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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

中1男女殺害遺棄、トム・ソーヤーの世界に忍び寄る危険。またしてもマスコミは紋切り型の批判と提言か。 近頃の現象[一一六八]

中1男女殺害遺棄 
危機感薄い夜の子供たち 
頻繁にライン、外出に抵抗感なく


 大阪府寝屋川市立中1年の平田奈津美(なつみ)さん(13)が殺害、遺棄され、同級生の星野凌斗(りょうと)さん(12)の遺体が発見された事件は、子供を犯罪から守る難しさを改めて浮き彫りにした。ただ、専門家によると、かつてとはやや様相が違う「難しさ」があるという。「子供が夜に出歩くことが珍しくない」「夜中でも携帯電話でつながっている」-。大人が気づかぬ間に子供の世界に夜が入り込み、広がっているようだ。(産経新聞)

【雑感】小学校3年生から中学3年生の約6年間弱、私は事件の現場となった高槻市の西隣茨木市に住んでいた。被害者と同じ中学1年生のころ、事件報道で紹介されている地名はまさにサイクリングでよく走った馴染みある場所だった。

 淀川河川敷などは大阪のコンクリート砂漠に浮かぶ緑のオアシスのようなもので、堤防の上の道路は自転車専用道路としても整備されていた事もあってよく走った。摂津市の鳥飼大橋から高槻市にかかる枚方大橋までのラインは私にとってはサイクリングコースであり、コース周辺の土地勘もあった。
 だから思い出の場所で惨たらしい事件が起こり、その被害者が当時の私と同じ年頃である事が他人事ながら衝撃である。

 被害者の2人にとっては、トム・ソーヤーの冒険のような感覚だったかもしれない。野宿は楽しい。最初は通行人全員が盗人やかどわかしに見えたものだが、やってみると案外簡単。簡易テントを使うと蚊の襲来から防げるので快適。とはいえ奈津美ちゃんは独りだと心細いので仲の良い男の子星野君を誘う。

 小学生のころから友達だった2人は異性を感じあう仲ではなかったと思うが、中1ともなれば仄かなドキドキ感は芽生えつつあったかもしれない。それがまた楽しいのだ。特に何をするでもなくブラブラ歩く動作がまた楽しい。そんな感じではないだろうか。そして、そんな青春をおくった人は多いはずだ。
 スケールは大きく異なるが、被害者と同姓で私とほぼ同世代の劇作家平田オリザ氏は16歳の時に自転車で北半球を一周した。市街地でテントを張って野宿したこともあるそうだが、本人は壮大な世界一周の旅でも現地の人にとっては変な子供が野宿しているようにしか見えない。


 なぜか大人になると子供時代の気持ちを忘れてしまう。それどころか変にかまととぶる。そんなん知らんかった、私の子供ん頃はそんなんなかった、とでも言いたげだ。

 「子供が夜に出歩くことが珍しくない」と記事では問題にしているが、この期に及んで何を間の抜けた事をと思う。私は30年前にコンビニでバイトをやっていたが、深夜に小学生の客が来ることなど珍しくなかった。また当時から既に塾などで帰宅が深夜になるといった光景が報道され一種の社会問題として扱われていた。
 それが30年前の段階だ。この30年の間に、朝7時開店・夜11時閉店が主流だったコンビニは完全に24時間営業が主体となり、TV放送も当時は丑三つ時にもなれば砂嵐映像、今は殆どの局は砂嵐を流すことはなく事実上24時間放送だ。
 30年前の段階で既に子供は夜型になっているのに、30年前よりもさらに社会は不夜城と化しているのに「子供が夜に出歩くことが珍しくない」とわざわざ問題視するとは大間抜けの自覚がないのか?

 また記事では無料通信アプリ「LINE(ライン)」に代表されるコミュニケーションツールの発達も問題にしているが、むしろラインの発達が事件の解決を速めているともいえる。
 前述したように私がコンビニでバイトをやっていた80年代の時点で既に夜型子供は珍しくなかった。あの時代で同じ事件が発生したら、たぶん迷宮入りになっていた可能性がある。当時は防犯カメラはあまり設置されていない上にデジタル化もされていない。被害者の足取りも犯人の車も特定できなかったかもしれないし、そもそも中学生の2人が夜中に何をしていたのかも謎のまま、不可解な猟奇殺人として終わっていただろう。あるいは星野君に犯人の汚名を着せられていたかもしれない。
 私が小中学生時代に観たワイドショーで紹介された謎の猟奇事件の大半は、現代社会であれば数日で解明できるものになっているのではないか。

 教育評論家の尾木直樹氏は
 「ラインやメールで話していたら、いつでもつながっている意識になる。昔は深夜に子供だけで出かけるなんて怖くてできなかったが、夜でもつながっているという安心感を持ってしまう。いまは“オールナイト徘徊(はいかい)”ともいうべき行動を取らせる素地がある
 と否定的立場で短兵急な指摘するが、前述した通り30年前の段階で既に子供も大人の夜型社会に巻き込まれてしまっている。むしろ携帯端末の普及とLINEによって子供たちの孤立を防いでいると見るべきだ。
 大人が24時間社会になっているのに子供だけ朝型生活というのは無いもの強請りだ。抜本的解決をしたいのであれば生活のリズムを社会全体が「三丁目の夕日」時代に変える覚悟をもたないといけない。

 今は防犯カメラのおかげで被害者や犯人の足取りはかなり正確に特定できる。LINEのおかげで被害者の動向が記録として残るし、加害者は証拠となる足跡を残す場合もある。そのように評価すべきだと思っている。
 脊髄反射で否定的に捉えるのではなく、「三丁目の夕日」時代に戻る覚悟も大人たちが持てないのであれば、これらツールは日常あたりまえにあるモノとして受け入れた上で論じていくべきだ。


 尾木氏は「深夜に外出している子供を見かけたら一声かけるということができないか。支え合うような地域のつながりの重要性を改めて考えるべきだ」とまたまた短兵急発言をする。
 言いたい事はよく解るのだが、それを実現するには「三丁目の夕日」の時代に社会を戻さなければならない。今は知らない人に声をかけられたら警戒する(または逃げる)ようにと指導している状況を知っているはずだ。私がチャリンコで日本一周をしていた30年前の段階でも既に見知らぬ大人は警戒されていた。迂闊に道順を子供に尋ねると不審者扱いされかねない空気が既にあった。
 前から気になっているのだが、尾木ママは脊髄反射の短兵急発言が多過ぎる。不用意に世間のバッシングの波に乗って事実関係の掌握をしないまま他人様を批判しすぎだ。

 天変地異が起こらぬ限り、今の24時間営業的社会は変わらない。子供は大人社会を反映するものである。ならば、24時間営業的社会を補完するために誕生したLINEなどのツールを活用する方を考えるべきではないのか。もはやネット上の空間にも地域のつながりをつくっていく方が現実的だ。


 
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山本太郎議員の国会質問「原爆投下や大空襲は米軍の戦争犯罪では?」 山本氏の戦術は相手の土俵で捻じ伏せる。 近頃の現象[一一六七]

山本太郎議員の国会質問がまた話題 
「原爆投下や大空襲は 
米軍の戦争犯罪では?」


 山本太郎参院議員(40)が国会でした質問がまた、反響を呼んでいる。今度も、「米軍による日本への原爆投下や東京大空襲は、戦争犯罪ではないのか」という単刀直入なものだった。

(中略)

 「過去の米軍の過ちを認められないものが、どうやって戦争犯罪常習国である米国の行動をこの先ジャッジできるんですか」と批判した。最後に、山本氏は、「自衛隊は、米軍の2軍ではないんですよ」と指摘して、安保法案に対して反対する考えを強調した。(J-CASTニュース)


【雑感】山本太郎氏の主張は正論中の正論である。今までの野党でさえ遠慮して言及しなかった事を山本氏は追及している。共産党も追及する事はあったかもしれないが、上品で理屈っぽいので、インテリを嫌う人たちからは最初からイメージで拒絶反応を起こして「難しい話は解らない」になってしまう。
 ところが山本太郎氏は計算された論述を直球ストライクの本音トーク風で展開するので、彼に嫌悪感を持っている人でも図星をさされたような感を抱く者が多いと思う。

 安倍晋三総理が誠の保守右翼であるなら、山本太郎氏の質問に対して激しい悔しさを抱くはずである。原爆投下も東京大空襲をはじめとする全国の都市へ行った焼夷弾ばらまきは明白に民間人大量殺戮を目的にしたものであり、当時の国際法に於いても違反は明白である。もし東京裁判を仮に強大な第三国の判事のみで裁いたら、B29の爆撃を指揮したカーチス・ルメイやヘンリー・アーノルドも戦犯として拘束され裁かれる事になったろう。
 山本太郎氏の質問に対して反感程度しか抱けない人間は、誠の保守や右翼ではないと思う。ニセモノであり、亡国の徒である。

 もともと自衛隊というのは米軍の二軍からスタートした。憲法九条で日本が軍事力を持つことを禁止したものの、ほどなくソ連をはじめとする社会主義勢力が後援して金日成の軍隊が朝鮮半島を南下した。たぶん米軍は予想していなかったと思う。日本だけでなく韓国軍の数も厳しく制限していたからだ。

 米軍は慌てて日本政府に警察予備隊という軍事組織をつくるよう命じた。米軍主力が朝鮮半島へ出払っている間、ソ連軍が樺太侵攻と同じように北海道に来襲したり国内社会主義者たちが武装蜂起した場合、警察組織だけでは対応できないからだ。
 こうして成立から現在に至るまで自衛隊は米軍の二軍の位置づけだ。保守右翼にとって二軍のポジションからの脱却は悲願のはずで、山本太郎氏が言い放った「米軍の2軍ではないんですよ」という発言はむしろ溜飲下がるものであっても反感を抱く者ではない。(オールド左翼や平和主義者は今でも自衛隊を違憲と見なし、武装解除と解散を本気で思っている)

 山本太郎氏の指摘は、実は左右保革に関係なく多くの人が抱いていた不条理感である。ところが保守右翼の多くは親米ポチに成り下がってアメリカへの気兼ねで口を噤み、革新左翼や護憲は九条を神格化して米軍の犯罪よりも自国の犯罪糾弾に固執した。
 山本太郎氏は従来の保守や革新のようなしがらみは無く、自由な精神で信念の赴くまま行動しているように見えなくもない。今上陛下に直接書簡を手渡すにしても、従来の左翼は天皇制を否定するか少なくとも天皇の権威は当てにしていないのであんな行動に出る発想も想像もできない。
 安全保障条約に於ける原発問題指摘についても、本気で軍事を考えている人間であればむしろ正論、いわゆる護憲派は軍事を否定するあまりに軍事を考える行為すら憚るため、多くは言い出せなかった。
 だからこそ「相手の土俵で捻じ伏せる」戦術が使えるのだ。かつて辻元清美氏が西村眞悟氏の「セクハラ」発言に対して紋切り型の抗議しかできなかったのとは雲泥の差だ。

晴雨堂関連記事案内
都議会セクハラ野次への空しい批判。 「セクハラ」をセクハラと思っていない人間に「セクハラだ」「女性蔑視だ」と合唱しても逆効果だ。近頃の現象[一〇二九]
記事後半に辻元清美氏と西村眞悟氏の紛争についての私見を述べた。


 
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ジャック・ダニエル(梅酒)の続編。 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[百九十四]

バランタインのロックグラスを見つけた。

ジャック・ダニエルとバランタインのグラス。

【雑感】息子が風邪をこじらせてしまい、夜中咳が止まらない。咳をしていない時間が無いくらいひど過ぎるので布団に掃除機をかけてみたら、若干は咳の頻度が和らいだ。

 という訳で、起きているついでにブログをアップすることにした。
 前回、百均で購入したグラスに入れて飲んだが、どうも気分が乗らない。せっかく梅酒ジャック・ダニエルの瓶に入れて気分を盛り上げているのにグラスがいまいちでは瓶の効果が半減する。かといってジャック・ダニエルのロゴ入りグラスは持っていない。
 何かもっと御洒落なグラスがないものかと探したら、本棚の奥に埃をかぶっていたバランタインのロックグラスがあった。

 バランタインは有名なスコットランドのブレンデッド・ウヰスキーの銘柄で、近所の酒屋でも比較的よく見かけるし価格もリーズナブル。このグラスは何かのキャンペーンか景品のオマケにもらったものだと思う。

バランタインのロックグラス。

 グラスの底が分厚いのが御洒落だ。これに氷を放り込んで梅酒を注げば、見た目だけはウヰスキーのオンザロックと変わりない。いや、もともとこの梅酒もホワイトリカーではなく日本の安いウヰスキーを使っているので、梅風味のウヰスキーなのだ。


 
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滋賀の武藤貴也君よ、スクープしたのが保守系雑誌という意味をよく考えろや。 近頃の現象[一一六六]

武藤氏、「国会議員枠」を弁明 
出資金疑惑、議員辞職は否定


 金銭トラブルをめぐる週刊誌報道で自民党を離党した無所属の武藤貴也衆院議員(36)=滋賀4区=が26日、東京都千代田区の衆院議員会館で記者会見し、報道の一部を否定した上で、野党などから出ている議員辞職要求について「失った信頼を取り戻すため引き続き取り組みたい」と述べ、辞職しない意向を明らかにした。(京都新聞)

【雑感】少なくとも格好は良くないな。安保反対デモを行っている学生に向かって「利己的」などと目上風ふかしながらお前はなんやねん、て突っ込まれる形になってしまったから、バツが悪いというか。
 しかもその突っ込みを入れたメディアは朝日や毎日などの左派系ではなく、どちらかといえばアベノミクス歓迎の保守右翼雑誌の一つである文春だ。武藤貴也君はその意味をよく考えたほうがいい。君は保守右翼からも信用されていないのだ。

 武藤君が誠に信念をもって戦前回帰を目指すのであれば、それは良い悪いは別にして格好はつく。しかし銭への汚さは戦後であれ戦前であれ批判の対象であり、銭のスキャンダルを起こし、さらにその後の対応も間違えてしまうと信念を疑われても仕方が無い。聞けば会見の場にもう一方の当事者である文春の記者を締め出すという失態を犯しているではないか。

 保守右翼文化人の重鎮に小野田寛朗氏がいた。敗戦を信じないまま戦後約30年ものあいだルパング島の過酷なジャングルに潜伏して戦争を継続した軍人である。あの強硬な右翼政治家で元自衛隊「空軍参謀総長」である田母神俊雄閣下も平身低頭する偉大な先輩だ。
 もちろん小野田氏については様々な否定的批判(余談1)があるが、それでもルパング島で敗戦を信じず四半世紀以上も作戦行動を続けたり、「復員」後はブラジルに渡り10年にわたって原野を開拓し小野田牧場を経営軌道に乗せたり、小野田自然塾を開いて青少年の育成に努めたりと、世間の醜聞を吹き飛ばす経歴と実績があるゆえに保守系以外の市民からも彼の「信念」を認める者は少なくない。

 ところが武藤君には醜聞を吹き飛ばせる経歴も実績も無い。小野田寛朗氏が現在の武藤君と同じ36歳の時は、現役の「陸軍少尉」として部下とともに戦後のルパング島ジャングルを転々と移動し10年以上にわたって戦闘行為を行っていた。
 小野田氏が50を過ぎてフィリピン軍に対し武装解除に応じたとき、所持していた旧日本軍の制式小銃などは発砲できる状態であったことから、過酷な環境に長年置かれていたにもかかわらず生真面目に兵士であり続けた事は少なくともいえる。

 つまりどういう事かと言えば、武藤氏から見て伝説の大先輩の36歳の時と比べて実に軟弱なのである。生きた時代も立場も違う小野田氏と比べるのは無理があると多くの人は思うだろうが、武藤君は「平和憲法」の人権尊重を否定する信念の持ち主であるから、その「平和憲法」の恩恵から現実に外れて生きてきた小野田氏と比べる事で信念の重さは量れよう。

 学生に向かって「利己的」と批判するのであれば、己の身辺は利己的と思われないよう何十倍も厳しく律しなければならない。小野田氏が置かれた環境に比べれば遥かに過ごしやすい社会環境だ。しかも小野田氏が「復員」した頃の日本はまだ左翼の勢いが強く、今の武藤君のような発言などタカ派政治家でさえも憚っていた時代である。
 それに比べれば、「生真面目」に議員であろうと努める事は朝飯前ではないのか? ところが友軍であるはずの保守メディアから追及されている。右翼青年の代議士として立派な右翼発言を吹聴しても、右翼からは頼りない鼻垂れ小僧としか見られていなかったのではないのか。

 反安保の学生たちは猛暑の中デモを展開している。利己的な動機だとしてもけっこうな重労働を進んで行っている。現時点の武藤君は反安保の学生たちよりも軟弱ではないのか?

(余談1)最も深刻な醜聞に、ルパング島での島民虐殺の疑いを指摘されている。


 
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ジャック・ダニエル・・、実は10年前に漬けた梅酒である。 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[百九十三]

ジャック・ダニエル?を飲む。

ジャック・ダニエル?
ジャック・ダニエルのロックグラスがあれば気分が盛り上がるのだが。

【雑感】こないだの日曜日から飲み始めた「ジャック・ダニエル」である。

 よくこの酒はバーボンだと誤解されているが、実はテネシー・ウヰスキーである。バーボンはケンタッキー州で生産されているトウモロコシとライ麦・大麦などの原材料で醸造されたウイスキーを指し、ジャック・ダニエルは同様の原材料で生産されるためバーボンと呼ばれることも多いがテネシー産なのでやはりテネシー・ウヰスキーだ。
 原材料や製法に差が無いからバーボンと呼んでも良いのだ、という人もいるが、私はその場合バーボンという括りよりもアメリカン・ウヰスキーの方が適切だと思う。
 それをよく表しているジャック・ダニエルのキャッチコピーがある。

IT'S NOT SCOTCH. IT'S NOT BOURBON. IT'S JACK.
(スコッチでもバーボンでもない、それはジャック)

 私はどちらかといえばスコッチのシングルモルト派なのだが、例外的にアメリカン・ウヰスキーの中ではジャック・ダニエルだけを飲んでいる。独特の焦げ臭い感じが、スコッチのスモーキーフレーバーと違って面白い。
 元々の味はどうだったのか興味がある。20世紀初頭のセントルイス万国博覧会で世界中のウヰスキーを尻目に唯一金賞を受賞した。ところが禁酒法で醸造所が閉鎖に追い込まれたり、禁酒法時代が終わって再建するも1950年代に後継者がいなくてビール会社に買収されたりと波乱の歴史をおくっている。だから味と香りは果たしてセントルイス万博のころと同じなのかどうかが気になるのだ。


 と、ジャック・ダニエルのうんちくを並べてしまったが、実は上記写真のジャック・ダニエルの瓶の中身は、10年ほど前に私が漬けた梅酒である。
 以前なら麦芽100%本格ビールのハートランド中瓶を500㏄用ドイツ製陶器ジョッキに入れて晩酌を楽しんでいたのだが、現在は家計の関係から自宅ではビールを飲んでいない。今はこの梅酒が晩酌の酒である。
 10年ほど前は梅酒づくりに凝っていて毎年漬けていたのだが、目あては酒が染み込んだ梅の実であって梅酒は甘ったるくてあまり飲む気がしなかった。
 増えていく一方の梅酒の瓶に連れ合いは次第にイラつき、まず梅酒づくり禁止令が出され、今年の夏に入ってからは「邪魔や、はよ始末せい」と埃をかぶった瓶に入っている梅酒の消費を厳命されたのである。


 
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第2009回「野球は好きですか?」 晴雨堂はショーとしては好きだがスポーツとしては疑問。

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の山口です。今日のテーマは「野球は好きですか?」です。世間は高校野球の話題で盛り上がっていますねバッティングセンターに行ってみたいのですが初めてでソロで行くのは勇気がいります(笑)私の周りにも野球ファンが多く野球観戦に行っている人も多いです!私は漫画の知識で友達の話に乗っています(笑)皆さんは野球好きですか?たくさんの回答、お待ちしております。トラックバッ...
FC2 トラックバックテーマ:「野球は好きですか?」



【雑感】もちろん好きだ。だがスポーツとしてではなく、ショービジネスとして好きである。大相撲の巡業と同じく、お客様に力と技の粋を極めた選手で構成されているチームで勝負をかける様を魅せる事で経済が動く。だから私は大阪府民なので阪神タイガースを応援するし、高校野球では郷里の高知県代表を応援する。

 なぜショービジネスとしてと但し書きを入れたのか? それはスポーツとしては人体の健康には良くないからである。

 こないだ連れ合いとちょっとした議論になった。
 今年(2015年)の高校野球決勝は仙台育英と東海大相模の対決、結果は東海大相模の優勝となり仙台育英はまたしても優勝御預けとなってしまった。私は思わず呟いた。「東海大相模は過去に優勝経験がある。仙台育英に勝ちを譲ればええのに、八百長に見えん程度に手心を加えて」
 当然の事ながら連れ合いは反論する。「プロだったらまだしも高校野球でそんな不正はあかんやろ。高校野球はショービジネスやない、教育やから」
 私はそれを聞いて待ってましたとばかり高校野球の問題点を並べまくった。高校野球は建前であれ教育の一環として行っている訳だが、その趣旨であれば当然の事ながら子供たちの健康増進と精神向上を目的としなければならない。ところが子供たちの健康という観点から観てしまうと甚だ不向きである。具体的問題点は以下の通りである。

・ 春の選抜はともかくとして夏の大会は本来スポーツを自粛しなければならない過酷な気候である。現実に熱中症で倒れる児童は少なくない。

・ バレーやバスケットなどは基本メンバーへの負担は均等、ところが野球は投手に責任と労力の負担が集中し過ぎる極めて不公平なルール。これは子供たちの心身の育成には不向きであると判断せざるを得ない。
 プロ野球の先発投手であれば、中4日5日など休養をとらせる制度が確立しているが、夏の甲子園に出場する高校生投手たちは当たり前のように連投を繰り返す。
 本来であれば、未成年の野球に限ってローテーションを導入するべきである。1イニングずつ守備を交代する、フルイニング出場すれば投手から左翼手まで全ての守備を担当する。その方が試合としても複雑になって面白くなるはずである。

・ 人間の骨格と筋肉は突然走ったり止まったり、あるいは球を上か腕を振って投げるようにはできていないと知人の医師から聞いた事がある。また小学生選手には肘への負担が大きい変化球を投げさせないよう指導するポスターを小学校校内で私は見た事がある。

 他にも掘り起こせばいろいろあるのだが、代表的な問題点を三つ挙げた。私がスポーツとしては評価しない理由である。
 健康に良いスポーツ、私なら自分がやってきた水泳やチャリンコを強く勧める。肺活量を増大させ全身の筋肉を鍛えられる上に関節への負担が小さい。昨年の夏に膝の半月板を傷めてしまい、もはや若い頃のようにマラソンはできないが、チャリンコには相変わらず乗っているし乗っていたほうが関節の状態が良くなる。(自転車と半月板の関係については、本人の感想であると断っておく)
 
 それから、社会的問題点を1つだけ言えば、長らく日本のスポーツ界は野球に偏重し過ぎる面があった。今はサッカーJリーグの定着などで以前ほどではなくなったが、優秀な身体能力のある子供たちが次々と野球に取られていく現象があった。
 実際に私が中学生だったころ、運動神経がずば抜けて良い選手はあらかた野球部へ入ってしまった。その中には小学生時代水泳で活躍していた子も少なからず含まれていた。あいつらが水泳部に入ってくれたら厚みが出て強くなるのに、と末席の部員ながら歯噛みした。(余談1)
 野球に入るはずの人材を他の競技に回したら、たぶん日本の五輪メダル数は増えると思う。

 野球の悪口を並べてしまったが、ショービジネスとしては面白いし阪神タイガースが勝てば京阪神経済が潤う。さらに東京の読売ジャイアンツが阪神にボロ負けした時は「日本の未来は明るい!」とばかり祝杯を挙げ、昨年のペナントレースで優勝したはずのジャイアンツがクライマックスシリーズで阪神に大敗して日本シリーズに出られないなんて流飲下がる思い。「ざまぁみさらせ!」
 こういう楽しみ方ができるのは野球の良いところである。

(余談1)そのくせ、校内水泳大会では水泳部の人間は「特殊技能」を持っているとされて点数にハンデを付けさせられた。逆に校内ソフトボール大会では野球部員には明白に「特殊技能」を持っているはずなのにハンデ無し。この恨みは絶対に忘れまい。


 
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町興し村興しのヒント(6) 奥物部湖湖水祭 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一七]

奥物部湖湖水祭に行ってきた。

奥物部湖湖水祭。
地元民だけでなく他県からも観光客が訪れる。上記写真は会場のほんの一部、
実際は沿道沿いにも花火目あての見物客が大勢いて万の数の人間が集まっている。

【雑感】奥物部湖湖水祭は花火で知られるお盆の恒例行事である。今年は8月14日に催された。私たちも帰省ついでに立ち寄った。

 平成の大合併で物部村大栃は香美市物部町大栃へと地名が変わってしまった。別に市の中に「村」という地名があってもいいのに町にしなくてはいけないのか? 香美市となった今でも私には物部村の「大栃」の方が馴染みがある。
 オカルトマニアにとっては、いざなぎ流陰陽師や平家落人伝説などで記憶にあるかもしれない。

 上記写真の通り、けっこう若者たちで賑わうお祭りだ。定番の盆踊りの曲は流さず、昭和の懐メロや同時代のアメリカンポップなど、私以上の年嵩の世代には懐かしい歌謡曲とロックンロール。

湖水祭で踊る息子。

 息子も音楽に合わせてハッスルしていた。しかもこのあと保育園の可愛いガールフレンドが息子のところへ駆け寄ってくる劇的なハプニング。なんでも彼女のお父さんは私と同郷人で、同じ時期に帰省していたのだ。しかしそれにしても広い会場で出会うとは。もしや息子と赤い糸で結ばれているのでは・・、と思うのは親バカの妄想だろうか?
 ともかく、平素は過疎の村大栃もこの日は大勢の子供や若者たちが集う賑やかな祭りとなる。銭に余裕があれば、こういう日はビールを飲みまくりアメゴの塩焼きを貪り食いたいものだが・・。

あめごの塩焼き。
アメゴの塩焼きがあるのが高知らしい。アメゴとはアマゴの事で皐月鱒だろうと思う。

 大栃物部町地域の中心街、大きなダム湖の畔にある。周辺は3千人ていどの人口だと思うが、この湖水祭になると一気に数倍の人間が集まる。何しろ高知では有名な花火の祭でもあり、個人的には大阪のPL花火よりも見応えがあると思っている。
 東日本大震災が起こった年の夏、多くの花火大会が世論を気兼ねして中止してしまったが、本来の花火とは鎮魂の目的もあるのだ。この大栃の花火もダム建設の犠牲になった人たちの霊を慰める意味合いがある。ダム湖に精霊流しを行ってから、湖畔に設置した打ち上げ拠点から花火を発射する。

奥物部湖湖水祭の花火。
実はもっと綺麗で迫力ある花火なのだが、
息子が花火の爆音にショックを受けて泣き喚き暴れだしたので
シャッターチャンスを放棄して撤収せざるを得なくなった。

 踊りがひと段落付き、夜も更けてきたところで主催者や協賛者の簡単な挨拶、その後でいよいよ目玉の花火が打ち上げられる。息子は踊り付かれて連れ合いの膝の上で寝ていたのだが、花火を見せようと起こしたのが拙かった。爆音で急に泣き喚きだしたのだ。
 5千個の灯篭がダム湖に浮かび、湖の穏やかな波に揺られて拡散したり集まったりする傍で花火が打ち上げられる幻想的な光景が広がるのだが、息子が泣き喚いてそれを楽しむどころではなかった。息子の前世はB29の爆撃を逃れようと防空壕にでもいたのだろうか?
 そういえば、PLの花火を自宅の窓から見た時でも息子は嫌がった。10キロ以上離れているので、花火も音も小さかったのだが息子は明らかに不快な表情を浮かべていた。しかしまさかここまで怖がるとは。

 思えば私も3歳のころ、同じ祭だったかは覚えていないが高知に住んでいた頃に花火を近くで見て恐怖を感じた覚えがある。上空で花開いた花火の火が降りかかってきそうで怖くなった。息子のように泣き喚いた覚えは無いが・・。


 
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町興し村興しのヒント(5) 高知香北町のうずまき舎・後編 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一六]

うずまき舎名物の珈琲とピザ。

うずまき舎の珈琲とピザ。
窓際の天然木カウンターとの風合いが良い。

【雑感】訪問したのが昼時なので珈琲と軽食を注文した。3歳児の息子には珈琲ではなく特製ジュース。

 天然木の風合いというのが良い。私は低所得の大阪府民なので高価な家具は買えず、自宅には通販やホームセンターで購入したアイリスオーヤマのスチール棚や木目調プリントが施された合板の家具ばかりだ。
 田舎には忘れ去られようとする日本の建材が残っている。残っているが私も含め住んでいる本人はその有難さが解らない。かつては田舎の家には釜土もあったし野菜や魚などを洗う池もあった。今は取り壊されてない。そういった貴重な百年物の木の文化が今つぎつぎと失われつつある。店主の話は田舎に住んでいた幼いころを思い出させる。そういえばウチにもあった、あれがそうだったんや、と。

 店主に帰省先の家の写真を見せた。開口一番、「ぜひ壊すなんて言わないで残してください」と言った。後からこちらの事情を知って「仕方が無いかもしれません」との論調に変わっていったが、店主のような移住者にとってたとえ高知の人間には廃屋でも宝の山なのだ。今では継承されず殆ど失われてしまった建築技術の宝庫でもある。

 ところで、真っ先に心配した採算の問題なのだが、意外な答えが返ってきた。

 「最低レベルの健康保険を納めて暮らしています」という。普通に考えると店舗を構える立地は悪すぎる。しかし険しい山道を登ってまでやってくるお客さんはもはや単なる客というよりは信奉者か同志みたいなものである。ちょっとブラリとやってくる一見(いちげん)さんではない。
 また高齢化の限界集落になりつつある土地にとって、若壮年の移住者は招かれざる客ではなく歓迎すべき救いの光であるらしい。集落にとって厚みと活性化が生まれる。

 また私が帰省した時でも隣近所には草刈りなどでいつもお世話になり、大阪へ戻るときはお土産もたくさん持たせてくれた。帰省時にはいつも菓子折を持って挨拶回りをするのだが、収支は間違いなく私のほうがもらい過ぎだろう。
 店主も隣近所から食べ物のお裾分けをいただくそうである。米は近所の農家から安く買う事ができ、足らないものは町まで下って仕入れるが概ね安い。私も町の良心市で食材をよく買うが、見てくれは地味でも質のいい農産物ばかりだ。
 移動に使う車の燃料代が痛いだけで、それ以外はなんとかやりくりできるそうだ。

 もっとも私がUターンした場合、同じようにやり繰りできるかどうかはまた別の話だろうが。解決しなければならないハードルがいくつもある。

 私も連れ合いも教えていただきたい話は山ほどあるのだが、息子が「はよ帰ろう」と言い出したので、連れ合いは購読していた雑誌「天然生活」約40冊を次回持っていく事を約束、うずまき舎をあとにした。


 
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町興し村興しのヒント(4) 高知香北町のうずまき舎・中編 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一五]

うずまき舎は珈琲を飲みながら 
本を読む空間に適しています。


うずまき舎の店舗内。
店内には自然・農村・民藝・童話などのテーマを中心に書籍が陳列されていた。

【雑感】店主は笑顔で迎えてくれた。もともと神戸で会社員をやっていたそうだが、田舎暮らしへの憧憬と誠に自分の天職といえる職を創造するべく、この高知の山村に移り住んだそうである。

 自分の適職が見つからなければ自分で作ればいい、実践者の口から出た言葉は重い説得力があるのだが、現実問題として多くの人はその考えに辿り着けても踏み切る事はなかなかできない。
 誰の言葉かは忘れたが、学校では様々な職業の選択を示唆するのだが、唯一しないのは起業だ。就職説明会は開いても起業説明会を開く学校は限りなく皆無に近い。
 私の知人を見渡せば、算盤を弾いてやはり就職して会社に保険等の面倒をみてもらったほうが得と判断する人が圧倒的、踏み切った者の殆どは挫折して勤め人になっている。

 店主の郷里は山陰らしいが何故か土佐を選んでくれた。なんでも店主が尊敬する先達者が高知を拠点に活躍しているらしく、高知は余所者を受け入れる大らかさがあるという。
 私は田舎といえば高知くらいしか住んだ事が無いので比較のしようがないのだが、しかし土佐を好意的にかってくれるのは非常に嬉しい。

うずまき舎の看板。
香北町の中心街からうずまき舎までは道順が些かくねっているので、
上記写真のように案内看板が何カ所か設置されている。渦巻のトレードマークが目印。

 いきなり銭の話をするのはいやらしいので、この古民家をどうやって書店に再生したのかを訪ねた。というのも、私も築百年の建物を田舎に抱えて頭を悩ませているからだ。親戚らと相談して自治体から補助をもらって壊す段取りを始めようと思っていた。屋根が落ちて倒壊したら近所に迷惑がかかるからだ。
 聞けば、この古民家も朽ち果てた廃屋そのものの状態だったそうである。白蟻が巣食って床が抜ける有様、それをここまで美しく建て直した。

 地元の大工が余った資材などを提供して安く補修してくれたらしい。元々伝統的な工法で建てられているのでベースがしっかりしている。そういえば我が家の築百年古民家も、十数年前に祖母が他界してからは殆ど手入れをせず空家同然の状態だったが、それにも関わらず未だに倒壊していない。現代の建築と建材では倒壊しても不思議ではない。
 椅子はボロボロの廃材と化したものを、自分で新しく布を張り替えるなどしてリフォーム、照明は裸電球に廃材のホーロー椀に細工して電球笠に転用。こういった事は連れ合いが目指している世界だ。
 さらに、奇遇なのは上記写真の向かって左側にある灰色の陳列棚、どこかで見たような気がしていたら、商店街の写真屋さんにあったショーケースだった。店をたたんだらしく、その際に譲り受けたそうだ。
 仮に田舎の家を壊す決断となっても、使える建材を移住者たちに活用してもらえたら、多少は気が楽になる。思い出の家がまだ生き続けているような気がするだろうから。


 
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町興し村興しのヒント(3) 高知香北町のうずまき舎・前編 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一四]

うずまき舎を訪問した。

うずまき舎1
正門から撮影したうずまき舎
連れ合いと息子が先に入って古民家を隅々まで観察している。

【雑感】長年、我が郷里は書店空白地域だった。雑貨屋やスーパーがついでに本を置いているだけで、専門の書店というものが無かった。それがなんといきなり古本屋ができたのである。しかも、町の中心街から些か離れた山奥の古民家を借りての開店である。
 以前にも紹介したことがある古民家を改装した喫茶店が郷里にあるが、そこは寂れた県道とはいえ一応幹線道路沿いの集落にあるのでまだ理解できる。しかし、この店の場合は県道から大きく外れた山の中の棚田の一角に構えているのだ。真っ先に心配したのは採算だ。

 連れ合いと私は殆ど趣味が合わないが、古民家は数少ない共通志向である。ブログのプロフィール欄に記しているように、私は郷里に映画をテーマにした博物館もどきをつくりたいと淡い夢がある。連れ合いは田舎で古民家を利用した店舗で雑貨屋を開きたい夢がある。夫婦として共有共存できる夢だ。
 だから連れ合いも私もこのうずまき舎の店主には聞きたい事が山ほどある。道の駅にチラシが1枚だけ残っていて、それで連絡先と営業時間を確認して、大阪へ戻る日に立ち寄った。連れ合いの方が訪問に乗り気である。

うずまき舎から見た風景。
棚田が特徴の山村。
手前の棚田の遥か奥の小さな平野部にボツボツ家が密集している町が見える。
そこが私の出身町だ。

 町の中心街から自動車で15分で行けるのだが、しかし道が悪いのでえらく遠くまで来たような感がする。けっこう家屋が点在する山村なのだが、それでも私の田舎が都会に見えるほど静かなところだった。

 こないだ、参議院から高知県選挙区が消えてしまった事でも判るように、高知は過疎県である。あの広い県に堺市よりも少ない人口が暮らしているのだ。都市といえるのは県庁所在地の高知市ぐらいで、そこには百貨店や映画館や大きな書店があるが、他の地域にはそんな施設は無いと思ったほうが良いだろう。
 まだ完全に紙オムツから卒業できていない息子のためにオムツを調達しようとスーパーや薬局に立ち寄ったら、大人用のオムツの売り場面積が圧倒的に広く、幼児用は申し訳程度というところからも、郷里の少し深刻な一面が出ている。

 この後、店主から高知県が如何に本腰を入れて移住者政策を展開しているのかを聞く事になる。高齢化と過疎化で管理が行き届かなくなった荒れた田畑や朽ち果てつつある空家が増える一方、ところが都会から田舎へ移住したいという若壮年層のニーズも根強くある。県はその斡旋を本腰入れてやり始めたのだ。

(中編へ続く)


 
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歳をとったら、やなせたかし先生のような派手派手老人になりたい。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一三]

アンパンマン・ミュージアムの 
やなせたかし画像。


アンパンマン・ミュージアムのやなせたかし先生パネル。
アンパンマン・ミュージアムに設置されたやなせたかし氏タペストリー。

【雑感】息子が3歳だ。1歳から5歳くらいの幼児はアンパンマンに傾倒する。息子はアンパンマンにのめり込む年頃のさなかだ。帰省したら必ずアンパンマン・ミュージアムを見学する。

 幸い私は原作者やなせたかし氏と同郷人、当然の事ながら郷里にはアンパンマン・ミュージアムがある。夏休みシーズンになると、高知県中から、いや他県からも大挙して子供連れの若い夫婦が訪れる。
 そのお陰なのか、我が郷里は人口5千人くらいの過疎の町で少し前まで銀行のATMも無いド田舎だったのに、今では設置されているほかコンビニも2件建っている。しかもそのうちの1件は24時間営業のローソンだ。品揃えも大阪とほぼ同じ、いまローソンは地ビールや外国ビールの販売に力を入れているのだが、キリンとアサヒぐらいしか飲めなかった田舎(余談1)でレーベンブロイや軽井沢の地ビールが飲める。

 さて、話をアンパンマン・ミュージアムに戻そう。
 アンパンマン施設は日本中に展開していて、新しくできたものは遊戯設備やレストランが充実して最初からテーマパークの趣旨で建設されているようだが、ここは町興し村興し政策の一環で建てられた文化施設の側面が強い。近隣には詩とメルヘン絵本館があり、それらを加えて「やなせたかしの多彩な創作世界を収集・研究・公開すること」をテーマに運営されている香美市立やなせたかし記念館なのである。
 建てられてから早や19年、展示物のセンスに若干の古さがある。現在放送されているアンパンマンには馴染みのあるキャラが未だこのミュージアムのデータには載っていない例もあった。
 しかし変に大きな施設であるよりも、幼児の行動範囲に適した郷里のミュージアムの方が私は好きだ。

床の展示物を覗き見る息子。
1階ホール床下に設置されている展示物を覗き込む息子。

 息子は1歳の頃はあまりアンパンマンには興味を示さなかったが、1歳半頃から徐々に関心を示すようになり、2歳からはオンリー・アンパンマンになってしまって、アンパンマンのDVDを1日1回は観ないと文句タラダラ悪態をつくようになった。そして必ずエンディングテーマソングが流れると泣きだし喚きだす。
 3歳になると、同じアンパンマン・ファンでも興味の対象が主人公のアンパンマンからバイキンマンなど悪役にも向けられるようになり、昨年はミュージアムでアンパンマンのぬいぐるみを買ったが、今年はバイキンマンだ。

 若い頃はアンパンマンにはあまり興味が無かったというより、なんでこんな気持ち悪いキャラが人気あるんやろう?とむしろ反感も抱いた。しかし今はアンパンマンの力を認めざるを得ない。姪や息子が喜ぶ顔を見ていると、いつの間にかアンパンマンへの反感が無くなり、今では登場するキャラクターの多くを暗記してしまった。

 そして、前のブログ記事にも書いた事があるが、私のファッションスタイルは1930年代にタイムスリップしても違和感ない服装、モノトーンの美学だった。地味で質素だけとなんとなく目立つ演出である。
 しかし今では、やなせたかし先生のような派手派手の軽薄そうな怪しい老人になりたいと思うようになった。

(余談1)少なくとも私の親族の間の習慣では、取り敢えずビールで乾杯をしてそこそこ飲んでから日本酒に切り替わる。日本酒はもちろん高知の酒を飲む。
 以前にドイツのイェーバーの5リットル樽󠄀を土産に持っていった事があったが、伯父たちには不評で「麦の酒より米の酒を飲め」と言われた。軸足は日本酒なので、麦酒は無頓着だ。


 
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あわぢびーる。 ビールは偉大な発酵食品だ[四十二]

あわぢびーるを飲んだ。

あわぢびーる。

【雑感】今年のお盆も例年通り本籍地母屋の草刈と剪定作業のため帰省した。

 ただ、今年の場合は観光目的をいつもより盛り込んだ。連れ合いが文句を言いだしたのである。私は車の運転ができないため連れ合いが独りでハンドルを握る。田舎の家に着くと、家屋の清掃と庭の草刈と剪定作業、畑の酢橘の収穫など、およそ休日を楽しむために帰省するのではなく、本籍地の家屋を維持管理のための野良仕事をしに帰るのである。田舎に仕事があれば私一人だけでも「単身赴任」の形で転職して管理したいくらいなのだが、残念ながら転職先は見つからない。

 「観光をしたい」という連れ合いの要望を叶えるべく、スケジュールに高知の観光地巡りを入れるのだが、郷里近くの龍河洞や高知市内の「日曜市」や桂浜や坂本龍馬関連の名所などはあらかた訪問した。連れ合いは四万十川を観たいと言い続けてきたのだが、日程を考えるとどうしても高知市より西へ遠出するのは困難。
 よって妥協策として大阪への帰路で一泊して身体を休めてもらう事にした。今年は淡路島の南にある国民休暇村に一泊した。ここには温泉があるので、温泉好きの連れ合いにゆったり休息をとってもらおうという趣向である。

 休暇村南淡路は厚生労働省監督下の財団法人が経営しているようだ。偏見から設備は古くて食事の内容が悪いと思っていたら、清潔で真新しい宿で食事も豪華な気分にさせてくれるものだった。食材にうるさい連れ合いも満足していた。食事の後はちょっとしたお勉強イベントがあって、この日は海ボタルの観察や天体観測(天体観測は雨天のため星座のスライドショーに変更)がある。私たちのように小さな子供を持つ家庭ではありがたい。(余談1)

 私はいつもの悪い癖が出て、休暇村がオプションで提供しているビール飲み放題を注文してしまった。たしか1時間で1300円程度だったか、元を取るべくキリンの一番搾りの生らしきビールを何杯もおかわりした。食事はバイキング形式なので、御飯モノは避けて刺身や天婦羅ばかりを食べた。連れ合いは途中で呆れて3歳児の息子を連れて部屋へ帰って行った。
 元は取れたと思うが、大量に飲みすぎたため気分が悪くなり、便所でしばらく避難した。幸いにも吐く事はなかった。御飯モノを避けたのはなかなかの策だったが、天婦羅が良くなかった。刺身に絞るべきだった。
 そんな事を呟くと、連れ合いが「アホやアホや」と囃し立て、息子も連れ合いの真似して追従する。


 さて、本題の「あわぢびーる」である。翌朝、1階のラウンジに降りると「あわぢびーる」の幟を立てていたので注文した。残念ながら前日のキリンビールが響いてビールを美味しくいただく事ができなかった。
 しかし逆にだからこそ喉の渇きに惑わされずに真の味を見極める事ができるとも言えなくもない。

 これは上記写真の通りピルスナータイプである。あわぢびーるは名前の通り淡路島の地ビールであり、ヴァイツェンやアルトなども生産している地ビールメーカーである。
 私としては色の濃いアルトを置いてほしかった。というのも、ドイツではピルスナーであっても個性豊かなのだが、日本の地ビールのピルスナーはどういう訳か味も香りも似たり寄ったりなのである。しかも大手のビールメーカーもプレミアムビールと称して本格的なピルスナータイプのビールを発表するようになった。もはや地ビール業界は大手との違いを強調するためにピルスナー以外のビールに力を入れた方が良いと思うのだ。この休暇村もピルスナーよりアルトを置くべきだった。

 確かに前夜に飲んだキリンビールよりホップの芳香を強く感じたのだが、値段では圧倒的にキリンが安いのだ。このあわぢびーるは小瓶一本620円で売っていた。ところが、前夜のキリンの生のドリンクバーでは30分で650円飲み放題。サントリーのプレミアムモルツも500ミリ缶で300円前後。
 やはり地ビールを飲もうという人間は大手のビールとは違う趣向を楽しみたくて飲む人が多いのだから、ピルスナーでは割高感を抱いてしまうだろう。よほどのビール通でなければピルスナー同士の味の見分けは難しい。私の場合、ヱビスやプレミアムモルツとアサヒスーパードライの違いぐらいは判るが、サッポロ黒ラベルとスーパードライの違いはイマイチ判らない。

 それからもう一つ注文を付けるならば、専用グラスを用意してほしかった。欲をいえばスニフターやゴブレット、せめて上記写真のグラスに「あわぢびーる」のロゴマークを印刷したグラスであれば、前夜の暴飲ダメージを受けた肝臓の影響で味覚が弱っていても、視覚で味わえる。
 味というのは舌だけで感じるものではない。視覚でも味わうのだ。北海道で食べるジンギスカンが大阪で食べるものより美味く感じるのはそのためだ。

(余談1)海ホタルの観察会は女性職員が講師を務めた。20代とおぼしき容姿端麗、写真を撮りたかったが昨今は肖像権や個人情報が厳しいので断念。


 
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参院安保特、成立前提で検討資料明るみ。今こそ統帥権干犯問題の戦訓を思い出そう。 近頃の現象[一一六五]

<参院安保特>成立前提で検討資料 
防衛省「2月施行」


 共産党の小池晃氏は11日の参院平和安全法制特別委員会で、防衛省統合幕僚監部が安全保障関連法案成立を前提に作成したとする内部資料を提示した。資料は「最も早いパターン」として法案成立を8月、施行を来年2月とし、米軍による南シナ海での情報収集活動への自衛隊の関与▽南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)での駆けつけ警護・宿営地共同防衛の実施--などを「検討事項」として記載していた。(毎日新聞)

【雑感】ざっと考えて以下の問題点を突っ込まれても仕方がない。

 中谷防衛大臣の国会答弁「承知していない」→事実なら文民統制崩壊の疑い。

 法案成立を前提にロードマップ→自衛隊制服組による国会軽視。

 自衛隊を「軍」と表記→憲法9条の建前崩壊。

 内部資料漏洩→特定機密保護法抵触の可能性。

 新聞には総理大臣の動静を伝えるコーナーがある。そこで総理はどこへ行き誰と会ったのかをこと細かく伝えている。私はその記事に目を通していなかったが、知人筋からの情報では頻繁に安倍総理は自衛隊の高級幹部と会っていた事が報道されていたらしい。
 という事は、安倍総理の内々の指示で今回の安保法制成立後ただちに動けるよう計画書を作った、と考えた方が自然だろう。

 何もかも決まってから動くのではなく、内々に段取りを組んで準備する事は日常よくある事で、これを「軍部暴走」とか「国会軽視」とか「文民統制崩壊」との批判に不快感を抱く者は少なくないと思う。
 臨機応変の段取りやないか、自衛隊という看板は建前で国際法上は軍隊であるのは周知の事実やないか、そんな事より小池晃議員の行動は特定機密保護法に抵触するんやないか、と私が安倍氏のシンパなら反発する。

 しかしである。我々日本人には苦い戦訓があるのだ。
 それは戦前に起こった統帥権干犯問題である。これによって当時の大日本帝国憲法が無力化して軍部独裁の状態になってしまった。


 よく欠陥憲法といわれている大日本帝国憲法だが、成立当時の19世紀社会ではそれなりによくできた憲法だった。それ以前の日本は軍司令官(将軍)が政府(朝廷)から実権を奪って幕府(司令部)が国政を牛耳る時代が数百年単位で続いてきた。そのため軍の統帥権を天皇が持つことに規定した。勝手に下部組織が軍を掌握して政府をつくらせないためだ。
 軍の大権を保持している天皇も好き勝手に行使はできない。帝国憲法により議会の承認が必要だったからだ。

 ところが第一次大戦後、世界で軍縮の機運が高まった。日本も軍縮を断行する(余談1)わけだが、国際会議での取り決めは現代の私が見ても欧米列強に都合よく、日本には都合が悪い不公平な内容だった。当然、軍部は怒り心頭で納得しない。そこで統帥権を持ち出して内閣に対抗する。軍の大権は天皇陛下にある、統帥権の無い総理大臣が勝手に天皇陛下の軍隊を削減するのは統帥権干犯ではないのか、と。(余談2)

 この統帥権干犯問題は時の野党(余談3)も便乗して内閣を追及していった。統帥権を政争の具に使ったのだ。かくして、その後の歴史が示すように統帥権は独り歩きをして軍部を暴走させ帝国憲法は有名無実化する。
 総理大臣とは陸軍大臣と海軍大臣も一員として参画する内閣の主宰者であり、それは帝国憲法によって規定されている。なのにこの一件以降の総理から軍事にかかわる権限を奪う形となった。帝国憲法によって帝国議会は天皇の統帥権行使を承認する機関であったはずなのに、統帥権干犯を口にした鳩山一郎らは自らそれを放棄した格好になったからだ。

 そして今回の小池晃議員の行動が「特定機密保護法」に抵触する声が出ている事は、一連の法律の危うさも露呈している。日本では共産党が与党のチェック機関を果たしてきた。旧社会党や社民党、あるいは民主党ではない。高級官僚が内部リーク先として共産党を選ぶ、つまりそれだけ信頼されている政党でもある。

 右派から見れば共産も社民も同じ反日勢力に見えるだろうが、実は全く似て非なるものである。共産党は革命政党を名乗りながら早々と全学連や全共闘などの学生運動から手を引き、文化大革命の中国や金日成の北朝鮮とも交流を絶ってきた。代わりに深入りして痛い目を見たのが社会党や社民党である。共産党は頑迷なイメージとは裏腹に、非常に目端の利く政党である。
 共産党が存在するからこそ、行政へのチェック機関たる存在が担保されてきた。だが「特定機密保護法」を持ち出されると国会や共産党にチェック機能を奪う事になる。統帥権干犯問題とは違う形での国会無力化が復活する。

 この統帥権問題を戦訓にしなければならない。政権を持つ者が憲法を無力化してしまうとどうなるかを戦訓としなければ、それは亡国の挙である。

(余談1)戦艦のトン数上限の取り決めに従って、戦艦として建造中だった赤城や加賀が航空母艦に変更されたのは有名な話。その結果、第二次大戦前夜に質量ともに世界一の空母を擁する機動部隊が誕生した。

(余談2)映画「226」で反乱軍将兵らが「我々は〇〇閣下の軍隊ではありません。天皇陛下の軍隊です」という台詞があるがそれと同じ理屈だ。

(余談3)このときの野党急先鋒は立憲政友会の鳩山一郎、鳩山由紀夫氏の祖父である。このとき追及を受けた総理は濱口雄幸、まもなく右翼の襲撃で重傷を負うが、その濱口に鳩山一郎は登院要求を繰り返した。濱口は無理を押して登院したため命を縮めた。

晴雨堂関連作品案内
あの頃映画 「226」 [DVD] 五社英雄監督
動乱 [DVD]  森谷司郎監督
叛乱 [DVD]  佐分利信監督 阿部豊監督

晴雨堂関連書籍案内
男子の本懐 (新潮文庫) 城山三郎
軍縮の理想に燃える濱口雄幸総理を主人公とした小説。TVドで北大路欣也氏が濱口に扮してドラマ化されている。


 
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川内原発再稼働、電力会社はこれ以上待つと本当に原発がポンコツになるので焦っている。 近頃の現象[一一六四]

川内原発、原子炉起動へ 原発ゼロ、2年で幕

 九州電力の川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市、89万キロワット)が、11日に再稼働する。新規制基準下で初の再稼働で、約2年ぶりに「原発ゼロ」が終わる。安倍政権は再稼働に向けた環境づくりを進めてきたが、川内など個々の原発の再稼働判断については「責任は事業者」(菅義偉官房長官)として距離を置く姿勢をみせている。(朝日新聞デジタル)

【雑感】このニュースを聞いた連れ合いは「どうしても再稼働したいんやろか? 地元民が経済的に困るんやろか?」と呟いた。

 おそらく同様の疑問を持つ人は大勢いるだろうと思う。しかし製造業に身を置く人は多少はピンとくるはずだ。
 私は今年の3月まで旋盤で鉄鋼のパイプを加工する作業を担当していた。盆休み明けや年明けなど長期間工作機械を止めたら、再始動は必ず試し切削を行い精度検査をする。
 機械というのは動かし続けないと全体に調子が悪くなるものだ。加工精度が悪くなったり、異常音が発生したり異常動作をして壊れたりする事もある。配管が詰まるなどして切削液の噴射量が激減したり、油圧やエアーの調子がおかしくなって動かなくなる場合もある。もちろん、私の経験では重大事故はおろか精度が悪くなる事も稀だったが。(つまりトラブルは実際に発生したという事だ)

 原子炉も同じ機械だ。動かさずにいたら時間の経過とともにトラブル発生のリスクは高くなっていく。地震が起こる以前に原発がポンコツになってしまうのだ。ポンコツになってしまったら電力会社にとっては巨大な不良債権になる。発電をしないので利益は無い。しかし維持管理には莫大なコストがかかるので銭が出ていく一方だ。
 電気を生産する製造業たる電力会社にとっては、停止したままの原発は許されない存在、銭を生まない機械を抱える事は製造業の論理に反する。そもそも原発は目一杯稼働させておかないと利益が上がらない代物、泳ぐのを止めたら死んでしまうマグロみたいなモノだ。
 現実問題として海外の事例では停止して数年が経過した原子炉を稼働させると何かとトラブルが発生しているようなので、現場サイドではこれ以上は待てないはずだ。電力会社各社は川内原発をきっかけに今年来年中に各原発を再稼働させたくて歯軋りしている状態だろう。(余談1)

 いま反原発派の多くは「再稼働阻止」を掲げている。反原発デモに参加する人たちのどれだけが状況を正確に掌握しているかは不明だが、運動推進者たちは判っているはずだ。このまま再稼働を阻止して廃炉にせざるを得ない状況に持ち込む算段だ。広く支持者賛同者を集めるため「いまは再稼働やめろ」というライトなスローガンを掲げている戦術だと思う。

 一方、推進する側のはずの国は菅義偉官房長官が「責任は事業者」とつれない。電力会社としては内心不愉快だろう。国策に協力してきたという自負があるのに国は責任を負わないのだ。
 理想をいえば、ヨーロッパや北米ほど地盤が安定していない火山と地震の国土に原発は非常に危険で、国家が責任をもって脱原発の音頭をとり電力会社へ廃炉に必要な資金を肩代わりするべきだろう。福一の惨状でもわかるように、また原発がメルトダウンを起こしたら日本は壊滅すると思った方が良い。(余談2)

(余談1)国際原子力機関などのデータによると、最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたケースは世界で14基。そのすべてが運転再開後にトラブルに見舞われているという。
 このデータは電力会社側も反原発運動側も把握しているはずだ。つまり今の時期が双方にとって天王山かもしれない。いま再稼働しなければ原発は完全にポンコツになる、再稼働を阻止すれば廃炉へと一気に圧力を強められる。

 不思議なのは、大手のマスコミは長期停止による機械の不調についてあまり触れていない。やはり大学(主に文系)を出てそのまま記者になった人たちの着眼点と、文筆とは長年関係ない製造業の現場で過ごしてきた路傍の旋盤工の着眼点は違うということか。

(余談2)しかし日本が努力して脱原発が達成できたとしても、韓国や中国で原発が爆発したら元も子もなくなる。偏西風で放射能が黄砂やPМ2.5とともに降り注ぐだろうから。


 
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今日の晩御飯(67) 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[百九十二]

今日はマルちゃん正麺の冷麺にした。

マルちゃん正麺 冷やし中華。

【雑感】こう暑いと食欲が減退気味になるし炊事も煩わしくなってしまう。

 こないだ買っておいたマルちゃん正麺の「ごまだれ冷し」を試してみようという事になった。冷やし中華の定番である胡瓜や卵が無い。竹輪の短冊切りと乾燥若芽を戻したヤツで代用。さらに私はキムチをトッピングする。
 私が3歳児の息子の相手をしている間に、連れ合いが麺を湯がき、トマトと竹輪を切る。いちいち皿に盛りつけるのは面倒なので、笊に氷でしめた麺、バットに竹輪やトマトなどの具材を並べ、セルフサービスで自分の皿に取り寄せ食べる事にした。

 普通に生麺風の冷やし中華だった。3歳の息子は意外にもおかわりを要求した。あまりラーメンの類は今まで食べなかったからだ。マルちゃん正麺にはこの「ごまだれ冷やし」以外にも「冷やし中華」があり、そちらはもっとあっさりしているが、息子は抵抗なく食べた。

 今度は韓国風の冷麺を食べてみたい。この冷麺でも連れ合いと私は対立している。連れ合いは冷麺というと冷やし中華で、韓国冷麺は嫌いだという。私は冷やし中華も好きだが韓国冷麺はもっと好きだ。という訳で、平素は連れ合いの好みを優先して冷やし中華をつくる事になっている。韓国冷麺は私が独りで留守番をしている時か、連れ合いと息子が就寝した後で夜食に食べるくらいだ。


 
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松本人志よ、平和ボケはデモの学生たちだけやない、安倍総理も平和ボケしてるんやで。 近頃の現象[一一六三]

松本人志 
日本の平和ボケを懸念
「このままでいいわけない」


 ダウンタウンの松本人志(51)が9日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、安保法案について持論を述べた。世界情勢を鑑みた上で、「このままでいいと思っているとしたら、完全に平和ボケですよね」と日本の安全保障政策が転換点を迎えていると訴えた。(デイリースポーツ)

【雑感】松本人志氏の言いたい事は解る。

 米ソ対決の冷戦時代の方がまだ牧歌的に社会は安定していた、と言えば語弊があるが、実際問題として89年にマルタ島でソ連のゴルバチョフとアメリカのパパ・ブッシュが手打ちをしたことで世界は平和になったと思い込んだ人は少なくないと思う。ところが世界はその後ますます混迷度を深めていった。

 アメリカとソ連が武器を棄てれば平和になると思い込んだ人も多かったと思う。私は高校生の頃にそんな平和主義者に向かって「超大国が軍隊を棄てても銭を持っている勢力が私設軍隊を持つだけだ。逆に世界は混乱する」と主張して、「お前はアニメの観すぎだ」と誹謗された。
 しかし「イスラム国」を名乗るISILの出現がそれを証明してしまった。そもそも私が学生だった頃も東南アジアの黄金の三角地帯に麻薬王クン・サー率いるモン・タイ軍が存在していた。

 松本氏が言うように時代は着実に変わっている。今までの方法論では通用しなくなりつつあるのは確かだ。

 ただ松本氏は学生のデモに気をとられて見失っている事がある。それは平和ボケしているのは学生だけではない。対立する立場の安倍総理たちも同じくらい平和ボケしているのだ。
 学生たちが非武装的平和のリスクを甘く見ているのと同じくらいに安倍氏たちは戦争のリスクをナメてかかっている。それはこないだの国会において山本太郎氏の質問で馬脚が現れている。


 中居正広氏は冷静に観ている。「解釈は間違っているかもしれないけど、ふわっとしているところはあるかもしれないけど、何か動かなければ通ってしまうぞ、という意識を持っていることはいいことだと思う」は全く同感である。
 百歩譲っても、原発への防備をろくに考えていない危機感の無さのまま安保を急ぐ安倍氏もまた「解釈は間違っているかもしれないけど、ふわっとしているところはある」点では同じだ。むしろ学生と違って情報量が多く国家の「最高責任者」をことある毎に標榜されるだけに、学生より罪は重い。


 
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長崎原爆の日に「なんでもない日におめでとう」とは・・さすがデズニー、ええ神経しとるわ。 近頃の現象[一一六二]

ディズニー不適切ツイートを削除 
「なんでもない日」で批判殺到


 ディズニー・ジャパンが9日、公式ツイッターで「なんでもない日おめでとう」とつぶやき、批判コメントが殺到。ツイートを削除する騒動となった。8月9日は1945年に長崎に原爆が投下された日。「よりによって今日じゃねえだろう」などとネット上で批判が集まり、ネットニュースにもなったことから、午後3時ごろにツイートを削除する事態となった。(デイリースポーツ)

【雑感】それは私も確認していた。だが半信半疑だった。お人よしにもニセモノが呟いた可能性を考慮したからだ。
 問題のTweetはこれである。

長崎原爆の日に呟いたデズニー。

 アメリカ人向けに発したのであればありそうな事なのだが、これは日本語のTweetであるから日本人向け、日本の顧客向けに発した言葉である。だから最初は信じられなかった。

 いくら日本人をナメていても、一応顧客向けである。デズニーランド(余談1)のスタッフの多くは非正規雇用でありながら厳しい従業員教育をほどこされている。経営の常識として収入減につながる無神経は考えにくかった。
 長崎原爆を陳謝するとか哀悼する文言を書くと、原爆使用を正当化する本国や本社からの過酷な叱責と制裁を受けるというのなら、最低でも無言をきめこむ手もあった。
 それとも、アメリカも日本法人もこの日が長崎原爆の日である事を「知らなかった」のか? 日本法人にはTwitterの書き込みすら権限が無いのか?

 そういえば今から十数年前、日米開戦60周年の目玉としてアメリカは映画「パールハーバー」を制作した。日米開戦を背景にした他愛ないラブロマンスなのだが、日本軍の描写が噴飯ものだった。
 鳥居の前で作戦会議をやったり、軍艦内部をロウソクで灯していたり、零戦より遥かに性能が低い戦闘機で零戦よりも運動性能を示して撃墜したり、数え上げればきりがない。
 それを堂々と日本でも上映するのだ。プレゼンの人たちはニコニコしながら。韓国であればおそらく騒乱になって卵を投げつけられるだろう。しかし日本ではそれなりに興行収入を得て、感動する若者もいたという。

 けっきょく、ナメきっているのか。あんなTweetがあっても、デズニーランドは盛況だろう。もし韓国であればデモ隊によって攻囲されるのに。
 韓国の反日教やデモ活動には不快感を抱くこと多々あるが、この時は韓国が羨ましくもある。

(余談1)「ディズニーランド」なんて言う必要はない。あんなの「デズニーランド」で十分だ。そもそも日本語として「デズニーランド」というのは間違いではない。
 同じ意味で、東京では「マクドナルド」を「マック」というが、日本言語では関西の「マクド」が正解なのだ。


 
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第2004回「この夏、電気代を気にしてますか?」

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の山口です。今日のテーマは「この夏、電気代を気にしてますか?」です。猛暑日が続くこの夏、クーラーや扇風機が欠かせないですよね。でもそこで気になってくるのが電気代。。。我が家ではクーラーをほぼ1日つけっぱなしにしているので不安だったのですが意外とお値段が高くなく驚きました!みなさんは電気代を気にしてますか?または、節約術などありますか?たくさんの回答、お待ち...
FC2 トラックバックテーマ:「この夏、電気代を気にしてますか?」



【雑感】気にしている。

 以前よりの読者なら御存知だろうが、ウチは連れ合いが「環境保護運動家」なのでクーラー無しの生活だった。我が家は古い築40年の中層団地の最上階、夏は猛烈な陽射しが屋上を熱し、ダイレクトに天井へ伝わる。書斎の本棚の整理のついでに天井を触ると熱いのだ。この文を書いている時でも室温は36度、これでもマシでこないだは40度だった。

 だが、子供ができてから連れ合いは方針転換した。3年前からクーラーを導入したのだ。
 40で授かった子供なので連れ合いは神経質に体調を気遣う。私はいい加減なのでよく叱られる。こないだも「あんたの熱湯風呂にいれるな」と真顔で怒ってきた。湯温40度の温度計を見せても「この温度計はおかしい」と言い張る。連れ合いの湯温に合わせるとぬる過ぎて今度は湯冷めで風邪をひきやすくなると思うのだが。こんな調子でしばしば口論になる。

 クーラーも一日中かけっぱなしの日もある。以前の連れ合いでは考えられない。今は私がクーラーのかけ過ぎにならないよう消しているほどだ。扇風機だけでもしのげるのにクーラーなので、朝の起床時は微妙に腰が痛い。やはり幾ら温度設定を29度にしても変形性腰痛や膝半月板には冷やしている事になるのか? 身体の調子が悪い。
 しかし息子の髪が汗で濡れていたり、背中が汗びっしょりになっていたら、連れ合いは「脱水症状になったらどないすんねん」とクーラーをかける。私はこっそりリモコンで2時間経つと電源オフになるようタイマーをセットする。

 最近のクーラーは以前ほど電力を食わないと聞いているが、心配だ。冷蔵庫の製氷機もフル回転だし。家計を節約しなければならない時期なので、電気代が跳ね上がっていたら痛い。


 
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マクドのカサノバ社長よ、もはや起死回生の策は君が社長の肩書のまま経営から離れて三枚目外タレになる事だ。 近頃の現象[一一六一]

顧客離れ、苦しみもがくマクドナルド 
12日にてこ入れ策発表へ


 日本マクドナルドが7日発表した7月の既存店売上高は前年同月比12.6%減と、18カ月連続でマイナスとなった。使用期限切れ鶏肉問題が昨年7月に発覚してから丸1年が経過しても、顧客離れを食い止められない窮地が改めて浮き彫りになった格好だ。かつての外食業界の「王者」は好転のきっかけをつかめず、苦しみもがいている。(SankeiBiz)

【雑感】究極の選択、もし外食産業がマクドナルドか吉野家しかなかったらどちらを選ぶか? 私は迷わず吉野家を選ぶ。パン食が浸透したとはいえ、日本人の多くはやはり米の飯の方が腹持ちが良い。味噌汁がないと身体の調子が悪くなる。肉と相性が良い調味料は醤油が一番。

 とは言いながら、けっこうマクドは利用してきた。夜勤帰りに立ち寄り、マフィンやパンケーキのある朝メニューをよく食べた。ただ、脂質や炭水化物の多い割には腹持ちが悪い。デザート感覚なのだ。吉野家の牛丼並の方がしっかり飯を食べた気分になる。

 まさかマクドでライスバーガーを出す訳にはいくまい。すでにモスバーガーが出してしまっているので、この時期にやったら必ずパクリだと追及される。
 日本人に迎合してハンバーグ丼なんか出したら、もはやマクドではない。紙コップで味噌汁を啜りたくない。

 私は一介の旋盤工なので経営の事は解らない。ただ、今回のマクドの失速でまず思ったのは、サラ・カサノバ社長のツンデレだ。実際に会って麦酒でも飲みながら話したら気さくで親しみやすい女性なのかもしれないが、ニュース映像で見かけるサラちゃんは鋭い切れ者で偉そうなのだ。
 一連の不祥事は一役員を会見に出させて社長のサラちゃんは出てこなかった。事件を過小評価したのかもしれないが、傷口が大きくなる前に社長が出ることで食い止める事ができる場合もある。

 あの船場吉兆でも御大の女将が早々に表に出て深く頭を下げれば傷は浅くて済んだかもしれない。それを役員ごときに任せ、その役員はパート従業員に責任を押し付けようとして火達磨になってしまった。

 あとで会見に臨んだサラちゃん、おそらく弁護士や日本人役員の強い助言に従って深く頭を下げる動作をやったが、話し方はやはり堂々とし過ぎて偉そうに見えてしまう。不祥事を反省して信頼回復に努めるというよりは、今後の事業について野心的に抱負を語っているように見えてしまう。
 それで損をしている面が大きいと思う。日本では西洋の常識は通じない場合が多々あるのだ。

 いっその事、サラちゃんは社長の肩書のまま経営から離れ、徹底的に日本語を学習してカウンターの現場で腰低く接客してはどうか。
 日本全国のマクドの店舗に出没してカウンター業務をやる怪しい社長、という感じで顧客の宣撫活動を行うのだ。もちろん、各地方の方言をしゃべってもらう。大阪のマクドで出没する場合は大阪弁で仕事してもらう。つまりマクド内の外タレ・アイドルになるのだ。

 客が入ってくると、四角い眼鏡をギラリと光らせて睨んだかと思ったら、突然笑顔で方言丸出しで「いらっしゃいませ」だ。地方ではウケるかもしれない。大阪ならば、「まいど、おこしやす。おおきに」と少し誤った大阪弁で饒舌に接客。

 出没がウケて評判になれば、テレビ出演を現場業務と並行してバンバンTVやインターネットの動画サイトにも出てもらう。人気が上がれば、経営が持ち直す可能性がある。かつてゲームメーカーSEGAの湯川専務がCМ積極出演と自虐ネタで経営を上向きに変えたという前例があるのだ。
 サラちゃん、君のキャラなら不可能ではない。


 
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徴兵制問題、現状では安倍総理の言う通り無い。しかし近い将来なら可能性はゼロではない。 近頃の現象[一一六〇]

安保法制 「徴兵制」は
本当に将来導入されることはないのか?


 安全保障関連法案の審議が、参議院でも始まりました。「集団的自衛権」が憲法解釈の変更によって可能とされることから、徴兵制についても同じように可能になるのではないかという議論が、衆議院から引き続いて行われています。7月5日にも、民主党が安全保障関連法案への反対を説明するパンフレットで、「いつかは徴兵制?募る不安」といった見出しをつけ、直後に修正したことも話題となりました。安倍首相は、答弁の中で「徴兵制の導入はまったくあり得ない」と明言していますが、将来的に、憲法解釈の変更によって徴兵制が導入される可能性はないのでしょうか。(THE PAGE)

【雑感】仮にいま徴兵制導入の法案が提出され審議入りしたとすれば、いま国会を包囲している反安保デモ以上の騒動になるだろう。いまの中高生が徴兵の対象になるので、少年少女たちにとって「死」が身近に迫る。多くの未成年者がデモを繰り広げる可能性がある。

 それ以上に、小さな子供を持つ夫婦が蜂の巣を突かれた蜂のように騒ぎ出す。今は産めよ増やせよの時代ではない、少子高齢化で子供の数自体が少ないのだ。晩婚晩産で生涯で産む子供の数は1人いるかいないかの状況になりつつある。不謹慎な言い方をあえてすれば、子供の価値は戦前より遥かに高額になっている。
 私は10年ほど前に市民運動から足を洗っているが、もしそういう議論になると再び運動の世界に入るだろう。前回は友人の義理で不本意ながら入ったが、次は正味自分の戦としての参加になる。3歳の息子が近い将来対象になるかもしれない懸念がある。


 右派市民側の多くは徴兵制復活を叫ぶ左派市民たちを軽蔑の眼差しで「そんな事はあり得ない。悪質なデマを流すな」と主張している。本当に徴兵はあり得ないのか?
 
 行政側から見た場合、果たして徴兵制導入はできるのかどうかだが、現状では負担があまりにも多すぎて現実的ではない。徴兵年齢に達した国民を手続して検査して施設へ送る。施設で「新兵訓練」を実施する。それにかかる人件費は莫大なものになる。
 事務処理や検査をする公務員の確保も大変だが、現代戦はハイテク戦になっており、兵士として使い物になるまでには多くの時間と労力と金銭を払っての教育を施さねばならない。

 むかし、知人からこんな話を聞いた。「俺の伯父さんが陸軍の砲兵隊の下士官やっていて、数学が得意でサイン・コサインやりながら、『これができないと砲兵はつとまらんのや』と自慢していた」
 数学が嫌いな私はその話を聞いて自分は大砲むりやな、と思った。第二次大戦の段階でも技能のいる兵科がたくさんある。ましてや現代の軍隊となるとハイテク機器だらけで大変だ。
 子供の人口が少なくなっているうえに、兵士一人一人にかかる費用も高騰。そのため国内で地上戦が展開される心配の少ない先進国の大半は徴兵制を廃止している。

 合理的に見て、明治から昭和の敗戦まで続いた徴兵制が全く同じ形で復活する事はありえない。ただ、あからさまな徴兵はないとは思うが、貧困層の若者や奨学金で大学に通う学生をターゲットに勧誘は激しくなるだろう。
 ホリエモンが「デモに参加する若者は採用しない」といった趣旨の発言をしてTwitter上で批難されているが、その理屈でいえば自衛隊に体験入隊した者は内定もらえやすくなるとか、あるいは自衛隊に製品等を納めている関連企業などからは社員や内定者を予備自衛官として教育するとか、そういった方法で裾野を増やす手はあるだろう。
 あるいは自衛隊も昔でいうところの軍幼年学校のような施設を拡充していき、専門学校や職業訓練校のような役割を果たしたり、一定期間勤めたらアメリカのように大学への推薦入学ができるとか、そういったライトな形でなんとなく徴兵がはじまるかもしれない。

 そして徴兵制反対の声が大きくマスコミに取り上げられているが、その一方で賛成の声もジワジワ大きくなっている。私の身内が賛成派なのだ。昔から自民党支持のタカ派の父が賛成なのは仕方がないが、今まで革新系を支持していた姉が賛成に転じた。大学で教員をやっている姉は以前から学生の質の低下をボヤいていた。「徴兵制を復活させて、若もんにガツンと活を入れたらなあかん」と言うとは思わなかった。それも私の幼い息子がいる前で。前述のなんとなく徴兵の需要ができつつある。
 民主党政権の大コケによるリバウンドの影響は小さくない。


 
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ファン付き作業服、実用化されて10年程度経っているが、まだ普及していないのか? 近頃の現象[一一五九]

ファン付き作業服”ニーズ高まる 
内側冷却、熱中症予防


 猛暑で熱中症対策が話題となる中、服の中にファンで空気を送り込んだり冷水を循環させたりする機能のついた作業着が注目されている。汗をかきづらく、作業効率が上がるとして、建設現場や工場関係者らのニーズが高まっている。さらに、オフィス向けや普段の街歩きに使えるタイプも登場するなど、市場が広がりつつある。(SankeiBiz)

【雑感】こないだコンビニへ買い物に行った時の事である。レジ前で順番を待っていた時、前で並んでいる同年齢くらいのグレーの作業着男の背中を何気に観察していたら、グレーのブルゾンの腰の両脇に直径10センチ程度のファンがついていた。ズボンなどにペンキのシミが無数に付いていたので、おそらく塗装屋さんだろう。

 この炎天下で直射日光が照りつける外壁塗装などは地獄、この男性もそんな作業をしているのかもしれない。まだまだ多くの塗装屋はTシャツか普通の長袖作業着でやっているのに、空調服を支給するとは良い会社だ。安物では5千円程度で売っているみたいだが多くは1万円前後、けっこう高価だが作業効率と熱中症リスクを考えると私は安い買い物だと思う。

 空調服はまだ着たことが無いが、着た人の話によればけっこう涼しいらしい。
 チャリンコ通勤時はザックを背負って行くのだが、この季節は背中が蒸れて肩紐まで汗が滲んでくる。会社に着いて着替える段になると背中はグッショリだ。作業着に着替えるとたちまち濡れて背中に貼り付く。現場では汗でずぶ濡れの私の姿が風物詩になっていた。
 ところが、ごくたまに散髪屋へ行くのに何も背負わずにチャリに乗ると非常に涼しく感じる。背中に勢いよく空気が流れるのでTシャツはサラサラだ。空調服の涼しさもこれに似ているのかもしれない。
 服の内側に空気の流れをつくる事で汗を効率よく気化させ身体に熱が籠るのを防ぐ。熱が籠らないので無駄に汗はかかずに済む。熱中症や脱水症の予防になる。

 この空調服は実用化されて10年程度経過している。工事現場などでは広く普及しているようなのだが、私自身はあまり目にしない。こないだの塗装屋らしき男性が久々だ。
 熱中症で救急搬送する羽目にならないためにも支給してやるべきだ。熱中症で倒れないまでも作業効率の低下やヒューマンエラーが多発する。


 
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第2003回「健康のためにしていることはありますか?」 晴雨堂が意識して心掛けているのは早起きとチャリンコと麦芽100%麦酒。

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の山口です。今日のテーマは「健康のためにしていることはありますか?」です。最近体調不良になることが多く、自己管理が出来ていないなと感じる今日このごろです...歩くなどもせずクーラーのかかっている部屋に閉じこもっているのがいけないのかなと思うのですがなかなか外に出れないです...食事面だけでも改善しなければと最近は意気込んでます!みなさんは健康のためにしてい...
FC2 トラックバックテーマ:「健康のためにしていることはありますか?」



【雑感】当ブログの読者諸氏ならピンとくる方も多いかもしれない。健康のために意識して行っているのは、早起きとチャリンコとビールである。

 以前は典型的な夜型人間で慢性的な睡眠不足だった。30代後半に厄介な病気に罹ったため、仕事を変えたり関わっていた運動などを整理して昼型生活に変えた。
 今でも朝5時起きを続けている。

 チャリンコは子供のころから遠乗りが好きだった。休みがあるとサイクリングによく出かけた。

キャンピング車
道東のとあるトンネル内で撮影、1986年ごろ。
カラーを使わなかったのは単純に銭を節約するためだった。
当時はこんな装備で日本各地を走っていた。

 これも夜型生活の時代は遠ざかっていたため、新陳代謝が衰える30代半ば過ぎから一気に10キロ程度太ってしまった。30代前半までは幾ら食べても68キロだったのが突然80を超えてしまったのだ。運動不足と体重増によって、中学生時代の部活動で痛めた腰が悪化、医師から変形性腰痛と診断され暫くコルセットを付ける生活が続いた。
 という事で、昼型生活に変更とともに意識してチャリンコに乗るようにしている。今でも腰痛に悩まされているのだが、チャリンコに乗ると背骨が矯正されるのか痛みが治まるのだ。胃腸の調子もすっきりし、まるで身体が入れ替わったかのように爽やかな気分になる。

 最後はビールである。ビールといっても、発泡酒や薄味のスーパードライではない。麦芽100%のドイツビールまたはドイツ式の日本ビール、もしくはチェコ・ベルギー・イギリス・アイルランドの味の濃い伝統的ビール。

ハートランドSN3V0053.jpg
陶器のドイツ製ビールジョッキに入れたハートランド。
後ろに見えるのはハートランドの緑の瓶。
今でこそプレミアムビールを大手各社が製造しているが、
以前はサッポロのヱビスとキリンのハートランドぐらい。
陶器のジョッキで飲むと美味さ倍増である。

 ミネラルたっぷりの100%麦芽、高血圧と動脈硬化と糖尿病の予防かつ鎮静効果抜群のホップ、胃壁を刺激して食欲増進を促す炭酸、ピルスナービールであればアルコールは僅か5%、それが血行を良くしてホップとの相乗効果で安眠を誘う。
 500㏄のドイツ製陶器ジョッキで一杯だけ飲む。これが最高。医学的にも裏付けられている。


 
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「極限水域 ファースト・アフター・ゴッド」 孤独を楽しむ時に〔56〕

「極限水域 ファースト・アフター・ゴッド」 
ロシア産潜水艦モノ
 



【原題】Первый после Бога
【英題】FIRST AFTER GOD  
【公開年】2005年  【制作国】露西亜  【時間】97分  
【監督】ヴァジリ・チィギンスキ
【制作】
【原作】
【音楽】アレクサンドル・ザセピン
【脚本】イリナ・アブラメンコ
【言語】ロシア語
【出演】ドミトリー・オルロフ(マリーニン大尉)  ウラジミール・ゴスティウキン(旅団長)  ニーナ・ルスナローヴァ(チーフ)  ミハイル・ゴミアスヴィリ(シャラビゼ)  リザ・ボヤルスカヤ(ターニャ)  イリーナ・ヴィエルクランド(アーニャ)  セルゲイ・ゴロブチェンコ(ガリエフ)     

【成分】かっこいい 不気味 切ない 勇敢 悲しい 絶望的 1944年 独ソ戦 第二次大戦

【特徴】ロシア産の潜水艦モノ海洋アクション。
 出身階級が貴族であるためソ連秘密警察から睨まれながら任務を遂行していく若き艦長の奮闘が描かれている。

 どちらかといえば、「Uボート」のように潜水艦内部の生活描写には重心が無く、「眼下の敵」のような海洋アクションでもなく、貴族階級出身ゆえソ連邦では不利な立場の艦長とソ連秘密警察の少佐との緊張感が主軸なので、潜水艦モノとして観ないほうが良いかもしれない。

 なお、Yahoo!などの映画サイトでは原題を「PERVYY POSLE BOGA」と表記しているが、これは英語ではない。ロシア語のローマ字表記である。意味は邦題では副題となっている英語タイトルと同じである。意訳すると「神様の次に尊いもの」、つまり語り部の少女にとっては主人公のマリーニン大尉を指す。

【効能】プラトニックな恋愛感情を抱く少女に共感。プラトニックな恋愛感情を抱く少女に萌え。

【副作用】全体に陰鬱で平板な描写が続くので気が滅入る。盛り上がりに欠け疲れる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。

某軍事ブロガーが山本太郎氏へ反論か。イマイチ説得力を感じない。 近頃の現象[一一五八]

「原発にミサイルを撃ち込まれたら? 」 
山本太郎議員の質問は杞憂


 「原発に弾道ミサイルが撃ち込まれたらどう対処するのか?」この疑問を「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎議員が国会で質問し、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「そのような事態は原発の設置者に対策を求めていない」と答弁しました。これはミサイル攻撃が一体どういったものかを理解していれば、山本太郎議員の質問は杞憂であると直ぐ分かると思います。(THE PAGE)

【雑感】いわゆる「専門家」からの反論が出た訳だが、読んでみて言いたい事は解るがこれを反論とするには大甘だ。

弾道ミサイルに原発を狙えるピンポイント攻撃能力はない
 ピンポイントは無理としても、敦賀湾にある原発銀座などに数撃てば直撃は免れたとしても福一のような深刻な状況になる。

核弾頭を保有しているなら原発を狙う必要がない
 確かに分別のある集団ならそのように考える。しかし近年の戦争は分別を失わせる。時代を下るにつれて民間人の死傷者が増えるばかりだ。兵隊同士の戦いに限定できなくなっている。
 より強い効果を期待して原発を狙う可能性はある。これを除外するほうが不自然。

原発への攻撃は戦時国際法違反となる
 確かにその通りなのだが、現実にISILなどの武装勢力は国際法というものを無視しまくっている。それに日本にとって最も親密な同盟国であるアメリカは70年前に何をしたのか。東京空襲をはじめ日本の主要都市全てに無差別爆撃を行って多くの市民を虐殺蹂躙し、とどめに広島と長崎に原爆を落としたのは明白に当時の国際法に違反している。民主主義国家で人権意識の高いと評判のアメリカがやったのだ。
 だからこの反論に全幅の信頼を寄せる事はできない。

ミサイル対策よりもテロ対策
 原発が狙われる可能性がある事は認めている訳だ。山本太郎氏はミサイル攻撃についてだけ質問をした、という言い訳なら聞きたくない。御役所答弁ではないのだ。原発が狙われる可能性であることに変わりは無い。

 また「弾道ミサイルの命中精度や弾道ミサイルを迎撃する能力を既に日本は保有している事実がすっぽり抜け落ちていたために、あのような質問を国会で行ってしまったのでしょう。」と続けているが、福一を経験してしまった日本人は口が裂けてもこの言を吐いてはいかんと思う。原発は安全と政府や電力会社は吹聴し続けたが、見事に裏切られたではないか。技術に過信してはいかんのだ。(余談1)
 1994年1月のロサンゼルス地震で高速道路の高架が崩れるダメージを受けた時、日本の技術者たちは口を揃えて「日本ではありえない」言いきられた。その1年後に神戸の高速道路は倒れまくったやないか。
 専門家のいう事はあてになりそうであてにできない場合もあるという事を我々は学んだのだ。福一の原発にしても、数百年に一度、千年に一度あるかないかの地震のために耐震補強は杞憂で先送りしていたのではなかったのか?

 軍事ブロガー氏の反論は残念ながら典型的な賢者の愚だ。山本太郎氏を論破しているのではないかと期待していたが、ガッカリだ。

(余談1)軍事に明るい友人ブロガー氏がコメント欄で見解を述べている。とても国内の原発すべてをカバーできる状態ではないそうだ。


 
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「弾薬と武器」の定義をめぐってウッカリTwitterで議論してしまった。やはりTwitterは議論に向かない。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二一〇]

ミサイルも「弾薬」 
防衛相発言、提供の想定は否定


 安全保障関連法案を審議する4日の参院特別委員会で、中谷元・防衛相は、他国軍への後方支援で提供可能な「弾薬」の定義について、ミサイルも含まれるとの考えを示した。中谷氏は、実際には他国軍へのミサイル提供は想定していないと述べたが、殺傷能力の高いミサイルの提供を法律上認めることに野党から批判が出ている。(朝日新聞デジタル)

【雑感】実はこの話題を巡ってTwitter上で後味の悪い会話をしてしまった。

 プロのジャーナリストを標榜されている方から、「いま国会で弾薬と武器の定義でもめているようやけど訳わからん。誰か教えてくれや」という趣旨の発言があった。
 その方とは過去のやり取りで多少見解が近い部分があり私はフォローした。特に「相手を短兵急に判断して罵り否定するようなことはあってはいけない」という趣旨の姿勢には大いに賛同したものだ。
 ところが先方は何故か穏当を欠く発言を私にぶつけて議論を中断された。(あくまで私から見た印象。たぶん、相手は別の絵を観ていることだろう)

 教えてくれというので、私は善意の第三者として通常の定義をまず説明した。弾薬とは弾丸と火薬をセットにした物(余談1)と。ところがその御仁は納得できないのか、「それも武器でしょ」と言って同様の質問をたたみこんでくる。
 もし私が先方の立場なら「それは軍隊が使う定義で、民間人にとっては弾薬も武器です。では核弾頭ミサイルも弾薬といわれたら納得するのですか?」と切り返しただろう。ところが御仁は「よく判らない。それは武器やで」と同様の質問を繰り返すばかりだった。

 同様の質問を繰り返されると悩んでしまう。なぜこの最初の説明で解らないのか? なぜ話の初めで足踏みが続いてしまうのか?
 厄介なのは、質問を装って絡んでくる「論破好き」がいる。本当にこの人は弾薬と武器との定義を聞きたくて質問しているのだろうか?
 御仁はもしかして軍事というものを完全否定する考えの平和主義者ではないか? だから弾薬と武器の違いもどーでもいいから「わからない」を言っているのか?
 その事をぶつけて観るとともに、国会の状況に対する私見を述べた。私見とは「野党は安保が通過する事を前提に条件闘争をしている」である。
 御仁は気を悪くしたのか「私の立場は御自由に判断してくださいな。私はあなたより軍事を知っている。いま日本は亡国の挙に出ようとしているのにお前は何考えとんねん」という趣旨の言葉をぶつけてきた。
 私はすぐさま「私が喧嘩腰に見えたのなら御容赦」と謝り、「イラついても事態は好転しない」と注意したら、もはや返事はなくなった。

 御仁はブロックをしていないので私を蛇蝎のごとく嫌っているわけではなさそうだが、こんな終わり方は御仁自身が嫌っていたはずなのに、自分の事になると思考停止になってしまうのか・・。それとも私の発言がよほど癇に障ったのか。
 それに「私はあなたより軍事の事を知っている」と言われても、私は一介の旋盤工で相手はプロのジャーナリストを標榜するほどだから知識人なのだろう。私が旋盤で鉄鋼チューブを加工して出来上がったものをノギスや3点マイクロでチェックしている間に御仁は仕事として資料を読んだり取材したりと情報を集めている訳だから、比較にならない。当たり前の事をお偉い知識人が路傍の旋盤工に言われても醜い知識人風を吹かされているように感じてしまうだけだ。(因みに現在の私は旋盤の仕事から離れている)

 はっきり言って質問の仕方が曖昧だ。本当は何が知りたいのか、何が解らないのかを言うてくれないと、こちらも善意で答えているのだから。
 御仁の知識と能力なら状況は私以上に「把握」しているのだろうから、自分が知ってるくせに質問してくるなど私にとっては無礼千万迷惑な話である。そんな暇があれば、さっさと丁重に謝辞を言って会話を中断し、志高い人らしくさっさと自分の仕事に集中するべきだ。
 加えて、なぜ人民に奉仕しているはずの共産党や社民党の勢力がイマイチ伸びないのか、なぜ安倍自民党が今でも勢力を保持し多くの支持者やネトウヨが取り巻くのか、そういう知識人風を吹かすところが原因ではないのか?
 映画「七人の侍」での侍と農民の関係、「荒野の七人」でのアメリカのガンマンとメキシコの貧農の関係に似ているかもしれない。もちろん、私は確実に農民の側だ。

(余談1)通常、弾薬とは弾丸と炸薬をセットにしたモノを指す。つまり拳銃や小銃などに込める弾をさす。弾丸を飛ばす拳銃や小銃は武器と呼ぶ。中谷元氏は元陸上自衛隊の「将校」らしく通常の定義を国会で述べた。
 後方支援で「弾薬の補給のみ。武器支援はしない」といえば、弾は与えても小銃や機銃の譲渡はしない。もちろん戦車や軍艦の加勢もしないとなるのだが、弾薬の定義を馬鹿正直に当てはめるとミサイルも核弾頭も弾薬に分類されてしまう。
 日本は一応非核三原則をとっているようだが、それは建前であることはほぼ国民全員の認識である。今回の法案では、いよいよ米軍の核弾頭を自衛隊が輸送する事が暗黙から堂々と満天下の明文法化されてしまうし、将来的に現憲法下でも解釈変更によって自衛のための核武装が可能になる。
 米ソ対立期は核兵器は国連常任理事国を務める超大国のみが保持している状態であったが、今やインドもパキスタンも北朝鮮も核を持っている。ここまで拡散してしまったら、解釈変更も理論上は可能になる。
 たぶん、私以上に状況を掌握していると言い切るあの御仁なら、この程度の読みはとうにしているはずだし、だから質問なんぞ無駄な動作だ。無駄な動作をするという事は危機感も私と同レベルだろう。

 当初、私は野党が「弾薬と武器」との定義をめぐって条件闘争をやっていると思っていたが、どうもそうではなく、まだ中谷防衛相に突っ込みを入れている段階のようだ。


 
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武藤貴也氏は「永遠の0」で主人公をボコボコに殴る若い少佐とキャラがだぶる。 近頃の現象[一一五七]

“学生批判”武藤氏「撤回するつもりない」

 自民党の武藤貴也衆議院議員は先月30日、ツイッターで、安全保障関連法案に反対している学生団体について「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく」などと批判し、波紋が広がっている。(日本テレビ系(NNN))

【雑感】人間というものは本能的に目したの人間を割引で評価する。これはある種の自己保存の本能かもしれない。人間と同じく序列のある群れを構成する犬や猿は、ボスになかなかなれないと手っ取り早く自分より下の存在を作ろうとして自分の地位安定をはかる。
 つまりその本能が人間にも脈々と生きていて、歳下の人間を不用意に低く評価してしまう傾向がある。実力を過小評価するぐらいなら良いのだが、しばしば目したからのSOSを軽く見て黙殺したために、学校での「イジメ」という名の虐待や「指導」という名の傷害で死亡者(自殺者も含む)が発生してしまう。

 武藤貴也氏も反安保の運動をしている学生を軽く見くびっているのか、あるいは脅威に感じているのか、私は両方かなと思っている。
 武藤氏の顔を見たが童顔、歳も36歳、当選2回の議員なので年功序列の自民党ではまだまだ鼻垂れ小僧だ。今の自民党は気を付けているかもしれないが、昔なら完全に子供あつかいする。いや、都議会のセクハラ野次が示すように、まだまだチクチクと子供あつかいされているかもしれない。だから武藤氏のようなポジションの人から見れば、デモに参加する学生の行動は余計に青臭く見えてしまうはずだ。

 同時に、私の世代の時もそうだったが、わざわざ暑い炎天下でデモ行進する学友は皆無だった。武藤氏の場合は「イラク派兵」で騒いでいた時期に学生生活を送っていたはずだろうが、あの時でも今ほどの盛り上がりではなかった。いわゆる護憲派勢力は高齢化が進んでいて、デモに参加するのは私で最年少の部類だった。
 単に青臭く思う程度であれば、国会で安保を審議中の大事な時期に波紋を呼ぶ発言はすまい。今回の安保法制で徴兵制復活という「デマ」が広がっている事を自民党は火消しにかかっている時に、なんと武藤氏はそれを肯定しているととられても仕方が無い発言をしたのだ。
 武藤氏も東京外大と京大の院へ進んだほどの人だからそれが判らないほど馬鹿ではないはずだ。思うに学生たちの行動が癇に障ったのだろう。

 学生批判のついでに思い違いも露呈した。「基本的人権の尊重」を否定してはいかんだろう。私は保守だが、今の保守右翼の風潮には幻滅を感じる。
 幕末から明治にかけて日本は危機感をもって西洋の最新技術を導入した。鉄道や工場を造る技術だけでなく、議会政治や西洋式の法律、軍隊でも西洋式軍制を取り入れ合理化をはかった。新しい技術や文化に謙虚でいるときの日本は確かに強かった。
 ところが大和魂にこだわりはじめるところからおかしくなっていく。結果、民主主義国家にして人権意識が強いアメリカに負けてしまった。猛将パットンが神経を病んで入院している兵士の頭を手袋で叩いただけで戦時中にもかかわらず更迭するアメリカ軍に、鬼畜米英と滅私奉公を謳う日本軍は負けたのだ。

 いま保守右翼内で蔓延っているのは、戦訓の否定だ。負け戦から学ばなければならないのに、負け戦を忘れようとしている。

 阪神大震災や東日本大震災で多くの人々がボランティアで支援に駆け付けた。支援物資のカンパも莫大な量だ。私を滅ぼして公に奉るのではなく、自分の意志で公共に協力する。強制的にやらせるよりも良い事ではないか。
 若者が危機感を抱いてこの暑いさなかデモを行うなんて事は、全共闘などの運動が完全に鎮圧されて以降は無かった。私が学生だった頃は完全に化石と化していた。それがいま盛り上がりを見せている。左の煽動で簡単に動く身勝手な若者なら、クソ暑い炎天下で国会前に繰り出すとは思えない。それよりも現政権が信用されていない事を重く見なければならない。

 武藤氏は涼しそうな顔で学生の行動を否定するのではなく、暑苦しい背広を脱ぎ棄て汗だくになって自らの考えを学生たちの前に出て真摯に腰低くして訴えるべきだ。でないと、「永遠の0」で主人公宮部久蔵に罵声を浴びせポコポコに殴りまくる若造少佐と同じだ。醜くて見苦しい。


 
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ヘイトスピーチ禁止法案も気を付けないと言論統制のアイテムにされる。なんで「市民派」は恐ろしいと思わないのか不思議だ。 近頃の現象[一一五六]

<人種差別>禁止法案、審議へ 
ヘイトスピーチ」受けて


◇野党が議員提案 4日からに参議院で

 在日外国人への人種差別を禁止する法律案が、4日に参議院で審議入りする。在日コリアンへのヘイトスピーチが社会問題化したことを受けて議員提案され、人種差別の禁止を明記し、差別防止を国や自治体の責務とうたっている。罰則のない理念法だが、自治体の条例制定を後押しする効果も期待されている。(毎日新聞)


【雑感】社民党も提案者の一人か。敢えて言うが、浅はかな集団だ。提案者は社民党の他に民主党と無所属議員が加わっているか・・。共産党の名はまだ見えない。

 共産党は頑迷な組織のようでいて実はかなり目端が利く。かつて朝日系の文化人が称揚した中国の文化大革命については共産党は距離を置き中国共産党との交流も断ってしまった。同じく北朝鮮の朝鮮労働党との付き合いも断った。
 当時の社会党は共産党とは逆に親密度を深めてしまい、後の北朝鮮による拉致事件発覚では対応に苦慮する結果となった。文化大革命も内実は多くの餓死者を生んだトンデモ政策であったことが判明した。

 記憶に新しいところでは、自民が下野して民主党政権が誕生した時、社民党は政権与党に加わったが共産党は野党の立場を守った。当時の党首福島瑞穂氏の笑顔を思い出すと、なんだか嬉々として後先考えずにホイホイ加わっているように見えてしまう。
 共産党は孤高の野党を気取っているのかと思えばそうでもない。沖縄の地方選では見事に他の基地反対派と協力して自民を大敗に追い込んだし、堺市議選では現職と維新候補の一騎打ちに独自候補を立てず日頃の市議会では批判の対象にしている現職市長を応援するという共産党らしからぬ行動までやってのけた。
 さらに第一次安倍政権の時は福島原発のメルトダウンを予見して安倍政権からノー天気な無責任の証拠を捥ぎ取った。

 要するに共産党はヤバいモノには関わらない。それを見分ける能力に長けている。反体制でありながら潤沢な資金と人材をプールできるほどの集団。
 そんな政党がヘイトスピーチ法案の提出者に加わっていないようだ。


 前にも言った事があるが、「ヘイトスピーチ」の定義というものはかなりファジーだ。もう一度下記にあげておく。

「『憎悪表現』と訳される概念で、特にそうした種類の言論が”地域の平穏を乱すことをもって規制されるべき”と議論する場合には「憎悪を煽る表現」と呼ばれる。

 また朝日新聞の「知恵蔵mini」では、
人種や宗教、性別、性的指向など自ら能動的に変えることが不可能な、あるいは困難な特質を理由に、特定の個人や集団をおとしめ、暴力や差別をあおるような主張をすることが特徴」とある。

 厳密な定義はなく、かなりファジーな部分があり、人によって如何様にも解釈される、なんとなくの概念だ。今回の提案者たちが罰則を設けない理念法にしたのも、それが理由だろう。

 単純にヘイトスピーチの定義を以上挙げた条件に該当するものとしてしまうと、いま国会や政府庁舎を包囲している反安保のデモもヘイトスピーチになってしまう。ヘイトスピーチであるか否かを判断するのは、デモをやっている人たちではなく、現政権である。デモをやっている人たちの多くは現政権に対する怒りで動いているから、スローガンも過激になりがちで、これは政権支持者の少なくない国民から見ればヘイトにしか聞こえないだろう。
 
 なんで皆それを恐ろしいとは思わないのか奇怪だ。こないだ施行された児童ポルノ規制改正法も然り。ファジーゆえに幾らでもでっち上げられる。
 考えてもみろ。憲法の文言を素直に読む限りは日本は軍隊を持ってはいけない事になっているのにマッカーサーのごり押しで警察予備隊という名で復活させている。アメリカとしてはペナルティとして9条を設置したものの、朝鮮戦争で頭抱え慌てて警察予備隊という看板の軍事組織を再編した「やむを得ぬ事情」は理解している。だから自衛隊の是非は問わない。
 しかし憲法改正という手段ではなく法解釈を次々と変えて権限を増やしている事は法治国家として無法の要素を抱えている状態なのだ。
 そんな社会でファジーな内容の法律なんか設けられたら、悪用されるのは目に見えているではないか。敢えていうが「市民派」系の方々は木を見て森を見ないド近眼が多すぎる。

 各々の分野の市民活動家や市民派政治家たちの台所事情は理解している。トータルでモノを考える環境には置かれておらず、目前の「専門分野」に対処するだけで精一杯なのも解るが、しかしそうやって目前の問題に「規制」ばかり唱えてしまった結果、気が付くと全く身動き取れなくなって敵対者の思うつぼになる、て想像を働かせることがようできんのやな。


 
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オリオンビール 夏いちばん。 ビールは偉大な発酵食品だ[四十一]

今年のPLの花火は自宅から見物。

オリオンビール 夏限定醸造。

【雑感】毎年、8月1日は富田林を拠点とするPL教団の花火大会が催される。PL教団の教祖を祭るための行事で、正式名称は「教祖祭PL花火芸術」と呼ぶそうだが、南大阪に住む者にとって夏の風物詩であり、西日本最大規模の花火大会である。
 近頃のPLは、あの桑田真澄氏や清原和博氏を輩出した甲子園常連校のPL学園野球部が廃部の危機に瀕しているといった不景気な話題が拡散されている。花火はこれからも盛大に景気よく打ち上げてほしいものだ。

 連れ合いの実家は花火の打ち上げ拠点に近く付近に見物スポットがあるのだが、あまり綺麗に見えた記憶がない。殆どが花火が炸裂する際の硝煙が黒い雲のようになって花火を隠してしまう。
 というので今年は自宅から見物した。自宅からでもやや小さくはなるが花火の全体像はくっきり見えるのである。角度と距離が良いのか、花火を隠す硝煙も気にならない。自宅の方がストレス無くゆったりと見物できる。

 さて3歳児の息子は花火が好きなのでさぞやPLの花火に感動すると思いきや、正味嬉しそうにはしゃいでいたのは最初だけで、ほどなく花火を怖がりだし布団を敷いてある寝室へ引っ込んでしまった。何故だろう? 花火打ち上げ拠点から10キロ程度離れているので、遠くの小高い丘が光っているような感覚だ。
 しかし息子は花火を観てからというもの、それまでおかしな日本語を大声で発しながら暴れていたのに、急に無口になって顔面蒼白となった。寝室へ逃げ込んだ息子を追いかけると、布団の上で俯せになって縮こまっている。なんだろう? さては見えるはずのない怖いモノを観てしまったのか?

 さて、花火見物のおともに昼間近所のスーパーで購入したビールが冒頭写真の夏季限定醸造のオリオンビールである。オリオンビールは沖縄のビールで、たぶん日本最大の地ビールメーカーだろう。
 どちらかといえば薄味のビールを生産しているのだが、このビールは100%麦芽に100%アロマホップを謳っているだけあって、ドイツ型の麦のコクと爽やかな苦みを感じるデキになっていた。缶のイラストも花火なので今日の日にもってこいだ。花火を見ながら飲むビールは美味い。


 
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山本太郎議員の問題提起は至極真っ当である。 近頃の現象[一一五五]

山本太郎 
「原発がミサイル攻撃されたら?」 
「国会質問」機にネットで大反響


 「原発が弾道ミサイルの攻撃を受けたら、どのぐらい放射性物質が出るのか」。山本太郎参院議員(40)が国会でこんな単刀直入の質問を繰り出して、ネット上で反響を呼んでいる。
(中略)
 「生活の党と山本太郎となかまたち」代表として、山本氏はまず、明らかに憲法違反であり、「戦争参加法制だ」と批判して、法案に反対する立場を表明した。続いて、国際紛争については軍事力でなく外交力で対処すべきだなどと自党の対案を述べた後、政府が差し迫った脅威とする中国、北朝鮮、ロシアが弾道ミサイルなどで攻撃してきたケースについての質問を始めた。(J-CASTニュース)


【雑感】さすが山本太郎! 痛快なり!

 実はこれ、タカ派の友人らも大昔から指摘して「だから九条を破棄せなあかんのや」と語気強めて主張していた。その理屈を逆手にとるとは。
 原発がテロや敵国から狙われるリスクを指摘していた著名な文化人で真っ先に思い浮かぶのは元グリーンベレー大尉をウリにしていた柘植久慶氏だった。(余談1)

 原子力発電所を攻撃する事は果たして国際法上ありえるのかどうかだが、残念な事にそれを無視する勢力は現実に存在しているので、可能性としてはあり得る話である。また日本より西に位置する国や勢力にとっては偏西風のおかげで放射能の灰が直接降りかかる事はあまり無い。

 また、かつて共産党の吉井英勝衆院議員(余談2)が2006年に当時の第一次安倍内閣に「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を提出、後の福一メルトダウンを予見する内容に対し安倍総理をはじめ歴代の政権は対策をしないまま放置した、という苦い前例がある。

 だから山本太郎氏の追及は正論なのだ。周辺国との脅威を根拠に安保法制改正を目論むのであれば、原発が攻撃目標とされるのは当然想定され対策がとられていなければならない。吉井氏の問題提起に対して安倍氏は何もやってなかった訳だから、野党議員として山本氏が「安倍ちゃん、大丈夫か」と確認をするのは至極当然である。

 ところが、ネット上で沸騰している山本氏への批判を見ていると筋違い見当違いがあまりに多い。批判の相手を間違えているのではないのか。山本太郎議員ではなく安倍晋三総理に向けなければならない。
 「国防上の機密なので詳細は差し控えたい」というのなら話は解るが、「定量的な被害想定をしておらず、事態の推移を見て避難などの範囲を決める」との説明では、事実上なにも対策はとっていないも同然となる。特にネトウヨ諸君は、本来なら「安倍よ、なにしとんねん。山本ごときに突っ込まれて恥ずかしくないのか」ぐらい言うべきである。

 代表的な頓珍漢批判を紹介しておく。
だからミサイル撃たせないように安保が必要なんだろ
 安保が有ろうが無かろうが周辺諸国の脅威が事実であるなら原発は敵から見れば有益な攻撃目標である。安保を強弁しながら原発防備を疎かにしているのが問題である。
無限大に危機を想定しろと言っている
 軍事の世界で原発は最重要課題のはずだが。
意味がわからん やられるまえにやれってこと?
 人の話をちゃんと聞かんかい。日本語わかる?
 
 山本太郎氏の主張を簡単にいえばこうなる。
そんなに安保が必要と力説するなら当然原発対策も考えているはずだ、えっ? なに? なんも想定も対策もやってないてか? ふざけるな! 国防の重要課題をなおざりにして安保やと? やっぱり国を守るための安保やのうて、アメリカ軍と一緒に侵略やろうぜの法案やないけ

 山本太郎氏のこれまでの議員活動を見ていると、従来の左翼とは完全に異なっている。かつては辻元清美氏が左翼護憲派のホープで異能者だったが、その辻元氏が悪い意味で「常識人」に見えてしまうほどの活躍だ。
 今までの言動を見ていると、もしかして山本太郎氏は右翼の魔王と言われた北一輝(余談3)に近い考え方を持っているかもしれない。

(余談1)彼の著作は若い頃よく本屋で立ち読みした。買って読もうとは思わなかったが、立ち読みで暇を潰すにはなかなか面白い読み物だった。
 私は軍事オタクではないので最近まで知らなかったが、Wikiによると元グリーンベレー曹長の三島瑞穂氏から経歴詐称を疑われていたようだ。それが影響しているかどうかは不明だが、柘植氏はグリーンベレーとの関わりは今でもホームページで主張しているものの「元大尉」とは書かなくなった。
 大尉(キャプテン)というのは陸軍では中隊長クラスで、少尉(ルタナン)がキャプテン補佐の意味がある事からも、現場のトップというポジションでそこそこお偉方だ。誰もがなれる階級ではない。ましてや特殊部隊の大尉なんて、友人は「事実なら何か米軍とは特別な関わりがあるのではないか」と指摘していた。

(余談2)吉井氏は堺市議や大阪府議を務めたあと衆院議員になったので、堺に住む私には馴染みのある議員だった。京大工学部原子核工学科卒ゆえ原子力に極めて明るい。

(余談3)右翼思想家、二二六事件で蜂起した青年将校たちの顧問のようなポジションと見られていたため、民間人でありながら軍法会議にかけられ銃殺に処された。右翼と呼ばれているが、考え方自体は社会主義者である。孫文や毛沢東の中国革命にシンパシーを感じていたといわれている。
 なぜ「右翼」に分類されているのかというと、彼は「天皇の下の平等社会」を主張していたから、天皇などの特権階級を否定する左翼は彼を社会主義者とは認めていない。一方、右翼の研究家からは社会主義者と思想的に違いがなく、便宜的に天皇を推戴する形をとっているが、革命がもし成立したら皇室を廃止する魂胆ではないかと疑っている者がいる。


 
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