「ルパン三世」の実写化?(2) メイサが峰不二子だって? 近頃の現象[九百五十七]
「峰不二子はメイサより真木よう子」の声
批判を恐れず、国民的アニメを実写化する勇気はたたえたい。ただ、それぞれに思い入れが深い“峰不二子”だ。だから40年ぶりの実写化が決まった「ルパン三世」(北村龍平監督=来夏公開予定)に黒木メイサ(25)が抜擢され、ファンの不満が噴出するのは無理もないだろう。(日刊ゲンダイ)
【雑感】ヤマトの森雪役に続いてまともや批難を浴びるか。金字塔的アニメの実写化作品のヒロインを立て続けに努めていずれも批難を浴びるとは気の毒に思う。
記事によると本命はこれまたヤマトと同じ沢尻エリカ氏だったらしく、エリカ側から断られて黒木メイサ氏に回ってきたそうだ。
個人的には、ルパンたちは若造ではないと思っている。世の中を知り尽くした大人で、知力体力経験のバランスが最もとれた年齢、すなわち30代後半から40歳くらいが適当で、20歳代や30そこそこではまだアオ過ぎる。
だから、ハードボイルドやひょうきんな役柄もできる40男の大泉洋氏がルパンに、峰不二子はやはりプロポーションと貫禄と色気から42歳の藤原紀香氏が適役だし、ルパンとも釣り合っていると思っている。同じように思う者が多い事は記事に掲載されたアンケートでも現れている。
前評判の悪いキャスティングを演出と演技力で克服してもらいたいものだが、ズッコケドタバタコメディだけの作品になりそうな気配だな。



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「ルパン三世」の実写化? 映画業界はネタないのか? 近頃の現象[九百五十六]
8キロ減量で役作り
人気アニメ「ルパン三世」が実写映画化され、来夏公開される。主人公のルパン三世を演じるのは俳優の小栗旬(30)。ほかにも次元大介役で玉山鉄二(33)、石川五エ門役で綾野剛(31)、峰不二子役で黒木メイサ(25)、銭形幸一警部役で浅野忠信(40)ら豪華メンバーがそろった。「あずみ」などの北村龍平監督がメガホンを取る。(スポニチアネックス)
【雑感】怖いもの観たさはある。前回の目黒祐樹氏主演の実写化では呆れて笑うしかなかったが、今度はどうだろうか。お気に入り俳優浅野忠信氏が出演とあれば、仮に100%駄作である事が判っていたとしても観たい。
ただ、どちらの「ルパン」を実写化するだろうか? 私の好みは悪の魅力たっぷりの大隅正秋氏演出のグリーンジャケット版を実写化してほしいが、小栗旬氏は赤を着たらしい。浅野忠信氏も子供っぽく大袈裟に銭形を演じるのだろう。
それにしても「キャシャーン」「キューティーハニー」「デビルマン」「ヤッターマン」「宇宙戦艦ヤマト」「ガッチャマン」などなど、私のように60年代に生まれ70年代に小中学生時代をおくった世代にとっての金字塔的名作アニメが続々と実写化される。
理由は2つあるだろう。1つは、映画制作の指導的ポジションに付く人達がちょうど私とほぼ同世代という事だ。CMでも、私が中学生時代では60年代のポップスがBGMに使用されたが、これは60年代に青春をおくった世代がCMディレクターなどを務めるようになったからであり、90年代末から2000年代にかけて80年代ポップスがやたらCМに使用されるようになったのも80年代に青春をおくった私の世代がCM制作の指導的立場に立つようになったからだ。それと同じだ。
2つ目は、ハッキリいうが映画ネタが乏しいかネタを探す気力が無いのか、ダイレクトに興行成績を上げられそうなリメイクに走る。私は両方の意味合いがあるのかなと思っている。
どうせなら、私はガンダムの実写版を観てみたい気がする。どれだけリアリティあるモビルスーツでの戦争場面を描写できるか、ヤマトのようにガミラスを得体の知れない生物に描写して誤魔化す事はできないので見ものだ。
ジオン軍は基本ドイツやイングランドなどのヨーロッパ系の俳優やエキストラで固めなければ迫力は出ない。日本人がやったらコスプレにしか見えないだろう。以前に日本人がシャアに扮した「実写」を観た事があるが、おそらくイケメンが演じているのだが日本人丸出しの雰囲気に興醒めだった。シャアは金髪碧眼のドイツ系でないとしっくりこない。
またコミケやワンフェスではジオン軍の扮装をした人を見かけるが、いずれも襟章などは金か黄のアップリケだった。やはりジオン軍の絢爛な襟章は金糸による刺繍でないと安っぽい。コスプレの場合、制作の技術や金銭の問題で安上りのアップリケで対処してしまったのだろう。映画ではナポレオン時代のように襟章や金モールなどは金糸を使わなければリアリティがない。
そのうえで、NHKの「坂の上の雲」のように硝煙や泥に塗れる戦(いくさ)の雰囲気を出せるかどうか。実写ヤマトのレベルではファンはそっぽを向く。
そろそろガンダムに挑戦する者が現れそうだが、どうするか楽しみだ。



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第1784回「テンションのあがる冬の曲!」
こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の西内です今日のテーマは「テンションのあがる冬の曲!」です。冬の曲というと、切ないバラード系を思いだしがちですが…皆さん、テンションのあがる曲を知っていますか?よ~く考えてみたのですが、やっぱりこれしか思いつきません;ゲレンデがとけるほど恋したいッ!!!ゲレンデには滅多に行かないのですが、とけるほどの恋したいですね~冬の旅行に向けて、オリジナルベストを作ろ...
FC2 トラックバックテーマ:「テンションのあがる冬の曲!」
【雑感】学生の頃から習慣として12月8日から正月三が日まで書斎に必ず流す曲がある。
ジョン・レノンの「Happy Christmas (War is Over)」
U2の「New Year's Day」
ジョン・レノンの「Happy Christmas(War is Over)」はクリスマスソングというよりも反戦歌といった方が良いだろう。ベトナム戦争が激化する不穏な世界情勢を背景に、些か楽観的とも思えるような歌詞で反戦を訴えているが、初めて聴いた小学生の頃は英語の意味が解らず曲調だけで判断したので、何やら決死の覚悟のような緊張感が見え隠れして少し怖い歌のようにも思えた。
一見すると楽観的な内容の歌詞が判るようになってからも、同時にジョンの社会的ポジションも知るようになり、余計に戦慄を感じるようになった。綺麗なクリスマスソングではない。癒しのクリスマスソングでもない。ロマンチックなクリスマスソングでは決してない。ジョンがヨーコや仲間や子供たちと共に不穏な流れに抗うクリスマスソングだ。
クリスマスではなく12月8日から流すようになったのは、言うまでもない。ジョンが撃たれた日だからだ。8日からクリスマスの25日まで流す。
U2の「New Year's Day」を初めて聴いたのは高校三年生の頃だった。私は欧米の楽曲を聞く割に英語の成績は良くなかったので、意味も解らず聞いていたのだが、「お正月」というタイトルなのになにやら真夜中の吹雪の中で咆哮するような曲調、暗くて寒々として危険な緊張感を抱いた。
私の体感はまんざら的外れではなく、この楽曲のミュージックビデオは零下20度の厳冬期北欧で撮影され、U2のメンバー4人は白旗掲げながら登山か雪中行軍のような身なりで馬に乗ったり、真っ白な雪原で漠然と空に向かって叫ぶように歌ったり。ギター担当のエッジが指の先端を切った軍手でギターを演奏しているところが妙にリアリティーを感じたり。
歌詞については、解説ではポーランドの労組「連帯」のワレサ委員長に触発されて書いたそうだが、単純に素直に歌詞だけを観れば恋愛の歌にしか見えない。だが恋愛の歌らしからぬ曲調とミュージックビデオ。
恋愛の歌詞が続いたかと思ったら、
「Under a Blood Red sky
A crowd has gathered, Black and White
Arms entwined, the chosen few」
などと物騒な歌詞が飛び出す。
U2が社会派のロックバンドとして有名定着した作品だ。私はこの歌を素直にクリスマスを過ぎた12月26日から翌年の正月三が日まで流す。



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「Virginia/ヴァージニア」 孤独を楽しむ時に〔55〕
熱帯夜の丑三つ時に楽しむ環境ビデオ。
【原題】TWIXT
【公開年】2011年 【制作国】亜米利加 【時間】89分
【制作】フランシス・フォード・コッポラ
【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【原作】
【音楽】オスバルド・ゴリホフ ダン・ディーコン
【脚本】フランシス・フォード・コッポラ
【言語】イングランド語
【出演】ヴァル・キルマー(ボルティモア) ブルース・ダーン(保安官) エル・ファニング(V.(ヴィー)) ベン・チャップリン(ポー) ジョアンヌ・ウォーリー(デニース) デヴィッド・ペイマー(サム) オールデン・エアエンライク(-) ドン・ノヴェロ(-) ライアン・シンプキンス(-)
【成分】ファンタジー 不思議 不気味 知的 切ない ホラー 吸血鬼 一部白黒 退色カラー
【特徴】スランプに陥った三流オカルト小説家がある田舎町で遭遇する不思議な出来事。不思議体験を経て小説を書き上げるまでを描いている。
【効能】真夏の熱帯夜に観ると涼がとれる。独りを楽しむ時に最適。
【副作用】コッポラ映画を期待して観ると拍子抜け。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
「魔法少女まどか☆マギカ」での騒動 近頃の現象[九百五十五]
「正論」はいて映画館ツイッターが謝罪、停止

(C)MagicaQuartet/Aniplex・MadokaMovieProjectRebellion
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」劇場版の一部客に対して、映画館のツイッターアカウントが苦言を呈した。チケットと引き換えに限定特典を手に入れ、映画を鑑賞せずにそのまま出て行ってしまうからだ。(J-CASTニュース)
【雑感】映画を観ずに帰る客に文句を言って何が悪い? 正論なのだから毅然とすればいい、謝る必要は無かった。
得点目当てで作品は観ない、という現象は今に始まった事ではない。かつては漫画雑誌の付録目当てで買って、中身は読まずに放り棄てる、仮面ライダーのスナックについてるオマケ欲しさに購入してスナックは食べずに放り棄てる、そんな事は大昔からあって時には社会問題にもなった。
モノづくりに従事している一介の旋盤工の私でも、立派な藝術作品ではない単なる工業製品だが、無残に使い捨てられるのは嫌だね。手間暇かけてやった事が蔑ろにされた訳だから、自分の仕事が否定された訳だから。
だから、社員食堂の飯はイマイチだが残さず食べる。食堂の飯をつくるのに大勢の調理師の手間暇がかけられているし、食材の野菜や魚などはもっと手間暇がかかっている。
当ブログで何度か述べた事があるが、私は自分がやられて嫌な事は他人様にはやらない。(しかし自分がやられて良かったと思う事は積極的に他人様にもして差し上げる)
自主映画制作を手伝った事があるので若干解るが、映画は非常に手間のかかる仕事である。レピュアーの中にはカッコいいとでも思って言っているのか不明だが、作品をけなす際に「途中から寝た」などと堂々と書く輩がいる。私は一応最後まで観てやるのが流儀だ。
問題の映画館には以下の批判が寄せられたという。
「客が金出してるんだから特典目当てでも問題ないかと」
「客を小馬鹿にした発言」
「一個人の意見は一個人のアカウントで呟いて下さい 会社の看板背負って私的な発言は辞めてください」
そんな理屈がまかり通るのなら、逆にこれらクレームも偉そうに「お客様風」ふかしているだけや。映画館がお客さんの態度に不満を述べただけで「小馬鹿にした発言」か? 何様じゃ。
会社の看板背負っている以上は会社の意見や、なにを眠たい事いうとるんや。映画を上映する映画館が映画を観ずにオマケをもらって帰る客に苦言を述べるのは正当な発言や。法的な問題云々をいうとんのやない、道義の問題も解らんのか?
気に入らんかったら「へぇーそうかい」で聞き流せば済む問題や。
もっとも、映画を観ずにオマケだけいただいて帰るのは、実は私も有りだと思っている。但し、そのときはチケットを映画を観たがっている人に譲る。いまどきのシネコンではやりにくいか。



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子供の名前にまつわるトラブル Yahoo! JAPANの「みんなのアンテナ」から。
【雑感】Yahoo!JAPANのホームページ扉にある「みんなのアンテナ」に興味深い記事があった。
歴史ある家に嫁いだ女性がYahoo!知恵袋に不満と相談を投稿、なんでも嫁ぎ先の家では代々男子には「氏」を付ける風習があり、それに逆らって自分の息子に好きな名前をつけたら、義両親からの援助は無く、七五三等にの行事にも「家の子と認めていない」とストレートに断られ、まるで勘当同然の扱いを受けたというのだ。逆に親の意向に従った義弟夫妻には手厚い援助があり、ゆくゆくは義弟の息子が跡継ぎになるらしい。
投稿者はたかが名前でなぜ?と不満をあらわにし、善後策を問うていた。
そのベストアンサーに選ばれた回答がなかなか的確で溜飲さがるものだった。状況分析もさることながら、投稿者の配偶者を情けないと批判しながら返す刀でピシャリと投稿者のエゴイズムを指摘し、「どうしてもつけたい名前がつけれたのだからそれでいいじゃないですか」「たかが名前というなら、あなたが折れればよかったんです」「あなたにとっては自業自得でしょう」「援助がない代わりに親の老後も見なくていい、そう切り替えられてはどうですか?」と結論する。
投票によってベストアンサーに選ばれたようで、質問者が選んだのではなさそうだ。他の回答もけっこう投票者への辛辣な批難が多い印象を受けた。このバッシングで投稿者の精神状態がどうなっているのか、いささか心配である。
問題の記事は下記のアドレス。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14115401329
私の息子の名前も少しもめた。私の家では「正」という字を引き継がす。私もそのつもりであり、流行の名前は好きになれなかったし、特にゲルマン系の名前に漢字を充てたような名前は、その名前の方には申し訳ないが虫唾が走った。
連れ合いは私の頑なな姿勢に折れたがその代わり画数判断で最も吉と出ている名前にするよう条件をつけ、私はそれを呑んだ。
たかが名前、記号に過ぎない、とうそぶく輩がいるが、記号に過ぎないと誠に思っているのなら、名前に記号以上のものを感じている者に合わせてもバチは当たらんではないか、なぜそれができん?と私は憤る。たかが名前と言いながら特別な感情を抱いているから対立するのだ。
左派市民はアイヌ民族や沖縄の文化に対して非常に理解があり手厚い。私自身もアイヌや沖縄の文化を勉強した時期があった。同じように日本(アイヌ語の呼称は「シサム」、沖縄方言は「ヤマト」)にも文化がある。高知にも文化がある。そして私の一族にも文化があり、長男の私はそれを引き継ぐ。
「古い」云々の批難があるだろうが、そうしなければなかなか文化というものは引き継げないし、引き継がない。アイヌや沖縄は認めるのにわが故郷や我が家の文化はなぜ蔑ろにされるのか、という不満を左派市民の友人たちに抱き口論になったことがあった。
自由意志のままに任せたら勢いの強い文化に侵食される、それが判っているから左派市民は少数派であるアイヌ民族や沖縄人や在日コリアンの文化を支援する。ならば勢いの強いアメリカ文化に日本が侵食されるがままになっても良いというのか?
それぞれの家庭に文化がある。それを否定しながら(日本以外の)民族文化を守れという主張には滑稽な矛盾を感じてしまうのだ。



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第1777回「鍋に欠かせない具材は?」
こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当の木村です。今日のテーマは「鍋に欠かせない具材は?」です。いよいよ寒くなって、鍋がおいしい季節になってきましたね!みなさんは鍋にどんな具材を入れますか?何鍋かにもよると思いますが、おそらく好みの具材は何鍋に入れても美味しいのではないかと思います。私の場合、白菜&キャベツ!もうね、肉は無くてもいいから野菜!って感じなんです。本当は餅きんちゃくがとっても...
FC2 トラックバックテーマ:「鍋に欠かせない具材は?」
【雑感】うちはマロニーちゃんだ。無ければ葛きり。夕食を鍋にするとき、マロニーちゃんが無いと、私は近所のスーパーまで走って買いに行く。連れ合いはいつも迷惑そうに顔を顰めて「もうぅええやん!」と制止するが、振りきってでもマロニーちゃんだけを買いにスーパーへ走って買って中層団地最上階の自宅まで駆け上がる。

写真は2010年1月の豆腐チゲ。光線の加減であまり赤くないが、キムチをどっさり入れた韓国風の赤い鍋(チゲ)である。この写真がもっともマロニーちゃんの存在をよく写している。豆腐と白菜に挟まれて横たわる半透明の物体。1回の鍋で私は一袋使ってしまう。締めのうどんや雑炊にも入れてしまう。
連れ合いは軟らかいマロニーを食べるが、私はアルデンテよりやや硬い歯応えのあるマロニーが好きだ。
こないだも鍋をやったが、1歳児の息子に配慮して辛いチゲはやらず、昆布と鰹出汁か塩出汁の寄せ鍋や水炊きになった。辛い物好きの私としては物足りない。
息子も辛い物やビールなどに興味を持ち私が飲むビールや肴のキムチにニコニコしながら手を伸ばしてくるが、「それは人が食べているのに興味持ってるだけ」と連れ合いは素っ気無い。



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第1776回「【年をとったなぁ…】と感じる時」
こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当加瀬です(^v^)/今日のテーマは「【年をとったなぁ…】と感じる時」です。 時の流れには抗う事はできませんね…一年一年着実に年をとって行く事に、抵抗したいお年頃の加瀬です。皆さんは自分が「年を取ったなぁ…」と感じてしまう事はありますか?私が仲良くしている友達は、比較的年下の人が多いのですが、その友達との会話の最中に、昔よく見ていたアニメのセリフや、C...
FC2 トラックバックテーマ:「【年をとったなぁ…】と感じる時」
【雑感】平素の生活では特に老化の衰えは自覚しない。大袈裟に聞こえるかもしれないが、20歳の頃とさほど意識に隔たりは無いように思える。
20代の頃より体重は10キロほど増えて身体も硬くなってきたが、毎年の社内検診では血圧は10代20代の頃とほぼ同じ正常値のど真ん中である。相変わらずチャリンコに乗って片道45分かけて通勤しているし、AVを鑑賞したり、ハイティーンの女子アイドルに興味を持ったり、美少女アニメを観たり、時々発作的に餃子の王将で餃子だけ8人前くらいを1人で食べるなど非常識な暴飲暴食やったり。大人になっても基本は20代と変わっていないような気がする。
ところが何気ないことで年齢を痛感させられる時がある。会社からの帰り道、外灯の無い暗くて急な下り坂を駆け下る。こういう場面、若い頃は面白がってダウンヒルを楽しんでいたのが、今は目が付いてゆけなくて恐ろしいのだ。毎回通る度に緊張してしまう。ついブレーキをかけるのだが、それはそれでブレーキシューのゴムの消耗が気になってしまう。特に雨天のときなどは泥水が切削液化してゴムとリムを削っていく。(余談1)動体視力は間違いなく衰えている。独身時代と違って妻子を養わなければならないので経済的にもせこくなっていく。
動体視力に関連して、普段の生活では支障の無い視力も職場の細かい作業になってくると霞んで見えない事がままある。近くのものと遠くのものか見えなくなってきたのだ。学生時代は視力2.0をほこっていたが、こないだの社内検診では0.7だった。
腰痛の悩みの種である。腰の痛み自体は中学生時代に部活の練習で痛めてから慢性的になっているのだが、このところ痛くなる頻度が増えてきた。数年前に近所の外科で診てもらったら変形性腰痛と診断された。腰椎の感覚が狭くなっているのだ。
腰椎の部分なので、身長が縮む外見の変化は無いゆえこれも普段は気にならないのだが、レントゲン写真で間隔が狭まった腰椎を見せられると、ああ俺も年寄りがなる病気(年寄りだけとは限らないだろうが)に罹ってしまったか、と痛感せざるを得ない。
近頃は油断すると激しい痛みに襲われ倒れそうになる。職場ではけっこう重たい鋼鉄の素材を持ち上げたりするのだが、慎重に姿勢を整えてから持つので痛みに襲われることは無い。ところが、仕事前のラジオ体操で飛び上がる動作のときに激痛が襲ったり、仕事が終わって帰る段にリュックを背負うときにビキビキビキ・・と痛みが走り始める。
そして五十肩だ。昨年の夏ごろからじわじわ右肩が痛み始め、今年の春ごろから激痛に変わった。着替えたり風呂に入るのに難儀した。右腕を動かすと痛みが肩に響く。可動範囲が狭くなって、以前はやれた動作ができない。ひどい時は仕事中に何気に肘や手が柱や機械に少しあたっただけで激痛が肩に響く。
紅葉が目立ち始めた頃から痛みが次第に和らぎ始め、今は殆ど治まっているが、若い頃の可動範囲には戻らない。
(余談1)私は年間7千から8千キロはチャリンコで走っている。毎年1回は必ず前後タイヤとブレーキシューの交換、さらに3年に1回程度はチェーンとホイールとリムを交換する。あまりチャリに乗らない人は信じられないことと思うだろうが、タイヤの骨組みであるリムも磨り減っていくのだ。ブレーキをかけたときに細かい砂を含んだ泥水が切削する。



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「Pipes Of Peace」 優れた短編映画MV〔1〕
【公開年】1983年
【収録】「パイプス・オブ・ピース」
【作詞】ポール・マッカートニー
【作曲】ポール・マッカートニー
【紹介】ポール・マッカートニー氏が11年ぶりに来日、今朝の新聞1面でカラー写真が載っているのに驚く。なんと関空から入国、近所ではないか。70を超えているというのに、若々しい。連れ合いは一言「オバサンみたい」とつれない。
彼の来日を記念した訳ではないが、新しいカテゴリーを作ってしまった。「優れた短編映画MV(ミュージック・ビデオ)」あまりカテゴリーを増やしたくはないのだが。
ハロウィンが終わると、商店街やショッピング・モールはクリスマスイヴまでクリスマス商戦の装いになる。そんな季節柄なので、紹介するのは「Pipes Of Peace」だ。
本格的な戦争映画ができるほど予算をかけた内容だ。時代考証もほぼ正確、衣装や銃器も揃えている。ロケ現場がどこなのかは知らないが、広々とした平原に大勢のエキストラ。
物語の舞台は第一次大戦が始まったばかりの1914年、とあるフランスの平原でイギリス軍とドイツ軍が塹壕に立て籠もり睨み合っている。クリスマス停戦なのか、両陣営ともあまり緊張感は無く、居眠りしたり、本国から届いた手紙を配ったりして和やかな雰囲気だ。
このミュージック・ビデオではポールがイギリス軍兵士とドイツ軍兵士の一人二役をやっている。イギリス軍兵士役では髪を短く刈り上げ、やや無精髭を伸ばし、トレンチコートを着込んでいる。ドイツ軍兵士役では少し長めのブロンドがかったカツラを被り、口髭を付け、だらしなく開襟にして緊張感のない軍服の着かただ。
なにを思ったのか、この2人のポールを中心に、両陣営は勇気を振り絞って互いに前線の真ん中で会見する。銃を置き、白旗をかかげ、睨み合う戦線の中央のぬかるみで対峙し、互いに握手して兵士同士の交歓会が始まる。
双方のポールも故郷から届いた妻子の写真を交換して誼を深めていくが、一発の砲弾が近くで炸裂、両軍の兵士は一目散で自軍の塹壕に逃げ込む。停戦が終わったのだ。
イギリス軍のポールが何気に写真を見る。ドイツ軍のポールの妻子の写真、交換したまま別れてしまったのだ。
これを観たのは高校3年生か大学に入学した頃だと思う。当時はあまり良い印象は持っていなかった。ビートルズファンは大きくジョン・レノン派とポール・マッカートニー派に分かれる。私は今でもジョン派だ。反体制の平和主義、権威に迎合しない、そんな彼の姿勢が好きだった。対してポールはビートルズのメンバーの中で最も体制迎合的な姿勢で、それは彼の正式名である「Sir James Paul McCartney, MBE, Hon RAM, FRCM」でも表れている。日本語でいえば「ジェイムス卿」だ。
ジョンはアメリカ軍のベトナム介入にイギリスが支持した事を抗議して早々にMBE勲章を返却したが、ポールは持ち続け90年代には「Sir」の称号を持つに至った。彼は英王室の「騎士」なのである。
本作の歌詞は、当時の私には安っぽいヒューマニズムに聞こえた。何が「平和のバグパイプ」じゃ! 似非平和ソング作りよって。ジョンみたいに闘わなかったくせに」
だが、加齢とともにモノの見方も幅広く寛大になる。社会の厳しさや限界を思い知っていくのと同時に、逆に幻想を持たなくなった分、夢と可能性も見い出せるようにもなる。
ジョンはストレートにアクの強い楽曲を発表してきたが、ポールは万民に受け入れられる曲を多数送り出した。私が気に入っているジョンの曲はことごとく連れ合いには不快で、ポールの曲の方が心地よくて癒しになるという事からでも実証だ。
ジョンは息子ジュリアンとは疎遠。ジュリアンが家庭の平和を守れなかった人が世界平和だと?て父親を批難したかどうかは確認できてないが、そういう気持ちはあったらしい。優しいオジサン代わりであるポールには懐いていたという。
安っぽいというより優しい曲なのかな、加齢とともにそう感じるようになっていった。今では癒しのクリスマスソングだ。もちろん今でもジョンの「ハッピー・クリスマス 戦争は終わった」も好きだが。
楽曲収録CD



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「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」
殺人犯・市橋達也を獄中体験から分析
ホリエモンこと堀江貴文が8日、映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』のニコニコ生放送特番の直前に、主演のディーン・フジオカと報道陣の取材に応じ、同作の主人公でイギリス人女性英会話講師殺害事件の犯人・市橋達也について語った。(シネマトゥデイ)
【雑感】私も興味がある。遺族からすれば、殺された娘をネタに映画で銭儲けなので、おぞましい映画だろうが。
原作本「逮捕されるまで」はまだ読んでいない。市橋達也被告側は印税を全て遺族もしくは公益に渡すとしているが、購読には複雑な感情を持ってしまう。
着の身着のまま逃亡して2年以上も消息を絶っていることから、もはや自殺したのではないかという憶測もあったが、けっこうそこそこの生活をしながら巧く逃げていた。いったいどんな逃亡生活なのか強い好奇心を抱くが、市橋達也は印税を自分のモノとしない旨を宣言しているものの、関係している出版社や印刷所などはどうなんだろう? 人の不幸をネタに銭儲けなのか? それとも出版社など関係会社も社の収入にはせず公益に寄付するのだろうか?
そして今回はその映画化だ。たしかにドラマ性のある優れた題材なので、よほど手抜きをしない限りは佳作になるだろう。収益はどうなる? まさかボランティアで制作はしていないはずだ。
観るのは遺族の気持ちを傷つけることに加担する事になる、しかし観たい。こんなに悩む作品は珍しい。それだけに、演じる俳優も国内のアイドル俳優・イケメン俳優・新進俳優ではなく、台湾を拠点に活動している俳優だ。ジャニーズ系なんぞはマイナスイメージを怖がって手は出せないだろう。演じるのはけっこう賭けの要素があるかもしれない。
【追記】2016年12月30日
この手の作品に出演するのは俳優人生としては冒険だったかもしれない。マイナスとして作用するリスクが多々あるからだ。主演のディーン・フジオカ氏は後にNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」でブレイクする。



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第1768回「ハロウィン!今日はどんなお菓子を食べた?」
こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当のほうじょうです今日のテーマは「ハロウィン!今日はどんなお菓子を食べた?」です。トリックオアトリート今日はハロウィンでしたね。街でちらほら仮装したりしてる人もいたり、日本では随分楽しまれている行事のように思いますほうじょうは今日は仮装はしなかったのでせめてかぼちゃ系のお菓子でも食べたいなーとは思っているのですが…今日のために手作りでクッキーを作った!...
FC2 トラックバックテーマ:「ハロウィン!今日はどんなお菓子を食べた?」
【雑感】チョコパイだ。ハロウィンで食べたのは。

特にハロウィンを意識した訳ではないので、通常のおやつだ。写真は今日(11月4日)に買ったLOTTEのチョコパイだが、ハロウィンでは森永のエンゼルパイを食べた。外観はチョコパイだが中にはバニラクリームではなくマシュマロが入って弾力のあるパイに仕上がっている。小学生の頃から好物だったが、当時はチョコレートを食べると鼻血を出していたので高値の贅沢品だった。
ハロウィンは都市部を中心に定着しつつあるようだ。初めてハロウィンというお祭りを知ったのは、チャールズ・M・シュルツ氏の漫画「スヌーピー」(正確なタイトルは「Peanuts」)からだった。この作品では頻繁にアメリカの子供たちがハロウィンを楽しむ様子が登場する。印象に残っているのは、主人公の一人チャーリー・ブラウンが沢山のカボチャに囲まれて物思いに耽っている場面だ。(登場人物に記憶違いがあるかもしれない。ペパーミント・パティかもしれない)
だから、ハロウィンは長い間アメリカの風習と思い込んでいたが、最近になって、もともとはケルト民族の収穫祭で、イングランドやスコットランド、アイルランドなどケルト文化を色濃く引き継いでいる地域で行われている。仮装するのは悪霊が闊歩する日だから悪霊の振りをして災難を逃れるためらしい。それがアメリカにわたって子供たちのお祭りのような感じになり、本来の意味はほとんど消滅した。
そして、近年になって日本でも伝播する。日本ではコミケ会場(世界最大の漫画同人誌即売会)でアニメキャラの扮装をするコスプレ文化が80年前後から盛んになり始め、オタク文化が世界的市民権を得るにつれてコスプレはマニアックな趣味から一般的になった土壌がある。そうなったところでハロウィンが受け入れられた。
これは私の推測だが、菓子業界の戦略もあるのではないかと思う。夏休みとクリスマスの中間に位置する10月は菓子の売り上げが落ち込む時期なので、そこにハロウィンを移植して商機としているのではないか。クリスマスやバレンタインデー定着と同じだ。
日本ではもろにコスプレを楽しむ行事に変質している。仮装は悪霊に襲われないために悪霊の姿に化けるのが目的なので、魔女や幽霊の紛争が多いのだが、日本ではコミケのコスプレと変わりはない。
この現状に「本来のハロウィンは・・」とか「これはハロウィンではない」などと苦言を並べる者がいるが、私は野暮は言わず楽しむべしと思う。それで経済が回るのだから万々歳ではないか。日本文化とて、諸外国でいいように弄られている、お互い様だ。日本には日本のハロウィンがある、アメリカのハロウィンがスコットランドやアイルランドのハロウィンとは別物になっているのと同じようにだ。
私は好んで和服や作務衣やカンフー服を着ることがあるが、この日は普通に見られて嬉しい。私のファッション感覚を連れ合いは批難するが、70億世界人民大衆から見れば平平凡凡だ。私は好んで奇をてらっているのではなく、純粋に平凡で当たり前の姿をしているだけで、和服を着なくなった現代日本が異常なのだ。



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山本太郎(13) 近頃の現象[九百五十三]
自民・石破氏、懲罰的対応必要との認識
自民党の石破幹事長は2日、北海道・札幌市で講演し、山本太郎参議院議員が、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した問題について、「あのままにしておいていいと思わない」と述べ、懲罰的な対応が必要だとの認識を示した。(フジテレビ系)
【雑感】反原発派のツイートを見ていると、「山本太郎を守れ」や「自民党も皇室を利用してるやないか」「政権与党や政府は許されて、山本太郎個人には懲罰か」「マスコミもこぞって山本批判、翼賛化だ」といった文句が並ぶ。
一方、与党および民主党、さらに共産党まで山本太郎氏への批判批難合唱、懲罰だの議員辞職だのといった言葉がこれでもかと並ぶ。
私はどちらもバランスを欠いた意見だと思っている。そもそも自民党政権や民主党政権とて皇室の政治利用は以前にも指摘され批判を受けた。こないだのオリンピック東京誘致しかり、民主党政権では中国の機嫌を取るために今上陛下にお出ましいただいたり。あくまで法に抵触しないよう巧く利用しているのであって、時の政権が「利用していない」と言い切れないし言い切れば説得力がない。
ただ、山本太郎氏の行動はインパクトがありすぎた。みな陛下の前では恐縮している中で、山本太郎氏だけが臆せず陛下の前に進み書翰を渡されたのだから。誰もやらないことをやった。しかも園遊会に出席できたのは、山本氏が一介の市民ではなく参議院議員という身分だからであり、その身分を利用しての陛下への接触は「政治利用の容疑」が発生しても仕方がない。
一方、山本太郎氏はあくまで書翰を渡しただけである。失礼だとか不届きといった批判もあろうが、彼なりにフォーマルスーツを着用して頭を90度に下げながら、映像で観るところ和紙に筆で手書きした書翰を両手で手渡されている。
左派系市民には、陛下を「平成天皇」などと平気で不敬を言う者がいるが、山本太郎氏は「陛下」と書かれた。左翼活動家なら「明仁氏」と書くだろうから、まだマシだ。彼なりに精一杯の敬意を払って、思いの事を記した書翰を渡されたのだろう。山本氏を中核派だの極左などと批判する輩がいるが、それは左翼にたいして無知である。ネットで見ると、左翼とは何か、右翼とは何か、よく解らんまま批判している人が多すぎる。
陛下も丁重に腰低い姿勢で受け取られ、しかし政治的な立場をわきまえ、書翰の中身には一瞥もせずに隣に控えている侍従に手渡された。妥当な御判断だと思う。
だから、議員を辞職するほどの大罪とは思わないし、不問にすべき事柄でもない。手紙を渡しただけで官民こぞってバッシング、山本本人は辞める気はないから議員資格剥奪に向けて動くなど、国際世論の視点から見れば山本太郎個人よりも日本が常軌を逸しているように見られる。
かといって、不問にしてしまえば、これが前例になって山本氏に続く者が左右両派から現れ秩序乱れる。
山本太郎氏へのペナルティは辞職や除名以外の、2・3週間程度の登院停止くらいが相当ではないかと思っている。
問題はむしろこの後だ。山本太郎氏の行動は右翼暴力団にとって格好の餌になる。今後は山本太郎氏が行くところ右翼の街宣車あり、の状態になりかねない。そうなったとき、3・11以降に拡大した反原発運動が縮小する懸念がある。権力と武装闘争も覚悟で参加しているのは古くからの左翼活動家ぐらいのもので、大半はノンポリだ。右翼の威圧で、運動が分裂し山本太郎氏の周囲はカルト的に純化して浮世離れ(世間の支持を失う事)してしまうリスクがある。



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「ゾンビ大陸 アフリカン」 孤独を楽しむ時に〔54〕
ゾンビ映画史上初のアフリカ舞台?
【原題】THE DEAD
【公開年】2010年 【制作国】英吉利 【時間】105分
【監督】ハワード・J・フォード ジョン・フォード
【原作】
【音楽】イムラン・アーマド
【脚本】ハワード・J・フォード ジョン・フォード
【言語】イングランド語 一部現地語(ニジェール・コンゴ語族系?)
【出演】ロブ・フリーマン(ブライアン・マーフィー中尉) プリンス・デヴィッド・オシーア(デンベレ) デヴィッド・ドントー(-)
【成分】悲しい 不思議 パニック 不気味 恐怖 勇敢 絶望的 切ない 西アフリカ
【特徴】ゾンビ映画史上初のアフリカ舞台という前評判。アフリカでも低予算でゾンビ映画が作られている可能性はあるが、少なくとも世界中で公開される「メジャー作品」としては初。
広大なサバンナの平原にポツリポツリとゾンビらしき人影が映る構図は、忍び寄る死の影のようでジワジワ恐怖が襲う。
ラストの場面は、感動的な絶望だ。
【効能】真夏の熱帯夜で見ると涼がとれる。孤独な夜を楽しみたい時に最適。
【副作用】救いようのないラストにテンション下がる。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
山本太郎(12) 近頃の現象[九百五十二]
山本議員が辞職否定
参院議院運営委員会の岩城光英委員長は1日、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員(無所属)を呼び、事情を聴いた。山本氏は岩城氏に対し「政治利用という意味は分からないが、品位を汚したなら参院に申し訳ない」と陳謝した。(産経新聞)
【雑感】山本太郎氏の一部支持者たちには好感を持ったと思う。人間、切羽詰ったときに礼儀だとかルールなどを気にしている暇(いとま)はない。赤穂浪士の大石内蔵助はルールを破って幕府の役人に三度も御家再興の嘆願を行っている。本来なら切腹の沙汰を受けるところだ。
山本太郎氏が手本にしたかどうかは定かではないが、明治の衆院議員の田中正造は日本史上初の本格的な公害である足尾銅山問題で明治天皇に直訴しようとした。評論家たちは法規上の問題などをあげて批判するが、必死になっている人間から見れば机上の能書きに過ぎない。必死になっている人間は前しか見えないのだ。この姿が支持者たちにウケる。
政治生命を賭け身体を張って誰もやらない行動を果敢にやってのける姿に感動する者も少なくないだろう。逆の視点で見れば、ルール違反ではあるが最敬礼しながら書翰を手渡した行為をしただけで議員辞職というのは彼を支持した60万人以上の国家主権者の声を潰す事になってバランスが悪く、手紙を丁重に受け取られた今上陛下の気持ちも後味悪くなろう。
処刑を覚悟した田中正造は議員辞職をしてから紋付袴姿で明治天皇の馬車に駆け寄り直訴したところを取り押さえられたが、あの大日本帝国の明治時代でさえも「狂人がよろめいただけ」として政府は不問、即日釈放した。
私は反原発派なので山本太郎氏を支持しているから、つい弁護気味の論調をとってしまうが、ただ今回のやり方は支持しない。
帝国憲法時代の天皇は国家主権者であると規定されているので、世俗の政治に関与せずという暗黙のルールがあるとはいえ天皇が最高決定権を保持している事に変わりない。現に太平洋戦争敗戦の決断を下したのは昭和天皇である。
現憲法下ではさらに踏み込んで象徴天皇と規定されており、世俗の政治に関与しないことは憲法で明確に定められているから、山本太郎氏を支持した勢力の中で「平和憲法」を護る人々は彼を時代錯誤の暴挙ととる。現に共産党は批判を述べている。
今回の山本太郎氏の行動で、田中正造の直訴と並んで2・26事件の青年将校とダブらせる方々もいる。彼らもまた、困窮する東北人民のため、暴利を貪る財閥とそれに癒着する君側の奸を打倒するために「義挙」した訳だが、結果的には昭和天皇は青年将校たちに激怒して世俗の政治に関与する言動を取ってしまい、東條英機らの台頭を促し戦時体制をより促進させることになった。
また、近年の「アラブの春」を見てもわかるように、やむにやまれぬ突破力は現状打開に絶大な効果があるが、その後の始末ができない。アフリカ諸国の多くが第二次大戦後で五月雨のように欧米列強から独立したが、その場の勢いと報復で経済と学術を担っていた白人層を追い出したため、後の経済的困窮と政治的混迷を招いてしまった。
南アのアパルトヘイトを打ち破ったマンデラが政権を取ったときに、今度は強靭な忍耐で白人との和解と融和を計ろうと苦心する様は映画「インビクタス/負けざる者たち」でよく描写されている。
やむにやまれぬ突破力をどの場面で使い切るか、一応「平和な日本」では使い切る場を選定する胆力が必要だ。でないと世論が引いてしまう。
少なくとも、陛下に手紙を渡す事に突破力を使うのは、逆に体制権力が反原発勢力全体に「偏った変な人たち」というネガティブなレッテルを貼る好機を与えるだけで、原発問題の深刻さが誤魔化されてしまう危険がある。
加えて、山本太郎氏は「これだけ報道されたら(私の後は)もうやる人はいないのでは」と報道陣に語ったが、自主的にやらなくなるのではなく、左派的あるいは反体制的言動を少しでもする人間は園遊会に呼ばれなくなるだろう。今上陛下の政治的に分け隔てない姿勢をとるポジションも危うくしかねない。



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山本太郎(11) 近頃の現象[九百五十一]
「皇室政治利用」で処分も=参院、
1日に対応協議
山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡したことに関し、政界からは31日、皇室の政治利用に相当するなどとして、山本議員への批判が相次いだ。山本議員の処分を求める声も上がっており、参院議院運営委員会は11月1日午前に理事会を開き、対応を協議する。(時事通信)
【雑感】現代の田中正造(余談1)か? 蛮勇だな。山本太郎氏を「サヨク」と批難する輩がいるが、共産党も社民党もあんな発想と行動はできない。なにしろ天皇制は「部落差別と対極にある人権侵害のシステム」と定義し天皇制を否定する輩はあの勢力に大勢いる。だから、山本太郎氏の行動は異質だ。
園遊会に招待されるのは各省庁が推薦する各界の著名人の他に、内閣総理大臣や衆参両議長など三権の長および国会議員諸氏、山本太郎氏はれっきとした参議院議員なので招待されているのだろう。
ただ、せっかくの園遊会で思い切ったことをされるのだから、山本太郎氏も明治の田中正造のように黒紋付羽織袴の正装で手渡されてはどうか。蝶ネクタイの色が些か軽い。
今上陛下は腰低く丁寧に応対し丁重に山本太郎氏の分厚い書翰を受け取りながら、サッと侍従に渡した。後で読む読まないは別にして、必要以上に身を乗り出さないのは賢明だろう。
皇室の政治利用疑惑は別に山本太郎氏に限った事ではなく、自民党政権も民主党政権もグレーゾーンだ。こないだのオリンピック誘致にしても際どい。
今回の一件で政治利用に拍車がかからねば良いが。政治利用したがる勢力は大勢いる。インパクトはあるが、良い影響よりも悪い影響の方が勝ると思う。
(余談1)明治の政治家、衆議院議員。議員辞職をしてから紋付袴姿で明治天皇に足尾銅山の鉱毒で苦しむ民の実情を直訴しようとして官憲に取り押さえられた。政府は田中正造を狂人が足をよろめいた事にして不問、即日釈放された。



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