被災地に於ける自衛隊員の涙ぐましい配慮。 近頃の現象[一二五二]
直接、聞いてみた。
熊本県や大分県で続いている大地震の被害。約2万6000人の自衛隊員が、行方不明者の捜索、救援物資、入浴施設の支援など被災地で活動にあたっている。現地取材でよく聴いたのが「炊き出しはありがたいけど、自衛隊員は何を食べているの」という疑問だ。疑問に答えを出すべく、自衛隊に聞いてみた。(BuzzFeed Japan)
【雑感】この記事にある「疑問」とは、支援活動をしている自衛官たちが食事休憩をとる姿を見た事がないために出た疑問と心配である。被災者の目には食事もとらず救助活動に奮闘しているように見えるようだ。
この記事を見かけて、私は漫画家かわぐちかいじ氏のヒット作「ジパング」の番外編「守るべきもの」を思い出した。
主人公は21世紀から太平洋戦争の時代にタイムスリップした海上自衛隊最新鋭イージス艦の副長角松洋介二佐、その彼がまだ20代の若い「士官」だった頃のエピソードである。
舞台は阪神淡路大震災、角松たちが所属する艦は急遽震災支援に赴くのだが、そこで支援活動に手慣れた陸上自衛隊の自衛官から怒鳴られる場面がある。
角松たちは震災の現場で食事休憩をとっていた。そこへ一足先に現場に到着して救助活動をしている1人の陸上自衛官が血相変えて「お前ら何やってんだ!」といきなり冷や水を浴びせるがごとく怒鳴り込んでくる。
角松の部下が「食事をしているだけです。それにあんたらに指図する権限はないのでは」という趣旨の反論をすると、陸上自衛官は激高しながら以下の趣旨の説教を始める。
「ここでは家も財産も失って途方に暮れている被災者が大勢いるんだ! 被災者が見ている前で弁当なんか食ったら、呑気にサボって食事してるようにしか見えない!」
「飯を食うなとは言わん! 食うなら被災者からは見えない場所で食え! 俺たちだって被災者に気を遣ってるんだ!」
「被災地で呑気に煙草なんか吸うな!」
角松たちは深刻な顔になって食事休憩を止めた。
「BuzzFeed Japan」の記事は、かわぐちかいじ氏の「ジパング 守るべきもの」のエピソードを裏付けているといえる。
【追記】2017.01.09
本記事を載せてから、若干数の反論や不満のコメントが寄せられた。残念ながら、当記事のルール「当ブログの利用について〔1〕」に抵触したものばかりだったので削除した。
彼ら彼女らの言い分は、「自衛隊の闇に言及していない」とか「自衛隊を讃えるマスコミばかりになった」などにほぼ限定される。
救助活動をしている自衛官たちの努力は否定できない事実である。反論者たちの言い分に百歩譲ったとしても、自衛官たちが国民の不興をかわれないよう、自衛隊の支持を獲得しようという宣撫の目的があったとしても誠実な任務の取り組みようは否定のしようがない。
そしてその地道な努力の結果、国民は「違憲の軍隊」を支持するようになり、マスコミ側も以前のように自衛隊の誠実さを無視する事はできなくなり、自衛隊を支持する国民世論の圧力に抗すことができなくなった。
映画「ゴジラ」のシリーズにしても、かつては自衛隊を張りぼての如く無力な存在に描き自衛隊から「これでは我々は税金泥棒ではないか」とのクレームがあったらしいが、最新作の「シン・ゴジラ」ではもはやそんな描き方はしていない。
批判者たちに言いたい。それならば自分たちは誠実に事に当たっていると胸を張れるのか?と。私は若い頃に友人の義理で左派系の運動に関わっていた。実際に神か仏かと思える活動家やリーダーもいたが、参加者の多くは徒に自己主張や社会への悪口ばかりを言う我儘な御仁が目立っていた。
現在の保守右翼優勢の社会を覆そうと思うならば、私は本記事で述べた救助活動に取り組む自衛官以上に自虐的とも思える自制心を発揮して人民大衆に奉仕する気概を持たなければ世間の支持は得られないのではないかと思う。それこそ十字架を背負う覚悟が必要ではないか。



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熊本地震。エコノミー症候群の大半が女性という意味、掘り下げてる記事が無い。「便器」の数を指摘したらな。 近頃の現象[一二五一]
エコノミー症候群増―熊本地震2週間
熊本県を中心に続く地震は28日、最初に震度7を観測した大地震から2週間を迎える。
電気や水道、ガスなどのライフラインは熊本市を中心に復旧が進むが、県内では依然4万人近くが避難生活を強いられている。
熊本県災害対策本部によると、27日午前9時現在で506カ所に約3万9700人が避難している。14日以降の地震による直接の死者は49人。同県南阿蘇村では依然1人が行方不明で、警察などが捜索を続けている。
震災関連死とみられるケースは16人。余震が続くため車の中で寝泊まりする人も多く、エコノミークラス症候群の患者が増えている。県内20の主要医療機関で入院が必要と診断された患者は26日午後4時現在で計40人(男性9人、女性31人)になった。(時事通信)
【雑感】こないだの年末年始、連れ合いたちの計らいでドイツへ行かせてもらった。当然、飛行機の旅は片道半日におよぶし、金持ちではないのでエコノミークラスだ。当初は長距離バスのような環境を予想していたのだが、いざ座ってみるとバスの座席よりも窮屈感がある。大柄なヨーロッパ人はこんな窮屈な環境に耐えているのだろうか?
私はしばしば立ち上がってはストレッチをやって足腰の筋肉をほぐした。もちろんエコノミー症候群予防のためだ。長時間座ったままでいると足の血管を流れる血液の粘性が高まり血栓ができやすくなる。
これまで経験した長距離バスの旅は僅か6時間程度に過ぎず途中3回ほどパーキングエリアで休憩が入るが、国際線の飛行機はそんな訳にはいかない。1月にアップした連載記事「ドイツに行ってきた!」でも述べたが、同じ飛行機に乗っていた小学生くらいの男の子と幼稚園児くらいの女の子の兄妹は、最初はウキウキだったが最後の3時間くらいはぐったりしたり泣いたりと少し可哀想だった。
とはいえ、エコノミークラスといえども飛行機の旅はやはり快適だ。機内食は離陸後2時間後と着陸2時間前の2回出て、いずれも美味かったし量もまずまずだった。豊満熟女オランダ人CAの包容力のある微笑と片言日本語で行われるサービスも好感を持った。ジュースやお茶は飲み放題だったし、飯時のビールやワインもおかわり自由だった。
この飛行機の旅で気になった事がある。機内の便所はけっこう混雑するのだが、どちらかといえば女性がよく順番待ちをする。便所の数が限られているので、たぶん女性たちは早め早めに用を済ますのだろう。
旅客機の便所は男女共用だった。それでも女性のほうが用心して用をたそうと並ぶ。これが日本の盛況イベントの会場だと圧倒的に女性のほうが長蛇の列を作る。日本の公共施設は基本的に男子用女子用に分けられていて、男子用はスペースを取らない小便用のみの便器が多数用意されている関係から使用者の回転が速いが、女子用は大便用の場所をとる個室タイプなので男子よりも収容人数が限られる。そのため回転が遅く長蛇の列となるのだ。
今回の震災被災者でエコノミー症候群に罹った人の大半が女性である。男女差は極めてハッキリしている。なのにエコノミー症候群が女性に多い原因への考察を述べた記事が見当たらないのは何故だろう?
女性特有の症候群であると世間が認知しているからわざわざ書く必要が無い、という事なのだろうか? 常識化しているのなら対策もとられていなければならない。しかし女性の発症が圧倒的で対策がとられているようには見えないし、そのことに注意を払う世論の声も聞かない。女子便所への関心が感じられないというのは何故だ!
男性よりも女性は用を足しにくい社会的制約がある。女性にエコノミー症候群を発症する原因はこれに尽きると言い切っても過言ではない。
これまで述べてきたように、女性を受け入れる「便器」の数が男性よりも圧倒的に少ないのである。だから愉快な旅やイベントでも女性は用を足すときに用心しなければならない制約がある。
強烈な精神的ストレスがかかると生理的に血中の赤血球が増える事が知られている。煎じ詰めていえば血液がドロドロになっていくのだ。そこへ便所が限られているから用をたす回数を減らすために水分補給を遠慮してしまうので余計にドロドロになってしまう。血栓ができるリスクが急激に増大してしまうのだ。一度血栓ができてしまうとできやすい体質になることも知られている。
男性ならいざとなれば立ちションという強硬手段を安易に平気でやってしまうが、女性にはそれも社会的制約でやりにくい。かつては日本の農村女性は器用に立ちションをやっていたらしいが、今や衆人環視の公共の場で赤子に母乳を含ませる有り触れた動作すらやりにくい空気が現代にある。ましてや物陰に隠れてスカートやズボンをずり下げて用をたすなど・・。
これはふざけた論ではない。現実に女性の方が多く発症している以上、便器の問題は深刻なのである。



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井口昇監督作「キネマ純情」、ついに5月21日の第七藝術劇場(大阪十三)にて公開! ノーメイクスの舞台挨拶あり!
キス寸前シーン多数の予告編も
映画『キネマ純情』が、3月12日から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。
同作は、ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』や映画『片腕マシンガール』などの井口昇が監督を務めた作品。自主映画に出演することになった演劇部の女子高生たちが、サディスティックな監督のナオミに精神的に追い詰められ、やがて彼女たちの関係にひずみが生じていく、というあらすじだ。女性同士のキスシーンが数多く登場する「青春百合映画」になっているという。(CINRA Net)
【雑感】CINRA Netの記事にあるように、東京では既に3月から上映が始まっている。また主演を務めるアイドル女優ユニット「ノーメイクス」も積極的に都内各地でライブを展開している。
私はたまたま1年ほど前にノーメイクスのメンバーの洪潤梨氏(ホン・ユニ)のTweetを見かけノーメイクスの存在を知った。井口昇監督の作品はB級映画ファンゆえに以前からよく観ていたし、洪氏が大阪出身という親近感もあり、注目し続けていた。ノーメイクスの面々を見ていると、各々が際立った得意分野を持っていて個性が強い。井口監督がプロデュースなので、最初から垢抜けして全員同じ顔に見えてしまうようなアイドルユニットなんかつくるはずがない。
大手の映画会社や出版社やテレビ局などが提携して映画作りをするのとは違い、これこそB級の醍醐味と思える経緯が面白い。
映画ファンの諸兄の中には作品が全てで、完成するまでの経緯は知ったことではないと嘯く者もいるしそれは否定しない。だが、映画は作品以外からも価値を求める事が可能な分野なのだ。でなければ最低映画監督エド・ウッドが脚光を浴び、ジョニー・デップ氏が主演の伝記映画まで作られる現象をどう説明する?
工業製品は製品にしか価値が求められないが、藝術というのは作品以外のところからも楽しめ、作品から幾つも物語が派生して楽しむ事ができるから面白いのである。
作中の舞台も自主映画だ。もしかしたら、高校時代に関わった自主映画を思い出させる要素もあるかもしれないので、観る前からワクワクしている。
大阪での上映は関西圏の映画マニアの本山の一つといえる第七藝術劇場で行われる。大阪十三の歓楽街の中にある映画館だ。風俗関係の店も立っているので、初めて行く若い婦女子には抵抗があるかもしれない。
第七藝術劇場はポルノ映画の古典から政治的映画まで幅広く上映する気骨の映画館、そこで井口監督作・ノーメイクス主演の「キネマ純情」が封切られるのは当然の成り行きかもしれない。
5月21日(土)20時30分から。井口監督とノーメイクスの面々による舞台挨拶とサイン会が行われる予定!
詳しくは下記のサイトへ
↓
第七藝術劇場ホームページ



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石破氏が「防災省」設置を提言しているようだ。設置は良いのだが、徒に大臣ポストを増やすだけに終わりそうな気配を感じる。 近頃の現象[一二五〇]
石破地方創生相「『防災省』の議論を」
石破茂地方創生担当相は21日の石破派の総会で、熊本地震の被害の広がりを踏まえ、「防災省」など大災害に対応する常設の行政機関が必要であるとの認識を重ねて示した。「もう一度、防災省を作るという議論はしてみてもよいのではないか。専任の大臣を置くという形はどうなのだろうか」と述べた。(産経新聞)
【雑感】日本は火山列島で地震銀座だから、反原発派市民はそんな地域に世界で最も原発が密集しているのは亡国であると同時に世界70億人民に対しても脅威であり大迷惑であると主張している。
だから防災専門の省庁を置くことは意義のあることだし、日頃から危機管理云々を主張するタカ派の石破茂氏らしい提案だと思う。
ただ、専門省庁を設置するのはいいとしても、有事の際に機能するのかどうか問題だ。大昔から油断すると官僚組織は膨れ上がり、無駄な組織が増えていくというのは指摘されてきた。だから内閣法などで国務大臣の数の上限が設定されているのだが・・。(余談1)大臣の数を減らすべく任務が被っている省庁を再編するといった改革が2001年に断行されたはずだ。
だが、再編したのは良いが特命担当大臣が増えたような印象を持ってしまう。
普通に考えたら、防災省が設置されると、有事の際は内閣総理大臣が本部長となり防災相は防災対応のスペシャリストとして事務総長役を務め、強力な権限で自衛隊や消防や警察を指揮命令するのが効率よさそうなのだが。ホントにそんな風になるのだろうか?
有事になって、居ても居なくても変わりないような存在だったら、無駄に大臣やスタッフの莫大な人件費を垂れ流すだけになる。
(余談1)たしか通常は14人を限度としていた。ただ、不測の事態に対応するためそれにプラス3名を入れて17人までOKになっている。さらに特別法によって上限は緩和される事があるので、事実上14人枠はあって無いようなもの。



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熊本震災、明日は我が身だから支援しよう! 近頃の現象[一二四九]
全小中高校臨時休校、
役所のコンピューター故障
人口約74万人の政令市・熊本市は18日、本震後初めての平日を迎えるが、市民生活はまひが続く。公立学校は20日まで臨時休校。社会保障と税金関連のホストコンピューターも故障しており、影響が長引きそうだ。また、熊本地裁は地裁と熊本簡裁で18、19両日に予定していたすべての裁判の期日を取り消し、延期すると発表した。(西日本新聞)
【雑感】既に複数の募金窓口が設置されている。協力しやすい窓口に送金する事を勧める。直ちに協力するため、簡単で早くできる方法をとるべきだ。
私はauのユーザーなので、KDDIの「キボウのカケハシ」にする。
さて、修理に出してもPCの調子はイマイチなのだが、取り敢えずブログを再開する。
再開後初の記事が熊本震災の話題だ。第一報は少し大きな地震があった程度の印象だったが、詳細が判るにつれて阪神淡路大震災なみの地震のようだ。地震規模も同じくらいだ。中層部分がひしゃげた高層ビルや1階部分が潰れた2階建てアパートなどを映したニュース映像を見ていると、あの時の神戸を思い出す。
関西には地震の影響は殆どないが、ただ九州からの出稼ぎが多いので職場の派遣従業員に九州出身者が少なからずいる。同じ現場の人間にも熊本出身者がいて暫く帰省するそうだから、定員割れの状態で繁忙期を迎える羽目となる。
被害者数が阪神淡路ほどではなかったのは、やはり阪神ほど人口が密集していなかった事と、火災が広がらなかった事、これらが幸いした。
熊本市には30年前にチャリンコで走ったことがある。当時は政令市ではなかったが熊本城を中心とした大都会といった雰囲気、しかし市街地を1歩出ると田畑が広がる。阪神のように神戸・芦屋・西宮・尼崎・大阪と隙間なく人口密集地域が連なる大都市だったら被害はもっと増えていた。
また神戸の時は火災が発生して、水道管の分断で消火活動もできず、家屋の下敷きになった被害者は逃げられなかった。
熊本には学生時代の同期の学友が複数名いる。チャリンコ旅行の時は学友の実家でお世話になった思い出がある。
こういうシチュエーションになると、両極端の否定的意見を耳にする。
綺麗事大好き人間の中の思慮の浅い者は「縁が有るとか無いとか、そんなもん関係ない! 困っている人がいれば助けるべきや」とくる。
綺麗事大嫌い人間の中の思慮の浅い者はシンブルに「偽善や」とくる。近頃ではそれに加えて「在日か?」というのも増えている。
灰色を楽しむ保守系の私にはゲンナリする言葉だ。「困っている人がいれば助けるべき」は正論だが、持てる銭は有限でしかも少ない。だからどこかで線引きする他ない。
かつて友人の義理で市民運動にかかわった時、多くの人たちから突然の募金を求められた。最初は気前よく出していたら月給の大半が募金で消え生活費に苦慮する羽目となった。銭を募る側は僅か数百円から2千円程度を求めているだけだが、同じように募金を求める人たちは世間に大勢いる事を忘れてはならない。すべての募金に応じていたら銭が幾らあっても足りる事は無い。銭を募る側とて、世界中の募金に応じている訳ではあるまい。
だから私は縁が有るか無いかを線引きの基準にする。熊本は友人の故郷なので募金に協力する。
「綺麗事」だとか「在日」というのも奇怪至極だ。阪神大震災の時はその綺麗事で大勢の被災者が救われたのか知らんのか? 東日本大震災の時も世界中の善意に救われた面が多々ある。困った時は助け合い、明日は我が身なのだ。
私は偽善で協力はしない。いずれ自分が善意の世話になる事があるかもしれないから協力する。ある意味、我が身の為だ。
「在日」というのもよく解らない。ボランティアする人たちが在日なら、在日外国人たちはみんな奇特な人格者ばかりという事なのか? 別にそれでも構わないが。
どうも自分の価値観と違う者や安倍総理に反抗する者を見かけると反射的に「在日」と呼ぶ癖がついてしまっているようだが、思慮の浅さ度合いは前者の純粋まっすぐ君と変わりは無い。
繰り返し述べるが、既に多くの義援金窓口が設置されている。よく判らん人はNTTや赤い羽根や赤十字などを利用すればいい。そのうち郵便局でも窓口が設置されるだろう。簡単な作業から始めたら良いのだ。



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