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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「龍馬伝」(10) TVドラマ評[十九] 

龍馬伝」ついに薩長同盟。 
龍馬に忍び寄る暗殺の影。

 
【雑感】またしても岩崎弥太郎は狂言回し的役割。龍馬の身代わりのような形で新選組に捕まり吊るされ拷問、あっさり口を割ってしまうが逆に喋り過ぎを近藤勇に疑われてさらに拷問。笑いよりも気の毒な感じになってきた。制作陣はとことん弥太郎をみじめに描くつもりのようだ。三菱の岩崎家はどんな気持ちで観ているのだろう?

 後に弥太郎は後藤象二郎の命で海援隊の経理を担当させられ、龍馬不在時に隊長の代理のような役割を務めることになるが、曲者ぞろいのメンバーは弥太郎の指示にはイマイチ従わず。長崎奉行所との対応も弱腰と非難される。戻ってきた龍馬からも弥太郎は叱責されるという史実があるそうな。
 たぶん、ラストの龍馬暗殺の前のエピソードとして盛り込むのではないか。龍馬と弥太郎が一緒に仕事をした2ヶ月あまりの事を端折るはずがない。酒を酌み交わしながら将来の日本経済や防衛のことなどを熱心に議論して意気投合したり、海援隊をまとめられなかったことで龍馬から怒られたり、明治の岩崎弥太郎が龍馬に抱く感情に直接関わるエピソードであるはずだからだ。
 史実では、龍馬と弥太郎は険悪な関係のまま別れてしまう。そして二度と会うことはない。龍馬暗殺の報せを受けたとき、弥太郎のコメントは知らないがマメにつけていた日記は暗殺から数日は空白であったことが知られている。
 
 さて、薩長同盟を成立させて坂本龍馬は初めて歴史の表舞台に立ち、公儀からマークされるようになる。「龍馬伝」ホームページで制作者側は暗殺への序章と位置づけているそうだが、龍馬を主人公とした「龍馬伝」ならまさにその通りだ。これ以前は要人たちの日誌に名前が登場する、現代政治でいえば世間では無名の秘書か議員を目指す浪人のポジションだが、薩長同盟成立以降は要注意人物となって公儀探索の光があてられる身となる。

 私は、龍馬暗殺の黒幕の容疑者は複数名いる形でラストにするのではないかと思っている。当時からあるのは紀州藩説、実際に陸奥宗光はその説を信じて紀州藩の要人を襲撃している。それと明治に入ってから実際に龍馬殺しを自供した見回り組隊士から幕府説、そして近年脚光を浴びている薩摩藩の西郷隆盛説、この「龍馬伝」では土佐藩説も加えるのではないかと不謹慎ながら楽しみだ。龍馬に激しい嫉妬心と殺意を抱いている設定の後藤象二郎が急に心から仲良しになるはずがない。
 
 あっ、因みに薩長同盟締結の1月22日は私の誕生日である。締結は21日という説もあるが。運命を感じるな。
 

 
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