初めてAdventure Worldへ行く。
アドベンチャーワールドの正門へ向かう息子と連れ合い。【雑感】月曜日の仕事を休んで家族三人で一泊二日の小旅行をした。土日の日程で行きたかったのだが旅館の予約がとれず平日を絡めざるを得なかった。
思えば、所帯を持って初の家族旅行だ。毎年の盆休みに高知に行くが、あれはあくまで帰省であって観光やレジャーではない。祖母が鬼籍に入ってから事実上空き家状態になっている本籍地の草抜きと清掃、我が家代々の墓地の草抜きと清掃のために帰省するのである。
もちろん、草抜きと清掃だけのために帰省する訳ではなく、連れ合いのために高知観光をやったり、息子のために「アンパンマン・ミュージアム」へ遊びに行ったりもしているが、あくまでメインは清掃と草抜きである。
今回の遠出は純粋に観光目的の小旅行だ。
連れ合いはアトピー性皮膚炎に悩まされている関係もあって昔から温泉好きである。所帯を持つ前は連れ合いとはよく温泉デートをやったものだが、所帯を持ってからは次第に温泉から遠ざかり、息子が生まれてからは全く温泉に行く暇(いとま)がとれなかった。今回は数年ぶりに温泉を楽しむのが目的だった。
もう一つ、温泉だけでは二歳児の息子は面白くないだろう。最近、動物に興味を持ち始めたので動物が沢山観れる施設に連れて行こう、という訳で和歌山の白浜へ行く事になった。白浜には昔から温泉地として有名であるし、パンダの飼育で評価が高い
アドベンチャー・ワールドがある。
昭和の名残がある温泉旅館 アドベンチャーワールド近くの温泉旅館をとった。湯快リゾートの系列なのだが、料金の割にはまことにサービスが良い。部屋は家族3人が泊まるにしては広々としているし、清潔で明るい。テレビは見放題。(今はどこのホテルもそうか? 昔はジャラ銭投入口が付いた有料だった)ホテル内の温泉施設も石垣や岩で演出していて面白かった。温泉の湯加減が腰や膝に爆弾を抱えている私には丁度いい熱さ、一時的にせよ痛みが治まり身体が軽くなったような感がする。
夕食も私は満足だった。ホテル内の食堂でバイキング料理を楽しむ。連れ合いは野菜の品質について不満を漏らしていたが、宿泊料と釣り合っていると思う。料理の種類もけっこう多かったので豪華な気分にさせてくれる。
白浜の地ビールなぎさビールを飲むつもりだったが、一人1600円のプレミアムモルツ飲み放題を選んでしまった。大人2人分の3200円を支払わなければならなかった(1人が連れに分ける可能性を排除するため)が、6杯飲むと元がとれるので注文、しかし5杯しか飲めず最後の1杯は連れ合いにノンアルコールの梅酒で帳尻を合わせてもらった。
朝食もビュッフェスタイル。各テーブルにコンロがあり、地元特産の味醂干しを焼いて食べる趣向が気に入った。

湯快リゾート、創業が2003年らしい。近年、CMでお馴染みになっているが、旅館自体はもっと以前からある老舗のようだ。
聞くところによれば、湯快リゾートはカラオケで有名な東愛産業の関連会社、廃業あるいは経営が傾いた旅館を買収して再生させてきたという。
なるほど、施設建物には従業員の宿舎らしき鉄筋コンクリートの建物があるが、建築デザインと老朽化具合から築半世紀は経過してそう、本館の内装や外装も目に付きやすいところは新しく改築改装しているが、裏に回るとやはり築半世紀ぐらいは経っていそうな鉄筋やコンクリートが目に付く。
私たちが泊まった部屋も、便所や浴室は真新しい洋風のタイル張りで、畳も青さが残る比較的新しいものだった。また欄間に急ごしらえで取り付けたかのような真新しい家庭用エアコンがあった。欄間の障子を少し開けて配管を通しているので少し不細工、これほどの規模の旅館なら一部屋一部屋に家庭用のエアコンではなく、全館一括空調で各部屋には空調の換気口がついているだけのはずだ。よく見るとエアコンがある反対側の鴨居の上部に施工が古そうな一括空調の換気口があいていた。もう使われていないのだろうか?
おそらく、元は昭和の典型的な温泉ホテルだったのだろう。修学旅行の生徒や会社の研修や慰安旅行などを受け入れてきた大旅館だったかもしれない。仲居さんが一部屋一部屋にやってきて夕食の配膳や布団の用意などを小まめにやっていた古き良き時代の日本の旅館だったろう。夕食には刺身の船盛ぐらいでたかもしれない。
しかしこの20年の不景気とレジャーの多様化で企業は全従業員あげての慰安旅行はやらなくなった。団体客に対応してきた温泉旅館にとっては大打撃だったはず。 日本の温泉旅館の定番だった地元漁港で獲れた海の幸の船盛や鍋料理を各部屋に配膳する事はやらなくなり、仲居さんを減らし人手が少なくて済むセルフサービスのバイキングスタイルになった。私はそう推測している。
また、阪神大震災以降、学校関係者は修学旅行の宿泊地にできるだけ耐震補強した宿を選ぶようになり、資金力のない旅館は建替えや補強工事ができず修学旅行客も失うという事態もあったかもしれない。
古き良き時代の仲居さん方式が無くなる、独りで野宿しながらチャリンコ旅行をしていた頃の私だったら日本的な団体旅行を軽蔑していたが、今は少し寂しい。ゆったりと普段食べられない御馳走と普段入る事はない温泉につかって豪華な気分になる旅も悪くはないと思うようになってきた。
ただ、旅館が廃業して廃墟になってしまう(廃墟マニアが喜びそうな物件が日本全国無数にある)よりは、湯快リゾートが温泉施設を維持して再生するほうが良いだろう。旅館自慢の露天風呂につかりながら、バイキング料理とビール飲み放題で元を取ろうと必死に胃袋に詰め込む作業をしながら、ふと旅館業の趨勢を考えた。
もっと放し飼いのようなサファリパークと思った
アドベンチャーワールド 二歳児の息子はまだ温泉の楽しさは解らないだろうが、動物には好奇心を輝かす。
実は私も初めて行くので楽しみにしていた。アドベンチャーワールドは私が中学生の頃にできたテーマパークなのだがこれまで行く機会が無かったというより興味が無かった。子供を授かってから初めて行きたいと思うようになった。
私が住んでいる地元では天王寺動物園や岬公園が定番だが、アドベンチャーワールドはこれらの規模を大きくしたようなものだろう。普通の動物園よりは伸び伸びと動物たちを飼育しているが、思ったほどサファリらしくはなかった。
開園当初はシャチが目玉だった。人間への復讐心に燃えるシャチを主人公にした映画「オルカ」が大ヒットしていた事もあって、シャチの曲芸がウリでCMでもよく登場した。だが、今は主役の座はパンダとペンギンにとって代わって、イルカショーの施設にシャチの姿は無かった。
いまやアドベンチャーワールドの主役であるパンダ。
施設内の土産物売り場の菓子折りはみなパンダが描かれている。 さすがアドベンチャーワールドのイルカショーは迫力がある。大阪の岬公園でも優れたイルカショーがあるが、出演するイルカの頭数とダイナミックさはアドベンチャーワールドのほうが凄い。

一度に10数頭のイルカたちに演技させるなど、なかなかの力技だ。残念ながら手持ちのカメラは携帯電話内臓のものなので上記写真程度のものしか撮れなかった。一眼レフなら高速連写できるのだが、携帯電話ではシャッターを押してから下りるまでに1秒程度のタイムラグがあるのでタイミングがなかなか合わない。
またこういったイルカショーなら、200ミリ程度の望遠レンズが威力を発揮するのだが、携帯電話ではせいぜい35ミリ~70ミリの標準ズームなので、アトラクションの調教師の姿がよく写らない。スレンダーで容姿端麗の美女がやっていたのに。残念無念。
小金持ちになったら、オリンパスのデジタル一眼レフを一式そろえるぞ。
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