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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

良くも悪くも「土人」が独り歩きする。改めて述べよう、機動隊員が何故「土人」と言ってはいけないのか。 近頃の現象[一二六三]

差別発言に抗議 
沖縄県議会、機動隊撤退要求へ


 米軍北部訓練場のヘリパッド建設の抗議現場で、県外機動隊員が「土人」「シナ人」などと発言したことを受け、県議会の与党3会派は発言に対する抗議と共に、機動隊の撤収を求める決議を提案する方針を決めた。委員会での審議を経て、早ければ28日の臨時会での採決を視野に入れている。県議会は与党が過半数を占めているため、野党や中立が反対に回ったとしても、賛成多数で可決される公算が大きい。(琉球新報)

【雑感】私は「表現の自由」の真理教信徒のようなものなので、たとえ差別語やヘイトであっても弾圧してはならない考え方の持ち主である。
 今回の場合も「土人」の単語が独り歩きして本質から外れていく危惧があるし既にそうなっている。

 では晴雨堂は機動隊員の罵り言葉「土人」を肯定するのかとの批難を受けるのだが、公僕たる警官の姿勢としては肯定するつもりはない。

 では何がいけないのか? 
 ネット上ではデモ隊の挑発に対する買い言葉だと警官を擁護する声に対して、デモ支持派は「お前は現場を見てきたのか? 確認してきたのか」とたたみ込む光景が見受けられる。
 私はデモ側からの「売り言葉」は無かったと言い切るのも無理があると思っている。というのも、私自身も若い頃に左派系の反戦デモに何度か参加した事がある。概ねは行儀よく市中をねり歩いてはいるが一部では警官に対して罵声を浴びせる者も必ず存在していた。「権力の犬」なんかはよく耳にした。
 特に今回の基地反対デモの場合は舞台が建設予定地でありデモ側も怒りの対象を間近に臨んでの抗議活動ゆえ、冷静に紳士的に穏やかに政府側に対して問題点を具申なんて悠長な姿勢ではおれない。怒りの感情を爆発させて罵りの言葉ぐらいは出るのが自然だ。

 諸外国のデモに見受けられるような暴徒化して焼き討ち騒ぎにならない限り、お互いが罵り合うのも私はアリだと思っている。問題の機動隊員も「アホ」「ボケ」「カス」「死ね」ぐらいの罵り言葉はOKだ。関西人では常套句である。

 さて、ここからが問題点の指摘である。
 くだんの機動隊員は「アホ・ボケ・カス・死ね」ではなく何故「土人」なんて単語を罵りに用いたのかという事だ。普通「土人」なんて単語はあまり使わない。また使ったとしても、言われた側は怪訝に思うだけで精神的な痛痒は感じない。下手をしたら唐突に「土人」という単語を使う者が周囲から「こいつ大丈夫か」と思われるかもしれない。
 「土人」という単語を使ったという事は、使う人間が相手に対して抱いているイメージだから、そして相手が精神的に苦痛を感じる言葉であろう事を認識しているからに他ならない。

 つまり、権力側も沖縄を心の底では自国領土とは思っても「日本」とは思っていないし、沖縄県民を日本人扱いしていないのだ。
 だから保守の論理から見てもたとえ相手が反権力・反体制であっても「土人」を口にしてはいかんのだ。体制側の沖縄県民が見たらどう思うか? 相手がうざいデモ隊だから沖縄に対する本音が出てしまったととる。「土人」と吐いた輩は大阪から応援に派遣された機動隊員だ。大都市圏の人間、あるいはヤマトの人間の沖縄人全員に対する本音を見てしまった瞬間である。

 差別云々も大事だが、差別問題を口にすると体制側と反体制側は平行線が延々続くだけだ。だから私は保守の理屈で述べる。体制権力にとっても国境線を抱える地方を粗末に扱っていると勘繰られるような言動は厳しく封じるべきだ。
 体制側もネトウヨも愛国を主張する割に日本を愛していないのではないのか? 


 
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新潟県知事選に思う。これからが本当の戦の始まりだ。原発推進派は必死になって反撃してくるぞ。 近頃の現象[一二六二]

新潟知事選敗北に自民県連衝撃 
戦術見直し不可避、公明も危惧


 16日に投開票された知事選で、国政与党の自民、公明両党の推薦を受けた前長岡市長の森民夫氏(67)は共産、自由、社民の3野党が推す医師の米山隆一氏(49)に約6万3千票差を付けられて落選した。公認候補が僅差で敗れた7月の参院選新潟選挙区に続く連敗となり、自民党県連にはショックが広がっている。安倍晋三首相が来年1月に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が強まる中、選挙戦術だけでなく組織の在りようも見直しが迫られている。(産経新聞)

【雑感】自民党はあまりにも露骨が過ぎたな。原発再稼働に難色を示す泉田裕彦氏が突然出馬を止めてしまったら、なにか圧力があるのではと新潟県の主権者たる県民たちが勘繰るし、反原発派の共産・社民などがそれを煽らないはずがない。
 自民党は安定多数の大与党になってから、尊大になり左派勢力を見くびるようになったのではないか? 国会勢力全体から見れば共産党と社民党はもはやカルト勢力だ。それに安心して宣撫工作が雑になっているような感がある。左派勢力が得意とする草の根運動に対して、自民党はドブ板が得意だったはずだ。それをいい加減にしたのではないか?

 一方、反原発勢力も今回の勝利に安心してはならない。もちろん安心している者などいないと思うが、選挙戦は重労働ゆえ多くの支援者たちが「日常」へ帰っていく。また比較的シンプルな利害関係でまとまっている自民党と違って、反原発勢力は理念の集合体なので、言い換えれば精神的利害ゆえに対立が起きやすい。私自身が若い頃に楽屋裏で体験したのだが、僅かな違いが我慢できない御仁が多いのだ。

 選挙後のある市民派議員の事務所で発生した事例を挙げよう。多少デフォルメした表現を用いるが実際に私が目にした事実の範疇にある出来事だ。
 選挙が終わって喜びの余韻に浸りながら支援者の多くは「日常」に戻っていったが、コアな市民運動家たちは事務所に出入りする「常連客」として残った。
 あるフェミニストの女性は無頓着に安い合成洗剤で飲んだ後の食器を洗う。それを観たエコロジストの女性は烈火の如く怒って注意する。逆にエコロジストの女性は当たり前のように来客者に茶菓を給仕する。それを観たフェミニストは憤然と糾弾を始める。やがてフェミニストとエコロジストが険悪な関係になっていったのは言うまでもない。

 さて話は新潟県政に戻る。次期知事に決まった米山隆一氏は、前述の某市議とは比べ物にならない大きな舞台で様々な勢力の利害関係の狭間での格闘を強いられる。
 並の采配ではまず国家権力を背景にした原発推進派と闘う前に支援者同士の内輪もめに忙殺されるリスクがある。かつて左派市民からリベラル勢力までの支持を集めて都知事になった青島幸男氏は都市博を止めるという大鉈を振るったまでは良かったが、それ以上は左派市民の要望には応えられず、やがてかつて支援してくれた勢力からの批難を浴びることになった。
 二期目の当選も確実と言われた青島氏は出馬を取りやめ、代わりに都知事になったのが左派市民たちが忌み嫌う石原慎太郎氏である。

 つまり何を言いたいのかというと、今後も反原発県政を維持したいのなら支援者たちは米山氏に多くを求めず、反原発一点のみ死守、他の政策は凡庸愚策でも甘受するよう努める事だ。
 今後、自民党や公明党などは鉄の組織と団結力と銭の力を振り絞って巻き返しを図る。次の戦は徹底的に丁寧なドブ板選挙工作で勝つ戦を仕掛け、米山県政の僅かなミスをも捉えて失政を喧伝するはずだ。そして支援者や支持者の離反を煽り知事を孤立させようと画策する。

 私は保守だが、原発に関しては反原発だ。これからが本当の戦のスタートラインである。米山氏には是非とも善戦してほしい。


 
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長谷川秀夫教授の故人や遺族へのパワハラについて思う。 近頃の現象[一二六一]

長谷川秀夫氏は日本支配層の典型的感覚だ。

月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。(武蔵野大学教授長谷川秀夫

【雑感】電通社員高橋まつり氏が残業時間を非常識に超える労働を強いられた結果自殺し、遅まきながら過労認定(亡くなられてから認定しても遅いのだが、やらんよりマシ)したニュースが踊っている。
 意外に思ったのは、大企業であればあるほど正社員への福利厚生が行き届いていると思われ、過酷な労働は非正規に回される感覚があるのだが、あの天下の電通がブラックな経営をやっていたとは驚きだった。
 そして案の定というべきか、故人を批判する勘違い野郎が現れた。彼の文章は参照のため上記にあげた。きっと電通の経営陣も似たような考え方だろう。

 長谷川秀夫氏のコメントで問題なのは、まず労基違反を称揚しているともとれる発言だ。批判すべきは高橋まつり氏の雇用主である電通である。
 次に勘違いしているのは起業家と従業員の違いだ。起業家は好きで仕事をやっているが、従業員に契約外の仕事をやる責務は無い。むしろ契約外の仕事を強要すれば訴える権利がある。労基違反の契約は無効だ。

 そして「プロ意識」を問題にしているが、プロであれば限られた時間内環境内で仕事が回るようマネジメントする責務が経営陣にあるのだが、仕事を増やすだけ増やして労基違反を放置し続けた経営陣にプロ意識は無い。やがては社員は疲弊するし高橋まつり氏のような犠牲者は現れる。あからさまな労基違反が発覚すれば会社全体にペナルティが課せられる。訴訟リスクというものを見くびる経営陣、しかも訴訟リスクと対峙する事が多い広告や言論のプロのはずではないのか。
 プロ意識欠如を批難すべきは高橋まつり氏ではなく電通の方である。仕事を増やすだけならアホでもできる。


 そして長谷川氏のコメントで滑稽だったのは、問題となった上記コメントを削除して陳謝したらしい。パワハラ人間の典型的な姑息で卑怯な習性である。
 私のような低所得の工場労働者と違い、長谷川氏は大学教授ゆえプロの言論人と見なしても差し支えない。そのプロの言論人が信念をもってコメントしたものを炎上したからといってすぐに引っ込めて謝罪するとはなんたる情けなさよ。
 たかが炎上くらいで及び腰にならず、プロ意識と信念をもって職をかけ命をかけて世論と闘わんかい! 

 私の経験上、パワハラする輩の殆どは歯向かってこない人間には調子に乗ってハラスメントをやるが、いざ自分の身に降りかかると頬かむりだ。
 こういう輩こそ、吊るし上げにして亡くなられた高橋まつり氏がどんな気持ちだったのかを疑似体験させ学んでいただく責務があると思うが、いかがか。


 
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