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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

地方自治法 近頃の現象[五百二十二] 

地方行政 揺らぐ二元代表制
 
 首長と議会の対立が先鋭化し、地方行政が混乱する自治体が相次いでいる。名古屋市や鹿児島県阿久根市では双方の対立の結果、1~2月にかけて出直し市長選や市議会解散の賛否を問う住民投票などを実施。首長と議会双方が住民から選ばれ、互いにチェック機能を果たす「二元代表制」の原則が揺らいでいる。4月の統一地方選でも焦点となる二元代表制の現状と課題を探った。(毎日新聞)
 
【雑感】以前なら問題は無かった。無かったというよりは表面化しなかったと言うべきか。
 何故なら、多くの自治体では圧倒的勢力の自民党が与党として議会を牛耳り、自民党勢力出身の人間が首長に就いていたからだ。ツーカーの仲ゆえ首長と議会が対立するなんて事は殆ど無い。首長の条例案は議会が即決、議会の条例案も首長の意思、議会のチェック機能が辛うじて働いていたのは、どこの自治体にも必ず何人かはいる共産党の議員と自民党と敵対すると同時に共産党にも組しない微妙なポジションの市民派議員が突っ込みを入れていたからだ。

 ある自治体の議会を傍聴した事があるが、あくまで私の印象だが議会はセレモニー化していた。新人議員は議員らしい経験を積ませる意味なのか、壇上にのぼって質問のような演説をする。行政に質問をしているのか、ヨイショ発言を並べているのか、趣旨が判らない内容だった。与党のベテラン議員になると腕を組んだり頬杖つくなどして「瞑想」されていたり、議案とは明らかに無関係の文庫本や単行本に目を通して「勉強」されていたり、残念ながら議員らしい振る舞いをしているのは共産党と市民派議員たちだけだったように見えた。
 緊張感のカケラも無い。

 緊張感が生まれた自治体があるとすれば、共産党や旧社会党系の、今や死語になった「革新系」市長が誕生したときくらいだろう。これは極めて稀な現象である。「革新系」首長が誕生したら保守系議員が数に任せて首長の施政に反対し首長の条例案や人事に悉く反対する。自治体運営が滞ってくると、味方であったはずの与党議員もフォローするどころか批判を繰り出すようになり、支持者であったはずの有権者たちも掌返して「裏切られた」と首長おろしを始める。大きな権限を持っている首長ゆえ、もっと闘い方もあるだろうが、何故か出身政党や支持勢力に気兼ねして動かない。
 かくして左翼首長は、保守系議員だけでなく味方勢力からも攻撃されて潰れ、短命に終わるパターンに陥る。
 
 ところが、阿久根市や名古屋の場合はそのパターンではない。両市長とも左翼ではなく保守の中の改革派だ。だから広範囲の有権者から支持を得やすい。さらに勇ましいはずの左翼首長でもなかなかやらない挙に出ている。最初から議会を敵に回すことを想定し、出身政党や後援勢力をあてにせず自ら積極的に四面楚歌の状態を作り上げ、与えられた権限を使いきり、民心掌握に力を集中した。
 むしろ二元代表制が揺らいでいるというよりも、ようやく本領が発揮できる時代に突入したのではないか。
 
 かつて征夷大将軍は「蛮族」を討伐するための国軍総司令官として設置された。幕府というのは、本来は「政庁」の意味ではなく「司令部」の意味である。
 朝廷の傘下に入らない国や地域を征服するだけでなく征服した土地での軍政権も与えられていた役職ゆえ、平安時代末期に源氏が目を付け、やがて武家政権の元首を表す役職へと変質した。
 ところが幕末にペリー提督率いるアメリカ艦隊が強行入港してから、忘れ去られた征夷大将軍の職責が問題になった。夷を討つのが本来の仕事、まさに欧米列強の軍事力という夷が日本を襲いかかろうとしている時、総軍を指揮して果敢に迎え撃ち撃破する責任を負っているはずの国軍総司令官が戦えない。意義を失った征夷大将軍は急速に国内のイニシアチブを失い大政奉還へと流れた。
 
 地方自治や二元代表制も有名無実化した征夷大将軍にならないよう、大いに対立し落としどころを見つけてほしいものだ。くれぐれも目先の問題に気を取られて変な法改正をしないでもらいたい。
 
 

 
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[ 2011/01/07 11:57 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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