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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ゲド戦記」 孤独を楽しむ時に〔5〕  

ゲド戦記
昔の「ホルスの大冒険」を思い出す。

  

ゲド戦記 特別収録版 [DVD]
 
【英題】Tales from Earthsea
【公開年】2006年  【制作国】日本国  【時間】115分  
【監督】宮崎吾朗
【原作】アーシュラ・K・ル=グウィン
【音楽】寺嶋民哉
【脚本】宮崎吾朗 丹羽圭子
【言語】日本語
【出演】岡田准一(アレン)  手嶌葵(テルー)  菅原文太(ゲド)  田中裕子(クモ)  香川照之(ウサギ)  風吹ジュン(テナー)  内藤剛志(ハジア売り)  倍賞美津子(女主人)  夏川結衣(王妃)  小林薫(国王)     
 
【成分】ファンタジー 不思議 不気味 勇敢 切ない アニメ
 
【特徴】宮崎駿監督の実子で建築家の宮崎吾郎氏が監督業に初挑戦。
 オーソドックスで真面目な作風でありながら、親殺し子殺しがニュースの三面を飾る昨今を作品に取り入れ緊張感を与えている。
 
【効能】全体に古風で陰気なつくりなので、夜の暗さ静けさをより強く感じるのに最適。
 
【副作用】原作を読んだ事のある人には不愉快かもしれない。ジブリアニメにしては新機軸が見当たらないので拍子抜けする。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
不慣れな監督を気遣って正攻法をとり、
世間ウケを狙って物語に親殺しを添加か。


 作品の世界を見ていると何だか昔の「ホルスの大冒険」を思い出してしまうが、気のせいかな? 物語の世界やイメージや展開が何となく似ているような気がする。作画技術はこの数十年で格段に進歩して「ゲド戦記」のほうがオーソドックス・オールドファッションながらもお洒落で、見た目は全く別の作品なのだが、気のせいかな?
 
 作品自体は取り立てて秀作でもないし、かといって愚作でもない。世間には、こんなんでよく銭とれるなと思う作品も少なくない事を鑑みれば、立派に興行が成り立つ作品だ。但し、伝え聞く宮崎駿監督の気性からすると好意的に評価される作品とは思えない。
 
 宮崎吾朗監督が素人なのは判っている。ジブリで作画の下積みを積んだという話は聞かない。よそのスタジオなどで修行した話も聞かない。ヤフー!映画のプロフィールを見る限りは建築や都市計画関係の仕事をやっていて、ジブリ美術館のデザインを手掛けて館長に収っていたそうだが。
 
 私より2つほど歳下だ。ということは、「カリオストロの城」などに夢中になった学生のころ、宮崎吾朗氏も同世代の学生として宮崎アニメを観ていた事になる。彼も学業や仕事のかたわら、創作活動をしていたのだろうか? 建築デザイン畑だから、アニメでは素人でも絵心自体は十分にあるはずだ。彼がプライベートで創作した漫画などがあれば読んでみたいものだ。
 
 宮崎駿氏の実子という立場は、親の七光りという恩恵も受けるが、実力の世界ではむしろ逆に作用する。実績のない「素人」が監督として、自分よりも経験のあるアニメーターや作監や、歳上の「声優」たちに指示しなければならないのだ。周囲の風当たりも覚悟しなければならない。世間も酷評する。アニメ業界の初仕事が監督とは勇気ある行為だ。
 
 最初の仕事だからこそ、奇を衒わずに背伸びせずに、無難に真面目くさった文部省推薦的作品、むかし観た事があるような感じの作品にしたのだろう。本当に難しい映画は、痛快エンタメでありながら文学性に富んだ作品、メッセージ性のある社会派でありながらエンタメ娯楽でもある映画なのだ。実は真面目くさった作品の方が創るのは簡単である。
 次回作で彼が有能か七光りか評価が決まる。
 
 それにしても唐突な感じがする宮崎吾郎氏の監督起用だ。ジブリの施設を観て思ったが、彼の本職はやはり建築家だ。彼の才能はアニメや映画よりも建築で発揮されるような気がする。建築家をスタジオ入りさせなければならないほど、ジブリは後継者に苦しんでいるのだろうか? ジブリに世襲が必要なのだろうか? 
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 
晴雨堂の関連作品案内
  
 
晴雨堂の関連書籍案内
ゲド戦記 全6冊セット
「ゲド戦記」の世界 (岩波ブックレット)
オカリナレパートリー たのしく吹けるオカリナソロ スタジオジブリ作品集(改訂版)(カラオケCD付き) 「風の谷のナウシカ」から「ゲド戦記」まで全36曲入
太陽の王子ホルスの大冒険 (徳間アニメ絵本)




 

 
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 ことばは沈黙に  光は闇に  生は死の中にこそあるものなれ  飛翔せるタカの  虚空にこそ輝ける如くに 観てきました。MOVIX仙台だった...
[2009/04/21 17:30] *うわのそらブログ*
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