現役首長らが新党「日本創新党」を結成 山田宏・東京都杉並区長、中田宏・前横浜市長、斎藤弘・前山形県知事ら、現役の首長と首長経験者は18日、新党「日本創新党」を結成し、都内で記者会見を開いた。(読売新聞) 【雑感】90年代からの流行なのか、政党の基本理念を看板に掲げずイメージを押し出す党が増えてきた。90年代ならまだ新鮮味があったが、ここにきては食傷気味、政策実行能力はともかく気の利いたグループ名を考え出せないものなのか。
古くからの政党は理念を看板に掲げていた。自由民主党は「自由主義」を掲げる保守政党と「民主主義」を掲げる保守政党が合併してできた。社会党は「社会主義革命」を掲げ、公明党は「公明正大」から、共産党は「共産主義革命」といった具合にである。また自民党内の派閥であった経世会は経済という単語のルーツである四字熟語「経世済民」からとっている。
ところが90年代に発足した「日本新党」は看板だけでは理念が判らず、単に「新党」のもつフレッシュさを前面に立てただけのような印象を持つ。ほぼ同時期の「新生党」しかり、後の「新進党」しかり。
そして今回はやたら「日本」を前面に立てる。田中康夫氏の「新党日本」にはじまり、「たちあがれ日本」、そして「
日本創新党」か。
「みんなの党」には「日本」が付いていないが、これも何がしたいのか看板だけではよく判らない。「みんなの党」といわれても、政党とは一般に公共の利益に服する存在なのだから、「みんなの党」に限らずどの政党も有権者みんなのための党である。
杉並区長の山田宏氏はレジ袋問題に着手した首長(くびちょう)として環境行政の分野で全国区の知名度はある。一般の全国区では全く無名だが。行政手腕に定評はあるし、松下政経塾・日本新党関係のグループでは一定のカリスマはあるのだろうが、1億数千万の日本人民大衆に通用するかどうかは未知数だ。第一印象は地味な中年の親父だ。
で、
日本創新党の顔触れを見ていると、れいの松下政経塾や日本新党の同窓会のような感じがする。松下政経塾出身の国土交通相の前原誠司氏も好意的だ。山田宏氏は前原氏にとって松下政経塾の先輩にあたる。
龍馬ブームも手伝って、幕末明治維新の波乱に憧れる政治家たちが、吉田松陰の松下村塾や武市半平太の土佐勤王党などを意識して新党を乱立させているかのようにも見える。 ところで、世界各国には「緑の党」があり、中村敦夫氏が結成を目指していたが日本では定着しなかったようだ。
日本では左翼市民運動と環境保護運動はセットになってきた「伝統」があり、今でも社民党の支持基盤とダブるところ多く、「市民運動全般=左翼」と見なしている市民は保革関係なく多い。だから「左翼」の中で摩擦がある。
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