「スタートレック」のMr加藤ことジョージ・タケイ氏(George Takei)にもセクハラ疑惑? 彼の日頃の言動からは信じられないのだが・・。 近頃の現象[一二八四]

ジョージ・タケイ氏のセクハラ疑惑を報じるシネマトゥデイのtweet。
【雑感】信じ難い話である。
当ブログの長い読者諸氏なら御存知のように、私は「トレッキー」である。小学生の頃から「宇宙大作戦」のファンであり、ブリッジで勤務するレギュラーの中で唯一の東洋人Mr加藤ことジョージ・タケイ氏に親近感を抱いていた。顔の雰囲気が若干似ているので、コスプレではMr.加藤に扮したこともあった。(余談1)
このドラマ「宇宙大作戦(スタートレック)」はアメリカの科学者や技術者にとってバイブルのような金字塔TVドラマであるだけでなく、アメリカの進歩的な階層に絶大な影響を与えている。
ファンなら説明の必要はないと思う。20世紀世界から400年後の未来、5年間の調査飛行に飛び立った宇宙船エンタープライズ号に乗り組む船長以下乗組員が遭遇する事件や人間模様を描いた秀作だ。
取り分け画期的だったのは登場人物である。主人公ジェームス・T・カーク船長こそ金髪碧眼系のアメリカンヒーロー的な人物なのだが、脇を固めるレギュラー出演者には人種的マイノリティを起用している。というのも、未来のアメリカは人種的偏見が克服されて様々な人種や民族が中枢に起用されている社会であるはずだとの制作者の判断がはたらいているのだ。
奇しくもスタートレックのキャスティングは、放送開始から四半世紀後のアメリカ社会を表現したことになる。
通信将校ウラ中尉(原版はウフーラ大尉)にアフリカ系女優のニシェル・ニコルズ氏が務めた。それまでのアフリカ系女優が演じる役柄といえば「風と共に去りぬ」に代表されるようにメイドや召使や農婦役ばかりだった。それがいわゆるキャリアウーマンの役として登場するのだ。召使ではない、キャリアを持った士官の役として、しかもレギュラーとして出演したのだ。
NASAのアフリカ系技術者や宇宙飛行士、取り分けその女性たちは全員このウフーラ大尉に憧れて科学技術の道に入ったと言い切っても過言ではない。
ジョージ・タケイ氏も航海士を務めるMr加藤(原版はヒカル・スルー大尉)に扮した。カーク船長とスポック副長とチャーリィ技術主任(原版はスコッティ少佐)が不在の場合は艦の指揮をとる上級士官である。当然、実際のアメリカではアジア系はアフリカ系と同様に冷遇されていた。
ジョージ・タケイ氏はセクシャルマイノリティで長年社会の公的圧力に苦しめられていた。かなり年輩になって長年の同性パートナーと同性婚に踏み切ったが、その際には共演者であり長年の親友でもあるウフーラ役のニシェル・ニコルズ氏からの力強い後押しがあった事は有名な話だ。

ジョージ・タケイ氏本人のtweet。
自分の生き方に反する行為をするはずが無いと身の潔白を訴えている。
なので私は俄かには信じがたい。
スタートレックにこんなエピソードがある。タイトルは「宇宙軍法会議(Court Martial)」主人公カーク船長が部下を殺害した容疑で軍法会議にかけられる。
軍法会議のシーンで、ややこしい人物相関なのだが、カークの元恋人の女性弁護士が検察官に任命され、忠実に職務をこなしカークを弁護する証人たちを次々と論破していく。これを観たとき、アメリカ社会の合理性に感動した。私情を殺して仕事をするのだ。
有能な検察に対し、弁護をするカークの副官Mrスポック「彼の今までの言動を考えると、このような犯行を行うのはあり得ない」と意見する。
検察官は「彼はカークと親しいゆえの発言」と批判。
それに対してスポックは「バルカン人は感情を入れない。論理的に考えて彼が犯罪を行う事はあり得ない」と反論。ところが検察官はすかさず「それは意見ですね」と突っ込まれスポックは「はい」と言うしかなくなった。
犯行を否定する証拠ではなく、あくまでカークの行動から類推できる意見でしかない、それを強弁で無理な反論を並べることなく事実である以上は認めてしまう。
私は一介のファンに過ぎない。しかもアメリカから見て外国に住んでいる。ジョージ・タケイ氏とは会った事もない。だから「彼の今までの言動から見ると考えられない」と意見しても、スポックの言葉ほどに説得力が無いのは判っている。
しかし、歌手のマイケル・ジャクソン氏の児童虐待疑惑がでっち上げではないかという話が後から出てきたように、現段階ではなんともいえない。
私はジョージ・タケイ氏を信じたい。
(余談1)グッズ売り場ではカーク船長用やスポック用の衣服しか売っていないので、カーク船長用を購入して腕章を三本線から一本線に加工した。



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久々に登場、晴雨堂のハンバーグ。私は連れ合いの誕生日にハンバーグを作らされる。 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[二一三]

成形したハンバーグ。今年は5個つくった。
【雑感】さて、以前にもブログで書いたように、連れ合いの誕生日である10月25日は毎年私がハンバーグを作ることになっている。久しぶりに記事にアップするとしよう。
写真では色合いが悪いが、実物は鮮やかなピンク色だ。
私がつくる場合、いつもは豚と鶏の挽肉を合わせてこねるのだが、今年は牛豚合挽に同量の鶏挽肉を混ぜた。牛・豚・鶏の配合はおそらく1・1・2だろう。
我が家は鶏肉をよく使うが、鶏だけでハンバーグを作ったらツクネの巨大版でしかない。豚だけだと脂っこすぎる。牛にハンバーグはくどい。
挽肉には大量にナツメグを入れる。理由は簡単、私は肉の獣臭が嫌いだからだ。幼児の頃から肉が大嫌いだったが、肉料理の認識を変えたのが中国の焼売と餃子だ。肉独特の臭みがなかったので抵抗なく食べる事ができた。
香草などで臭みをとる知識を得た私は、自分で肉料理を作るときは徹底的に下ごしらえをして臭みをとる。
今回の場合はナツメグを大量に入れ、挽肉全体が爽やかな芳香で満たされるまでこねまくる。隠し味に濃く口醤油を少量混ぜた。

上記写真は焼きあがったハンバーグ。我が家では鉄のフライパンで焼く。流行りの化学的にコーティングされたフライパンは使わない。鉄は手入れが面倒だが調理しているうちにフライパンの鉄分が微量ながら食材に移って健康に良さそうだからだ。
写真では写し方が悪いのか黒く焼け焦げているようにみえるが実際はそうでもない。ただ、焼き具合は失敗しているのでこれは私が食べる分だ。もちろん連れ合いや息子には綺麗に焼きあがったハンバーグを提供した。

付け合わせはブロッコリーの塩ゆで、ソースはポン酢と胡麻油とブロッコリーの芽を合わせ舞茸の炒め物を加えたものするが、息子はケチャップやマヨネーズをかけた。
連れ合いは「初めて私のために作ってくれたのが一番美味かった。今のはなんか薬臭い」と文句を言う。息子は素直に美味いといい、翌日の保育園では先生たちに宣伝して回った。おかげで息子を迎えに行ったとき、先生たちの間で私は優しい夫との評判が上がっていた。実際は連れ合いに作らされているだけなのだが。

さて、ハンバーグのお供はやはりビールである。この日はドイツ・ラインラント地方の名産ビットブルガーをドイツ製陶器のジョッキで飲む。
ハンバーグはもともと蒙古の料理だが現在の形にしたのはドイツのハンブルグ、なのでハンブルグの名に因んでハンバーグという名の料理になった。その「ドイツ料理」を食べる時に飲むビールはドイツのビールでなければならない。
ビットブルガーはドイツ国内でも知られたビールで、製造会社の創業は1817年、13世紀や15世紀からの老舗が少なくない中では比較的新しい会社だ。そしてドイツ国内で初めてピルスナーと銘打って売り出されたビールでもある。(余談1)
(余談1)現在、世界で流通しているビールの殆どがこのタイプである。因みにピルスナー発祥の地はチェコのピルゼンで1842年に生まれた。それ以前のビールは褐色や赤銅色または焦げ茶色といったものばかりだったが、透明で鮮やかなシャンパンゴールドのような色合いは人々を驚かせた。
ビットブルガーがピルスナーを作るようになったのは1880年代に入ってから。



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