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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「シーザーとクレオパトラ」 ゴージャス気分を楽しむ時に〔9〕 

シーザーとクレオパトラ」 
スカーレット・オハラのヴィヴィアン・リー
クレオパトラを演じる。

 

15歳頃のジーン・シモンズ。ハープ演奏担当の奴隷役で出演。 
  
【原題】CAESAR AND CLEOPATRA
【公開年】1945年  【制作国】英吉利  【時間】127分  
【監督】ガブリエル・パスカル ブライアン・デズモンド・ハースト
【原作】ジョージ・バーナード・ショウ
【音楽】ジョルジュ・オーリック
【脚本】ジョージ・バーナード・ショウ
【言語】イングランド語
【出演】クロード・レインズジュリアス・シーザー)  ヴィヴィアン・リークレオパトラ)  スチュワート・グレンジャー(-)  フローラ・ロブソン(-)  アンソニー・ハーヴェイ(-)  ルネ・アシャーソン(-)  ケイ・ケンドール(-)  ジーン・シモンズ(-)  フランシス・L・サリヴァン(-)  ベイジル・シドニー(-)  セシル・パーカー(-)  レイモンド・ラヴェル(-)  アーネスト・セシジャー(-)  マイケル・レニー(-)  エスメ・パーシイ(-)  スタンリー・ホロウェイ(-)  レオ・ゲン(-)  アラン・ウィートリー(-)  フェリックス・アイルマー(-)  ラッセル・ソーンダイク(-) 
  
【成分】ゴージャス 知的 かわいい コミカル 戯曲 エジプト ローマ時代 BC1世紀
       
【特徴】1945年作だがカラー作品である。
 タイトルだけを見るとローマ時代を舞台にした壮大なスペクタクル史劇を連想するが、その先入観は捨てたほうが良い。ローマの大権力者と猫かぶりの権力志向の強いエジプト王女のウイットに富んだ大人の駆け引きを楽しむのが無難な鑑賞法だ。
 クレオパトラ役には「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リー氏が好演。ファンならご存知のようにこの時期の彼女は結核を患っているのだが、それをまったく感じさせない小悪魔ぶりを披露。
 当時まだ15歳のジーン・シモンズ氏が楽器奏者の奴隷役でチョイ出演。
   
【効能】ゴージャスで豊かな大人の気分を楽しめる。
 
【副作用】壮大なローマ史劇を期待すると拍子抜け。史実にこだわる人は時代考証無視に激怒。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
15歳のジーン・シモンズが出演。

 1945年作なのでパブリックドメイン化している。本作のDVDは1コインの500円で購入した。

 原作はバーナード・ショーのウイットに富んだ戯曲、だからタイトルを見れば「ベン・ハー」や「スパルタカス」のような壮大なスペクタクル歴史ロマンを期待するだろうが、そういう人は観ない方が良い。たぶん、迫力の無さスケールの無さにガッカリするだろう。加えて時代考証も無視している。(余談1)
 
 出演俳優・エキストラ・衣装・ロケセットは絢爛豪華、また1945年で天然色(カラー)作品、かなりお金をかけていそうな大作だが、もともと舞台でやる戯曲を映画化しているので、場面場面は奥行きのある映像だが作品全体は舞台劇的な狭さを感じてしまう。
 もしTVが普及している時代に企画されていたら、この作品は映画化よりもTVドラマ化で済ませていたかもしれない。
 
 この映画の楽しみ方は、スカーレット・オハラ役で有名なヴィヴィアン・リー氏の小悪魔クレオパトラぶりを愛でる事だろう。このクレオパトラ、かなりの「ぶりっ子」。それを30過ぎのヴィヴィアンが演じるので最初は違和感を感じる人がいるかもしれないが、物語の進展とともに納得する。
 クレオパトラといえば、エリザベス・テイラー氏(リズ)が有名。妖艶な大人の女性を思い浮かべる人が圧倒的だ。しかし本作のクレオパトラは、キュートで残酷でシャープなのだ。演じた当時の年齢はリズの方が若いのだが、既に二の腕や肩に失礼ながら熟女の貫禄が付き始めている。ヴィヴィアンはスレンダーで引き締まっており、それが小悪魔キャラとピッタリだ。(余談2)
 
 人たらしの狸親父であるシーザーと、エジプトでの権力奪取を狙うクレオパトラとの駆け引きがこの物語の醍醐味だ。シーザーはなかなか本性を見せない。ぶりっ子キャラのクレオパトラも、シーザーの居ないところでは残酷な女性権力者の顔を魅せる。人たらしシーザーをクレオパトラは「彼は誰も愛さない。犬と接するように親しくするだけ」と看破しているところが渋い。
 さらに腹心に政敵暗殺を命じるとき、瞳を細め突然ハスキーボイスで可愛らしく「Kill Kill Kill」と発声するところが素敵でしびれる。
 
 と、ヴィヴィアンをもちあげてきたが、実は本作の目当てはヴィヴィアンではない。他のレビューでも述べたが、私は少年時代からジーン・シモンズ氏のファンである。本作にはまだ15・6歳のジーンが出演しているので買ったのだ。美少女時代のジーンをカラーで見られるのだ、ファンを標榜する者として買わねばならない。
 出演はほんの一場面のみ、台詞は無し。宮廷楽士の奴隷でハープを弾く少女の役だった。クレオパトラの威圧に懼れる顔がアップで映る。エジプト風のメイクなので大人びて見えた。

15歳のジーン・シモンズ
15歳のジーン・シモンズ
 
(余談1)シーザーが未だ臨戦体制下なのに何故か凱旋時に被る月桂冠をトレードマークのように頭にのせている。
 ローマ軍とエジプト軍の軍装が似すぎている。加えてローマ軍の軍装はちと違う。
 当時のローマ人にとって髭は蛮族かギリシア人が生やすものなのに、髭を蓄えている幕僚がいる。
 食事は何故か椅子に座って食べている。「ベン・ハー」でも描写されているように、当時の地中海地方の食事のとり方は寝そべって半身を起こして食べるのが普通。椅子に座るのは現代でいう立ち喰いにあたる。軍団のキャンプで食事なら判るが、クレオパトラ隣席の宮廷での会食では不自然か。
 
(余談2)ヴィヴィアンのファンならご存知と思うが、この時期の彼女は結核により左肺の機能が著しく低下している。にも関わらず、可愛らしくて若々しい発声をする。台詞の多い作品で主役なので、身体にはかなりの負担だったはずだ。
 


晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 
晴雨堂関連書籍案内
シーザーとクレオパトラ (岩波文庫) バーナード・ショウ


 
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