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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「うる星やつら オンリー・ユー」 寂しさをまぎらわす時に〔3〕 

うる星やつら オンリー・ユー




【公開年】1983年  【制作国】日本国  【時間】80分  【監督】押井守
【原作】高橋留美子
【音楽】小林泉美 安西史孝 天野正道
【脚本】金春智子
【言語】日本語
【出演】平野文(ラム)  古川登志夫(諸星あたる)  島津冴子(しのぶ)  神谷明(面堂)  杉山佳寿子(テンちゃん)  永井一郎(錯乱坊)  鷲尾真知子(サクラ)  千葉繁(メガネ)  村山明(パーマ)  野村信次(カクガリ)  二又一成(チビ)  緒方賢一(あたるの父)  佐久間なつみ(あたるの母)  沢りつお(ラムの父)  山田礼子(ラムの母)  井上遥(ラン)  小原乃梨子(お雪)  三田ゆう子(弁天)  吉田理保子(クラマ姫)  玄田哲章(レイ)  京田尚子(ババラ)  榊原良子(エル)

【成分】笑える ファンタジー ゴージャス 不気味 勇敢 かわいい SF アニメ

【特徴】原作の雰囲気を最も忠実にアニメ化した完成度の高いラブコメディ。通常、アニメ映画化は原作ファンやTVアニメファンの憤懣をまねきやすいが、本作については概ね支持されている。なにより原作者高橋留美子氏が絶賛。

【効能】全編に渡って明るく厳しいギャグが機関銃のように出てくる。映像も明るく天真爛漫。意気消沈した時や寂しい時に観ると心が明るくなる。

【副作用】ギャグのツボが異なる人には白けるかもしれない。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
第一作目に相応しい内容

 以前、作品レビューでアニメ「うる星」を「発展期」「全盛期」「安定期」「衰退期」に分けた事がある。これは当然の事ながら「発展期」の作品である。随所に高橋留美子風ドタバタギャグ・ナンセンスギャグ・ブラックユーモアがちりばめられており、最初から最後まで飽きさせないようになっている。「うる星」の映画はたしか6本つくられたと思うが、この作品は最も原作の雰囲気を残したアニメ映画だ。

 漏れ伝わる話によれば、制作期間が短く、制作スタッフも限られ、しかも監督が入れ代わるなど、非常に余裕が無くバタバタした中での制作だったそうだが、作品自体は良質の苦味が効いたドタバタラブコメディになっていた。(余談1)
 公開当時、そろそろ藝大進学を考えはじめた高校生で、同じ進路を目指す仲間の間では殆ど批判は無く、それどころか絶賛に近かった。(余談2)他の作品レビューでも述べたが、原作ファンが嫌がるのはアニメ化・映画化という名の矮小化・歪曲化である。少なくともこ「オンリー・ユー」には原作世界に忠実な範疇で創られており、私の周辺の高橋留美子ファンたちは安堵していた。

 しかし、当時の映画界からの評価は芳しくなかったそうで、宮崎駿氏らも批判しており、後に知った話では押井氏も「失敗作」と自己批判していた。たしかに、「オンリー・ユー」単品として捉えたら原作に気兼ねした内容であり、押井らしさは出ていなかったように思う。(余談3)

 私は「うる星」アニメ全体で>見れば、「オンリー・ユー」は第1作目としては極めて妥当な内容だと思う。いきなり押井色を大きく出せば、まず高橋留美子氏が納得できなくなるしファンもついてゆけない。アニメや映画というものは総合藝術である。いや、大勢の人々や出資者が関わっている「総合事業体」すなわち「藝術のゼネコン」だ。すなわち、大勢の人々の利害関係で成り立っているのだから、政治的な戦略・戦術・調整能力が不可欠になる。まず、支持者が期待するもの、支持者が見たいものを提供する事が第一歩である。新機軸はさり気なく絡め、後の作品で監督らしく独裁政治をしき自分の色を強く出す。

 だから、私は失敗作どころか、後の「ビューティフルトリーマー」につながった訳だから大成功だと考えている。むしろ、制約の多い環境でよく「オンリー・ユー」にまとめたものだと、その手腕に敬服する。

(余談1)最初から押井守氏が監督していた訳ではなかったそうだ。ファンならもっと精細な裏話を御存知だろう。
 伊丹十三氏が当時「甘いケーキ菓子のような作品」という趣旨の批評をしていたように思う。当時は「なんで伊丹が?はぁ?!」とカチンときたものだが、今でも伊丹氏の認識は過っていると見なしている。

(余談2)一部、あたるの自己中ぶりが鼻についたとか、ラムちゃんが可哀想、という他愛ない「批判」があった。

(余談3)私の記憶では、「オンリー・ユー」前後あたりからTVアニメで原作に無いエピソードが登場するようになってきた。作画も次第に高橋留美子タッチから流行りのアニメキャラ風に変化していった。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作
 

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