コミックマーケット(2) 近頃の現象[五百十六]
次回もビッグサイトで開催
都条例改正も影響なし
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の同人誌即売会「コミックマーケット」が、次回も同会場で開かれることが明らかになった。マンガの販売などの規制を強化する東京都青少年健全育成条例改正問題で、次回開催地に注目が集まっていた。日程は8月12日~14日。(まんたんウェブ)
【雑感】なるほど、おそらく主催者コミックマーケット準備会は今回も自主規制で乗り切るつもりだな。
保守派市民勢力の言論弾圧行為は今回が初めてではない。80年代末に連続して幼女が誘拐殺害される宮崎勤事件が起こったのを機に、全国で官民一体による「悪書追放運動」という言論弾圧が行われた。逮捕された宮崎勤犯人がホラー映画と漫画アニメが趣味だったことから、ホラーや漫画アニメが弾圧の対象にされた。
あのとき規制派は調子に乗って対象の幅を拡大させエスカレートの様相を呈したので逆にペンクラブをはじめとする言論界全体が規制反対を表明し次第に沈静化した。
コミケは自主規制で切り抜けたが、一時は開催を危ぶむ声が多々あったし、漫画同人誌印刷業界も戦々恐々だった。
今回もたぶん法律に詳しいスタッフ等が中心になって当局と交渉し、一定の枠組みを確認しての予定発表だろう。
しかし次回の来年8月にはどのような情勢になるかは判らない。規制推進派は施行される改正条例でも不満なのでさらなる規制をたくらみ攻勢を仕掛けるだろう。法規を新たに設定したり改正する動作はかなりエネルギーが要ることだから来年も改正というのはさすがにないと思うが、解釈論で勝負するのは十分あり得る。
ただ規制推進派も心しておかなければならない。まんたんウェブはコミケを日本最大級といまだに低く評しているが、自主的にアマチュア有志が集まって誕生しアマチュアの立場を維持しながら発展した漫画同人誌即売会としては「世界最大」である。これを潰すという事はどういうことになるか。この不況時に地域経済に多大な貢献をしているのだ。
しかも、アマチュアである。同人誌である。アマチュアと同人誌に規制のメスを入れる行為は、際限なく権力に言論弾圧できる権限を与えてしまう。
どんな政策にも副作用がある。規制推進派にすれば、野放しにして性的犯罪が増えるリスクよりも、多少の言論不自由を我慢しても婦女子を犯罪から守るため元凶を封印するという大義名分があるだろう。
しかし野放しにして性的犯罪が増えるというデータは信憑性が無い。北欧のようにその逆はあるが。
規制を強化することで増えてしまう皮肉な例も多々ある。韓国などは人口4千万しかいないのに3億近くいるアメリカよりレイプが多いという不名誉な時期もあった。台湾で飯島愛氏が自由の象徴とされたのも、規制が強すぎたからだ。
そして性メディア規制を口実に言論弾圧を行う前例は古今東西無数にある。危険度はむしろ表現規制のほうが大きい。
規制推進派にわかりやすく批判しよう。この「改正条例」は北朝鮮化のリスクがある。日本を北朝鮮にして良いのか?
近年、日本を追い越し経済大国になりつつある中国や韓国が国家戦略として漫画アニメに力を入れているが、唯一日本に勝てない要素があった。それは言論の自由度だ。言論と表現の自由が中国・韓国の追随を防いできた。国家が後押して漫画アニメを大きな市場にする中国と違って、日本は官憲や保守市民に蔑視され弾圧をうけながらも成長してきたのが漫画アニメであり、それを支えてきた漫画同人誌である。
中国に無い強みを潰したら、日本は終わりだな。



ブログランキングに参加しています。
「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」 寂しさをまぎらわす時に
素晴らしきマンネリ。
【原題】THE BOAT THAT ROCKED
【公開年】2010年 【制作国】日本 【時間】119分 【監督】堤幸彦
【原作】
【音楽】辻陽
【脚本】蒔田光治
【出演】仲間由紀恵(山田奈緒子) 阿部寛(上田次郎) 生瀬勝久(矢部謙三) 野際陽子(山田里見) 松平健(鈴木玲一郎) 佐藤健(中森翔平) 夏帆(高階美代子) 藤木直人(-) 片瀬那奈(杉尾園子) 戸田恵子(相沢天海) 平泉成(宇田川八兵衛) 池田鉄洋(秋葉原人) 三浦理恵子(松宮佐和子) 大島蓉子(池田ハル) 瀬戸陽一朗(照喜名保)
【成分】笑える 悲しい ファンタジー 不思議 パニック 不気味 知的 切ない かわいい かっこいい コミカル ミステリー
【特徴】TVシリーズ10周年を記念する映画化3作目。自称売れっ子奇術師と自称天才物理学者のコンビが似非超常現象や似非超能力を暴く。
【効能】。
【副作用】。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
コミックマーケット 近頃の現象[五百十五]
日本最大級の同人誌即売会開幕
初日は16万人
「コミケ」の愛称でも親しまれる日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット79」が29日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。年の瀬が押し迫る中、早朝から多くの人が列を作り、来場者は目当ての同人誌を求めて「壁サークル」と呼ばれる人気サークルに並んだり、企業ブースにある限定グッズを目当てに押しかけ、昨年冬より1万人多い16万人が来場した。(まんたんウェブ)
【雑感】見出しでは「日本最大級」とあるが、「漫画同人誌」のカテゴリーでは世界最大と言い切るべきだ。世界に冠たるオタク文化の世界一の祭典である。日本中からではなく、世界中のオタクがメッカやエルサレムを巡礼するがごとく集まるのだ。
思い出すなぁ、初めてコミケに行ったのは意外に思うかもしれないが20代になってから、漫画同人誌専門の印刷屋に勤めていた頃だった。だからサークルとしてではなく「業者」として参加していた。高校や大学時代はコミケではなく、もっぱら「ミニコミストリート」など関西の同人誌即売会に顔を出していた。
関西の即売会と違って、質量ともに桁が違う事に圧倒された。ビジネスに目ざとい人間なら、ここにチャンスを観るだろう。実際に台湾やアメリカから、オタクではなくビジネスマンが情報収集にやってきていた。
漫画を規制する東京都条例が可決されたが、今回はまだ施行前なので例年通りか、もしくは盛況なくらいだろう。日本経済が沈滞し中国や韓国に追い抜かれつつある昨今、このコミケだけは世界最先端最盛況である。しかし漫画文化や性描写などの大衆文化を蔑視する輩の出かた次第では、日本の最後の砦も崩壊する。



ブログランキングに参加しています。
年末年始の御馳走 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[七十]
超高価「52万円」にも予約
百貨店などでのおせち料理の予約が好調だ。今年は高級品の売り上げが目立っており、「節約疲れ」からか、おせちにも「プチぜいたく」志向が表れている。また、複数買っていく客も増えているといい、全体の販売量の底上げ拡大につながっているようだ。(毎日新聞)
【雑感】我家にはおせち料理というものがない。巻き寿司に鯖寿司ばかり。お雑煮は澄まし汁に餅と菜っ葉が少し入るだけ。ルーツは土佐なので、大阪人の正月料理とはちっくと趣が異なる。
初めてのおせちは、連れ合いの実家で食べた料理が記憶に残っている最古のものである。三十数年ものあいだ、おせちは食べた事が無かった。
一度、百貨店で高級おせちなるものを予約したいものだが、今年も不景気と面倒臭さでパスだな。

ところで、上記の写真はクリスマスに撮影したものではない。26日である。年末になると美容師である連れ合いは忙しくて、予定では24日につくるはずだったが今年は26日になった。今回は従来と違ってロールケーキ、白樺の幹をイメージしたデコレーションだが、皆さんの感想はいかに。私は生クリームがたっぷりなら不満は無い。
ちなみにその日の晩御飯はうどんすきである。

1日遅れのクリスマスケーキにうどんすきはミスキャストのように思う方も多いだろうが、こう寒くては鍋物でないとかなわん。次の日の朝御飯は当然のことながら鍋の残りを使って雑炊にした。
その1週間前の晩御飯はご覧のとおりキムチチゲだ。




ブログランキングに参加しています。
浅田真央(25) フィギュアスケート[五十九]
来年の世界選手権
26日のフィギュアスケート全日本選手権終了後、来年3月の世界選手権(東京)の代表選考会が会場の長野・ビッグハットで行われ、男子は全日本選手権で1位の小塚崇彦、同2位の織田信成、同3位の高橋大輔が選ばれた。女子は安藤美姫、世界選手権連覇を狙う浅田真央、初出場となる16歳の村上佳菜子の3人が代表となった。(デイリースポーツ)
【雑感】やれやれ安堵した、と思うファンは多いだろう。



ブログランキングに参加しています。
佐藤信夫 フィギュアスケート[五十八]
フィギュア全日本選手権
フィギュアスケートの全日本選手権第2日(25日、長野市ビッグハット)女子ショートプログラム(SP)が行われ、復活に期待が懸かる浅田真央(20)=中京大=は66・22点をマークし、SP首位に立った。安藤美姫(23)=トヨタ自動車=が64.76点で2位、村上佳菜子(16)=中京大中京高=は61・50点で3位につけた。(サンケイスポーツ)
【雑感】嬉しいというよりは、ホッと安堵した、そんな気持ちのファンが多いだろう。TV放送前にネットのニュース欄に「真央、SP首位発進」の情報が流れたおかげで、ゆつたりとした気持ちでTVで観戦する事ができた。
一番ホッとしたのは佐藤信夫コーチではないか。多くの世界的アスリートを育てた実績あるコーチで指導力に安定した高評価ある人物だが、今回の真央ちゃんのジャンプ技のリセットと再構築は危険な賭けだったと思うのだ。ようやく結果が出て胸をなでおろした事だろう。中野友加里選手のときは満面に微笑をたたえて迎える佐藤コーチだが、真央ちゃんのときは無表情、2人並んで点数を確認するベンチに座ってやっと笑みが滲んだように見えた。
まだフリーがある。それに今の女子フィギュアは粒揃い、真央ちゃんは孤高の選手ではない。少しのミスでたちまち3位にも食い込めない。まだ安心はできないといった気持ちか。



ブログランキングに参加しています。
男優評 役所広司 「十三人の刺客」 (2010)
「笑いの大学」から攻守入れ替わって。
稲垣吾郎氏と映画で共演するのは「笑いの大学」以来だったと思う。舞台は太平洋戦争開戦前夜の日本、役所広司氏は七三の刈上げ頭に濃紺の三つ揃いダークスーツ姿の隙の無い検閲官。稲垣吾郎氏は少しチャラぽい背広、当時にしては長めの髪の気の弱そうな優男風、劇団「笑いの大学」座付脚本家で、上映の許可をもらおうと書上げだ脚本を抱えて検閲官の元へ足しげく通う。
もともと許可を出す気は無い検閲官は、期待を持たせるような含みを入れて無理難題を突きつけ、脚本家はそれを次々とクリアしなおかつ笑いをとる。やがて検察官も打ち解けていき、脚本家の笑いの世界にのめり込んでいく。
あれから6年か、今度は稲垣吾郎氏が大権力者となり、役所広司氏がその権力者を倒すべく12人の刺客を率いる指揮官、挑戦者の役を担当する。(余談1)
ハッキリいって、稲垣吾郎氏ほどのインパクトは無かった。悪い意味ではなく、期待通りの演技だったので、かえって印象が薄いものになった。それに脚本や演出も稲垣吾郎氏演ずる悪役に力を入れて、役所氏たち善玉の描写を必要最小限に削っているので、これは止むを得ない。
「笑いの大学」と併せて役所氏と稲垣氏の俳優としての鍔迫り合いを鑑賞すれば、演技の面白さが伝わってくるかもしれん。
(余談1)役所氏が演じた御目付七百五十石島田新左衛門、突っ込みどころをいえば、目付とは老中の次席にあたる若年寄の配下の旗本で、旗本御家人を監察するのが仕事である。したがって大名の問題に関わるのは管轄外であるし、老中から若年寄を頭越しに直接呼び出されるのも指揮系統から外れてイマイチありえない事なのである。
通常、目付には役料(役職に対する報酬)1千石が与えられる。たぶん、七百五十石は役料を省いた知行だろう。
目付は中間管理職ではあるが、幕閣に対して発言権が大きく、老中が政策を決める際に目付の同意が無ければ始められない権限を持っている。
このくらいの侍になると、給料として米を支給(侍は給料としてもらった米を換金して生計を立てていた)されるのではなく、知行地を与えられている。ただ、三千石以上の大身旗本(大岡越前ら)は領地に陣屋を構え家臣を派遣して行政権を行使するという大名のような権力を振るったが、島田クラスは知行地に行くことはあまり無く、代わりに幕府の代官が管理した。
けっして低い身分ではなく、世間的には「殿様」と呼ばれる。作中でも島田の甥の愛人(吹石一恵氏)が役所氏のことを「島田の殿様」という場面がある。
冒頭にあるような、呑気に釣りを楽しむ飄々とした生活ぶりはちょっと考えにくく、かなり多忙を極める重要な役職、目付から奉行へ昇進していく者も少なくない。剣術に生きるというよりは、キャリアの高級公務員というイメージが近い。



ブログランキングに参加しています。
麻木久仁子 近頃の現象[五百十四]
認識の食い違いは「優しい嘘」
タレントの大桃美代子(45)が24日、元夫のAPF通信社・山路徹代表(49)とタレント・麻木久仁子(48)との不倫騒動について語った会見を受け麻木は同日夜、所属事務所を通じて改めてコメントした。双方の誤解や、山路氏の両者に対する説明が食い違う部分などがあることを認めた上で、それらを「優しい嘘」と表現。大桃が会見で話したとおり、山路氏と婚姻関係にあったことを認めた。詳細は後日、改めて代理人弁護士より説明の機会を設けるという。(オリコン)
【雑感】どうでもよいゴシップネタだが、山路徹氏は本来取材される立場ではなく取材する側の立場であることに興味をもった。麻木久仁子氏との婚姻関係が事実なら、彼は3度も結婚している事になる。大桃美代子氏と結婚した時点で既にバツイチだからだ。けっこうモテる人なんだな。しかも麻木氏と大桃氏は芸能界で気が強くて知性派、この2人を虜にするとは面白い。
麻木・大桃が相手ならまず頭が良くてインテリでなければならないし、インテリでも高級官僚のようなお坊ちゃんではなく世間慣れした手練の社会人でなければならないし、世間慣れといっても恐いヤクザや野卑なアウトローではなくスパイス程度の反骨精神と正義感で構成された芯のありそうな歳上のオジサンでなければならないし、芯がありそうといっても一方的に持論を話しまくるだけでは彼女たちのプライドを傷つけるので、話し上手・聞き上手は必須。あとは一緒に街を歩いても恥ずかしく無さそうなスマートな物腰。
「戦場ジャーナリスト山路徹」というキャラは麻木・大桃を惹き付けるか・・。たぶん、彼女たちはインディー・ジョーンズが好きかも知れない。
麻木氏と大桃氏とで認識が食い違う点が指摘されているが、これは仕方がないだろう。立場が違えば事実解釈が異なる。おまけに利害対立しているのだから認識が一致するほうがおかしいのである。
いつぞや、近藤サト氏と坂東八十助氏(十代目坂東三津五郎)の離婚会見ではお互いに打ち合わせをしたかのように認識や主張を合わせ、お互いに相手を持ち上げ称揚するコメントを残したが、こちらのほうが奇怪で気味が悪い。ひたすら円満に将来に禍根を残さぬよう気を遣う様が見てとれていじらしい。歌舞伎とテレビ界、お互いのキャリアが傷つくのを最小限に抑え各々の仕事体勢を早急に立て直す事に利害が一致した、というのが丸見え。けっして愛情から相手を思いやる姿には見えず、仕事人同士の手打ちだ。
大桃氏は麻木氏に宣戦布告をしたのかと楽しみに、いや失礼、心配したのだが、闘うにしては腰がひけた会見だった。かといって刀を抜いてしまった訳だから、矛を収める時期をどうするか悩んでいるのではないか。双方の利害が絡む当事者山路氏に事態収拾を図る責任がある。ミャンマーどころではないぞ。
麻木久仁子、右斜めから見た顔がなかなか可愛い。



ブログランキングに参加しています。
クリスマス・イヴ 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十九]

【雑感】私はアンチ基督教だが、酒とささやかな「御馳走」を食べる口実を与えてくれるお祭りは歓迎だ。
今年のクリスマス・イヴの晩御飯は、グラタンである。近くのパン屋で買った焼き立てのフランスパン、スーパーで買ってきたフライドチキン、それに舞茸と豆腐の味噌汁とビール(サントリーモルツ)が付く。ビールジョッキはクリスマスらしくドイツ製の陶器のジョッキ。
他所の家ではグラタンなんて日常ありふれた料理かもしれないが、平素は玄米飯・味噌汁・焼魚・キムチが定番の食事をしている者にとっては、チーズたっぷりの手間がかかるグラタンはご馳走なのである。
御飯でなくパンにしたのは、グラタンを残さず食べるため。底に残ったのをパンで拭き取って食べる。貧乏臭いというなかれ、欧米では当たり前の食べ方でマナーに反していない。ヨーロッパの映画に登場する食事シーンでは有り触れた光景だ。スープやシチューにパンを浸して食べる。底に残ったものをパンで拭き取る。私は洋食レストランで食事するとき、いつもパンを追加注文して残さず食べきる。
イヴの晩御飯を彩る番組が放送されていた。なんとマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」が放映、クリスマス料理にまたとない味付けだ。
「THIS IS IT」が終わったあと、タモリ氏司会の「ミュージック・ステーション」にチャンネルを変えたら、ちょうど福山雅治氏が生ライブをやるところだった。けっして福山氏をけなすつもりはないのだが、マイケル・ジャクソンを観た後ではあまりにも物足りないというか、歌唱力や演奏などパフォーマンス全域にわたって迫力が無い。福山氏がアマチュアバンドの兄ちゃんに見えてしまう。



ブログランキングに参加しています。
「パイレーツ・ロック」 絶望から脱出しよう〔32〕
海に浮かぶ梁山泊、あるいはシャーウッド。
【原題】THE BOAT THAT ROCKED
【公開年】2009年 【制作国】英吉利 独逸 【時間】135分 【監督】リチャード・カーティス
【原作】
【音楽】
【脚本】リチャード・カーティス
【出演】フィリップ・シーモア・ホフマン(ザ・カウント) トム・スターリッジ(カール) ビル・ナイ(クエンティン) ウィル・アダムズデイル(ニュース・ジョン) トム・ブルック(シック・ケヴィン) リス・ダービー(アンガス) ニック・フロスト(デイヴ) キャサリン・パーキンソン(フェリシティ) クリス・オダウド(サイモン) アイク・ハミルトン(ハロルド) ケネス・ブラナー(ドルマンディ) シネイド・マシューズ(ミスC) トム・ウィズダム(マーク) ジェマ・アータートン(デジリー) ジャック・ダヴェンポート(トゥワット) ラルフ・ブラウン(ボブ) リス・エヴァンス(ギャヴィン) タルラ・ライリー(マリアン) ジャニュアリー・ジョーンズ(エレノア) アマンダ・フェアバンク=ハインズ(-) フランチェスカ・ロングリッグ(-) オリヴィア・ルウェリン(-) エマ・トンプソン(シャーロット)
【成分】笑える 楽しい 知的 切ない コミカル 電波法 ロックンロール 海賊ラジオ イギリス 1966年
【特徴】1966年のイギリス、沖合いの公海上に浮かぶ老朽化した中型船舶、24時間ロックンロールを流し続ける海賊ラジオ局である。多くのリスナーに支えられて、個性的なDJたちは政府の弾圧を掻い潜って音楽番組を流し続ける。さながら海に浮かぶ梁山泊、舞台はイギリスだから海上シャーウッドか。
演じる俳優たちも個性派ぞろい、物語のテンポも良く、些か悲劇的なラストにはなるが暗さは微塵も無く、常に前向きの光に溢れている。まさに晴雨堂好みの秀作。
【効能】意気消沈したとき、人生に絶望したとき、未来が明るくなる。
【副作用】ただの軽薄な馬鹿騒ぎにしか見えず白ける。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
冬至の柚子風呂 晴雨堂の晴耕雨読な生活[四十一]
二十四節気の冬至にあたる22日、京福電気鉄道嵐山駅(京都市右京区)の温泉施設「駅の足湯」でゆず湯がお目見えした。観光客がユズの香りを楽しみながら、温かい湯に気分をほぐした。
冬至にゆず湯に入ると一年間風邪をひかないとされ、同駅では昨年に続いて実施。約10平方メートルの足湯に約30個のユズを浮かべた。
京都市内の今朝の最低気温9・6度と11月上旬並みの暖かさだが、足湯からは白い湯気が立ちのぼり、甘酸っぱい香りが広がった。観光に訪れた主婦大江香代子さん(64)=東京都=は「湯加減もよく、出発前に元気をもらった」と笑顔で話した。(京都新聞)
【雑感】我家も毎年冬至には柚子風呂に入る。
柚子風呂の効能は温泉と同様で身体が温まり通常のさら湯よりも血行が促進される。肌にも良く、皮膚を若返らせたり肌荒れなどを修復させていく効果も期待できる。
実はこの効能は柚子に限った事ではなく、ありふれた温州蜜柑など柑橘系の皮に含まれる成分は概ね血行促進や美肌効果があるらしい。ただ、普通のミカン類は農薬やワックスなどの処理をしているので風呂に入れるのはやめたほうが良い。
柚子の効果を知ると冬至に限らず毎日入りたいもの。残念ながらセレブでもない薄給の低所得労働者には年に一度の冬至の日に柚子を1個だけ風呂に浮かべるのが精一杯。
今年は郷里の柚子絞りに協力したおかげで無農薬の柚子が手に入った。汚くて柚子絞りに適さないものを洗って10個ほど持ち帰り、今日の柚子風呂とした。小さな風呂に柚子が浮かぶ、1点豪華だ。いや、石鹸はパレスチナ産のオリーブ石鹸だし、シャンプーも良い物を使っているから3点豪華かな。

団地の狭い浴槽になんと無農薬柚子が10個も!



ブログランキングに参加しています。
三河味醂 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十八]
あるいは貴腐ワインである。

【雑感】上記の写真は我家で使用している味醂である。角谷文治郎商店の逸品。
切り子グラスの杯で一口飲むと、ドイツのアウスレーゼか貴腐ワインに劣らぬ高貴な甘さが広がる。味醂は煮物・出汁・味醂干しに使う単なる調味料ではない、高品質の味醂は立派な高級ライスワインだ。
そんな事をいうと連れ合いは「アホや、アホや、アホや」と執拗に囃したてよる。
味醂は酒税法上からもれっきとした酒類である。アルコール分も14%ほどあり、ビールより度数がある。1990年代半ばに規制緩和されるまでは酒屋でしか売られておらず、コンビニやスーパーでは「みりん風調味料」と称して味醂もどきの不味いモノを店頭に出していた。

パッと観はドイツの貴腐ワインのような芳醇な色と香り。
私が日本のアウスレーゼと称するには歴史的根拠がある。もともと味醂は清酒が開発される以前の日本で甘い高級酒として上流階級の人々が愛飲されていた。ドイツのアウスレーゼと全く同じ、材料が米か葡萄の違いだけである。
良い味醂は高級酒として十分飲用に堪えうる!



ブログランキングに参加しています。
男優評 稲垣吾郎 「十三人の刺客」(2010)
ジャニーズ異例の素晴らしき悪役ぶり!
私はSMAPに興味は無い。トップアイドルの木村拓哉氏には全くの無関心、リーダーの中居正広氏や子供に人気の香取慎吾氏も数多くいる芸能人の中の1人という程度の認識。しかし韓国語を流暢に話すチョナン・カンこと草彅剛氏と「特命リサーチ200X」や「催眠」で知的オタクキャラが確立した稲垣吾郎氏には熱い親近感を抱いている。
さて、本作の悪役ぶりは素晴らしい。ジャニーズ事務所は所属タレントのイメージを守り過ぎる傾向が強いので、ジャニーズタレントが出演する映画はつまらないとの批判を映画ファンや友人のレビュアーからよく耳にする。ましてや悪役などトンデモ無いことだろう。
ところが稲垣吾郎氏は難しい悪役をよくぞこなしてくれた。
悪役というのは簡単ではない。特に勧善懲悪ものの物語ではラストで善玉に滅ぼされて観客たちが溜飲を下げスカッとさせる必要から、憎たらしいほど悪でないといけないのだ。(余談1)
しかもただワルければ良いというものではない。単発の1時間モノの時代劇ならワガママなバカ殿でもいいのだが、本作のように大掛かりな待ち伏せの仕掛けを用意して、しかも13人も刺客を集めているのだ。そこまでして討たなければならないほどの悪行ぶり、ただのバカなら戦をするまでもなく、市村正親氏扮する有能な側用人が幕府と通じて謀略をめぐらせ厄介な主君を隠居させるだろう。実際、隠居や廃嫡する例はあった。(余談2)
有能な側用人が忠義を示して刺客たちと戦わなければならないほどの圧倒的存在感と力、更生の余地が無いほど人格障害をきたした暗黒の奸雄を稲垣氏は演じなければならないし、よく演じきった。
これは稲垣氏のオタクキャラと歴史への理解が功を奏している。
(余談1)例えば萬屋錦之助氏の代表時代劇に「破れ傘刀舟」がある。普段は酒飲みの町医者だが理不尽な悪行を目の前にすると義憤を爆発させ、愛用の銘刀同田貫を掴むや単身悪玉の屋敷に乗り込む。ラストの決め台詞は「てめぇら人間じゃねぇ!叩っ斬ってやる!」、悪玉をはじめ子分や家来を皆殺し。
もし悪玉に少しでもヒューマンな顔を覗かせたら、逆に主人公刀舟が短気で血に飢えた殺人鬼に見えないまでも、皆殺しにする必然性は感じられなくなり、主人公に感情移入できず後味が悪くなるだろう。
「こんなワルは殺されて当然」と思える悪役でないと、ラストは爽快な気分にならないのだ。
(余談2)現実の世界で数百の軍勢を前に13人は少ないのだが、時代劇としては多すぎる。どの物語も悪役も入れてメインキャストは5人から7人くらいに抑えているはずだ。というのも人数が多すぎると、顔と名前を観客が覚えられない。本作でも覚えられるのは13人のうちの5・6人までで、他は「刺客A」「刺客B」の感覚だ。
登場人物が多い「ヤマト」でも、メインは沖田艦長・古代・島・森・アナライザー、それに加えて悪役デスラー総統とヒス副総統でまとまり、他は助演だ。
戦隊モノが5人なのもそんな法則があっての事なのだ。
ところで市村正親氏が演じた鬼頭半兵衛、やたら藩主松平斉韶への忠義を口にしていたが、実は当時の感覚からもズレている。忠義を尽くす相手はあくまでも明石藩であって、松平斉韶個人では断じてないのが日本型封建制の特色である。明石松平家を守るためには、たとえ藩主であっても無能であれば強制的に隠居させて新しい藩主を据える。
実際にそれが起こった事件として有名なのが伊達騒動である。藩主伊達綱宗は放蕩三昧だったため叔父の宗勝が諫言したがそれでも放蕩は治らず、やむを得ず親族大名と相談のうえ幕府に訴え、藩主綱宗は20歳そこそこで隠居させられて2歳の嫡子が藩主に就いた。伊達騒動はその後が本番なのだが、ここでは割愛する。
鬼頭は明石藩御用人役で参勤交代の大名行列の責任者を務めていた重臣、石高は千石、元々は主人公島田新左衛門と同じ幕臣だったが、将軍弟松平斉韶が明石藩主を継ぐにあたって明石藩士になったという設定、つまり幕府から「出向」したような側面もあるので、立場としても感覚としても松平斉韶に対して作中のような忠義を示すのは不自然。あのような大事になれば斉韶個人よりも将軍家の安泰と幕政の秩序を優先させるはずだ。
もっとも稲垣斉韶は人格異常者であって知能障害ではない。鬼頭の忠誠心は斉韶個人への恐怖であると解釈できるし、作中でもそんな事が窺われる描写がある。



ブログランキングに参加しています。
宮崎吾郎 近頃の現象[五百十三]
新作アニメは高度成長期が舞台
時代への応援歌描く
スタジオジブリの11年夏公開の新作アニメの題材に高橋千鶴さんの少女マンガ「コクリコ坂から」が決定したことについて、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは15日、東京都内で開いた製作報告会見で、宮崎駿さんの意向が強く働いたことを明らかにした。時代設定は63年の高度経済成長期。会見場では「上を向いて歩こう」と書かれた駿さん描き下ろしのポスターが公開され、景気低迷する現在への駿さんの応援メッセージが込められているという。(まんたんウェブ)
【雑感】現代日本への応援メッセージ・・、か。そんな趣旨の作品が目立つな。日本が元気だった頃を舞台にした作品、NHKの「龍馬伝」しかり、「坂の上の雲」しかり。ジブリまで応援メッセージなのか。
「コクリコ坂から」は残念ながら読んだ事が無い。こんな話をすると連れ合いから「男のクセに」とジェンダーハラスメントをされそうだが、私は少年漫画よりも少女漫画に目を通していて「なかよし」の漫画も読んでいたつもりだ。
「なかよし」といえば、私の世代なら“いがらしゆみこ”氏の「キャンディ・キャンディ」、トキワ荘世代なら手塚治虫氏の「リボンの騎士」、オタク文化定着期世代なら武内直子氏の「美少女戦士セーラームーン」が有名。
「コクリコ坂から」は残念ながら憶えが無いなぁ。
80年前後といえば私は中学3年生、「なかよし」は小学校低学年向けの少女漫画誌だから、ちっくときつい。あの頃は秋田書店の「月刊プリンセス」に興味の中心が移っていたからノーマークだった。「プリンセス」には青池保子氏の「エロイカより愛をこめて」が連載、これが回を重ねるごとに私好みの漫画になっていくからワクワクしていた。
さて「ゲド戦記」以来の宮崎吾郎氏監督起用か。当時は「世襲」臭さから映画レビュー界で酷評の嵐が起こったものだ。「借りぐらしのアリエッティ」ではジブリで育った若手生え抜きのアニメーター米林宏昌氏を監督にしてたし。
このところのジブリは後継者育成を気にしているように見える。アニメーターとしての修行を積んでいない吾郎氏を監督に起用するというのは唐突感があったし、今年は中堅というよりは若手のアニメーターである米林氏を監督にした。世襲的要素のある「後継者」と実力主義に配慮した「後継者」の二本構えの指導者育成か?
宮崎駿氏はジブリ存続に執着するようなタイプではないと思う。存続に熱心なのは誰だろう?
「ゲド戦記」のレビューで述べたが、宮崎吾郎氏の真価は「コクリコ坂から」で判明する。楽しみだ。
晴雨堂関連書籍案内
晴雨堂関連記事案内
「ゲド戦記」 孤独を楽しみたい時に 5



ブログランキングに参加しています。
「坂の上の雲」2 TVドラマ評[三十六]

日本タレント名鑑から
【雑感】さすが物語も中盤になってくると話が盛り上がってくる。
第二部中盤で主人公の1人である正岡子規が退場する。香川照之氏は「龍馬伝」で少々捻くれキャラを演じながらやや力み気味の土佐言葉を操り、ラストでは壮絶な病床の岩崎弥太郎を演じきった。そしてこの「坂の上の雲」ではこれまた我の強いキャラを演じながら松山弁を操り、リアルな病床の正岡子規を演じた。
香川照之、面白い俳優だ。菅野美穂氏演じる妹律に内心感謝しながらも顎で使う我侭な言動は説得力がある、上手い。
第二部から登場する季子を石原さとみ氏が演じるというのは、なかなかグッドなキャスティングだ。メイクは明らかにスッピン調の律役とは異なって美白を魅せている。女学校に通う華族の御令嬢なので陽にやけていない感じか。男装が良く似合う。
近頃の石原さとみ氏は男を顎で使う女傑タイプのキャラや三枚目キャラも演じて清純派女優からの卒業をはかっているように見えるが、まだまだ可憐で純情な令嬢役も似合う。
女学校のイベントで海軍大将の軍服を着て舞台にあがり、双眼鏡で観客席の秋山真之の姿を見つけて恋の動揺をする表情が可愛い。太目の黒い眉毛の下の大きな瞳と艶光する白い鼻筋とやや太い唇がグッド。

NHKから参照
思うのだが、もし律や季子を鼻筋が通った欧米系顔立ちの女優が演じていたら違和感を感じただろう。欧米系とまでいかなくても、たとえば後藤久美子氏や栗山千明氏のような端正さの女優よりも、日本髪と和服と白黒写真が良く似合う東アジア的顔立ちのほうがシックリくる。
ちっくと右翼的価値観かな?



ブログランキングに参加しています。
福田衣里子 近頃の現象[五百十二]
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の排水門開門を命じた福岡高裁判決について国が上告を断念したことを受け、同県の末吉光徳県議会議長らは16日、首相官邸を訪れ、古川元久副官房長官と会談した。
末吉議長は、政府方針に抗議する議会決議を手渡した上で、上告するよう申し入れた。同議長は会談後記者団に対し、鹿野道彦農林水産相が中村法道知事に面会を求めていることに関し、「全然話にならん。会うなら首相だ」と強く反発し、菅直人首相の現地訪問を求めた。(時事通信)
【雑感】その長崎県議会議長に同行して首相官邸を訪れたのが福田衣里子衆院議員である。久しぶりにニュースで見た。相変わらず可愛い。
TV画面の色調のせいなのか、あるいは寒波のせいか、色白の頬が微かに紅くなっていた。衣里子ちゃんは取り囲む記者たちに向かって語気を強め菅首相批判とも解釈できる発言を並べた時の勇ましい顔は惚れ惚れする。
これによって福田衣里子氏がどちらの側に立っているかが明らかだ。衣里子ちゃんの市民運動キャリアを考えたら、環境保護や女性解放などの運動家が接近し協力を求めてくるはずだが、彼女は関心を持たなかったようだ。だいいち小沢一郎氏の影響下にある方だから左派的な政治家にはならんだろう。諫早の水門を開けろと叫んでいるのは社民党や民主党左派なのだが、彼女はそれに迎合しない。
今回の菅首相の判断は、最近では珍しく菅氏らしい。厚生大臣時代のHIV訴訟問題以来の鮮やかな大鉈である。
思い出していただきたい。当初のマスコミ各社は諫早干拓を否定的に報道し、水門を設ける事によって生態系の悪化や海苔養殖の被害などを重点に取り上げていた。現実に干拓反対派が計画段階で指摘した通りの被害が起こっている。
これも無駄な土建行政の象徴であった。国は減反政策で水田の多くを畑か草原にしておきながら、その一方では農地を増やそうと貴重な干潟を潰して干拓農地をつくる。農政という点で見れば一貫性が無い、無茶苦茶だ。
私は80年代にチャリンコで秋田県八郎潟へ行った事があるが、琵琶湖に次ぐ広い湖を潰して造った大潟村には緑の草原が広がっていた。減反で遊ばせている土地である。地元の人に話を聞くと「湖のままにしたほうが銭になった」という声が多かった、
なにしろ琵琶湖に次ぐ広い湖だったのだ。観光地として抜群の資源、しかも八郎潟の水産資源も豊富だった。せっかく水田にするために干拓してその多くは草原では、潰された八郎潟はうかばれん。
ではなぜ農政として一貫性の無い事業を、貴重な水産資源・観光資源・世界遺産級の環境資源を潰してまで行ったのか? 土建行政として見れば一貫性があるのである。とにかく開発できるところ、環境保護運動家に言わせたら「破壊できるところ」を探しては工事して銭儲けするのが土建行政である。
大手マスコミもそんな土建行政を行ってきた自民党政権を批判してきたはずだった。それを菅首相は止める決断をしたのだ。もっと好意的評価しても良いと思う。ここで上告を断念しなかったら、もはや菅直人は「菅直人」でなくなった抜け殻だ。
干拓農家の補償の問題がこの後に当然発生する。農地への塩害を防ぐための調整水門だから、開けたままにしたらたぶん作物への影響は出るだろう。
私が左派の農家だったら最初から干拓地には入植しない。土建行政に乗っかって貴重な干潟を潰して造った農地に入植することは、干潟で暮らしていた人たちに対する「敵性行為」になり、そんな恐い事はできない。
右派の農家だったら、これからも自民党政権が続く事を見越して入植しただろう。いまさら干拓地を元の干潟には戻せないし、食糧自給力の低い日本には農地が要る。政権交代しても容易に方針転換はできないだろうとたかをくくる。今回の首相判断は自分の先見が不明であった事を恥じ、賠償金分捕り工作と転職を視野に入れた善後策を考える。
いずれにせよ、起こるべくして起こった副作用だ。副作用をいかにやり過ごして世渡りするかが庶民の腕の見せ所だ。



ブログランキングに参加しています。
杉田かおる 近頃の現象[五百十一]
女優、杉田かおる(46)が12日、都内で3度目のヌード写真集「REBORN」(立木義浩撮影、講談社、2730円)の発売記念握手会を開いた。(サンケイスポーツ)
【雑感】杉田かおる氏の英断を歓迎する!
これによってポルノやヌードのさらなる市民権定着と地位向上が期待できる。
彼女は学年でいうと1級上のほぼ同世代、そのため小中学生の頃はけっこう気になる女優だった。今は眉毛を細めにしているが以前は太くて美しかった。特別にファンという訳ではなかったが、どこか気の強そうな雰囲気のあるキャラは好感を持つ。
小中学生時代は子役で昼ドラからゴールデンタイムの連続ドラマまで引っ張りだこ、「金八先生」で妊娠する女子中学生を好演して大ブレイク、そのせいか解らないがその後の彼女はやたら妊婦の役が多くなったような気がする。
30前後の頃はどういう訳か一線を引いてサスペンスドラマなどで殺され役Aみたいな脇役が多くなったような感がしたが、40前後から猛熟女キャラで再びブレイク。同世代として一種の希望の星だ。
最後に杉田かおる氏に申し訳ないが、せっかくの渾身の写真集は買わない。
私が自由になる金銭は連れ合いにガラス張りで、書斎は狭くて新たな本を入れるスペースが足らず、トランクルームも一杯だ。由美かおる氏のような奇跡的美しさとは違って、熟女として歳相応の親しみのある美しさであるのは認めているが、他に贔屓の女優のヌードを買わねばならぬし、優先順位は申し訳ないが下位になってしまう。
同世代のよしみ、ヌード写真の理解者として宣伝はさせていただく。



ブログランキングに参加しています。
「タイタンの戦い」 家族と一緒に感動しよう〔21〕
サム・ワーシントン得意の葛藤ヒーロー。
【原題】CLASH OF THE TITANS
【公開年】2010年 【制作国】亜米利加 【時間】106分 【監督】ルイ・ルテリエ
【原作】
【音楽】ラミン・ジャヴァディ
【脚本】トラヴィス・ビーチャム フィル・ヘイ マット・マンフレディ
【出演】サム・ワーシントン(ペルセウス) ジェマ・アータートン(イオ) マッツ・ミケルセン(ドラコ) アレクサ・ダヴァロス(アンドロメダ) ジェイソン・フレミング(カリボス/アクリシオス王) レイフ・ファインズ(ハデス) リーアム・ニーソン(ゼウス) ティン・ステイペルフェルト(-) ルーク・エヴァンス(-) イザベラ・マイコ(-) リーアム・カニンガム(-) ハンス・マシソン(-) アシュラフ・バルフム(-) イーアン・ワイト(-) ニコラス・ホルト(-) ヴィンセント・リーガン(-) ポリー・ウォーカー(-) ルーク・トレッダウェイ(-) ピート・ポスルスウェイト(-) エリザベス・マクガヴァン(-)
【成分】ファンタジー ロマンチック パニック 不気味 勇敢 かっこいい ギリシア神話
【特徴】一応、81年に公開された「タイタンの戦い」のリメイクになるが、粗筋、設定は大幅に改編されている。
2つの勢力の板ばさみにあって葛藤するヒーロー役といえばサム・ワーシントン氏、「ターミネーター」では人間と機械、「アバター」では人間とナヴィ族、そして本作では人間と神の狭間で苦悩するキャラ、なかなか良い味を出している。
しかし、急ごしらえに3Dにしているような感がありスケールの大きさは疑問だ。無理に3Dにせず通常の映像のほうがより魅力が出たのではないか。
【効能】ギリシア神話の世界が楽しめる。夏場に観るとより雰囲気が楽しめる。子供が夏休みのときに家族で鑑賞するに最適。
【副作用】ギリシア神話とは異なる展開に不快感。3Dの良さが感じられず拍子抜け。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
菅直人(2) 近頃の現象[五百十]
これから本番と決意強調―菅首相
菅直人首相は12日夜、都内で開かれた自身の後援会会合に出席した。出席者によると、首相はあいさつで「(首相就任から)半年たった。これまでは『仮免許』だったが、これからが本番で、自分の色を出していきたい」と決意を語った。自らの政権運営を自動車運転の「仮免」に例えたような発言は今後、与野党の批判を招く可能性がある。(時事通信)
【雑感】どうしたのかなぁ? 自分が野党党首だったら必ず突っ込みを入れるだろう言動をなぜするのか? せめて「副総理時代」が仮免といえば誤魔化しが利くのだが。
新たに仕切り直して挑む気持ちは解るが、今までが仮免状態だなんて情けない事を言わんでもらいたい。私が野党議員なら、「迷走ぶりを鑑みたら、仮免どころか無免許、道路交通法違反で車から降りて逮捕されてください」と言うだろう。
弾を避けるので精一杯というより、絶えずどこかを被弾して航行不能に陥っているのか? このままでは残された道は与野党合作の大連立しか選択肢が無くなる。しっかりしてくれんと。



ブログランキングに参加しています。
金曜カレー(5) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十七]
触発されたわけではないが。

【雑感】前回の「坂の上の雲」の第6回「日英同盟」で、竹中直人氏扮する敏腕外交官小村寿太郎が巡洋艦千歳に乗艦し本木雅弘氏扮する海軍少佐秋山真之と艦内の食堂でカレーライスを食べる場面がある。近代的な軍艦の内部にイギリス風の食堂、当番兵が恭しくウエイターを務め2人を給仕する。テーブルには高級レストランのごとくソースポッドに入ったカレーが置かれている。
軍艦だからもっと合理的に殺風景な食堂を連想するし、効率よく厨房で主計兵が皿に盛った飯にカレーをかけて2人がいるテーブルにもって行きそうなものなのだが、軍艦らしからぬ豪華客船のレストランのような食堂風景。当時の日本海軍はイギリスを真似ている事が窺われる場面でもある。
また、当時のカレーライスはインド料理ではなくイギリス料理として日本に入ってきた。裸足の人が多い貧困の庶民にとっては高嶺の高級料理、秋山や小村のような高級官僚的地位の人にはハイカラな西洋料理だ。
さて、先週の水曜から今日の昼までカレー三昧だった。今回、連れ合いは馬鈴薯と人参の分量を多くしたのでボリュームがある。れいによって味のアレンジは私が密かにやる。
写真は「坂の上の雲」の巡洋艦千歳名物のカレーと同じく黒っぽいが、連れ合いがつくった段階では黄色かった。なぜ色が変わったのかというと、後で私はトマトジュースとナツメグと黒胡椒とインスタントコーヒーの粉末を添加したからだ。おかげでコクのある色合いと風味と味になった。連れ合いには辛すぎるが。



ブログランキングに参加しています。
第1099回「どうしても苦手なもの」 晴雨堂は納豆である。
こんにちは!トラックバックテーマ担当の吉久です! 今日のテーマは「どうしても苦手なもの」です。時が経つにつれて克服するものもあれば、どうしても苦手というものもあるはず。あなたの苦手なものはなんですか?吉久は、高いところがどうしても駄目です特に、ジェットコースターとかの、身体はむき出しで、スピードが出て、高い乗り物なんかはまったく駄目です…飛行機などは、体がむき出しでないので大丈夫なんですが…克服で...
FC2 トラックバックテーマ:「どうしても苦手なもの」
【雑感】もちろん、それは納豆だ。
私は喰わず嫌いではない。関東で食されている納豆を好きになろうと思って様々な調理方法で試したみた。残念ながら、美味いと思った事は一度も無い。それどころか腐った大豆にしか思えず、吐いた事もあった。
私はけっして発酵食品が苦手という訳ではない。ブルーチーズやヨーグルトも好きだ。キムチは好物だし熟れ寿司も美味に思えるし、くさやの香りも美味そうに感じる。けっして悪臭には思えない。食欲をそそる香りだ。
しかし、私にとって納豆は腐った豆である。あの臭いは食欲を減退させ胃腸の具合を悪くさせる。
もう一度言う。私は食わず嫌いで納豆を嫌いといっているのではない。様々な方法で好きになろうと努力した。それには納豆を食す関東の諸君は敬意を払ってほしい。普通の人間は努力などしない。ましてや私のように様々な調理方法で工夫を試みるような奇特な手間などかけないのだ。
様々な方法を用いた結果、私にとっては納豆は腐敗した大豆以外に何物でもない事が不幸にも判明してしまった。だから私は喰わない。食糧難で喰えるものが納豆しかないという状況にならない限りは喰う事は無いだろう。



ブログランキングに参加しています。
ジョン・レノン 近頃の現象[五百九]
元ビートルズメンバーのジョン・レノンがニューヨークで射殺されてから8日でちょうど30年。世界各地でレノン哀悼の行事が行われた。
ニューヨークで、リバプールで、ハバナで、プラハで、ファンたちは記念碑に花を供え、「イマジン」を歌い、キャンドルに火をともしてレノンをしのんだ。(時事通信)
【雑感】ジョン・レノンは偉大なミュージシャンだが、俳優として映画にも何作か出演している。当ブログは一応映画がメインなので、ジョンを男優のカテゴリーで述べる事にする。
ジョンが暗殺されたニュースを聞いたのは中学生の頃だった。にわかに信じられない話だったが、後にジョンがどんな活動をしていたのかを知るにつれて、殺される危険性が高い立場の人だと解った。実際の事件と政治的背景の関連は不明だが。
ジョンとヨーコのコンサートをニュース映像で見たことあるが、70年代初期のジョンはいかにも左翼的反体制、隣で歌うヨーコは日本の学生運動家みたいに大きく「人民革命」とマジックで書いたヘルメットを被っていた。
息子ジュリアンは当時17歳だったか? 世代的には私に近い。藝大に進学したとき、ジュリアンはミュージシャンとしてメジャーデビューした。ジョンから毒気を抜いたような優男風だが、声はソックリだ。ジョンが殺されたとき、どんな思いだったのかは解らないが、インタビュー映像などを観る限りはとても冷静で、「私なんかより母のほうが父との付き合いが長いから、悲しいのではないか」と淡々と語る。
ジョンは父親らしい接し方ができずジュリアンとの関係はさめ、ポールが優しい「叔父さん」のような立場で接していたというから、それを裏付ける言動だったかな。
反戦運動でジョンは世界的に評価されている。場合によっては、赤いキリストと評されている革命家チェ・ゲバラと並んで大きな偉人扱いだ。そんなジョンを、家族の平和も守れない人間が世界平和だと?冷ややかだったらしい。
ヨーコとの間にできた息子ショーンは、幸いジュリアンと仲が良いらしい。当時は5歳だったか? 今はすっかりかつての父親と同じ風貌で日本車のCMに「ちょーど良い」と出演している。
30年か・・。



ブログランキングに参加しています。
市川海老蔵 近頃の現象[五百八]
暴行を受けて顔などに大ケガをした歌舞伎俳優・市川海老蔵さん(33)が8日昼ごろ、東京都内の自宅に戻った。警視庁は、今週中にもあらためて海老蔵さんから事件当時の経緯を聴く方針。(日本テレビ系(NNN))
【雑感】記者会見から一夜明けて、印象としては慎重かつ低姿勢に徹した釈明だったかな。さすが伝統芸能の役者、かなり賢く自制した立ち振る舞いだった。
現実問題として酩酊では記憶が曖昧になってしまう。私なども、どうやって家に帰り着いたのか全く憶えていない事が多々ある。気がついたら背広姿のまま布団をかぶって寝ていた事もあった。
穿った見方をすれば、その記憶が曖昧になっている症例を利用して、肝心な事は「記憶にございません」とかわす。この手を使うのは拙い場合は、「記憶にはありますが、捜査中ですので、警察から発言を差し控えるよう指示されているのでお答えできません」で押し通す。
実際問題、逮捕状が出ている一方の当事者が逮捕されていない段階で、海老蔵側が全ての手の内を見せてしまうと、「加害者」側に言い訳や自己正当化の機会と材料を与えてしまう事になる。例えば、複数の犯罪者を一室に集めて取り調べるなんて馬鹿な事は警察はやらない。口裏を合わさせないよう1人ずつ隔離して取り調べるものだ。それと同じ理屈だろう。
そういう意味で、海老蔵氏の会見は妥当の範囲内だ。
左目が赤く鬱血している点を除けば顔の怪我は殆ど判らないし、マイクや水が入ったグラスを持つ手は綺麗だ。手が綺麗なのは自分からは殴っていない根拠にできるか?



ブログランキングに参加しています。
「ザ・コーヴ(入り江)」 突っ込みどころを楽しもう〔18〕
ハリウッドで賞賛され、
日本で上映反対運動が起こった問題作。
【原題】THE COVE
【公開年】2009年 【制作国】亜米利加 【時間】91分
【監督】ルイ・シホヨス
【原作】
【音楽】J・ラルフ
【脚本】マーク・モンロー
【言語】イングランド語 日本語
【出演】リック・オバリー(本人) ルイ・シホヨス(本人)
【成分】パニック 不気味 イルカ問題 捕鯨問題 環境保護 似非エコロジスト エコテロリスト 太地町
【特徴】イルカ漁を野蛮で非人道的行為と決め付け、最初から否定する立場で撮影・編集した映像作品。
ドキュメントという事になっているが、ナレーションには事実関係から逸脱した内容があり、視聴者に面白おかしく魅せるためにドキュメント映画には不要とも思えるあからさまで大袈裟な演出が多々ある。そのためドキュメントとは言い難く、フィクションといっても良い。
制作者は明らかに偏見で目が眩み事実解釈に問題がある。事情を知らない?ハリウッドでは高く評価。おかげで全世界に「ドキュメント作品」として紹介、しかしその実体は良くできた運動の宣伝ビデオに過ぎない。
晴雨堂が選ぶ2010年度日本公開最低最悪映画に認定。
【効能】環境問題についての関心が高まる。環境保護運動の宣伝に効果あり。
【副作用】環境保護について否定的な偏見が生じる。環境保護運動にとって大きなマイナス。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
阿久根市 近頃の現象[五百七]
鹿児島県阿久根市の住民投票で、竹原信一市長(51)に対する解職請求(リコール)が成立した5日、リコール運動を進めてきた市民らは、賛成と反対の差が398票という結果に、厳しい表情を見せた。(読売新聞)
【雑感】正直、他人事という認識だったので不謹慎ながら阿久根市の騒動を面白がってみていた。よくよく考えれば、我が大阪の橋下知事も地方自治に関しては発想が竹原市長と同じかもしれない。阿久根市に比べて圧倒的に人口と経済力が大きく利害連鎖が複雑な大阪府ゆえ竹原市長のような露骨で短兵急な挙には出れない制約があるという違いだけだ。
市長リコールも市議会リコールも、ほぼ有権者の半数である1万人前後を集めている。ということは阿久根市世論は完全に賛否両論、市長派と反市長派が拮抗する勢力で真っ二つだ。単純に市長のやり方だけを見れば民主主義やジャーナリズムを否定する暴挙なので、常識で考えたら独裁者の市長は四面楚歌となって孤立しているはずだ。そうはなっていないところをみたら、専決処分で行って浮いた銭を減税や公共料金値下げなど市民に判り易い形で還元しているに違いない。でないと単なる人気だけではこんな数字は出ない。
竹原信一、キャラとしては面白いと思う。地方自治法で認められた首長の権限を使いこなす、というイメージだ。
根拠となっているのは地方自治法179条や180条だろう。法の趣旨はあくまで物理的事情で止むを得ず議会が開けない時期に決定しなければならない事案や、あるいは議会の権限の中でも重要性の低い事案が対象だったはず、不測の事態で政治的空白が生じたときをカバーする目的である。これを使うとは。
たしかに議会を召集する権限は首長にある。首長が開かなければ議場は閉ざされたままだ。また、専決処理したモノは次の議会で報告し承認を求めなければならないが、「その承認を求めなければならない」であって「その承認を得なければならない」とは書いていない。巧いなぁ。 しかし、近い将来この条項は改正されるだろう。上部自治体の鹿児島県も総務省も竹原市長のやり方を批判しているから。
竹原市長が失職したとなれば、議会の承認を得ていない「副市長」の仙波敏郎氏が市長代理になるわけだが、すんなりいくだろうか?



ブログランキングに参加しています。
今日の晩御飯(26) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[六十五]

【雑感】NHKではいよいよ「坂の上の雲」日露戦争編、映画館では「宇宙戦艦ヤマト」の実写版、巷は「海軍」がブームだ。海軍ゆかりの料理といえば、カレーライスとこの肉じゃがが双璧だろう。
上記の写真は今晩の晩御飯。玄米飯に舞茸と豆腐の味噌汁、そして肉じゃがだ。あと、これにキムチが付く。
我家の肉じゃがは牛や豚は使わない。健康に配慮して低脂肪高蛋白の鶏肉を使う。連れ合いはやや薄味の味付け、私は濃い味付けが好きなので一味唐辛子を真っ赤に振り掛ける。濃い味付けが好きとはいっても、塩辛いのはあまり好きではない。あくまで香辛料の辛さが好きなのだ。
こうして見ると、肉じゃがとカレーライスは使う食材がほぼ同じである事に気付く。馬鈴薯・玉葱・人参、この3つの野菜は共通、だからという訳ではないのだが、以前にカレーライスを作るとき私は糸蒟蒻を入れようとした。肉じゃがに入れてカレーに入れない食材が糸蒟蒻なので好奇心からどんな食感になるのか確かめてみたかったのだ。ところが私の企てを察知した連れ合いに阻止された。誠に残念至極。
肉じゃがとカレーライス、いずれも明治時代に海軍の献立に採用され、除隊した水兵たちによって全国に広まり、家庭の有り触れた日常食として定着するのは両者とも高度経済成長に入る1960年代のようだ。キャンプ料理の定番になるのもこの時期か。さすが海軍の軍用食だけあってアウトドアに適している。
なぜ海軍の食事に採用されたのか。旧日本海軍はイギリスを手本に建軍された。当時はイギリス海軍が世界最先端の装備と組織力を備えていたからである。カレーはイギリス料理として日本に伝わっていたし、東郷平八郎元帥も海軍の要職に就く前にイギリスへ留学をし、そこでカレーを食べた事だろう。当時のイギリスの中流以上の家庭ではローストビーフの余りでカレーをよく作っていた。
さて、肉じゃが何故イギリスと関係あるのか。東郷元帥が彼の地で食べたお気に入り料理にビーフシチューがあった。あくまで有力な説というだけで事実であると確定したわけではないが、東郷元帥がビーフシチューの味が忘れられず軍艦の食事として作らせようとしたが、日本にはまだシチューを作る材料が無く、海軍の料理人はワインやソースの代わりに味醂と砂糖と醤油で代用、それが肉じゃがの始まりとされている。
馬鈴薯・玉葱・人参、比較的日もちのする食材ゆえ長い艦上生活に適している上、当時としては比較的栄養バランスもよかった、ということで肉じゃがとカレーは大人気、しかも食材は共通なので補給も行いやすい。軍隊にとってはまことに便利な料理なのである。
これは一般家庭でも同じ。調理に時間がとり難い時期があると、予め大量に作って間に合わせる事はよくやる。
そうだ! 有意義なアイディアを思いついた。ビーフシチューをつくるとき、こっそり糸蒟蒻を入れてみよう。肉じゃがの先祖がビーフシチューだから糸蒟蒻との相性も良いはずだ。



ブログランキングに参加しています。
「ヤマト」を観た。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[四十]
「ヒトラーの旋律」 社会を冷笑したい時に〔34〕
「ヒトラー ~最期の12日間~」の
“シュペアー軍需相”が
ユダヤ人警察長官役を好演。
【原題】GHETTO
【公開年】2006年 【制作国】立陶宛 独逸 【時間】110分
【監督】アウドリアス・ユツェナス
【原作】ジョシュア・ソボル
【音楽】アナトリユス・センデロヴァス
【脚本】ジョシュア・ソボル
【言語】イングランド語
【出演】ハイノ・フェルヒ(ゲンツ長官) エリカ・マロジャーン(ハイヤ) アイリダ・ギンタウタイテ(-) セバスティアン・フールク(-)
【成分】ゴージャス パニック 恐怖 知的 絶望的 セクシー 劇団 ゲットー ユダヤ人虐殺 ナチスドイツ リトアニア 1940年代前半
【特徴】リトアニアとドイツの合作。出演俳優の多くは日本では知られていないが、ハイノ・フェルヒ氏は「ヒトラー ~最期の12日間~」でシュペアー軍需相を好演、実際のシュペアーに酷似している事でも評判だった。本作では若いナチスドイツの将校にへつらうユダヤ人警察長官役を担当する。
欧米で大量に制作されているナチスドイツのユダヤ人迫害モノ。リトアニアにあるユダヤ人ゲットーが舞台というのが珍しいか。
ゲットーの支配者であるナチスドイツの少年のような若い将校とユダヤ人を取りまとめる中年のユダヤ人警察長官との緊張感ある主従関係が見もの。
ゲットー内の劇団が主役のようなものなので、様々な節目に巧みな舞台劇と歌が織り込まれている。ミュージカルとしても楽しめるかもしれない。
【効能】暴力を背景に凶暴性を内にある事あからさまな権力者との駆け引きを楽しめる。
【副作用】よくあるステレオタイプなユダヤ人迫害モノでマンネリを感じる場合がある。もともと舞台劇なので映画的にスケールの乏しさを感じてしまう。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。