があった。
ところで、本作は3D仕様なのだが、私にはかえって画面が小さくなったような感がして迫力を感じられなくなった。映画館の巨大スクリーンが、3Dで専用ゴーグルをかけて観る事で、目の前30cmの空間に5cm×15cmのガラス板が浮いていてそこに映像が映し出されているような錯覚だ。臨場感は感じられなかった。私は感性が古い人間なのか従来の2D映画のほうが迫力を感じる。



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今日の晩御飯(23) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[五十八]

【雑感】9月に入っても35℃を超える猛暑日が続く。いつだったか、もう遠い昔のように感じているが、9月の大半が30℃を越える真夏日に占められて温暖化云々が危惧されていたものだった。今はさらに「病状」が進んでいるので「真夏日」くらいでは驚かない。
さて、今晩の食事は久しぶりに刺身である。我が家は生ものは滅多に食べないので、刺身は3年ぶりか5年ぶりか、そんな頻度だ。私も連れあいも魚をさばく事が下手糞なので、写真の刺身はスーパーで買ってきた30円引きのパック物である。夏の暑さで私も連れあいも調理をする気になれず、簡単に済ましたのだ。



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