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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

貴乃花騒動に見る日本社会 近頃の現象[三百四十] 

武蔵川理事長が不快感 
二所騒動、角界に波紋-大相撲

 
 二所ノ関一門貴乃花親方(元横綱)支持の親方6人を「破門」した騒動から1日たった20日、ほかの一門の親方衆もさまざまな反応を示した。(時事通信)
  
【雑感】武蔵川理事長は「残念だ。ああいうことはあってはいけない」「一門で話し合って(理事に)ふさわしければ多くの人が推薦してくれるのでは」「改革、改革と言って何をやるのか。やるべきことはやっている」などと貴乃花親方の言動に不快感をあらわにしたという。
 
 ところで、日本は一応民主主義政体をとっている。民主主義社会の下、多くの法人も原則どおりに機能しているか否かは別にして組織の運営システムは民主制を採用している。この日本相撲協会も例外ではない。理事長や理事には任期が有り、任期がきれると選挙で決める事になっている。選挙があまり行われないのは、一門ごとで立候補者を調整しているからだ。
 
 民主制システムから観れば、貴乃花親方の行動は別段反社会的行動ではなく、大騒ぎするほどのことでもなく、理事長が不快感を表明する事も無いはずだ。協会自ら設定した規約に従って貴乃花親方は認められた権限と権利を行使しているに過ぎない。
 協会の規約を率先して守る立場にあるはずの武蔵川理事長貴乃花親方の出馬に対して「残念」とか「あってはいけない」という筋合いは無いし、規約を鑑みれば不当批判に当たり、理事長は初心に戻って規約を勉強しなおさねばならん。記者団に対しては、建て前上は貴乃花親方の健闘を讃え、内心の不満は口にしないのが理事長としてのとるべき言動である。武蔵川君は愚かだ。

 
 つまり、これが日本社会の面白いところなのだ。日本という国は適度に民主主義、適度に社会主義、適度に資本主義、適度に封建主義で社会のバランスを保っている。これを理解しないと日本社会で巧く生きていけない。このバランスを崩すと社会不安が起きる。
 適度に民主主義・資本主義だからこそ、そこそこ自由で風通しがいい社会になっているし、適度に社会主義・封建主義だからこそ、そこそこ安定した社会になっている。アメリカのように格差が広がったり我がままと思えるほど権利や利益を主張し訴訟社会に陥っている訳ではない。旧ソ連のように言論の自由を著しく阻害されたりヒエラルキーが厳格に固定化されている訳でもない。イギリスほど階級社会にはなっておらず、世襲は一部の職業にほぼ限定されている。
 日本は適当に各種社会システムを巧く共存させ使い分けることによって安定した社会を維持してきたのだ。私は賢明な日本人の叡智だと思っている。
 
 極右も極左もフェミニストも、各種思想家たち運動家たちが唱える主義主張も、傾聴すると同時に鵜呑みにしない。一つの処方箋だけで万事巧くいくほど社会は甘くない。世界中の庶民はそれを本能的に察知しているが、特に日本人はその能力に長けていると思っている。一つの処方箋にこだわれば、必ず副作用すなわち弊害が起こってくる。日本社会は資本主義の弊害、民主主義の弊害、社会主義の弊害、封建主義の弊害が驚くほど少なく済ませてきた。残念ながら近年はそのバランスが崩れているようだが。
 
 話を相撲協会に戻そう。貴乃花親方は協会にとって至宝ともいえる人材である。角界のサラブレッドにして正統派日本人横綱として巨体の外国人力士がひしめく中、綱を長期にわたって守ってきた。弟子が三役にあがれば、いや十両になれば協会のほうから理事就任を求めてくるだろう。そして歴代の理事長が現役時代は名横綱であったように、いずれは嫌でも理事長の席に座らされる。
 黙って協会の意向に従っていれば未来の理事長は確実なのを、なぜ波風たててまで理事選に出るのか? 一門を「破門」されてまで支持する親方が6名いるということは、内心は支持している親方衆はもっといるかもしれない。
 
 貴乃花親方は、過去の言動をみる限りは決して反逆児ではない。むしろ伝統的相撲道に忠実であり、それを守る協会の利益に忠実である。朝青龍関や曙関に比べたら、はるかに品行方正の保守本流である。彼が記者会見で答えたように、一門を離れるのは本当に不本意であり、協会が磐石なら無理に理事選に討って出ることはせず年功の順番を待っていた、私はそんな性格に見える。
 
 社会のバランスが崩れてくると、保革双方から事態収拾のため立ち上がる人物が慣習を無視して行動する。幕末では西郷隆盛や大久保利通ら下級の青年武士が討幕派として動き、徳川慶喜や井伊直弼ら本来は宗家を継ぐはずはなかった青年政治家が佐幕派として改革を行う。
 貴乃花親方はけっして討幕派ではない。佐幕派として現協会を守るために動いていると思う。ほとぼりが冷めている感はあるが、協会体質は依然として爆弾を抱えている可能性があるかもしれない。
 

 
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[ 2010/01/20 23:33 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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