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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ザ・コーヴ」(3) 近頃の現象[三百七十九] 

シー・シェパード上映「ザ・コーヴ」 
引き裂く日豪の絆

 
 かつて真珠貝採取の日本人潜水士でにぎわい、人口の過半が日本人だったこともあるオーストラリア北西部の町ブルーム。
 日豪交流史の象徴ともいえるこの小さな町が、日本の姉妹都市、和歌山県太地町のイルカ漁を描いた米映画「ザ・コーヴ入り江)」をめぐり、揺れている。姉妹都市提携解消や住民同士の人種対立にも発展し、わだかまりは当分解けそうにない。(読売新聞)

 
【雑感】シー・シェパードが太地町と姉妹都市関係にあるこの町に目をつけ政治的問題に発展させるべく行った上映だ。イルカ漁を否定するイギリス系市民とイルカ漁に理解を示すアジア系市民の対立が激化している。
 シー・シェパードは環境問題に取り組むというより、むしろ白人と非白人、キリスト教信徒と非キリスト教市民との対立を煽っているようだな。
 

 そういえば、サホイヨス監督は日本向けスピーチを発表したようだ。これについて一つ一つ反論してみよう。

「日本での上映は昨年の東京国際映画祭の2回のみ。映画を批判している人たちの多くはまだ映画を観ていないのでは? 単純に、まずはこの映画を観てから判断していただきたい」
 映画についての評価は全くその通りだ。私は「入り江」についてのレビューはまだ書いていない。作品として優れているかどうかは別に判断する。
 かつて似非ヒューマニズムの「キリングフィールド」なる映画があった。私は作品の完成度は高く評価したが、内容については糞味噌にけなした。欧米人のアジア人に対する「上から目線」が露骨だったからだ。
 「入り江」も完成度が高ければそれは評価するつもりである。ただ、イルカ問題については昨日今日始まった訳ではなく、既に70年代頃から環境保護を標榜する犯罪者からチョッカイをかけられている。左翼的ジャーナリスト本多勝一氏がこの問題について環境保護を標榜する欧米人活動家にインタビューを行い、彼らの欺瞞と差別思想を指摘し批判した。
 無駄だと思うが、逆にサホイヨス監督は何故バッシングを受けるのか、映画の問題ではないことを考えてほしいものだ。
 
「地球存続には海洋保護が重要だと思っており、それには大きな情熱を持っている。仲間たちと『ザ・コーヴ』の制作を決めたのも、海からのメッセージを伝えるため。映画というメディアを使うことにしたのは、それが世界で最も力を持つ『創造力の武器』だと考えたから」
 たしかにその通りだ。だから国家権力もプロパガンダに映画をよく使う。民族対立を煽る結果になっては、海洋保護どころではなくなるな。
 
「イルカを殺すという伝統は、どのレベルで考えても必要だとは思えない。一番シンプルなレベルで考えたとしても、人々の健康を危険にさらす伝統にしかなり得ない」
 なんやて? イルカを殺す? ハムやソーセージは牛や豚を殺して作っているんだよ。「漁」という言葉を使わず「殺す」という言い回しをしている時点で偽善は明白。イルカは可愛くて賢いから人権があるとでも言いたいのか?
 
 もし本気で環境保護を訴えるのなら、完全ベジタリアンになって草食を勧めるほうが理に適っている。肉を生産する時にかかる飼料費や人件費は莫大。飼料を作る耕地を獲得するため多くの森林が伐採されている。本当に環境保護家ならこちらのほうを深刻に考えるべきだ。草食になれば世界の森林破壊を食い止めるだけでなく60億の人間を食べさせる余裕が出てくる。

 水銀汚染を問題にしているようだが、既に70年代から魚介類全般の汚染が指摘されている。食物連鎖の上位にある海洋生物はイルカに限らず全て晒されているのだ。そういう意味ではマグロのほうが問題ありだろう。
 いや、世界的流通量が圧倒的に少ないイルカよりも、圧倒的に多いマグロがより深刻であり、人体の影響が映画の主題ならイルカよりも先にマグロ問題を中心に取り上げるべきだった。

 私が監督なら、食物自給率40%程度の日本が世界有数の残飯大国である点を追及する。大量に水揚げされるマグロが回転寿司屋で大量に生ゴミとなる絵を意図的演出して撮るだろう。堅気の回転寿司屋なら単なる残飯ではなく飼料肥料として再利用するだろううが、それはカットして如何に日本が食物を無駄遣いしているかを強調すると、イルカ問題と違って日本市民からも映画の賛同者が出る。こないだのワシントン条約会議も日本の巻き返しを防げたかもしれない。
 シー・シェパードは「貪欲(どんよく)な私利私欲のグループ、違法な魚の取り扱い業者、政治利権の力などが存在」などと偉そうに日本をはじめとする漁業国を批難しているが、お前らがイルカ・鯨に気をとられたからの敗北だ。

 本当に環境保護と健康被害が映画の主題ならば、自然環境の破壊が深刻でない太地町や絶滅が危惧されず流通量の低いイルカなど後回しにするはず。監督は嘘をついている。さもなくば勉強不足の怠慢だ。あるいは自分が反日の自覚がなくイルカに人権があるなどと妄想を抱いているか、だ。
 
「もし招かれれば、喜んで討論に参加する。そして何にも増して日本人にこの映画を観てほしいし、彼ら自身によって考え、判断してほしいと熱望している。そういったことができる人たちに、ただそうしてほしい。日本の方々はそうできるはずだ」
 監督たちこそ自分たちの行動がまことに環境保護なのかどうかを考え判断してほしい。聖書を片手に全世界を侵略しアジア・アフリカ・アメリカ・オセアニアなどの非白人や「異教徒」を蹂躙してきた歴史を反省し、今回も聖書が環境保護に摩り替っただけではないかどかを自問してもらいたい。
 環境保護の熱心さを白人社会にアピールするだけで環境保護に貢献しているなどと思い上がりも甚だしい。
 

 
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[ 2010/04/02 07:03 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
東京では公開中止になったそうですよ。

http://eiga.com/buzz/20100603/25/
[ 2010/06/04 00:26 ] [ 編集 ]
タニプロ氏へ

> 東京では公開中止になったそうですよ。
>
> http://eiga.com/buzz/20100603/25/
 
 よくない傾向ですね。作品には嫌悪しか感じませんが、威圧で上映をさせないのは逆に制作者側に餌をやるようなものです。制作者側は狂喜して捕鯨派の悪事として全世界に宣伝し、自分たちが正義である動かぬ証拠にしてしまうでしょう。
 利敵行為です。
[ 2010/06/04 09:19 ] [ 編集 ]
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