「龍馬伝」(19) TVドラマ評[二十九]
【雑感】歴史マニア、龍馬ファンならご存知のように、「龍馬伝」はリアル幕末を表現しているものの、史実に忠実というわけではなくフィクションがかなり混じっている。
たとえば、実際は坂本龍馬と岩崎弥太郎が出会って誼を交わすのは現在放送中の海援隊時代である。作中では幼馴染という設定だが、これは史実ではない。だいいち、龍馬と弥太郎の生家は頻繁に近所付き合いできるほど接近しておらず、徒歩なら一泊旅行程度の隔たりがある。
さて、今回のエピソード「雨の逃亡者」も、史実を知らなくても概ねフィクションである事は判ろう。弥太郎は龍馬にライバル心をむき出しにするほど近しい付き合いはやっていない。後藤象二郎から海援隊の経理を担当するよう派遣されてきた人物で、いわば弥太郎から見れば龍馬は派遣先の上司である。
当然、密偵お元との絡みもフィクションだ。芸妓お元の生没年は判っていない。龍馬と後藤象二郎の会見の場に同席した事は事実らしいが、それ以外は不明なのでフィクションを盛り込みやすいキャラである。
史実では、この長崎時代で弥太郎は龍馬と酒を飲みながら今後の日本経済の展望や海運業による立国などの構想を話し、龍馬は我が意を得たりと言わんばかりに手を叩いて喜んだそうである。これは弥太郎の日誌にも記録されている。
ともに共通する夢を持っている事を知って2人は意気投合するのだが、龍馬が京都へ出張中に本日放送の英水夫殺害事件に海援隊は巻き込まれる。
龍馬不在の海援隊で、一応は隊長代理のような立場で弥太郎は長崎奉行所と交渉し隊をまとめようとするのだが、クセ者そろいの隊士たちが弥太郎の言う事を聞くはずもなく、また穏便に丸く収めようと長崎奉行に対し平身低頭に接する弥太郎を軽蔑していた。事件の事を聞いて長崎に戻った龍馬からも弥太郎は叱責され、両者の関係は険悪になる。
龍馬は再び大政奉還の工作のため長崎を出て、これが弥太郎との龍馬との最後の別れになり、関係修復をしないまま弥太郎は龍馬暗殺の報せを聞くことになるから、弥太郎と龍馬が付き合ったのは実際は2・3ヵ月程度だろう。
龍馬ら幕末明治維新の志士たちは筆まめが多いが、岩崎弥太郎も几帳面に日誌をつける人だった。ところが龍馬暗殺の報せを聞いた日から数日は日誌をつけなかったという。
「龍馬伝」では龍馬と弥太郎は幼馴染という設定で、2人はほぼ対等の付き合い、弥太郎は龍馬にライバル意識をむき出しとなっているから、作中のように芸妓お元が絡む青春ストーリーにして、弥太郎が龍馬に「おまんは疫病神じゃ」となじる形にしたのは悪くはない。そのほうが龍馬と弥太郎の決別が感動的になる。



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織田信成(5) フィギュアスケート[五十五]
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは30日、男子フリー(FS)を行い、織田信成(23)=関大=は合計236.52点で2位に終わった。優勝は239.52点を出した地元カナダのパトリック・チャン。南里康晴(25)=福岡ク=は合計188.96点で9位だった。(サンケイスポーツ)
【雑感】まさかの2位。いや、信成君ならありそうな話か? 最初のジャンプは一瞬手をついただけだったのに、気持ちを立て直せず総崩れといった感じだ。しかし、あれだけジャンプをことごとく失敗しても、ショートプログラムの完璧な演技が効いて2位に留まった。2位であればファイナル進出の目がある。地元に花を持たせて次のアメリカ大会で再起を期すしかない。アメリカで優勝なら確実だ、と観戦者は気楽に簡単に言っておこう。



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恒例の誕生日ハンバーグステーキ 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十三]

【雑感】こないだの25日はハンバーグを作った。
いつの頃からか、連れ合いの誕生日には必ず私がハンバーグステーキを作るのが慣わしになってしまった。当ブログで最も古い記事では2007年の8月20日だ。
私がつくるハンバーグの特徴は、まず牛肉を入れない事だ。いつも鶏肉と豚肉の挽肉を合わせる。肉の臭みをとるため世間一般よりも多めにナツメグ・セージ・黒胡椒を入れる。油はサラダ油やバターではなく、オリーブ油だ。さらに醤油を少々隠し味に入れる。

よく練って弾力が出てきたところで、大判型・小判型に成形する。掌にオリーブ油を付けて両手でキャッチボールながら空気を適度に抜くのだが、やり過ぎない。焼いてふっくらさせる効果も狙いたいのだ。100%ビーフと違って、パン粉や卵をつなぎに混ぜているので崩れにくい。

大きいのを誕生日用のハンバーグステーキにする。私はミデアムなんて焼き方は鰹のタタキ以外は嫌いなのでジックリ火を通す。そのため、最初の完成写真のように焼き過ぎる時も多々ある。
キノコを使ったソースが好きなのだが、今年も連れ合いの要望であっさりと大根おろしに土佐のポン酢醤油で食べた。
小さく成形したハンバーグは会社へ持っていく弁当のおかずにストックするため、焼いた後は冷まして冷凍保存。



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織田信成(4) フィギュアスケート[五十四]
女子の今井6位、村主は8位
スケートカナダ
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは29日、当地で開幕し、男子ショートプログラム(SP)でバンクーバー五輪7位の織田信成(関大)が81.37点で首位に立った。今季限りで引退を表明している南里康晴(福岡ク)は61.00点で8位。
女子SPではGPシリーズデビュー戦となった今井遙(東京・日本橋女学館高)が52.52点で6位につけた。ベテランの村主章枝(陽進堂)は48.17点で8位。トップは58.24点のシンシア・ファヌフ(カナダ)。(時事通信)
【雑感】オリンピックの敗退をバネに、父親になった勢いからか、オールバックの黒づくめの衣装のせいか、今大会の織田信成君は精悍さと貫禄を兼ね備えた印象を受ける。NHKとカナダ・キングストンでは、高橋・織田両主力選手が頼もしい。
競技に直接関係無いが、信成君の息子は「信太郎」と名づけたそうだ。個人的にがっかりというか、もっと戦国武将的な名前を期待していた。いまどき「信長」では、色町のホストみたいだし、だいいち学校でいじめられる可能性がある。とはいえ、たとえば「信雄」とか「信和」とか「信盛」とか「信氏」とか「信晴」とか、その類の名前を付けるべきだと他人事ゆえに勝手な希望を寄せていた。
「信太郎」、おそらく地味で平凡でなおかつ織田家の伝統路線からも逸脱しない折衷案を練りに練った末の名前だろう。
さて引退の危機を迎えていた村主章枝選手が8位、近年の村主選手としてはやや低調ながら定位置かな、という印象だ。これはある程度は仕方が無いかな。
彼女のピークは今のところ2000年から2005年までの数年間、10台後半から20代前半の頃だ。全盛期を永遠に維持するのは不可能、大概は数年がやっとである。一気にトップアスリートに上り詰め、5年間も世界フィギュアの第一人者でありつづけた真央ちゃんとて、最も理想のジャンプはと聞かれたら「2005年頃」と答えたそうだ。突然、それまでマスコミの注目を集めていたミキティこと安藤美姫選手を差し置いてフィギュアスケート界の中心に踊りこんだ15歳の頃だ。勢いのピークは何度も訪れない。
ただ、クルム伊達公子選手のように引退してからも地力を温存し続けた例もある。



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月輪熊(2) 近頃の現象[四百七十九]
29日午後7時20分ごろ、滋賀県長浜市上野(うわの)町で、女性(39)が自宅裏の市道でクマに襲われ、左肩や左ひじを切る重傷を負った。午後8時20分ごろには、女性宅から約4キロ南東の同市法楽寺町で、このクマとは別とみられるクマが自宅裏にいた女性(64)の右手の指をかんだ。長浜署によると、2人の命に別条はないという。(朝日新聞)
【雑感】けっこう恐いニュースだ。
若い頃、よくサイクリングに出かけたものだが、自宅のある大阪から見て滋賀県は1泊行程に丁度良い距離なのでけっこう訪れている。今は時間が無いし歳をとっているので、チャリンコでの移動範囲は大阪南部一帯にほぼ限定、長浜へは地ビールを飲むために電車で極たまに行く程度になった。
湖東の平野部は田圃が広がっているので、真夏に走ると首筋や背中を焼かれながら延々同じ風景のところを走るので気が滅入ってくる。そこでつい山間部を走ってしまうのだが、私はクマの存在を全く意識しなかった。また湖東より湖西の方が落ち着いて走れるので好きなのだが、そこもクマが出そうなところではないか。
いや、そもそも私は北海道を走っていたときも、自動車の排ガスで鬱陶しいメイン道路よりも嬉々として寂れた県道や林道を走る傾向があったから、まさに危険。クルマと違ってチャリンコは丸腰同然、そしてけっこうクマは足が速いそうだから、不意を突かれたらどうしようもない。
日本のクマは個体数が減って、九州や郷里のある四国では既に絶滅状態であり、いずれはワシントン条約の対象になるのは時間の問題だという認識だった。今回一連のクマ出没ニュースで、日本にはまだこんなにクマが居る事に驚く。
専門家の話によれば、昨年はドングリが豊作で今年は稀に見る凶作、豊作ゆえに個体数が増えて凶作に耐え切れず奥山から溢れて町に降りてくるようになったとか。
昔は「奥山」があって「里山」があって、「村」があって、「町」につながっていた。しかし今や「奥山」を降りたらすぐ「町」だ。大抵のとこにはコンビニがあるし、携帯電話の電波も届く。
そういえば、北海道斜里町にヒグマが降りて町を闊歩したらしい。二十歳代の頃は斜里町へも行ったことがある。宿に泊まらず、地元の小学校の校庭にこっそり野宿したものだ。当時はクマよりも、私を不審者と勘違いした一般人が警官を呼ぶ事を警戒していた。(えっ? お前は不審者そのものだって? 失敬な)



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「デフロスト」 不安と恐怖を楽しむ時に〔22〕
地球温暖化への警鐘?
【原題】THE THAW
【公開年】2009年 【制作国】亜米利加 【時間】93分
【監督】マーク・A・ルイス
【原作】
【音楽】マイケル・ニールソン
【脚本】マーク・A・ルイス マイケル・ルイス
【言語】イングランド語
【出演】ヴァル・キルマー(デビット・クルーペン博士) マーサ・マックアイサック(エヴィリン) アーロン・アシュモア(-) カイル・シュミット(-) ステフ・ソング(-)
【成分】パニック 不気味 絶望的 蟲 北極圏 永久凍土
【特徴】古典的な蟲モノ・寄生虫モノと現代の地球温暖化問題を絡めたパニック映画。舞台は北極圏のツンドラ大平原のみ、出演者の大半が日本では知られてない若手俳優、典型的な低予算B級映画。
【効能】地球温暖化の危険を再認識。
【副作用】背筋がむず痒くなる。
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「龍馬伝」(18) TVドラマ評[二十八]
演じるのは市川亀治郎
クライマックス間近となった福山雅治主演のNHK大河ドラマ『龍馬伝』(毎週日曜 後8:00ほか)の最終回(11月28日放送)で、坂本龍馬を暗殺する実行犯を歌舞伎俳優の市川亀治郎が演じていることが27日、わかった。市川は、京都見廻組の与力頭・今井信郎役として、2007年の『風林火山』以来となる大河ドラマ出演。注目されていた暗殺者役の撮影を終え「まさか自分がお話をいただけるとは思ってもいませんでしたので驚きました。憧れのマシャ兄(福山)とご一緒できたことを大変嬉しく、また誇りに思っています」と心境を語った。(オリコン)
【雑感】「風林火山」で武田信玄を演じた市川亀治郎氏か。主役級の良い俳優をあてる。制作陣が最終回にかなりの気合と人件費を投じているかがわかる。
龍馬暗殺でふと思い出した事がある。我が郷里高知には龍馬歴史館という観光スポットがある。ここは龍馬ソックリにつくった等身大の蝋人形が展示されている。33年の龍馬の生涯を二十六場面に分け、龍馬をはじめ関係者の等身大蝋人形が180体を展示。特徴としては、従来の茶色く色が剥げた袴姿の素浪人風龍馬ではなく、「龍馬伝」第4シーズンのように黒紋付に仙台平袴の「正装」スタイルだ。
近江屋事件は場面26、ほぼ原寸大?の近江屋セット、2階では龍馬と中岡慎太郎がなにやら普通に議論をしている風景、そして1階では真っ赤な照明の下で暗殺犯たちが乱入している風景。その暗殺犯たちの蝋人形が可笑しい。
人間の顔ではないのだ。焦げ茶の袴姿の素浪人風で、髪は乱れまくり、口は悪魔のように横に割けたような感じで、明らかに血に飢えた魔獣が高笑いしながらクネクネと身体をくねらせながら太刀を抜いて嬉々として斬りかかっている。どうみても殺人鬼の体だ。
いくら龍馬が主役の歴史館とはいえ、ここまでやるか?
そんなストレートな龍馬びいきの施設を観た事があるので、「龍馬伝」の今井信郎はどんな表情でどんな立ち回りで突っ込むのか、興味がある。



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少女時代 近頃の現象[四百七十八]
日韓の音楽チャートで“同時1位”を記録
韓国人気ガールズグループ<少女時代>が、韓国女性グループとしては初のオリコンチャート1位に輝いた。(WoW!Korea)
【雑感】少女時代(소녀시대)、最初聞いたときは少女漫画誌の誌名かと思った。そして彼女たちの映像を見て思ったのは、腕や脚が長いこと、まるで美少女アニメか少女漫画のヒロインみたいな体型。これだけの美脚が揃って合唱されると迫力がある。
舞台衣装もスレンダーを強調する縮小色の黒系が多い。黒系はまた落ち着きがあるように見える。ゆえに私の感覚では美女であって「少女」には見えない。
日本へやってくる韓流スターは芸能人として非常に良く訓練されている。韓国4千万人に対し日本1億2千万人強、市場の大きさが違う。しかも日本は韓流文化が定着して久しいし、隣国中国と違って著作権保護等の法治国家としての安定感もある。韓国芸能人にとって国内が狭く感じるようになったら、世界へ飛び出し羽ばたく先として日本はかなり魅力的だ。
とはいえ、日本の芸能界の中に割り込んで競争していくわけだから、日本進出には事前に周到な準備をするらしい。歌や踊りはかなりハードに特訓し、日本の平均的な芸能人の技量をはるかに凌駕するレベルまでもっていく。さらに最低でも日常会話程度の日本語はマスターする。マスターの仕方も、流暢になり過ぎないところが味噌かもしれない。
いわば鍛え抜かれた玄人が少女時代なので神々しすぎて親近感がわかない。少女っぽく見えるのはやはり日本のAKB48の方だろう。少女時代ほど洗練された体型ではないし素人ぽい、だから齢は少女時代と大差は無いのに関わらずAKB48ほうが可愛く見える。女子高生風のチェックの衣装がさらに「少女」を強調している。これが親近感と安心感を日本のファンに与えるのである。
もし少女時代が解散せずに齢40・50になっても由美かおる氏のように身体の線を崩さず、相変わらず「少女時代」の看板で活躍していたら、そのときは熱烈に応援したい。
これは日本デビュー前の映像かな。長く伸びる美脚のおかげで警官か軍人のような制服が窮屈に見える。この体型はまさに少女漫画キャラだ。



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サッポロ銀座ライオンプレミアム ビールは偉大な発酵食品だ

【雑感】銀座ライオン・・、ビアホールの老舗だ。日本で最初にビアホールをつくった事を売りにしている。明治30年頃だから110年は過ぎているだろう。大阪にも以前は御堂筋沿いの道頓堀川より北側にあった。いまもあるだろうか? 独身時代は飲み友達とよく行った。
生ビールはまあまあだったかな。当時はドイツレストランの本場ドイツビールをよく飲んでいたので、銀座ライオンのビールはイマイチ印象に残っていない。ビールを持ってくるウエイトレスが若くて可愛かった、それしか記憶に無い。
さて、ぶらりとコンビニに入ると、懐かしいロゴが目に入った。なんでも銀座ライオンが今年で111周年、1が揃う記念すべき年なのでサッポロビールと共同でプレミアム缶ビールを制作した。それが上記の写真のビールである。販売は明日からのはずだが、もう店頭に並んでいた。
味はヱビスに近い。私の好みをいえば、ドイツのイェーバーのようにホップをふんだんに効かせた爽やかな苦味のビールが好きなのだが。
あるいは、ピルゼンタイプのビールではなく、インディアン・エールとか、あるいはボックタイプのほうが飲み応えあっていい。
ビールらしいビールで美味かったが、私には物足りなかった。



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晴雨堂の書棚 8 「龍馬伝 完結編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)」
なんとストーリーブック3冊目が発行。
【著者】福田靖 NHKドラマ制作班 NHK出版
【発行】NHK出版
【雑感】夕方、本屋をブラブラしていたらビックリした。いつから3巻目を発行するようになったのだろう。通常、「NHK大河ドラマ・ストーリー」は前編・後編の2巻までだった。もっと以前は1巻だけだった。「龍馬伝」が最初なのか、それとも前回も3巻目の完結編なるものが存在していたのか?
内容は主に第4シーズン、ついこないだまで放送していたエピソードのカラーグラビアと、出演者をはじめ関係者のインタビュー記事、関連する史跡の取材記事、最終回までのあらすじだ。思わず買おうと思ったが、最終回までのあらすじが引っかかってやめた。坂本龍馬が暗殺されるのは広く知られている事なのだが、やはり最終回の内容をを事前に知るのは気分悪い。最終回を観てから買うとしよう。
そんなもの買わんでもええやんか、との声も聞いたが、既に前編・後編を買ったので完結編が揃っていないと気持ち悪い。
最終回まで、私は司牡丹の船中八策を飲みながら観るとしよう。



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「U2/魂の叫び」 感動からエナジーを得よう〔15〕
87年全米横断ツアー
「ジョシュア・ツリー・ツアー」ドキュメント。
【原題】U2: RATTLE AND HUM
【公開年】1988年 【制作国】亜米利加 【時間】99分
【監督】フィル・ジョアノー
【原作】
【音楽】U2
【脚本】
【言語】イングランド語
【出演】ボノ(本人) エッジ(本人) アダム・クレイトン(本人) ラリー・ミューレン・Jr(本人) B・B・キング(本人) フィル・ジョアノー(本人)
【成分】勇敢 知的 かっこいい ロック アイリッシュ アメリカ 1987年
【特徴】アイルランド出身の社会派ロック・バンドU2の87年全米横断ツアー“ジョシュア・ツリー・ツアー”を追ったドキュメンタリー作品である。
デビュー当時の痩せた反抗期の少年というイメージから、汗と体臭が漂う反骨の逞しい大人へと成長した姿へ変貌。4人それぞれの性格を反映した生のインタビューが収録。
コンサート中にIRA(アイルランド共和軍)の爆弾テロを非難する場面が物議をかもした。
【効能】エネルギッシュで反骨のパワーを得られる。戦闘的なメロディーに気分高揚。
【副作用】保守的日本人には左翼的・民族主義的・政治的な雰囲気があって敬遠したい衝動にかられる。戦闘的挑発的な歌と曲調に嫌悪感。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
江尻美保(8) 近頃の現象[四百七十七]
耳かき店従業員ら殺害
東京都港区で昨年8月、耳かき店店員、江尻美保さん=当時(21)=と祖母の無職、鈴木芳江さん=同(78)=が殺害された事件で、殺人罪などに問われた元会社員、林貢二被告(42)の裁判員裁判第5回公判が25日、東京地裁(若園敦雄裁判長)で開かれた。検察側は、「極めて強い殺意に基づく残虐で計画的な犯行」などと述べ、林被告に死刑を求刑した。(産経新聞)
【雑感】検察側の主張は残念ながら尤もだろう。祖母に対しては鈍器で殴ったうえに包丁で的確に急所を刺し、江尻美保氏にも首を刺している。殺害現場は血の海。「弱い殺意」とは言えないだろう。それに単に2人の人生を奪っただけではない。被害者遺族のその後の人生に計り知れないダメージを与えているし、林被告自身の身内の未来にも暗い影で覆ってしまった。
林被告は遺族に対して謝罪の手紙を書き続けているそうだが、私が遺族ならおぞましくて開封する気になれない。さらに殺害現場に居合わせた遺族であれば、被告からの手紙が来るたびに恐怖が蘇り、謝罪を装った精神攻撃で二重の蹂躙だと決め付けるかもしれない。
弁護側は謝罪と反省を情状酌量の材料とするだろうが、そもそも謝罪と反省はやって当たり前の事であって、マイナスがプラスになるものでは決して無い。それに、被害者江尻美保氏と親しかった論拠をあげようとしている行為は、せっかくの謝罪に水を差す言動だろう。
論拠となったものも、サービス業に従事する者なら有り触れた接客態度である。というか、特に何か誤解を招くような態度とは思えない。
それから以下に述べる弁護人の主張、一見するとなるほどと思える主張なのだが、
「被告は必ずしも自分勝手なだけの人間ではないのです。店での楽しい時間、よくしてくれた美保さんなのになぜ来店拒否になったのか分からない。それが出発点であり、最後まで影響していると思います」
「信じ切っていた美保さんの態度が急に変わって頭が回らなくなったことなど、理解できる部分はないか」
「美保さんと良好な関係を築いていたのが、平成21年4月5日を最後に、絶たれました。どうにかしたいと考えましたが、切り替えが苦手で問題処理を理屈で考える被告の性格が影響しました」
「被告は意識野が狭窄し、抑鬱(うつ)状態になり殺意につながった」
「芳江さんへの殺意の発生についてですが、被告は集中しきった状態でパニックを起こし、衝動的に行ったものです。冷静なものではないのは、(芳江さんに対して)ハンマーをめちゃくちゃに使っていることからも明らかです」
しかし、これらの理屈が罷り通ってしまうと、モラルハザードが起きるのではないか。信じていた会社から突然解雇され、上司の態度が急に変わり、理由を問うても解らない、思いつかない、ウツ状態になって殺意が芽生え、会社を従業員もろとも爆破して皆殺しにした、というのも情状酌量できることになる。
いや、そんな遠まわしな理屈を言うまでも無い。性根の悪い私が江尻美保氏の遺族だったら、以下のように思うだろう。
「だったら、俺もあんな親思いの良い子が落ち度が無いのに殺されるのは解らない。林被告のおかげで憩いの場どころか人生そのものだった家族を一瞬に滅茶苦茶にされ、住むところも奪われた。母親は精神的にダメージを受け俺も感情を抑えるのが辛い。被告を殺してやりたいしパニックになりそうだ。
被告に酌量が認められるのであれば、俺ならもっと認められるのではないのか。社会正義を信じて裁判に臨んでいるけど、被告が死刑を免れたら、俺に被告を殺す権利と資格が発生せねばフェアではない」
という理屈も成り立ってしまう。弁護士は難しい司法試験を通ってきたので頭が良いはずだ。もっと他に酌量の仕方が無かったのか? 被告の死刑を回避する事ばかり考えて遺族の立場はまったく考慮しない。あんな酌量の仕方ならば、遺族に報復殺害の権利を認めてしまう事につながる。そんなことになれば法と道徳を信じられなくなりモラルハザードとなる。
林被告が述べた「自分の命で償うしかないと思っています。しかし、それでは逃げることになるのではないかと、自分のしてしまったことと向き合って、問い続けていかなければならないのではないか」というのは真っ当な考え方である。もし犯行後に自殺でもされたら、遺族の気持ちは今以上に闇の中へ突き落とされてしまう。



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「龍馬伝」(17) TVドラマ評[二十七]

高知の有名酒造メーカー司牡丹が出している「船中八策」。
土佐鶴が全国的に有名になる前は司牡丹が有名だった。
【雑感】上洛途中の船で起草したといわれている有名な船中八策、実際に龍馬が書いたかどうかを疑問視する学者もいるが、後にほぼ同じ内容の龍馬直筆による「新政府綱領八策」があるので、私にとっては「船中八策」は疑いなく龍馬の起草だと納得している。
さて、龍馬たちが農夫か人夫に変装して洛中を潜入しているときに土方歳三に誰何され、あっさり顔を覆っていた手拭いを脱ぎ捨てて近藤勇を挑発する龍馬、寺田屋事件が比較的リアルだっただけに、この大乱闘は些か場末の時代劇っぽくて唖然としたが、その後の隠れ家で中岡慎太郎に船中八策を披露する場面はなかなか泣かせる演出だ。
というのも、龍馬暗殺事件の被害者3名揃い踏みだからである。主人公龍馬と同志の中岡慎太郎、そして2人を世話する元力士の藤吉。
この3名が一堂に会したところで龍馬は得意げに船中八策を披露する。この船中八策も龍馬のオリジナルではないとの批判がある。他の時代劇では龍馬の自由で柔軟な独自発想から生まれたかのように表現され、同志たちへ上から目線的得意顔で説教する形が多いので、その反発があるのだろう。だが「龍馬伝」の龍馬は諸先輩からの受け売りである事を飄々とした態度で認める。後世の学者やアンチ龍馬の人々の反発を逆手に取るように。
一策ごとに福山雅治氏の龍馬は誰からの発想なのかを楽しそうにいちいち中岡に教えるのである。「これは吉田東洋様から聞いた事」「これは勝先生の言葉」といった具合にである。「出典」を全て明らかにするとともに、八策の元ネタを提供した諸先輩との思い出が挿入される。青春時代の龍馬に強く影響を与えた人々、これはちょっとした総集編的回想シーンではないか。実際、船中八策は龍馬の人生の総決算といってもよい建議書である。これを書くために生まれ生きてきたと言っても良い。
中岡役の上川隆也氏はかつて坂本龍馬を演じた経験があり「龍馬伝」にも思い入れがある。演技を度外視して感動を顔に出しているように見えた。感極まって龍馬に抱きつく様はアドリブではないかと思うほどだ。
そして急に顔が険しくなって、この八策を世に出したら殺されるぞ、と危惧する。飄々とした福山龍馬の顔も真顔になり、「命狙われるぐらいの事をやらんと、この国は変わらん」と言ってのける。
一方、薩摩藩邸では青年時代の大久保利通に雰囲気が似ているミッチーこと及川光博氏が顔を浅黒くして龍馬に嫌悪感を示す表情も、なかなか良い。
以前にも書いたが、「龍馬伝」では龍馬暗殺の黒幕を複数臭わす演出をするのではないかと思っている。この「船中八策」の回は最終回のプロローグだ。



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浅田真央(22) フィギュアスケート[五十三]
【雑感】20歳になった事を意識してなのか、背中を大きく開けたノースリーブの白いイブニングドレス風の衣装でエキシビションに出場した浅田真央選手。
気のせいなのか、ふと思ったことがある。衣装とライティングのおかげで真央ちゃんの肩から背中・脇などの筋肉線がよく見えた。随分と逞しい印象を受けた。そういえば、以前の真央ちゃんは村上佳菜子選手のようにガリガリに痩せていたなぁ。もちろん、今も美しいスレンダー体型なのだが。
肩の三角筋・背中の僧帽筋・広背筋などがとても発達していて、いかにも筋トレしている典型的な筋肉線だった。
もちろん、スポーツ選手なので筋トレは当然のことなのだが、同時にむやみに筋肉を増やすのではなく美しい体型を保ったまま鍛えることに努めるのが現在の女子フィギュア選手だ。ミキティも一時は失礼ながら伊藤みどり選手を彷彿させるほどの逞しい体型になりつつあったが、モロゾフコーチの下で体型を細く絞った。
さて、真央ちゃんなのだが、昨年よりも気のせいか少し肩の線がごつくなったような気がするのだ。村上佳菜子選手の演技を観た後だけに余計に逞しく感じる。
エキシビションの演技でもジャンプは以前のようには飛べず、観客の大拍手が逆に痛々しい。もしかしたら、身体の重量バランスを変えたためにジャンプができないのか? と思ったのだ。



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辛ラーメン 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十二]

【雑感】私が大阪生野の会社に勤めていた頃だから、90年代初頭だと思う。会社の近くに韓国食材を売る店があった。ちょくちょくキムチや韓国海苔などを買い漁っていたものだが、ひときわ目を惹いたのはこのインスタントラーメンである。
まず赤を基調としたパッケージが目立つ。大きく漢字で「辛」がインパクト。横には小さくハングルで「ラーメン」。バックにはいかにも辛そうな盛り付け例の写真と、韓国の漢字字典だろうか漢韓辞典というべきなのだろうか、「辛」の字に関するページが表示されている。当時の韓国は既に漢字離れが進んでいて、輸入雑貨もハングルだらけ、この「辛ラーメン」のように漢字を前面に強調しているのも好感を持った。
いまでこそ「辛ラーメン」は近所のスーパーで売っているありふれたインスタントラーメンで、メーカーの「農心」は日本法人をつくって日本向けに販売をしているが、当時は輸入のみだった。だから今の「辛ラーメン」のように日本語の表記は無く、おくづけはハングルだらけだった。
さて、帰宅してさっそく作って食べてみたが、当時の印象はあまり良くなかった。味は単に辛いというだけで大味、化学調味料臭さもあった。それに麺がごわごわして不味い。毎日食べたら胃を壊しそうだった。
ところがあれから10年以上が経過して、なんとカタカナ表記の「辛ラーメン」を見つけ、懐かしさから食べてみると、麺が大幅に改良されて食感や喉ごしがよくなっていた。また、辛さも日本人好みに合わせたのか、あるいは品質改良したのか、コクのある味になっていた。


最近では(前からあったかもしれないが)カップめんも売られており、たまに「辛」を食べたくなるときに近くのスーパーで購入する。



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浅田真央(21) フィギュアスケート[五十二]
“すべて”ワースト、ファイナル絶望的
フィギュアスケートGPシリーズ第1戦NHK杯第2日は23日、愛知県名古屋市ガイシプラザで女子フリーが行われ、SP8位だった浅田真央(20=中京大)はジャンプでミスを連発しフリーも8位の85・45点で、合計も133・40点の8位。SP、フリー、合計、順位とすべてでシニア転向後、自己ワーストに終わった。(スポニチアネックス)
【雑感】当ブログの「浅田真央(19)」では、可能性の一つとして極端な例をあげたつもりだったが、現実にジャンプができなくなった真央ちゃんの姿はあまり見たくない。
フリーでの巻き返しを期待していたのだが、挽回するどころかショートプログラムと同様の崩れ具合、むしろよく8位につけたものだ。
グランプリ・ファイナルへ進出するには8位は痛恨、スランプといわれた昨年よりひどい、かりに次の大会で優勝したとしても無理だろう。
そして、ポスト真央を担うあややこと村上佳菜子選手が強豪空白となった本大会で銅メダルか。しかし15歳当時の真央ちゃんの勢いを考えたら、せめて銀はいってほしいものだ。というのも、優勝したカロリーナ・コストナー選手や銀のレイチェル・フラット選手の点数を見ればわかるように、昨年の妍兒・真央の200点超え頂上決戦の元ではせいぜい入賞できる程度、銅でも難しいものだった。けっして金と銀のレベルがアップしたわけではない。このところからも真央ちゃんの失速を印象付ける内容だ。
私も含めて真央ファンの多くは、調子よければダントツで優勝、今回は調子が悪いそうなので2回ぐらい転倒尻餅するかもしれないが辛うじて優勝するだろう、と思ったはずだ。
とりあえず、次の予定であるフランス大会まで一ヶ月ある。



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「龍馬伝」(16) TVドラマ評[二十六]
【雑感】坂本龍馬の代表的勝ち戦「いろは丸事件」である。脱藩浪士の海運業者が徳川御三家の紀州藩に対して司法対決して勝訴した日本初の海難審判で名高い。土佐藩と幕府との代理紛争の体でもあり、諸藩も動向を見守っていた。
紀州藩は幕府の裁定を主張したが、龍馬たちは万国法、すなわち国際法をたてに譲らず、さらに舞台となった長崎で紀州藩を非難する「よさこい節」を流行らせて世論操作まで行った。
よさこい節は高知の民謡であるが替え歌が無数にある。明治に入ってからも自由民権運動家たちが政府批判や民権音頭などを作っては芸妓に教えて流行らせている。作中で龍馬がお元に替え歌を教えて歌わせている場面があるが、これは高知の伝統みたいなものだ。
後の沈没船発掘調査では龍馬が主張する高価な積荷は発見されず、紀州藩へのハッタリという説が有力になり、本作でも岩崎弥太郎の機転という形で表現されていた。
いろいろ興味深い話盛り沢山なのだが、少し残念だったのは海難審判での法廷闘争をもう少し丁寧に描写してほしかった。
またラスト場面、龍馬が岬で浜風にあたって海を眺めている姿は袴がはためいてカッコよく、さらにすっかり龍馬にうちとけたお元が寄り添う絵も様になっている、と言いたいところだが、いかにも肌寒そうな強風の中で酒を飲むのは、それはちっくと無いぜ。
それから紀州藩明光丸の関係者が龍馬を闇討ちにしようとする、これはいかに紀州藩が坂本龍馬を怨みに思っているかをストレートに表したものであり、龍馬暗殺当時から紀州藩下手人説を印象付ける演出なのだが、少し場末時代劇ぽくて今までがリアル幕末で攻めていただけに拍子抜けした。



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浅田真央(20) フィギュアスケート[五十一]
「フィギュアNHK杯・第1日」(22日、名古屋市ガイシプラザ)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(中京大)は、武器の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を含む3種類のジャンプすべてに失敗。シニア転向以来初めて50点を切る自己ワーストの47・95点で、8位と大幅に出遅れた。カロリナ・コストナー(イタリア)が57・27点で首位に立ち、シニアデビュー戦となった昨季の世界ジュニア女王の村上佳菜子(中京大中京高)は56・10点で2位につけた。(デイリースポーツ)
【雑感】ううむ。前回の「浅田真央(19)」で予感したことが的中するなんて、こわいな。
真央ちゃんにミスが続き、ポスト真央の女子高生村上佳菜子選手が2位か。
しかし、同様の予感を抱いたファンは多いと思う。前評判の真央ちゃんは不安材料が多々あり、フィギュアスケート界のあややこと村上佳菜子選手は登り調子だった。かつて15歳当時の真央ちゃんをほうふつさせる勢いである。
真央ちゃんと同じ高校へ進学し真央ちゃんから制服を譲り受けた村上佳菜子選手は事実上「ポスト真央」の立ち位置だ。
真央ちゃんへの危惧や、次世代へ期待していたことがそのまま現実化というのはつまらない。やはりファンとしては、フリーでの大巻き返しを望む。



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今日の晩御飯(25) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十一]

【雑感】こないだの「今日の晩御飯」である。こないだまで毎日が真夏日だった日々が一転して肌寒く思える季節になってきた。異常気象や温暖化への警鐘が鳴り響いているが、今のところは「暑さ寒さも彼岸まで」は維持されているようだ。これが崩れて10月に入っても真夏日が続いてしまったら、もはや人類は滅亡かな。
さて、肌寒くなると暖かい鍋物やシチューが恋しくなる。我家ではよく「北海道シチュー」を使ってクリームシチューを作る。
食材は毎回ほぼ同じ、馬鈴薯・人参・玉葱・鶏肉、金曜カレーに使うものと同じだ。好みや状況によっては、上記写真のようにブロッコリーが入ることもある。また私は香辛料が好きなので黒胡椒を少しばかり入れることがある。写真の黒い点はひきたての黒胡椒だ。
既製品のシチュールーを使用しているので、特に紹介するほどでもない平凡な家庭料理なのだが、我家ではちっくと一工夫している。コクを出すために普通は牛乳を入れる方が多いだろうが、我家では連れ合いのアイディアで豆乳を入れている。味は全く問題はない。大豆エキスは身体に良いことも確認されている。
和食であれば、豆腐や味噌汁などで意識せずとも大豆を摂取できるが、洋食ではなかなかできないことが多い。豆乳を使うことで解決できる。



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浅田真央(19) フィギュアスケート[五十]
GPシリーズ第1戦
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズが22日、第1戦のNHK杯(愛知・日本ガイシアリーナ)で開幕する。注目は、3月の世界選手権を制した女子の浅田真央(中京大)と男子の高橋大輔(関大大学院)。今季のGPシリーズは、バンクーバー五輪で優勝した女子の金妍児(キム・ヨナ)=韓国=や男子のエバン・ライサチェク(米国)ら、浅田と高橋を除く五輪メダリストが出場しないため、開幕戦から登場する2人にはGPファイナル(12月9~12日、北京)制覇の期待も高まる。(毎日新聞)
【雑感】ああ、もうそんな季節になったか。
明日のNHK杯には金妍兒選手をはじめ名だたる実力者が参加しないのでつまらない。しかしその一方で次世代のポスト真央候補になろうとする中堅選手台頭のチャンスでもある。真央ちゃんや妍兒ちゃんの陰に隠れて目立たなかった10代の選手が脚光を浴びる良き機会だろう。
また強敵がいない大会であるゆえに、新体制で挑む真央ちゃんの調整具合と今後の展望を計る試金石的試合になる。よもや、しりもちの連続をやって日本中が驚愕するような事態にはならないと思うが。表彰台に真央ちゃんの姿が居ないだけでも大騒ぎするのだから。
GPのスケジュールを見ると、今月末日のカナダ大会にはエレガント演技派の村主章枝選手も参加するようだ。スポンサーがつかなければ引退するとの話が前シーズン終了時にあったようだが、なんとか体制を整えられたか。
真央ちゃんやミキティの影に隠れて精彩が無いようなイメージで見られているが、彼女のような華麗・優雅の文字が似合うキャラは他にいない。まだまだ消えてほしくない選手だ。



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「龍馬伝」(15) TVドラマ評[二十五]
NHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演!
オファーに涙…
「諦めないでよかったぁ!」
女優として活躍中のみひろが、現在放送中のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演することを自身のブログで明かしている。出演するのは11月7日放送の「龍馬の休日」の回。(シネマトゥデイ)
【雑感】AV女優から一般の女優へ進出する例は多いように見えるが、定着は稀有である。それだけ、ポルノ業界に対する芸能界での差別や世間の偏見が強いかもしれない。「元AV女優」はどちらかといえばマイナスイメージとして評価される。これが一般芸能界での定着を阻む要素の一つだ。
それだけに、出演が俳優としてのステータスになっている大河ドラマの、それも話題沸騰新機軸の「龍馬伝」となれば、感極まって泣いてしまうのは解るような気がする。
私はポルノ全般(AVも含む)も映画と見なしている。当ブログに於いてもAVを映画として分け隔てなくレビューしたい。しかし「藝術作品」として認知されている「エマニエル夫人」や流通で「一般作」のカテゴリーに入っている「獣人」などは評論紹介できたが、アダルトビデオのジャンルとして流通している作品は、FC2のルール上できない事になっている。アダルト専門のサイトに特化しなければならないからだ。
私は個人的にどんなジャンルも平等に分け隔てなく接してきたし、そうありたいのだが、世間や社会システムがそれを許さない。まことにもどかしい話だ。



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江尻美保(7) 近頃の現象[四百七十六]
遺体の白黒写真示す
東京都港区で昨年8月、耳かきサービス店従業員江尻美保さん(当時21歳)と祖母の鈴木芳江さん(同78歳)が殺害された事件で、殺人罪などに問われた千葉市美浜区、元会社員林貢二被告(42)の裁判員裁判の初公判は、19日午後も東京地裁で続き、検察側の証拠説明が行われた。
被害者の遺体の写真などが法廷の小型モニターに次々と映し出され、裁判員が顔を紅潮させたり、涙をぬぐったりする場面もあった。
検察側は、鈴木さんの首の刺し傷の状況などを撮影した写真を、モノクロに加工してモニターに映したほか、江尻さん宅付近のマンションに設置された防犯カメラの映像も再生。
事件当日、林被告が江尻さん宅に侵入した後、外に飛び出してきた江尻さんの母親らが、「助けて、110番、早く」などと絶叫している場面などが流された。(読売新聞)
【雑感】そういえば、ヒチコック監督の代表作に「サイコ」がある。サイコ・サスペンスというジャンルの開祖となった金字塔的映画である。
BGMは不安感を煽る名曲、ヒロインは物語が始まって間もなく謎の「老婆」によってバスルームでめった刺しにされて殺されるという新機軸。
公開年は1960年、ヒチコック監督ほどの巨匠であれば潤沢な予算が獲得できる上に興行的にも失敗する可能性が低いので、十分カラー作品として発表できる時代なのだが、敢えて白黒映画にした。その理由とは、聞くところによれば当時として凄惨を極める殺害場面、しかも物語の主人公であるはずの美女がシャワーを浴びている途中でいきなり包丁で何度も刺されて殺される前代未聞の展開、観客へのインパクトが強すぎるとの懸念から生々しいカラーはやめて白黒にしたそうである。
一種の都市伝説だが、当時撮影されたカラーバージョンがどこかに現存しているとの噂が存在する。
さて、「サイコ」はあくまで架空の映画の世界である。観る方はフィクションと割り切ることができるが、本件の場合は現実である。しかも多くの人は人間の遺体というものを普段は見ない。ニュース映像などではモザイクをかけて遺体を見せないようにするのが日本の感覚である。
公平かつ冷静な判断も問われることになるが、裁判が終わった以降の裁判員の心理的ケアが今後の問題になる可能性が出てくるだろう。



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コピペ 近頃の現象[四百七十五]
受賞歴24回で4作盗用
第19回「詩と思想」新人賞に選ばれた作品がインターネットからの盗作だったとして主催者から受賞を取り消された秋田市の中学3年生の少女(15)の保護者が、群馬県前橋市と福岡県柳川市のコンクールでも同様の盗作があったとして受賞の取り消しを申し出たことが19日、分かった。両市は申し出を受け、賞を取り消した。中学校によると、少女は入学以降50以上のコンクールに応募し、24作品が入賞したが、前橋市と柳川市に応募した2年分計3作品の盗作を認めた。(スポーツ報知)
【雑感】コピペ、コピー&ペーストか・・。
この子はもう詩はおろか小説も漫画もしんどいだろう。盗作の疑いが常についてまわる。失われた信用が回復するのはかなりの時間がかかってしまうだろう。
こんな思い出がある。問題の少女と同じ中学三年生の頃だった。同級生の男子生徒が読書感想文で高評価を受け表彰され、朝礼で朗読された。先生等は単なる感想文ではなく文芸評論のレベルだと絶賛していたが、私はそうは思わなかった。何故なら、問題の小説の文庫本版の巻末解説が彼の感想文と同様の内容だったからだ。文体や文書構成こそ違うものの、内容は全く同じ、私は「盗作ではないか?」と疑ったが、彼には「参考文献として利用した」と言い逃れできる余地があると思い直し詰問しなかった。
実際、今から考えると盗作の範疇には入らない。巻末解説を参考にして自分の考えを述べたに過ぎない。ただ、巻末解説の影響を強く受け過ぎ「受け売り」のきらいはあったとは思うが。あのとき気に入らなかったのは、かなりの部分は常日頃の自分の考えや思いではなく「参考文献」に助けられているのに、当人のみの手柄と評価されたことだった。参考文献を鵜呑みせずに、もっと捻くれて独自性を出せよ、と言いたい。
表現者として、私はまっとうな意見を述べていると確信している。創作とは自分を表現しているのであって、賞をとるのは結果でしかない。
私が知る表現者はみな、自分が思い描いた事を描ききれないもどかしさ、完璧に近い表現で描いても相手には伝わらなかったり見当違いの解釈をされるもどかしさ、自分が思い描いている事と読者が期待し求めている事のギャップで悩んでいる。気楽にブログを書くだけの私でも、自分の考えとそれを文章化する過程で悩む事がある。
賞を取らなければ、入稿して銭稼がねば、という目的が自分を表現することよりも上回ってしまったとき、表現者としてもはや終わりだ。
彼女が表現者なら、後から後から詩が頭の中で湧き起こり、どれをコンテストに応募しようか選別で悩んだはずだ。コピペしたものをろくにアレンジせず盗用を常習するようでは元々表現者ではなかったのだろう。
ただ、盗作するにしても入賞率が高いということは、コンテストの審査員が求めているものをリサーチしてモノを選別する目は持っている事になる。将来はそんな才能を発揮できる仕事につけば良いのではないか。



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ご当地映画 近頃の現象[四百七十四] いきなり新たな産業を興そうとしても途方もない。まずは映画で村興しは如何か? 上手くいけば「二十四の瞳」のように小豆島経済を支えるアイテムになる。
埼玉らしさを入れ込んだ『ネムリバ』
映画での町おこしを狙った“ご当地映画”がにわかに注目されている。23日より埼玉県内のユナイテッド・シネマ5劇場(浦和・春日部・入間・ウニクス南古谷・ウニクス上里)にて公開される映画『ネムリバ』(園田新監督)もその一つ。同作は、埼玉県が整備したデジタル映像制作拠点・彩の国ビジュアルプラザが実施する、若手クリエイターの育成を目的としたプログラムを経て制作された。主演は埼玉県出身・在住・在学の女性を対象に実施したオーディションで選ばれた埼玉県在住の女優・小野まりえ。主題歌を埼玉県出身の中山うりが手がける。(オリコン)
【雑感】「ご当地映画」自体は昨日今日に始まったわけではない。古くは「二十四の瞳」がある。あの名作のおかげで小豆島に観光スポットができ半世紀以上も小豆島経済に貢献している。ハリウッド映画では「ローマの休日」がある。あの映画はまさにローマ観光映画であり、ヨーロッパ産業の見本市のようなものであり、「ご当地映画」として世界的スーパーヒットをしただけでなく、現在もなお「ヒット作」としてローマを宣伝し続けている。
さらに長期シリーズ作となれば、「男はつらいよ」のように東京葛飾区柴又が聖地のようになり、主人公寅さんが各作品で放浪した「ご当地」も観光宣伝にもなる。
町おこし村おこしの「システム」として強く意識するようになってきたのは今世紀に入ってからだろうか。以前はたまたま映画制作者がロケの使用を持ちかけ、地元が吟味して許可を出す、あるいは協賛するという形が一般的で、地元のほうから自治体宣伝のために映画制作を誘致するとか、あるいは制作者の一翼を担うようになるというのはあまり無かった。
今世紀に入ってから「村おこし町おこし」を強く意識した作品が増えてきた。パッと思いつくだけでも山口県が支援した「長州ファイブ」、徳島県が支援した「バルトの楽園」「眉山」、香川県が支援した「UDON」、高知県が支援した「君が踊る、夏」、そして昨夜私が観た茨城県支援の「桜田門外ノ変」など多くなった。
これは良き傾向だと思っている。個人が映画を作ろうと思ったら、どんなに低予算でも負担が重過ぎる。それを都道府県や市町村が支援してくれるのだ。活躍の場が広がり、無名の映画人や俳優たちにも機会が増える。上手くいけば、ご当地出身ということで優先的に出演機会がめぐってくるかもしれない。
自治体にしても宣伝費として考えれば悪くはない。それなりに評判となれば投下資金を幾分か回収できるし、ヒットすれば宣伝費の回収だけでなくご当地経済を潤す。さらに前述のように名作となれば末永く広告塔として活躍してくれる。
映画だけでない、TVドラマ・漫画・アニメも同様の効果を生む。水木しげる氏で鳥取県が潤い、FROGMAN氏で島根県が有名になった。
自治体側はもっとこれら「文化」に理解を示し、東京へ集まる人材を地元へUタウンさせるぐらいの支援をする事も覚悟してもらわなければいけない。いきなり地場産業だと息巻いてもハードルは高い。土建に頼れる時代でもない。
ハッキリ言う。日本を救えるのはオタクなのだ。



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江尻美保(6) 近頃の現象[四百七十三]
裁判員初、死刑求刑の可能性―東京地裁
東京都港区で昨年8月、耳かき店従業員江尻美保さん=当時(21)=と祖母の鈴木芳江さん=同(78)=を殺害したとして、殺人罪などに問われた元会社員林貢二被告(42)の裁判員裁判初公判が19日、東京地裁(若園敦雄裁判長)である。弁護側は起訴内容を認める方針。(時事通信)
【雑感】弁護側は起訴事実を認め、責任能力でも争わず、情状酌量で勝負するようだ。なるほど、死刑が求刑されるかもしれない本件ゆえ裁判員たちに心理的圧力を加えるのが狙いか。
普通、このような事件の場合では責任能力の有無を問題にして精神鑑定を要求する戦術をとる。死刑の可能性がある裁判で被告側弁護士の任務は死刑を回避する事につきる。そのための時間稼ぎや減刑できる要素は何でも使う。その最もポピュラーな方策が心神耗弱を実証することだ。
ただ、心神耗弱で減刑という作戦は些か手垢が付いているうえに、凶悪事件が心神耗弱を理由に減刑もしくは無罪となったら遺族感情が収まらないうえに凶悪事件への警戒感をつのらせている世論の神経を逆撫でしてしまう。従来の裁判ならたぶんこの作戦をとったと思うが、世論の影響を受けやすい可能性がある裁判員には心証を悪くする。ここは潔く罪を認め責任を果たす意志を前面にたてたほうが得策と判断したと思う。
さらに被告人を司法権力でもって殺害する判断を裁判官でも法務大臣でもない市井の人間に行わす事は重責で、中にはトラウマとなって一生付きまとうことになるだろう。市井の人間で構成された裁判員に敢えて重いボールを投げてやり、死刑判断へのストレスから死刑を思い留まらせる弁護士の思惑も感じてしまう。
もちろん、いずれの理由でも被告人自身が江尻美保氏らを殺害してしまったことをひどく後悔している事が必要だが。でなければ弁護士は絵が描き難い。
私が被害者たちの遺族なら、林貢二被告のエセ恋愛感情を問題にする。尽くしたと主張しているが、客としてサービスを受けた代金を支払っただけだ。チップを多めに払ったかもしれないがプライベートで付き合った訳ではない。「御客様」の立場を利用して彼女にセクハラ・パワハラをした挙句に祖母もろとも殺害せしめた。これの何処が恋愛感情だ? ストーカーという言葉に惑わされてはいけない。客の立場を楯に行った卑劣な暴力である。
こんなことを認めてしまったら、常連客はみな殺人犯予備軍になってしまう。小沢ガールズなどは選挙のたびに熱心な支持者と寝なければならなくなる。馬鹿げたことだ。



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中国の反日デモ 近頃の現象[四百七十二]
一部暴徒化、日本料理店襲撃
中国四川省綿陽市で17日午後、沖縄県・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件に抗議する大規模な反日デモが起き、参加者の一部が暴徒化して日本料理店などを襲撃した。前日に3都市で起きた反日デモは「官製デモ」との指摘も出ているが、参加者の暴徒化や他都市への飛び火は当局も想定していなかったとみられ、事態の沈静化を急いでいる模様だ。(毎日新聞)
【雑感】子供の頃は中国が大好きで、休み時間になると地図帳を広げて中国のページばかりを見つめたものだ。だから中国の地理には少し詳しい。河南省鄭州市・陝西省西安市(昔の長安)・四川省成都市、そして今回の綿陽市、いずれも経済的後進地域である内陸の都市だ。また四川省は大地震の後遺症もある。
中国の経済格差は日本人が思っている以上に広がっている。北は北京から天津・上海・香港とつながる東の沿岸地域は経済的に恵まれていて、かつてバブル景気の日本に誕生した富裕層が多いが、西の内陸にはその恩恵を十分に味わっていない。昔の中国映画で観たような誇りっぽくて貧しい生活がある。さらに西へ行くとチベットやウイグルなどがあり貧困に加えて民族紛争がある。
当初は学生が中心になって反日デモが行われたそうだが、これは明らかに官製デモだろう。
同じ「社会主義国」の北朝鮮と違って、中国のファッションやTV番組など日本とさほど変わらない。ニュース番組にいたっては、北朝鮮ではいつも同じアナウンサーがチマチョゴリを着て大本営発表のようにニュースを伝えるのに対し、中国では日本と同じく垢抜けしたレディーススーツにスレンダー美女の女子アナがニュースを読む。 北朝鮮では統制された貧しい市民生活を連想するが、中国は着飾ったセレブ連中が株をやったり東京や大阪の一等地を買い漁るなど社会主義は名ばかりの様相だ。
しかし経済ではすっかり資本主義となった中国だが、政体は共産党独裁である。日本では公然と天皇制批判も可能でサヨク市民が盛んに論を張っているが、中国ではそんな体制批判は許されない。
デモ行進をする場合、日本でも警察の許可はいる。しかし問われるのは道路交通法の問題のみで、始点と終点までのコースを記した計画書を提出すれば概ね許可される。それでも活動家たちは「弾圧されている」「監視されている」と感じるようだが。
中国では基本的にデモは許さない方針なのである。だから自然発生的なデモはかなり覚悟を決めた中心メンバーが始めたイベントであるが、今回の場合は大学の学生組織の呼びかけなので当局の協力はあったはず。というのも学生組織は共産党の下部組織だからだ。日本に例えれば、学生自治会は文部科学省の監督下にあり自民党や民主党のOBが顧問についているようなものか。
豊かな沿岸部への憤懣と共産党政権への怨嗟を緩和するべく、尖閣諸島問題を口実に内陸部主要都市の学生を使ってガス抜きを謀ったとみるのが妥当だろう。獄中にいる民主化運動の劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞した直後というタイミングも興味深い。尖閣列島や反日はメインテーマではないかもしれん。
ただ、中国もネット社会が浸透していて、当局の制御も昔のようには効かなくなっている。綿陽市では一般市民が暴徒化して学生デモに便乗し、破壊活動を展開しているとのこと。
覇権国家になりつつある中国の足元は予想以上に脆弱かもしれない。



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「僕がいない場所」 孤独を楽しむ時に〔47〕
拠り所を奪われた少年の悲劇。
児童虐待を描いたポーランドの問題作。
【原題】JESTEM
【公開年】2005年 【制作国】波蘭 【時間】98分
【監督】ドロタ・ケンジェルザヴスカ
【原作】
【音楽】マイケル・ナイマン
【脚本】ドロタ・ケンジェルザヴスカ
【言語】ポーランド語
【出演】ピョトル・ヤギェルスキ(クンデル) アグニェシカ・ナゴジツカ(クレツズカ)
【成分】悲しい 絶望的 切ない 児童虐待 育児放棄 社会派 ポーランド
【特徴】育児放棄を扱った問題作。被害者である少年の目線で映画が作られている。
母親から見捨てられ拠り所を失った少年の物語であり、川辺に浮かぶ廃船で独り寝起きしながら、町の大人たちや苛めっ子グループの目を警戒し常に孤独な緊張感を抱きながら細々と暮らす。
この様に共感するか衝撃を受けるかで、鑑賞者の子供時代に於ける社会的ポジションが判る。
【効能】児童虐待に於ける被害者の孤独を知る。緊張感ある孤独を楽しめる。
【副作用】全体に陰鬱な雰囲気で気分が暗くなる。ラストのバッドエンドで少年の行く末が心配になる。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
谷亮子 近頃の現象[四百七十一]
柔道女子48キロ級で2000年シドニー、04年アテネの五輪2大会連続金メダルを獲得した国民的ヒロインで、民主党の谷亮子参院議員(35)が15日、東京・永田町の憲政記念館で小沢一郎元代表(68)らと会見し、現役引退を表明した。谷は「競技生活の第一線から退く。今後は国政に専念し、スポーツの振興と環境づくりを行う」と語ったが、会見後の囲み取材では、16年のリオデジャネイロ五輪に向けて「復活はあり得ます!頑張ります」と“大ドンデン返し発言”も飛び出した。(デイリースポーツ)
【雑感】「引退」との報道を聞いたときは、つまらん、と思った。あまりにも平凡な結論、彼女には非常識な行動を期待していたのだが。
しかし、よく聞けば若干の軌道修正のようだ。元世界ランク4位のテニスプレイヤー40歳のクルム伊達公子氏の現役復帰と快進撃もある、谷亮子氏は世界柔道の第一人者のポジションを何年も守ってきた自負があるだろうから、参院議員を6年務めて小沢一郎氏に義理を果たしてからでも、十分現役復帰のめがあると確信したのか?
ただ、国会議員の仕事は極めて不健康だ。まず睡眠時間の確保が難しいし、筋力を維持する運動時間の確保も大変だ。非常に神経を遣うので内臓系の健康も不安がある。これからの6年間、柔道ができる身体を維持するのは至難の業だと思う。6年後の谷亮子氏は世界の強豪と覇を競うどころか、柔道できる身体ではなくなっている恐れもある。



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派遣労働者(2) 近頃の現象[四百七十]
製造業への規制強化―東大調査
今国会で審議予定の労働者派遣法改正案で打ち出された製造業派遣の原則禁止について、製造現場で働く派遣社員のうち55.3%が「反対」と回答し、「賛成」は13.5%にとどまることが、東大社会科学研究所のアンケート調査で16日明らかになった。改正案は派遣労働者の保護を目的としているが、実施されれば「失業するリスクはかえって高まる」と考える人が多い。(時事通信)
【雑感】いちど規制緩和したものを再び規制強化しても上手くはいかない。緩和した状態に企業は体質を合わせてしまったのだ。今さら規制を強めても、終身雇用制が活きていた昔には戻らん。
体力のある企業は人件費の安い海外へ生産拠点を移すだけだし、脆弱な企業は増員を諦め現有戦力で堪えるかパートかアルバイトか日雇いを増やすだけだ。労働者の生活安定には断じてつながらない。人を雇う身になって考えれば判るはずだ。正社員の採用を抑えて派遣労働者を使うことで人件費を削減してきたのだ。法改正されたからといって削減したコストを元に戻すはずが無い。
低所得労働者にとっても、今の景気では正社員の口は無い、かといってアルバイトや日雇いでは保障が弱いし家族を養うには苦しい、そんな時の頼みの綱が派遣社員だ。
派遣社員という身分は一応アルバイトではないし、正社員より給与は少なく雇用期間が定められているが、とりあえず「社員」としての保障はある。その選択肢が無くなるのだ。40代・50代の低所得労働者になると、正社員のクチはないけど派遣なら辛うじてある、という人は少なくない。
政治家というのは、基本的に浮世離れしていると見ておいたほうが良い。富裕層の代表たる自民党はズレているのは最初から判りきってい。低所得労働者や社会的弱者の側に立っているはずの左翼もイマイチだ。
かつて左翼系の政治運動に関わったとき、集まった顔ぶれの多くは高学歴者で「低所得者」ではなかった。私より所得が少ない人もいたが、辻元清美氏のように自らの意志でサラリーマン社会からドロップアウトしたのであって、世間一般の価値観や感覚で生きてはいない。彼等彼女等にとっては「生活のために労働に従事している」のではなく、「運動を維持するために労働している」のだ。平凡な低所得労働者の気持ちや感覚を把握していない可能性は強い。



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龍馬伝(14) TVドラマ評[二十四]
「龍馬伝」台湾・韓国・タイで放送決定
福山雅治さん主演のNHK大河ドラマ「龍馬伝」が台湾、韓国、タイで放送されることが14日、明らかになった。同日開かれた発表会見で福山さんは 福山さんは「『龍馬伝』は決して出世物語やヒーローものではなく、どちらかというと挫折と失敗、別れと悔しさなど、青春にありがちな甘酸っぱい物語だと思うので、誰もが感情移入をでき、国境を問わず共感してもらえる、楽しんでもらえる、と期待しています」と語った。(まんたんウェブ)
【雑感】たしかに福山氏の言う通りなのだが、たぶん土佐弁の良さは完全に消えてしまうので、一種の臨場感は無くなる。先方の翻訳スタッフの腕次第だ。



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