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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「火天の城」 突っ込みどころを楽しもう 

火天の城」 
椎名桔平、信長を熱演。

 

 
【原題】
【公開年】2009年  【制作国】日本  【時間】139分  【監督】田中光敏
【原作】山本兼一
【音楽】岩代太郎
【脚本】横田与志
【出演】西田敏行(岡部又右衛門)  福田沙紀(岡部凛)  椎名桔平(織田信長)  大竹しのぶ(岡部田鶴)  寺島進(平次)  山本太郎(熊蔵)  石田卓也(市造)  上田耕一(弥吉)  ペ・ジョンミョン(太助)  福本清三(-)  前田健(留吉)  熊谷真実(ふさ)  水野美紀(うね)  西岡徳馬(丹羽長秀)  渡辺いっけい(木村次郎左衛門)  河本準一(羽柴秀吉)  遠藤章造(堺の豪商)  田口浩正(中川左内)  内田朝陽(中井孫太夫)  石橋蓮司(池上五郎右衛門)  笹野高史(木曾義昌)  夏八木勲(戸波清兵衛)  緒形直人(大庄屋甚兵衛)
        
【成分】スペクタクル 知的 かっこいい 近江 安土桃山時代 16世紀 
   
【特徴】
  
【効能】
 
【副作用】
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
邦画らしい中途半端さ。
 
 「BALLAD」「TAJOMARU」「カムイ外伝」そして本作、2009年秋の四大時代劇だ。前にあげた3作はどちらかといえば子供向け時代劇・前衛的時代劇で、本作は正統派時代劇といった感じが私の鑑賞前イメージであった。また、主題歌を歌う中孝介氏はデビュー時から注目していた。(余談1)
 
 だが、いざ見てみると「BALLAD」は上手く創っていたし、「TAJOMARU」は予想に反してそこそこ時代劇になっていたし、「カムイ外伝」は物足りなさは大いにあったが漫画の雰囲気はけっこう出ていた。
 そして本作、これは硬派の正統時代劇と思っていたのだが、いや制作陣はそんな時代劇をつくる事を目指していたふしは感じられるのだが、どうもバランスが悪くて違和感がある。何故だろう?
 
 まず、安土だ。佳境で安土の築城現場が出てくるのだが、デフォルメCGが気に入らない。私は何度か安土を訪れたことがある。安土の山はあんなに広くはない。それから、今でこそ近江平野の中にある丘だが、当時は琵琶湖に突き出た半島だった。築城現場が仁徳天皇陵工事現場ならあんな光景に近いと思うが。
 それからCGを使いながら群集場面の魅せ方が迫力ない。黒澤明監督以外の邦画は何故か群集の使い方が良くない。
 
 それからチャンバラ場面だ。時代劇だからチャンバラを入れて箸やすめをしたい気持ちは解るが、しかしそれでは「ラストサムライ」で登場する忍者場面と同じで、物語の見苦しい蛇足だ。思い切ってカットする勇気をもってほしかった。
 
 福田沙紀氏の演技、ダイコンとは言いたくない。「ヤッターマン」ではけっこう恥ずかしい演技も臆せず真面目にやっていた勤勉さに萌えて感動している。だが、「カムイ外伝」のヒロイン大後寿々花氏が魅せた古い日本の乙女の体臭を感じさせる演技を見てしまうと、福田氏のキャラは残念ながら晴着を着たTV時代劇のゲスト出演的存在に見えてしまう。
 それから制作陣は当時の女性の逞しさと内助の功を描写したい気持ちは解るが、やはり安土城築城が表向きのテーマなので、でしゃばり過ぎるのは良くない。もしこういった場面を海外の映画人なら、もっと出番を少なくし、それでもってより印象に残る節目に挿入する。本作は少しくどい。
 
 台詞が気に入らない。私の趣味を言えば、もっとリアルに安土城の計画から築城までを描写し、俳優・エキストラは撮影期間中16世紀当時の生活を実際に過ごし、台詞は16世紀に話されていた日本語で統一して字幕スーパー付でやってほしかった。(余談2)
 私の要望は過ぎたるものだが、ただ目立つところではあからさまな現代語を発してほしくなかった。
 
 悪口ばかりになってしまうので、まとめると安土城築城という舞台をもっと中心にもっていき、伏線や脇道はもっと削ぎ落とすべきだった。以前、イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」レビューで私は日本人が監督でなくて良かったと言った。お涙ちょうだい場面を入れ過ぎてしつこくなる。「火天の城」はまさに邦画の良くない点が出てしまったと感じた。
 
 最後に、椎名桔平氏は正統派信長を演じていて安心感があった。ただ、最初から月代を剃った髪型で登場してほしかった。できれば緒形直人氏に信長をやってほしかった。(また文句を言ってしまった)
 
(余談1)中孝介氏が本格デビューしたのは2007年頃だった思う。沖縄の島唄を連想するような鼻にかかる独特の歌い方をする。当人は鹿児島の奄美大島出身。奄美は沖縄文化圏に入っている。「花」が大ヒット。
 
(余談2)メル・ギブソン監督の「パッション」「アポカリプト」などの前例がある。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 
晴雨堂関連書籍案内
火天の城 (文春文庫) 山本兼一


 
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