FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「竹取物語」 孤独を楽しむ時に〔11〕 

竹取物語」 
幻想的な絵、
市川崑監督の光の使い方が素晴らしい

 

 
【公開年】1987年  【制作国】日本国  【時間】121分  【監督】市川崑
【音楽】谷川賢作
【脚本】菊島隆三 石上三登志 日高真也 市川崑
【言語】日本語
【出演】沢口靖子(加耶)  三船敏郎(竹取りの造)  若尾文子(田吉女)  中井貴一(大伴の大納言)  春風亭小朝(車持の皇子)  竹田高利(安部の右大臣)  石坂浩二(帝)  小高恵美(明野)  中村嘉葎雄(密偵・理世)  伊東四朗(僧上の道尊)  常田富士男(商人の宇陀)  加藤武(藤原の大國)  岸田今日子(皇后)  山口弘知(彫金師)  浜村純(坂上の太政大臣)  出光元(村の長者)  横山道代(理世の妻)  井上博一(小野の房守)  中野美穂(五歳の加耶)    
      
【成分】ファンタジー ロマンチック ゴージャス 切ない 平安時代 時代劇 SF
      
【特徴】日本の古典名作「竹取物語」をSF仕立てにした市川崑監督の異色作。かぐや姫は月からやってきた宇宙人という設定だ。
 
【効能】いま観ると沢口靖子氏が可愛らしい。衣装が豪華で華やか。リッチな気分と浪漫に浸れる。幻想的な絵になっているので、深夜の静けさを楽しみたい時に最適。
 
【副作用】メリハリが少なく迫力が無いところに不満が出る。SF改編に不満、しかも中途半端。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
色彩と構図は素晴らしいのだが・・。

 公開直前、かぐや姫を宇宙人という設定にしてのSF大作仕立ての竹取物語が大評判で、特撮ファンの友人たちもよく話題にしていた。文藝作品のイメージが強い市川崑監督がSFを撮るというのも新機軸で期待はあった。(余談1)
 
 しかし、特撮はそこそこ気合が入っていたのだが、私には「ここまでやって、何で!?」という思いを持った。せっかく幻想的な昔話を「スターウォーズ」ばりのSF大作にして巨大な宇宙船まで登場させるというのに、かぐや姫を渡すまいとする帝の軍勢のショボイこと。あの程度の手勢では、まるで連続TV時代劇レベルではないか。
  
 かぐや姫を迎えにくる「月」の使者に対し戦を仕掛けるのだ。しかも竹取物語の世界では帝は国家元首の最高権力者(余談2)、万単位の雲霞の如く軍勢が屋敷をかため、10人がかりで操作する唐土渡来の巨大な弩弓を100ぐらい並べて炎矢を一斉射撃、それらを難なくなぎ倒し軍勢を蹴散らすUFO。1人の女性のために大スペクタクルが起こる。そこまでやって娯楽大作だ。でないと何のためのSF設定なのか、何のための特撮なのか解らない。(余談3)

 これはTVドラマではない。映画だ。SF大作だ。しかしドラマ程度のスケールしか無かった。これは当時の日本映画のイメージの限界かもしれない。いや、黒澤明監督はやっていたのだが、他の映画人がこじんまりとした世界しか抱けなかったことが原因だろう。予算が無いとかエキストラが少ないの問題ではない。ようは撮り方である。
 
 これは角川映画の「天と地」や「蒼き狼・・」にも露呈している。あれほどのエキストラを使いながら、迫力ではずっと少ないエキストラで済ませている「ラストサムライ」や「ブレイブハート」の方が上と感じるのは私だけだろうか? 黒澤明監督は異例で、大方の日本映画人は群衆シーンを撮るのは上手くない。
 
(余談1)当時の沢口靖子氏はまだ清純派キャラだったが、イマイチ評判が良くなかったように思う。私の周辺では概ね十二単姿が似合っていないという声が聞かれた。
 大河ドラマ「太平記」あたりから気の強い女性キャラが定着し、「科捜研の女」でオバサンキャラがブレイク、NHK時代劇では頻繁に自毛を活かした島田髷の和服姿も定着する。

(余談2)史実でも、例えば壬申の乱では大海人皇子と大友皇子との対戦で、両軍合わせて20万から30万の兵力が動員されたといわれている。当時の人口が1千万程度とすれば大変な動員力だ。少なくとも帝なんだから勅で万単位の兵を集めることはできるはずだ。

(余談3)70年代前半、中村敦夫氏が主演したTVドラマ水滸伝が放送されていた。佐藤慶氏が扮する大宋国宰相高俅の「大軍」が城を包囲する場面が何度か出てくるが、どう観ても30人程度の「大軍」にしか見えない。もちろん当時のTVドラマだから許される。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 
晴雨堂関連作品案内
新竹取物語 1000年女王 DVD-BOX 松本零士原作 
 
晴雨堂関連書籍案内
竹取物語 (岩波文庫) 阪倉篤義
新版・竹取物語―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) 室伏信助
妖女伝説 (2) (集英社文庫―コミック版) 星野之宣
 星野之宣氏の「月夢」もかぐや姫は宇宙人という設定だ。かぐや姫からもらった不老長寿の薬を竹取りの造夫妻が飲んでいた場合の後日談。竹取の翁は生き続け、安土桃山時代に南蛮へ渡り、さらにアメリカへ。20世紀では科学者となり宇宙飛行士として月へ行く。妻はそのまま尼僧院の尼になって山深い庵で隠遁生活。
  

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
130位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
64位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク