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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「桜田門外ノ変」、10月上映。 近頃の現象[四百五十六]  

またしても、
井伊大老役は還暦俳優が務めるか・・。

 
桜田門外の変01.jpg
 
【雑感】以前、NHKが制作したドラマ「歴史ドキュメント 桜田門外の変~時代と格闘した男~」は私の趣味に概ね合っていた。
 冒頭は襲撃指揮者関鉄之助が逃亡先で日誌を書く場面、「すでに我が同志の多くは黄泉の客となり・・」悲壮感漂う疲れきった関鉄之助を演じる川谷卓三氏の顔、そこへ関の支援者が「ここは危のうございます! お逃げください!」
 大きな目を見開いて振り返る関、脳裏に桜田門が浮かぶ。「三月三日、思えば桜田門外の有事、大雪強風の日なり・・」
 場面はまるで百年も前のサイレント映画のような粗い画質の白黒映像、大雪の中を進む井伊大老の籠と護衛の家来衆。そこへ四方から襲い掛かる水戸浪士たち、不意を突かれた井伊大老の護衛は次々と斬り殺される。身を守ろうと手で防いだために指が飛び散る。やがて1人の浪士が井伊の籠に刀を刺す。
 次の瞬間、幕末らしからぬ輪転機やタイプライターの映像、井伊大老暗殺を報じる当時のワシントンポストなどのアップ映像。
 私の心の掴みはOK。全体に関自身が書いた日誌や当時の目撃者たちの文書を元にナレーションが構成されているので、文語調でリアルだった。
 
 ただ、残念だったのは、ヅラがいわゆる歌舞伎由来の典型的な時代劇鬘だった。また水戸斉昭は佐藤慶氏というのはイメージに合うのだが、井伊直弼は長門裕之氏、関鉄之助は川谷卓三氏というのが少し年齢が高い。
 演技にはまったく不満は無い。川谷氏の悲壮感漂う顔、桜田門での襲撃を知らせる投げ文を自ら開封して読み決死の形相になりながらも外の雪を見て晴れやかな表情をつくる井伊の長門氏、子孫たちが観たら涙する演技だと思う。
 しかし、当時の井伊大老は今の私とほぼ同い歳、関はまだ30代の後半、若いのである。当時の長門氏や川谷氏は実際の井伊や関より10歳以上歳上なのだ。
 
 当時の平均寿命を指摘する者もいるだろうが、それは錯覚である。平均寿命が40代だからといって当時の40代が現在の60・70のお爺さんだろうか? そんな馬鹿なことはない。
 あくまで乳幼児や老人の死亡率が高かったから平均寿命が短くなっているだけで、見た目は現在とさほど変わりは無いのである。たしかに、現代では通院するだけで直った病気や怪我も当時は生死に関わる、といったことは多々あるだろうから、現代人に比べれば死を身近に感じ、人生の制限時間というものを痛感していたかもしれない。現代人の40代なら何の疑いも持たずに30年は時間があると思うだろうが、当時の40代なら10年先は死んでいるかもしれないと思っていたかもしれない。
 
 現代より生活環境が悪かった庶民は、もしかしたら老けて見えたかもしれないが、井伊直弼は生活水準の高い上級の侍であり、もともと家督を継ぐことは普通ありえない末のほうの男子で、30過ぎまで勉学と武芸三昧だった。これは良家のボンボンが30まで学生やっているようなもの、だから見た目の老け具合は現代人とそれほど変わりは無いはずだ。
 リアルさを追求しているらしい今回の映画、またしても井伊大老役は還暦俳優の伊武雅刀氏、せめて宅麻伸氏あたりをあててほしかった。
 


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「桜田門外ノ変」 社会問題を考えたい時に〔24〕
男優評 伊武雅刀 「桜田門外ノ変 」(2010)
 

 
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[ 2010/08/31 12:00 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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