第83回アカデミー賞 近頃の現象[五百八十一]
「英国王のスピーチ」が作品賞含む4部門
「インセプション」も最多タイ
第83回アカデミー賞の授賞式が2月27日(日本時間28日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッド・コダックシアターで行われ、トム・フーパー監督の「英国王のスピーチ」が作品賞に輝いた。同作は、監督賞、主演男優賞、オリジナル脚本賞の最多4部門を戴冠。また、レオナルド・ディカプリオと渡辺謙が共演した「インセプション」も撮影賞、音響編集賞、音響録音賞、視覚効果賞に輝き、最多タイとなった。
1月25日にノミネート作品が発表された段階では、「英国王のスピーチ」が作品賞、監督賞、主演男優賞など最多となる12部門に名を連ねていた。その後を猛追していたのが、8部門ノミネートの「ソーシャル・ネットワーク」と「インセプション」。下馬評の高かった「ソーシャル・ネットワーク」だが、脚色賞、編集賞、作曲賞の3冠に終わった。
賞レースで主演男女優賞を総なめにしてきた「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンは、順当な受賞。ポートマンは、涙を浮かべながら登壇し、場内から盛大な喝さいを浴びていた。(映画.com ニュース)
【雑感】当たり前すぎて、つまらん!



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「エイリアン2」 ストレス解消活劇〔76〕
【原題】ALIENS
【公開年】1986年 【制作国】亜米利加 【時間】154分
【監督】ジェームズ・キャメロン
【原作】
【音楽】ジェームズ・ホーナー
【脚本】ジェームズ・キャメロン
【言語】イングランド語
【出演】シガーニー・ウィーヴァー(リプリー) マイケル・ビーン(ドウェイン・ヒックス) キャリー・ヘン(レベッカ・“ニュート”・ジョーダン) ランス・ヘンリクセン(ビショップ) ポール・ライザー(バーク) ジャネット・ゴールドスタイン(ヴァスクェス) ビル・パクストン(ハドソン) ウィリアム・ホープ(ゴーマン) アル・マシューズ(アポーン) マーク・ロルストン(ドレイク) リッコ・ロス(フロスト) コレット・ヒラー(ファーロ) ダニエル・カッシュ(スパンクマイヤー) シンシア・スコット[女優](ディートリッヒ) ティップ・ティッピング(クロウ) トレヴァー・スティードマン(ウィズボウスキー) ポール・マクスウェル(ヴァン・リューエン) ビル・アームストロング(ライデッカー) ジェイ・ベネディクト(ラス・ジョーダン) ホリー・デ・ジョン(アン・ジョーダン) マック・マクドナルド(シンプソン) エリザベス・イングリス(アマンダ・リプリー)
【成分】パニック 不気味 勇敢 絶望的 かっこいい 戦争活劇 SF
【特徴】前作のSFホラーから一転、戦争アクションに新装。主人公リプリーは宇宙海兵隊1個分隊とともに再び忌まわしい惑星に戻る。
監督は気鋭のジェームズ・キャメロン氏。本作には「ターミネーター」でブレイクしたマイケル・ビーン氏も同様のキャラで出演している。ジェームズ・キャメロン監督は自身の「ターミネーター」の続編でも成功を収めるので、続編は不発に終わるジンクスを破る監督としても有名になる。
【効能】リプリーの逞しさにエナジーをもらう。女性兵士の強さに萌え。
【副作用】前作のホラー佳作をドンパチ映画に改悪されて不愉快。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
小向美奈子(2) 近頃の現象[五百八十]
小向容疑者
覚せい剤を買った覚せい剤取締法違反(譲り受け)の疑いで逮捕されたタレント・小向美奈子容疑者(25)が、密売グループのリーダーについて「会ったことはあるが、相談しただけ」などと話していることがわかった。(日本テレビ系(NNN))
【雑感】容疑者とは思えない堂々とした所作、25歳のギャルとは思えない貫禄。
小向側は立件できない見通しがたっている可能性がある。ニュースを拝見する限りでは、小向容疑者の所持品や自宅から覚醒剤が見つかっていない。仮に覚醒剤を使っていたとしても、1ヵ月も離れていたら薬が抜けているかもしれない。
今のところイラン人からの証言だけで、会った事実だけでは覚醒剤取締法には抵触しない。フィリピンでは複数の知人に会っているようだし、1か月もあれば善後策を十二分に練られる。
「会ったことはあるが、相談しただけ」という発言は、世間一般では苦しい弁解にしか見えないが、推定無罪の原則で吟味すれば「シロ」になる。



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大学に責任はあるのか? 近頃の現象[五百七十九]
学生逮捕で鹿児島大学長が謝罪
東広島市の山陽自動車道で高速バスを横転させたとして、鹿児島大3年の楫田(かじた)優希容疑者(22)が殺人未遂容疑で逮捕された事件を受け、同大(鹿児島市郡元)は27日、記者会見を開き、吉田浩己学長が「学生が重大な事件を引き起こし、社会的に大変な迷惑をおかけしたことを深くおわびします」と謝罪した。(毎日新聞)
【雑感】なぜ学長が謝るのか? 馬鹿な学生が1人、馬鹿な事件を起こしただけではないか。アメリカ人が日本で犯罪を犯したらオバマ大統領が謝罪するか? しばしば米軍海兵隊員が沖縄で狼藉を働くが、米大統領がいちいち記者会見を開いて謝罪したニュースは聞いたことがない。大統領はアメリカ軍最高司令官であり、海兵隊にとって最高の上司だ。沖縄での狼藉について大統領は謝罪する道義的責任がある。
だいたい大学は義務教育ではない。犯罪を犯した学生は未成年ではなく成人している。学内で起こった事件については大学に責任はあるが、外で学生が犯した事件まで面倒見る義理はないし、道義的責任もない。むしろ謝ることは学生にとっても社会にとってもタメにならん。



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眼鏡市場 優れた短編映画テレビCM
【雑感】優れたCMは、シンプルな構成と低予算でありながらインパクトが強く、つい食い入るように見てしまったり、記憶に長く残るものである。この眼鏡市場のCMは優秀だ。下手に予算をつぎ込んだCMやギャラが高すぎる大スターを使った作品は、私の感覚ではあまり印象に残らない。出演者に特別な感情を持っていれば別だが。
映画「ヤマカシ」をご覧になった方ならご存知と思うが、CMで眼鏡の男性が動きにくい背広姿でありながら軽やかに飛んだり跳ねたりしている。これはパルクールというれっきとしたスポーツだ。CGではなく実際に行っている。演技をするダニエル・イラバカ氏はその道の有名人だ。
このCMの反響は凄まじい。なぜ凄まじいと思ったのは、作品としての完成度もさることながら、CM放映時間だ。通常は初公開時30秒で流すが、日にちが経ち視聴者のインパクトや新鮮度が褪せれば15秒の短縮編を流し、やがては放送打ち止めとなって別の作品を流す。実際、このCMも一時15秒編に切り替わったが、近頃は再び30秒編を流すようになった。視聴者の評判が良く、売り上げにも好影響を与えたのではないか。
それからダニエル・イラバカ氏、国籍はイギリスらしいが、この手の顔は日本人にもいそうなので親近感がもてる。メインのイラバカ氏の優れたパルクールと、冒頭の元気溌剌少女風のイメージでベッキー氏が商品名を記した大きなプラカードを掲げる絵をズームインで迫り、ラストは可愛らしさが残るベッキーの端正な横顔と眼鏡をかける動作で締めくくる。
奇を衒わない定番の演出と構成だが、軽快なかけ心地の眼鏡を雄弁にアピールしている。



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カダフィ大佐(4) 近頃の現象[五百七十八]
国際刑事裁付託盛り込む―安保理
国連安全保障理事会は26日、公式会合を開き、対リビア制裁決議案を全会一致で採択した。決議は「(同国で反政府デモが始まった)15日以降の情勢を国際刑事裁判所(ICC)に付託すると決定する」と明記しており、今後、カダフィ政権当局者が人道に対する罪に問われることになる。(時事通信)
【雑感】これでカダフィ大佐の亡命も難しくなってきた。匿ってくれる国は少なくなるだろう。1週間くらい前なら南米などに逃げる手もあったが。
報道を信じるならば、もはやリビア東部だけでなく、全域がカダフィ政権から離脱して残すはカダフィ大佐が篭城している首都トリポリくらいだ。そこでも数千人規模のデモが発生している。
カダフィ大佐の演説に「私は大統領ではない。革命指導者だ」という文句があったが、確かにその通りなんやけど、事実上国家元首の扱いで国連に出席したり、他国との交渉などもやってきた訳だから、革命だけでなく国民国家に対しても責任があるんだが。
因みに日本語では「カダフィ大佐」と呼ばれているが、カダフィ本人は「私は大佐ではないし、もう軍人ではないので、その呼称はやめてくれないか」と言っていたらしい。既に「大佐」が定着しているので日本はそのまま呼んでいるのだが。
結局どういう意味かというと、ケンタッキー・フライドチキンの創業者カーネル・サンダースも、サンダース陸軍大佐という意味ではないのと同じである。
日本語では軍隊階級名は古代日本の律令制から由来する「将(かみ)・佐(すけ)・尉(じょう)・曹(そう)」の4階級をさらに大中小に分けたもの、本来は将は長官、佐は補佐役といった意味があったが次第に1位2位の序列を表す程度の意味になってしまう。
ところが英語の場合、カーネル(大佐)・メイジャー(少佐)・キャプテン(大尉)・ルタナン(少尉)は軍隊用語では階級名だが日常会話では役職をあらわす単語でもある。ルタナンは副官とか補佐役の意味があり、キャプテンはスポーツチームの主将の意味でも使われる。カーネルは指導者とか顔役とか地元名士にも使われる。
少し話が逸れるが、ヒトラーの役職も日本では総理大臣と大統領を兼ねているようだから「総統」としたが、ドイツ語では指導者・リーダーという意味でしかない。
カダフィ大佐は元首も議会も行い直接民主制のようなものをしいた。本当に機能していたら素晴らしいことだが、この制度は残念ながら独裁になるか、責任者不在で混乱するかどちらかに傾く。
実際、私自身も小さな活動団体で経験した。肩書きにこだわらない全員平等で自由な体制にすると、責任の所在が曖昧になるので、結局は人望があってリーダーシップが取れる人間がイニシアチブを取らざるを得なくなり、やがては独裁のような状態になっていく。他のメンバーもリーダーに任せきりになるか、あるいは文句ばかりをいうだけになる。
最終的には、代表以下役割分担をやった従来の組織のほうが、かえって公平になる。
カダフィ大佐が倒れたら、しばらくは無政府状態になるかもしれない。



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今日の晩御飯(32) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[八十七]

【雑感】昨夜の「今日の晩御飯」である。
昨日、ふきのとうを頂いたのでさっそく天麩羅にした。ふきのとうは雪どけの象徴、今が旬の山菜だ。形が少しホップに似ているし、同様に芳香と苦味がある。天麩羅にするとそれらが抑えられてしまうが、ほのかな苦味とオリーブ油の香りと甘さが相まって美味である。
今時分は天麩羅屋でもふきのとうとたらの芽は天麩羅ネタの代表的山菜だ。
ふきのとうの効能は、たしか発癌物質など毒素を除去したり、整腸作用で免疫力を高め、咳止めにも効果があるといわれている。寒い冬から暖かい春に向けて成長する花蕾、生命力に溢れている訳で、そのエネルギーと有効成分を天麩羅にしてごっそり頂く。
ふきのとうだけを天麩羅にしたのではボリュームに欠けるので、冷蔵庫に残っている舞茸も天麩羅にする。舞茸も天麩羅ネタによく使われる。茸の中でも免疫力アップの食材として有名だ。これらだけではボリュームが少ないので、薩摩芋を天麩羅にしてカサ増しする。

いつもは、連れ合いが書道をやっている関係で和紙を下に引くのだが、今回は料理用の油取り紙を使った。
我家の標準的晩御飯をご存知の方は察していると思うが、平素は玄米飯・味噌汁・煮付・キムチの質素な組み合わせで済ましているので、このような野菜・山菜の天麩羅を食卓の中央に置くと誠に豪華絢爛。つい食が進む。これでビールが付いたらなお良いのだが。
「豊な食卓」を囲みながら、TVで放映されている「ナルニア国物語」を鑑賞する。ふと気が付いたのだが、「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」では食卓の描写にも力を入れていて、ソーセージやビールが欲しくなってしまうのだが、この「ナルニア国物語」は食事の場面が殆ど無い。この第一章ではせいぜいお茶を飲んだり菓子を食べたりする程度だ。しかも美味しそうには見えない。
「ナルニア国物語」に物足りなさを感じてしまう理由の1つだな。



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お茶菓子 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[八十六]

【雑感】身体に良いとはいえないが、今日は晩御飯を食べる前にお茶を一服、スタンダードな猫の糞型のかりん糖を食べる。
広義では郷里の芋ケンピもかりん糖の一種になるが、私は芋けんぴとかりん糖は別と認識している。
かりん糖には地方によって様々な種類があるが、やはりこの黒砂糖を用いて油で揚げた猫の糞のような形のモノが一番だ。最初はやや硬くて口の中の粘膜を切ってしまう鋭さがあるが、噛むたびに軟らかくジューシーになり黒砂糖の香りと油の甘味が織り成す液状化した食感になる。
猫の糞型かりん糖の手前には緑茶。紅茶や珈琲もよく飲むし銘柄にもこだわるが、菓子全般に合うのは日本の緑茶だと私は信じている。
かりん糖はけっこう古い菓子だ。小麦を練って棒状に形を整えたモノを油で揚げた唐菓子が起源で、奈良時代に中国から製法が伝わり上流階級で食されるようになった。
岡野玲子氏の「陰陽師」では、主人公安倍晴明の恋人真葛や友人の源博雅が結果(結んだ果物。小麦粉を練って結び目をつくって油で揚げる)や索餅(小麦粉を練って棒状にして茹でる)を食べる場面がある。大和和紀氏の「あさきゆめみし」では、少年時代の光源氏が義母から唐菓子を誘われる場面がある。
これらが時代とともに変遷して、現在の駄菓子かりん糖になったと私は聞いている。甘味料が少なかった古代日本、砂糖を使わず小麦粉を練ったモノを油で揚げただけでも香ばしくて甘い食べ物だろう。当時は油で揚げる調理法自体あまり行わなかった。甘さに飢えていた少年時代の私も天カスをこっそり食べていたし、高校生時代は部活の帰りにコロッケをおやつ代りによく食べた。
一説にはポルトガルやスペインにも似たような菓子があって、安土桃山時代に南蛮菓子としてヨーロッパから伝わったとする話もあるそうな。しかし私は中国伝来説のほうがしっくりくる。



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「死にゆく妻との旅路」 晴雨堂推薦新作映画

(C)2011「死にゆく妻との旅路」製作委員会
俳優の三浦友和と石田ゆり子が26日、都内で行われた映画『死にゆく妻との旅路』の初日舞台あいさつに出席した。夫婦の絆を描いた同映画について三浦は「劇中で妻(石田)に“名前で呼んでほしい”と言われるシーンがあって。ウチも現実に(妻・百恵さんと)『お父さん、お母さん』との呼び合いになっているので、女の人は名前で呼ばれたい気持ちがあるんでしょうね」と女心に理解を示しながらも「まあ、名前で呼ぶわけではないんですけどね、絶対」とあっけからんと話し、笑いを誘った。(オリコン)
【雑感】ドキュメント的ロードムービー、これは現代の日本を反映したリアルな低予算映画だ。私は潤沢な資金を背景に制作された映画よりも、切り詰めて俳優の演技と脚本で魅せる作品のほうに好感を持ってしまう。
「夫婦」の逃避行、と言えば真っ先に思い出すのはアメリカン・ニューシネマの「俺たちに明日はない(ボニーとクライド)」だ。大恐慌時代のアメリカで銀行強盗を繰り返し、最新のフォード乗用車で全米各地を逃げまくった。1930年代のカッコ良いスーツとドレスに身を包んでマシンガンを乱射する、そんなイメージで強盗をするのだが、逃避行はかなり過酷だったようだ。「晩年」になると監視が厳しくてホテルや民家に泊まる事ができず、車の中で寝泊り、風呂にも入れない。
現代日本で「俺たちに明日はない」のような作品は説得力ない。ボニーとクライドみたいにロビン・フッドを気取って権力を敵に回すような行動は、平均的日本人には向かない。
本作の場合、町工場を経営していた主人公が仕事に失敗して多額の負債を抱え夜逃げする。独りで失踪するつもりだったが、癌の手術をしたばかりの病み上がりの妻から懇願されて2人で逃避行をする。逃走の過程で、主人公は職探しをするが雇ってもらえるところは無く、9ヵ月ものあいだをワゴン車の中で暮らす。妻は癌を再発させて次第に弱ってくる。これは実際に保護責任者遺棄致死事件で報道された清水夫妻の実体験を元に描いており、世代的に近い主演の三浦友和氏は「他人事ではない」と語った。
ロケーションは実際の逃避行に沿って行われ、多くの時間をワゴン車の中で撮影された。車中の撮影は小さな手持ちカメラで行い、監督や他のスタッフは車の外、殆どを狭い車中で三浦氏とヒロインの石田ゆり子氏の二人芝居を行った。
私にとっても身につまされる話だ。
上映は、舞台となった富山県や石川県では既に地元シネコンなどで先行上映。随時、全国上映される予定である。大阪では3月5日から梅田駅前の梅田ブルク7で。



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カダフィ大佐(3) 近頃の現象[五百七十七]
リビア情勢を巡る25日の国連安全保障理事会で、カダフィ氏に忠誠を誓い続けていた同国のシャルガム国連大使が突然、カダフィ氏への非難演説を行って決別を宣言した。(読売新聞)
【雑感】カダフィ側から見れば、リビアから遠く離れた「安全地帯」の晴れの場で自己保身に出た裏切り、となるだろう。万が一カダフィ政権が持ち直したら、シャルガム国連大使はそのまま宿敵だったアメリカに亡命する事になる。となれば「アラブ」を裏切ったことにもなりかねない。
だから、国際政治の現場に立たされ風を見る眼が肥えている国連大使の判断は、けっして安易な自己保身ではなく、もはやカダフィ政権が風前の灯である事と、傭兵によって市民を虐殺した事でカダフィ大佐のカリスマも地に落ちた点を考慮して、利益と道義の双方の視点で「尽くし甲斐」が無いと決断したと思う。
アメリカはカダフィ大佐の資産凍結に乗り出してきたし、反政府デモは首都にも数千人規模で展開するようになった。次第にカダフィ大佐の再浮上の可能性どころか退路すら無くなりつつある。英雄が零落れるのは寂しい。
単純に国益、言い換えれば自分自身の生活の問題で見れば、一連のアラブの民主化ドミノ現象は無邪気に喜べない。80年代後半から90年代前半にかけて旧ソ連や東欧諸国が次々と社会主義政権を放棄して民主化へ雪崩れ込んだ。当時の私は若かったから無邪気にワクワクしたものだが、マイナス面は決して小さくはなく、むしろ米ソ2つの超大国が対立していたおかげで目立たなかった民族紛争や宗教対立が、一方の雄が倒れたことで鎌首をあげて全世界にテロや内紛が増加することになった。
その前のアフリカ諸国独立にしても、欧米列強の植民地から脱却したのは良かったが、政治経済の訓練を受けた欧米人を追放もしくは粛清したため経済はむしろ悪化し、そのため部族間紛争を増加させた。
アラブ諸国の民主化は道義的には良いが、しかし四半世紀以上による長期独裁政権はパワーバランスを保ってきた。日本をはじめ先進諸国に石油を安定供給してきたのは、独裁政権のおかげでもある。その秩序が乱れるのだ。
問題なのは一連の民主化運動は横の繋がりだけの展開、アナーキストにとっては理想的な運動かもしれないが、リーダー不在は混乱を収拾できず、リビアなどではカダフィ大佐が強力に抑えていた部族間対立を表面化させることになる。
そうなれば混乱は長期化して原油価格の高騰を招き、原油は輸送費に直結するため物価高を引き起こす。しかも天候不順で世界的に食糧価格が急騰する事が判っているから、ダブルパンチだ。さらに日本は赤字予算と同じく国内の食糧も海外からの輸入に頼っているため、下手をすればトリプルパンチだ。そして将来的には日本の第一次産業の平均年齢は還暦を過ぎているわけだから、生物学的にあと10年あるいは20年経つと滅んでしまうかもしれない。この状況を知りながら、自民党政権は農林水産の体力を殺ぐ政策を一貫してとり続け、民主党政権でも改善策をとれないまま時間が過ぎている。
私が20代の時に起こった旧ソ連・東欧諸国の民主化ドミノの時みたいには喜べない。語弊を恐れずに言えば、むしろ暗黒の時代に入ったような気分だ。



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東京都知事選 近頃の現象[五百七十六]
後継に松沢神奈川県知事
東京都の石原慎太郎知事(78)が、4月の都知事選に出馬しないことが22日、分かった。長男で自民党の石原伸晃都連会長らが支援者らに伝えた。石原知事らは後継候補として、神奈川県の松沢成文知事の擁立を進めている。自民党都連は石原知事への出馬要請に向け準備を進めていたが、戦略の練り直しを迫られている。候補者選びに難航する民主党へも影響しそうだ。(2月22日産経新聞)
【雑感】都知事選になるたびに思い出すことがある。
90年代前半、当時はまだ「革新系」というフレッシュな看板が色褪せていなかった左翼系市民や護憲派市民の熱烈な支持で当選した青島幸男氏、都市博中止を公約に掲げ利害関係に怯むことなく実行したことは未だ鮮明に憶えている。「誰が知事になっても同じ」という認識で投票率が下がりつつあった日本だが、青島氏のおかげで「選挙で変わる事もある」を実感した。
当時の都市博中止は、前原誠司氏の八ッ場ダム建設中止発言以上のインパクトだった。特に地方自治は国政以上に無風であることが多く、首長の顔が変わっても前職の政策を踏襲することが常態だったから、「何だかんだ言っても都市博は開催されるだろう」と多くの人がタカをくくっていたから衝撃を受けた。だがここで有権者は学ぶべきだった。特に左翼系と護憲派は。
都市博中止の代償は小さくなかった。土木建築業界は大打撃を受け、青島氏は補償を明言したものの下請け孫請け業者には手が回らず倒産が相次いだ。なにしろ孫請けあたりになると契約書の作成すらいい加減、日本的あ・うんの関係で仕事をもらっていることも少なくない。バブル景気が破裂する時期とも重なっていたので関東一円だけでなく引いては日本経済にも痛手を与えた。
これによって青島氏も路線変更を余儀なくされる。たぶん「こんなに大変だったとは」「こんな事になるとは」とショックを受けたのが実像ではないか。東京都官僚との関係修復に努め、協調して改革を緩慢ながらも進めていく。ところが青島氏を支持していた人々からは役人に丸め込まれているように見え、次第に怨嗟の声を上げるようになった。
雑誌かTVかは忘れたが、任期後半の青島氏はインタビューで自分の政治を80点と答えてマスコミを驚かせた。当時は私も「青島は浮世離れしているのか」と不快になったが、今は気持ちが解るような気がする。部下である東京都職員たちに気を遣い緩慢ながらも職員たちと一緒に改革を進める、不可能と思われた都市博中止も実現した、これだけ頑張っているのだから80点だろう。
ところが青島氏の思いは「革新系」を中心に有権者たちを怒らせることになった。参院議員時代に共闘していた政治家・ジャーナリスト・市民運動家から「裏切り者」とでも言わんばかりの激しい非難。2期目当選確実と言われていたのに出馬をやめてしまったのは、頑張っているのに仲間や友軍だったはずの人々から認めてもらえない孤独さから知事を続ける意志が萎えてしまったのではないか。
青島幸男氏の退場とともに現れたのが、国会議員を引退した石原慎太郎氏である。突然の出馬表明にマスコミは騒いでいたが、中曽根康弘氏ら保守の重鎮は以前から石原氏を都知事に推していた様だったし、青島氏の退場で確実に勝てると石原氏も見たのだろう。石原氏の出現で、勝てる戦だと思って討って出た舛添氏は戦上手の勘を狂わされた。
石原氏の3期12年にわたる長期都政の幕開けとなるが、当時の「革新系」の論調は石原氏を当選させた都民の「低レベル」や「無知」を非難していた。だが本当に無知で低レベルなのは「革新系」ではないのか。青島批判の結果、石原都政が誕生したのだ。
ただでさえ戦力不足の「革新系」、本当は天皇制を廃止したいのに護憲にまわったのは、下手に改憲を訴えると保守系の憲法が通ってしまうから、現状維持大好きの日本人の民族性を利用して護憲戦略をとっていたのではなかったのか。都政にしても、石原氏のようなタカ派首長出現を抑えるため青島氏を大事にするべきだった。
トータルで戦略や戦術を考える発想をもてないのが「革新系」の弱点だ。そして自分の不始末よりも社会や権力の責任にする傾向が目立ち過ぎる。青島氏の「失政」を民主も社民も他人事と考えていたのではないか。



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東国原英夫(9) 近頃の現象[五百七十五]
橋下大阪知事らと連携視野
東国原英夫前宮崎県知事(53)は24日、4月10日投開票の東京都知事選に無所属で出馬する意向を固めた。複数の関係者に伝えており、近く正式に表明する。橋下徹大阪府知事らと連携し、国から地方への大幅な権限や税財源の移譲を進め、行財政システムの抜本改革を目指す考えだ。東国原氏はこれまで、都政の重要課題として新銀行東京の経営再建や築地市場(中央区)の移転問題などを挙げている。(時事通信)
【雑感】タイミングからいって、石原慎太郎氏の動向を見てから決めたな。
左翼系市民や護憲派市民からは蛇蝎の如く嫌われている石原慎太郎氏だが、数字上では東京都民の絶大な支持を得ているのも事実。78歳と高齢だが、見た目は堂々とした立ち振る舞い、内実は判らないが辛らつな石原節も健在だ。実の息子石原伸晃氏も4選目出馬を熱心に要請していた。伸晃氏は自民党幹事長と自民党東京都連の会長を兼任、いわば自民党の実務トップで全国と東京都の選挙を取り仕切る最高責任者から4選を求められていた訳だが。
石原慎太郎氏の不出馬で東国原氏は勝算を見たはずだ。いかに人気があっても、石原氏にも根強い人気があるうえに強力な組織力がある。しかもその組織力は石原氏の実子が幹事長と都連会長の権限を駆使して動かすから苦戦は明らかだ。かつて舛添要一氏も人気と知性と若々しさで都知事選に挑んだが、まさかの石原慎太郎氏登場で撃沈された経緯がある。
石原氏が4選目を出馬するかどうか態度を曖昧にしていたゆえに東国原氏も決めかね、宮崎1区から衆院選出馬の選択肢を残して様子を窺っていたように見える。



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幸福の科学 近頃の現象[五百七十四]
名誉毀損で提訴―東京地裁
宗教法人「幸福の科学」(東京都品川区)の大川隆法総裁に名誉を傷つけられたとして、大川氏の妻が24日、大川氏と教団を相手取り、1億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。(時事通信)
【雑感】すわっ! 内紛か? 大川きょう子氏が夫の大川隆法氏と教団を相手に提訴か。よく判らんなぁ。
そういえば、前の衆院選のときだったか、幸福実現党なる組織を立ち上げ全国の選挙区全て?に候補者を擁立したので些か驚いた。自民党や民主党を上回る数、共産党でもなかなかできない芸当だった。
この党もよく判らん。まず代表がコロコロ変わった。最初は誰だったか、名前忘れたがとにかく40代くらいの男性が党首だった。ところが1・2週間程度で大川きょう子氏が党首になった。一般的な感覚で言えば、御大である大川隆法氏は前に出てはありがたみが薄くなる、かといってネームバリューの無い人間が党首ではパッとしない、「大川隆法氏の妻」という重みがあり大川きょう子氏の党首就任は妥当だろう。むしろ最初からきょう子氏が党首になったほうがスッキリするのだが、なぜか回りくどいことをやった。
ところが、1ヵ月以上たってから大川隆法氏が党総裁に就任、党総裁と党首とどう違うのか? ともあれ、創価学会の池田大作氏でさえ公明党の代表にはならなかったのに、大川隆法氏は前に踏み出す。あれ? そう思っていたら今度はドクター中松氏が特別代表? きょう子氏は党首でなくなる? といった具合で、この後もめまぐるしく党首は交代してイチイチ名前は憶えていない。
私が少し興味を抱いたのは、きょう子氏の待遇だ。大川隆法氏が宗教指導者として権威のトップに座り、きょう子氏が俗世の政党の責任者として実務トップになる、というシステムは日本的でしっくりくるだろうが、これは長続きしなかった。
立候補するしないと話も何度か変わっているらしく、挙句にきょう子氏は党の役員からも候補者からも抜け、1年後には幸福の科学からも脱退、教団側は「脱退」されるのが嫌だったらしく「永久追放処分」を下す形にする。
そして今や訴訟合戦の様相を呈し始めている。また離婚調停を起こしているので泥沼に見える。
とりあえず、判っていることは一昨年の衆院選の頃からゴタゴタしているくらいか。足元・身内で不協和音が起こってしまっては、イメージ減退は免れない。幸福実現党がきっかけの騒動だったら皮肉だな。



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カダフィ大佐(2) 近頃の現象[五百七十三]
アフリカ人雇い兵が市民殺りく
カダフィ政権投入
事実上の内戦状態との見方もあるリビアでは、カダフィ政権が雇ったとみられるアフリカ諸国の外国兵が、東部の町で市民を容赦なく殺害、襲撃したとの証言が相次いでいる。独裁政権の冷酷な仕打ちが、市民の怒りを増幅した上、国軍の離反も招いたようだ。(毎日新聞)
【雑感】カダフィ大佐はお気に入り政治家だったのになぁ。顔つきが少し丹波哲郎が入っていて、最近のファッションは大霊界を説いている時の丹波氏に近いので熱い親近感を抱いていたのだ。
第一報では数百人規模のデモで、警官隊と衝突して十数名が負傷、という程度だった。リビアにはカリスマ性のあるカダフィ大佐がいるし、軍と警察は強力だし、あからさまに富は独占せず貧富の差は開かないよう配慮し、自らは遊牧民出身をアピールして天幕に寝起きし、米軍に空襲され半壊した自邸はそのままにするという演出。国民の怨嗟は起き難いし、最小限に抑えられる体制だと思っていた。
一昔前までカダフィ大佐はアメリカ帝国主義に真っ向から立ち向かいアラブの結束を呼びかける英雄だったではないか、ついこないだまではアフリカ連合結成の立役者だったはず、いわばアラブとアフリカの「顔役」なのに、足元で崩れるとは。
デモ隊に情け容赦なく機銃掃射、国軍とは傭兵部隊や私兵を投入して国民を虐殺、これが事実なら政権は維持できない。下手をすれば亡命を受け入れてくれる国すら無くなる。ルーマニアのチャウシェスク政権も末期は国軍にも裏切られ、市民たちの怨嗟の中で処刑された。カダフィ大佐もそうなる可能性が出始めた。



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谷垣禎一 近頃の現象[五百七十二]
菅政権の発足後2回目となる党首討論が23日行われ、菅首相は「ここまで景気が回復しつつある中で、2011年度予算案をちゃんと成立させ、執行することが、国民生活に最も重要だ」と述べた上で、「予算案、予算関連法案を年度内に成立させるのが望ましいのは言うまでもない」と強調した。(読売新聞)
【雑感】菅直人首相と谷垣禎一総裁、両者の主張は一応正論だ。だが現状に即していない。
菅直人首相への国民の信頼は極めて低下している現状であれば解散総選挙で信を問う必要が出てくるが、国庫の問題はもはや待った無しの状況で予算を決めずに解散というのもふざけている。
そもそもこれだけ国家に借金を増やしてきたのは民主党政権ではなく長らく政権を独占してきた自民党である。自民党が下野して党内改革を進めているのなら良いのだが、こないだの稲田議員の質問では国家の大計より如何に民主党を追い詰め困らせることしか考えていないように見えてしまう。予算委員会で10年以上前の前原誠司外務大臣の渡航歴を追及されても、生活が窮乏しつつある国民の一人としては、「今はそんな事どーでもええんじゃ、予算を審議しろボケ!」と怒鳴りたくなる。
そして稲田議員にそんな質問を許している谷垣総裁が信頼できない。個人的にはチャリンコ好きのサイクリスト谷垣氏には親近感を持っているのだが。
そして菅直人氏にしても、たしかに予算は本年度中に決めるに越したことはないが、本気で今の予算が万全と思っているのだろうか? もっと審議を尽くすべきではないか。熟議は菅首相から言い出したことだ。
半分近くが借金ということは、仮に予算関連法案が本年度中に決まらなくても、単純に考えれば今年の秋までは銭がある。給料もらったら最初にドカンと使ってしまうのは国にも当てはまるようだが、それを考えてもまだ今年の夏までは時間がある。
今年の5月くらいまで粘って議論しても、私はバチは当たらないと思う。物理的にはまだ3ヵ月ほど議論の時間はあるのだ。統一地方選挙の期間を省いてもだ。
どうも両者とも、イマイチ説得力に欠ける。



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渡部陽一(4) 近頃の現象[五百七十一]
独特な口調でテレビやCMなどで人気の戦場カメラマン、渡部陽一氏(38)が22日、近く“戦場復帰”することを明らかにした。この日、都内で「渡部陽一の世界名作童話劇場」と題したよみきかせライブを行った渡部氏は「近いうちに」紛争地域に取材で旅立つことを明言。候補地としてパキスタンなどを挙げた。エジプトなど中東情勢が緊迫化する中、あえて紛争地域に戻る選択をした。(デイリースポーツ)
【雑感】戦場カメラマン渡部陽一氏の決断を支持する。
前の記事で指摘したように、「戦場カメラマン」としてこれ以上TV出演するには、やや旬を過ぎている。今はまだ渡部氏を「戦場カメラマン」というジャーナリストとして扱い、TV出演はあくまで「お客さま」待遇だが、これ以上戦場復帰が長引くと、次第にTV側は冷ややかになるし駆け出しピン芸人扱いになる。視聴者も渡部氏の志を疑うようになる。
おそらくジャーナリスト仲間からは既に辛辣な非難の声が大きくなってきていることだろう。表立って非難されなくても冷ややかな目になってきているはずだ。
私としては、そんな冷たい圧力におされて戦場復帰するのではないと好意的に考えている。最初から渡部氏は番組改編期の春を目処に戦場復帰を考えていたのではないかと思っている。
ましてや、これだけ中近東が激変しているのだ。報道カメラマンの血が騒がなかったらモグリだ。



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夏菜 近頃の現象[五百七十]
ヌードシーンがあると評判だが・・。

日本タレント名鑑から参照
【雑感】巷では現在公開中の話題作「GANTZ」で、新進気鋭の女優夏菜氏の全裸が見られると評判のようだが、私はあまり驚かない。
彼女の一件で驚いたのは、チュートリアル・くりぃむしちゅー・ネプチューンのお笑い芸人7名が司会進行するバラエティ番組「しゃべくり007」に出演されて、家では家族全員すっぽんぽんの状態と公言したことだ。しかも2人の弟は精力みなぎる多感な思春期の高校生。
父親と弟たちのイチモツを見慣れている事に驚きだが、父親や弟たちが平然としているらしい(彼女の弁)というのも驚きだ。彼女の父母はヌーディストに関心があるのだろうか? ナチュラリストの中には裸文化を大事にする派も存在する。
たしかに、南米やニューギニアやアフリカの裸族を見てエロを感じる人は極めて少数派だから、夏菜氏のご家族もそんなナチュラルファミリーなのだろう。
日本の北国やヨーロッパなどの寒い土地では就寝するとき、すっぽんぽんで布団に入る習慣があるというのを聞いたことがある。そのほうが逆に寒くならないとか。夏菜氏の家族の習慣はそれからも逸脱している。素晴らしい。
彼女を初めて知ったのは、TVドラマ版「嫌われ松子の一生」だったが、悪いがあまり印象に残っていない。あのドラマは5年くらい昔だと思うから下積みの潜行期間が長い。けっこう私は邦画も観てきているのだが、昨年の多部未華子氏主演の映画に主人公の友達役で出ていたような記憶があるだけだ。ほかにどんな映画に出ているのか、ご存知の方は教えてくれると有難い。
特に彼女のファンという訳ではないし、俳優・夏菜氏に特別な感情は無いのだが、彼女のご家族の風習は支持する。とかく世間は裸文化を卑しいものと差別する。かつて日本は裸に対して抵抗は無かったのに西洋のキリスト教文化の悪しき部分の影響を受けて裸文化を弾圧したり卑しいものと見るようになった。
かつては駅の待合室で胸を肌蹴て赤子に乳をやる行為はエロではなく日常ありふれた風景だった。それができなくなった社会的制約と児童ポルノ問題は、因果関係があるのではないかと勘繰る。
渡辺家の「支持者」として夏菜氏の活躍を見守りたい。



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日本相撲協会(10) 近頃の現象[五百六十九]
魁皇、欧洲、大海ら大関も勢揃い
大麻取締法違反で逮捕され、2008年8月に日本相撲協会から解雇されたロシア人の元幕内若ノ鵬(22)=本名ガグロエフ・ソスラン=が、21日発売の「週刊現代」で現役時代に21人の力士と八百長を行ったと実名をあげて告発した。その中には、魁皇、琴欧洲、引退した琴光喜、千代大海の大関陣ほか、関脇琴奨菊ら幕内上位力士も含まれており、八百長問題の波紋は、さらに広がることは必至だ。(夕刊フジ)
特別調査委お手上げ!
携帯電話会社がデータ開示拒否
大相撲の八百長問題の全容解明を目指す「特別調査委員会」(伊藤滋座長)は21日夜、東京・両国国技館で放駒理事長(元大関・魁傑)同席のもと会合を開いた。会合では、八百長関与の疑惑をかけられている14人の親方、力士らの携帯電話提出が遅れているうえに、携帯電話会社からも捜査権がないことなどを理由にデータ開示を拒否されていることが判明。“八方ふさがり”の状況に各委員は頭を抱えた。(スポニチアネックス)
【雑感】放駒理事長も伊藤滋座長も、問題の本質が解っていないのか、あるいは逃げているのか。
犯人探しは意味が無い。一部の力士個人のせいにして蜥蜴の尻尾切りしても傷口を広げるだけだ。これは相撲界の風土だ。処罰の仕方いかんでは、若ノ鵬のようにスキャンダルを放言するようになる。果たして親方も無傷でいられるかどうか、そんな目で世間も見る。
日本には古来から連帯責任という伝統があるではないか。日本の伝統を守る日本相撲協会であるなら、力士個人の責任に押し付けようなどと卑屈な個人主義に走るのではなく、日本相撲協会が力士たちの分もひっくるめて全ての責任を取るという発想が何故できないのか? 何を怖がっているのか?
潔く公益法人の看板を国家に返上し、理事会は総退陣し組織の抜本的刷新をするしか道は残っていない。
だいたい、前にも指摘したが行司が軍配を持って土俵で立っているのに、なぜ力士あがりの親方の分際が偉そうに黒紋付の羽織袴を着て審判を務めるのか? 取り組みによっては自分の弟子の立ち合いを吟味することもあるとか、日本VS中国のサッカー試合で審判が全員中国人で選手の親戚だったらどうなるか? 火を見るより明らかでトンデモ話だ。
審判は行司一人に全権限を与えて任せるか、あるいは溜まりに座る勝負審判たちも行司OBでかためるべきだ。個人的には、神事らしく土俵の行司は従来通り侍烏帽子に直垂姿、溜りの審判たちは立烏帽子に狩衣姿が洒落ている。
協会理事も殆どを力士あがりの親方だけでかためるのではなく、半分は行司あがりや外部の人間でかためる。でないと公平性を担保するのは難しい。外部の人間も日本相撲協会とは全く利害関係のない人間であることを絶対資格条件とする。
一部の力士個人の不心得で片付けようとする魂胆が見苦しい。協会全体が責任を負い罪を背負い、協会全体で罰を受ける。でないと解決できない。



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標準的な晩御飯 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[八十五]

【雑感】あれから金曜カレーはトマトベースの野菜ジュースで水増しするなどして長く食べ続けようとしたが、昨日の朝で食べつくしてしまった。いつもなら一週間程度はもたそうと大量に作るのだが、先月のクリームシチュー事件で連れ合いは「2・3日で食べきれる量」と厳命してきた。あの時は感冒の影響でシチューが喉を通らず大量に余らせてしまっただけでなく、2週間ほど放置したためにカビが生えてしまい鍋を洗うのに難儀した。
カレーとクリームシチューとでは、食欲煽動効果は天と地ほど差があるのだが、連れ合いは聞き入れない。
夢のようなカレーライスの日々は短期間で去り、昨夜は平凡な晩御飯となった。上記写真が昨夜の晩御飯、すなわち我家の標準的晩御飯である。
玄米飯・豆腐とワカメの味噌汁・菜っ葉と油揚げの煮付け・キムチである。以前は煮付けに使用するのは油揚げではなく厚揚げだった。おかずももう一品多く焼き魚がついた。玄米飯には炒り胡麻をベースにした振りかけもついた。家計の苦しさはじわじわ圧迫している。
とはいえ、ウチの玄米は市販のコシヒカリより高いものを大阪愛農から、豆腐も油揚げも2倍近い値段のものを関西よつ葉から買っている。
市販の安売りを買えば、見た目はかなり贅沢な食卓になるのは間違いないのだが、私も連れあいも食に対して意地がある。メインの食事は無農薬有機農法であることは譲れない。特に玄米飯のおかげで痔の症状が緩和されたのだ。
食欲も色欲もナチュラルが一番である。



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稲田朋美 近頃の現象[五百六十八]
前原誠司氏の10年以上前の行動を批判?
前原誠司外相は21日午前の衆院予算委員会で、野党時代の平成11年に北朝鮮を訪問した際、日航機「よど号」乗っ取り事件の犯人と一緒に写真を撮影していたことを明らかにした。自民党の稲田朋美氏の質問に答えた。(産経新聞)
【雑感】自民党も危機感あるのかな? 民主党の追い落としに熱心だが。
暇だったので、何気にNHKの国会中継を見た。ちょうど、外務大臣の前原誠司氏が自民党の稲田朋美氏の質問を受けているところだった。
自民党の保守論客として脚光を浴びつつある稲田朋美、関西のローカル政治番組「たかじんのそこまで言って委員会」で一気に有名になった感がある。彼女は堂々とした所作とよく通る声で、なかなか議員向きのキャラクターだ。左翼市民から見れば保守反動無知蒙昧時代錯誤的迷政治家らしいが、少なくとも今日の国会での質問はあまり良い感じはしない。
日の丸法案を審議されていた時期、これは90年代末の事なのだが、野党時代の前原氏は北朝鮮に渡ったという。それを追及されているのだが、私は「あれ? 外交委員会? 外交防衛委員会? 今は衆院予算委員会のはずなのに?」と我が耳を疑い、TV画面左上角のテロップを確認した。たしかに予算委員会だ。
前原氏はときおり苦笑をみせながら答弁に立っていた。前原氏の「笑顔」がどういう意味かは判らないが、私が前原氏の立場なら稲田議員の質問に呆れ果てて大笑いをしてしまうだろう。
優先課題の順序を考えたら、国民目線ではどう考えても11年も前の北朝鮮行きを質問しても、なにがどう関連しているのか理解に苦しむし、さっさと予算をなんとかしろ!が国民全体の気持ちだ。民主党の予算案に気がかりな点を指摘して善処を要求するよりも、政局がらみで過去を穿り返して民主党を追い詰めているようなイメージを持つ。
私はあまり上手な攻撃とは思えない。極右から保守右翼市民たちは喜ぶかもしれないし、産経新聞読者にとっては興味深い話かもしれないが、国民生活がかかっている土壇場の予算委員会でどうしても質問しなければならない案件にはどうしても思えない。
救急車内で必死に重体患者の蘇生処置をしている横で、政府要人の過去の「スキャンダル」を暴いても仕方がない。ハローワークで求職活動している人たちの横で、大臣の野党議員時代の渡航歴を知ったところで意味が無い。まずは予算問題をクリアして、然る後に前原氏を追及したら良いではないか。
左翼は馬鹿の一つ覚えみたいに「9条、9条」、右翼は「北朝鮮、北朝鮮」、人が死にかけている横で国の医療体制を理屈ならべて非難する者がいたら袋叩きだ。そんな事よりもまずは心臓マッサージだろう、人工呼吸だろう、119番だろう、死にかけている人を助けるのが絶対最優先である。
それに前原氏を追い詰めるメリットも判らない。稲田氏から見れば日の丸に反対し夫婦別姓に賛成したおぞましい左翼にしか見えないのだろうが、彼は護憲派市民からは逆に保守反動と見られている。特に外交や防衛問題ではタカ派だ。政界再編がもし起こったとき、前原氏は駒として手加減したほうが好都合ではないかとも思う。防衛問題では、稲田議員も前原大臣も共闘できる部分は少なくないからだ。



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「エイリアン」 不安と恐怖を楽しむ時に〔24〕
不朽のキャラクター「エイリアン」登場!
【原題】ALIEN
【公開年】1979年 【制作国】亜米利加 【時間】117分
【監督】リドリー・スコット
【原作】
【音楽】ジェリー・ゴールドスミス
【脚本】ダン・オバノン
【言語】イングランド語
【出演】トム・スケリット(ダラス船長) シガーニー・ウィーヴァー(リプリー二等航海士) ジョン・ハート(ケイン一等航海士) ヤフェット・コットー(パーカー機関士) ハリー・ディーン・スタントン(ブレット機関士) ヴェロニカ・カートライト(ランバート三等航海士) イアン・ホルム(アッシュ医療主任) ヘレン・ホートン(“マザー”宇宙貨物船ノストロモ号メインコンピューター)
【成分】パニック 不気味 恐怖 勇敢 知的 絶望的 特撮 SFホラー
【特徴】不朽の悪玉キャラ・エイリアン登場。本作以降、続編が何作も制作され、気鋭伸び盛りの映画監督がメガホンを取る事が慣習化している。さらに別シリーズでもエイリアン・キャラは登場、SFホラーだけでなく特撮界や漫画・アニメ業界に与えた影響は計り知れなく、まさに金字塔作品である。
巨大な、しかし閉鎖された宇宙船の中で、凶暴な侵入者に怯え、乗組員同士の疑心暗鬼に悩まされながら、活路を開いていく女性航海士の姿が逞しい。
【効能】スレンダー女性の逞しさに萌え。生きることに貪欲になれる。
【副作用】夜の暗い路地や消灯して暗くなった職場が怖くなる。タラバガニが怖くなる。
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フィギュアスケート四大陸選手権 フィギュアスケート[六十]
安藤美姫、自己ベストで初優勝
浅田真央2位
フィギュアスケートの4大陸選手権は最終日の20日、台北で女子フリーがあり、全日本選手権を制した安藤美姫(トヨタ自動車)がいずれも自己ベストを更新するフリー134.76点、合計201.34点を挙げ、ショートプログラム(SP)の首位を守って初優勝した。(毎日新聞)
【雑感】応援している真央ちゃんが連覇を逃したのは残念だが、昨年の過渡期があるから復活再浮上を喜ぶべきだろう。196.30点は優勝してもおかしくない高得点だ。昨年秋の記事で復調の目処がたっている点を指摘したが、今年に入って安定感が定着したといえよう。
競技が終わった直後、成功して嬉しいのか2・3回飛び跳ねていた。そういえば、バンクーバー五輪のショートプログラムのときでも、ノーミスで大成功だったので小学生の女の子のようにはしゃいでいた。姉の舞ちゃんは高校生の頃から成熟した女性美なのだが、真央ちゃんは20歳を過ぎても妖精という形容が似合う中性的美少女タイプだ。
ふと思ったのだが、あの太い眉の位置、額の広さ、顔の輪郭、福耳、奈良中宮寺の弥勒菩薩像に似ているような。もしかしたら仏師は真央ちゃんのような少女をモデルにしたかもしれない。
因みに金妍兒選手は興福寺の阿修羅像のイメージだ。
昨年の記事でも指摘したのだが、真央ちゃんの上半身がかなり鍛えられている。私の気のせいかとも思ったが、連れ合いも「少し逞しくなった」と言っていたし、友人も肩の三角筋あたりが発達しているように感じた。ジャンプに耐えられるため、スピードのあるスケートのため筋力アップをはかっていると思われる。
しかし基本的な身体の線は変わっていないので軽やかな演技だった。フリーのラストで魅せたビールマン・スピンはやはり真央ちゃんが一番綺麗だ。本大会には出場していないが金妍兒選手と並んで双璧だと思う。
ミキティこと安藤美姫選手は、一般人の中に入ればかなりのスレンダーなのだろうが、真央ちゃんに比べると筋肉の重さを感じてしまう。身体も硬そうに見えてしまう。何故だろう。
それにしても200点超えをするとは。ミキティが真央ちゃんくらいの歳の頃は怪我に悩まされるは、氷上で何度も転倒するは、安定を欠きハラハラだった。いつの間にか安定感のある女王になった。
3位にはアメリカの長洲未来選手が入った。彼女は競技内容の充実もさることながら、衣装のデザインも氷上によくマッチしている。青系統の衣装とスケートリンクとの相性が良いのか? ミキティも真央ちゃんも衣装がイマイチに見えたのだが、未来ちゃんの青を基調とした和服イメージの衣装がよく似合っている。
それに対して鈴木明子選手の白の衣装はあまり印象に残らなかった。彼女は瞳が大きく舞台向きなのに、衣装の白とリンクの白で相殺されたような感がする。フィギュアはスポーツ競技であると同時に舞踊でもあると私は思っているので、衣装の選定も大事なことだと思う。
まてよ、ということは、表彰台は「大和民族」が独占したのか。私は国粋主義なのでこれは喜ばしい。
「日本人」が独占するようなことが続くと、ウインタースポーツを「国技」のように思っている欧米勢力がルール改定などを持ち出して日本勢などのアジア人を駆逐しようと謀るかもしれないが、アメリカ人の長洲未来選手がその謀略の楯になるかもしれない。北米の東アジア系選手の台頭は著しいからアメリカが政治的に謀略を阻止するかもしれないのだ。
陸上競技がアフリカ系選手に占められて久しいが、フィギュアスケートも東アジア系が優勢になって良いではないか。
いよいよ来月は世界選手権だ。金妍兒選手がどんな妙技を見せてくれるか、コーチの交代劇のマイナス影響は無いのか、興味がある。
世界選手権で表彰台にあがろうと思ったら、200点超えは必須だろう。昔なら180点や190点は優勝ラインだが、次の世界選手権では200点を超えなければ3位すら入れない。



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イチロー 近頃の現象[五百六十七]
日ごろの鍛錬の賜物だ。キャンプイン前日18日に行われた恒例の身体検査。10月に38歳を迎えるマリナーズ・イチローの測定結果は森本球団トレーナーが「すばらしい、のひと言です。悪いところがない」と絶賛するほど、際立っていた。
昨年の体脂肪率は約6%だったが、「去年とほとんど変わっていない。チームで1、2番の数値」と同トレーナー。一般の成人男性が15‐20%、チームの外野手の平均が11%というデータを挙げながら「30代ではずば抜けている」と話した。(デイリースポーツ)
【雑感】あえて名前は出さないが、甲子園球児だった頃はスリムで精悍な顔つきの選手だったのに、プロに入ってから顔つきが丸くなり顎が二重になった人は多い。体型もよく言えばずんぐりガッシリタイプ、率直に言えば肥満予備軍に変化し、引退したらメタボへまっしぐら。
その中でイチローは孤高の選手だ。高校時代の容姿との違いは、顔に無精髭?と揉み上げが増えただけ、精悍な顔つきと体型は全く変わっていない。
プロ野球選手はアスリートである。なぜ肥満系がいるのか? サッカー選手なんか太っている奴は居ない。だから野球はダサいのでサッカーファンになった友人がいる。
イチローにあやかって、昨夜は一番搾りを飲んだ。だからといって体脂肪が減るわけではないが。

麦芽100%麦酒を愛飲する者として、イチローがアサヒ・スーパードライではなくキリン一番搾りのCMを選んでくれて良かった。写真は昨夜の晩御飯とともに飲んだ一番搾り。



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金曜カレー(6) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[八十四]

【雑感】昨日は久しぶりに金曜カレーにした。
前日の晩、連れ合いとの話し合いで私がカレーをつくることになった。夕方、帰宅すると台所にはカレーに入れる食材が既に切ってザルに入っている。連れ合いが朝のうちに包丁を入れたのだ。私が切ると馬鈴薯も人参も火が通りやすいように薄く切ってしまうからだ。

ついチャリンコ旅行をやっていた若い頃からの習慣で平べったく薄く切る癖がついている。家庭でつくるカレーはゴロゴロ大きめに切った方が食べ応えがあって美味しい、というのが連れ合いの感覚らしい。私もどちらかといえば大き目の馬鈴薯・人参の方が好きなのだが、自分がやると生理的に細かく切ってしまう。

さっそく、中華鍋にオリーブ油をひき玉葱からいためる。ご覧のように玉葱も大きめカットだ。私が切ると微塵切りなのだが。これだとなかなか火が通らないし、油も少し多目にいる。
適当に黒胡椒などを入れながら炒めていく。その横で別の鍋にコンソメスープをつくる。少し隠し味に醤油も入れて味を調える。お湯で具材を煮るだけの人が多いが、私はカレールーを入れる前段階で既に野菜コンソメとして食べられる状態にしておくのだ。

カレールーはハウスの「スパイシーブレンド」辛口とS&Bの「ゴールデンカレー」辛口のブレンドだ。既製のカレールーでも他社製品同士を混ぜることでコクが出る。
さらに海上自衛隊の海軍カレーに倣って、インスタント珈琲の粉末を少量のほか、特製香辛料をやや多目に入れて香りをつける。日本カレーは味は良いのだがインドカレーのような芳香がイマイチ欠ける。私が入れた秘密の香辛料でインド並みの香りが放たれた。
ご飯は、最初に紹介した盛付写真のように玄米とする。このところ、吉野家の牛丼を控えて玄米飯にしたので便通がことのほか良い。
晩の8時半ごろに連れ合いが帰宅。風呂に入ってもらっている間にカレーを温める。例によって連れ合いには私の風呂の温度は高過ぎるらしく、湯舟に水を入れる音がする。
連れ合いが風呂から出て髪を乾かし食卓についたところで一緒にご飯を食べる。例によって「風呂に入っている間に先に食べたらいいのに」「私に貸しをつくる魂胆か?」などといらん事を詮索する。
食べ始めた当初は普通に美味いと言っていたが、食べ終わる頃になると大袈裟に泣きそうな顔をつくって「辛い・・辛い・・」と怒鳴り始め、「自分のことしか考えてない」「私が辛いの苦手なん判ってるやん!」と非難し始めた。
私としては連れ合いに辛さの素晴らしさを判っていただきたいし、きっと判っていただけ美味いと認識してくれるものと信じている。その証拠に以前は苦手だったキムチも、浅漬けの段階なら積極的に食べるようになったではないか。この時代、味覚の幅を広げなければサバイバルに打ち勝てない。そんな反論を私は並べた。
すると連れ合いはこないだのバレンタインデーの牛丼を思い出し、「お前は異常なんじゃ! あんなに七味と生姜かけたら牛丼の味が消えるやろ!」私はすかさず、吉野家の調味料と食材を使い切っているだけだ、あれで牛丼が台無しになるのなら、最初から吉野家は紅生姜も七味も置かねば良いのだ、牛丼だけで勝負すれば良いのだ、と反論。
「ああいうたら、こう言う。もう知らん」「残りのカレー、全部責任もって始末してや」と捨て台詞。私は納得できず、そもそも私という人間を知っていながら、なにゆえ私に調理を任せた? 私の料理を食べる意思と覚悟が君にあったからではないのか、と突っ込むと、連れ合いは日本アカデミー大賞へと話題を変えた。
たぶん、このブログを連れ合いが見たら、「事実無根」「嘘だ」と主張するかもしれない。立場が違えば、事実解釈も異なるからな。
それにしても昨日のカレー批判はいつもよりキツい。こないだの牛丼の一件が伏線として効いているのかもしれない。
ああもボロカスに言われるのであれば、LEEのルーを使えば良かった。10倍カレー、20倍カレーでは辛すぎて気の毒だろうと気を遣って通常の辛口にしたのだが、私は傷ついた。



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渡辺浩一(2) 近頃の現象[五百六十六]
民主党内で18日、2011年度予算関連法案をめぐり、年度内成立のめどが立たない状況を打開するには、菅直人首相(64)の退陣もやむを得ないとの認識が広がった。小沢一郎元代表(68)に近い衆院議員16人が17日に会派離脱届を提出し、関連法案の衆院再可決が絶望的になったためだ。(スポーツ報知)
【雑感】約半分が国債による借金で組み立てられた予算案、予算の内容は私から見ても些か尋常ではなく背筋がゾクッとするほど恐ろしいもの、国会での議論も十分に尽くされているようには感じられない。その上もう年度末だ。予算が決まらないと4月か5月あたりから我々国民生活に直撃する。そうなれば、民主党だけでない。自民も公明も同罪だ。国民の政治不信は最悪の状態となる。
これで中東みたいに革命が起こらないものだ。年金問題にしても、隣国韓国だったら内乱に近い状態になる。日本人はつくづく良い意味でも悪い意味でも大人しい。
実際の国会ではきちんと議論されているとは思いたいが、少なくとも小沢一郎問題などの党内事情や菅直人首相自らの「(国債評価引下げに?)疎い」発言に加えて鳩山由紀夫前首相の「(在沖縄米軍海兵隊は)方便」発言と、政権トップが率先して政権の足を引っ張り、内憂外患へ十分な力を割けずにいる。社民党の協力を得て法案を通そうと汗を流している時に、福島瑞穂党首を怒らす発言を鳩山氏がしてしまうのだから。
ロシアや中国では、もはや菅直人首相を交渉相手とは見ていない、前原誠司外相を時期首相候補と捉えている。民主党政権が倒れずに次期内閣が誕生するとなれば、民主党の次の手駒は前原氏くらいだろう。一応民主党代表だった時期もあるので、経歴では申し分ないし、40代の若い首相誕生なら人心の一新にお誂え向きだ。上手く立ち回れば小泉政権誕生時のようにまるで解散総選挙をしたかのような新風を国民に与えることが可能だろう。
しかし前原氏には前科がある。ガセネタメールを掴まされた永田寿康氏に乗って安易に自民政権批判をして、ガセと判ってばつが悪く代表職から転んだ経験があるのだ。あれから成長したとは思うが。
ただ、前原氏までアウトになってしまうと、仮に民主党が下野したら二度と政権党に返り咲くことはできないかもしれない。
日本に二大政党制は無理なのかな?
私は思うに、無理に党でまとまるよりは、二大会派制のほうが日本らしいかなとも思ったりする。少数政党が固まって会派を組む事は、世界を見渡せば別段珍しくない。これほど価値観が多様化し複雑な利害関係が絡んでしまうと、巨大政党だけでは人民の声を救い上げることはできない。少数の政党に分裂し競合する方がむしろ合理的ではないか。従来の政党の形で目まぐるしく変わる世情に対応するのはしんどい。
自民党とて、内実は派閥という保守政党が集まった連合政党みたいなものだ。民主党にしても同じになりつつある。渡辺浩一氏らの「会派は抜けるが党は辞めない」なんて・・。民主も自民も分裂したら良い。
因みに、会派の会長は代表政党の党首が務めるのが通常だが、民主党・無所属クラブの場合は党首が総理大臣なので政府側に入る。政府の役職に就いていない党の責任者は幹事長、つまり岡田克也氏が会派の最高責任者だ。会派離脱の手続きは会派会長が議長に提出して認められる。つまり岡田幹事長が「あかん!」と言う限りは法的には離脱は無い。
渡辺浩一氏だけでない。総理以下行政の長たちよ、衆参両院の議員諸君、ええ加減にしないと日本といえども何時まで安定した国情でいられるか・・。



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映画「アレクサンドリア」いよいよ上映!
キリスト教徒たちの蛮行

4世紀のエジプトを舞台に、ローマ帝国末期の混乱に翻弄(ほんろう)された女性天文学者ヒュパティアの数奇な運命を描く歴史ドラマ。『アザーズ』『海を飛ぶ夢』のアレハンドロ・アメナーバル監督がメガホンを取り、たぐいまれなる知性を持つヒロインとアレクサンドリア図書館で起こった悲劇をつづっていく。主演を務めるのは、『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズ。ヒロインの凛(りん)とした生きざまと、異文化間の壮絶な争いは必見に値する。(シネマトゥデイ)
【雑感】ヒュパティアというローマ時代の女性学者、この名を初めて聞いたのは高校生の頃、カール・セイガン氏の有名な著作「コスモス」からである。キリスト教徒の暴徒たちがアレクサンドリアの大図書館に乱入して貴重な蔵書を焼き払い、さらに学者ヒュパティアを改宗しない異教徒ということで馬車から引きずり降ろし、教会へ連れ込んで着衣を引き破り、全裸にして鋭利な牡蠣の貝殻で皮膚や肉を削ぎ落とす残酷な殺し方をした。セイガン氏はキリスト教徒が過去に犯してしまった汚点・蛮行と反省していた。
その歴史事実が2009年にキリスト教国スペインで映画化され、ついに今年春に日本でも公開される。悲劇の科学者ヒュパティアを演じるのは記事にあるように「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ氏。世間ではむしろ娯楽作「ハムナプトラ」のヒロインの方が通りが良いだろう。長い黒髪と太目の眉が素敵だ。
実際のヒュパティアとレイチェル・ワイズ氏の年齢はほぼ近い。ヒュパティアは40代前半でキリスト教徒たちの傲慢不遜無知残虐の暴力に晒されて命を落とす。首を斬られるとか、胸をめった刺しにされるという「通常の殺され方」ではない。死ぬまでに恐ろしく時間がかかる皮剥ぎの刑だ。
彼女の最期があまりにも惨たらしいので、シネマトゥデイでは「数奇な運命」という綺麗な表現で紹介している。
キリスト教などの一神教にはこんな残酷な側面があるという事を、この映画でぜひ認識してもらいたい。
キリスト教などの一神教には、他宗教や他の神を認めない事を教義自体に盛り込まれているため、信徒たちは排他的になる危険がある。排他性自体は、群れを守るため、という類人猿以前からの本能なのでキリスト教だけの責任ではないが、一神教ゆえにひとたび人間の理性という安全装置がはずれると教義を根拠に暴走しやすい。
過去の歴史で、「神」の名の下に信徒たちは、多くの民族や民族文化を弾圧蹂躙した。異教徒だけに限らず、本来は同門であったはずのイスラムの国々にも侵略を積極的に行い、宗派が違うだけで同じキリスト教徒にも「異端」や「魔女」の烙印を押して虐殺した。
果たしてこれら歴史的責任をカトリックやプロテスタントなどの信徒たちは自覚しているのだろうか? たとえば、天皇の戦争責任を追及する日本市民の中にはキリスト教徒がしばしば見かけるが、糾弾は天皇より先にバチカンではないのか?
シー・シェパードたちにもそんな悪い意味でのキリスト教的発想を感じる。団体名からしてキリスト教的だ。「シー・シェパード」って、自分たちを「海の羊飼い」と称して海賊まがいのやり方で日本の捕鯨船を襲う。そんな違法行為に屈して中止する日本政府。
ヒュパティアが守ろうとした書物を読みもせずに焼き捨て狼藉をはたらく羊飼いたちと、日本の文化を理解せず鯨肉を口にしようとせず頭から野蛮呼ばわりして捕鯨船に狼藉はたらく海の羊飼いの区別が、私にはつかない。
「アレクサンドリア」は2011年3月5日から、大阪では「なんばパークスシネマ」から、東京では丸の内ピカデリーから順次全国ロードショー。
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「アレクサンドリア」 社会問題を考えたい時に〔25〕



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渡辺浩一 近頃の現象[五百六十五]
民主党は18日午前の国会対策委員会役員会で、衆院の同党会派からの離脱願を提出した渡辺浩一郎衆院議員ら16人の比例代表選出議員に対し、2011年度予算案や関連法案に反対しないよう、国対幹部が個別に説得する方針を確認した。(読売新聞)
【雑感】「民主党政権交代に責任を持つ会」、何とも急ごしらえにつくったような長ったらしい会派名だ。菅おろしの尖兵か。勘繰りようによっては、鳩山由紀夫氏の「方便」発言も、社民党取り込みを画策する菅首相を邪魔する意図があったのかな? 一連の動きをプロデュースしているといわれている小沢一郎氏はいったいどのような絵図面を描いているのか? よく判らない。
いい加減にしてくれないと、内閣支持率云々よりも国がもたなくなる。企業の求人数に対して失業者はその2倍、半分は路頭に迷い続ける可能性がある。エジプトよりマシとはいっても、国債が破綻すると楽観できる余地は無い。
「民主党政権交代に責任を持つ会」の16人、「国民はマニフェストを評価して民主党を政権党に選んだのだから、比例区で選ばれた者としてマニフェストに責任がある」という趣旨の主張、一応筋は通っている。
しかし世間の評判はイマイチだ。まず単なる1回生議員というだけでなく、比例区名簿の下位候補者で、一昨年の民主党躍進が無ければ消えてしまう泡沫候補ポジションだった。自分自身の地盤は無いに等しいし、失礼ながら福田衣里子氏のような若さや美貌も無ければ華々しい市民運動実績も知名度も無い。民主党が転べば一緒に倒れてしまう存在だ。民主党支持者は三下みたいな存在に国政の命運が握られている事にムカつくだろうし、非民主党派は彼ら彼女たちに小沢一郎氏の影を見てしまうだろう。
1回生議員ばかりと思いきや、実はリーダーの渡辺浩一氏は古株である。2回生だ。初当選は前の政権交代時の日本新党から出ている。その後、非自民政権は急速に失速瓦解、彼は小沢一郎氏が実質率いる新進党に参加するも落選、10年以上も国会の現場から離れていたが常に小沢一郎氏の政党で「精進」してきた。
だから、渡辺浩一氏は素人同然の1回生議員ではない。国会議員を務めた年数こそ少ないが、小沢一郎氏の下で経験を積んだプロの政治家だ。ゆえに、彼ら彼女たちの筋の通った主張を鵜呑みにできない国民は大勢いるし、マスコミ各社も冷ややかだ。
もう国民は「選挙」というお祭り騒ぎには疲れている。政局劇も観飽きた。



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奥貫薫 近頃の現象[五百六十四]
『龍馬伝』武市半平太の妻熱演
女優・奥貫薫(40)が5月末にも第1子を出産予定であることが16日、わかった。夫は映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年公開)で共演経験のあるミュージシャンで俳優の小木戸利光。15日に出席したNHK-BS1・BSプレミアムの番組出演者発表会見でもお腹のふくらみがはっきりわかり、所属事務所によると現在妊娠7ヶ月で出産後も仕事を続ける予定。(オリコン)
【雑感】凄い!
武市半平太の妻は子供ができなかった。つまり奥貫氏の説得力ある演技、実生活を反映していたのか。
いつも「龍馬伝」は連れ合いと一緒に見ていたのだが、武市半平太との夫婦の会話の場面などで「子がいない」「子ができない」というフレーズを聞くたびに、私は冷汗を流した。連れ合いは奥貫薫氏より若干若いがほぼ同世代、未だ子を授かっていない。機嫌を損じはすまいか、このフレーズがきっかけで私の不甲斐なさ至らなさを芋づる式に思い出して、非難批判を浴びせてきはすまいか。あるいは「龍馬伝」の後、ずっと落ち込みはすまいか、そんな事をいつも心配していた。
私はこのニュースを朗報として捉えたい。天佑として扱う。



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カダフィ大佐 近頃の現象[五百六十三]
チュニジア、エジプトの長期政権崩壊後、リビアで民衆デモが発生したことは今回の中東激震の大きさを象徴している。同国は1969年にカダフィ大佐がクーデターで政権を掌握して以来、徹底した長期独裁政治を敷いてきた。エジプト政変後、治安部隊が警戒を強める中で発生したデモは民主化要求の大きさを示すものだ。(毎日新聞)
【雑感】ついにリビアまで波及したか。童話「三匹の子ブタ」に例えたら、チュニジアやエジプトと違ってリビアは堅牢なレンガ造りの建物、イスラムと社会主義を融合させた全体主義的国家体制に加え、カリスマ性のある「英雄」カダフィ大佐が治める国だからなかなか反政府の風は起きないと思っていたが。
個人的にはカダフィ大佐は好きなので、少し寂しい。20代後半の大尉の分際で革命を起こして王政から政権を奪取、しかも40年も政権を維持するなんて凡人にはできない。見方によってはカストロ氏より凄いかもしれん。反米姿勢というところが好感を持った。革命家らしく、機関銃のように言葉が出る演説の名手でもある。
キャラも面白い。ベドウィン族出身であることを強調したいのかもしれないが、私にはアフリカ音楽に傾倒した大御所ミュージシャンのように見える原色の派手派手民族衣装だったり、悪の首領風に爽やかな白スーツだったり、あるいはカストロ氏のように戦闘服だったり。まるで岸田森氏の嵐山長官か天本英世氏の死神博士、はたまたロックンローラーの内田裕也氏とダブって私は熱い親近感を抱いている。
政権を奪取した27・8歳頃は普通に軍服を着ていて髪も坊主頭のように短く少年のような顔だったのに驚いた。
リビアに寄航したピースボートに参加した人の話によると、カダフィ大佐はお茶目で気さくな人物らしい。
さて、問題はリビアの話ではない。強固に統制が取れたリビアでもデモということは、イスラム圏全域に飛び火する可能性が高くなってきたということだ。リビアは単純に自由を圧殺する全体主義というだけの国ではなく、人口が少ないせいもあってか油田からの収入で比較的財政は健全で人民への収益還元も行われてエジプトのように貧富の差が激しい訳ではない。また内実は知らないがカダフィ大佐は一応表向きは質素に振舞っていて、あからさまに贅沢三昧享楽三昧の生活を見せ付けるような事はしない。それどころかこれ見よがしに庭に天幕を張って寝泊りするなど、「自分は遊牧民や」とアピールしている。他のアラブ諸国の「国家元首」の中ではとても個性的で魅力的なのだ。
なにが言いたいのかというと、イスラム圏全域で反政府デモの可能性が高くなるという事は、イスラム圏は北アフリカや中近東だけでなくカザフスタンなどの中央アジアやウイグル新疆自治区などの中国西部まで広がっているので、アフガニスタンやパキスタンなどの火気と合わさって、中央アジアや新疆などへも誘爆する恐れも出てくる。
特に中国の西域は危険かもしれない。一連のアラブ社会のドミノ現象で最も戦々恐々なのは中国だ。そして、ますます日本にとっても困った事態になる。



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カリマ・エル・マフルーグ(ルビー) 近頃の現象[五百六十二]
渦中の女性が下着姿でCMに
イタリアのベルルスコーニ首相をめぐる未成年者買春疑惑は15日に公判開始が決定。その買春相手とされている渦中のモロッコ人ダンサー、カリマ・エル・マフルーグさんが14日、本のCMに下着姿で登場した。(ロイター)
【雑感】ベルルスコーニ首相にはいろいろスキャンダルがあるが、1つだけ共感することがある。「俺は若い女の子に囲まれたいんやぁ」
買春容疑は拙いな。恋愛関係なら許せるが。(日本では下手をすれば淫行になる)
ルビーと呼ばれている渦中のダンサー、カリマ・エル・マフルーグ氏は首相について突き放すような発言もしているが、「でも、真の変革から世間の目をそらすために、連中は首相を身代わりにするつもりだと思う」となかなか鋭い指摘をされている。また、首相については「私と同じく孤独と闘っている」と首相への共感も示していた。
若いのに波乱万丈の生き方をしていることが伺われる。お友達になりたいものだ。



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