ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「千秋太后」 TVドラマ評[三十二] 

千秋太后チョンチュテフ)」
  
【雑感】映画レビュー関係の知人から「ミカエルさん好みの韓流時代劇がある」と薦められたのがこの「千秋太后」である。
 
 観る前は、儒教的男尊女卑観念の下で抑圧された美しいヒロインが登場するだけなんだろう、と思っていた。巷では大評判の「大長今(宮廷女官チャングムの誓い)」は苦手だったからだ。
 ところがオープニングから私の心を鷲掴み。眉毛の太い美女のアップが登場、続けてその美女が甲冑を着けて馬を駆り馬上から勇ましく弓矢を放つ。標的を睨む凛々しい顔、私の心は見事に射抜かれた。
 
 高麗時代は、日本でいう平安時代から室町時代前期にあたる。作品は日本でいう平将門や安倍晴明が活躍していた頃か。 
 日本の時代劇の大半が江戸時代が舞台であるのと同じように、韓国も江戸時代とほぼ同時期の李氏朝鮮時代が中心だ。たまに日本の古代が舞台となる時代劇を観たら衣装のエキゾチックさに新鮮味を覚えるのと同じように、李氏朝鮮より昔の高麗時代の衣装もチマチョゴリと異なり呉服に近く古代日本の衣装にも似ているので、逆に親近感を私は抱く。
 
 そしてもう一つ、日本との共通項がある。それは男女の権利格差が後年の江戸時代や李氏朝鮮時代ほど大きくない事である。日本も韓国も男女差別が激しく性生活を抑圧する儒教を中国から輸入して国内に浸透させたり、同じく男女差別が激しく性生活を抑圧する基督教文化を取り入れる事で、男女の権利格差が開いてしまった。
 本作の高麗時代はそうなる前の話である。作中でも国王が病で倒れたとき王后が代わりに玉座に座って政務を執る場面がある。
 
 女性がヒーローの物語、これは世界的傾向なのだが、かつての良妻賢母型ヒロインではなく、勇ましく剣や弓矢を取る女傑が好まれるようになり、韓国もご多分に漏れず女性ヒーローを前面に推し出す作品といえる。
 なにしろ、強いのは主人公千秋太后だけではないのである。高麗へ侵攻する契丹の蕭太后はまさに女帝、眉を吊り上げるようなメイクなので、「スタートレック」に登場するロミュランの女将軍のような貫禄だ。配下の女剣士たちも強い。一方の千秋太后の配下の女剣士たちも美形で剛の者だ。
 これほど開き直ったかのように強い女性を大勢登場させる時代劇は日韓両国を見渡してもこの「千秋太后」ぐらいではないか。
 
 ただ、時代考証的には賛否あるようである。千秋太后は稀代の悪女・妖婦と呼ばれている人物で、それを現代のニーズに合わせ新解釈のキャラにつくりあげたからだ。
 一見するとリアル風味の「龍馬伝」もあからさまなフィクションがあるのだから、気楽に女ヒーローを愛でる冒険活劇として愉しむべきだろう。
 
 千秋太后役の蔡時那氏(チェ・シラ)、注目だ。
 
蔡时那 崔宰诚 李华 金锡勋 文贞熙 申爱 金浩振 金明洙 
 

 

 
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