竹麺亭のつけ麺 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[七十八]

【雑感】普段は外食はしないのだが、無性にラーメンが食べたくなったので30日の日曜日の晩はラーメン屋に行ってきた。この竹麺亭というラーメン屋は、自宅からチャリンコで半時間ほど走った所にある。看板には大きく「つけ麺」と掲げていたので、ザル蕎麦のようにラーメンを出汁かタレにつけて食べる料理に自信があるのか、あるいはラーメン屋ではなく「つけ麺」がメインなのか。
メニューには普通の塩ラーメンもあったが、私は迷わず「つけ麺」の大盛を注文した。麺は少し暗い黄土色で、沖縄のソーキ蕎麦のように太い。食べてみると非常にコシがあり、なにもつけずに麺だけでも楽しめそうだ。写真では小さく写っているが、スモークしたチャーシューがのっている。つけダレは、魚醤を使っているのか? 中には鶏肉とシナチクが入っている。魚介類の香りが程よくして麺によく合う。
大盛を見くびっていた。ここの大盛はけっこう量があり、なかなか食べごたえがあった。

もちろん、ビールも注文する。キリン・ラガーの瓶ビールだった。麦芽100%の一番搾りか、クラシックラガーでなかったのが残念。しかしコップではなくビアグラスなのがお洒落。



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衆院予算委員会 近頃の現象[五百四十五]
国会は31日から衆院予算委員会で11年度予算案の実質審議に入る見通しだ。与党は31日、2月1日の両日に菅直人首相が出席する基本的質疑を行う方針だが、自民党など野党6党は、与党が28日の提案理由説明を強行したことに反発、審議に応じない構え。民主党の安住淳国対委員長は30日、自民党などが欠席しても審議を進める考えを示したが、予算委冒頭から与野党が激しく対立する異例の展開になっている。(毎日新聞)
【雑感】もう、ええ加減にしてくれ!
菅直人総理も困ったものだ。彼はかつて小泉政権の時代に国債評価が格下げとなったとき当時の小泉総理を「ノー天気」と酷評したではないか。そんな菅氏がなんで「(国債格下げについて)疎い」などと野党に餌をやるような発言をするのか。目先の小沢問題などの対処に追われて国政が見えなくなっているのか?
野党は与党をチェックして批判するのが仕事だ。しかし審議に応じないというのは、かつての社会党と同じではないか。自民党一党独裁VS社会党とその他野党の55年体制時代の日本は経済成長をしていた。大半は高度経済成長であり、末期でも微速ながら成長していた。少子高齢化も年金問題も国債問題も雇用問題も今ほど顕在化していなかった。今あの頃と同じ調子で与野党対決してどうするんや?
何度か述べたが、山積するこれら諸問題は自民党政権がこしらえた負の遺産、民主党は予想を超える負の遺産にうろたえているだけだ。残念だが、偉そうに野党面して政権批判できる道義的資格があるのは、未だ政権についたことがないメンバーばかりで構成されている共産党のみ。自民党をはじめ他の野党には本来なら政権批判をできるほど顔を綺麗に洗っているとはいえない。
あと1・2年で国の借金は国民の郵便貯金額を上回ってしまい、国債の信用を支えていた根拠を失ってしまう。もう時間が無い。細川政権や小泉政権の頃のような牧歌的にはいかん。この春には統一地方選があるのに解散総選挙なんかする時間的経済的余裕は無いと思わなければならないはずだ。
与党も野党も今までのような政局運営をやっていては、政治不信が広がるだけでなく、政界そのものが地に落ちる。



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AKB48×兵衛向陽閣 優れた短編映画テレビCM
【雑感】遅まきながら、ビックリした。まさかAKB48と有馬兵衛がコラボするとは!
AKB48のメンバーは多すぎるので数名程度しか知らない。兵衛向陽閣のフレーズを歌うのは柏木由紀氏、雰囲気が麻丘めぐみ氏(ちっくと古いか?)に似ているので、この子は印象に残っている。前髪を垂らし、長い髪をポニーテールにしている姿がよく似合う。「龍馬伝」に出演した前田敦子氏は見事に日焼けした垢抜けしない娘役の体だったが、柏木由紀氏は正統和服美人といった趣、温泉宿のCMに相応しいキャスティングだ。
有馬温泉の兵衛向陽閣は関西では有名だが、他地方ではどの程度の知名度だろうか? 「有馬兵衛の向陽閣へ」は、代々関西ローカルのCMだったと思うが、このCMも関西限定だろうか? まさか東京秋葉原拠点のアイドルが出演するというのは異例だ。
関西といえば、大阪難波を拠点にしているNMB48が出演するのがポジションとしても適切なように思うが、ネームバリューからAKB48のメンバーを起用したのか? あるいは、近い将来に兵衛向陽閣CMにNMB48の指定席を作るための布石なのか?
東京発信のアイドルというだけでなく、日本全国の地方にも密着し固定ファンを定着拡大を狙うメジャーアイドルか。さすが秋元康氏、「信長の野望」ならぬ「やすしの野望」か・・。
【追記】友人からのメールによると、昨年7月の関西ローカル番組(バラエティ?)で発案された企画で、ノーギャラで企業からのCMオファーを募集したらしい。
それにしても凄い企画だ。昨年の7月なら既にAKB48は全国区のメジャーアイドル、飛ぶ鳥落す勢いになっている。にも関わらず、さらなる関西でのイメージアップと人気の定着をはかる勤勉な営業。おそるべし。



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「私は猫ストーカー」 心を落ち着かせたい時に〔2〕
猫が居る穏やかな町の風景を楽しもう。
【原題】
【公開年】2009年 【制作国】日本国 【時間】103分 【監督】鈴木卓爾
【原作】浅生ハルミン
【音楽】蓮実重臣
【脚本】黒沢久子
【出演】星野真里(ハル) 江口のりこ(真由子) 宮崎将(鈴木) 品川徹(猫仙人) 諏訪太朗(僧侶らしい男) 寺十吾(編集者) 岡部尚(健吾) 瀬々敬久(植木に水をやる男) 黒沢久子(猫に餌をやっている女) 麻生美代子(大家) 徳井優(古本屋の主人) 坂井真紀(古本屋の奥さん)
【成分】楽しい かわいい 古本屋 猫
【特徴】タイトル負けしていない。タイトルに違わない猫映画である。穏やかな町の風景、猫がどっしりと鎮座する古本屋、晴雨堂好みの知的空間である。
低予算の良さ、自主制作風の良さを出しているので、映画としての味付けは極めて薄い。多くの映画ファンには退屈に見えるだろう。
【効能】猫のいる穏やかな知的空間に心が癒される。
【副作用】メリハリを感じないので退屈になり、時間と金銭の浪費感を味わう。脚色過多で猫を十分堪能する事ができず不満が生じる。
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2011年サッカー・アジア杯決勝 近頃の現象[五百四十四]
李が決勝ゴール
サッカー・アジア杯決勝(日本1-0オーストラリア、現時時間29日、カタール・ドーハ)日本が延長戦から途中出場したFW李忠成が決勝ゴールを決め、1-0でオーストラリアを破り、04年中国大会以来2大会ぶりのアジアの頂点に立った。日本は単独最多の4度目の優勝で、W杯のプレ大会と位置づけされるコンフェデレーションズカップへの出場権を得た。(サンケイスポーツ)
【雑感】またしても、炬燵で寝てしまった。近頃は炬燵で連れ合いと脚のマッサージをやりあうのが習慣になってきて、つい寝入ってしまうのだ。
正確には一応観てはいたが殆ど頭は寝入っていた。そのため、我に返ったとき日本が勝ったという記憶は果たして現実なのか夢なのか判断できなかった。TVの他のチャンネルでニュースをやっていないか探したが、ニュースの時間帯ではないらしい。結局、わざわざパソコンを起動させてYahoo! JAPANのトップページで日本優勝を確認した。韓国戦に続いて見応えのある試合を見逃してしまった。
これでザック・ジャパンには不敗神話が定着する事になる。ザッケローニ氏が監督に就任して以来、今のところ負け無しだからだ。
80年代までは、日本サッカーは弱小だった。サッカー専用の球場は無く、陸上競技場のトラックの内側にあるフィールドをサッカーコートに代用できるのは良い方で、通常の「運動場」でやる事が多かった。雨が降れば芝生を植えていないのでドロドロ。観客席は閑古鳥。ワールドカップがオリンピック以上の世界大会で、ワールドカップがらみで国と国が戦争を起こした事すらある、と説明しても怪訝な表情をされるだけだった。
それがアジアの強豪、世界有数のチームになるとは、感慨深いものがある。
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エジプト・ムバラク政権 近頃の現象[五百四十三]
政治・経済改革の推進強調
エジプト大統領
エジプトのムバラク大統領は29日未明、テレビを通じて演説し、現内閣を退陣させ、新内閣を樹立する意向を表明した。また、国家の治安と安定を維持する考えを示すとともに、経済と政治の改革を進めると強調した。(時事通信)
【雑感】エジプトというのは比較的政権が安定していて、アラブ諸国の中では民主的で西洋化された観光立国というイメージがある。しかしムバラク氏は私がまだ高校生だった頃から大統領をやっている人間、普通の民主主義とはいえない。世界に絶大な影響力を誇るアメリカ大統領でさえ最長8年しか務められない。(余談1)
ふとルーマニアを思い出した。私が中学生だった頃、女子体操界を席巻した美少女ナディア・コマネチ選手の国で有名だった。モスクワオリンピックで、ソ連贔屓の判定にコマネチ選手のコーチやルーマニアのサポーターが抗議する一幕もあった。ソ連とは一線を画し他の東欧諸国とも距離を置く国、どちらかといえば社会主義国の中では開放的で民主的イメージを抱いた。
ところが20代の頃、ゴルバチョフソ連大統領の改革の余波で東欧諸国の社会主義国が次々に倒れていき、ルーマニアでも革命が起きた。デモ行進をする市民を鎮圧するために出動した軍隊がチャウシェスク大統領を見限って市民側についたのは驚いた。
次々と明らかになるチャウシェスク大統領一家の悪行の数々と搾取され困窮する市民たちの生活。中には大統領の息子がコマネチ選手を手篭めにしたという話もあった。これでは時代劇の悪徳商人・悪代官もビックリの典型的なワルではないか、それが現実の世界にあったなんて・・。
ルーマニアと今回のエジプト、なぜ政権の暗部があまり報道されないのか。それどころかむしろ好意的報道の方が多かった。
共通点がある。それは親米政権だったからだ。チャウシェスク大統領も他の東欧諸国と距離を置いてアメリカに近づいていた。エジプトも他の中東諸国とは距離を置いてアメリカに近づいた。たしか以前にアメリカと戦ったイラクのフセイン大統領はムバラク大統領を非難していたような記憶がある。
アメリカの報道は些か偏っているように見えるし、平均的アメリカ人の世界認識に至っては「井の中の蛙ではないか」と軽蔑したこともある。日本のジャーナリズムの方が、むしろ世界情勢を正確に伝えていると確信したものだ。
しかし、エジプトの騒乱ニュースを見ていると、日本のジャーナリズムもかなりアメリカに影響されている事を痛感する。
(余談1)初代大統領のジョージ・ワシントンが3期目を固辞した事から、大統領は最長2期までという不文律ができあがったが、大恐慌の建て直しに成果をあげ第二次大戦中にアメリカ軍全軍を指揮したフランクリン・ルーズベルトは、非常事態ということで慣習を破って3期を務め、さらに戦後処理と大戦後世界の絵図面を引く意欲からなのか4期目にも出馬し当選、が4期最初の年に病に倒れる。
そのためか、50年代初頭に合衆国憲法が修正され、大統領は2期までと明文化された。
30年も政権にいるのは民主的とは言えない。ところが日本の地方自治体首長には4期・5期と務める者は珍しくない。私が知る自治体では初当選時は若々しい40代の青年首長だったのに70過ぎても務め続け、その間の選挙では泡沫候補しか出てこなかったり、対立候補が出てこなかったりで、無風状態だった。



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旭日旗 近頃の現象[五百四十二]
同国世論は理解の声も増加
カタールのドーハで25日に行われたサッカーアジア・カップ準決勝の日韓戦で、韓国の奇誠庸(キ・ソンヨン)選手が「猿パフォーマンス」を行ったのは「旭日旗応援が引き金」との見方が強まった。同国では「痛快だ」、「日本のサポーターが挑発した」などの見方が増加、非難一色だった韓国世論は賛否両論の状態になった。(サーチナ)
【雑感】前述したように、奇誠庸選手が韓国伝統のパフォーマンスで日本人をからかっのであれば、私は納得する。白人がアジア人を馬鹿にするパフォーマンスを使って、アジア人である奇誠庸選手がアジア人である日本人をからかった事が気に入らないだけだ。これは韓国のナショナリズムにとっても奇怪な事である。
東アジアは長らく中国を中心にした国際社会だった。韓国朝鮮は中国から冊封を受ける伝統があった。判りやすくいえば、韓国は中国の子分になって日本を後進国と蔑む伝統があった。韓国のナショナリズムはそんなヘツライ根性を改めるものであり、だからこそ極端な政策ではあるが漢字を廃止に近い状態にしたのではないのか。奇誠庸選手のとった行為は、欧州にへつらうものでしかない。
応援合戦でナショナリズムが昂揚する、これもまたサッカーだ。
ヨーロッパでは国別というよりは地域別の伝統がある。イギリスではスコットランドとイングランドがそれぞれ独立してチームを出場させている。北イタリアは2千年前にローマによって併合されているにも関わらず、ローマのチームとの試合にはケルト人のシンボルを掲げて応援する。郷土愛・民族愛が噴出すのがサッカーだ。
サッカーはもともとイングランドのスポーツのようだが、広い野原とボールが1個あればプレイできる簡単なスポーツ、野球のようにバットやグローブといった高価な道具も水泳のようにプールといった高価な設備も要らない。だから全世界に普及した。
通常のスポーツなら、オリンピックを観れば判るように経済的に豊かで政治的に強い大国が牛耳るのが常だ。国ではなく地域で括れば、メダルの大半は欧米諸国が独占している。
ところがサッカーは経済的に貧しくてもできる。その証拠に「発展途上国」と呼ばれている南米諸国やアフリカ諸国はサッカーが盛んで強い。経済的に貧しい国のチームが「先進国」と呼ばれている豊かな国のチームに勝てる、だから余計に民族意識やナショナリズムが刺激される、これがサッカーの魅力でもある。
少々民族意識が表に出ても、それは仕方がない。割り切るべきだ。



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「ゲシュタポ卍(ナチ)死霊軍団 カリブゾンビ」 孤独を楽しむ時に〔48〕
ピーター・カッシング出演の
格調高いB級ゾンビ映画。

日本未公開・未ソフト化
【原題】SHOCK WAVES
【公開年】1976年 【制作国】亜米利加 【時間】86分
【監督】ケン・ウィダーホン
【原作】
【音楽】
【脚本】
【出演】ピーター・カッシング(SS指揮官) ブルック・アダムス(ローズ) フレッド・ブッチ(-) ジャック・デビットソン(ノーマン) ルーク・ハルピン(キース) D・J・シドニー(-) ドン・スタウト(ダブ) ジョン・キャラダイン(船長) クレランス・トーマス(釣り人)
【成分】パニック 不気味 絶望的 ナチスドイツ 武装親衛隊 ゾンビ ホラー 熱帯ジャングル 廃墟 カリブ海 1970年代
【特徴】似た様な邦題のB級ゾンビ映画に「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」があるが、本作のほうが作りはしっかりしている。血飛沫や臓物ズルズルの残酷描写に慣れてしまっているホラーファンには地味でインパクトの無い場面が延々続いて退屈かもしれないが、私は無闇に派手な残酷描写に走らない上品なホラー映画に見える
本作のゾンビはナチスドイツが開発した水陸両用不死身の改造人間という設定なので、ゾンビ役の俳優たちは常に無表情で泡を出さずに水中を闊歩したり仰向けに寝ていたりと肺活量が要求される演技を有能にこなしている。また武装親衛隊の制服と大きなゴーグルが不気味さと格調の高さを印象付ける。
さらに、なんとイギリスホラー映画界の大御所ピーター・カッシング氏がそれらゾンビ兵士を管理する元武装親衛隊指揮官の役で登場する。カッシング氏の存在が低予算ゾンビ映画の質を数倍にあげているような感がして面白い。そのうえ、西部劇の大御所ジョン・キャラダイン氏が第一殺され役として出演、贅沢な作品だ。
【効能】血飛沫・飛び散る臓物が登場しない上品なゾンビ映画が夜の静けさを引き立てる。ピーター・カッシング氏の存在に儲けた気分になる。
【副作用】平板で地味な展開に退屈する。
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旭日旗と奇誠庸 近頃の現象[五百四十一]
「旭日旗にカッとなった」
奇誠庸(キ・ソンヨン、22、セルティック)が‘猿セレモニー’について釈明するコメントを載せた。
奇誠庸は26日(以下、日本時間)、自分のツイッターに、「観客席にある旭日旗を見た胸は涙が出た」と書かれている記事を載せた後、「弁解か…私は選手である前に大韓民国の国民」と書いた。
う回的に‘猿セレモニー’をした理由を明らかにしたのだ。旭日旗を見て怒りを抑えられなかったと解釈できる。旭日旗は日本帝国時代に使われた日本の軍旗で、現在は自衛隊旗だ。日本軍国主義の象徴だ。
奇誠庸は25日に行われたアジアカップ準決勝の韓日戦で、前半23分、ペナルティーキックを決めた後、カメラの前に走って行き、頬を膨らませながら左手で顔をかくふりをした。
これに対しネットユーザーは「日本人を猿として侮蔑したようだ。本人もスコットランドで人種差別を受けておきながら日本を刺激するのは軽率な行動だった」と非難した。
試合が終わった後、奇誠庸はミクストゾーンで記者らに対し「いろんな意味がある」と淡々と話した。(中央日報日本語版)
【雑感】問題の場面は私も昨夜のTV生中継で観たが、日本を屈辱したパフォーマンスには見えなかった。顔面神経に障害を持っていて、突発的に表情が崩れ頬に痒みがはしったのではないかと思った。気の毒には見えたが、日本人を屈辱する行為には見えなかった。知らぬとは恐ろしいものだ。
とはいえ、最初から日本人をからかった行為だと判っていても、気の毒という気持ちは変わらない。何故なら、あの仕草は欧米の白人がモンゴロイドをからかう人種差別パフォーマンスだからだ。韓国人も日本人も、白人から見れば同じモンゴロイド、すなわちイエローモンキーだ。大韓民国国民である前にモンゴロイドである。白人に魂を売り渡す行為は、大韓民国国民の誇りを失う行為でもある。
だから、モンゴロイドの韓国人がモンゴロイドを屈辱する行為をするのは意味不明で判らなかった。まさか日本人をからかう目的に使うとは想像できなかった。
どうせなら、韓国伝統の侮辱パフォーマンスで日本人をからかえばよかったのだ。原爆も東京大空襲も日本軍部の責任としてアメリカの責任は全く問わない戦後の親米教育を受けた私でも、星条旗には不快感を抱いている。ましてや旭日旗は日章旗とは違い明白に旧日本軍から引き継いで使用されている「軍旗」なので、韓国人が不快に思うのは理解しているし、少々の侮辱パフォーマンスは受け入れる姿勢を私は持っているつもりだ。
しかしイエローモンキーを揶揄するパフォーマンスは、ムカつくより情けなく思う。日本も欧米文化に悪い意味で毒されているが、韓国も日本に負けず劣らず欧米文化に毒されているようだ。



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サッカー・アジア杯準決勝 近頃の現象[五百四十]
判定に納得いかずも…「主審の判定を尊重」
サッカー・アジア杯準決勝(日本2-2韓国=PK3-0、25日、カタール・ドーハ)韓国は日本にPK戦の末に敗れ、1960年大会以来となるアジア制覇の夢を断たれた。
韓国の趙広来(チョ・グァンレ)監督は公式会見で、日本の2点目のきっかけとなったPKの場面を「主審はエリアの外側を、副審はエリア内を指して笛を吹いたので、ちょっと変な感じがした」と判定に納得のいかない様子。だが「それもサッカー。主審の判定を尊重する」と大人の対応をみせた。(サンケイスポーツ)
【雑感】まさに実力伯仲、アジアの頂上対決に相応しい見応えのある試合だった。残念ながら最後の感動的なPK合戦は寝入ってしまって見ていない。日本が勝ったことは朝7時のニュースで知った。
趙広来監督は正しい。日本も最初のPKをとられたとき、主審の判定は納得していない。お互い様だ。



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加藤智大 近頃の現象[五百三十九]
「史上まれに見る凶悪犯罪」
秋葉原無差別殺傷・東京地裁
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告(28)の論告求刑公判が25日、東京地裁(村山浩昭裁判長)であり、検察側は「無差別通り魔殺人事件の中でも最大級の被害を生んだ、犯罪史上まれに見る凶悪重大犯罪で、命をもって償わせるのが正義だと確信する」と述べ、死刑を求刑した。(時事通信)
【雑感】死刑求刑は当然であるし、まだ先のことだが死刑判決を下さざるを得ない思う。
私は積極的死刑制度支持者ではない。積極的支持者になれない唯一の理由が、冤罪である。死刑が執行されてから無罪である事が判明しては取り返しが付かない。それに現行の警察や検察には冤罪を生みやすい風土が指摘されている以上、死刑判決は慎重にならざるを得ないし、執行に二の足を踏む法務大臣がいても仕方がない。
今回の場合は現行犯逮捕である。白昼堂々と自動車で歩行者天国に突入して人を複数名轢き、鋭利なナイフで通行人を次々と刺殺した。中には被害者を救護しているときに背後から刺されて重傷を負った者もいる。
大勢の目撃者がいて、命がけで加藤智大被告を取り押さえる有様を写真にも撮られている。そして本人も犯行を認めている。
残念な事に加藤被告に触発されたかどうかは不明だが模倣犯も現れている。これを鑑みれば、大勢の人間を殺傷した無差別殺人でも死刑にならない、という前例はつくるべきではない。



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市橋達也(2) 近頃の現象[五百三十八]
遺族は嫌悪感
千葉県市川市で2007年、英会話講師の英国人リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)が遺体で見つかった事件で、殺人罪などで起訴された市橋達也被告(32)が、逃亡生活の様子や心境などをまとめた手記「逮捕されるまで―空白の2年7カ月の記録」を、26日に幻冬舎から出版することが24日、分かった。編集担当者は「(市橋被告の)観察眼、感性の豊かさを感じた」と話している。(スポーツ報知)
【雑感】道義的段取りを踏むならば、やはり結審して刑に服し出所してから出版するべきだろう。しかしその頃になれば事件の風化が相当進んでいる。出版の商機、旬としての話題性を考えれば、これから裁判で審議する今でないといけない。
私が被害者遺族であれば、嫌悪しか感じないだろう。加害者の分際で何カッコつけて手記書いとんねん! 悲劇の主人公のつもりか! といった思いになる。
すぐに出頭して罪を全面的に認めたとしても、被害者遺族の市橋達也容疑者への印象が好転する事は断じてない。ましてや、警察の捜査の裏をかき、自ら鋏とカッターナイフを使って顔を切って苦痛に耐えながら人相を変え、日本全国を転々と2年以上にわたって逃亡を続ける事実は、単なる逃亡への執着にしか見えない。断固として罪は償わない意思表示にしか見えない。
「懺悔」の文字があるそうだが、懺悔は刑務所の中でするのが筋であって、逃亡中に懺悔などと信用できないし、喧嘩を売っているようにしか見えない。本当に済まないと思うのであれば自ら警察署に出頭するべきである。 作中にあるお遍路に参加した件についても、罪の意識から逃れるための免罪符と、お遍路に紛れたら逃亡中の殺人犯には見えないという計算が働いていると勘繰れる。
単なる気楽な第三者の気持ちとしては、やはり読みたい欲求にかられる。印税は被害者遺族の弁済に当てるという文句は、読みたいという好奇心への後ろめたさを払拭させる効果がある。(ということは、市橋被告にとっても免罪符的効果があるかもしれない)
着の身着のまま裸足で逃げ出したのに、2年以上も掴まらなかったのだ。どうやって執拗な警察の追っ手を振り切れたのか、世間の目を誤魔化せたのか?
以前、ある大学生が殺人を犯してアメリカに逃亡し、程なく逃亡先で金を使い果たして捕まった事件があった。ある中国地方の高校生がクラブの後輩をバットで殴り、さらに自分の母親を殺し、チャリンコで逃亡して東北で掴まった事件があった。いずれも生活力の欠如から自滅した感じだった。
もし市橋被告なら、下手をすれば何食わぬ顔で普通に村に溶け込んで善良な村民の振りをして何十年も暮らしそうだ。
文章も精細で、挿絵も判りやすい、物書きとして市橋被告は能力がありそうだ。本屋で立ち読みしようかな。



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ミス日本 近頃の現象[五百三十七]
慶大法学部・谷中麻里衣さん
夢は「報道キャスター」
女優の山本富士子、藤原紀香らを輩出した『第43回2011年度ミス日本グランプリ決定コンテスト』が24日、都内ホテルで開催され、東京都出身の慶應義塾大学法学部・谷中麻里衣さん(20)がグランプリに選ばれた。谷中さんはトロフィー、たすき、ティアラ、盾、副賞100万円を受け取り「まさか私が選んでいただけると思っていなかったので、あまり実感がなくて信じられない気持ち」。趣味は茶道、読書、映画鑑賞で、資格は英検1級(TOEIC990)、座右の銘は「笑顔は世界の標準語」。将来の夢は報道キャスターだという。(オリコン)
【雑感】ミス日本グランプリの谷中麻里衣氏よりも、準ミスに選ばれた江原千花氏と秋谷祥加氏の中学生2人に話題が集中する傾向がある。それも否定的見解が目立つ。
別に審査基準に合致さえすれば、たとえ中学生でもOKだと思う。反対論や否定論もあるようだが、ミス日本とは単なる美女コンテストではなく容姿以外に様々な藝術的特技や教養が求められるお堅いミスコンであり、これが駄目なら芸能界デビューする10代の子役や水着モデルは全て禁止しなければならなくなる。そんな世の中、語弊を恐れずにいえば「北朝鮮」みたいな言論圧殺社会と同じだ。
公式サイトを覗いてみると、江原千花氏はピアノ・モダンバレエ・声楽、江原千花氏もピアノ・クラシックバレエ・書道四段。2人とも女優志望か。再び語弊を恐れずに言えば普通の中学生ではない。準ミスに選出されるほどなら英才教育を受け、通常の子供よりも一般常識や礼儀作法などもよく躾けられ、学業もそこそこ優秀なのだろう。所作は世間一般の中学生より大人びているはずだ。親の出費も相当なもの、もし親が私と同じ下流庶民だったら負担の重さは計り知れない。
残念ながら2人とも私の好みではなかったが。どうもミスコン審査員の美的基準と私の美的基準は大きく隔たっている。さらにミスユニバースに至っては、もはや価値観が違う。
今回の一件で論議がマイナス方向へ動き、年齢制限が設けられてしまう事が心配だ。馬鹿の一つ覚えみたいに「禁止」事項を増やす事しか考えられない貧相な想像力しか持てない輩が多すぎる。



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恐怖の北海道シチュー 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[七十七]

【調理者】晴雨堂ミカエル
【食材】馬鈴薯(大3個) 人参(2本) 玉葱(大5個) 鶏肉(1パック) 大蒜(1個) コンソメブイヨン オリーブ油 豆乳(300cc)
【作り方】中華鍋にオリーブ油をしき大蒜で香りをつける。そこへ醤油と黒胡椒で下味をつけ片栗粉でまぶした鶏肉を炒める。臭み抜きに白ワインを入れようと思ったが無く、味醂では勿体無いので、年末に友人と酒盛したときに残ったスコッチウヰスキーを入れる。
鶏肉に焼き色が付いたら一旦鍋からボールに移し、玉葱・人参・馬鈴薯を炒め、再び鶏肉を入れて火を入れ、コンソメスープを入れた鍋に移し15分ほど煮る。そのあと、既製の「北海道シチュー」を入れて5分煮て、豆乳を加え最後に5分煮て出来上がり。
【雑感】寒い冬になると熱いシチューが食べたくなる。むかしTVに流れていた緒形直人氏と藤谷美紀氏のCMがお気に入りで、それ以来「北海道シチュー」を贔屓にしている。
ところが、このシチューを作ってから2日くらいたった先々週の木曜日、私は風邪を引いてしまった。今にして思えばインフルエンザだったかもしれない。私が治りかけたところに連れ合いが発症、家族へ伝染していった。
体調が悪化すると、どうした訳かシチューが喉を通らなくなる。醤油と鰹出汁の雑炊か、味噌汁がむしょうに食べたくなってしまい、西洋のモノは見るのも嫌になる。いや、餃子やラーメンといった中華も駄目だ。
ということで、家族が伝染した結果、5日間ぐらいはもたすつもりで大量に作ったシチューが余ってしまい、しかもつい火を入れるのを忘れた日もあって、たぶん恐ろしい状態になっている。いかに冬とはいえ、馬鈴薯と鶏肉がヤバイだろう。以前にも、同じような理由でカレーを余らせて腐海を作ってしまい、鍋ごと棄ててしまった前科がある。
こんな罰当たりな事ばかりするから運気が上がらぬのかもしれん。
今晩はシチューの処分をしなければならない。気が重い。せっかく真面目に手を抜かずにつくったシチューだったのに、ヘルシーに豆乳を入れたシチューだったのに、くそ!



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沢尻エリカ(7) 近頃の現象[五百三十六]
女優の沢尻エリカ(24)が23日、都内で会見し、夫でクリエイターの高城剛氏(46)と離婚について合意したと発表した。2人は09年1月に結婚し、昨年4月に離婚騒動が浮上。協議は3か月に及んだそうで、沢尻は個人事務所を設立して「女優の仕事がしたい」と涙ながらに訴えた。しかし会見後、高城氏がメールで「離婚合意と勝手に発表されて、正直驚いています。今日の話は、また寝耳に水です」と反論。2人の泥沼状態は今後も続きそうだ。(スポーツ報知)
【雑感】いつぞやの「別に」発言で世論の集中砲火を受け涙の謝罪会見をしたのは未だ記憶に新しい。
結局のところ、エリカ側の認識では事態収拾のため所属プロダクション側から世間様に対して謝るよう強要されて仕方なく、という話らしいが。
私はヒール好きである。格闘する美女が好きである。強面の井筒監督に向かって「日本映画を変えたい」とぶち上げ、「パッチギ!」でヒロインの座を獲得して映画賞を総ナメ、近年の日本芸能界に喧嘩を売るような言動、私は楽しく拝見させていただいた。そんな子、好きだな。
ところが今回は一転して微笑外交、自宅前で張り込んでいる取材陣に愛想を振りまき、手作りチョコまで振舞うサービスぶり。23日の会見では、アメリカのジェナ・ジェイムソン氏が「ゾンビ・ストリッパー」出演時にしたゾンビ黒目メイクのような大きな目を見開いて大粒の涙、マイクを持つ手が素人みたいにブルブル震える様、愁傷な台詞、会見直前のエステ会社のイベントでは目立たなかった目の下の隈と口元の豊麗線、彼女の所作が演技か否かは判らないが少なくとも女優としての前途に不安を抱いている事と、高城剛氏とパートナーシップを組み続けては「女優」としての運気が下がると診ている事、そして復帰に向けて戦術を変えてきたのは確かだ。必死低姿勢会見と芸能レポーター宣撫工作だ。
少し彼女に余裕が無くなってきたのかな。
高城氏の言い分では「離婚の件については今後話し合おう」つまりエリカ様から「提示された懸案について話し合いましょう」という認識で、別に離婚合意ではないらしい。
よくある事だ。仮に高城氏の言い分が正しかったとても、迂闊だったな。私も同様の経験が多々ある。離婚とか破局などの愛憎劇を豊富に経験しているという意味ではなく、自治会の会議とか市民運動の交渉事とか、よくあるのだ。利害が対立する相手との話し合いは言葉を慎重に選ばなければ、お互いに相手の発言を自分の利害に適ったニュアンスで本能的に拡大解釈するものなのだから。会議が終わった後に合意事項を確認して閉会し、改めて議事録と合意事項を列挙した文書を配布しても、「そんなん聞いてない」「そんな話ではなかった」「そういう意味で言ったんとちゃう」とクレームを受ける。
今回の場合、もし高城氏から「離婚」という単語を用いてしまったのなら軽率だ。別の単語や言い回しを用いるべきだった。
エリカファンとしては、とりあえず早く復帰してもらいたいものだ。現時点の彼女のリスクは、途中で職場放棄する可能性だろう。私がプロダクションの社長だったら、仕事さえこなせば日ごろの素行やスキャンダルは気にしないが、ドタキャンが一番痛い。事業計画が立てられない。いくら大女優でも職場放棄を重ねられては、地味に確実に仕事をこなす中堅の方が堅い。



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今日の晩御飯(29) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[七十六]

【調理者】晴雨堂ミカエル
【食材】パスタ(300g) 舞茸(適量) シメジ(適量) 大蒜(2片) 醤油(適量) オリーブ油(少量) 鷹の爪(2本) 塩(少々)
【作り方】鍋に水をはり、パスタを推奨時間より1分少なめに湯がく。パスタを湯がいている間に中華鍋にオリーブ油を入れ、大蒜で香り付け、舞茸・シメジを入れ、湯がいた固めのパスタを投入し醤油と鷹の爪で味を調える。
【雑感】この日は私の誕生日なのに、何故か私が晩御飯を作る事になった。その代わりケーキは連れ合いが作る。
私のパスタは簡単にできる醤油アレンジのペペロンチーノだ。インフルエンザの季節なので免疫力向上にと舞茸とシメジを多めに入れた。



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自由民主党 近頃の現象[五百三十五]
首相と徹底対決―党大会
自民党は23日午前、都内のホテルで第78回定期党大会を開いた。谷垣禎一総裁は演説し、24日召集の通常国会での対応に関し「民主党の失政を徹底的に追及する」と菅直人首相との対決を宣言し、「今年こそ民主党政権を衆院解散・総選挙に追い込み、新しい自民党政権樹立に向け頑張る」と決意を表明した。その上で、政権奪還と4月の統一地方選の勝利を目指し「力を合わせて頑張ろう」と結束を呼び掛けた。(時事通信)
【雑感】民主党政権への批判が野党の仕事なのだから仕方がないのだが、自民党も大きな課題が残っている。党内改革がどこまで進捗しているのか、それが見えないと話にならない。
そもそも、自民党の失政がなかったら現在の民主党政権は無かった訳なので、早急に党内刷新を外から見ても判る形で示す必要がある。数少ない若手の小泉進次郎氏や丸川珠代氏に頼っている間は心許ない。
私はよく民主党支持者だと誤解されるが、正確には二大政党制支持者である。日本にはこれまで政権を体験した政党が事実上自由民主党だけしかなかった事に危機感を感じた人間である。私は組織や勢力に必要以上の愛着は持たないように努めている。あくまで組織・勢力は「使う道具」でなければならない。必要以上に愛着を抱くとろくな事がない。
愛着を抱くのは、祖国と郷里だけで十分だ。
自民党が議会の半数を支配して事実上唯一政権を担当し残り半分の議席を複数の野党が割拠して政権の詰問機関を務めるという55年体制は、安定した政権の下で経済成長を展開するに有利だった。また事実上の一党独裁ではあったが、自民党内には「派閥」という保守政党が幾つもあり、政局の主導権を握る派閥が交代する事で一種の政権交代的な効果を生んでいた。
しかし長い年月に制度疲労を起こし、経済成長期か安定期であれば特に問題が起きなかった55年体制は、目まぐるしく激変する世界情勢に対応できなくなり、90年代からは自民党単独では政権を回す事を諦め、小泉政権の改革からは派閥の意味合いも薄れ、現在の民主党政権と二大政党制移行へと続いている。
いま民主党政権が倒れてしまうと、自民党の党内改革が不十分である上に、民主党も政権担当経験が微少のまま。二大政党には移行できない。おそらく下手をすれば一気に大連合になって大政翼賛状態になってしまう。
大政翼賛化となると、議員定数削減には有利かもしれないが、議員の削減は少数者の声を圧殺する事につながるうえに、議会の存在意義すら低下しかねない。地方では盛んに議員定数削減と首長の強権が騒がれているが、三権分立の一辺を担う議会を縮小させることはバランス的に良い事なのか?
議会を行政の承認機関程度に役割を低下させれば、たしかに行政は議会の縛りがかからない分、思い切った政策を乱発できるが、ナチス政権下のドイツ議会や大政翼賛会時代の衆議院の悪い前例がある。



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「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」 おバカになって愉快になろう〔28〕
ゾンビに感情が芽生えた感動巨編!

(絶版)
【英題】ZOMBIE'S LAKE
【公開年】1980年 【制作国】仏蘭西 西班牙 【時間】87分
【監督】J・A・レイザー(ジャン・ローラン)
【原作】
【音楽】ダニエル・ホワイト
【脚本】ジュリアン・エステバン ジェス・フランコ
【言語】イングランド語
【出演】ハワード・バーノン(町長) ピエール・エスクーロー(ドイツ兵) アノチカ(ヘレナ) アントニオ・メイアンス... Morane (as Robert Foster) ナディネ・パスカル(ヘレナの母) Youri Radionow ... Chanac ギルダ・アランシオ(金髪ギャルの泳者) マルシア・シャリフ(カチュア) バート・アルトマン(イボンヌ・ダニー) Jean Rollin ... Stiltz Edmond Besnard ... Promizoulin
【成分】笑える 泣ける 勇敢 セクシー パニック 不気味 切ない ゾンビ フランス 1944年頃~1950年代半ば 第二次大戦 ドイツ国防軍 レジスタンス
【特徴】第二次大戦中のフランス、レジスタンスによって皆殺しにされ湖に遺棄されたドイツ兵の遺体が10年後にゾンビとなって甦り、近隣の村人の特に20歳前後の若い女性を狙って襲う。
ゾンビ映画で著名なジャン・ローラン氏がJ・A・レイザー名義でメガホンをとった珍味中の珍味映画。今でこそ感情のあるゾンビも当たり前に登場するが、本作はそのハシリかもしれない。ドイツ兵とフランス女性の間に生まれた子供が戦後10年あまり経ってゾンビと化した父親に再会し親子である事をお互いに確認し合う涙の場面がある。なんとそのゾンビは父親の記憶があり、仲間のゾンビが少女に襲い掛かったら守って格闘する感動シーンすらある。さすがはジャン・ローラン監督。
制作陣がゴタゴタしていたようで、驚くほど低予算・短期間で制作された伝説映画。観ていても安っぽい場面のオンパレード、B級以下映画が好きな人にはたまらない作品である。
【効能】ゾンビとなっても子を思う気持ちを抱き続ける悲劇のドイツ兵に涙する。20歳前後の若く綺麗な女性の全裸が執拗に登場するため、一部の鑑賞者には目の保養になる。素人の自主制作のような出来栄えに映画ファンの情熱がくすぐられる。
【副作用】いかにも手抜き露な映画に時間と金銭の喪失感を味わう。
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45回目の誕生日 晴雨堂の晴耕雨読な日常[四十五]
【雑感】ついこないだ、40代になった、厄年のお祓いをしなければ、とバタバタしていたのに、もう40代の半ばだ。
思えば小学生の頃、「ノストラダムスの大予言」が流行っていたときに、「1999年て、もう33歳やん。中年のオッサンやん」と思っていた。
いま33歳の連中を見たら、まだツルツル顔の青年だ。怖いなぁ。
人間50年の頃、私の歳になると「晩年」だ。もちろん、平均寿命が50代・40代の時代だからといって、45歳が現在の70男のようになる訳ではない。幕末明治維新で著名の幕臣勝海舟の40代後半の写真と見比べても、老け具合にさほど差は無い。
しかし今の人なら通院治療で治る病気や怪我が、当時では生死に関わる危険なモノだった事も多々あるだろう。今よりも死亡する確率は高かったはずだ。今ならなだらかに死亡率が上昇するところ、当時であればある年齢を節目に急激に上昇するなんてこともあったはずだ。当時の45歳はそろそろ自分の余命を気にしだす歳頃だったと思う。
今でも、定年までたった15年、と考えたら、「げっ!」となる。30歳から現在までがあっという間だったことを考えたら、これからの60までの事を考えると一瞬だろう。私の人生は60以降もあると思いたいが、少なくとも「労働年齢」として考えれば、あまり時間が無い。
やはり人生の制限時間を意識しなければならない。



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TOHOシネマズ料金値下げ 近頃の現象[五百三十四]
実は1200円まで下がる!18歳未満は900円!!
先日発表され、映画ファンはもとより映画業界全体に衝撃を与えているTOHOシネマズの「一般1800円を1500円に値下げする」というリリース。ぴあの取材で、この料金改定には追加の発表があることが判明した。それは、インターネットチケット割引と会員割引を組み合わせることで、さらなる映画料金値下げを導入予定ということ。(ぴあ映画生活)
【雑感】私は家計の都合から、いつも値引きになるレイトショー・ナイトショーで観る。そして普段はパンフレットの類は買わない。以前なら必ずパンフレットを購入してファイリングして保存したものだが、2000年頃からより多くの映画を観るため買うのを止めた。パンフレット2冊分で映画1本観れるからだ。
私が例外的にパンフレットを買ったのは「ヤッターマン」実写版くらいだ。深田恭子氏の艶かしいドロンジョ様を愛でるためにパンフレットだけでなくクリアケースも買った。
そんな映画生活だから、1500円になったからといって私には特に影響は無い。
しかし子供連れで「プリキュア」なんかを観るには朗報かもしれない。子供づれでナイトショーはしんどい。それに大人1800円が1500円になれば、ポップコーン1箱かジュース1杯くらいの余裕ができる。
ところで、TOHOシネマズはアフィリエイトやっていないのかなぁ? チャリンコで数分のところにTOHOシネマズがある関係からよく利用しているので、そのよしみでアフィリエイトやっていたら当ブログでも設置する心積もりなのだが。



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「外交官 黒田康作」(2) TVドラマ評[四十]
柴咲コウを観ていると、
草刈民代の女優業は本職ではない・・か。
【雑感】面白いかどうか、私はまだ判断していないが、飽きさせない脚本にはなっている。日本ではこの手のハードボイルド物は少ないので、「黒田康作」には大いに期待するところである。
さて、本作は織田裕二氏がカッコ良くスペイン語をまくしたてる様を楽しむ物語であると同時に、女優柴咲コウ氏の演技達者を堪能する作品でもある。彼女は風貌からツンツンしている役柄のイメージが強いが、このように不器用でドン臭くてイラっとくるキャラもなかなか巧い。些か大袈裟に俯き加減でへっぴり腰の歩き方が不自然には見えず、メキシコ大使館のパーティに潜入するとかで黒田にお洒落な夜会用ドレスを着せられるが、なかなかダサく見える。いつもの柴咲コウ氏ならスタイリッシュに見えるはずなのに、似合っていないように見えるところが流石だ。
対して、スタンドプレーが好きで黒田の仕事にチョッカイをかける外務副大臣役の草刈民代氏は、どうもツンツン仕方が必要以上に力んでいるように見えてしまう。風貌とキャラからならマッチングはOKのはずだし、だからこそのキャスティングなのに、似合っているように見えない。
草刈氏にとっては、やはりバレーダンサーが本職で女優は副業なのか?



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死刑廃止論(2) 近頃の現象[五百三十三]
江田五月法相は21日の閣議後の記者会見で、死刑について「(いったん執行すると)取り返しがつかない。制度としてあることが世界中の状況からみていいのかどうかも考える時期に来ている気がする」と述べ、制度の存廃も含めて省内で議論を進めたいとの考えを示した。(時事通信)
【雑感】江田五月氏らしい発言だ。
私も一部は同感である。冤罪を安易に発生させてしまう警察と検察の体質が非難されている現状を鑑みれば、執行すると取り返しが付かない制度は問題だろう。冤罪の問題が私を積極的死刑制度支持派に踏み込ませないでいる。
しかしである。私は消極的死刑支持派であって死刑廃止論者ではない。犯罪者の身になって考えれば、死刑廃止がどれだけリスクを産むか明らかだと思う。死刑が犯罪を抑止する効果については廃止論者から判で押したかのように「死刑があるからといって犯罪は減らない」との疑問が並べられるが、逆に死刑を廃止する事によって「犯罪が減る」とも限らないのだ。むしろ犯罪者が安心して罪に対する重みを軽く見てしまう危険がすらある。
それから「世界中の状況からみていいのかどうかも考える」というのは、「革新系」や「新保守」がよく使う論法だ。「世界の潮流」だとか「欧米では」とか。
しかし、世界の潮流がいつも「正しい」とは限らない。
20世紀前半まで欧米列強は全世界に侵略の魔の手を伸ばしアジア・アフリカを植民地にしていった。先進国は後進国を侵略し植民地にするのが当時の世界の潮流である。これは正しいのか? 世界の潮流が全て正しければ、その欧米に倣って帝国主義大国になろうとしたかつての大日本帝国も正しいということになってしまう。
馬鹿の一つ覚えみたいに、何でもかんでも世界の潮流に従う必要は全く無い。
現行法を弄らないまま死刑だけを廃止したら、モラルハザードが起きる。凶悪犯罪を起こしても、極刑は無期懲役、無期懲役だと模範囚なら10年少々で出てこれる。被害者側は安心して暮らすことはできないし、国家を信用しなくなる。



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「エリシウム」 近頃の現象[五百三十二]
「ブレードランナー」デザイナーが参加
「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の長編第2作目となる新作SF映画「エリシウム(Elysium)」に、「ブレードランナー」「トロン」の美術を手がけ、“ビジュアル・フューチャリスト”としてクレジットされた世界的工業デザイナー、シド・ミードが参加することが分かった。
米Deadline Hollywoodが報じたもので、ミード自身が「第9地区」のファンであったため、2006年の「M:i:III」以来となる映画の仕事を引き受けることになったという。「エリシウム」のストーリーなど詳細は明らかにされていないが、舞台は100年後の未来になるようだ。「第9地区」主演のシャルト・コプリーに加え、マット・デイモンとジョディ・フォスターの出演が決定している。
「エリシウム」は、ソニー・ピクチャーズが配給を手がけ、2012年の公開を目指している。今年7月にバンクーバーでのクランクインを予定。(映画.com ニュース)
【雑感】シド・ミードか・・。80年代前半、特撮SF映画ファンにとって人気を二分していた工業デザイナーが、ルイジ・コラーニ氏とシド・ミード氏だ。私は曲線大好きのルイジ・コラーニ派だったが。それにシド・ミード氏が描いた「ブレードランナー」の都市デザインで、中華街の風景を描こうとしていたのか漢字らしきネオンや看板の描写があったのだが、漢字がデタラメだったのでいっぺんに「このオッサン! アジアを馬鹿にするな!」とムカついてしまった。
今はシド・ミード氏に嫌な印象は無い。高校生から大学生にかけて、SF特撮映画に夢中になった時代を懐かしく思う。それどころか、私が絶賛した「第9地区」をシド・ミード氏もお気に入りだったとは、私はミード氏に熱い友情をを感じる。
次回作も悲劇の公務員を演じたシャルト・コプリー氏が出演するらしい。コプリー氏はたしかニール・ブロムカンプ監督とは同郷で高校時代の友人とか。映画が成功するか否かの条件に、私は監督と主演の同志的関係を強くあげる。かつての、サム・ライミ監督とブルース・キャンベル氏の名コンビのようなオーラを感じる。



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「ちょんまげぷりん」 家族と一緒に考えよう
今どきの家庭へ問題提起した佳作!?
【原題】
【公開年】2010年 【制作国】日本国 【時間】108分 【監督】中村義洋
【原作】荒木源
【音楽】安川午朗
【脚本】中村義洋
【言語】日本語
【出演】錦戸亮(木島安兵衛) ともさかりえ(遊佐ひろ子) 今野浩喜(田中くん) 佐藤仁美(千石佳恵) 鈴木福(遊佐友也) 忽那汐里(時翔庵の娘) 堀部圭亮(上司・城崎) 中村有志(司会者) 井上順(殿間知治)
【成分】笑える 楽しい ファンタジー ロマンチック 不思議 勇敢 切ない かっこいい コミカル 侍 シングルマザー タイムスリップ 文政時代
【特徴】現代人が過去へタイムスリップする事が多いパターンで、本作は1820年代の若い侍が現代にタイムスリップをして騒動を起こす。
錦戸亮氏の大人びた侍ぶり、ともさかりえ氏の今どきシングルマザーぶり、子役の鈴木福君の今どきの幼児ぷりは巧い。
現代の家庭のあり方に一石を投ずる問題作?!。
【効能】観た後、清々しい気持ちにさせてくれる。生活習慣を改めるキッカケになる。家族の絆を考えるキッカケになる。プリンが食べたくなる。
【副作用】現実にありえず感情移入できない。登場人物をステレオタイプに描き過ぎるのが鼻につく。
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池上彰 近頃の現象[五百三十一]
ジャーナリストの池上彰氏が19日、都内で開かれた「2010年度 PRパーソン・オブ・ザ・イヤー」の表彰式に出席。レギュラー番組降板報道後、初めて公の場に姿を見せた。(デイリースポーツ)
【雑感】「取材される側は嫌ですね」とか「東京都知事選は立候補ではなく候補者を取材したい」などと発言したそうだ。それでこそジャーナリストだ。
日本では元首相の細川護煕氏をはじめジャーナリストから政治家へ転身する例が多いが、ジャーナリズムの本場アメリカではいまいちジャーナリスト出身政治家は歓迎されていない。権力をチェックするべき立場の人間が権力に就くからだ。日本では政治経済に強いからという事で違和感無く迎えられているのとは異なる。
アメリカに迎合する気は全く無いし、アメリカと同調するのは極めて不本意だが、私もジャーナリストは政治家になるべきではないと思っている。
それどころか、面が割れるのもジャーナリストにとって不利益と思うので、TVに出るのも好ましくないと考えている。渡部陽一氏のように、海外の戦場をライフワークにしている人は別段日本国内で顔が知られても影響は無いだろうが。
渡部陽一氏も、そろそろTVから一度距離を置く日が近づいてきたのではないか。あれだけ出ずっぱりでは、この半年ろくに戦場カメラマンはやっていないはず。取材費用はかなり貯まったはず。「一発屋」としての賞味期限は迫ってきたはず。
まだたくさん番組を抱えているうちに独特の語調で「皆さん、お別れのときがきました」と戦場取材に旅立ってほしいものだ。そのほうがインパクトがある。



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「人体の不思議展」 近頃の現象[五百三十]
京都の名誉教授「会場に死体、生活侵害」
京都市左京区で開催されている「人体の不思議展」(23日まで)について厚生労働省が「標本は遺体」との見解を示している問題で、会場近くに住む生命科学が専門の大学名誉教授が、「死体が展示されているため精神的苦痛を受けた」として、主催する同展実行委員会(大阪市北区)に損害賠償を求め、20日にも京都地裁に提訴することが19日、関係者への取材で分かった。(産経新聞)
【雑感】言論と表現の自由を強く標榜する者として、まことに申し訳ないが提訴された「名誉教授」氏には怒りを感じてしまう。やむを得ない事情からの提訴であると信じたいが、提訴しなければならない必然性が解らない。後々の弊害のほうを感じる。
古代エジプト展を観に行った人がミイラを観て精神的苦痛を感じ主催者を提訴するなんて事もあり得る。ミイラも立派な死体だ。あれは死体ではなく文化財だと意識して見学する人は何人いるだろうか? 多くはやはり数千年も腐らずに残った死体と思って観ているのだ。
そんな「死体」と「人体の不思議展」で展示されている特殊処理された人体標本の「死体」とどんな違いがあるのか? 基本的に変わりはないし線引きは難しい。
さらに、拡大解釈すれば化石人類の標本も「死体」だ。化石から死体を連想して精神的苦痛を感じる人も出てくるかもしれない。いちいち、博物館を提訴していたら運営は成り立たない。
くだんの名誉教授氏はもちろんやむを得ず正当な理由で提訴されたのだろうが、「精神的苦痛」の乱用は避けるべきだ。でないと「精神的苦痛」の価値が下がって周囲の理解を得にくくなるし、「精神的苦痛」に対する反発も大きくなる。
例えば、古代エジプト展でミイラという死体を展示した事で精神的苦痛を感じて提訴したとする。逆に古代エジプト学会やファンが、「古代エジプトやミイラ文化を学んだり関心を高める貴重な機会を奪われそうになり、エジプト学会への発展が阻害され、研究者・学習者に不安と精神的苦痛を与えた、として逆提訴するかもしれない。
キリが無い。
晴雨堂関連映画案内
アナトミー [DVD] ステファン・ルツォヴィツキー



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「唐山大地震」
神戸の人と防災未来センターで献花
7月に中国で公開され、歴代最高興収記録を樹立した映画『唐山(とうざん)大地震』が、3月26日(土)から公開されるにあたり、フォン・シャオガン監督が、阪神・淡路大震災があった17日に神戸を訪れ、「人と防災未来センター」で神戸の人たちとともに慰霊献花に参加。震災時に兵庫県知事だった貝原俊民(かいはら・としたみ)氏(現 ひょうご震災記念21世紀研究機構 理事長)を表敬訪問した。(ぴあ映画生活)
【雑感】フォン・シャオガンは「馮小剛」と書く。中国人名をカタカナで書くのは好かん。漢字の本場の国の人間の名前をカタカナで書くのは全くケシカラン。韓国と違って、中国人名を音読みで読んでも失礼ではない。逆に中国人も日本人名を中国音で読んでいるからお互い様なのだ。そもそも一口に中国語と言ってもヨーロッパと同じくらい多様で、標準語に近い北京語と香港周辺の広東語とは英語とドイツ語以上に隔たっている。
カタカナ語で表記されると名前の持つ意味が判らなくなる。「フォン」ではドイツ貴族を表す「Von」かと思ってしまう。「小剛」と書くと男性の名前という事が判る。
さて、この映画は個人的に特別な興味がある。私は小学生の頃から中国に興味があり、殷の時代から現中華人民共和国までの王朝や政権を暗記していたし、当時は短波の北京放送を聞くのが日課だった。そんな時期、たまたま唐山地震のドキュメンタリー映画をTVで観た。今にして思えば毛沢東政権の宣伝映画なのだが、当時11歳か12歳の私には脅威の人民パワーに見えた。
唐山で地震発生、各地から人民解放軍のトラックが大挙被災地へ急行、トラックに乗っているのは20歳前後の少年のようなへ兵士たち、全員緑の人民帽に人民服姿。この人民帽と人民服のデザインが私の美的趣味に合致していた。
現場に到着したトラックの大群から兵士たちは一斉にスコップ片手に降りて駆け足で瓦礫の山へ突撃し、なんと重機を使わず素手で救助作業をするではないか。「おおっ、なんと逞しい! 機械の到着なんて待ってられない、とにかく人命を助けたい一身で兵士たちは素手で作業をするんやな」と感動で泣きそうになった。
兵士たちはスコップ程度の道具だけで、中には本当に手袋無しの素手で瓦礫を掘り返し、次々と被災者を助け出していく。
別の場面では兵士たちは上着を脱いで建物の修繕作業を器用に手際よく行っている。人民帽に白いワイシャツ姿の兵士がにこやかに住民と談笑しながら、塀や壁を直していく。
最後は発電所が復旧し、再び唐山に電気がつくところでラスト。
その映画を観てから10年以上経ってから、大学生になった私は朝日新聞社刊行の「唐山大地震」(銭鋼著)を読んだ。子供の頃に観た映画とは程遠い恐ろしい光景が描写されていた。
当時の毛沢東政権は「自力更生」を掲げていて、簡単にいえば外国の援助なんか頼らず自分の力だけで我が道を行く政策をとっていた。唐山地震のとき、当然各国から救援隊派遣の申し出があったのだが、全て断った。
それから私が観た解放軍兵士たちがスコップ片手に大勢やってくる場面、あれは誇張ではなく、本当に重機が無くて兵士たちは素手で救助活動をせざるを得なかった。季節は7月下旬、真昼になると炎天下になる。瓦礫の撤去はなかなか進まず、手遅れになって死亡する被災者が多くなる。被災から1週間も経つと街全体が腐臭に包まれ、兵士たちはガスマスクを被って作業していた。
今回の「唐山大地震」は当然リアル唐山である。春休み時期に公開される映画なので、学生諸君は是非ご覧いただきたい。



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阿久根市(2) 近頃の現象[五百二十九]
鹿児島県阿久根市の出直し市長選で初当選した西平良将市長(37)は17日、竹原信一前市長(51)が専決処分で副市長に選任した仙波敏郎氏(61)を解任した。(読売新聞)
【雑感】他人事なので無責任な事を言ってしまうが、私は竹原信一氏のようなキャラは好きだ。彼が上司だとリストラの対象にされそうなので現実には関わりたくないが。
それにあそこまでの議会無視では、少数者の意見は完璧に踏み躙られそうだ。
殆ど知名度が無かった自治体の名前を一躍全国区の「名所」に押し上げた功績は抜群である。また単にブログ・議会無視・専決・差別発言だけの市長ではなく、まず自分の報酬を40%カットして手本を見せ、自治体指定ゴミ袋の値段300円台から百数十円に下げ、浄化槽管理費年間4万円から3万円、小中学校耐震工事実施、市営住宅89世帯補修、妊産婦無料診察票増発、保育料半額補助など、比較的市民の目に付きやすい形で還元している。
なにより、阿久根市民の正味半分は竹原前市長を支持しているということである。TVで報道されている限りを見るだけでは議会を完全に無視した横柄な独裁者にしか見えないが、前述のように市民の目に付きやすい部分で実績を示しているため、民主主義の常識では乱暴な市長の割りに根強い支持がある。また市長個人への支持だけでなく議会への不信感も含まれているだろう。
元副市長仙波敏郎氏が解任されても暫く阿久根に留まるのは訳があり、この市長選はまだ前半でしかない。竹原派議員を中心に展開した議会へのリコールが残っているのだ。来月20日に住民投票、成立すると今度は議員たちも失職し出直し選挙となる。
こういう場合、日本人特有のバランス感覚が働いて議会には竹原派が多く選出される可能性が出てくる。そうなれば、竹原氏が議員に立候補するかどうかは判らないが今度は議会から反竹原派を攻撃という皮肉な事になる。
新市長の西平良将氏が仙波敏郎氏を解任するのは、西平市政の幕開けを内外に示すセレモニーのようなもの、他の竹原市政の遺産には市民が支持しているものも多々ある。「やっぱり竹原でないと駄目だ」などと思わせないような市政ができるかどうか。市職や議会の意向ばかり従っていると転んでしまう事になる。
民主主義というのは面倒臭いシステムなので、最初から「独裁者」で改革をする竹原氏よりハンデが大きいかもしれない。



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環太平洋戦略的経済連携協定 近頃の現象[五百二十八]
海江田万里経済産業相は17日朝、都内のホテルで開かれた商社の業界団体、日本貿易会(会長・槍田松瑩三井物産会長)との懇談会で、「アジア・太平洋は成長の原動力だ」と強調した。その上で「この成長を日本に取り込むには、高レベルの連携で国々の間の障壁を低く、あるいはなくし、ヒト、モノ、カネの動きを活発にしなければならない。全力を挙げる」と述べ、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に改めて意欲を示した。 (時事通信)
【雑感】社民党と国民新党は反対、社民党は強硬に反対するだろう。WTO(世界貿易機関)体制に反発している政党でもあるから、TPPなんてトンデモ無い。
製造業にとっては有利になるので早期の加入を望む。こういう場合は最初から加わって枠組みの話し合いに臨まなければ、重要な事柄が決まった後から参加では不利になる。このまま参加を拒み続けるとなれば、周辺諸国が参加して関税無しの自由貿易で儲けることなるから、ますますアジアに於ける日本の地盤沈下を思い知らされる危険がある。
製造業に身を置いてきた私はTPP早期参加を強く望む。
農業にとっては、自殺行為だ。TPPは例外なく関税を撤廃するシステムなので、今まで守られてきた日本の農作物が国際競争に晒される事になる。日本の農業はアメリカのような低コストで大規模・大量生産・農薬タップリの方法で営んでいない。手間隙かける農作業だ。既に減反政策で農業全体の士気が下がり、耕作地も減ってしまった。90年代初頭では減反しておきながらコメを輸入するなどとみょうちくりんな出来事も起こった。
この不景気で、街から村へ、工場から農場への人の流れが期待されたが、劇的な転換は起きていない。それだけ農業は厳しく体力が無いのだ。そこへ何の策も講じずにTPPを導入されると、安い農作物の大量流入で廃業する農家が増えるだろう。健康志向で高い農作物も売れているが、自動車業界でベンツと軽4が売れて中間のカローラが売れないのと同じで、無農薬・有機野菜や地域の特産物を扱う生産者としてブランドが確立している農家は良いが、そうでない「平凡な農家」は潰される。それでなくても、今でさえ後継者がいなくて近い将来は廃業確実の農家が多いので、TPPは廃業のキッカケになってしまう。
農水省の試算では、現在の食糧自給率40%からTPP後は14%になると予測、これはあながち大袈裟ではない。そこへ気になるのはブラジルやオーストラリアの水害だ。特にオーストラリアは近年日本にとっても「穀倉」となりつつある。そこへ昨年の旱魃と今年の水害でダメージを受ける。地球温暖化の影響で今後も同様のことが起きると予想されるので、近い将来は食糧の確保も死活問題になる。
TPPに入って若干は日本の工業は持ち直したが、安い外国産農作物で国内の農家は廃業続出、そこへ天候不順で一気に農作物が流通しなくなり、高い金を出して手に入れても質の悪いものばかり、なんて事にもなりかねない。日本企業が保有している海外の農地とて、いざとなれば現地の国家が強権を発動して没収するだろう。
塞翁が馬を期待してTPPを遠慮するか、とりあえず目前の懸案のためTPPに飛び付くか。
いずれを執るにしても、どうフォローするかが問題だ。私より頭の良いヤツばかりのはずなんだから、副作用の少ない策、考えられないのかな?



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「江 姫たちの戦国」(2) TVドラマ評[三十九]
湖北、歴史に触れる1年
江・浅井三姉妹博覧会が15日開幕し、メーン会場の2新設館前で式典が行われた後、待ちわびた観光客らが次々と入館した。約1年間、湖北の広域エリアに戦国歴史絵巻を繰り広げる同博はこの日、2館だけで計1914人が入館した。(毎日新聞)
【雑感】いよいよ滋賀県は観光商戦本格モードに突入か。1年間、大河ドラマによって観光宣伝してくれる訳だから十分活かさねばならんだろう。いろいろ批判を浴びるNHKだが、宣伝媒体としての威力はまだまだ絶大である。民放とは違い少々視聴率が下がったところで放送打ち切りはしない。確実に今年の暮れまで放送するだろう。そんな安定感も魅力だ。
しかし、この大河ドラマの舞台となる地方の盛り上がりを見るたびに思うことがある。NHKは民放以上に社会の公器である立場を守らなければならない。大河ドラマが協力自治体の観光支援になるということが明白である今、どこを舞台にするかもできうる限り公平にしていく必要がある。
いまだ取り上げていない地方がある。北海道だ。私はつねづね北海道と沖縄は政治的問題が絡むので大河ドラマには取り上げないと思っていた。ところが90年代前半に「琉球の風」が放送、主役の東山紀之氏が作中の台詞とはいえ「国が無いということがどれだけ惨めなものか!」とジャニーズ・アイドルらしからぬ民族主義的発言、NHKらしからぬ大胆さ、しかしスポンサーに気兼ねする民放には無い大胆さだと思った。
あと残るは北海道だ。北海道で歴史的著名な人物、シャクシャインかコシャマインくらいしか思い浮かばない。しかしこれを大河ドラマにしたら、メル・ギブソン監督主演「ブレイブハート」を見せ付けられるイングランド人のような気持ちに多くの日本人がなってしまうかもしれない。それに単発の2時間ドラマや1クールものなら良いが、延々1年近く日本人が悪者のドラマが続くことに嫌気をさす視聴者も出てくるだろう。
さて「江 姫たちの戦国」、芦田愛菜ちゃんの熱演が観られないのは誠に残念。しかし、早く宮沢りえ氏の淀君を観てみたい気持ちもある。
信長の独裁者ぶりは期待通り、自毛を活かした付毛ザンバラ姿が気持ちの良い威圧感を出している。本能寺の変が楽しみだ。
上野樹里氏の少女ぶりっ子も違和感が無かった。NHK出版が出している「大河ドラマ・ストーリー」の前編表紙の彼女は見た目だけは24歳とは思えない壮年の貴婦人のような趣きだった。では前髪ぱっつんの少女時代はどうかなと失望を覚悟で観たら、なかなか悪くない。信長に憧れる無邪気なハイティーンのようだった。
第2回は秀吉が虐待されたが、次回はいよいよ光秀の番か。市村正親氏が光秀というのは当たり役かもしれない。当時の光秀の年齢に近いし思い詰めやすく繊細そうだ。



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