「ちいさな独裁者(DER HAUPTMANN)」日本語版予告編拡散!
【雑感】待望の「ちいさな独裁者 DER HAUPTMANN」日本語版予告編が11月中旬頃から拡散され始めた。日本語版ホームページも設置されたようである。
日本語版を観るとドイツ語版との感性の違いが多少でている。
前回の記事で紹介したTrailerを参照していただければ判るように、ドイツ語版では将校服を着た脱走兵が無邪気に歌ったり演説したりと独り芝居を楽しむ場面に時間を割いたり、兵卒たちが次々と自分に敬礼することに最初は戸惑うものの次第に将校らしい立ち振る舞いが板について権力を振るいまくり、 大量虐殺を命じるほどエスカレート、最後は「部下たち」と街の遊女と酒池肉林の乱痴気騒ぎがスタンダードタイプである。英語版もドイツ語版を踏襲した作りだ。
ところが日本語版では、いつバレるだろうか、バレるかもしれない、という空軍大尉に成り済ました脱走上等兵のヒヤヒヤ感を強調した作りになっている。それどころか、ドイツ語版・英語版のTrailerでは必ずと言っていいほど紹介されている収容所の脱走容疑兵をクリークに集めて機関銃で虐殺する場面は割愛されている。この大量虐殺は戸惑う収容所幹部に主人公ヘロルトが強固に出した命令だ。他にも「容疑者」を裸にして街頭で処刑したり、従順な従卒に射殺を命じたりと他の大量虐殺場面の大半を割愛しているのが大きな特徴だ。
日本語版はかなりマイルドな内容に編集されている。
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ドイツ映画「ちいさな独裁者」2019年2月8日日本公開!



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第2427回「あなたの好きな発酵食品は何ですか?」 もちろん、晴雨堂ミカエルの答えはビールに決まっているではないか。
こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の結城です今日のテーマは「あなたの好きな発酵食品は何ですか?」です2013年に日本の「和食」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されてから、近年改めて、発酵食品の素晴らしさが見直されていますね味噌や醤油、納豆など、発酵食品ブームも巻き起こりました最近は自分で自家製甘酒を週末に作って、朝の起き抜けに飲むことにはまっているんです朝のエネルギー、甘酒大好きです みな...
FC2 トラックバックテーマ:「あなたの好きな発酵食品は何ですか?」
【雑感】納豆以外の発酵食品はあらかた好きである。



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原爆きのこ雲Tシャツ問題。もしBTSが許されるのであれば、パレスチナ人はエルサレムでSSの扮装して良いのか? そんな馬鹿なことはない! 近頃の現象[一二八七]
米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は11日、原爆のきのこ雲がプリントされたTシャツを過去に着用したことで日本のテレビ出演が中止になった韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」が、過去にナチス親衛隊(SS)の記章をあしらった帽子をかぶったり、コンサートでナチスを想起させる旗を掲げたりしていたとして非難した。
同センターのエーブラハム・クーパー副所長は「原爆被害者をあざけるTシャツの着用は、過去をあざけるこのグループの最新の事例にすぎない」と指摘。「BTSは日本の人々とナチスの被害者に謝罪すべきだ」と強調した。(共同通信)
【雑感】欅坂がハロウィンでナチス風の衣装を着た時、私は本来のハロウィンのコスプレ趣旨を考えたら妥当であると擁護した。というのも、悪霊に絡まれないために子供は悪霊の振りをするので、いわばナチス風は忌むべき悪霊扱いなのである。映画「ミケランジェロの暗号」で若いユダヤ人画商が生命の危機を乗り切るためナチス将校の振りをする場面と同様の理屈だ。
敢えて個人的見解を申せば、BTSもナチス風セットでライブしたことがあるが批判はしないし、原爆Tシャツも不愉快ではあるが着るなとは言わん。
ただ、擁護論と合わせてなぜナチス風衣装が忌むべきものであるかも理解しているし、そういった批判が生じるのも無理からぬことであるのも承知している。なので批判行為を否定するつもりはない。
ナチス親衛隊の制服は非常に格好が良い。これはナチスファッションを称賛しているのではなく、画家志望でデザインに明るいヒトラーをはじめナチス指導者たちが大衆の憧れを煽るため綿密に計算されデザインされた制服なのでカッコいいと思ってしまうのは至極当然なのである。だからこそ、ナチズム復活を恐れるヨーロッパではお洒落で着るのもレッドカードなのだ。決して被害者の気持ちを酌んでといった感傷的な理由だけではない。
そしてヘビメタなど、悪や毒を強調するサブカルチャーではナチス風が好まれるのもある意味自然の摂理だ。やや左寄りのリベラル志向のYMOの面々でも1983年散開ライブでナチス風ともとれる衣装と舞台で演奏して、BTSや欅坂ほどではないにしてもバッシングを受けた。(余談1)
もう一度言うが、ナチス風衣装に警戒するのは感情論だけではない。元々大衆からの憧憬を得るためにデザインされた制服ゆえカッコいいと思ってしまうのは当然で、だからこそ危うさをはらんでいるから目くじらを立てる。
なのでナチス風を否定する人々は、欅坂だろうがBTSだろうが等しくバッシングの対象としなければいかんのだ。たとえ日帝の被害国韓国出身のアイドルであってもだ。
欅坂へのバッシングの時に気になっていたのだが、もし韓流アイドルがナチス風衣装を着たら同様に「注意」や「批判」ができるのか?と気がかりだったのだが、現状は極めて残念である。そして右派系にその問題を突っ込まれている状態だ。
もし、韓国出身のアイドルがナチスの制服を着用するのがOKならば、パレスチナ人が堂々とエルサレムでナチス親衛隊制服を着ても許されるというのか?
残念な言動の代表例を挙げよう。
津田大介氏
「BTS問題、Tシャツの趣味が良くないことは自明。あれ見た多くの日本人が怒るのも当然。しかし、それだけ原爆被害に対する思いがあるなら、ICANの取り組みを評価し、核兵器禁止条約に署名するよう現政権に物申し、広島や長崎の原水爆禁止運動を揶揄するようなことはやめて下さい。こちらからは以上です」
津田氏の見解と論は左派やリベラルの典型的な論調といえる。韓流アイドルを批判し辛い、渋々趣味の悪さを指摘するに留まり、なんとか批判の矛先を当事者BTSから逸らしてあげたい意思が丸見えである。もっとも、BTSへの批判を積極的に繰り出しているのが右派やネトウヨなので気持ちは解るが。
ただ、せめて「あのTシャツは確かに許されないし怒りを感じるが」と述べてから擁護論に入ってもらいたかった。「趣味が悪い」レベルに留めては欅坂ナチス風コスプレ批判との整合性は無い。彼の主義主張なら趣味の問題では済ませられないはずだ。
シュナムル氏
「普遍的な悪であるホロコーストや南京虐殺と比べると、原爆投下は正当化の材料を遥かに豊富に持っていて、それらにきちんと向き合って原爆非難の論理を組み立てるのは簡単じゃない。ましてや日本の侵略を擁護し南京虐殺を否認したりする口で原爆を非難しても、そんな倫理に微塵も普遍性はない」
津田氏の場合はまだ気持ちは解るのだが、このシュナムル氏に至っては「お前、大丈夫か?」と言いたくなってくる。後半の「日本の侵略を擁護し (中略) たりする口で原爆を批難しても、そんな倫理に微塵も普遍性はない」という理屈は判る。BTS批判を積極的にしている人々の多くにネトウヨと呼ばれてそうな人たちだから。
ただ、シュナムル氏は反核論者だったのではなかったのか? その口で日本を攻撃した核兵器の正当性は「豊富に」認めてしまうのか? 津田氏の 「趣味」の問題にすり替えた詭弁どころのレベルではない。破廉恥な支離滅裂さである。
また、こんな無茶苦茶な論を平気で展開し、注意や批判をする人たちに強弁を繰り返す人間にTwitterで1万人以上もフォロワーがついていることも奇怪である。
彼の主義主張を信用してフォロワーになった人たちには、せめて「BTSを弁護するあまりに勇み足の暴論をぶってしまいました。撤回します。すみません」と陳謝した方がいいと思う。
今のままでは、彼の論からは崇高な主義主張は見えてこない。日本憎し、ヲタク憎しの感情しか伝わってこない。
(余談1)83年暮れの散開コンサートではYMOの面々は演台をイメージしたセットで演奏し、周囲は黒のナチス風衣装を着用した白人モデルが親衛隊の如く侍り、舞台は赤を基調としとしたナチス風の旗を縦に垂らしていた。明らかにナチ党大会をイメージした構成である。
しかし当時はバッシングがあったとはいえ、現在の欅坂やBTSほどではなかった。左派やリベラルが非常に元気であった83年と違い現代ではファシズムの復活傾向にあるので焦りなのだろうか?
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ドイツ映画「ちいさな独裁者」2019年2月8日日本公開!
いよいよ来春2月8日日本公開!
「きみがぼくを見つけた日」などで名高いロベルト・シュヴェンケ監督が放つ問題作。
実際に終戦間際に起こった事件がベースになっているらしいが、今のところ私はその事件を確認できていない。御存知の方がいらっしゃったら史実の詳細を教えてほしい。(追記参照)
舞台は1945年4月というから、記事には大戦末期と書かれていることが多いがむしろ敗戦前夜か敗戦直前と表現した方がいいだろう。
主人公はヘロルトという20歳くらいの若い脱走兵、劣悪な環境にいたのか軍靴は靴底が剥がれかけていて軍服は汚く衛生状態も悪そう。襟には白っぽい四角のベース(モノクロ映像なので白く見えるが、カラーだと金をイメージした黄色)に羽を広げた鳥をイメージした階級章、左の袖章にはVの字の徽章があることから空軍上等兵であることがわかる。左胸にも空軍白兵戦章や従軍章をつけているので若いといっても古参の部類の兵卒だ。
彼は必死に逃げる。それを陸軍大尉と思われる将校が乗る車に追い掛け回される。逃げるヘロルトに向けて何度も射撃するが当たらない、おそらくわざと外して弄んでいるのだろう。ところが将校が遊んでいるおかげで辛くも追っ手をまき逃げ切る。
厳寒の森林をあてもなく逃げていくと、爆撃にあったのかゲリラに襲撃されたのか一台の遺棄された自動車を見つける。中を物色すると後部座席にトランクがあり開けてみると真新しい空軍将校の制服があった。襟と肩の階級章は大尉。
最初は寒さから将校用コートを羽織るだけだったが、けっきょく制服をはじめシャツやブーツも拝借してまう。サイドミラーに映るし空軍将校姿の自分に見とれたり将校になった気分で原野に向かって台詞を吐いたりと独り遊びをする。
そこへ自分の親ほどの歳が離れていそうな空軍の古参兵がやってきてヘロルトを空軍大尉と思い込み敬礼する。
ここからヘロルトの大芝居が展開していく。最初に出会った古参兵を自分の忠実な従卒に仕立て、行く先々でで出会った兵士たちを自分の兵士に仕立て、収容所のナチス幹部までも部下として取り込む。
彼の行動は次第にエスカレートし、ヒトラーを彷彿させる弁舌で親衛隊のような自警団の指揮官として虐殺を行っていく。
という物語である。邦題は意訳の「ちいさな独裁者」、原題は「DER HAUPTMANN」、日本語で「大尉」である。英題も直訳の「The Captain」。ヘロルトが成り済ました空軍大尉からタイトルがつけられている。
兵卒の脱走兵に過ぎない若者が偶然手に入れた権威で暴走、このパターンは過去にも多く制作されている。私のお気に入り映画ではアンリ・ヴェルヌイユ監督「サンセバスチャンの攻防」、ならず者の主人公が神父と間違わられ、神父の権威で村人を率いて来襲する盗賊やアメリカ先住民と戦う物語。同じドイツ語圏の映画ではヴォルフガング・ムルンベルガ監督の「ミケランジェロの暗号」、主人公のユダヤ人画商がナチス親衛隊大尉に成り済まして危機を脱出する場面がある。
しかし本作では泥にまみれた脱走兵が清潔そうな空軍大尉に化ける展開は似ているが、その権威を虐殺や贅沢三昧に使ってしまう。
現代社会に照らし合わせて考えると、私は昨今のSNSで繰り広げられている険悪な言葉の投げ合いに同様の現象がみられるような気がする。
明らかに右翼思想でない者が右翼を名乗り左翼とみられる人に噛みつく、ところが右翼なのに今上陛下にまで噛みつく。逆に反差別思想でない者が護憲や反差別を名乗り、長年反差別運動を展開してきた人にまで言葉の攻撃を繰り出す。
なにかに成り済まして他者を攻撃する様、似ているような気がする。そして言葉尻だけは双方ともに特有言語を話しているので、古参の運動家も批判せずに仲間扱いする。
【追記】2018年11月10日
Wikipediaにけっこう詳細記事が載っていた。こないだ調べた時は載っていなかった。最終更新日を見たら2018年10月29日となっていたので日本公開が決まってから日本語版が執筆されたのだろう。本記事を書く際にもう一度調べるべきだったか。
本作の主人公のモデルとなった人物はWilli Herold、1925年生まれだから映画の舞台となったころは若干20歳という若さである。まだ子供といってもいいのによく大尉なんて偉いさんを演じられたものだ。しかしアメリカでもデカプリオ主演「キャッチミーイフユーキャン」がある。実際に起きた詐欺事件で、デカプリオ扮する詐欺師は18歳なのに28歳の大人を演じ、FBI捜査官まで騙していた。
また、ヘロルトと同時代の青年で同じ空軍の制服を着ている正真正銘の撃墜王エーリッヒ・ハルトマンはヘロルトより三つだけ歳上で少佐だった。なので20歳の若造が大尉を名乗っても有りうることなので疑われなかったのかもしれない。
それと、アメリカの戦争ドラマ「Combat!」や手塚治虫氏「アドルフに告ぐ」、近年では「ヒトラー 最期の12日間」などでも紹介されているように、大戦末期では脱走兵が続出し、自警団や親衛隊の脱走兵狩りが横行していた。
進んで主人公ヘロルトの指揮下に入った古参兵たちはもしかしたら脱走兵で若造ヘロルトが偽大尉であることも何となく気が付いていたかもしれないが、大尉の服を着ている子供に従っていれば少なくとも自分たちは脱走兵ではないと言い訳できる、そんな「大人の事情」も見て取れるかもしれない。
さて、下記の肖像写真が実際のヘロルトである。

おそらく空軍に入隊したときの写真だろうから、まだ18か19歳の顔だ。なかなかの美少年である。
邦画では、実在よりもイケメンの俳優が演じることが多いのだが、失礼ながら本作の場合は史実の方が麗しき人物に見える。ヘロルトを演じる俳優はスイスのベルン出身のマックス・フーバッヒャー、撮影時は24歳くらいだ。



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晴雨堂ミカエルは保守の立場で安田純平氏を支持する。 近頃の現象[一二八六]
戦場ジャーナリストが物申す
-橋下氏、たけし氏、松本氏、三浦氏へ
シリアで現地武装勢力に拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが解放され、帰国したものの、案の上、彼へのバッシングが行われている。とりわけ、ワイドショーなどで、紛争地取材についての深い理解や経験があるとは言い難いタレント達が、安田さんの事件について、様々な発言をしている。この間、イラクやパレスチナ等で取材を行ってきた戦場ジャーナリストの端くれとして、これらの発言に物申したい。(志葉玲)
【雑感】上記はネット上では右派から攻撃の的にされている志葉玲氏の安田順平擁護論の冒頭である。私は保守中道なので視点は異なるが趣旨には賛同である。(余談1)
志葉玲氏の論の続きを読みたい方は下記のサイトを参照されたし。
志葉玲氏記事掲載サイト
↓
「安田純平さん叩くタレント達に戦場ジャーナリストが物申す-橋下氏、たけし氏、松本氏、三浦氏へ」
晴雨堂は素直に安田純平氏を尊敬する。誰も行きたがらない死地へわざわざ銭かけて行くなんて奇特なことは私はできない。また、昨今の縮み志向の傾向が強い日本人(余談2)にとって、中東の危険地帯に日本人ジャーナリストがいるというのは誇るべきことだ。
昔から日本人は冒険的偉業をする人にはバッシングする習性がある。白瀬中尉が南極探検隊を組織しようとしたときは官憲からのバッシングがあったらしい。当時のリベラル(左翼ではないよ)層の小金持ちたちを中心に出資してなんとか探検隊の体裁が整った。しかし、南極大陸の入り口で出会い交歓会をおこなったアムンゼン隊は驚愕したらしい。「漁船みたいな船でよくここまで」と。
戦後では堀江謙一氏の小型ヨット太平洋横断がある。当初のバッシングは酷いものだったが、アメリカが堀江氏を英雄と称揚すると掌を反して好意的記事を書くマスコミの姿勢はなんともいじらしい。
近年はそんな日本人の傾向が極端になりつつある。堀江謙一氏の場合は純粋に「冒険」であって社会貢献といった大義名分が無いからバッシングしやすい。ところが今は潮目が変わってきているのか、NPO組織に入って海外ボランティア活動をしている人々や今回の安田氏のようにジャーナリストとしての仕事で災難にあった人たちまでバッシングの対象になってきた。
この調子では、そのうち海外へ渡航する人や外国人と所帯を持って海外へ移住する人もバッシング対象になりそうだ。
私は戦場ジャーナリストではないから志葉玲氏とは視点が異なる。私の視点で安田氏を支持する根拠を述べると、日本の国力が伸び盛りの時は多くの異能者が現れて冒険的活動をする。明治の白瀬中尉がそうであるし、他にも果敢に海外渡航をして成果を上げた日本人は少なくない。
堀江謙一氏もいわば戦後復興の象徴ともいえる。彼が冒険を成功させた直後に高度経済成長が始まり、多くの旅人が冒険旅行を始めるようになった。植村直己氏もその一人だ。
これは私自身が体験し見たことだが、若いころにチャリンコで日本一周をした時、出会った同様の旅をする人のほぼ全員が大阪や東京などの大都市圏に住んでいた人で高学歴者だった。地方出身者でも大都市圏の大学に進学した人たちばかりである。(余談3)
これを引いて世界に視点を広げれば、冒険的な旅をしている人々は欧米圏の人間が圧倒的に多い。逆に経済的に不利な環境に置かれている地域や、経済的に豊かでも言論活動を抑圧するなどの政体ではいない。いたとしても、それは必要に迫られての挙であり、自由な意思による自由な選択での行動とは違う。
この現象を垣間見たため、私は安田純平氏のように冒険的仕事を自ら進んで行う人材をバッシングしない。国家の活力を図るうえで重要なバロメーターであると思うからだ。冒険的仕事を行う人材をバッシングする風潮は、国の活力が衰退している予兆とみる。
私は国家の衰退に加担しない。
最後に「冒険」の定義を紹介する。
一「死の危険がある」
この条件を抜かして、単なるスリルを味わうものであれば、ホラー映画を観るだけでも冒険になる。
二「主体性がある」
徴兵で戦地に行くことは死の危険があるが、自分の意志ではない。兵隊は冒険家ではない。
三「歴史上初の快挙である」
誰もやったことが無いのが重要。いま南極点に到達しても、それは個人レベルでは意味があるが、人類史上云々の意味は無い。
四「社会的意義」
公共の利益があること。
(余談1)実はTwitterでほんの一瞬だが志葉玲氏とは相互フォロー関係にあった。ほどなく私へのフォローを解除ようだが、たぶん右派的な言動が気に入らなかったのだろう。
(余談2)一例をあげれば海外へ留学する日本人の人口が減っている。以前なら世界中で活躍している東アジア人といえば日本人だったが、近年は中国人や韓国人にとって代われつつある。
(余談3)当時、日本アドベンチャーサイクリストクラブ関係の資料を見てデータを解析したことがある。関西出身がダントツで多かった。事務局長を務めている人物が大阪に住んでいるということもあるかもしれないが、日本でダントツに経済力があり有名大学が集中している東京よりも関西圏の冒険家が多いということは興味深い。そういえば堀江謙一氏も植村直己氏も関西出身である。



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