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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

たかの友梨よ、創業者と従業員の立場は違うで。従業員たちよ、労働組合は従業員2人から結成できるぞ! 近頃の現象[一〇四四]

「たかの友梨」はブラック企業なのか?

 2014年8月5日、「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティに対して、労働基準監督署による労基法違反の是正勧告が行われた。それに対して、高野友梨社長は、労基署への申告を行ったりユニオンに加盟して会社と交渉したりしていた同社の女性を、精神的に圧迫するという行為に出たことが判明した。(今野晴貴)

【雑感】こないだ、ワタミの件でも述べたのだが、ある人物がグイグイ業績を上げて業界の寵児となり、自信に満ち溢れた顔でTV番組のゲストやコメンテーターなどに出演しまくり偉そうに能書きたれる様を見ると、こいつ転んで足挫かなぁええがと期待・・、おっと失敬、また不謹慎なことを言いかけてしまった・・、そんな業界の寵児の姿勢を心配する。

 たぶん、高野友梨社長も世間様の倍以上頑張ってこられた方だろうと思う。そういう方が陥るのは、他人様が呑気に見える、怠けて見え、自分よりも楽しているくせに権利ばかり言い立てているかのように錯覚を起こしてしまう事である。

 しかし創業者と従業員は立場が違う。前にも言ったことがあるが、知人が勤めている中小企業では従業員は法に則って帰宅させ、課長以上は残って仕事をしていた。
 従業員に無理を強いるのなら、無理分の埋め合わせをやらないと必ず不安定要素となり、やがては従業員の反乱を招く。

 記事によれば、高野友梨氏は直接従業員たちの前で「労働基準法にぴったりそろったら絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」「やっぱりあなた七年居た会社潰してもいいの」と言ったそうだ。
 当ブログ読者諸氏は意外に思うかもしれないが、私は高野友梨氏の強弁に同情している。実はどんな会社でもよくある事なのだ。名前は言えないが、護憲平和反原発反権力を掲げているある左派系雑誌社でも似たような事が起こり、経営者がほぼ同じセリフを従業員や一部支援者に向かって吐き会社内外で騒ぎになった事を、その会社関係者から聞いた事があるからだ。

 当時の私は若かったから、大いに幻滅した。いや、若かったが物わかりの良い若者だったとは思う。自転車操業であるのは知っていたから経営者が頭を下げて「断腸の思いで無理を強いました」とでも言えば大目に見るぐらいの心はあったが、私の目の前でもくだんの経営者が語った言葉が「会社を潰してもいいんですか?」だった。

 まだ高校生だった頃、自然保護に興味を抱いた延長線で土建屋に勤める父と口論になった事がある。土建屋は何かと自然破壊の象徴のように環境保護運動家は目の敵にされていたし、当時の私も土建行政に疑問を持っていて、些か運動家たちの受け売りながら批判を展開した。その時、父は呆れたように苦笑いしながら放った言葉が「日本経済を潰していいのか?」だった。

 左派系雑誌社の経営者の「会社を潰していいのか?」を聞いた時、「この野郎」と思った。さんざん土建行政への批判記事を書いておきながら、足元の従業員の権利を守れないとは? 
 父たちが守る日本経済に比べれば、その雑誌社の屋台なんぞ小さい小さい、そんな初歩中の初歩も守れないのに偉そうに体制批判か?! 大変なのは知っていたから守れんでもいい、頭下げて「今はどうしようもない、すまん」を聞きたかったのに「会社潰していいのか?」とは、なめとんのか。

 私が左派系市民運動から足を洗う動機の一つになった。その会社特有の問題と思いたかったが、けっこう似たような問題は声高に人権云々を主張する勢力にかぎって発生しているようで、その後も嫌な話をチラホラ聞くことになった。
 今は多少は同情的に思う。くだんの経営者から見れば、雇用主と従業員の関係ではなくともに言論を守る「同志」と思いたかったかもしれない。しかし良好な関係の時はそれでも構わないが、関係が悪化すると立場の違いというものが浮き上がる。

 現実に私はそれを目の当たりにした。私は問題の雑誌とは全くの部外者ではなく、支援者として関係イベントの実行責任者を務めた事もあるのだ。ところが問題の経営者に問いただしたら、その経営者の言葉は「あなたは読者でしょ。株主でも社員でもないでしょ」だった。相手は法理論的に正しい事を言っているのだが、言われた側は「平素は仲間扱いして都合が悪くなると他人か」と怒りと蔑みがこみ上げる。

 高野社長にしても似たような気持ちがあったかもしれない。「たかの友梨ビューティクリニック」を共に支える「仲間」であってほしいという錯覚だ。また、一従業員という立場に甘んじるのではなく、将来的には独立して従業員から事業主となり暖簾分けをする構想もあったかもしれない。また本当に物理的に無理な事情もあったかもしれない。

 だが、同情はするが許容はしない。
 私が製造業の現場で学んだことはQC活動と改善活動である。作業工程を見直し、不安定作業を排除してミスや事故につながる要因を潰すことで品質の安定をはかり、利益になる行動と利益にならない行動に分類し無駄を排除して効率を高める。これを全従業員で組織的に行うのだ。

 私は市民運動の運営や自治会のイベントなどに参加した時に悟った。要領が悪い。工夫も中途半端。やはり個人が思い付きで行う創意工夫と組織が明確な理論でもって行う改善活動とは歴然と差がある。
 そして、市民運動や政治や医療関係など、「綺麗事」が先行しやすい業界は得てして製造業が展開する効率化を誤解し蔑む傾向がある。それで万事上手くいったら良いが、製造業ではあり得ない稚拙なミスからの事故をよく耳にする。(例えば某大学病院で生理食塩水と劇薬を同じ大きさ・同じ形・同じ色のポリタンクに入れて同じ棚に置いていた事で、看護師が誤って劇薬を患者に投与する事故があった)
 たかの友梨の場合マイナスに作用した「綺麗事」とは何かといえば、それは美容というクリエイトな部分だ。アニメイターが「藝術家」や「クリエイター」の自負にこだわって「労働者」の自覚が無いがために業者から使い倒されている構図と似ている。

 たかの友梨ビューティクリニックも、全作業工程を見直し従業員を安定的作業に従事させるよう改善をするべきだった。それは高野社長をはじめ管理職の責務だ。自分たちでやれないのであれば、外部から改善専門のスペシャリストを雇い億単位の高価な宝飾品を購入する予算の一部をギャラに回せばよかったのだ。従業員を2時間にわたって恫喝する暇があるのなら改善活動をなぜやらん?
 「労働基準法にぴったりそろったら絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」、これらの台詞は「わたくし経営者として無能なの」と白状しているに等しいのだ。

 高価な宝飾品を買うのは無駄とは思わない。顧客に対する体面と宣撫があるだろう。しかし労働環境改善をケチって宝飾品の数々ではやがて不満が爆発する。従業員への恫喝は徒に従業員の離反を招く行為で銭にならない無駄な動作だ。金銭と労力使い方を誤れば不安定要因を招く。
 社長自身が無駄な事しては従業員に示しがつかん。社長が従業員の仕事の邪魔してどういうつもりか!

 それから従業員諸君よ。労働組合は従業員2人から結成できる。これは国法で認められた権利だ。労組というものを見直すべきだろう。ブラック企業が横行するのは不景気だけではない、労組本来の意味を忘れ軽んじるようになったからだ。
 役所に通報するだけでなく、労組をつくって闘え!


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あのワタミが赤字なのか・・。ついに無理が祟ったか。 近頃の現象[一〇二三]


 
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半月板損傷だった、ついてない・・。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[百七十四]

半月板損傷か、ついてない。

鎮痛剤。

【雑感】上記写真は、医師から処方された抗炎症剤(ロキソプロフェン)と胃腸薬である。(余談1)

 事の発端は約2週間前の8月15日昼過ぎ、郷里高知からから大阪へ戻る道中での出来事だ。徳島の吉野川ハイウエーオアシスで休憩、息子を抱きかかえて歩いていると突如足が滑って尻もちをついた。御存知のように、この時期の四国は悪天候が続き路面は濡れている。コンクリの地面にペンキが塗られていた箇所があり、雪駄履きだと滑りやすいので用心していたのだが、この時は油断していた。
 幸い、息子には怪我はなく、まるでアトラクションでも始まったかのように突然の出来事を喜び笑っていたが、私は左膝を強打してしまった。この時は単に尻もちをついただけと思っていた。強く打った左膝はしばらく痛みがあったが、歩行には全く支障がなく、走る事もできた。

 ところである。3時間ほど経って、左膝の痛みは引いたが、今度は右膝がじわじわ痛くなってきた。最初は気にも留めなかったが、次第に一歩踏み出すごとに痛くなり、息子を追いかけるのが辛くなってきた。夕方、大阪の自宅に戻った頃には正座や胡坐が困難になっていた。
 17日から仕事、いつも通りチャリンコで出勤、意外にもペダルは普通に漕げた。最も膝に負担がかからないようロー側のギアでゆっくり走っていたからなのだが。チャリンコから降りて歩き出すと痛みが生じる。どうやら体重等の負荷がかかると良くないらしい。

 それでも飛んだり跳ねたりはできないが、普通に立ち仕事はできたので自宅に常備してある湿布薬で様子を診た。だが、痛みだけでなく右膝全体が腫れ始め、5日目あたりから腫れが太腿にも及び始めた。会社の同僚から促されて、負傷てから1週間後に近所の整骨院で診てもらう。
 レントゲンでは骨に異常なし、ひとまず安心。触診で曲げたり圧したりされたが痛くない。ただ体重がかかると痛みようだ。医師は「筋肉量が多いのでよく判らない。とにかく腫れてるね。紹介状を書くからMRIを撮ってもらえ」という。えらい大袈裟な話になってきた。

 そして昨日MRIを受けた。右膝一つ撮影するだけなのに、手術着のようなものに着替えさせられ、狭い円筒形の装置の中に入らされ半時間同じ姿勢で横たわった。MRI検査のあいだに仮眠でもしようと思っていたが音が煩い。私は騒音の中でも眠る事ができる人間だが、このMRIの金属音は職場の工作機械の音と違って緊張感を煽るようだ。眠れなかった。
 検査料金は膝一つで8000円弱、健康保険がきいているのに恐ろしい額だ。では保険なしだったら大方3万円か?

 本日、MRIのデータを持参して再び整骨院に行き診察してもらう。診察室に入るなり、医師は「半月板が損傷している」と大きな声で言う。
 「手術をしなければいけないかもしれない」「安静にしないといけない」「なに? 自転車で通勤? なにしてんねん、本来なら松葉杖であるかなあかんのやで」
 医師は小馬鹿にしたように笑ったり、大声で恫喝したり、目まぐるしい。

 それにしても弱った。電車で行くとなると、通勤時間はもっと長くなる。それに通勤ラッシュで座れないだろうから結局は膝に負担がかかる。チャリンコのほうがかえって膝の負担が無く都合が良いのだ。
 連れ合いの車に乗せてもらう手もあるが、2歳児の息子を連れていかねばならない。しかもチャリンコで行く場合も自動車で行く場合もかかる時間は殆ど同じだ。

 残業は遠慮するとしても仕事は休めない。弱った。医師にそういった事情を説明すると、小馬鹿にしたように笑みを浮かべながら、「あんたの職場に近く手術の設備がある総合病院を紹介するから、そこで治療方針を相談して。なるだけ早く行ってください」

 普段は貧乏なりに豊かで文化的な生活を享受してきたが、怪我をした時ワーキングプアの不利が身に沁みる。

(余談1)痛みと炎症を抑える薬で、喘息もちの人には発作を誘発させるリスクがある。そういえば、「チェ 28歳の革命」でゲバラ率いる革命軍が都市部に侵攻するくだりで、腕を負傷したゲバラが医師から痛み止めの薬を処方を勧められたら、「いや、それは喘息の発作を引き起こす」と断り、別の薬の名をあげて投与するよう指示する場面がある。
 ゲバラがひどい喘息もちである事と、もともとは医師である事を表すエピソードだ。


 
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第1874回「あなたのデスクトップ画像」 昔は田代葉子、今は浅田真央。

こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当藤本です今日のテーマは「あなたのデスクトップ画像」です。みなさんの使用しているPCのデスクトップ画像はなんですか?PC持ってない!という方はデスクトップ画像を設定するとすればどんな壁紙がいいですか?わたしが使用しているPCのデスクトップ画像はあるアニメのキャラクターの猫です感情がピリピリしているときでもその猫の顔をみているとほっこり癒されます。癒され...
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【雑感】もちろん、可愛い息子の写真、と言いたいところだが、息子の写真は対外的に子煩悩な父親を演出するべく第三者の目に留まりやすい携帯電話の待ち受け画面にしている。胡散臭いとお思いの方もいるだろうが、現代社会で生き延びるため必須であるささやかな処世術である。
 プライベートな空間である書斎のPCは完全に私の趣味を優先した。

 B級映画やアンダーグランド文化をこよなく愛する者として、やはり世間様から見れば日陰の存在に焦点をあてたい。もちろん、流行りのメジャー級美少女アイドルや歌手や女優も好きだが・・。
 かつてはポルノ女優の写真をデスクトップに採用していた。私の世代だとポルノ女優はまず美保純嬢、遅れて小林ひとみ嬢や秋元ともみ嬢を思い浮かべるだろう。もちろん彼女たちの顔写真をデスクトップに飾った事はあるが、私はメジャーよりもややマニアックが好きである。

 まだ「多感な高校生」だった頃はAV業界黎明期の80年代前半と重なる。当時のポルノ界アイドルはダントツで美保純嬢だろう。彼女はデビューして瞬く間に大スターになり、僅か2・3年で一般作のアイドルとなってCMやドラマに引っ張りだことなってしまった。(CM情報誌「CM NOW」の栄えある創刊号表紙はたしか美保純だったような)今や彼女がポルノ映画出身であることを知る者は少数派だ。私の好みは長い黒髪の太眉美女、美保純嬢は直球ストライクなのだが、視界の中心ではなくなってしまった。
 秋元ともみ嬢と小林ひとみ嬢がブレイクしたのは私が大学生だった頃だ。2人とも好きなタイプなのだが、彼女たちも「AV女優」としてはあまりにも大スターになり過ぎた。写真集もたくさん出ていて(もちろん、古本屋であらかた買い漁ったが)私の視点の中心からズレてしまった。

 ほぼ同時期、深夜番組「TV海賊チャンネル」で1コーナーを担当するレギュラー出演の人気ポルノ女優がいた。田代葉子嬢である。
 下記は90年代にデスクトップの壁紙にしていた彼女の写真だ。

田代葉子。
トップレスは猥褻図書にはあたらない。
公衆の場で赤子に母乳を与えることもできぬ社会のほうが
異常である。

 撮影時期は不明だが、髪型と体型から「TV海賊チャンネル」に出演していた頃だろう。おそろく暑い夏の昼間に河川敷の葦の群生を背景に撮影したものと思われる。
 撮影者のセンスが良い。やや体を斜めにとらせたポーズで身体の線が美しく見える。彼女の体格は古き良き時代の日本人的な骨太の美しさなのだが、このポーズによって繊細で華奢な魅力も引き出された。当時は茶髪女子は宝塚歌劇団の女優ぐらい、本来はウェーブをかけた程度の黒髪だが背景の緑と風のせいで野性味あふれるボサボサ頭に見える。
 腋のあたりがかなり青黒くなっているのが時代を感じさせる。現代では腋フェチの存在で腋毛処理を怠ると安藤美姫氏や板野友美氏のようにネット上で突っ込まれるが、この時代は少々の無精腋毛は看過されていた。
 これらが表情や髪型とあいまって野性的な魅力があり、お気に入りの写真となった。裸でなくても、胸にさらしを巻いてくノ一スタイルで日本刀を持っても良いだろう。恰好いい写真だ。

 当時の彼女は女優として成人映画とアダルトビデオの主演、モデルとして自販機本と多忙、深夜枠とはいえ所ジョージ氏らが司会進行するお色気系バラエティ番組に出演するほどなので、現代であれば一般作女優になっていてもおかしくないポジションである。
 もっとも、当時だからレギュラー出演できたという事情もある。田代葉子嬢以外にも小田かおる嬢をはじめ日活ロマンポルノ出身女優たちが出演、性風俗情報番組といっても良いのだが、近年は夜型社会が進んで事実上毎日が24時間放送となり深夜枠といえども昼間と同様の番組構成、もはや思春期だった頃の私をワクワクさせた「深夜」は存在し無い。
 視聴者からのクレームを恐れてTV局は次々とアダルトお色気路線から撤退し、無難な番組へとシフトした。バラエティかまたは実験的な新作ドラマ、あるいは懐かしの映画や劇場未公開映画、さもなくばTVショッピングである。
 だんだん、テレビが委縮してつまらなくなっていく。いや全体が委縮している。クレーマーたちがもっと俯瞰で世の中を見る視点を持ってほしいのだが・・。


 現在のデスクトップ画面がこれである。因みにロック画面は金妍兒選手。

浅田真央

 所帯を持ってからも女性のヌードや水着写真をデスクトップに飾っていたが、息子が生まれてからは連れ合いの弾圧が厳しくなり、次第に露出度の多い写真を避け一般的に無難な写真に収まってしまった。
 だが、連れ合いはこの画像でも文句を言う。「ごまかされへんで、腋フェチのエロ親父にとってはこれも立派な『ヌード』や」 と突っ込む。人聞きの悪い、不当で理不尽な弾圧には断固抵抗するものである。女性の身体に憧憬と畏敬と性愛を抱かなくなったら男は終わりだ。


 
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高知の心太(ところてん) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[百七十一]

高知の心太ところてん

高知の心太。

【雑感】世間一般では、心太に入れるのは黒蜜か三杯酢らしいが、私の郷里ではそんな食べ方はしない。あくまで個人的な感想と断ったうえで言うが、黒蜜や三杯酢では心太の美味さが消えてしまう。ご飯や素麺などに黒蜜や三杯酢をたっぷりかけたらどうなるだろう、黒蜜や三杯酢の味しかしないはずだ。あくまで個人的感想なのだが、世間様の食べ方では折角の心太が台無し、はっきり言って不味い。

 そこで以前に我が家に伝わる食べ方を紹介した。冷やしたうどんのだし汁に心太を入れ、おろした生姜をかけて食べる。心太の繊細な食感とうどん出しと生姜がうまくマッチしている。何杯でも食べられる。

 ところが、ある読者が「そんな食べ方が本当にあるか? ミカエルの作り話やろ」などと失礼なメールがきたので証拠として今回掲載する。
 帰省した時、近所のスーパーで購入した高知の心太である。上記掲載の写真に、ハッキリと「うどん醤油」と「おろししょうが」の文字が見えるだろう。高知ではこのような形でスーパーで売られるほどポピュラーな食べ方なのである。我が家だけの独特の食べ方ではない。

 そして再度お勧めする。黒蜜や三杯酢はやめて、一度この食べ方でお試しあれ。こちらのほうが心太の旨味を味わえる。


 
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「ヘイトスピーチ」を新しい法律で規制すべきか? 私の見解は、どんな言葉であれ表現の自由が優先である。 近頃の現象[一〇四三]

ヘイトスピーチ」を 
新しい法律で規制すべきか?
弁護士13人の「賛否両論」


●賛否で意見が割れている

 ヘイトスピーチを規制する立法に賛成か、それとも、反対か。弁護士ドットコムでは、そのような質問を投げかけ、以下の3つの選択肢から回答してもらった。(弁護士ドットコム)


【雑感】私の結論を言うと、どんな言葉であれ法権力でもって規制するべきではない。言論と表現の自由は守らなければならない。「ヘイトスピーチ」に対しては現行の法律で対処できるものである。

 言葉というものは生モノである。かつては蔑称だった「侍」も今や誰も蔑称とは思わず、大多数の日本人が日本民族のスピリッツを象徴する単語と捉えている。なぜそうなったのか、答えは簡単だ。侍が朝廷から政権を奪って七百年ほど国政を牛耳っていたからだ。逆に本来は蔑称でも差別用語でもない単語なのに、対象となる人々の社会的地位が低いままだと蔑称や差別用語として機能してしまう。

 ヘイトスピーチも同じ事だ。罵りの言葉なんぞ如何様にもなる。言葉狩りをいくらやっても、利害関係に変化がなければ別の単語がヘイトスピーチに使用されるだけ、そのつど規制していったら使える言葉が無くなってしまう。
 それどころか、ヘイトスピーチの定義が拡大解釈されたら、他の分野で運動を展開している人々も対象となる可能性がある。

 現行のヘイトスピーチの定義は以下の通りだ。

『憎悪表現』と訳される概念で、特にそうした種類の言論が”地域の平穏を乱すことをもって規制されるべき”と議論する場合には「憎悪を煽る表現」と呼ばれる

 デモを行う場合、多くは怒りや憤懣が原動力となっている。それは労働運動や平和運動や反原発でも同じ事だ。財界や国家権力に対する怒りに突き動かされてシュプレヒコールをあげる。運動当事者は「ヘイトスピーチ」ではないと思い込んでいるだろうが、批難される側から見れば立派な「憎悪表現」であり、諸外国ではしばしば暴徒化して略奪暴行騒ぎになるので「地域の平穏を乱す」行為に発展する可能性があるし、徒に「祖国日本」への憎悪を煽る表現と解釈可能だ。

 法規制をするという事は、法権力を行使する側すなわち主に体制権力の解釈や判断に委ねられる事が多いので、仮に穏やかに戦争反対を訴えるデモであっても、デモの大群を見た第三者の通行人の幼児が怖がって泣き出したり、付近の住民が一人でも「あの騒ぎ何とかしてくれ」と警察に通報したら、「現行犯」になってしまう。
 米軍基地に向かって「アメリカへ帰れ!」とでも叫んだら、「アメリカ人への差別的ヘイトスピーチ」と見なされて検挙される可能性も無きにしも非ずである。

 近年、右翼側も左翼や社会的少数者の手法を逆手にとりだしている。社会的少数者とその支援者たちの言葉狩り戦術を倣って、「はだしのゲン」など左派側名著の言葉尻を捉え「差別」や「蔑視」だとあげつらい公立学校の図書室から追放する運動家が起こりだした。
 当ブログでも何度も言及したが、言葉狩りを体制権力が悪用すればどうなるのか、という想像力を左翼・護憲派・フェミニスト、社会的少数者勢力はなぜはたらかさないのか? これは運動の怠慢だと思う。

 長々と論じたが、要はどれが「言論と表現」でどれが「不愉快な雑音」かを区別するのは極めて主観に左右されるモノであり、線引きは危険かつ不可能だ。
 「言論と表現の自由」とは、己にとって不都合かつ不愉快な言論を許容する責務を負う事である!


 
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現在、帰省中。

郷里の夜空。

【雑感】かつての郷里は、夜道を歩くには懐中電灯を持たなければ足下が見えなかった。現在は無しでも歩けるぐらいにはなっている。

 とはいえ、大阪の夜道に比べたらまだまだ暗い。
 たとえば、大阪では満月の夜よりも曇り空のほうが明るい。ギラつく街の明かりが上空の雲に反射して地面を照らすためだ。一種の間接照明効果、雲は白っぽく、場合によって辺りは深夜でも日没間もない頃のような明るさだ。

 ところが郷里は曇天の夜空だと本当に黒になる。月明かりを消してしまうのだ。
 なにしろ、街頭があるのは国道と商店街などの主要道のみ。田圃に点在する民家を結ぶ道には明かりはない。
 9時をまわると多くの民家は就寝時間で電気が消える。
 やなせたかし記念館のおかげでコンビニが2軒たったが、夜の9時で閉店。24時間営業が当たり前の大阪では考えらるない。

 それでも、子供の頃に見た迫力ある天の川は見れない。


 
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「日清のどん兵衛 生そば食感」を食べてみた。 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[百七十]

日清のどん兵衛 生そば食感

どん兵衛1

【雑感】マルちゃん正麺が誕生してからというもの、業界では生麺感覚のインスタント食品が席巻している。各メーカーが次々と同様の性格の商品を打ち出している。
 今度はカップ麺の銘柄でロングセラーを誇っていた日清の「どん兵衛」が袋麺の生麺食感だ。冷房の聞いた近所のスーパーで涼んでいたら偶然みかけた。パッケージの写真には笊蕎麦を使っているところから、味には自信があると見える。

 カップ麺のどん兵衛は小学生の頃から親しんでいた。小5か小6の頃にCMが流れ始め、山城新伍氏と川谷拓三氏のコンビがなんとなく面白く親しみを持っていた。肝心の味については、私の口には合わなかったのか、カップヌードルと同様の味に思え、和蕎麦としては不味いイメージを抱いてしまったが、お気に入り俳優の川谷拓三氏がCMをやっていたのでつい買ってしまった。
 私は企業の戦術に敢えて嵌まる性格なのである。

どん兵衛2

 さっそく、購入して食べてみた。まずは温麺のかき揚げ蕎麦だ。かき揚げはスーパーの総菜売り場で購入。なるほど、カップ麺や袋麺のイメージで食べてしまうと確かに美味い。瑞々しいコシのある生麺食感。しかしよく考えてみると、乾麺の蕎麦と同じではないか。
 インスタント食品の知識がイマイチ無いので判らないのだが、乾麺とインスタントの袋麺やカップ麺は製法上でなにか違いがあるのだろうか? 

 傍で見ていた連れ合いが珍しく「おいしそう」と呟いた。平素はエコロジストでジャンクフード嫌いの連れ合いが、インスタントの麺に興味を持ち「ひと玉くれ」と要求。連れ合いは笊蕎麦にして食べた。今度は私が「最初から笊蕎麦にすればよかった」と後悔。

どん兵衛3

 翌朝、残った2玉を湯がいて笊蕎麦にして食べた。乾麺蕎麦として食べても、そこそこの味ではなかろうか。私は推奨茹で時間より30秒早くあげて冷やすのが好みだ。

 

 
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「1999年の夏休み」 青春回帰〔50〕

1999年の夏休み」 
深津絵里15歳頃のお宝作品。




【英題】
【公開年】1988年  【制作国】日本国  【時間】90分  
【監督】金子修介
【原案】萩尾望都
【音楽】中村由利子
【脚本】岸田理生
【言語】日本語
【出演】宮島依里(植村悠 / 藤原薫)  大寶智子(島田和彦)  中野みゆき(直人)  水原里絵(則夫)
水原里絵氏は本作の後に芸名を本名の深津絵里に戻す。

なお、本作役名に相当する原作の登場人物を以下に列挙。
植村悠(トーマ・ヴェルナー) 藤原薫(エーリク・フリューリンク)  
島田和彦(ユリスモール・バイハン)
直人(オスカー・ライザー)
則夫(アンテ・ローエ)    

【成分】ファンタジー 不思議 切ない 悲しい 知的 男子校 思春期 青春 寄宿学校 1999年
     
【特徴】萩尾望都氏の漫画「トーマの心臓」が原作といわれているが、実際は「トーマの心臓」をベースにしているものの全く異なる物語なので原作者クレジットに萩尾望都氏の名は無い。なお金子監督は制作にあたり萩尾望都氏に「翻案」としての許可を得ている。
 全キャストを「トーマの心臓」登場人物とほぼ同い歳の14歳から16歳の女優を起用して少年を演じさせた事が当時大評判だった。

 「トーマの心臓」では男子校の寄宿舎でのドロドロとした少年社会の描写があるが、本作では思春期の内面描写を重視している。当時は人類滅亡の日と噂されていた近未来の1999年夏に時代設定し、夏休みに世間から隔絶された寄宿舎に居残る4人に焦点をあてる事で危うい思春期を際正せた作品。
 
【効能】ほろ苦い思春期の頃を思い出す。
深津絵里ら女優たちがまだ10代半ばで短髪にしている姿が萌え。
少年愛もしくは同性愛にめざめる?
 
【副作用】少女たちが少年を演じている事に違和感。命を粗末にする事を美化しているような危うさがある。
少年愛もしくは同性愛にめざめる?
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

斬られ役福本清三、森三中大島、ファンタジア国際映画祭快挙! 

丸刈りおっさん役の森三中・大島が 
最優秀女優賞!5年ぶりの快挙


 映画『福福荘の福ちゃん』(11月8日公開)で映画初主演を果たし、女性ながら丸刈りのおっさん役を務めたお笑いトリオ森三中大島美幸が、7月17日から8月7日までカナダ・モントリオールで開催された第18回ファンタジア国際映画祭で、最優秀女優賞を受賞した。日本人としては、第13回(2009年)に同賞を受賞した『愛のむきだし』の満島ひかり以来、5年ぶりの快挙となる。(シネマトゥデイ)

【雑感】大島美幸氏に話題の「主役」を奪われてしまった感がある。実は最優秀作品賞にあたるシュバル・ノワール賞は落合賢監督作「太秦ライムライト」が獲得、そして最優秀主演男優賞は同作の福本清三氏が受賞したのである。
 我らのカリスマ斬られ役福本清三氏の初主演にして大快挙、ところが坊主頭にした森三中大島にスポットライトを奪われた。

 でもいい。いずれにしても嬉しい。メジャーな主役級俳優ではない大部屋俳優が主演男優賞、芸能界ではまだまだ下に見られているお笑い芸人が主演女優賞を獲ったのだ。19回や20回ではAV女優が獲ってほしい。それによって業界間の人的交流が活発化し、特定ジャンルへの偏見を粉砕してもらいたい。

 「福福荘の福ちゃん」はキャスティングが良いと思う。荒川良々氏と並んだらまるで兄弟のようだし、姉御肌キャラの水川あさみ氏の絡みも期待できそう。公開日の11月8日が楽しみだ。


 
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朝日新聞、世紀の大白旗(2) 朝日や吉田氏の精神状態とは? 近頃の現象[一〇四二]

日韓関係ゆがめた 
朝日の慰安婦報道に舛添知事


 東京都の舛添要一知事は7日、朝日新聞がいわゆる従軍慰安婦問題を巡る過去の報道に一部誤りがあったとする記事を掲載したことについて「全くの虚偽報道であるということを反省したのは当然だ。日韓関係をここまでゆがめた一つの理由だ」と述べた。(読売新聞)

【雑感】それでは我々日本人が不利になってしまう嘘を何故ついたのか?

 ヒントになるかどうか判らないが、興味深い体験がある。

 私がまだ大学を出たての若い頃、アジア人留学生を支援する市民団体が主催するシンポジウムに参加した。大阪・天王寺のとある会場で、アジアを中心に外国からの留学生と日本人支援者が集っていた。
 雛壇にはインド・中国・韓国などからの留学生と日本人専門家がパネラーとしてあがり、一通りのパネルディスカッションのあと自由討論が始まった。

 発言者の多くが日本人で、発言内容は日本批判ばかりである。「日本人はアジア人を蔑視している、けしからん」「日本政府はアジア人を差別している。とんでもない事だ」と語気強めて怪気炎をあげていた。
 中には運動家らしき若い男が主催者にイチャモンをつけた。このシンポジウムでは参加者全員ローマ字表記の名札を付けていたのだが、彼は怒り声で「なぜローマ字表記するんや! 当人の表記法と日本語の表記法と英語の表記法3種類用いるべきだ! 主催者自身が欧米よりのアジア蔑視ではないのか!」
 たとえば韓国人なら、ハングル表記とカタカナ表記とローマ字表記の3行で表示せよという事らしいが、いくら大きな名札を使ってもこれではパッと見、読みづらく、じっと相手の胸元を睨まなければならなくなる。世界で最も普及している文字で大きく表記したほうが合理的ではないか。主催者の運営の苦労を考慮し無い浅はかな輩だと不快に思った。

 やがて、自由討論は意外な方向へ展開した。まず留学生の1人が不満げに声を上げた。「日本人ばかりが発言している。我々留学生から意見は無いのか」と。呼応して韓国人留学生が立ち上がって今までの日本批判を覆す意見を言った。
 私と同い歳かやや歳上の若い男性で、今の韓流ドラマに出てきそうなイケメンだった。白いワイシャツに緑系セーターに紺のスラックス、やや改まった格好だった。彼は落ち着いた物腰で訛りの無い流暢な日本語で発言する。
 「さっきから日本批判ばかり言っているけど、私の周りにはそんな悪い日本人はいないし、最初は無理解で苦労したけど辛抱強く相互理解をはかっていったら良い関係を築ける。留学生側ももっと努力するべきだ」という趣旨だった。日本批判の急先鋒と思っていたら予想外の意見だった。

 これで朝日新聞や吉田氏の心理の一端が垣間見えると思う。私が参加した市民集会、日本語を解するアジア人留学生が大勢参加していたにもかかわらず、発言者の多くが日本人だった。しかも発言内容は日本批判ばかり。この空気に釘を刺すかのような韓国人留学生の言葉。
 参加している日本人の多くは、日本や日本人に対する敵意と怒り、そして留学生たちの不満への迎合が見受けられるばかりで、建設的にどんな具体策があるのかはあまり出てこなかった。つまり「俺はその辺の日本人とは違って意識が高い、お前らの味方だよ」とでも言いたげなアピールばかりやっていた。もしかしたら、前述の韓国人留学生もそんな偽善に気が付いたのかもしれない。

 朝日も吉田氏も同様の意識を持っていたのではないか? 韓国人に迎合するだけでなく、むしろより過激に日本を貶める嘘をつく。重大な国益損失をまねくが、一方で「業界」では志の高い英雄として評価される。実際、吉田氏は一種の寵児の如く左派マスコミや市民から受け入れられていた。右派保守には理解しがたい一種のヒロイズムだ。

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朝日新聞、世紀の大白旗。今になって吉田証言の虚偽を認め記事撤回。 近頃の現象[一〇四一]

“従軍慰安婦”朝日新聞が記事の誤り認める

 いわゆる従軍慰安婦の問題について、朝日新聞が5日と6日に特集を組み、過去の一部の記事に誤りがあったことを認めた。これに対し、日本国内や韓国で波紋が広がっている。(日本テレビ系)

【雑感】問題の吉田証言については映画「春婦伝」のレビューで少し触れたが、あの証言を今になって朝日が撤回した。

 当時の軍隊(今も?)に慰安所はつきもので、「春婦伝」が公開された1965年当時は従軍慰安婦問題は問題になっていなかった。本作はあくまでも戦時下の社会で底辺を這うように生きる若者を描写したに過ぎなく、従軍慰安婦批判はテーマではないし、当時の社会もこれを問題にする空気は皆無であった。

 問題にするようになったのは、やはり80年代に入って朝日新聞が掲載した吉田証言からである。当時の私は衝撃を感じながら読んだ。
 それまでの私の認識は、主に身売りした地方の貧しい女性で、女衒と呼ばれる斡旋業者が手配して慰安所に送り込まれたのが慰安婦だった。困窮する東北地方や朝鮮半島から身売りした女性や、あるいは甘言に騙されて連れてこられた貧しい女性たちである。
 軍隊経験のある知人の話によれば、慰安婦には等級が有り、将校相手には30前後のベテランの日本女性が担当し、下士官には20代の朝鮮女性、兵卒には朝鮮や中国の経験の浅いハイティーン女性が対応したという。しかし将校の中には若いつぼみを欲しがる者がいて、女をめぐる争いになると階級関係なしに将校・下士官・兵いりみだれて喧嘩になったそうだ。

 それが吉田清治氏が済州島にて銃剣を突き付け慰安婦狩りを行ったと証言、まさかいくらなんでも皇軍が中間業者を経ず直接手を汚すか? 私は半信半疑だった。釈然としないが、本人が敢えて損になる事を言うはずが無いとも思えたので、本当なのかもしれないという気持ちを抱いてしまった。

 既に90年代初頭の段階で、現地の新聞「済州新聞」も調査でそんな事件があった事は聞いたことがないという結論を出し、吉田氏本人もフィクションを混ぜている事を白状した。
 なにより、あのローカルな済州島で数百人単位の女性を奴隷狩りのように拉致しまくったら、驚愕の大事件であるとともに韓国人の気質を考えたら日本に対し済州島だけでなく朝鮮半島各地で武装蜂起に近い暴動が起こっていなければならない。また済州島は日本への怨嗟に満ち、日本人が気楽に観光できる島にはならなかったはずだ。なにより韓国側がいう日帝による「植民地支配」が揺らぎかねないのではないか? そんな疑問が湧いてくる。

 私は長い間どちらが本当か判断がつかないでいた。だが、世間というものはどんどん話をエスカレートさせていく。問題は繰り返し拡散され、いつの間にか左派系市民の間では「事実」として認識され元慰安婦救済と日本政府糾弾の根幹をなす論拠になっていった。
 日本側が罪を認めるかのような世論や政府見解を表したことで、韓国側も次第に声高に慰安婦問題を取り上げるようになり、現在ではアメリカを中心に世界各地で日本糾弾を合唱、「慰安婦=性奴隷」の図式が定着していった。
 だが、「あれ?」と気になる事が頭に浮かぶ。売春の是非はともかくとして、日本では戦後間もない1956年に一応非合法化されたが、韓国では2004年ではなかったか? 韓国の慰安婦は性奴隷ではないのかもしれないが、強姦件数が日本の40倍といわれるほど、実は日本よりもはるかに女性蔑視が惨いお国柄である。

 似たような疑問は他にもある。韓国朝鮮側の一説では強制連行された者は800万にのぼるそうだ。「え!」と驚くと同時に、「あれ?」と首を傾げる。
 韓国朝鮮と日本は地続きではない。対馬海峡という海を渡らなければならない。戦時下、800万人もの人間を朝鮮半島から日本へ運ぶ輸送力が果たして当時の日本にあったのだろうか? 軍がいくら船舶を徴用しても慢性的な輸送力不足は解消できず、南方の前線では物資不足で餓死者が出る、資材の供給が滞っているので計画通りに軍艦の建造ができない話も左派市民は抵抗なく受け入れているはずなのに、なぜ800万人説を信じてしまうのかが不思議だった。

 800万人も強制連行できる力があれば、戦艦大和も空母大鳳ももっと早く完成して実戦配備できたはずだ。そもそも戦争に勝っていたかもしれない。
 何万人もの女性が奴隷狩りの如く従軍慰安婦にされたのであれば、韓国民衆が各地で蜂起して朝鮮総督府をはじめ日本の官憲施設へ怒涛の攻撃を仕掛けたはずである。


 なぜ左派市民は800万人の強制連行を実行できるほどの日本の国力を信じる一方で、ジリ貧困窮耐乏生活の竹槍日本も信じるのだ?
 なぜ韓国世論は歳頃の女性たちが数万規模で性奴隷にされた事を信じる一方で、当時の男たちは半島あげて挙兵しなかったのか? 今日のような大規模な慰安婦反対デモすらなかったのを恥と思わないのか?

 私は20代半ばから30代後半までの10年余り、友人らの義理で左派系の市民運動に関わっていた時期があった。以上あげた疑問をぶつけてみた事があったが、納得のいく答えは得られなかったばかりではなく、疑問を持っている事を批難されまるで凶悪な人間であるかのように罵られもした。
 タブーの無い社会を目指すといいながら、タブーだらけを運動内に作っているのではないのか? 私が運動から足を洗った理由の一つである。

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理研の事件によって、朝日新聞の世紀の白旗が吹き飛んだか・・。 近頃の現象[一〇四〇]

「疲れた」小保方氏らに遺書 
理研・笹井氏自殺か


 自殺を図ったとみられる理化学研究所発生・再生科学総合研究センター笹井芳樹副センター長(52)が、小保方晴子氏(30)ら理研関係者に遺書を書いていたことが関係者への取材で分かった。「疲れた」という趣旨や謝罪する内容が書かれていたという。(神戸新聞NEXT)

【雑感】今年1月、ノーベル賞級の大快挙が報道された。プレゼンに臨む3人の科学者、向かって左から小保方晴子氏、若山照彦氏、そして笹井芳樹氏。

 私はてっきり笹井氏の研究をまだ女学生臭さが残る若い小保方氏がスポークスマン的にプレゼンをしていると思っていた。ところが彼女の研究成果の発表であり、若山氏も笹井氏も彼女の共著者で後見人のような存在だった。
 自信と喜色に満ち溢れた3人の顔。誇らしげにプレゼンをする晴子ちゃんの姿を目を細めて喜ぶ2人の先輩科学者、微笑ましい光景だった。まさか、このような事態へ転落するとは思わなかった。

 遺書には「あなたのせいではない」とか「STAP細胞を完成させてほしい」といった趣旨の文があったそうだが、これは明らかに「君は死ぬな」のメッセージだろう。小保方氏には常に監視が必要だ。死の間際まで心配してくれた恩師の存在に、感極まって早まったことを発作的にやってしまう可能性が有る。
 もしかしたら閉鎖あるいは廃止されてしまう再生科学総合研究センター近くで最期を迎えたのは、自分がたちが立ち上げてきた職場への愛着か、はたまた業界への抗議なのか?

 落日の中の感動的な上司と部下あるいは師弟の光景なのだが、これで虚偽論文の真相究明に大きなダメージとなるし、業界内部にとっては有能な研究者の損失は今後の研究進捗に計り知れない支障をきたす。

 そして社会問題としては、朝日新聞が火を付け国際問題と化している従軍慰安婦問題が実はガセだった事を自ら認めた歴史的大白旗が、笹井氏によって吹き飛びかき消されてしまった。

 いずれにせよ、命を絶ってしまっては可能性はゼロになってしまう。生きていれば再起もあるだろうし、別の生き方も模索できる。私のような無芸大食の頭の悪い人間には今後の人生の可能性の幅は狭いものだが、頭の良い人間は様々な選択肢を開拓できる。
 まことに残念だ。あの1月のプレゼンを見たとき、こんな不景気な話になるとは全く想像できなかった。


 
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高1同級生殺害事件、ネット拡散の副作用。規制云々より割り切りが第一。 近頃の現象[一〇三九]

<高1同級生殺害>ネット情報で「2次被害」

 長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件に関するさまざまな情報がインターネット上に拡散している。過激な画像や誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)にあたる書き込みもあり、逮捕された少女(16)と殺害された女子生徒(15)が通っていた高校では、事件によるショックに加えてネット上の情報で体調を崩す「2次被害」とも呼べる事態になっている。(毎日新聞)

【雑感】ネット社会は恐ろしいものだ。
 この事件に関しては、既にご存知の方も多いと思うが、容疑者として逮捕された少女の本名や顔写真と思われる情報や彼女の父親の名前と顔と経歴もネット上で拡散されまくっている。大手の新聞やTVなどマスコミがいくら伏せていても、ネットでは情報統制なんぞどこ吹く風といわんばかりの別世界だ。

 江戸時代の中頃に定着した格言に「人の噂も七十五日」がある。簡単に言えば噂というものは季節(春・梅雨・夏・秋・冬)が一つ過ぎれば忘れ去られる意味だ。
 現代社会も基本は同じだ。年末になると、この一年の事件を振り返る特集番組があるが、「ああ、こんな事があったのか」「え? これ今年の話?」と思う事が多々ある。また「人の噂も七十五日」でなかったら、政治的な活動をしていた私はたぶん現在の職に就く事は困難だったろうし、現職場で私の過去を知る者は誰もいない。

 しかし「人の噂も七十五日」という格言が定着した江戸時代と違って、現代社会ではインターネットにより誰でも気軽に情報を全世界へ瞬時に発信できるし、情報の大海の底へ深く沈んで忘れ去られたデータも「検索」で瞬時に引き上げられる。
 たとえば私が何か悪さをして警察に捕まりワイドショーネタになってしまったとする。たちまち私の本名や家族構成などの個人情報が引きずり出され全世界へ拡散される。もちろん忘れ去られたはずの過去の経歴なども瞬時に掘り起こされて同じく拡散される。

 そしてこれが深刻な問題なのだが、ネットで拡散された情報が正しければ良いのだが、誰でも気軽に情報を発信できるので誤報も多い。TVや新聞雑誌であれば、情報発信の際に記事をまとめるデスク(編集長補佐みたいな役職)や編集長などのチェックが入り、情報の質に問題があると没にされる。それでも誤報や不適切情報で批難され損害賠償請求へ発展する事が多々ある。
 ネットでは個人が気楽に情報発信できる。記者のように専門職として情報の扱いを訓練されていない素人が、デスクや編集長のふるいを経ずに発信する。中には邪な人間が故意に嘘八百をもっともらしく並べる事も少なくない。
 殆どが質の悪い情報や他愛ない情報と最初から割り切ってネット社会を利用する以外に方法は無い。

 人権を守るために規制をすべきだとの声もあるが、既にネット社会は政治の手には負えない世界へ進んでしまっている。だからこそ、圧政を強いる独裁国家などでは民主化の風を呼び込むアイテムであり、言論弾圧に対しゲリラ的に対抗できる重宝な媒体だ。したがって下手な規制はむしろ公益にとって甚大な損害になる。
 民主党政権下で起きた尖閣問題では、中国側の暴力を海上保安庁の一職員が政府の方針に逆らい動画をアップした事で保守右翼は喝采したではないか。韓国では気に入らない政治家を落選させる運動にネットが有効に働いた。これに左翼や護憲派が喝采したではないか。

 ネットをどうにかするよりも、利用者の訓練のほうが急務である。事実関係の掌握方法や情報の取り扱い方を訓練が必要だ。これは学校の授業で教育しなければならない問題である。中学生から新聞記者の新人教育なみのカリキュラムを課さなければならない。

 日本国民は二十歳を過ぎれば誰でも国家の主権者であると同じように、ネット上で一言でも意見を述べたら言論人である。残念ながら国民の大半は主権者である自覚は無いし、ネット利用者は言論人である自覚が無い。
 国家主権者の大半は選挙権が有る意味だけの「有権者」というぬるい認識しか持っていないし、言論人の殆どがインターネットを単なるコミュニケーションツールという意味にしか捉えていない。
 規制がどうとか、ネットは危険だとかいう前に、この初歩から叩き直すべきではないのか!


 
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