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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

2011年統一地方選挙(3) 近頃の現象[六百五十四]

統一選延期を=被災の浦安市
県選管と対立【統一選】

 
 東日本大震災で液状化現象などに見舞われた千葉県浦安市が、県議選(4月1日告示、同10日投開票)などの統一地方選について「安全な投票所確保が難しい」などとして延期を主張、予定通り実施する方針の県選挙管理委員会と対立している。市選管は依然、県議選ポスター掲示板の設置や、有権者への投票所入場整理券の発送なども行っておらず、県議選が告示されても浦安市民は投票できないという異例の事態に発展する可能性も出てきた。(時事通信)
 
【雑感】前述したように、統一地方選は全国一律で半年程度延期をするべきだった。なのに総務省は「金科玉条」を並べ、有権者の多くが死亡または行方不明かつ被災者で自治体外へ避難し役場が大破して選挙人名簿が消失した物理的に絶対に不可能な自治体のみを延期するに留めた。

 液状化で広範囲が被災している浦安市の市長・松崎秀樹氏は延期を主張し、浦安市の選管はポスターの設置も整理券も配布しておらず、煎じ詰めれば選挙の準備は全くしていない状態。
 千葉県選管は「市役所庁舎の崩壊や選挙人名簿消失といった事情もなく、選挙は可能」と予定通り実行させる構え、従わなければ浦安市選管に是正指示をする、ということは千葉県は浦安市の怠慢と見なしているわけだ。
 
 やろうと思えばたしかにできるが、有権者が投票権を行使しにくい状況で無理に選挙を行うことは、有権者の参政権を奪っている事になり、これは市選管も県選管も同罪だと思う。
 
 そもそも十分な選挙運動ができない環境や雰囲気で強行というのは、たとえ西日本のような被災地外でもこの時期の選挙実施は有権者の参政権を侵害していることになりはすまいか。
 

 
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「Peace ピース」 近頃の現象[六百五十三]

選挙』『精神』の想田和弘監督、
香港国際映画祭で
最優秀ドキュメンタリー賞を受賞 
新作『Peace』で平和と共存を描く


 日本のドキュメンタリー映画界を代表する想田和弘監督が、新作『Peace ピース』で2011年香港国際映画祭の最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。これまで映画『選挙』がベルリン国際映画祭に正式出品され、ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞し、映画『精神』で釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭の最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、世界で実績を残してきた想田監督。輝かしい受賞歴にまた一つ新たな賞が加わった。(シネマトゥデイ)
 
【雑感】楽しみにしていた想田和弘監督最新作だ。「選挙」では、よくぞ撮ってくれた、と溜飲下がる思いで観た。
 今回は想田監督の親戚の家が舞台か。野良猫グループと迷い込んだ泥棒猫との対立、旧日本軍兵士の独居老人、その老人を介護する初老の義父母の姿。
 私が関心を抱きそうなテーマや要素を想田監督は取り上げドキュメント映画にしてくれる。
 
 日本での公開は7月から、順次全国上映か?
  

 
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佐藤江梨子CM 「イオン 肌着レディス篇」 優れた短編映画テレビCM

佐藤江梨子CM イオン 肌着レディス篇
 

 
【雑感】東日本大震災の影響でテレビ局スポンサーがCMを自粛、そのためACジャパン(旧公共広告機構)のCMが開いた隙間を埋めている。
 私たちTV視聴者はACのCMばかりを延々見せられている状態が続いているわけだが、次第にスポンサー企業はCM自粛を解き始めつつあり、ACのCMの間に一般CMも流れるようになった。(平素は逆なのだが)

 どんなに優れたCMでも、同じモノばかり見せられるのは愉快ではない。嫌ならテレビを見なければ良いわけなのでクレームをつけるほどではないが。
 啓発CMがCM時間帯の大部分を占拠している中で、中年男子に活力を与えるCMが清涼感とともに流れてきた。佐藤江梨子氏(以下、サトエリ)の肌着である。
 
 白い糸が全裸のサトエリの身体にまとわりつき「ランニングシャツ」へと変化する。サトエリの美しい身体の線が出ていて中年男子の心をくすぐる。全裸状態は後姿だけで、しかもズームアウトしたときは既に下半身では衣服が形成されているので「全裸」ではない。カメラが前を映したときは肌着が完成されていてバストは見えない。男子によっては、スッポンポンよりもエロさを感じるだろう。私はスケベ根性もあるが美尻や巨乳の一部を一瞬でいいから魅せてほしかった。
 サトエリのアップが流れる。綺麗な背中と腋の線だ。鎖骨から肩にかけてのラインも美しい。と思いながら顔を見ると、頬が極端に削げているようにみえてしまった。
 
 このことを連れ合いに言ってみると、あきれ顔になって「別にそうでもないんちゃう」と答えが返ってきた。私にはゲッソリ顔に見えるのだが。
 サトエリも巨乳で有名な女優で、上り調子の頃は頻繁にビキニ姿を疲労していた。あの頃はもう少し頬がふっくらしていたように思う。女性は痩身に対して好意的に見過ぎる傾向があるのか? それとも私が痩身に厳しいのか? このCM、女性が見るとダイエットの目標形として認識するのだろうか?

 私の好み女性はスレンダーである。しかし病気でもない限り頬が削げ過ぎてしまうのは、綺麗と思うよりも拒食症や骨粗鬆症や免疫力低下や生理不順などの障害を心配してしまう。
 バストを残して全体に痩せる技術は大したものだ。
 

 
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東京電力株式会社 近頃の現象[六百五十二]

「5、6号機も廃炉に」
東電会見に住民怒りの声

 
 東京電力勝俣恒久会長が福島第一原発1~4号機について、「廃炉にせざるを得ない」「(避難指示の解除は)数週間では厳しい」などと述べたことを受け、福島県内各地で避難生活を送る住民からは、「5、6号機も廃炉に」「一刻も早く先行きを示せ」などと、改めて怒りの声が上がった。(読売新聞)
 
【雑感】こないだ、東京電力の国有化話がニュースになったが東電側は否定した。しかし現実問題、国有化は避けられないような気がする。
  
 さしあたって、福島第1原発をなんとかしなければならない。廃炉でも莫大な資金と人員を割かなければならないので、現状可能な最小限の損害に抑えたとしても、東電はこれから数十年に渡って何万何億と支払い続けなければならない不良債権を抱えることになった。
 不良施設の管理維持費だけでも大変なうえに、地域住民への補償がこれから待っている。直接関係する自治体の双葉町と大熊町住民への損害補償は当然の事として、さらに今回の事故による避難区域や屋内退避区域に該当する自治体住民への補償も当然の事ながらやらなければならない。目の前にある補償だけでも気が遠くなる金額になりそうだ。
 
 さらに、福島県や茨城県の農林水産物は大打撃を受けている。被災を免れた企業も原発問題で経営に大きな支障を受けている。その責任も問われるだろうから、訴訟が乱発して裁判費用もかかるだろう。補償の範囲はもはや際限が無い。東電側は密かに責任は感じながらも法的に回避できそうな責任については断固として拒否するだろうから、延々と終わりの無い法廷闘争が続く。
 
 東電の信用は著しく低下するので株価も暴落する。株主も訴訟を起こすかもしれない。社員や組合とも紛争が発生しこれも訴訟となるかもしれない。加えて計画中の原発建設は凍結せざるを得ないだろうから、関連企業へのペナルティもあるはずだ。
 今後のことを考えたら、もはや国有化しか残されていないような気がするのだが・・。
 

 私たちの生活も影響がある。原発の見直しで万々歳ではない。少なくとも電気料金値上げは覚悟しなければならない。
 そもそも原発が何故ふえたのか? 山河を潰す水力発電ダムは造れない。ダムを増やしたところで、建設経費に見合う発電力が果たしてあるかどうか? 治水の面でも疑問視されている。火力発電は莫大な石油や石炭を使う。CO2排出量も大きい。中東が不穏な状態で火力に頼れない。太陽光発電や風力発電は、前にも述べたが巨大産業を支える力にはなっていない。
 残るは原子力だが、これは少ない燃料で大きな発電力があるから日本は次第に原子力へとシフトしていった。発電力単価は水力や火力より遥かに安く抑えられている。ここまでは池上彰氏が出演している時事番組でも盛んに説明されていることだが、池上氏が意識してなのか?無意識なのかは解らないが説明を省いているのがあった。それは安全対策にかかるコストである。
 
 施設の安全対策だけに銭をかければ良いという訳ではない。一時ドイツやアメリカなどでは原子炉の廃炉や建設計画中止が相次いだことがあった。それは事故が起こった場合の周辺住民の安全対策に銭がかかるからである。日本の場合、福島第1原発の雄弁に物語っているようにその「安全対策」を疎かにする事で電気の単価を安く抑えていたのだ。
 本当は原子力の電気も安くはないのである。福島第1原発の例でも判るように、無理に安くしていたのだ。
  
 これから西日本も原発を見直さなければならない。もしまともに対策を行えば電気代は高くなるはずだ。
 

 
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福島第1原発(5) 近頃の現象[六百五十一]

東電会長、1~4号機廃炉の方針 
安定化「かなり時間」

 
 東京電力勝俣恒久会長が30日、被災によって事故が起きている福島第一原子力発電所1~4号機について「今の状況から見ると、おそらく廃止せざるを得ない」と述べた。東電の経営トップが公式に廃炉方針を示したのは初めて。当面、事態の収束を図ることが最大の経営責任との認識も示した。(朝日新聞)
 
【雑感】勝俣会長は、海水注入の判断が遅れたのではないかとの質問に、「私は躊躇なく判断した」と答えた。会見ではそう答えるしか勝俣氏には返答例は残されていないだろう。
 
 海水注入は廃炉決断に等しい。仮に廃炉にしなかったとしても復旧から再稼動まで莫大な費用と人員と時間がかかる。ただでさえ福島第1原発は老朽化が進んでいて、たしか耐用年数がきたので廃炉にする予定だったのを、今まで事故が無かったので10年延長を決めた経緯があったと記憶している。
 そんな原子炉に不純物の多い海水を入れたら原子炉の鋼板や配管の劣化が進むのは素人でもわかる。廃炉を前提した緊急処置が海水注入だ。ところがこないだの役員の会見では、廃炉を含めて検討することになるがまだ議論していない、という話であったではないか。
 しかし躊躇したなんて経営者として口が裂けても言えまい。
 
 勝俣会長が東電経営者を代表して初めて記者会見に臨んだ訳だが、これは社長の清水正孝氏が過労で入院したためである。経営者には経営者の仕事があり苦労があるが、劣悪な待遇で危険な現場に入って作業をしている職員たちの労苦を考えたら、経営者たちの過労に同情するべきではない。
 反原発派の主張を聞くまでもなく、原発には今回のようなリスクがある事は最初から判っている事で、来るべきモノが来たのだ。原発を建てた段階で覚悟していたはずだ。
 
 私たち消費者も同じ理屈で道義的責任の一端からは逃れられない。世間もカマトトぶるのをやめようではないか。「原発は安全」と信じていたという者がいたがそれは嘘だ。その証拠に放射能騒ぎで些かパニックが生じ、関東では食料品や飲料水などの買占めをやっているではないか。原発建設には必ず大規模な反対運動が起こって、住民投票が行われたり、地域住民の意見が二分されて地域社会が険悪になった例は多い。原発を誘致すれば多額の補助金が自治体に入るが、それは何を意味しているのか解っていたはずである。

 連れ合いはエコロジストの従姉の影響を受けて、食品や洗剤などにうるさい。節電にも積極的で未だにクーラーは購入していないので真夏は蒸し風呂状態、自宅よりも会社のほうが快適空間だ。しかし連れ合いの主張に理あるからこそ従っている。
 電力需要は増える一方、電気を使う機会も増える一方、我家だけがクーラー無しにしたところで、我家だけの自己満足でしかない事は承知している。だが、これによって心のどこかに原発のリスクというものを留めてきた。
 
 私は保守市民である。経済のことを考えたら、反原発派が主張するような脱原発を日本で行うのは非常識と考えている。
 「江戸時代は無理でも、1975年レベルの生活には戻そう」という運動にしても、不可能ではないが経済の側面で考えたら別のリスクがあると思っている。リーマンショックや円高不況で失業者が続出している状態、計画停電でどれだけ経済が混乱しているか。一部の拝金主義者は東日本大震災による復興需要で好景気を夢見ているようだが、計画停電による経済の混乱は日本国内だけでなく世界にも波及しつつある。これらの現象は反原発派が主張する事も夢物語である動かぬ証拠だ。
 
 原発は危険であるが今の日本には必要悪である。普段の生活からそれを心の隅に留めて置くべきだ。電力会社や政府が吹聴する「原発は安全」という嘘をカマトトぶって信じるのは現実逃避だ。そして脱原発さえすれば市民の生活が守れるなんて信じ込むのも現実逃避だ。
 もうええかげんにカマトトぶるのやめようや。我々は綱渡りしとんねん。バランス感覚を失ったら地獄へ落ちるだけだ。
  

 
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福島第1原発(4) 近頃の現象[六百五十]

東電は作業環境、直ちに改善を
 
 福島第1原発の事故現場で実際に作業した人が証言した、ずさんな作業管理の実態は、事態の悪化を食い止める現場の作業員をいかに過酷な環境で働かせているかをあらためて示した。
 28日には、作業員が十分な食事もなく毛布一枚で日夜作業に当たっている実態が明らかになったばかりだ。東京電力や国は至急、労働環境を改善する義務がある。
 放射線障害防止法などでは、放射性物質を取り扱う事業者に、作業での放射線量を管理して放射線障害が起きないようにすることを求めている。
 しかし同原発の事故現場では24日、3人が高線量の被ばくをして病院に運ばれた。放射線管理の責任者は現場に同行しておらず、放射線量が高い場合には現場から退避するよう、あらかじめ作業員に指示が徹底されていなかった。幸い3人は健康上、大事に至らなかったが、炉心などの冷却に向けてぎりぎりの作業をしている現場から3人を一度に失ったことは大きな痛手となった。
 現場では、高濃度の放射性物質を含む水が見つかるなど被ばくの恐れは高まる一方で、事態の長期化は必至。放射線管理の専門家の数が圧倒的に足りないとの声も上がっている。国は、東電だけでなく原発を抱えるすべての電力会社から直ちに労務管理、放射線管理の専門家を集め、作業員の緊急時の衣食住の改善や被ばく管理の強化を図る必要がある。(中国新聞)

 
【雑感】前の記事で現場の作業環境の悪さを公表した保安院の意図が解らず批判的な文言を書いてしまったが、原子炉施設の復旧は東京電力の責任管轄であり東電やその協力企業の社員たちが取り組んでいることから、復旧現場の指揮監督責任者は東電にあって、保安院は東電がチョンボしないかどうかをチェックするのが仕事、ならば作業者たちの劣悪な環境を指摘した保安院検査官横田一磨氏は真っ当な仕事をした事になる。申し訳ない。
 後日、施設の地震津波対策の不備云々が検証されることになる。そのとき東電の計画に許可を与えたのが保安院であるから、そこで保安院の責任が問われるだろう。
 

 劣悪な現場で決死の復旧作業に取り組んでいる職員たちには頭が下がるというより、職員以外に行える者がいない訳だから、こちらは神仏に祈るのと全く感覚で職員たちに向かって拝むしかない。
 いわば彼らは正味の最後の砦である。その最後の砦に対して東電はなぜ粗末な扱いをするのか解らない。本当に物理的に無理だったのか? いくら何でも朝と昼はクラッカーかビスケットに野菜ジュース、夕方はレトルト飯に缶詰、水は1日に1.5リットルなんて、最前線の米軍兵士でももっとマシな野戦食を食べている。

 米軍で思い出したが、アメリカは兵站を疎かにしない。第二次大戦時でも兵士に食事らしい食事と必要な医薬品を提供している。ダメージコントロールに長けていて、日本軍では廃棄処分するような大破軍艦でも、復旧させて帰港し完全に修繕して再び戦線に復帰させている。兵士たちの衣食住も当時から他の軍隊に比べては快適だった。人権意識の高いお国柄以前に、勝つための冷徹な合理的戦略である。
 今回の東日本大震災ではアメリカ海軍が「オペレーション・トモダチ」に参加して支援活動をしているが、取材に入ったアナウンサーは艦船の医療設備や物資の充実に驚かされている。

 アメリカといえば思い出す映画がある。旧ソ連時代の原潜事故を描いた「K-19」だ。主演はハリソン・フォード氏とリーアム・ニーソン氏。監督は「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー氏。
 国家は国の威信をかけてアメリカに程近い北極圏の大西洋で原潜によるミサイル発射実験を行えと命令する。ところが国の威信云々いうわりに、必要な医薬品は搬入されない、原子炉用防護服も品切れで代わりに化学防護服、上は命令するだけして命令に見合うフォローは全くしない。
 かくして原潜の原子炉が故障、乗組員たちは致死量の放射線を大量に浴びながら復旧させ死んでいく。さらに現場の指揮官である艦長は反逆罪の容疑で軍法会議にかけられる始末。
 この作品のレビューを書いたとき、私は「これは旧ソ連だから起こった事件ではなく、現在の日本でも現在進行形で多発している問題なのである」と書いた。当ブログでの掲載は2008年5月である。
 
 東電は何をしているのか? 私の指摘を裏付けるようなことをするとは。素直に米軍の兵站に頼って行うほうが良いのではないか?
 
【晴雨堂関連記事案内】
「K-19」 絶望から脱出しよう〔15〕 


 
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復興宝くじ 近頃の現象[六百四十九]

「夢」で被災地支援…都が復興宝くじ発行へ
 
 東日本巨大地震で深刻な被害を受けた自治体を支援するため、東京都が「復興宝くじ」を発行する方針であることが29日分かった。
 都が発行している「東京都宝くじ」の枠を被災地の自治体に譲る形で、約10億円を見込む収益を災害復興に充ててもらう考え。支援先は甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県を想定しており、早ければ今夏にも実施するという。
 自然災害の復興目的に発行される「復興宝くじ」は、これまでに1995年の阪神大震災と2004年の新潟県中越地震の例があるが、直接、大きな被害を受けていない自治体が別の自治体のために復興宝くじを発行するのは初めて。
 都では、被災地に財政的支援ができないか検討していたが、地方財政法は他の自治体の経費負担など直接的な財政支援を禁じているため、他の手段での支援ができないか模索していた。(読売新聞)

 
【雑感】東京都限定か・・。
 
 今回の震災は復興に莫大な費用がかかる。いくらあっても足らない。宝くじの趣旨は公共事業の資金作りだから、このときこそ宝くじの本領を発揮できる機会だ。
 
 当然、今年発行される近畿宝くじも、ジャンボ宝くじも、復興にまわす事になるだろう。募金やボランティアに興味のない人々から銭を出させる有効な手段だ。
 
 神戸周辺にほぼ限定した阪神大震災と違って、今回は東北から関東に渡って被害が拡大した。被災地外の全ての自治体の宝くじも回さなければ間に合わない。
 

 
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「さよならをもう一度」 カップルで考えよう〔7〕

さよならをもう一度」 
パリのシャンゼリゼ通りが美しい

 
 
  
【原題】GOODBYE AGAIN
【公開年】1961年  【制作国】仏蘭西 亜米利加  【時間】120分  
【監督】アナトール・リトヴァク
【原作】フランソワーズ・サガン
【音楽】ジョルジュ・オーリック
【脚本】サミュエル・テイラー
【言語】イングランド語
【出演】イングリッド・バーグマン(ポーラ)  イヴ・モンタン(ロジェ・デマレ)  アンソニー・パーキンス(フィリップ・ヴァン・デル・ベッシュ)  ジェシー・ロイス・ランディス(ヴァン・デル・ベッシュ夫人)  ダイアン・キャロル(-)  ジャッキー・レイン(-)  ミシェール・メルシェ(-)
  
【成分】ゴージャス ロマンチック 切ない 恋愛 三角関係 1960年前後 フランス・パリ 白黒映画
                  
【特徴】フランソワーズ・サガンの代表作「ブラームスはお好き」を映画化。イングリット・バーグマン氏が三角関係に悩むアラフォー女性を好演。「サイコ」で不気味な人格異常者を演じたアンソニー・パーキンス氏が元の路線の純情青年を演じている。
 背景のパリのエッフェル塔やシャンゼリゼ通りの描写が美しく効果的である。観光を意識した作品ではないかと思う。
 当時の40歳と現在の40歳の微妙な認識の隔たりが興味深い。
    
【効能】恋愛について考える機会が得られる。パリ観光に思いを馳せる効果がある。
 
【副作用】イヴ・モンタンのセクハラ発言に不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

沖縄国際映画祭(2) 近頃の現象[六百四十八]

被災地で映画の上映会を!
吉本興業
各国映画祭関係者らが協力申し入れ

 
 東日本大震災のチャリティーを目的に開催された『第3回沖縄国際映画祭』の趣旨に賛同し、世界中の映画祭関係者から被災地のために協力させてほしいとの声が、同映画祭の運営を手がける吉本興業に寄せられていることがわかった。すでに韓国の釜山国際映画祭の主催者が具体的に協力を申し入れており、今年10月の開催時には、沖縄国際映画祭の“エールTシャツ”をスタッフが着用することを確約。被災地の避難所などで映画の上映会を実施するための作品選定にも協力するという。

 映画祭には、価値ある作品を一つでも多く集め、新作をいち早く紹介し、劇場公開の有無にかかわらず映画のさまざまな面白さを伝える役割がある。吉本側は、被災地支援の相談を受けた各映画祭関係者に、被災地の避難所などで上映するのにふさわしい作品を推薦してほしいと要請。「映画を上映できる環境が整えば、順次、被災地での上映会を実施したい」としている。(オリコン)

 
【雑感】将来の市場獲得のための打算も当然あるだろうが、同じ映画人としての同志意識だと思いたい。
 いずれにしても、ある程度の復旧が進めば娯楽が必要になる。願ってもない申し出ではないか。
 
 映画は単なる現実逃避の媒体では断じてない。アメリカ映画を例にとれば、大恐慌の荒んだ心をディズニーアニメが癒し、アメリカ世界一と浮かれているヤンキーどもに現実社会の暗部を見せて頬をビンタした「俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」などのアメリカン・ニューシネマ、現実に疲れた心に再び活力を呼び覚ましたスタローンの「ロッキー」。

 映画は単なる娯楽ではない。被災地に相応しい映画を処方してほしいものだ。後日、当ブログも何か考える。
  

 
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プルトニウム 近頃の現象[六百四十七]

枝野長官、プルトニウム影響阻止に全力

 「このこと自体は大変深刻な事態でありますが、そのことによる周辺部への影響をいかに阻止し、収束させるかということに、今、全力を挙げている状況です」(枝野幸男官房長官)

 枝野長官はこのように述べた上で、検出されたプルトニウムについて、「燃料棒から出ている可能性が高い」として、「燃料棒が一定程度溶融したことを裏付けるものだ」との認識を示しました。

 そのうえで、「事故の影響によって高い濃度のプルトニウムが検出されるならば対応が必要なので、引き続きモニタリングを続けていく」と述べました。(TBS)

 
【雑感】事故発生の初期の段階、まだ建屋が吹き飛んでいない頃に原子力に詳しい友人は「もう炉心熔融が始まっているのではないか」「現場は廃炉を前提に復旧しているのではないか」と指摘した。修理して再稼動する事は既に考えておらず、放射能を漏らさないよう決死の作業をしているのではないか、そのため東電首脳に精細な報告をあげる余裕がないのではないか、だから記者会見ではしどろもどろの要領を得ない説明になってしまっているというのだ。
 
 今にしてみれば、友人が指摘した通りだ。東電の会見の内容を知るたびに、現場は厄介な「上司」をもって大変だなと同情する。なにしろ政府の枝野官房長官が廃炉方針を考えている段階に及んでも東電は廃炉にしない可能性をまだ捨てていないのだ。
 
 あれだけの惨事で見た目の破壊加減で、よく原子炉は潰れずに残ったものだと感心する一方で、しかし既に周辺機器はダメージを受けて冷却水が循環しない状態なのであるから、本体は完璧でも配管などは破損してもおかしくない。プルトニウムの検知と、周辺施設のトレンチ(溝・塹壕)に高濃度の放射能物質を含んだ水が溜まっている事実は、来るべきものが来たというべきだろう。
 
 それにしても記者会見はもう少しどうにかならぬものか。プルトニウムが漏れた原因を調査中というのはどういう意味なのか。破損箇所を調査中というニュアンスには聞こえなかった。漏れた原因を調査中のように聞こえた。何故だろう。
 プルトニウムは自然界には殆ど存在しない物質だ。長崎原爆やチェルノブイリ事故や六ヶ所村の核処理施設問題などで盛んに出てくる単語であり危険性が指摘されている。原子炉から出ている事は少なくとも間違いない訳で、東電首脳部の気苦労を理解したいが、その理解したい気持ちを削ぐ会見の仕方、どうにかならんのか!
 
 現場が粗末な非常食を食べて作業に臨んでいる事を発表する神経も解らない。現場が一生懸命やっていることを喧伝したい意図は理解できるが、それ以前に東電や保安院の現場を蔑ろにしている姿勢が露になっただけ、本当に事態を収拾したい意志があるのかどうか疑わしいことを暴露しただけではないか?
 もう浮世離れはやめようや。原子力は不本意ながら必要の保守的立場の私でもイラつく。
 

 
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ACジャパン「今、わたしにできること」 優れた短編映画テレビCM

ACジャパン CM 今、わたしにできること
 

 
【雑感】東日本大震災後4日目あたりから大手民放各局は24時間特番体制から徐々に通常放送に切り替え始めCMも流すようになった。ところがスポンサー企業が震災を気遣ってCMを自粛したため、各局は空いた時間にACジャパンの啓発CMを流したため、同じようなCMが「これでもか!これでもか!」と言わんばかりのくどいくらいに流されるようになり、テレビ局やCM出演者にクレームが殺到する有り様となった。
 
 私は思った。震災に対応したCMを急ごしらえでも制作して見切り発車的に流せばいいのに。市民に対して注意事項を書いた字幕のみの画像でもええやないか、と。そんな事を震災後一週間を過ぎた頃に思ったら、この時期あたりから私が考えていた構成のCMが上記のように流れるようになった。最初は頻繁ではなかったが、ちょうど仁科母娘の検診呼びかけのCMが減っていくのと反比例して増えていった。
 さらに同様の文言を書いたフリップを俳優やスポーツ選手など有名人が両手で持ち呼びかける内容のCMも登場した。
 

 
 私のような素人が考えるまでもなく、ACジャパン側も震災直後から内容のみを伝える簡単なCMを制作し流す心積もりだったのかもしれない。体勢を立て直してから俳優やタレントを出演させたCM制作に取り組む段取りを最初から組んでいたかもしれない。世間の批判で気がついて慌てて、なんてことはないだろうと信じたい。
 
 しかし、ふと思った。公共広告機構時代になるが、阪神淡路大震災のときも震災対応のCMを制作している。
 

 
 素人考えになるが、先に阪神淡路大震災の時に使用したCMを流用する臨機応変は駄目だったのだろうか? もし流していたら、仁科母娘が不当な非難を受けずに済んだかもしれない。
 何か権利や権限の問題でもあったのだろうか? 瓦礫の撤去や食糧空輸の問題で様々な法の壁があると聞く。原発の放射能漏れ事故では、出荷を止められた農家が自殺をしたニュースが流れている。
 人の権利を守るため、人の命を守るための法律が人を殺す結果になっては本末転倒だ。
 

 
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福島第1原発(3) 近頃の現象[六百四十六]

保守の牙城で与党が大敗、
原発事故で緑の党躍進 ドイツ

 
 ベルリン(CNN) 保守の牙城とされてきたドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州で27日に州議会選挙が実施され、メルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)がリベラル系の緑の党率いる野党連合に大敗する見通しとなった。(CNN.co.jp)
 
【雑感】福島原発効果によって、ドイツの一地方政権をひっくり返した。
 
 ドイツの州政府は日本やアメリカと違って「大統領制」ではなく「議員内閣制」だ。市民から直接選ばれた知事が行政を担うのではなく、州議会が州首相を選ぶ。今回の選挙で野党勢力を束ねる緑の党が躍進、保守の牙城で緑の党が首相を出して州政権を掌握する方向だ。
 
 バーデン・ビュルテンベルク州も改選だったのか。前回の記事で紹介したラインラント=プファルツ州の南に位置する。ビールで有名なバイエルン州の西隣でもあるが、ローマ時代にローマ人がもってきたワイン産業によって、どちらかといえばドイツワインの産地で有名である。
 トム・クルーズ氏主演「ワルキューレ」のフォン・シュタウフェンベルク大佐の故郷でもあり、どちらかといえばキリスト教保守派の勢力が伝統的に強い。
 
 日本でいえば自民党王国のようなところが社民党に政権を譲るようなものだ。遠因としては、86年のチェルノブイリ原発事故で、放射能物質が降り注いで農産業が大打撃を受けた経緯がある。そのため原発問題には神経質だ。前述したように、世界トップクラスとも評価されている日本の原発技術がいとも簡単に津波によってレベル6の事故が発生した事が大きい。
 
 
 さて、わざわざドイツの政情を紹介したのには理由がある。これも前述したように、日本には緑の党というものが事実上無い。伝統的に社会党や社民党などの左派勢力が「緑の党」の役割も兼ねていたのが原因かもしれない。 中村敦夫氏が参院議員時代に「緑の党」をつくろうと頑張っていたが、選挙に敗れて頓挫した。社民党も辻元清美氏が社民党入党の際に、政党組織に埋没することを嫌った支持者の前で「社民党を乗っ取る。緑の党のようなものにする」と発言したが、ご覧の通り実現できていない。
 
 あの環境破壊大国でもあるアメリカでさえ緑の党があるのに、日本には無い状態が続いている。日本には環境を主に扱う政治団体が無いのである。そのためと私は思っているのだが、保守市民からは「環境・女権・護憲・社会主義」をセットで捉えられ、環境保護運動に参加しただけで「アカ」呼ばわりされる状態だ。
 逆に女権に理解の無いエコロジストはフェミニストから裏切り者扱いされるし、エコに興味の無いフェミニストもまたエコからは糾弾対象になるなど、外から見れば内ゲバ状態だ。むしろ思想的に隔たりのある自民のほうが話が通じる、といったこぼれ話をよく耳にした。
 
 今回の事故、宮城県の女川原発や福島第1原発に隣接する福島第2原発は今のところ深刻な状態になっていない。福島第1より新しいという指摘がある訳だが、どうして第1の安全対策が強化されなかったのか? これは検証する必要がある。
 ドイツは緑の党の勢力が強いために、原発の施設だけでなく事故発生時の周辺住民の避難マニュアルなどにもコストをかけているそうだが、日本の原発行政は「事故は起こらない。即ち安全。だから避難計画は必要なし」といった怖い屁理屈が原子力関係の小役人たちの間に蔓延っているとの話がマスコミの間で漏れ始めている。
 
 日本には、伝統的な左派市民や護憲市民とは別に、環境専門の政党が必要ではないかと思う。原発可否の二者選一では問題は解決しない
  

 
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議員の役割 近頃の現象[六百四十五]

議員報酬、半年限定3割削減
 
 東北関東大震災を受けて、民主党執行部は、来月から半年間、国会議員歳費3割削減を提案する方向で調整することになり、速やかに自民党や公明党などと合意を目指すことにしています。(NHK)
  
【雑感】当たり前だ、と言いたいところだが、よくぞ御決断されたと讃えよう。3割を復興支援に回せたら、数十億の資金を被災者に渡る。自民・公明も反対しなければならない道義的理由は無いはず。もともと公明党は1年間の歳費を3割を復興支援にあてる事を意見していた。

 今ほど「公僕」の役割が問われている時期はない。特にただでさえ「政治と金」でマイナスイメージがある国会議員の存在意義が問題になる。
 
 前の記事でも触れたが、今はどう考えても統一地方選挙をやっている場合ではない。選挙にかけるエネルギーを復旧復興支援に回した方が合理的だし、議員候補者とその支援者たちに公僕たる役割を再確認させる良き機会だ。
 また、候補者になるほどの人物ならば、よほどの泡沫候補でないかぎりは広い人脈があるはず、これは義援金で力を発揮する実力だ。現実問題、地方議員候補たちは選挙運動と募金活動をセットで行わざるを得なくなっている。

 但し、勘違いしてはならないのは、私が前に指摘したのは地方自治体の首長と議員とその候補者だ。
 今回の災害は一地域規模ではなく国単位である。被災地の救援に忙殺される行政のトップから現場の職員に至るまで迅速に作業できるよう国会議員は法整備で支援する必要がある。現に法の壁で瓦礫が撤去できなかったり、孤立集落への食糧補給ができなかったりなど、支障が出ている。

 だから相手の職責や任務を理解した上で批判しなければならない。やみくもに「議員」全てに批判をぶつけても憂さ晴らしに終わってしまう。
 議員が国民の期待を裏切っているかのような疑われる姿勢をとってしまうと問題だが。
 

 
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風呂釜故障 晴雨堂の晴耕雨読な日常[五十一]

風呂釜故障
 
【雑感】連れ合いのノロウイルスから1週間、現在も下痢が続いているが吐き気は無くなり食欲も元に戻った。もともとの連れ合いは便秘気味で、その対策として便所の壁に取り付けたカレンダーには大便をした日にウンコマークの印鑑を捺す事になっている。あのノロウイルス騒ぎ以来、毎日ウンコマークが捺されている。

 だが発症直前に食べたのが玄米飯だったので、薄茶色の玄米を見ると吐き気をもよおしそうになるとかで、白い粥ばかり食べている。げんきんなもので、玄米飯は食えないといいながら駄菓子の類は嬉々としてほおばる。もともと私に玄米飯を強く「勧めた」エコロジストはどこへ行った?
 
 幸いにも今のところ私に症状は出てこない。が、一難去ってまた一難、今度は風呂釜が壊れた。金曜日までは正常に作動していたのに、昨日から火が着かなくなった。ガスを流して点火するのだが、釜のガス弁を開けたときに泡が出ているような音がする。
 さっそく販売元に電話を入れると、風呂場の排水口が詰まるなどして水が溜り、風呂釜に水が入って着かなくなったのではないかとの話しだった。排水口はたしかに詰まり気味だったが、釜に水が浸入するほど溜まった事は無い。
 
 修理は休み明けの月曜日になる。それまで家風呂は使えない。幸いリースなので修理代はたぶんタダになるだろう。この団地に越してから8年、こんなに長く住むとは思わなかったのでリースにしたのだが、もうすぐ累積リース代が買取り価格を上回る。リースを決めたのは私の判断だから、連れ合いは買取ったほうが良かったのではないかと批判するようになってきた。
 だが故障になると買取では修理費が要るが、リースなら販売元もちである。
 
 
 それにしても、我家を立て続けに襲ったノロウイルスと風呂釜故障、ふと思った。被災地では風呂が無い。自衛隊が野戦陣地用の風呂を提供している避難所では風呂が入れるだろうが、平素の生活のように毎日入るわけにはいかないだろう。衛生面が悪化しているところにノロウイルスが流行ったら大変だ。普段の生活で健常者であれば気にならない事が、厳しい環境では命削る大事(おおごと)になる。
  

 
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ノロウイルス 晴雨堂の晴耕雨読な日常[五十]

ノロウイルスと風呂釜故障
 
【雑感】1週間前、連れ合いが発症した。日曜日の夜、嘔吐と下痢を繰り返した。寒気がするというので体温を測ると38度前後だった。症状からノロウイルスを疑った。さっそくネットで調べてみると、2日程度で全快する病気とあった。
 ところが、せっかくアイソトニック飲料や野菜ジュースを買ってきたのに飲まない。吐き気がして飲めないそうだ。いくら短期間で治る病気でも、水も飲まずに2日間も下痢が続けば脱水症状になる。

 私はかつて旅行中に食あたりとなり、水のような下痢をして立ち往生したことがある。幸い、水道設備のある公園の芝生にテントを張っていたので、水を薬飲みした。飲み干した水がそのまま肛門へと直通することになっても飲まねばならないと気力を振り絞って飲んだものだ。
 下痢をした事の無い人間には水っぽい便しか連想しないが、それは軟便であって下痢ではない。最初は濃い茶色の液体が小便のように出る。下痢が繰り返されると、直腸の便が無くなって透明な水が勢い良く出るようになる。
 こういうとき少食は困ったものだ。私なら食べられる物・飲める物は貪欲に摂取する。数年前に肺炎で苦しんでいたときもお好み焼きを食べた。食欲と色欲を失ったら人間はお終いだという信念で、意地になって食べる節があることは認めるが。
 
 問題は祝祭日に発症したことだ。病院は休診だ。連れ合いに自力治癒は負担が大きすぎるし、それにノロウイルスは我々の勝手な自己診断の段階だ。本当のところを診てもらって対処しなければならない。自宅近くに大きな大学病院があるので電話を入れて医者らしき人に症状を伝えると、急患扱いで診てくれることになった。
 結果はやはりノロウイルスで、軽い脱水症状になっているとかで1時間ほど点滴を受けた。点滴を受けると元気になってきたのか連れ合いは私を冗談半分に批判しだした。「あなた、土曜日の昼間、頭が痛いとかで布団しいて寝てたんちゃうん。それノロウイルスとちゃうか」
 
 俺のせいにしだした。それにしても、同じものを食べているのに、私には下痢の症状は無い。吐き気で気分が悪くなった訳でもない。あれから1週間が経過したが、今のところ症状は無い。
 

 
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福島第1原発(2) 近頃の現象[六百四十四]

主要都市で反原発デモ 
福島事故受け閉鎖求める―ドイツ

 
 ドイツのベルリンやミュンヘン、ハンブルク、ケルンの各都市で26日、大規模な反原発デモが一斉に行われ、福島第1原発の事故を受け、国内の原発を早期に閉鎖するよう訴えた。
 ベルリンでは野党支持者や反核団体メンバーら5万人以上が中心部を行進。「福島は警告する。すべての原発を停止せよ」と書かれた横断幕を掲げ、気勢を上げた。(時事通信)

 
【雑感】前の記事にも触れたが、やっぱり起こっていたか。
 
 ドイツは環境行政が進んでいる国のイメージがある。緑の党の勢力も大きい。京都議定書のCOP3前後で力が著しく強くなり連立政権に加わり与党となった実績がある。数年前に下野したが、それでも議会の10分の1を獲得している政党である。日本では辻元清美氏らが社民党を「緑の党みたい」にしようと画策していたようだが、イマイチ勢力が振るわない。中村敦夫氏が参院議員時代に日本にも本格的な「緑の党」をつくろうとしたが、事実上頓挫したと私は見ている。
 福島の原発事故を見て、緑の党は各地で活動を活発化させていることだろう。
 
 たしか、ライン川近いワインの産地で有名なラインラント=プファルツ州は今年が州議会改選時期だったように思う。ザクセン・アンハルト州議会はこないだ選挙をして、保守的な州のイメージが強く緑の党が弱かった地域だが議席を倍増させた。
 技術力のある日本の原発があの有様なら、欧州各地は原発行政を見直さざるを得まい。
 
 
 原発を減らしても、代替エネルギーの問題がある。風力や太陽光発電は一見すると有効なように見えるが、巨大産業を支えるだけの電力は無い。屋根を太陽光発電にしているところが増えつつあり、これはこれで良いのだが、まだまだ家庭用電力の補助的な役割だ。
 全体に普及すれば、今回のような計画停電になったときに自家発電でやり過ごせる、あるいは計画停電を回避できる、そんな効果はあるので、悲観的に考える必要は今は無いと思う。ただ留意しなければならないのは、まだ巨大産業を支えるだけのエネルギーではないということだ。

 一時期、キューバではエコエネルギーで評判になり、日本の左派市民や市民運動家たちが注目しているが、これはカストロ一流の貧乏を逆手に取った宣伝工作の感がする。が、原発の無い生活を考えたとき、おそらく多くのキューバ市民は不本意だろうエコな社会主義生活はモデルになる。
 以前、反原発運動家が「1975年水準の生活に戻そう」と90年代後半頃から提唱してきたが、現在のキューバは見た目ではたぶん日本の1940年代水準だろう。現実に環境問題に効果はあると思うし、アメリカの経済封鎖によって国内が困窮している様をエコとするのは、さすがカストロ氏らキューバの革命家は抜群のセンスだ。北朝鮮とは違う。

 復興や景気回復には莫大なエネルギーが必要である。反原発を目指すとすれば、生活水準を落とさなければならないが、現行の日本のシステムでは経済がまわらなくなり失業者がさらに増える。
 都市生活者が農業や漁業など第一次産業に戻る事を奨励する絶好の機会なのだが、同時に漁船が流されたり作物が放射能で汚染されているニュースを聞いたとき、先行きに不安がある。
 それでなくとも、帰農者の多くは挫折して元の都市生活者に戻っている。帰農して定着するシステムを行政あげて構築する必要がある。
 

 
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福島第1原発 近頃の現象[六百四十三]

スリーマイルから祈り 事故から32年
 
 米国史上最悪の放射性物質漏えいとなった「スリーマイル島原発事故」は、1979年の発生から28日で32年を迎える。地元では事故の記憶が風化しかけていたが、東京電力福島第1原発の事故が起きたことで当時の恐怖感がよみがえっていた。住民たちは、1週間から10日で放射能汚染拡大の危機が収束したスリーマイル島事故よりも「状況はひどいのではないか」と語り、日本の被災者たちの苦しみや不安に思いをはせた。(毎日新聞)
 
【雑感】今回の日本の原発事故は全世界に影響を与えただろう。スリーマイルは人為的ミスが重なったと聞く。チェルノブイリは旧ソ連の独自の方式にある弱点、すなわち技術的欠陥が原因とみる人は少なくない。
 しかし日本の原発は、世界有数の安定した技術力によって建設運営されているモノとの評価が高く信頼されていた。その原発が地震と津波によって一度に6基使用不能、そのうち4基は建屋が爆発したり火災が起きたりして危険な状態にある。放射能物質が外に漏れてしまっているのは周知の通り。
 
 チェルノブイリ事故をきっかけに原子力発電所を取り巻く世論が厳しくなり、安全対策にコストがかかり過ぎて採算が合わなくなり計画中止が相次いだが、近年は電力需要の急増から再び原子力が見直されてきた。さらに日本では反原発運動を時代錯誤と卑しむ保守世論も勢いを増してきつつあったが、今回の事故で再び反原発派が巻き返すことになる。
 世界中で反原発の風が起こるだろう。「日本の原発があの有様だったら我国の原発は危ういのでは」と思う者が多いだろう。特にドイツでは緑の党の勢力が強いから、日本の事故をきっかけに大規模な反原発運動が起こるはずだ。いや、もう起こっている。
 
 原発建設に熱心だった中国やベトナムまで計画を一時停止する有様。福島第1原発は世界世論を変えた。
 

 
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東日本大震災(15) 近頃の現象[六百四十二]

東日本大震災から2週間が過ぎて。
 
【雑感】阪神淡路大震災では2週間も経つと支援体制はかなり整い、食糧や水もほぼ行き渡り、周辺からボランティアも大勢被災地に入っていた。あの時、アウトドアの経験がかなり役立ったように思う。
 今回の震災では2週間たっても事態はなかなか好転せず、むしろ食糧事情では悪化している地域すらある。被害が東北から関東までの太平洋沿岸と範囲が広く、福島の原発事故による放射能の問題もあって、支援活動がなかなか進まないからだ。
 
 そういえば、阪神淡路の時、左派系のボランティアの方が言っていたなぁ。時間帯は掴めていないが、神戸市の東西を貫く国道2号線か中国自動車道を若狭湾の原発が使うウランを運ぶトラックが走っているとか。もし、そのトラックが被災したら、神戸は大変な大騒ぎになっていた。
 事実なら関西もきわどかった。いや、関西で東日本大震災と同規模の地震が起こったら、もっと酷い災害になったかもしれない。福島の原発が東京の電力を支えていたように、若狭湾の敦賀や美浜の原発が阪神地域の電力を支えている。東海・東南海・南海地震が起こったら、名古屋から京阪神まで被害を受ける。東日本以上の惨事になる可能性があるのだ。若狭湾も活断層があるので連動する可能性がある。
 
 ところで、2週間が経過して菅政権の対応について野党やマスコミから様々な批判が湧き起こっている。前の記事で述べたように、批判の中には些か憂さ晴らしとも思える過ぎた批判があった。
 例えば、野党第一党の党首に入閣を勧める事を非常識と批難するのは、些か世界史の常識を知らない言動だ。ヘリで視察した行為自体も最高指揮者が現場の被災状況を自分の目で確かめる至極真っ当な事である。自衛隊の動員に躊躇があった点にしても、軍事力の扱いに慣れていない左派系政治家の菅総理にしては総兵力の半分を投入することによく踏み切ったものだと好意的評価する。
 
 ただ、菅政権に過ぎたる批判は慎むべきとの立場の私でも、気になる点が無い訳ではない。これも前の記事で述べたように、福島原発30キロ範囲を屋内退避とした事、原発事故がすぐには解決できないのは素人目でも明らかで、やはり圏外へ避難するよう指示するべきだった。一般市民に屋内退避を呼びかけている地域に一般の民間運送業者が食糧を搬入できるはずがない。

 それに関連して物資の輸送がなかなか進まない点。既に震災から2週間が経過した。当初は動脈たる主要道路や港湾が津波と自身によって破壊されているから物資の輸送が滞るというのは理解している。
 しかし主要道路と港湾の復旧が進み、本格的に資材・食糧・医薬品の輸送や陸揚げが始まっているのに、未だ一部の被災地域には届かず、悲痛なファックスやメールがテレビ局に寄せられるのは何故か?
 
 仙台市周辺は私が住んでいる堺近辺とさほど変わらない「都会」だが、東北の沿岸部は小さな集落が点在している。
 私は若い頃にチャリンコで日本一周をしたので感覚として判っているのだが、入り江や湾ごとに小さな集落がある。これは東北に限らず日本の海岸線全てにいえることだ。当時の私はよく小学校の校庭(余談1)にテントを張らせてもらったので、「この規模の集落では分校すら無いだろう」「この集落は50戸くらいあるな。なら学校があるかもしれない」と宿泊先を吟味しながら走ったものだ。
 集落と集落の間はセンターラインの無い1車線の道でしかつながっていない事も多々ある。片道1車線の2方通行でも細い。今でも道路状況はさほど変わっていまい、津波と地震で寸断されているはずだ。
 
 てっきり自衛隊のヘリで孤立した集落に物資が届けられると思っていた。しかし法律の壁があってできないそうである。そのため道路が復旧した順に陸路搬送に頼っている。
 菅総理は何のためにヘリで被災地を視察したのか? 何のために10万規模の自衛隊を投入したのか? このままでは意味が無い。パフォーマンスと言われても仕方が無い。
 日本の公務員は特に臨機応変を嫌い杓子定規でつつがなくを望むものだ。特に自衛隊は迂闊に現場が臨機応変に法を逸脱した行動をとれば後が難儀だ。上が責任を負ってルールを変えて命令すれば下は動くのだ。 東京電力本社に乗り込んで社長たちを恫喝とも思えるほどの文句で叱咤したのと同じエネルギーで、なぜ法律を変えないのか? 暫定的にルールを設定しないのか?
 
 自衛隊の指揮者は統合幕僚長でもなければ防衛大臣でもない、菅直人内閣総理大臣が最高司令官である。都道府県知事は自衛隊に災害派遣を「要請」するしかできないが、総理は「命令」できるのである。

 ただちに行って然るべきことが、今頃になって検討されている。菅氏らが気がつかなかったのか? それとも高級官僚の反対にあって緩慢な進捗だったのか?  
 
(余談1)地方の小学校は堅固な門扉は無く開放的で、学校である同時に地域の集会場の役割も果たしていた。平坦で石ころの少ない校庭はテントを設営しやすく、手洗い場は洗濯や炊事に最適だった。お願いすれば意外にあっさり野営を許可してくれたし、原則として児童が登校する前に荷物をまとめて出発するのだが、ときどき世話をしてくれた先生と児童と一緒に記念写真を撮る事もあった。
 今の荒んだ世の中では、あの頃と同じやり方で旅をしたら間違いなく不審者として警官に逮捕拘留されるのは間違いない。 
 

 
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死刑判決 近頃の現象[六百四十一]

大学生生き埋め殺人、被告の死刑確定へ
 
 岡山市で2006年、東大阪大学(大阪府東大阪市)の学生ら2人を殺害したとして殺人などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた無職小林竜司被告(26)の上告審判決が25日、最高裁第2小法廷であった。(読売新聞)
 
【雑感】友人からの指摘で気がついたのだが、けっこう死刑判決が続いている。秋葉原の無差別殺傷事件も死刑判決だった。いずれも事件発生当時は個人的に死刑はやむを得ないと思う事件ばかりだが、国民の目が東日本大震災の被災地と福島の原発に集中している時期であり、マスコミも報道するニュースの殆どが震災関係のものばかりで、平時であればこれらの死刑判決は一面トップの大型見出しで扱われるはずなのに、二番手くらいの小さな報道となっているだけに、裁判官も今なら死刑を下しやすいのではないかと勘繰ってしまう。
 
 ただ、今回の被告人たちは死刑が確定されたとはいっても、現在の法務大臣は死刑廃止論に傾いている江田五月氏なので、彼が大臣を務めている間は死刑執行の命令書にサインをすることはまず無いだろう。
 
 日本が東日本大震災で右往左往している間でも、世の中は冷徹に動いている。中東情勢然り。


 
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2011年統一地方選 近頃の現象[六百四十]

統一地方選の異変

【雑感】いつもなら、告示前のこの時期、拡声器を装備した街宣車が町を巡回しながら簡単な政策アピールと政権批判を大音声(だいおんじょう)で繰り返すものだが、静かである。

 駅前では、出馬予定の「議員候補者」がいつもの選挙と同じく賑やかに候補者の名前を書いた旗指物を立ててはいるが、候補者らしき人物は募金箱を両手で抱えて東日本大震災被災者への支援を呼び掛けている。
 
 候補者もやりにくいだろう。真面目な政治家なら、こんな時期は使命感から全力で被災者支援をやりたいはずだ。しかし選挙に力を割かなければならない。
 選挙に力を割くといっても、いつものように名前を連呼したり、政策や政府批判のアジ演説をやったら有権者の顰蹙をかいそうだし、かといって募金活動に振り分けても売名行為とのクレームがつく。
 だから全国一律に選挙は半年から一年延長するべきなのに、片山総務大臣は紋切り型の民主主義の大義を主張する。本当に本心なのか?


 
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東日本大震災(14) 近頃の現象[六百三十九]

死者・不明2万7000人 避難生活24万人以上 
発生から2週間・東日本大震災

 
 東日本大震災は25日、発生から2週間を迎えた。警察庁によると、死者は9811人、行方不明者は1万7541人となり、合わせて2万7352人となった。24万人以上が避難所生活を余儀なくされ、厳しい状況が続いている。
 警察庁の24日午後11時時点のまとめでは、死者は12都道県に及び、宮城が5889人、岩手が3025人、福島が839人など。警察に届け出があった行方不明者は宮城が6671人、福島が5997人、岩手が4869人など6県に上る。
 避難所で生活する人は16都県で計約24万5400人。うち宮城が約8万9600人、福島が約8万5100人、岩手が約4万2800人。宮城から山形、群馬など、福島から県外に避難する人も多くなっている。(時事通信)

 
 
農産物、風評被害も補償対象…政府方針

 政府は24日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、福島県産のホウレンソウなど政府が出荷制限した以外の農産物についても、風評被害が及んだ場合に原子力損害賠償法に基づく補償の対象とする方針を固めた。(読売新聞)
 
 
島第1原発事故 
周辺地域で生産された
野菜や乳製品などについて
輸入規制の動きが拡大

 
 海外では福島第1原発の事故にともない、周辺地域で生産された野菜や乳製品などについて、輸入規制の動きが拡大している。(フジテレビ系)
 
【雑感】敢えて語弊を恐れずに言おう。顰蹙を買うこと確実だが、私は言う。
 
 今は日本中が善意の熱気に突き動かされた「お祭り騒ぎ」だ。世界中にもその熱が波及している。だが、阪神淡路の時もそうだったが、一段落つくと潮が引くように熱が冷める。「お祭り騒ぎ」そのものだ。しかしお祭りが終わっても、被災者が横並び一斉に生活が安定する訳ではない。多くは困窮したままだ。阪神淡路の被災者でさえ16年経った今でも後遺症に悩まされている方は多々いる。中国の唐山地震では32年経ってやっと映画化できる世論になった。
 
 これほどの被害、半年や一年で解決できるなどと思っている者は、もはやいないはずだ。被害は戦争でもやったかのような甚大さ、死者・不明者と残されたご家族の補償額は恐ろしい規模になる。
 一通りの救済を行っても、東北の町々は一から再建しなければならないし、放射能の影響はこれからも続く。直接の震災被害を補償しても、その後の後遺症は延々続くのだ。

 長い闘いになる。「お祭り騒ぎ」が終わっても、安定した救済活動を継続しなければならない。芸能人は気前良く高額の募金をしてくださるが、今後も額は落ちても定期的に募金していただきたい。
 我々平凡な庶民も、大金である必要は無い、仕事を辞めてまでボランティアに行く必要も無い。生活に支障が無い範囲での応援を安定して長く継続するのが肝要だ。頑張り過ぎて息切れして無力感に苛まれて自滅するよりも、少なくても末永い支援ができた方が良いに決まっている。
 

 菅政権よ、もう本音ではマニフェストを見直すのではなく、100%新しい物に変えなければならないと思っているはずだ。平凡な政治家たちなら、どのタイミングで表明するか思案中だろう。有能な政治家なら、直ちに動くべきだ。
 トム・ハンクス氏主演の映画「アポロ13」に、首席管制官ジーン・クランツ役のエド・ハリス氏がアポロ13号遭難事故の対策会議で、スタッフを前にして分厚いマニュアルを机に叩き落としながら「このミッションは忘れろ。これから新しいミッションだ」という場面がある。 
 

 
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プロ野球開幕延期 近頃の現象[六百三十八]

セ・リーグも4・12開幕!緊急理事会で決定
 
 セ・リーグは24日、緊急理事会を開き、4月12日に公式戦開幕を延期することを決めた。東日本大震災を受けた今シーズンのプロ野球は混乱もあったが、セ、パが同日に開幕する。(サンケイスポーツ)
 
【雑感】延期や自粛ムードから脱しなければ、逆に経済が回らず世間の気分も沈滞するばかりで、かえって東北被災地救済の足を引っ張ることになるというセ・リーグ首脳の考え方は理解できる。私も同じ理屈で吉本興業の沖縄国際映画祭予定通りの開催を「英断」と評価した。
 
 ただ、プロ野球と映画祭とは事情が異なり過ぎている。真っ先にあげるのは電力の問題だ。ドーム球場で3時間程度ナイターをすれば4千件分の電力が消費されるという。ただでさえ電力不足でパニック気味、福島原発の復旧も一進一退の状況でナイターをすれば、もしも事態が急転悪化したとき観客の安全を読売ジャイアンツは守れるのか? 落とし前をつけられるのか? 延期を意見した選手会は立つ瀬が無い。
 
 また巨人の滝鼻卓雄オーナーは交流戦の問題に言及して延期を決定したパ・リーグを牽制しているようだが、パ・リーグだけでなく畏れ多くも野球ファン様の頭を小突いた無礼千万発言をしている事に気がつかないのだろうか?
 プレイの問題としても、楽天のホームグランドは被災地の現場にある。練習にも少なからず支障がある。ハンデのある球団の事など気にもとめず、潤沢な資金力で大物選手をかき集めた贅沢球団はペナントレースを始めるつもりか? 傲慢にしか見えない。
  
 予定通り開幕するとしても、野球の原点に立ち返り、4月中はドームではやらず、ナイターもせず、関東一円の地方の野球グランドでチャリティー試合とする、なんて事をぶち上げたら、さすがナベツネ、滝鼻、太っ腹!と讃えることができたのに、残念だ。


 
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LOCONDOのCM 優れた短編映画テレビCM  

近藤正臣 LOCONDO
 

 
【雑感】良質のCM、1にシンプルかつインパクト、2に制作費が安い事が重要である。3に、できれば憶えやすく流行語になりそうなフレーズが付けば大成功である。
 
 CMは15秒または30秒と時間が決まっているようなので、その短い時間に会社や商品などの宣伝工作を十分に行わなければならない。
 大手企業では一般映画なみの制作費を投じて制作する事が多い。大作映画なみに有名俳優をキャスティングし、大掛かりなロケセットやCGを用い、まるで大作映画の予告編であるかのような内容にするものも少なくない。
 
 そんなCMも嫌いではないが、やはり好感を持つのは低予算CMである。あるいは低予算ぽくて4コマ漫画のように起承転結オチの効いたCMに惹かれる。
 近藤正臣氏が久々に出演したこのCM、お気に入りである。若い頃の近藤氏はどちらかといえば現在のキムタクのようなカッコ良いイメージで出演することが多かったが、今はすっかり山瀬まみ氏の着ぐるみタヌキが定着した蚊取り線香CMの初代タヌキを演じるようになってからキャラに三枚目風味も加わった。(余談1)
 
 今回のCMは、昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で扮した山内容堂の怪演ぶりのイメージも合わさって、面白き不気味キャラである。
 しかも良いCMの三拍子が揃っている。
 

 
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南相馬市 近頃の現象[六百三十七]

届かぬ食材、閉まる店 
福島・南相馬、深刻な食料不足

 
 福島第一原発の北にある福島県南相馬市。放射能を恐れる人が次々と街を離れた。人口7万人の市に、残るのは2万人。物資の輸送が滞り、各世帯の食料は尽きかけている。市の関係者は漏らす。
 「このままでは餓死する人が出かねない」(朝日新聞)

 
【雑感】南相馬市に行政力があれば、国の指示から離れ独自の判断で全戸避難を決行する手もあるだろうが、地震と津波被害で役所の機能も著しく低下しているはずだ。
 
 屋内退避は「賢者の愚」か「小役人根性」から生まれた指示と見なされても仕方が無い。この処置は原発が1基トラブルを起こして放射能漏れの可能性がある場合のマニュアルではないかと思うのだが。2・3日で事態が収拾する事を前提に考えられた指示のはずだ。
 
 今回のように、6基ある原子炉のうち4基までが深刻な事故になる事は「想定外」だろう。これほどの事故であるなら、2・3日で健全化するなど素人目にも無理であるのは明らか。中途半端に「屋内退避」を設けず、30キロ範囲も避難対象にするべきなのに、この期に及んで何故しないのだろうか?
 一般家庭にそれほど食糧は備蓄していない。我家の場合、米や味噌は数週間分あるが、生鮮食料は3日程度で食べ尽くす。もし米櫃に米が無くなりかけていて、新しい米が配送されるのを待っていたときに地震・津波・放射能ときたら、3日分程度のインスタントラーメンとレトルト食品しか蓄えていないので苦しいことになる。

 屋内退避のまま現状を維持するのであれば、この時こそ海江田経産相は輸送業者に「南相馬に食糧を送れ。さもなくば輸送を拒否した非人道的業者として社名を全国・全世界に公表するぞ」と恫喝すれば良い。(不謹慎ながら半分冗談だ)
 現実問題として、一般住民に対し屋内退避を指示している地域に一般市民が運転するトラックで食糧を輸送なんて矛盾している。放射能防護服を装備し原発事故に対応する特殊訓練を受けた民間の運送業者なんて聞いたことが無い。自衛隊・警官・消防は被災地の捜索等で多忙、屋内退避地域へ食糧を輸送する余裕は果たしてあるのか疑問だ。
 30キロ屋内退避は私も最初から失敗だったと思う。
  

 
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社団法人ACジャパン(2) 近頃の現象[六百三十六]

ACジャパン出演中の仁科仁美
「複雑な心境です」胸中を語る

 
 東日本大震災の影響で自粛している民間企業のテレビCMに代わり、大量に放映されるようになり、一部の視聴者から苦情が出ていたACジャパンのCMのうち、乳がん・子宮頸がんの検診を啓発・促進するCMに出演中の仁科仁美(26)が、ブログで「想像もしていませんでした。それと同時にどうする事も出来ないのが現状です」と、苦しい胸のうちを明らかにした。

 仁科は母親・亜季子との連名で「長年に渡り子宮けい癌の啓発活動に力を注いできた私達は今とても悩んでいますし、心が痛みます。私達は、少しでも力なりたくて、思いを込めやらせていただいたお仕事です。ですが、今回の災害の状況、日に日に大きくなる被害や被災された方々の事を思うととても複雑な心境です」と心境を綴る一方で「ただ1人でも多くの方が笑顔になってくださる事を心より願ってます」と切実な願いもしたためた。

 今回の騒動を受けてACジャパンでは先日、不快を与えたことを謝罪をするとともに、ロゴ部分の音声削除や新CM制作などの対策を行うと発表している。(サーチナ)

 
【雑感】ACジャパンが謝罪する必要あるのか? 私には謝罪する義理も道義も無いと思うが。ちっくとサービスが悪うなったぐらいでクレームつける輩のほうがどうかしている。ましてや、仁科母娘には悩む必要は皆無であることを言いたい。 
 
 前回の記事で指摘したように、私はクレームをつける意思は無いが意見はあった。急ごしらえでも震災をテーマにしたCMを流すべき、「静止画にテロップやタイトルだけを付けて流すだけでも良い」と指摘したが、ACジャパンは私が意見するまでもなく既に制作して放送していたようだ。
 男性向けと女性向けの2種類を用意し、パソコンをつけっ放しにするなとか、不必要なものは買わないとか、注意を促すCMだった。これは良いのではないか。できればもっと早く目立つように放送してもらいたかったが。
 
 前回の記事で指摘したように、震災騒ぎで各企業がCM自粛をしている事情は説明しなくても察することができるはず、その分の空き時間にACが充填されている、そのくらいの洞察力は持たなければ、パニックの震源地に成り下がる。
 
 無責任なクレームや批判が多い。
 

 
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菅直人(3) 近頃の現象[六百三十五]

首相、新たに福島産コマツナ…、
茨城産パセリなど出荷停止を指示


 菅直人首相(原子力災害対策本部長)は23日午前、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質(放射能)が検出されたとして、福島県の佐藤雄平知事に対し同県産のコマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、カブなどの出荷を当分の間、控えるよう指示した。(産経新聞)
 
【雑感】震災前は、進捗しない予算委員会の審議・有力閣僚の辞任・自身の献金問題などなど、風前の灯だった菅政権だったが、東日本大震災によって一連の批判はまるでリセットされたかのようになった。しかしこれから復興が進むにつれて再び菅氏は窮地に立たされることになる。そろそろ声高に批難する政治家やジャーナリストが増えてきた。
 放射能の問題は、東北が復興段階になってからでも尾を引く問題だ。なにしろ今回の事故によって反原発運動が勢いをつける。一方で山野を切り崩したりCO2排出などのリスクがあるダムや火力発電所は近年の環境保護政策で減らす傾向にある。加えて不穏な中東情勢で原油価格は急騰中だ。復興には莫大なエネルギーが要る。慢性的な電力不足と経済活動への支障は避けられず、それらは菅政権への憤懣となって跳ね返る。

 
 ただ、菅直人氏を擁護する気は全く無いのだが、あまり過ぎた批判をしても被災民のためにはならない。批判と合わせて提言もしなければ、責任を負っていない気楽な立場の人間が責任者に罵詈雑言を並べて憂さを晴らしている空虚な風景にしか見えないのだ。
 
 1つ、震災が起こって早々に被災地をヘリで視察した行動。ただでさえ現場は大変なのに準備で大迷惑だとか、人気取りパフォーマンスだとか批判されている。ヘリに同乗したのが広報担当で防災専門家ではなかった点も指摘されているが、これが事実なら私も批判すべき問題だと見る。
 ただ、震災直後に上空から被災地を肉眼で見る事自体は正しいと思っている。被災自治体の中には行政組織そのものが壊滅したところもある。現実に情報が錯綜していて大混乱だった。そんな時、上がってくる報告を官邸に居座って聞くだけでは震災の被害の甚大さは実感できない。
 阪神淡路大震災当時の村山富市首相は側近スタッフや現場スタッフに迷惑がかからないよう動かなかったために大顰蹙を買った。震災を実感できていないために対応が後手にまわっているとも批難された。知人の旧社会党支持者などは「村山の奴! 自民党の首相と同じやないか!」と怒っていた。
 
 2つ目、自衛隊の投入方法。最初から思い切って10万規模で投入するべきだったとの批判だが、10万とは総兵力の半分、これを動かす意味が批判者に解っているのだろうか? 最初の段階でも万の数は投入していた、阪神淡路クラスの災害であればけっして少ない動員ではない。菅首相の判断が遅いという見方も可能だが、それでも初期の動員数では少な過ぎる事に気づき10万にした。
 もし最初から10万規模で出していたら、保守のタカ派市民たちは国防問題を持ち出して批難するだろう。
 
 3つ目、野党党首谷垣禎一総裁の入閣を打診した事。これを唐突だとか荒唐無稽と批判する声が大きいようだが、私は世界の常識から見て非常識ではないと思っている。アメリカでは在中東アメリカ軍が危機的状況になっている事から国防長官は共和党政権から同じ人が務めている。フィリピンでは選挙制度の関係とはいえエストラーダ大統領時代は「野党」のアロヨ氏が副大統領を務めた。
 世界史でたぶん最も有名なのは、日中戦争時代に中国は国民党と共産党の「大連立」、すなわち国共合作をやっている。

 震災前は、官僚を動かせていない、政治主導になっていない、政権の体をなしていないなどと民主党を批難していたのはどこの党だ? 自民党ではないか。では今回の震災を乗り切る能力が菅政権に無いからといって、統一地方選すら行えない自治体がある状況で解散総選挙なんかやったら、幾ら大人しい日本人でも革命が起こってしまう。
 菅氏から投げてきたボールを反射的に棄てるのではなく、別のボールも付けて投げ返せば良いと思うのだが。官僚を動かせる力があるのは自民党だ、という事を魅せる機会ではないか。東北はどちらかといえば保守的な地方だ。菅直人氏の下座であったとしても谷垣氏に陣頭指揮を執ってほしいと願う自民系市民は少なくないと思う。
 用意したポストが副総理兼震災復興担当相ゆえ震災のアフターケアを自民に押し付けてきたとの見方も可能だが。

 いずれにせよ、非常識な打診ではない。救国なので半年か1年の期間限定で民主自民の暫定連立をやってもバチはあたらない。
 
 今はどうしても批判しておかなければならない点だけを批判するべきなのだが・・。
   

 
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原子力安全委員会 近頃の現象[六百三十四]

原発設計「想定悪かった」原子力安全委員長
 
 政府の原子力安全委員会班目(まだらめ)春樹委員長は22日の参院予算委員会で、東日本巨大地震による東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、「(原発設計の)想定が悪かった。想定について世界的に見直しがなされなければならない。原子力を推進してきた者の一人として、個人的には謝罪する気持ちはある」と述べ、陳謝した。(読売新聞)
 
【雑感】原子力安全委員会」と聞いて不思議に思う者も少なくないと思う。一連の「事象」で記者会見によく登場するのは経済産業省配下の原子力安全・保安院で、原子力安全委員会がマスコミ上に出るのはあまりなかった。
 私は逆に原子力安全委員会という機関がある事を知っていたので、「保安院て何や?」と思った。
 
 原子力に詳しい友人に聞くと、日本の原子力安全規制は二重構造になっているらしい。知っての通り、批判の矢面に立たされている原発の直接の管理責任者は東京電力だ。いわば東電のように原発など原子力関係の施設を取り扱う事業者を監督する機関が経産省の原子力安全・保安院なのである。だから今回の福島第一原発の事故では保安院が監督責任のある政府機関ゆえ会見に出てきた。
 では原子力安全委員会とは何ぞや? 私はてっきり東電を監督するのが原子力安全委だと今まで思い込んでいた。実は保安院をチェックするのが内閣府直轄の原子力安全委員会なのである。好意的にいえば、慎重を期しダブルチェック体制をとっているとなるのだが・・。

 他に原子力委員会があるが、これは原子力事業の開発・利用方針・計画を立案する推進部署、ほぼ5年ごとに政策大綱をつくる。今年はその大綱の改訂時期にあたっているらしい。
 諸外国も概ね推進機関と監査機関の2輪体制で原子力を管理しているのだが、日本のように安全についてはダブルチェック体制というのはあまり無いみたいだ。
 ダブルチェックが健全に機能していればいいのだが、官僚組織というのは硬直化するようにできている。ましてやチェック機関なんか、国会の参議院や一般企業の監査役員の例でも判るようにお飾りに変質しやすい。保安院が仕事をやっていたら、原子力安全委はそのお墨付きを与えるだけの実質権限が薄い形式だけの機関に成り下がる恐れがある。
 実際、とういう状況なのだろうか?
 

 
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被災地での入浴 近頃の現象[六百三十三]

陸前高田市避難所ではお風呂設置
 
 住民の避難生活が12日目を迎えた陸前高田市の第一中学校の避難所です。長い避難生活で住民の疲れもピークに達する中、22日は初めてお風呂が提供されました。

 お風呂は自衛隊が用意したもので、1回当たり30分という時間でしたが、地震の後初めてお風呂に入ったという住民も多く、入浴を済ませた方々たちはすっきりとした表情を見せ、笑顔の方もいました。(TBS系)

 
【雑感】阪神大震災の時もそうだったが、被災してまもなく必要になってくるのは、とにかく飲み物と食べ物。阪神の時も今回の東日本大震災も冬場なので衣類や毛布が直ちに必要となる。私の友人知人も被災直後は避難場所で配られた食事は菓子パンや甘食だけだった。湯を沸かす余裕が無いので、握飯やインスタントラーメンの類は少し後になってからだった。缶詰も高級食材である。
 
 そういった事情があったので、我家の備蓄食糧もチキンラーメンにしている。以前に当ブログでも書いたことがあるが、チキンラーメンは生のままでもベビースターラーメンのように食べられる便利さがある。あまり煮炊きできない環境、あるいは水も燃料も無くお湯すら沸かせられない環境でも対応できる。
 夏季ならば、チキンラーメンの麺に付着している調味料が塩分補給に役立つ。一説によれば、ベトナム戦争時に強大なアメリカ軍と戦った南ベトナム解放戦線はチキンラーメンを戦闘食に利用していたとの噂があった。

 次第に状況が把握できるようになってくると、避難所には温かい食事と清潔な便所の需要が高まり、1週間が過ぎる頃あたりから風呂が欲しくなる。ニュース映像を見ていると、市の職員や首長まで無精髭を生やしている。伸び加減からして震災時から剃っていない、風呂に入らず職務を遂行している様が窺われる。
 
 風呂に入らなくても死なないので、飲料水や食糧などより後回しにされるが、冬でも1週間が過ぎれば衛生面で問題になり、ストレスによる免疫力の低下も相まって感染症の危険が高くなる。夏だと大変なことになるだろう。
 避難生活が長期になることが確実になると、そろそろ風呂に入って身体を清潔にし、温めることで免疫力を高め、精神的にリラックスさせなければならない。避難所のストレスが入浴によって一旦リセットすることができるのだ。
 

 因みに、下記のデータサイトは知人から伝わってきた転送メールである。一応チェーンメールでないか確認をした。情報の精度は良好のようなので掲載する。但し、1日1日状況は変化するので、閲覧者は必ず逐一確認をしてから行動されることを願う。
 
東北の被災地で今すぐ入れる入浴施設リスト
http://sairosha.com/furo/furoikoka/hisaitijoho.htm
  

 
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2011年世界フィギュア(2) フィギュアスケート[六十二]

世界フィギュアの日本開催断念
ISU、代替地など検討

 
 国際スケート連盟ISU)は21日、フィギュアスケート世界選手権の日本での延期開催を断念したと発表した。当初はこの日に東京・国立代々木競技場で開幕する予定だったが、東日本大震災の影響で取りやめていた。(時事通信)
 
【雑感】やむを得ないだろう。海外メディアは原発事故の報道に力を入れている。日本人が考えている以上に欧米諸国は原発の放射能に神経質だ。

 いくら日本側は放射線量が微少で致命的な事故には至っていないと説明しても、事実そうだと思いたいが、原子炉を格納している建屋が派手に爆発する映像が流れたり、破壊されて鉄筋むき出しの施設映像が流れたら、チェルノブイリと同様の事故であるかのような印象を持ってしまうのは無理からぬ事だ。人間は正確な事実関係よりも見た目の印象で判断するものである。
 
 おまけに。事態がなかなか好転しない様に我々日本国民だけでなく海外も菅政権に不信感を強めつつある。政府側の発表と東電側の発表の食い違いや温度差も、チームワークの不協和音を印象付けてしまっている。 
 前述したように開催を仮に強行したとしても、欧米の名だたる選手は出場を辞退する恐れが出てくるだろう。

 ISUの表向きの発表は、「日本での開催方法を模索してきたが、日本スケート連盟から辞退せざるを得ないと連絡があり、これを受け入れた」ということにしているが、日本でやるかやらないかの返答期限は日本時間の明日までだったはず。日本連盟は期日を待たず諦めたということなのか?

 別の情報では、日本連盟はまだ今秋の開催を検討しているとあるし、どうもおかしい。どのみち22日夜までの回答自体かなり急く無茶な要求なので、ISUは日本側の「自発的判断」による辞退を迫っていると見ていいのではないか。私はそう思う。
 
 選手のことを考えたら、この春に合わせて練習を積んできたわけだから、他の国での4月開催になったほうがマシかもしれない。
 

 
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大阪人の本音? 近頃の現象[六百三十二]

「この地震、本当に起きてよかった」
大阪府議長が発言

 
 4月1日告示の大阪府議選に立候補を予定している長田義明府議会議長(自民)が、20日の事務所開きのあいさつで、東日本大震災に関連して「大阪にとって天の恵みというと言葉が悪いが、本当にこの地震が起こってよかった」と発言した。長田氏は朝日新聞の取材に「不謹慎な言い方で、反省している」と話している。 (朝日新聞)
 
【雑感】大阪人の「本音」なのかな? 土佐系とはいえ私も人生の殆どを大阪で過ごしている大阪の人間なので、そんな風には思いたくはないが。
 
 残念ながら長田義明氏のような感覚の政治家や経済人は居る。その背景について私もいろいろ知っているが、大阪人の評判を落とすような裏切りはしたくないので1つだけ要因を述べよう。
 
 大阪は幸運にも災害が少ない恵まれた国だ。最後に大災害に遭ったのは、半世紀ほど前の第二室戸台風だったのではないか。その第二室戸でも隣の尼崎などの下町は被害を受けたが、大阪は思ったほどの損害はなかったように思う。
 私が記憶している台風の直撃にしても、突風が吹く程度のもので、大したことは起きなかったが「台風上陸」なので学校が休みになり、友達らと喜び遊びに出かけた事もあった。
 あの阪神淡路大震災でさえ、被害の多くは神戸周辺であって、大阪でも一部深刻な被災をした方はいたが、全体としては殆ど無傷といって良い。
 
 今回の東日本大震災で鉄壁の守りを施した宮古市の旧田老町には、子供の頃に津波を経験した人や、父母や祖父母の代に被災を経験した人など、津波の記憶が色濃く残っている。前の記事にも書いたが、大阪の泉南市や阪南市の海岸にある防波堤に比べれば田老町の防潮堤は巨大要塞、他の東北の町々や東海道の海岸も大阪に比べたら立派な防波堤を築いている。
 だが、大阪人にとって町を壊滅させたのは台風や地震というよりは第二次世界大戦のB29だ。それだけ被災の経験が乏しく、ピンとこないのである。ピンとこないから他人事に考える人間も必然的に多くなるし、経済の国ゆえビジネスチャンスと捉える大阪人がいても仕方がない。
 
 だから私は「唐山大地震」などを上映自粛にしたのは誤りだと思っている。大阪では上映しなければならない映画だ。
 同じ日本人でも地域や県民府民気質が大きく違う。同じ日本人だから、同じ光景を見て同じ感情を持つとは大間違いだ。温度差どころか発想も異なる場合がある。
 唐山大地震」を東北で上映しても意味はない。生の光景が眼前に広がっているのに、なんで地震の映画が観れようか。それに多くの映画館も被災していて上映できない。関東も東北支援の最前線だ。しかし大阪では災害への危機感が無さ過ぎるので上映すべきである。
  
 そういえば、橋下徹知事は咲洲庁舎への本庁機能移転を凍結したそうではないか。議会は防災の不備を指摘して2回否決されている。たぶん、巨大地震が起こっても咲洲庁舎なら崩落する可能性は低いかもしれないが、福島第一原発のように周辺の重要機器が破損して大事故になってしまったように、電気通信機器が破損して海の真ん中で孤立することは十分ありえる。通信機能を遮断されエアコンや水食糧が無い状態になったら府を統括するどころではない。
 しかしそんな咲洲庁舎問題も、大半の大阪府民は無関心だ。移転されると困る現庁舎周辺の飲食店などの業者は死活問題ゆえ反対の声をあげているが。
 

 
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