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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

千葉景子 近頃の現象[四百四十一] 

落選の千葉法相、
首相の慰留受け入れも政界引退へ

 
 千葉景子法相は13日午前、首相官邸で菅直人首相と会談し、自身が参院選で落選したことを受け辞意を伝えた。これに対し、首相は「節目まで継続してもらいたい」として、当面の間法相に留任するよう要請。千葉氏はこれを受け入れた。落選した現職閣僚がそのまま閣僚を続けるのは異例だ。(産経新聞)
 
【雑感】民主党大敗の象徴だ。大物政治家まさかの落選。解散の無い参院を4選だから24年も務めていた現職で現役閣僚の千葉景子氏が落選するとは思わなかった。
 
 産経新聞は「異例」と報じているが、法理論的には別に問題はない。過去には民間起用の大臣がいた訳だし、国会議員が閣僚の資格条件であると法で定められていない。落選したからといって辞任や更迭にするより、キリの良いところまで続投させるほうが妥当だ。
 
 民主党は保守から革新まで幅が広いスタンスを持っている政党だが、鳩菅政権はどちらかといえば革新よりの政策をとろうとしてきた。千葉景子氏が中心に進めている夫婦別姓法案もその1つだろう。千葉氏の引退と参議院過半数割れによって、夫婦別姓法案成立も危うくなった。
 
 私は革新系の政治勢力で市民運動をやってきた経験があるが、別姓については一貫して子供のころから反対の立場である。むかし、フェミニストを自称する若い女性から「苗字は個人のアイデンティティじゃ!」と怒鳴られたことがあるが、現実に血縁・地縁集団の名称として発展し機能してきた姓・苗字の歴史と現状を無視する態度に野蛮な傲慢を感じた。フェミニスト全員がこんなタイプではないと私は一応信じているが、こういうタイプが天下をとったらポル・ポト政権のような恐怖社会になる。
 
 古来、日本には朝廷から与えられた「姓」と通名としての「苗字」があった。たとえば、男子フィギュアスケート選手の織田信成君を例にとれば、昔ならば彼の姓は「平氏」であり、苗字が「織田」である。普段は織田を名乗るが、朝廷に参内したり朝廷へ奏上する文書では「平氏」を使う。
 さらに名前も通名としての「仮名」と本名である「諱(いみな)」とがあった。いま大河ドラマで評判の坂本龍馬、意外に知られていないが実は龍馬は通称で本名は直柔、普段は龍馬を使い公文書には「直柔」を使う。大政奉還直前、目上の後藤象二郎を励ます手紙が現存しているが、相手が目上なので直柔と署名されている。

 そんなシステムだったからこそ、当時の日本は「夫婦別姓」だったし、別姓でも障りはあまり無かった。名前が幾つもあるのだから融通が利く。それに結婚は家と家との同盟の意味もあったから、里の家名を名乗る必要もあった。
 
 ところが、明治に入って名前の合理化が断行され、現在の「姓」と「名」の2つだけになってしまった。欧米ではミドルネームの習慣が続いており、ゆえに夫婦別姓を導入してもミドルネームなどを活用して両姓併記で折り合いをつけ利害対立を緩和させている。車のCMで見かけるジョン・レノンの息子ショーン、彼のフルネームは「ショーン・タロー・オノ・レノン」だ。父と母の姓を表記、さらにアイリッシュとして平凡な名前ショーンと日本人として平凡な太郎を付けている。
 もっとも、欧米方式も問題はある。この方式を踏襲するとショーンの子供はもっと長い名前になってしまう欠点はあるが、双方を尊重し家族として取り込む姿勢はある。日本では現行の戸籍制度のまま選択性とはいえ夫婦別姓をやろうとしている。双方の姓を尊重はしているが家族としてのまとまりは明らかに蔑ろ、しかも日ごろ保守の精神論を批判して制度や法整備を主張する方々が家族の結束を愛情論や精神論で片付ける安易さ、間違いなく社会不安が起きる。
 
 私は夫婦別姓よりも、戸籍名と通名の両立を法律で保証するべきと思っている。既に「通名」を本名に準ずる扱いにする処置は、女性や在日コリアンでは行われてきた。フェミニストたちは、夫婦同姓によって女性だけが通名を使わなければならない制度は「差別」と主張しているが、これは誤りではないが正確ではない。本名以外に別の名前で仕事をしているのは女性に限ったことではなく、古くから小説家や芸能人は筆名や芸名を使っていたし、半ばその筆名や芸名が本名として機能しているほどだ。そして、ネット社会の現代ではハンドルネームが普及している。本名以外に名前を持ち活動する事に現代人はもう慣れているのだ。
 通名と本名が共存していた江戸時代以前のように、戸籍として届け出る名前と仕事で使う名前を両立させれば済むことではないか。
 
 ショーン・レノン氏の名前が示すように、双方の家名が併記されているだけでなく、母親の日本人としてのアイデンティティーと父親のアイルランド系としてのアイデンティティが織り込まれている。千葉景子氏らが進めている夫婦別姓制度は目先の「権利」だけに気をとられて、日本人としてのアイデンティティをまるで計算に入れていない。
 

 
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[ 2010/07/13 22:34 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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