FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」 カップルで泣きたい時に〔7〕 

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
感動の宇宙戦争浪漫

  

 
【公開年】1978年  【制作国】日本国  【時間】151分  【監督】舛田利雄
【原作】松本零士
【音楽】宮川泰
【脚本】 舛田利雄 山本英明 藤川桂介
【言語】日本語
【出演】納谷悟朗(沖田十三)  富山敬(古代進)  仲村秀生(島大介)  麻上洋子(森雪)  神谷明(加藤三郎)  野村信次(真田志郎)  伊武雅之(デスラー総統)  永井一郎(徳川彦佐衛門/佐渡酒造)  安原義人(太田健二郎)  緒方賢一(アナライザー)  林一夫(南部康雄)  曽我部和行(山本)  木村幌(土方艦長)  ささきいさお(斎藤始)  辻村真人(アンドロメダ艦長)  小林修(ズォーダ大帝)  小宮和枝(サーベラ―)  大塚周夫(バルゼー)  阪脩(ゴーランド)  村越伊知郎(ゲーニッツ)  富田耕生(ザバイバル)  市川治(ミル)  矢田耕司(タラン)  上田みゆき(テレサ)    
      
【成分】泣ける 悲しい スペクタクル 勇敢 絶望的 かっこいい 戦争 アニメ
      
【特徴】アニメ大国日本の礎となった伝説の超大作「宇宙戦艦ヤマト」の完結編となるはずだった名作。迫力ある戦闘場面や感動場面が機関銃のように出てきて、当時の少年少女たちは映画館で感涙した。登場人物がことごとく戦死する映画としても有名。
 
【効能】胸が高鳴り涙腺が活発に涙を分泌するだろう。
 
【副作用】ヤマト洗脳から解き放たれた人にはトンデモ作品。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。   
本当の完結偏
 
 公開時、中高生だったろうか。当時は級友と話す話題はヤマト一色だった。この時期、ヤマト人気の勢いをかってアニメ専門雑誌の老舗「アニメージュ」が創刊された。表紙はもちろんヤマトである。この時期は雨後の筍のように「ジ・アニメ」「アニメディア」(余談1)などが創刊された。
 
 いわばヤマト人気の絶頂期であり、現在のアニメ業界が基礎を確立した時期でもある。今から考えれば、異常な盛り上がりを背景にすれば西崎プロデューサーが「すみません、ヤマトを続けます」という趣旨の発言をし、ファンが喝采をあげるのは無理からぬことである。しかし、場末のファンとしてはこの作品で終えてほしかった。続編を創る事を睨んでこの作品を大幅に改編したTVシリーズは、観れたものではなかったからだ。(余談3)
 
 ヤマトはもともと綿密に設計された完成度の高い良質の物語だったが、初回は視聴者に支持されず名作「アルプスの少女ハイジ」にノックアウトされた事もあり、放送打ち切りにともなう改編と、再放送での急激な人気沸騰にともなう続編作成などで、けっして些細でない矛盾点がいたるところに発生したが、それでも作品の質を損なわない勢いが、この作品まではあった。
  
 ただ、公開当時は周囲の雰囲気で感動するばかり(余談4)だったが、後になってこれは物語の根幹を揺るがす矛盾ではないかと思う点が見つかった。それは沖田十三の思想である。
 というのも、ガミラスとの戦いは白色彗星帝国との戦い以上に絶望的だった。冥王星での会戦では、戦力の点で話にならないくらいガミラスに遅れをとっていて一方的に負けていた。それでも沖田は撤退を命令して再起を図ろうとした。戦って果てることを主張する古代守と、生きよと命ずる沖田との問答は有名である。
 その沖田が、「愛の戦士たち」で「お前にはまだ武器がある。命だよ」と自爆攻撃を示唆するはずがない。(もちろん、古代の勝手な思い込みとも言えるが)さらに沈着冷静な島が、離艦を命令する古代に「無茶な命令には反問する権利がある」と反抗して自爆特攻に付き合おうとするのもおかしい。彼の性格なら、退却してゲリラ戦を展開することを主張するはずである。
 
 いずれにせよ、この作品で完結の予定だった。だから許せた。最後だからこそ主人公を含めた主要キャラの大半が容赦なく死んだ。ここまでキャラを殺してしまうアニメは、ヤマトが最初ではないだろうか。
 その物語の存在を全て反古にして続編を創るのは、当時も今も無茶な事だとやはり思う。

(余談1)この2誌の創刊号から廃刊号?までを知人から全号譲り受けた。

(余談2)この作品以降、ヤマトの艦長席は艦内で最も危険な場所、という伝説が生まれる。このヤマトに影響されたのか? アメリカの「スタートレック」でも宇宙船エンタープライズ号歴代船長は死亡または半身不随になる伝説が生まれる。(パイクは重度の障害・スポック一時的に死亡・デッカー死亡・カーク紆余曲折の末死亡)

(余談3)TV版で良いところといえば、ズオーダー大帝の側近でたしか軍の最高司令官の肩書きを持つ女性だったと思うが、映画では単なる愛人程度の描写しかなかったが、TVでは謀略をめぐらせてデスラーを失脚させるなどキャラが活きていた。

(余談4)見せ場は至るところにあった。白色彗星帝国の客将に成り下がったデスラーはズオーダー大帝の前で精一杯の体面を保とうとニヒルな笑みを浮かべ軽く会釈しながら「感謝の極み」と謝辞を述べる。かつての第一人者にとっては屈辱感が滲む場面だ。
 ヤマトとの白兵戦になったとき、デスラー艦中枢コンピューターが破壊されてロボット兵士の制御ができなくなり、チェス型の制御盤の前で寂しく笑いながら「所詮は操り人形か・・」と呟くデスラーは哀愁漂う大人の格好よさが滲んでいた。
 白色彗星中枢に侵入した真田たちは時限爆弾をセットする。真田の作業を援護するため仁王立ちで盾になり銃を撃ちつづける斉藤。斉藤が倒れた後、真田は優しい顔で斉藤の遺体に「ありがとう」と語り、敵兵を睨みつけて無言で起爆装置のスイッチを押す。
 破壊工作を終えて古代と加藤の2人だけが生還するが、ヤマトに帰還したときには穏やかに眠るように息絶えた加藤の顔。
 満身創痍のヤマトに戻った古代は、「全砲門を開け!」と命令、主砲から煙突ミサイルまでありったけの火蓋を切る。しかし、敵の都市は破壊されるが、中から巨大戦艦が出現。勝ち誇る大帝、矢玉尽きたヤマトの若き艦長古代は尚も指をさし「お前は間違っている!」と叫ぶ。(その後の台詞はクサイが)
 これら名場面のたびに映画館の中はすすり泣く声が起こった。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
晴雨堂関連作品案内
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち シンフォニック・オーケストラ・ヤマト
宇宙戦艦ヤマト【劇場版】 [DVD]
宇宙戦艦ヤマト~新たなる旅立ち~【劇場版】 [DVD]
ヤマトよ永遠に【劇場版】 [DVD]
宇宙戦艦ヤマト~完結編~【劇場版】 [DVD]

晴雨堂関連グッズ案内
遊歩計 宇宙戦艦ヤマト~歩いてイスカンダルへ~


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
130位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
64位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク