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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「龍馬伝」(20) TVドラマ評[三十] 

お元龍馬
 
【雑感】Yahoo!検索ランキングで「お元 龍馬」が急上昇。何事かと思ってネットを閲覧する。どういう訳か、24日放送「雨の逃亡者」のお元を史実と思っている人が多いようだ。素直な人たちである。それと、今までの「時代劇・大河ドラマ」と違って本作は現代劇のような演出をしているので、その効果の現れの一つかもしれない。
 
 「龍馬伝」はドキュメントではない。あくまで史実を参考にしたフィクションである。龍馬と弥太郎が幼馴染という初期設定からして史実とは異なる。坂本家と岩崎家はまるでご近所同士であるかのような描写をしていたが、高知に住んだ事のある者なら判るように、両家との間には徒歩で1泊旅行モノの距離がある。
 
 お元にしても、生没年は判っていない。坂本龍馬と後藤象二郎との会談の席にお元が同席していたのは事実であり、後藤象二郎からの主観的情報で龍馬お元は仲が良かったらしい事、そして明治初頭の記録に「お元」と称する芸妓が複数名いた事、これらが判明しているのみ。
 不明な点が多い人物であるため、他の女性キャラよりも劇的にイメージを膨らませる事ができる。長崎奉行所に雇われた密偵、隠れキリシタン、イギリス亡命はみな物語を盛り上げるためのフィクションだ。ドラマとはそれを割り切って楽しむものだ。
 
 
 もう一つ、お龍という妻がいながら、お元と関係を持つなんて・・、と眉を顰める者もいる。これもナンセンスだ。
 もともと日本は伝統的に開放的性生活をおくっていて、男も女も大らかだった。むしろ女のほうが積極的だったともいわれている。少なくとも男も女も結婚前にセックスを経験していないと大人でないというのが庶民の常識だ。現代社会の性の乱れを危惧する頭の固い方々が多いが、実は江戸時代のほうが性に関しては自由でぶっ飛んでいる。現代でもマニアックとされているプレイの数々も実は江戸時代にはあった訳で、逆に江戸時代にあって現代には無いプレイもあるかもしれない。

 現代の貞操観念は明治に入って西洋から輸入された科学技術や議会制度などに混じって入り込んだキリスト教価値観のせいである。「他人の庭の芝は青く見える」など、日本古来の諺と認識されているものの多くに聖書由来のものがあるのはそのためだ。
 その一方で幕藩体制下の武家社会に於いて女性に貞操を求める価値観が生まれ広がりつつあったのも事実のようだが、それを全国民が倣っていたわけではなかった。ところが明治に入って家父長制度を全国民に浸透させるため、庶民にも苗字を名乗らせ、自治体レベルでは女性も行使してきた参政権を奪ったのは時の明治政府、この政府の利害とキリスト教の価値観が一致したのも要因だと私は思う。
 
 そのキリスト教的価値観の影響をもろに受け、高知県議会では公娼を廃止させ、第1回帝国議会で男女同権を成し遂げようとした自由民権運動家植木枝盛も、若い頃は芸者遊びを盛んにやっている。龍馬が紀州藩をネガティブキャンペーンするため「よさこい節」の替え歌を芸妓に歌わせたように、枝盛も自分が作詞作曲した民権音頭などを芸妓に教えて流行らせた。
 枝盛でさえもこの体だから、ましてや龍馬であれば「港港に女」であるのは別段不思議ではない。しかも明日生きていられる保障は無い修羅場に身を置いているのだ。
 
 大河ドラマは現代人に納得できるようにアレンジされているので、お元との関係もプラトニックにしてある。私は逆にそれが不満だ。
     

 
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