「国民に不信与えた」
普天間迷走で首相陳謝 鳩山由紀夫首相は24日夜、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に関する政府方針が8カ月間の迷走の末、名護市辺野古に移す現行計画に沿った内容になったことについて「時間がかかったことで国民に不信感を与えた。正直におわびしなければならない」と陳謝した。(時事通信) 【雑感】ここに至っては、かわぐちかいじ氏や本宮ひろ志氏の政治漫画のようなウルトラCのドンデン返しはなさそうだな。
残念なのは、基地移転が流れたことではなく、努力している姿の魅せ方があまりにも「一夜漬け」ぽくなってしまったことだ。
国外はおろか県外も殆ど無理である事を自覚している日本人が大半だ。実現するにしても実現しないにしても、ペルーのフジモリ大統領みたいに強権を発動して情け容赦なく事を進めない限りは、前には進めない。少なくとも当事者たちの感情と利害と人権を尊重して民主的な手続きで行う限りは100%不可能である。
政権を担当している間に
普天間問題を解決すると思いきや、首相みずから期限をきられた。当然なんらかの目算、ウルトラC的ドンデン返し、あっと驚くような奇想天外な腹案で逆転ホームランなのか、あるいは中国やペルーのように鳩山首相自ら三軍を指揮して有無を言わさず沖縄県以外の土地を奪取して世界を震撼させるのか。
現行・現状どおりに収まってしまうのであれば、せめてもう少し巧くカッコだけでもつけられなかったものか? 政権発足時から沖縄のために汗を流しているフリができなかったのか?
いずれにせよ、一番格好の悪い結論になりそうだ。
しかし民主党には同情する。思い出すのは村山富市政権だ。
いま連立政権に加わっている社民党が鳩山批判を繰り出している。社民党の支持基盤を考えれば、福島瑞穂氏の政権批判はやらざるを得ない事だが、道義的に少しだけ引っかかることがある。
社民党の前身である社会党時代、宿敵であるはずの自民党と連立を組み、自衛隊を違憲だと否定していたはずなのに認めて政権に就いた村山内閣だ。2010年は
普天間だとか口蹄疫蔓延などが政権を苦しめているが、村山内閣のときも「天変地異」があった。阪神大震災である。
阪神大震災とて、画期的かつ劇的な救済・復興策なんか期待していなかった。誰が首相でもあの形が精一杯だろう。だが、せめて自民との連立とはいえ非自民の首相なのだから、日ごろ自民党を批判している政党らしくカッコをつけてほしかった。世界60億人民大衆の常識では難しいことではない。多くの国家元首がそうであるようにイの一番に被災地へ乗り込んで「陣頭指揮」をするフリをやる。
しかしイの一番に神戸入りはできなかった。村山氏本人は行きたかったはずだが、身動きが取れず、それすらできなかった。たった、これだけの事でも、できないのだ。
民主が倒れて、また自民党というのでは能が無い。民主はやっと政権担当の苦しさを味わい始めたばかりだし、自民もまだまだ野党というものを理解していない。
民主のゴタゴタが目立つが自民がこしらえた負債を引き継いでの政権運営なので劇的な場外ホームランは無いものねだりだ。自民は一致団結して執行部を若返りさせ、次の政権を担うためフレッシュな風土をつくりあげなければならないのに、悪い意味での少子高齢化だ。批判を受けてから河野太郎氏を執行部に迎えたり、TVに良く見せようと実権の無い小泉進次郎氏に質問パフォーマンスをやらせたり。党内のイニシアチブを握れなかった者は党を出てプチ新党をつくる。
まだまだ成熟した二大政党制は遠い。別に二大政党でなくても良い、5・6年から10年周期で政権交代がおきる風通しが良くて安定した政治風土になって欲しいものなのだが。
国民の胆力も問われる。
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